JP2014092076A - イオン電流検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火プラグに堆積するカーボンにクラックや剥離が存在すると、中心電極と側方電極間を流れる漏洩電流が一様にならない。このような漏洩電流では燻ぶり抵抗の算出位置によっては燻ぶり抵抗が正確に算出されない場合がある。よって、正確な燻ぶり抵抗が算出できなければ、真イオン電流値も正確な値を得られないため、燃焼状態の判定を誤判定する問題が生じる。
【解決手段】イオン電流検出回路90が検出するイオン電流に基づく検出信号及びコンデンサ94の両端電圧から漏洩電流測定時刻内の複数時刻における点火プラグ50の燻ぶり抵抗を算出し、複数時刻における燻ぶり抵抗を平均化した燻ぶり抵抗平均値を算出し、イオン電流検出回路90が検出するイオン電流に基づく検出信号及び真燻ぶり抵抗から真イオン電流波形を算出し、真イオン電流波形から内燃機関の燃焼状態を判定する。
【選択図】図8

Description

本発明は、自動車等の内燃機関用の点火装置に関し、特に、内燃機関の燃焼により発生するイオン電流を検出するイオン電流検出装置に関するものである。
従来より、1次コイルと2次コイルが電磁結合されてなる内燃機関用の点火装置において、内燃機関のシリンダ内に供給した空気及び燃料の混合気を、点火プラグの放電により燃焼させ、燃焼時のシリンダ内のイオン化した分子を点火プラグに高電圧を印加することでイオン電流を検出するイオン電流検出回路を備えたものがあり、検出したイオン電流から内燃機関の燃焼状態を判定している。
ところが、点火プラグの電極周辺では、内燃機関の空燃比が低いと不完全燃焼によってカーボンが発生する。カーボンがプラグの電極に堆積すると中心電極と側方電極間の絶縁抵抗を低下させミスファイヤーにつながる。また、冬季は外気温が低いので、ガソリンが細かい霧状にならず、空気と上手く混ざらないため不完全燃焼が発生し易くなる。即ち、燻ぶりという現象を起こしてしまう。このため、中心電極と側方電極間で漏洩電流も検出してしまうため、実際のイオン電流に漏洩電流が合成されたイオン電流に基づいた燃焼状態の判定が行われるため、誤判定を招く恐れが生じる。
このようなイオン電流検出装置としては、例えば、特開2003−083222号公報(特許文献1)では、燻ぶり抵抗(カーボン等によって形成される抵抗)を予め算出しておき、漏洩電流iが次の式から求められている。
i=Vo/(Rn+Ro)・EXP{−t/Co・(Rn+Ro)}
この漏洩電流iは、サンプルしたイオン電流から漏洩電流の成分をキャンセルさせる際に用いられる。
また、燻ぶり抵抗Rnについては、吸気工程近傍でサンプルされたイオン電流が漏洩電流を表
しているところ、特許文献1では、吸気工程近傍の2点のイオン電流i1,i2をサンプ
ルし、次の式を用いて燻ぶり抵抗Rnが求められている。
Rn=〔Δt/{Co・ln(i1/i2)}〕−Ro
また、他の例としては本出願人による特開2012−117420号公報(以下「特許文献2」)が知られている。当該特許文献2では、一次コイル及び二次コイルによって高電圧を生成するものであって内燃機関の点火プラグへ前記高電圧を印加させる点火コイルと、前記一次コイルの通電を断続制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素子へ点火信号を与えて当該スイッチング素子を制御させる制御装置と、コンデンサへチャージされた電荷の放電によって前記点火プラグでイオン電流を生じさせ且つ前記イオン電流に比例するイオン電流検出信号を出力させるイオン電流検出回路とを備えている。
また、前記制御装置は、前記イオン電流が流れ始めてから吸気工程又は圧縮工程の漏洩電流測定時刻に至るまでの所定期間について前記イオン電流検出信号をサンプリングする処理と、前記所定期間における前記コンデンサの放電電荷量に基づいて前記漏洩電流検出時刻における前記コンデンサの両端電圧をVnとし、前記コンデンサの両端電圧の初期値をVzとし、前記コンデンサの電気容量をCとし、前記イオン電流検出信号を検出する時間間隔をdtとし、前記所定期間における前記イオン電流検出信号のサンプル値を積算させた値をΣIcとすると、前記コンデンサの両端電圧Vnは、Vn={C・Vz−(ΣIc)・dt}/C,によって算出する処理と、前記イオン電流検出信号のうち前記漏洩電流測定時刻におけるサンプル値及び前記漏洩電流測定時刻における前記コンデンサの両端電圧に基づいて前記点火プラグの前記燻ぶり抵抗をR(leak)とし、前記イオン電流検出信号のうち前記漏洩電流測定時刻におけるサンプル値をIcnとし、前記コンデンサの両端電圧の初期値をVzとし、前記コンデンサの電気容量をCとし、前記イオン電流検出信号を検出する時間間隔をdtとし、前記所定期間における前記イオン電流検出信号のサンプル値を積算させた値をΣIcとすると、当該燻ぶり抵抗R(leak)は、R(leak)={C・Vz−(ΣIc)・dt}/(C・Icn),によって算出する処理と、を機能させる。
また、点火プラグでの漏洩電流を前記サンプル値からキャンセルさせた値を真イオン電流値Iiとし、前記所定時刻における前記イオン電流検出信号のサンプル値をIcとし、前記燻ぶり抵抗をR(leak)とすると、当該真イオン電流値Iiは、Ii=Ic−{Vc/R(leak)},によって算出されることとするイオン電流検出処理装置が記載されている。
特開2003−083222号公報 特開2012−117420号公報
しかしながら、上記従来のイオン電流検出装置では次のような問題が発生している。即ち、特許文献1では、燻ぶり抵抗Rnは、検出抵抗Roが正確に把握されていないと漏洩電流iの算出結果に誤差が生じる。ところが、検出抵抗Roは各素子によって公証値に対する若干の誤差が生じていること、実際のイオン電流の検出回路では検出抵抗Roの他に種々の抵抗・インピーダンスが含まれ設計誤差が生じてしまうこと等から、燻ぶり抵抗Rnの算出結果が不正確な値となる事態が起こり得る。
また、検出抵抗及び周辺の抵抗値等を正確に把握できない性質上、漏洩電流の算出結果にも無視できない誤差が含まれてしまうことが起こり得る。従って、燃焼直後に検出したイオン電流から漏洩電流をキャンセルさせる処理を行うと、其の結果値(イオン電流の真値)についても誤差が含まれてしまうため、イオン電流に基づいて行なわれる燃焼状態の解析精度が低下してしまうとの問題が生じる。
また、特許文献2では、正確に算出された燻ぶり抵抗に基づいて真イオン電流値(燃焼状態の解析を行なうパラメータの一形態)を算出処理させているので、この真イオン電流値についても正確な値が得られるため、誤診断・誤判定されることなく、燃焼状態の解析が好適に実施される。しかし、点火プラグに堆積するカーボンにクラックや剥離が存在すると、中心電極と側方電極間を流れる漏洩電流が一定にならない。このような漏洩電流では燻ぶり抵抗の算出位置によっては燻ぶり抵抗が正確に算出されない場合がある。よって、正確な燻ぶり抵抗が算出できなければ、真イオン電流値も正確な値を得られないため、燃焼状態の判定を誤判定する問題が生じる。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、点火プラグに堆積するカーボンにクラックや剥離が存在し、1回の点火中での中心電極と側方電極間を流れる漏洩電流が一定にならない場合であっても、正確な燻ぶり抵抗を算出し、真イオン電流値から燃焼状態を判定することができるため、燃焼状態を誤判定することを防ぐイオン電流検出装置を提供することを目標とする。
上記課題を解決するために本発明は次のような構成とする。即ち、請求項1の発明においては、1次コイルと2次コイルが電磁結合されて点火プラグに高電圧を印加するコイル部と、当該1次コイルへの通電のON・OFFを切り替えるイグナイタと、当該イグナイタに点火信号を供給するECUと、コンデンサをバイアス電源として前記点火プラグに発生するイオン電流を検出するイオン電流検出回路と、を備え、前記ECUは、前記イオン電流検出回路が検出するイオン電流に基づく検出信号及び前記コンデンサの両端電圧から漏洩電流測定時刻内の複数時刻における前記点火プラグの燻ぶり抵抗を算出し、複数時刻における燻ぶり抵抗を平均化した燻ぶり抵抗平均値を算出することを特徴とするイオン電流検出装置とする。
上記構成においては、前記ECUは、内燃機関の気筒毎に算出した燻ぶり抵抗平均値を算出する構成としてもよい。また、前記ECUは、前記イオン電流検出回路が検出するイオン電流に基づく検出信号及び前記燻ぶり抵抗平均値から真イオン電流を算出し、当該真イオン電流から内燃機関の燃焼状態を判定する構成としてもよい。さらに、前記ECUは、内燃機関の少なくとも1つの気筒におけるn回目の燃焼で算出した燻ぶり抵抗平均値から少なくとも1つの気筒におけるn+1回目の燃焼時の真イオン電流を算出し、当該真イオン電流から内燃機関の燃焼状態を判定する構成としてもよい。
上記の通り、1次コイルと2次コイルが電磁結合されて点火プラグに高電圧を印加するコイル部と、1次コイルへの通電のON・OFFを切り替えるイグナイタと、イグナイタに点火信号を供給するECUと、コンデンサをバイアス電源として点火プラグに発生するイオン電流を検出するイオン電流検出回路と、を備え、ECUは、イオン電流検出回路が検出するイオン電流に基づく検出信号及びコンデンサの両端電圧から漏洩電流測定時刻内の複数時刻における点火プラグの燻ぶり抵抗を算出し、複数時刻における燻ぶり抵抗を平均化した燻ぶり抵抗平均値を算出し、イオン電流検出回路が検出するイオン電流に基づく検出信号及び真燻ぶり抵抗から真イオン電流を算出し、真イオン電流から内燃機関の燃焼状態を判定することで、点火プラグに堆積するカーボンにクラックや剥離が存在し、1回の点火中での中心電極と側方電極間を流れる漏洩電流が一定にならない場合であっても、正確な燻ぶり抵抗を算出し、正確なイオン電流値を算出できると共に、真イオン電流値から燃焼状態を判定することができるため、燃焼状態を誤判定することを防ぐイオン電流検出装置が実現できる。
本発明の第1の実施例とするイオン電流検出装置の回路図を示す図である。 第1の実施例とするイオン電流検出装置の1次コイルへの充電時の動作を示す図である。 第1の実施例とするイオン電流検出装置の2次コイルからの放電時の動作を示す図である。 第1の実施例とするイオン電流検出装置のイオン電流検出時の動作を示す図である。 (a)はカーボンが堆積した点火プラグの電極部を示し、(b)は堆積したカーボンにクラックが発生した点火プラグの電極部を示す図である。 内燃機関の動作を現す点火信号、2次電圧、及び、イオン電流を示すタイムチャートである。 堆積したカーボンにクラックが発生した点火プラグの漏洩電流を示すタイムチャートである。 第1の実施例とするイオン電流検出装置の制御を示すフローチャートである。 (a)はイオン電流波形を示し、(b)は漏洩電流波形を示し(c)は真イオン電流波形を示すタイムチャートである。
以下に、本発明の実施の形態を示す実施例を図1乃至図9に基づいて説明する。
本発明の第1の実施例とするイオン電流検出装置の回路図を示す図を図1に、イオン電流検出装置の1次コイルへの充電時の動作を示す図を図2に、イオン電流検出装置の2次コイルからの放電時の動作を示す図を図3に、イオン電流検出装置のイオン電流検出時の動作を示す図を図4に、(a)はカーボンが堆積した点火プラグの電極部を示し、(b)は堆積したカーボンにクラックが発生した点火プラグの電極部を示す図を図5に、内燃機関の動作を現す点火信号、2次電圧、及び、イオン電流を示すタイムチャートを図6に、堆積したカーボンにクラックが発生した点火プラグの漏洩電流を示すタイムチャートを図7に、イオン電流検出装置の制御を示すフローチャートを図8に、(a)はイオン電流波形を示し、(b)は漏洩電流波形を示し(c)は真イオン電流波形を示すタイムチャートを図9に、それぞれ示す。
図1において、内燃機関用の点火装置100は、コイル部、イグナイタ60、及び、イオン電流検出回路90から構成されている。当該コイル部は1次巻線を巻き回した1次コイル10と、2次巻線を巻き回した2次コイル20と、珪素鋼板からなる鉄芯30と、を電磁結合して構成されている。また、当該イグナイタ60はIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)から構成されている。さらに、当該イオン電流検出回路90は、ツェナーダイオード92a、第1のダイオード92b、第2のダイオード92c、コンデンサ94、オペアンプ96、第1の抵抗98a、及び、第2の抵抗98bと、から構成されている。
また、前記2次コイル20の高圧側は、内燃機関のシリンダ内に放電を行うと共に、内燃機関の燃焼によって電極間に発生するイオン電流を検出する点火プラグ50の中心電極52(図5に記載)と接続し、当該点火プラグ50の側方電極54(図5に記載)は、車体側に配備されるグランドに接続されている。さらに、当該点火プラグ50は、当該中心電極52と当該側方電極54の間に燻ぶり抵抗を示す如く、燻ぶり抵抗Rが並列に接続されているものと見なしている。
また、前記2次コイル20の低圧側は、前記イオン電流検出回路90と接続され、前記ツェナーダイオード92aのカソード端子と接続されている。さらに、前記ツェナーダイオード92aのアノード端子は、前記第1のダイオード92bのアノード端子と接続され、前記第1のダイオード92bのカソード端子はグランドと接続されている。
また、前記コンデンサ94は、前記ツェナーダイオード92aと並列に接続される。さらに、前記コンデンサ94のプラス端子は、前記ツェナーダイオード92bのカソード端子と接続され、マイナス端子は、前記ツェナーダイオード92aのアノード端子と接続される。
また、前記第1の抵抗98aは、前記コンデンサ94のマイナス端子と接続され、前記第1の抵抗98aの前記コンデンサ94と接続される反対側は、前記オペアンプ96の反転入力端子と接続されている。さらに、前記オペアンプ96の反転入力端子と前記第1の抵抗98aとの接続部は、前記第2のダイオード92cのカソード端子と接続され、前記第2のダイオード92cのアノード端子は、グランドと接続されている。
また、検出抵抗と呼ばれる前記第2の抵抗98bは、前記オペアンプ96の反転入力端子と出力端子と並列に接続される。さらに、前記オペアンプ96の正電源端子は、電源と接続されることで電力の供給を受け、前記オペアンプ96の非反転入力端子及び負電源端子は、グランドと接続される。
また、前記ツェナーダイオード92aは、ブレークダウン電圧が270Vのツェナーダイオードとなっており、前記ツェナーダイオード92aのブレークダウン電圧の値によって前記コンデンサ94に充電される電圧が270Vに制限されている。
また、前記1次コイルの高圧側は、前記イグナイタ60のコレクタ端子と接続され、前記イグナイタ60のエミッタ端子は、グランドと接続されている。さらに、前記イグナイタ60のゲート端子は、自動車のエンジンECU80と接続され、当該エンジンECU80は、前記イグナイタ60のゲート端子へ点火信号を供給している。
次に、図2から、点火装置の1次コイルへの充電時の動作説明をする。
図2において、前記エンジンECU80から前記イグナイタ60のゲート端子に対して点火信号SGが入力されると、前記イグナイタ60のゲート・コレクタ間に矢印に示すようにゲート電流が流れる。すると、前記イグナイタ60のコレクタ・エミッタ間が通電される。その結果、図2の矢印に示すように、前記電源40→前記1次コイル10→前記イグナイタ60の経路で1次電流Iが流れる。
次に、図3から点火装置の2次コイルからの放電時の動作説明をする。
図3において、前記ECU80から前記イグナイタ60のゲート端子に対する点火信号SGが遮断されると、前記1次コイル10に流れていた1次電流Iが電磁誘導によって前記2次コイル20に逆起電力を発生させる。その結果、図3の矢印に示すように、前記点火プラグ50→前記2次コイル20→前記ツェナーダイオード92a→前記第1のダイオード92bの経路で2次電流Iが流れる。また、前記コンデンサ94は、前記ツェナーダイオード92aのブレークダウン電圧と対応して充電される。
次に、図4から点火装置のイオン電流検出時の動作説明をする。
図4において、前記点火プラグ50からの放電が終息していくと、上記図3の2次コイルからの放電時に充電された前記コンデンサ94の両端電圧をバイアス電源として、図4の矢印に示すように、前記第2の抵抗98b→前記第1の抵抗98a→前記コンデンサ94→前記2次コイル20→前記点火プラグ50の経路でイオン電流Iionが流れる。その結果、前記オペアンプ96からイオン電流Iionに対応する検出信号が出力される。また、前記エンジンECU80は、前記オペアンプ96から出力された検出信号を基に、前記内燃機関の燃焼状態の判定を行っている。
図5(a)より、通常は前記中心電極52と前記側方電極54間を矢印p方向にイオン電流Iionが流れ、イオン抵抗Rが生じる。また、前記内燃機関の不完全燃焼によりカーボンが前記中心電極52と側方電極54間に堆積すると、矢印q方向に流れる漏電電流の原因となる燻ぶり抵抗Rが生じる。さらに、当該イオン抵抗Rは、燃焼ガスを構成する分子の電離状態に応じて変動するものであり、当該燃焼ガスの圧力状態によっても変動するため、当該イオン抵抗Rは、燃焼サイクルに応じて変動するが、前記燻ぶり抵抗Rは、カーボン等の堆積状態に応じて燻ぶり抵抗値が変動するものである。
図5(b)より、前記中心電極52と前記側方電極54間に堆積したカーボンにX部に示すようなクラックや剥離が生じると、カーボンに発生する間隔Lによって漏洩電流が流れたり流れなかったりするため、前記図5(a)で示した矢印q方向に流れる漏電電流の原因となる燻ぶり抵抗値も変動する。
図6において、前記内燃機関の動作を現す点火信号、2次電圧、及び、イオン電流を示すタイムチャートが示されている。前記内燃機関は、吸気工程→圧縮工程→燃焼行程→排気工程の4つの燃焼サイクルからなる4サイクルエンジンである。また、図6(a)より、前記ECU80から前記イグナイタ60へ供給される点火信号SGであり、圧縮工程毎に前記ECU80からパルス波が出力される。さらに、図6(b)より、点火信号SGの立下りに対応して前記2次コイル20から30kV前後の高電圧が発生する。
また、図6(c)より、イオン電流Iionは、前記点火プラグ50の放電動作が収束すると形成される。さらに、イオン電流Iionは前記内燃機関の燃焼後、ピーク位置に向かって上昇し、ピーク位置から徐々に下降し収束していく波形を描く。前記ECU80は、このイオン電流Iionの入力から前記オペアンプ96が返還する検出信号を基に前記内燃機関の燃焼状態を判定している。例えば、イオン電流Iionがピーク位置まで上昇しないような波形となれば前記内燃機関の燃焼状態が失火していると判定する。
図7において、前記点火プラグ50の電極にカーボンが堆積すると、図7(a)に示すような漏電電流Iが発生する。漏電電流Iはイオン電流Iionが発生する期間に上記図5(a)で示した矢印q方向に流れる電流であり、イオン電流Iionの収束に伴って漏電電流Iも収束していく。しかし、上記図5(b)で示した前記中心電極52と前記側方電極54間に堆積したカーボンにX部のようなクラックや剥離が生じると、図7(b)に示すような、クラックや剥離により漏電電流Iの通電状態が不安定になることから、漏電電流Iがパルス状に途切れるY部のような波形や、漏電電流Iが局所的に大きくなるZ部のような波形となる。
次に、内燃機関のイオン電流検出装置の動作を図8に基づいて説明する。
図8において、前記イオン電流検出回路90は、前記点火プラグ50の電極間に発生するイオン電流Iionを検出し、前記ECU80は、イオン電流Iionに対応する検出信号が入力される(S1)。また、前記ECU80は、前記コンデンサ94の放電電荷量を算出する(S2)。具体的には、イオン電流Iionの時間t〜tの面積値S(図9aに記載)によって放電電荷量を算出する。さらに、前記ECU80は、S2で算出した放電電荷量に基づいて、漏洩電流測定時刻t,t,t,t(図9aに記載)の4箇所の時刻での前記コンデンサ94の両端電圧V,V,V,Vを算出する(S3)。具体的には、前記コンデンサ94の両端電圧をV,V,V,V、前記コンデンサ94の電気容量をC、ツェナーダイオード92aのブレークダウン電圧をV、時刻t,t,t,tにおけるイオン電流Iionの積算値をΣIionとすると、
={C・V−(ΣIion)・dt}/C,
={C・V−(ΣIion)・dt}/C,
={C・V−(ΣIion)・dt}/C,
={C・V−(ΣIion)・dt}/C
によって算出される。
また、前記ECU80は、S3で算出した漏洩電流測定時刻t,t,t,t(図7bに記載)の4箇所の時刻での前記コンデンサ94の両端電圧V,V,V,Vからそれぞれの時刻での燻ぶり抵抗R,R,R,Rが算出される(S4)。具体的には、燻ぶり抵抗R,R,R,Rは、
=V/Iion・r
=V/Iion・s
=V/Iion・t
=V/Iion・u
によって算出される。
ここでは、図7(b)に示した漏洩電流測定時刻tについては、漏洩電流が通常時よりも大きいため、正確な燻ぶり抵抗が得られない。また、漏電電流測定時間tについては、漏電電流がパルス状に途切れているため、本来は燻ぶりが発生しているにもかかわらず燻ぶり抵抗が得られない。
また、前記ECU80は、S4で算出した漏洩電流測定時刻t,t,t,tの4箇所の時刻での燻ぶり抵抗R,R,R,Rから平均値となる燻ぶり抵抗平均値RLAを算出する(S5)。さらに、前記ECU80は、S5で算出した燻ぶり抵抗平均値RLAから真イオン電流Iion´を算出する(S6)。具体的には、真イオン電流Iion´は、
ion´=Iion―(V/RLA
によって算出される。
また、前記ECU80は、S6で算出した真イオン電流Iion´から前記内燃機関の燃焼状態を判定する(S7)。さらに、図8のイオン電流検出装置の動作は前記内燃機関の気筒毎に実施される。
図9において、前記内燃機関のイオン電流波形、漏洩電流波形、及び、真イオン電流波形を示すタイムチャートが示されている。また、図9(a)と図9(c)を比較すると、真イオン電流波形では、図9(b)の漏洩電流が重畳されていた波形が取り除かれている。このため、ピーク位置はイオン電流波形と比べて低くなり、波形の下降もイオン電流が消滅するまで低下している。
上記構成により、前記点火プラグ50の電極間に発生するイオン電流Iionを検出し、漏洩電流測定時刻t,t,t,tの4箇所の時刻での前記コンデンサ94の両端電圧V,V,V,Vからそれぞれの時刻での燻ぶり抵抗R,R,R,Rが算出すると共に、燻ぶり抵抗R,R,R,Rから平均値となる燻ぶり抵抗平均値RLAを算出し、燻ぶり抵抗平均値RLAから真イオン電流Iion´を算出する。これにより、前記点火プラグ50に堆積するカーボンにクラックや剥離が存在し、1回の点火中での前記中心電極52と前記側方電極54間を流れる漏洩電流Iが一定にならない場合であっても、正確な燻ぶり抵抗を算出できると共に、正確なイオン電流値を算出できる。
具体的には、図7(b)に示した漏洩電流測定時刻tのような漏洩電流が通常時よりも大きい位置で測定した場合や、漏電電流測定時間tのような漏電電流がパルス状に途切れている位置で測定した場合でも、4箇所の漏洩電流測定時刻で検出した燻ぶり抵抗R,R,R,Rから平均値となる燻ぶり抵抗平均値RLAを算出することで正確な燻ぶり抵抗を算出することができる。
また、漏洩電流が重畳されたイオン電流ではなく、より正確な真イオン電流で前記内燃機関の燃焼状態を判定することで、燃焼状態を誤判定することを防ぐことができる。さらに、前記内燃機関の気筒毎に燻ぶり抵抗Rを算出することで、各気筒の前記点火プラグ50に堆積したカーボンの状態に応じた真イオン電流が算出することができる。
なお、上記実施例1の変形例として、前記イオン電流検出回路90は、設計事情によって任意の回路構成に変更してもよい。また、燻ぶり抵抗平均値RLAは、4箇所の漏洩電流測定時刻t,t,t,tに基づく燻ぶり抵抗R,R,R,Rから算出したが、漏洩電流測定時刻は複数箇所であれば設計事情によって任意に変更してもよいが、漏洩電流測定時刻は多ければより正確な燻ぶり抵抗を算出できるが前記ECU80での処理速度が遅くなることが懸念されるため、それぞれのバランスを考慮する必要がある。さらに、前記ECU80は、前記内燃機関の少なくとも1つの気筒におけるn回目の燃焼で算出した燻ぶり抵抗Rを用いて、前記内燃機関の少なくとも1つの気筒におけるn+1回目の燃焼時の真イオン電流Iion´を算出してもよい。これにより、前記内燃機関の燃焼時に算出される真イオン電流Iion´の処理を素早く行うことができる。
10:1次コイル
20:2次コイル
30:鉄芯
40:電源
50:点火プラグ
52:中心電極
54:側方電極
60:イグナイタ(IGBT)
80:ECU
90:イオン電流検出回路
92a:ツェナーダイオード
92b:第1のダイオード
92c:第2のダイオード
94:コンデンサ
96:オペアンプ
98a:第1の抵抗
98b:第2の抵抗(検出抵抗)
100:イオン電流検出装置

Claims (4)

  1. 1次コイルと2次コイルが電磁結合されて点火プラグに高電圧を印加するコイル部と、当該1次コイルへの通電のON・OFFを切り替えるイグナイタと、当該イグナイタに点火信号を供給するECUと、コンデンサをバイアス電源として前記点火プラグに発生するイオン電流を検出するイオン電流検出回路と、を備え、
    前記ECUは、前記イオン電流検出回路が検出するイオン電流に基づく検出信号及び前記コンデンサの両端電圧から漏洩電流測定時刻内の複数時刻における前記点火プラグの燻ぶり抵抗を算出し、複数時刻における燻ぶり抵抗を平均化した燻ぶり抵抗平均値を算出することを特徴とするイオン電流検出装置。
  2. 前記ECUは、内燃機関の気筒毎に算出した燻ぶり抵抗平均値を算出することを特徴とする請求項1に記載のイオン電流検出装置。
  3. 前記ECUは、前記イオン電流検出回路が検出するイオン電流に基づく検出信号及び前記燻ぶり抵抗平均値から真イオン電流を算出し、当該真イオン電流から内燃機関の燃焼状態を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン電流検出装置。
  4. 前記ECUは、内燃機関の少なくとも1つの気筒におけるn回目の燃焼で算出した燻ぶり抵抗平均値から少なくとも1つの気筒におけるn+1回目の燃焼時の真イオン電流を算出し、当該真イオン電流から内燃機関の燃焼状態を判定することを特徴とする請求項1に記載のイオン電流検出装置。
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