JP2014114029A - 液体用紙容器 - Google Patents
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Abstract
容器の一部に窓孔が開いており窓孔から覗いたときに容易に内容物の状態が確認可能なガスバリア性に優れた窓孔付きの液体用紙容器であって、内容物と容器が互いに影響を与えにくく、残量が分かりやすい紙容器を提供することを課題とする。
【解決手段】
外層に熱可塑性樹脂層を設けた紙基材層と、透明なガスバリア層を含み最内層に熱可塑性樹脂層を設けた透明積層体を接着剤で接着した積層材料からなり、前記紙基材層に窓孔部が設けられている液体用紙容器であって、前記紙基材層の前記透明積層体側の面に目止め剤層が施されていることを特徴とする液体用紙容器。
【選択図】図1
Description
従来、日本酒、焼酎、ワイン、果実酒などの液体を収納する液体用紙容器は、通常、長期常温流通が主体であるために使用する材料構成は、熱可塑性樹脂層/紙/熱可塑性樹脂層/ガスバリア層/シーラント層からなる積層構成が一般的である。
また、前記構成において、アルミ箔の代替としてアルミニウムをポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに真空蒸着したアルミニウム蒸着フィルムも使用されている。
そのために、たとえば、内容物の計量や残量がわからない、あるいは、内容物の色が確認できない等と言った容器内の内容物の状態が外側から確認できないことによる不便さがあった。
液体用紙容器に窓を設ける方法としては、一般的に容器の1枚のブランクの状態のときに所定の箇所に任意の大きさ、形状に打ち抜いて窓孔部を設け、窓孔部の容器内面側に窓貼機などで窓貼りフィルムを覆い、窓貼りフィルムの熱可塑性樹脂からなるシーラント層と容器内面の窓孔部周縁の熱可塑性樹脂からなるシーラント層とをヒートシール方式などで貼着して内容物が漏れないようにしている。
なるシーラント層が設けられ、このシーラント層と容器の内容物と接触する内面に設けられた熱可塑性樹脂からなるシーラント層とをヒートシール方式などにより、貼着して内容物が漏れずに、且つガスバリア性などが優れた窓を設けることがおこなわれている。
窓貼りフィルムとしては、一般的にガスバリア性の優れた材料と熱可塑性樹脂からなるシーラント材料とをラミネーションした積層材料構成が多く使用されている。
しかしながら、日本酒、焼酎、ワイン、果実酒などの液体用紙製容器は、内容物の長期保存のために、通常、アルミ箔やアルミニウム蒸着フィルムを使用しているため、容器の外周面から容器内へ進入する外光(可視光線)を遮断しているので容器内は暗く、内容物の色は確認することはできないことが多い。
この窓貼りフィルムは無機酸化物の薄膜を有する透明な樹脂フィルムであることによって容器内が明るくなり、収納された内容物の色、異物の混入、変色などを確認できる液体用紙製容器とすることができた。
また、内容物が液状物の場合などには、ポリアミドやポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のように吸水性のあるフィルムは、窓貼りフィルムの端面から吸水してガスバリア性が低下したり、また、上記同様に層間剥離や層間強度の低下をきたす場合がある。
また、生産工程上でも窓部にあわせて抜いたフィルムや保護シートが必要になり、部材が増えるために製造コストが上がったり異物混入の可能性が増える恐れがあった。
見える紙容器を作る技術が一般に知られているが、そのような場合に用いられるウェットラミネート用の接着剤は液体用紙容器に用いられる耐水紙に塗布しても相性がよいために染みこんでしまい、貼り合せることが困難であった。
とくに、前記紙容器の紙基材層に窓孔部が設けられ、窓孔部を含めた紙基材層の内面に、透明なガスバリア層を含み最内層に熱可塑性樹脂層を設けた積層体が接着されていることにより、窓孔部を含めて内容物の保存性に優れている液体用紙容器とすることができる。
また、部分的に積層材料の端部が内容物側に露出することもないので内容物の浸透による変化に対しても有利である。
層の紙面に対する接着剤の浸透を防止して接着効果を確実なものにすることができるようになった。
この結果、液体用紙容器としての構造が安定して保存性を含めた性能を確実に発揮することができるようになった。
とくに、接着剤としてアクリルとエポキシの共重合体、アクリル酸エステル系共重合体、スチレン・アクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩酢ビ共重合樹脂などからなる接着剤を用いて前記積層体を積層する場合にこの効果は顕著である。
透明なガスバリア層が、無機酸化物の薄膜を有する透明な樹脂フィルムであることによって透明性とガスバリア性の高度な両立が可能になり、内容物の状態を確認する効果をさらに確かなものにすることができる。
このような熱可塑性樹脂からなる最内層のフィルムの接液面の三次元表面粗さは中心面山高さで1.2〜6.5μm、十点平均で0.5μm〜5.5μmであると効果がはっきりと現れる。また、水や焼酎等の無色透明の内容物の残量の確認が主目的の場合には、透明積層体のヘイズは10%以上であることが好ましい。
図1には本発明の液体用紙容器の一例を示した。(A)は窓孔部近傍の層構成を示す容器断面の略図を、(B)は容器外側から見た窓部の外観を示す略図を、(C)は容器内側から見た窓部の外観を示す略図をそれぞれ示している。また、図8には本発明の液体用紙容器の一例としてゲーベルトップ型の場合の窓孔部の概観を示す略図(A)と、ブランクスを示す略図(B)を参考までに例示した。
さらに、前記透明積層体(3)最内層の熱可塑性樹脂層(5)の接液面(25)が粗面化されておりヘイズ値で10%以上となっている液体用紙容器である。
例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂、その他などの樹脂を使用することができる。
そして、これら熱可塑性樹脂の中でも、作業性、経済性などの面から、低密度ポリエチレン(LDPE)を使用することが好ましい。
を有する透明な樹脂フィルムとは、たとえば、一軸ないし二軸延伸されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、酸化アルミニウムや酸化ケイ素などの無機化合物の薄膜を物理蒸着あるいは化学蒸着などの蒸着法により20〜100nm程度の厚さに設けたものである。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、その他などの各種のフィルムを使用することができる。
透明性、強度などの物性面、コストなどの経済性などを考慮するとPET等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂からなるフィルムが好ましい。フィルムの厚みは、10〜40μm程度の範囲内で任意に選択して使用することができる。
ィルムのような多層構成からなる複合フィルムは、特に好ましく使用できる。
この微細な凹凸模様は、例えば、透明積層体(3)の製造中に、接液側の熱可塑性樹脂層(5)に接する艶消しした表面を有する冷却ロールを用いて片面をマット化することにより作製することができる。
窓孔部(10)は、一般的には側板(15)の底部に近い部分に穿設される。
窓孔部(10)は、ロール状の積層材料から、印刷、罫線入れ、打ち抜き等の加工工程を経てブランク(14)を作製する際に、同時に穿設することができ、作業工程が増えることはない。
このスリーブを一般的に公知の充填成形機を用いて図8(A)に示すような、ゲーベルトップ型の液体紙容器に成形する。その際、内容物としてたとえば水を充填する。
透明積層体(3)の接液面(25)は微細な凹凸模様が形成されているので、水に浸っている個所は透けて透明に見え、液面から上の水に浸っていない個所は光の乱反射により不透明に見えるため、内容物の残量が容易に判別することができる。
<実施例1>
明積層体(31)とする。透明積層体(31)の接液面(25)は粗面化されておりヘイズは21.3%である。
・紙(21)の裏面に硝化綿とウレタン系樹脂との混合樹脂を含有した目止め剤層(81)を乾燥後塗布量4g/m2で塗布、乾燥する。
・グラビア印刷に合わせて窓孔部(10)を打抜く。
・目止め剤層(81)を施した紙(21)と透明積層体(31)の透明蒸着PETフィルム(61)面とをアクリルとエポキシの共重合体を主成分とする接着剤(71)を用いて貼り合わせる。
・さらに、充填工程においてボトム成型後に内容物を充填し、トップ成型して内容物入りの包装体を作成する。容器の容量は60mm角0.5L容量のゲーベルトップ型である。
容器外側から見た窓孔部は裏面の透明積層体のみが見え中身が透視できる。容器内側は透明積層体によってすべて覆われておりフィルムの端面の露出はない状態である。
<実施例2>
・紙(22)の裏面にアクリル樹脂を含有した目止め剤層(82)を乾燥後塗布量4g/m2で塗布、乾燥する。
・表LDPE層(41)の表面にグラビア印刷(91)をおこなう。
・グラビア印刷に合わせて窓孔部(10)を打抜く。
・ブランクスに抜き加工をおこない、さらに加熱溶着によりスリーブ状態を作成する。
・さらに、充填工程においてボトム成型後に内容物を充填し、トップ成型して内容物入りの包装体を作成する。容器の容量は70mm角1L容量のゲーベルトップ型である。
<実施例3>
・紙(21)の裏面に硝化綿とウレタン系樹脂との混合樹脂を含有した目止め剤層(81)を乾燥後塗布量4g/m2で塗布、乾燥する。
・表LDPE層(41)の表面にグラビア印刷(91)をおこなう。
・グラビア印刷に合わせて窓孔部(10)を打抜く。
・目止め剤層(81)を施した紙(21)と透明積層体(31)の透明蒸着PETフィルム(61)面とをアクリルとエポキシの共重合体を主成分とする接着剤(71)を用いて貼り合わせる。
・ブランクスに抜き加工をおこない、さらに加熱溶着によりスリーブ状態を作成する。
・さらに、充填工程においてボトム成型後に内容物を充填し、トップ成型して内容物入りの包装体を作成する。容器の容量は60mm角0.5L容量のゲーベルトップ型である。
・ガスバリア層として透明蒸着PETフィルム(61)と厚み60μmの最内層LDPE(51)をドライラミネート接着剤(11)を用いて貼り合わせて透明積層体(31)とする。透明積層体(31)の接液面(25)は粗面化されておりヘイズは11.0%である。
・表LDPE層(41)の表面にグラビア印刷(91)をおこなう。
・グラビア印刷に合わせて窓孔部(10)を打抜く。
・紙(21)と透明積層体(31)の透明蒸着PETフィルム(61)面とをアクリルとエポキシの共重合体を主成分とする接着剤(71)を用いて貼り合わせる。
・ブランクスに抜き加工をおこない、さらに加熱溶着によりスリーブ状態を作成しようとしたが接着強度が弱くスリーブ状態が成型できなかった。
・ガスバリア層として透明蒸着PETフィルム(61)と厚み60μmの最内層LDPE(51)をドライラミネート接着剤(11)を用いて貼り合わせて透明積層体(31)とする。透明積層体(31)の接液面(25)は粗面化されておりヘイズは21.3%である。
・さらに紙(22)の裏面と透明積層体(31)の透明蒸着PETフィルム(61)面とを厚み20μmのSPE(73)押出しラミネートで貼り合わせる。
・表LDPE層(41)の表面にグラビア印刷(91)をおこなう。
・グラビア印刷に合わせて窓孔部(10)を打抜く。
・窓孔部(10)に合わせてカットした透明積層体(31)を内側からヒートシールで接着する。
・ブランクスに抜き加工をおこない、さらに加熱溶着によりスリーブ状態を作成する。
・さらに、充填工程においてボトム成型後にプルトップ口栓を付け内容物を充填し、トップを形成して内容物入りの包装体を作成する。容器の容量は60mm角0.5L容量のゲーベルトップ型である。
・透明蒸着PETフィルム(61)と厚み60μmの最内層LDPE(51)をドライラミネート接着剤(11)を用いて貼り合わせて内層フィルム(33)とする。
・透明蒸着PETフィルム(61)と厚み40μmのLDPE(52)をドライラミネート接着剤(11)を用いて貼り合わせて窓貼りフィルム(34)とする。窓貼りフィルム(34)の接液面(25)は粗面化されておりヘイズは21.3%である。
・さらに紙(22)の裏面と内層フィルム(33)とを厚み20μmのSPE(73)押出しラミネートで貼り合わせる。
・表LDPE層(41)の表面にグラビア印刷(91)をおこなう。
・グラビア印刷に合わせて窓孔部(10)を打抜く。
・窓孔部(10)に合わせてカットした窓貼りフィルム(34)を内側からヒートシールで接着する。
・ブランクスに抜き加工をおこない、さらに加熱溶着によりスリーブ状態を作成する。
・さらに、充填工程においてボトム成型後にプルトップ口栓を付け内容物を充填し、トップを形成して内容物入りの包装体を作成する。容器の容量は60mm角0.5L容量のゲーベルトップ型である。
分を確認した。結果を表1に示した。
表中で○は視認性が優れている、△は視認性がやや劣っている、×は視認性が劣っていることを意味する。
なお、比較例1の場合は接着強度が弱く成型できなかったので評価結果は記入していない。
また、保存後のエタノール水溶液中の接着剤由来成分を確認した結果では、窓貼りの積層フィルムの接着剤層端部が露出している比較例2のみで確認されその他の例では確認されなかった。
15…側板
16…糊代片
17…胴部
18…頂部
19…底部
101…本発明の液体用紙容器(実施例1)
102…本発明の液体用紙容器(実施例2)
103…本発明の液体用紙容器(実施例3)
104…液体用紙容器(比較例1)
105…液体用紙容器(比較例2)
106…液体用紙容器(比較例3)
2…紙基材層
2a…紙
21…紙(320g/m2)
22…紙(380g/m2)
25…接液部
3…透明積層体
31…透明積層体
32…透明積層体
33…内層フィルム
34…窓貼りフィルム
4…熱可塑性樹脂層
41…表低密度ポリエチレン(LDPE)層(厚み20μm)
5…熱可塑性樹脂層
51…最内層低密度ポリエチレン(LDPE)層(厚み60μm)
52…LDPE(厚み40μm)
6…ガスバリア層
61…ガスバリア層(透明蒸着PETフィルム)
62…ガスバリア層(透明蒸着PETフィルム)
7…接着剤層
71…ウェットラミネート接着剤(アクリルとエポキシの共重合体)層
72…ウェットラミネート接着剤(アクリル酸エステル重合体)層
73…SPE層(厚み20μm)
8…目止め剤層
81…硝化綿とウレタン系樹脂との混合樹脂を含有した目止め剤層(塗布量4g/m2)82…アクリル樹脂を含有した目止め剤層(塗布量4g/m2)
9…インキ層
91…インキ(グラビア印刷)
10…窓孔部
11…ドライラミネート接着剤
13…延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)
14…ブランクス
H…窓貼りフィルム端面
Claims (3)
- 外層に熱可塑性樹脂層を設けた紙基材層と、透明なガスバリア層を含み最内層に熱可塑性樹脂層を設けた透明積層体を接着剤で接着した積層材料からなり、前記紙基材層に窓孔部が設けられている液体用紙容器であって、前記紙基材層の前記透明積層体側の面に目止め剤層が施されていることを特徴とする液体用紙容器。
- 前記透明なガスバリア層が、無機化合物の薄膜を有する透明な樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器。
- 前記透明積層体の接液面が粗面化されておりヘイズ値が10%以上となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体用紙容器。
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