JP2014114624A - 床板材用吊り金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】床板材の開口部に吊りボルトを容易に懸吊することが可能で、しかも、幅狭の支持金具でも支持強度に優れた床板材用吊り金具を提供する。
【解決手段】床板材の上面に係止せしめる帯板状の係止金具10を設ける。係止金具10のサイズを開口部の下から挿通で着るサイズに形成する。係止金具10に、吊りボルトQの上端が突き当たる当接部12を設ける。係止金具10に、係止片13と一対の屈曲片14とを設ける。床板材の下面に配置する補助金具20を設ける。補助金具20に、屈曲片14の外側に重合する重合片22を設ける。屈曲片14の拡開変形を重合片22で抑止するように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】床板材の上面に係止せしめる帯板状の係止金具10を設ける。係止金具10のサイズを開口部の下から挿通で着るサイズに形成する。係止金具10に、吊りボルトQの上端が突き当たる当接部12を設ける。係止金具10に、係止片13と一対の屈曲片14とを設ける。床板材の下面に配置する補助金具20を設ける。補助金具20に、屈曲片14の外側に重合する重合片22を設ける。屈曲片14の拡開変形を重合片22で抑止するように構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鋼製の床板材に吊りボルトを吊り下げる際に使用する床板材用吊り金具に係り、特に、床板面に長孔状の開口部が連続形成された床板材に装着可能な床板材用吊り金具に関するものである。
鋼製の床板材として、板面にスロットと称する長孔形状の開口部が連続形成された鋼製の床板材が使用されている(例えば、株式会社ニッケンビルド社製:日鐵ファインフロア等)。この種の床板材は軽量で施工性が良く、採光、通気性に優れているため、近年、ビル屋上のメンテナンスデッキや工場の安全通路、作業床、歩廊など、様々な用途に利用されている。この床板材に配管等の設備を懸吊支持するには、この床板材を支持する鋼材に吊り金具を取り付け、この吊り金具に配管等を懸吊していた。
また、この床板材に吊りボルトを直接支持固定する場合、角ワッシャーと袋ナットが使用されることもある。この場合、吊りボルトの端部に角ワッシャーと袋ナットとを装着し、床板材の桟上面に角ワッシャーを架け渡し、スロットから下に吊りボルトを吊下げることになる。
一方、原子力発電所等で使用されている特殊な吊りサポートが特許文献1に記載されている。この吊りサポートは、格子状のグレーチング床に、放射能を遮蔽する遮蔽用マットを吊下げる際に使用する吊りサポートである。この吊りサポートには、矩形状の板から成る上側止め金具の下面に支持ボルトの端部を溶接した吊り金具が使用されている。そして、グレーチング床の上面に上側止め金具を係止し、グレーチング床の開口部から下に支持ボルトを通して遮蔽用マットを吊り下げるものである。
床板材を支持する鋼材に、吊り金具を取り付ける従来の手段では、鋼材の支持ピッチと冷媒管や電線管の支持ピッチが適合しない場合がある。このような場合には、鋼材と鋼材との間にアングル材を介して吊り金具を装着するなどの作業が必要になっており、多くの部材や手間を要する課題があった。
また、鋼製の床板材に吊りボルトを直接支持固定する場合では、床板材の上面から吊りボルトや袋ナットが突出して歩行時につまずく危険があるので、袋ナットや角ワッシャーに着色するなどの安全対策が必要になっていた。
更に、角ワッシャーを床板材の桟に架け渡して使用する場合、床下からの装着作業が面倒な作業になっていた。すなわち、桟に架け渡すサイズの角ワッシャーを使用する場合、吊りボルトの端部に、予め角ワッシャーや袋ナットを装着してスロットの下から上に通すことはできない。そのため、床下から角ワッシャーを装着するには、床板材の隙間から床上に角ワッシャーと袋ナットとを指で持ち上げながら、床板材の下から差し込む吊りボルトをネジ止めするといった不安定な作業を行う必要があった。このような作業では、床板材上に配置する角ワッシャーや袋ナットを落としてしまう虞もあり作業の安全性にも課題を残していた。
一方、特許文献1に記載されている吊り金具は、原子力発電所等で使用される特殊な吊りサポートであるため、上側止め金具の下面に支持ボルトの上端部を溶接するといった特殊な構成になっている。ところが、吊りボルトに吊り金具等を溶接するといった加工は、一般の建築工事において、コスト性、作業性、運搬性などから多くの不都合が生じることは否めない。一般の建築工事では、部材の汎用性や自由な組合せが求められることから、吊りボルトにおいても他の部材と自由に連結可能な通常の吊りボルトの使用が望まれている。すなわち、必要に応じて吊り金具に連結可能な吊りボルトである。
また、前述の角ワッシャーや特許文献1に記載の上側止め金具のように、床の上面に広く係止する係止板を使用した場合は、係止板の面積に比例した強力な支持強度が確保できる。ところが、係止板の面積が床板材の開口部の面積より広いと、吊りボルトを連結した状態の係止板を、床板の下から床板材の開口部を通して床板上に係止するような作業は不可能になる。
一般的な建築工事では、床下から床板材の上面に吊り金具を装着する場合、床板材の開口部を通して床板材上に係止する作業によって装着作業の効率を高めることができる。ところが、床板材の開口部を通過できるように係止板の幅を狭くすると、床板材の面積が小さくなり支持強度が低下することになる。この結果、幅狭の係止板では懸吊物の荷重で係止板が反り返り床板材から落下する虞がある。
そこで本発明は上述の課題を解消すべく創出されたもので、床板材の開口部に吊りボルトを容易に懸吊することが可能で、しかも、幅狭の支持金具でも支持強度に優れた床板材用吊り金具の提供を目的とするものである。
上述の目的を達成すべく本発明における第1の手段は、床板面に長孔状の開口部が連続形成された床板材Pに吊りボルトQを懸吊する床板材用吊り金具において、
吊りボルトQの上端をネジ止めするネジ孔11が長手中央部に形成され、開口部の下から挿通して床板材Pの桟P1上面に係止せしめる帯板状の係止金具10と、該係止金具10にネジ止めする吊りボルトQを貫通せしめる貫通孔21が形成され、床板材Pの桟P1下面に配置する補助金具20とを備え、
係止金具10は、前記ネジ孔11の両側から上方に屈曲されネジ孔11にネジ止めした吊りボルトQの上端が突き当たるように構成した当接部12と、該当接部12から水平に延長され床板材Pの桟P1の上面に係止する係止片13と、該係止片13の両端から下方に向けて形成された屈曲片14とが設けられ、
各屈曲片14の外側に重合する一対の重合片22を補助金具20に形成し、
係止金具10に懸吊物を支持したときに屈曲片14の拡開変形を重合片22で抑止するように構成したことにある。
吊りボルトQの上端をネジ止めするネジ孔11が長手中央部に形成され、開口部の下から挿通して床板材Pの桟P1上面に係止せしめる帯板状の係止金具10と、該係止金具10にネジ止めする吊りボルトQを貫通せしめる貫通孔21が形成され、床板材Pの桟P1下面に配置する補助金具20とを備え、
係止金具10は、前記ネジ孔11の両側から上方に屈曲されネジ孔11にネジ止めした吊りボルトQの上端が突き当たるように構成した当接部12と、該当接部12から水平に延長され床板材Pの桟P1の上面に係止する係止片13と、該係止片13の両端から下方に向けて形成された屈曲片14とが設けられ、
各屈曲片14の外側に重合する一対の重合片22を補助金具20に形成し、
係止金具10に懸吊物を支持したときに屈曲片14の拡開変形を重合片22で抑止するように構成したことにある。
第2の手段は、前記係止金具10において、前記当接部12は前記桟P1桟の間に配置される側面逆すり鉢形状に形成され、前記屈曲片14は前記桟P1の側面に係止するように構成している。
第3の手段において、前記補助金具20は帯板状を成し、該帯板の長手中央部に前記貫通孔21を開穿し、該帯板の長手両端部に前記重合片22を形成し、前記吊りボルトQにネジ止めした係止ナットQ1で前記桟P1の下面に配置されたものである。
本発明の請求項1のごとく、各屈曲片14の外側に重合する一対の重合片22を補助金具20に形成し、係止金具10に懸吊物を支持したときに屈曲片14の拡開変形を重合片22で抑止するように構成したことで、幅狭の係止金具10でも支持強度を高めることができた。
しかも、係止金具10に、ネジ孔11の両側から上方に屈曲されネジ孔11にネジ止めした吊りボルトQの上端が突き当たるように構成した当接部12と、該当接部12から水平に延長され床板材Pの桟P1の上面に係止する係止片13とを形成しているので、角ワッシャーと袋ナットに吊りボルトをネジ止めした従来の吊り金具のように、床板材Pの上面に吊りボルトQが突出しないので、安全な使用ができるものである。また、係止金具10は、必要に応じて吊りボルトQを着脱自在に連結できるので、コスト性、作業性、運搬性などにも優れている。
更に、係止金具10に吊りボルトQを連結した状態で床板材Pの開口部を通すことができるので、特に床板材Pの下から装着作業を行う際に、安全、且つ、容易に作業することができる。
請求項2のように、係止金具10において、当接部12は桟P1の間に配置される側面逆すり鉢形状に形成され、前記屈曲片14は前記桟P1の側面に係止するように構成したことで、係止金具10と桟P1とを一体化することができ、より安全な使用ができる。しかも、側面逆すり鉢形状の当接部12を屈曲形成し、この当接部12を介して係止片13が形成されているので、一枚板状の係止金具10に比べて係止金具10の支持強度を高めることができ、懸吊物の荷重に対する係止片13のたわみや変形を更に軽減することができる。
請求項3のごとく、補助金具20は帯板状を成し、該帯板の長手中央部に貫通孔21を開穿し、該帯板の長手両端部に重合片22を形成し、吊りボルトQにネジ止めした係止ナットQ1で桟P1の下面に配置されるように構成すると、コンパクトな補助金具20を形成することができる。この結果、係止金具10と補助金具20とを組み合せて収納し、運搬する際などに好適である。
本発明によると、床板材の開口部に吊りボルトを容易に懸吊することが可能で、しかも、幅狭の支持金具でも支持強度に優れるなどといった当初の目的を達成した。
本発明吊り金具は、例えば、板面にスロットと称する長孔形状の開口部が連続形成された鋼製の床板材Pに、吊りボルトQを懸吊する吊り金具である(図2参照)。本発明の主な構成は、係止金具10と補助金具20とからなり、係止金具10に吊りボルトQを着脱自在に連結する構造である(図1参照)。
係止金具10は、床板材Pの上面に係止せしめる帯板状の部材で、吊りボルトQの上端をネジ止めするネジ孔11が長手中央ぶに形成されている(図1参照)。この係止金具10には、更に、当接部12、係止片13、屈曲片14が形成されている。
当接部12は、ネジ孔11の両側から上方に屈曲した部位で、ネジ孔11にネジ止めした吊りボルトQの上端が突き当たるように構成している(図2参照)。図示例の当接部12は、側面逆すり鉢形状を成し、頂部に吊りボルトQが突き当たるように形成している。更に、当接部12は桟P1と桟P1との間に配置されるもので、この桟P1間で回転自在になり、しかも、桟P1の上面から突出しないように構成している。
係止片13は、床板材Pの桟P1の上面に係止する部位で、当接部12の頂部から水平に延長されている(図2参照)。そして、この係止片13の両端に下方に向けて屈曲した形状の屈曲片14が設けられている。図示の屈曲片14は、両側の桟P1の側面に係止するように構成している。
一方、補助金具20は、床板材Pの下面に配置する部材で、係止金具10にネジ止めする吊りボルトQを貫通せしめる貫通孔21が形成されている(図1参照)。そして、この補助金具20に一対の重合片22を形成し、各屈曲片14の外側に重合片22を重合するように構成している(図2参照)。すなわち、係止金具10に懸吊物を支持したときに屈曲片14の拡開変形をこの重合片22で抑止するように構成したものである。
図示の補助金具20は帯板状に形成したものである(図1参照)。そして、帯板の長手中央部に貫通孔21を開穿し、この帯板の長手両端部に前記重合片22を屈曲形成している。この補助金具20は、吊りボルトQにネジ止めした係止ナットQ1で桟P1の下面に押圧固定されるものである。
本発明を床板材Pの下から装着する方法を説明すると、まず、吊りボルトQに係止金具10と補助金具20とを装着する(図1参照)。係止金具10はネジ孔11にネジ止めし、補助金具20は係止ナットQ1で桟P1の厚みよりも下になる位置に設置する。次に、吊りボルトQに連結した係止金具10を床板材Pの桟P1の間から上方に持ち上げ、桟P1の上面に係止金具10を係止する(図3参照)。その後、係止ナットQ1を調整して補助金具20を桟P1の下面に押し当て、補助金具20の重合片22を本体10の屈曲片14の外側に重ねた状態で固定することで、吊り金具の装着作業は終了する(図2参照)。
本発明では、主に床板材Pの下面に吊りボルトQを懸吊するのに好適であるが、本発明の係止金具10と補助金具20との位置を逆向きに使用することで、床板材Pの上面に吊りボルトQを支持する使用も可能である(図4参照)。
尚、本発明吊り金具は、床板材Pに配管等の設備を懸吊支持する例として説明しているが、本発明にて懸吊する懸吊物はこの例に限られるものではない。また、床板材Pもスロットが連続形成された鋼製の床板材のほか、係止金具10が挿通可能な開口部を有する他の鋼製床板材でも使用可能である。更に、本発明の各構成は、図示例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での設計変更は自由である。
P 床板材
Q 吊りボルト
Q1 係止ナット
10 係止金具
11 ネジ孔
12 当接部
13 係止片
14 屈曲片
20 補助金具
21 貫通孔
22 重合片
Q 吊りボルト
Q1 係止ナット
10 係止金具
11 ネジ孔
12 当接部
13 係止片
14 屈曲片
20 補助金具
21 貫通孔
22 重合片
Claims (3)
- 床板面に長孔状の開口部が連続形成された床板材に吊りボルトを懸吊する床板材用吊り金具において、吊りボルトの上端をネジ止めするネジ孔が長手中央部に形成され、開口部の下から挿通して床板材の桟上面に係止せしめる帯板状の係止金具と、該係止金具にネジ止めする吊りボルトを貫通せしめる貫通孔が形成され、床板材の桟下面に配置する補助金具とを備え、
係止金具は、前記ネジ孔の両側から上方に屈曲されネジ孔にネジ止めした吊りボルトの上端が突き当たるように構成した当接部と、該当接部から水平に延長され床板材の桟の上面に係止する係止片と、該係止片の両端から下方に向けて形成された屈曲片とが設けられ、
各屈曲片の外側に重合する一対の重合片を補助金具に形成し、係止金具に懸吊物を支持したときに屈曲片の拡開変形を重合片で抑止するように構成したことを特徴とする床板材用吊り金具。 - 前記係止金具において、前記当接部は前記桟の間に配置される側面逆すり鉢形状に形成され、前記屈曲片は前記桟の側面に係止するように構成された請求項1記載の床板材用吊り金具。
- 前記補助金具は帯板状を成し、該帯板の長手中央部に前記貫通孔を開穿し、該帯板の長手両端部に前記重合片を形成し、前記吊りボルトにネジ止めした係止ナットで前記桟の下面に配置される請求項1記載の床板材用吊り金具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012270197A JP2014114624A (ja) | 2012-12-11 | 2012-12-11 | 床板材用吊り金具 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012270197A JP2014114624A (ja) | 2012-12-11 | 2012-12-11 | 床板材用吊り金具 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017166586A (ja) * | 2016-03-16 | 2017-09-21 | 三機工業株式会社 | 吊支持具、及び、支持構造 |
JP2020070682A (ja) * | 2018-11-02 | 2020-05-07 | 三進金属工業株式会社 | 鋼製床における構築物の支持構造 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005194805A (ja) * | 2004-01-09 | 2005-07-21 | Nippon Steel Metal Prod Co Ltd | 床板材連結金具、床板材連結方法及びその床構造体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017166586A (ja) * | 2016-03-16 | 2017-09-21 | 三機工業株式会社 | 吊支持具、及び、支持構造 |
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