以下、インクジェットヘッドの駆動装置及び駆動方法の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、シェアモードタイプのライン型インクジェットヘッド100に適用した場合である。
[第1の実施形態]
はじめに、ライン型インクジェットヘッド100(以下、ヘッド100と略称する)の構成について、図1乃至図3を用いて説明する。図1は、ヘッド100の一部を分解して示す斜視図、図2は、ヘッド100の前方部における横断面図、図3は、ヘッド100の前方部における縦断面図である。
ヘッド100は、ベース基板9を有する。そして、ベース基板9の前方側の上面に第1の圧電部材1が接合され、この第1の圧電部材1の上に第2の圧電部材2が接合される。第1の圧電部材1と第2の圧電部材2とは、図2の矢印で示すように、板厚方向に沿って互いに相反する方向に分極して接合される。そして、この接合された圧電部材1,2の先端側から後端側に向けて、多数の長尺な溝3が設けられる。各溝3は、間隔が一定でありかつ平行である。各溝3は、先端が開口し、後端が上方に傾斜する。
各溝3の側壁及び底面には、電極4が設けられる。さらに、各溝3の後端から第2の圧電部材2の後部上面に向けて、前記電極4から引出し電極10が延出される。
各溝3の上部は天板6で塞がれる。天板6の内側後方には、共通インク室5が備えられる。
各溝3の先端は、オリフィスプレート7で塞がれる。天板6とオリフィスプレート7とで囲まれた各溝3によって、インクが貯留するインク室15が形成される。インク室15は、圧力室とも称される。オリフィスプレート7の各溝3と対向する位置には、ノズル8が穿設される。各ノズル8は、対向する溝3つまりはインク室15と連通する。
ベース基板9の後方側の上面には、導電パターン13が形成されたプリント基板11が接合される。そして、このプリント基板11の上に、駆動手段であるヘッド駆動部を内蔵したドライブIC12が搭載される。ドライブIC12は、導電パターン13に接続される。導電パターン13は、各引出し電極10とワイヤボンディングにより導線14で結合される。
次に、上記の如く構成されたヘッド100の動作原理について、図4を用いて説明する。
図4の(a)は、中央のインク室15aと、このインク室15aに隣接する両隣のインク室15b,15cとの各壁面にそれぞれ配設された電極4の電位がいずれもグランド電圧VSSである状態を示している。この状態では、インク室15aとインク室15bとで挟まれた隔壁16a及びインク室15aとインク室15cとで挟まれた隔壁16bは、いずれも何ら歪み作用を受けない。
図4の(b)は、中央のインク室15aの電極4に負電圧−VAAが印加され、両隣のインク室15b,15cの電極4に正電圧+VAAが印加された状態を示している。この状態では、各隔壁16a,16bに対して、圧電部材1,2の分極方向と直交する方向に電界が作用する。この作用により、各隔壁16a,16bは、インク室15aの容積を拡大するようにそれぞれ外側に変形する。
図4の(c)は、中央のインク室15aの電極4に正電圧+VAAが印加され、両隣のインク室15b,15cの電極4に負電圧−VAAが印加された状態を示している。この状態では、各隔壁16a,16bに対して、図4(b)のときとは逆の方向に電界が作用する。この作用により、各隔壁16a,16bは、インク室15aの容積を縮小するようにそれぞれ内側に変形する。
インク室15aの容積が拡大または縮小された場合、インク室15a内に圧力振動が発生する。この圧力振動により、インク室15a内の圧力が高まり、インク室15aに連通するノズル8からインク滴が吐出される。
このように、各インク室15a,15b,15cを隔てる隔壁16a,16bは、当該隔壁16a,16bを壁面とするインク室15aの内部に圧力振動を与えるためのアクチュエータとなる。したがって、各インク室15は、それぞれ隣接するインク室15とアクチュエータを共有する。このため、ヘッド100の駆動装置は、各インク室15を個別に駆動することができない。駆動装置は、各インク室15をn(nは2以上の整数)個おきに(n+1)個のグループに分割して駆動する。本実施形態では、駆動装置が、各インク室15を2つおきに3つの組に分けて分割駆動する、いわゆる3分割駆動の場合を例示する。なお、3分割駆動はあくまでも一例であり、4分割駆動または5分割駆動などであってもよい。
ヘッド100を3分割駆動する際の各インク室15の状態の変化と、その状態の変化に合わせて各インク室15の電極4に印加される駆動パルス電圧との関係を、図5及び図6を用いて説明する。なお、図中ノズルNo.i(i=0〜8)は、対応するインク室15にそれぞれ連通するノズル8に対して割当てられる固有の番号である。本実施形態では、オリフィスプレート7の外側から見て左から順番に各ノズル8に対してノズルNo.i=0,1,2,3…が付されている。以下では、説明の便宜上、ノズルNo.iが付されたノズル8を符号8-iで表わし、このノズル8-iに連通するインク室15を符号15-iで表わす。また、インク室15-(i-1)とインク室15-iとを隔てる隔壁を符号16-(i-1)iで表わす。
図5,図6においては、ノズルNo.i=0、3、6の各ノズル8-0、8-3、8-6にそれぞれ連通するインク室15-0、15-3、15-6が同じ組であり、ノズルNo.i=1、4、7の各ノズル8-1、8-4、8-7にそれぞれ連通するインク室15-1、15-4、15-7が同じ組であり、ノズルNo.i=2、5、8の各ノズル8-2、8-5、8-8にそれぞれ連通するインク室15-2、15-5、15-8が同じ組である。
図5は、ノズルNo.i=1、4、7の各ノズル8-1、8-4、8-7からインクを吐出させる場合を示す。この場合、各インク室15-0〜15-8は、定常状態、引き込み状態、定常状態、圧縮状態、定常状態の順に変化する。
定常状態では、駆動装置は、各インク室15-0〜15-8の電極4をグランド電圧VSSとする。引き込み状態では、駆動装置は、インク吐出対象のインク室15-1、15-4、15-7の各電極4に負電圧−VAAを印加し、当該インク室15-1、15-4、15-7の両隣に配置される各インク室15-0、15-2、15-3、15-5、15-6、15-8の各電極に正電圧+VAAを印加する。すなわち、図4の(b)に示すパターンとする。逆に、圧縮状態では、駆動装置は、インク室15-1、15-4、15-7の各電極4に正電圧+VAAを印加し、インク室15-0、15-2、15-3、15-5、15-6、15-8の各電極4に負電圧−VAAを印加する。すなわち、図4の(c)に示すパターンとする。図5に示す各インク室15-0〜15-8の状態変化により、ノズル8-1、8-4、8-7からインク滴が吐出される。
図6は、ノズルNo.i=1、7の各ノズル8-1、8-7からインクを吐出させ、ノズルNo.i=1、7と同じ組のノズルNo.=4のノズル8-4に連通するインク室15-4は、インク室15-1及びインク室15-7の圧力振動を吸収するための補助動作を行う場合を示す。この場合、各インク室15-0〜15-8は、定常状態、引き込み状態、定常状態、第1の圧縮状態、第2の圧縮状態、定常状態の順に変化する。
定常状態では、駆動装置は、各インク室15-0〜15-8の電極4をグランド電圧VSSとする。引き込み状態では、駆動装置は、インク吐出対象のインク室15-1及びインク室15-7の各電極4に負電圧−VAAを印加し、その両隣に配置されるインク室15-0、15-2及びインク室15-6、15-8の電極4に正電圧+VAAを印加する。このような駆動パルス電圧の制御により、インク室15-1及びインク室15-7の容積が拡張される。
ここで、インク室15-1に隣接するインク室15-2では、インク室15-1側の隔壁16-12が変形するため、インク滴を誤吐出する可能性がある。そこで、インク室15-3側の隔壁16-23が変形しないように、駆動装置は駆動パルス電圧を制御する。すなわち駆動装置は、インク室15-3の電極4にも、インク室15-2の電極4と同電位の電圧、つまり正電圧+VAAを印加する。インク室15-2の電極4がインク室15-3の電極4と同電位になることにより、インク室15-2とインク室15-3とで挟まれた隔壁16-23は変形しない。
同様の理由から、駆動装置は、インク室15-6に隣接するインク室15-5の電極4にも正電圧+VAAを印加する。その結果、補助動作を行うインク室15-4の両側に配置されたインク室15-3,15の電極は、正電圧+VAAとなる。したがって駆動装置は、インク室15-4の両側の隔壁16-34,16-45が変形しないように、インク室15-4の電極にも正電圧+VAAを印加する。
第1の圧縮状態では、駆動装置は、インク室15-1及びインク室15-7の電極4に正電圧VAAを印加し、その両隣に配置されたインク室15-0、15-2及びインク室15-6、15-8の電極4に負電圧−VAAを印加する。また、前述した誤吐出を防止する見地から、駆動装置は、補助動作を行うインク室15-4とその両隣のインク室15-3、15-5の電極4にも負電圧−VAAを印加する。
第2の圧縮状態では、駆動装置は、補助動作を行うインク室15-4の電極4に正電圧+VAAを印加する。インク室15-4の電極4に正電圧VAAが印加された場合、当該インク室15-4の両側の隔壁16-34,16-45にそれぞれ配設された電極4に電位差が生じて、両隔壁16-34,16-45が当該インク室15-4を圧縮する方向に変形する。この変形により、インク室15-1及びインク室15-7で発生した圧力振動が吸収される。
図5に示したように、インク吐出対象のインク室15-1、15-4、15-7の両隣にそれぞれ位置するインク室15-0、15-2、15-3、15-5、15-6、15-8では、電極4に印加される駆動パルス電圧のパターンが同じである。また、図6に示したように、補助動作を行うインク室15-4の両隣に位置するインク室15-3、15-5でも、電極4に印加される駆動パルス電圧のパターンは同じである。このため、ヘッド100に対する駆動パルス電圧の制御シーケンスのなかで、隣り合う隔壁によって隔てられて並設された少なくとも3つのインク室15の電極が同電位になることはしばしばある。
前述したように、シェアモードタイプのヘッド100は、電気的に見るとコンデンサが直列に接続された回路と等価であり、浮遊容量を有している。このため、並設された少なくとも3つのインク室15の電極が同電位になると、ヘッド100にノイズ電流が発生して無駄に電力を消費する。このような不具合を防止するために、本実施形態では、図7を用いて説明されるコンデンサの物理的性質を利用する。
図7は、コンデンサC1,C2の直列回路を示している。なお、同図において符号Cfは、浮遊容量を表わしている。この直列回路において、コンデンサC1とコンデンサC2との間は、ハイインピーダンス(Hi−Z)状態になっている。この状態で、直列回路の両端に同電位の電圧(図7では正電圧+VAA)が同時に印加された場合、コンデンサC1とコンデンサC2との間に印加電圧と同電位(図7では正電圧+VAA)の誘導電圧が発生する。すなわちコンデンサの直列回路は、回路の両端に同電位の電圧を同時に印加した場合、コンデンサ間に印加電圧と同電位の誘導電圧が発生するという性質がある。
そこで駆動装置は、隔壁を挟んで並設された少なくとも3つのインク室15-(i-1)、15-i、15-(i+1)のうち、内側に位置するインク室15-iの電極4をハイインピーダンス状態とする。そして駆動装置は、両側に位置するインク室15-(i-1)、15-(i+1)の電極4に同電位の電圧を同時に印加する。そうすると、内側に位置するインク室15-iの電極4にも同電位の電圧が誘導される。その結果、並設された少なくとも3つのインク室15-(i-1)、15-i、15-(i+1)の各電極4の電位が等しくなる。
ここで、インク室15-iに配設された電極4の電位は誘導電圧によるものであり、電極4に駆動パルス電圧は印加されない。したがって、浮遊容量に起因するノイズ電流や無駄な消費電力は発生しない。
図8は、図6に示した駆動パルス電圧のパターンに上記物理的性質を適用した具体例である。図6に示したように、補助動作を行うインク室15-4を中心に並設された5つのインク室15-2〜15-6では、引き込み状態から第1の圧縮状態まで各電極4に印加される駆動パルス電圧のパターンは共通である。そこで図8に示すように、5つのインク室15-2〜15-6のうち両側に位置するインク室15-2,15-6を除いた3つのインク室15-3〜15-5に対しては、制御手段により、引き込み状態から第1の圧縮状態まで電極4をハイインピーダンス状態とする。
駆動装置は、引き込み状態のタイミングになると、両側に位置するインク室15-2、15-6の電極4に正電圧+VAAを印加する。そうすると、図9の等価回路図に示すパターンP1のように、内側に位置するインク室15-3〜15-5の電極4に正電圧+VAAが誘導される。その結果、インク室15-2〜15-6にそれぞれ配設された電極の電圧パターンは、引き込み状態の電圧パターンと一致する。
その後、定常状態のタイミングになると、駆動装置は、両端に位置するインク室15-2、15-6の電極4をグランド電圧VSSとする。そうすると、パターンP2のように、内側に位置するインク室15-3〜15-5の電極4もグランド電圧VSSとなる。その結果、各電極の電圧パターンは、定常状態の電圧パターンと一致する。
その後、第1の圧縮状態のタイミングになると、駆動装置は、両端に位置するインク室15-2、15-6の電極4に負電圧−VAAを印加する。そうすると、パターンP3のように、内側に位置するインク室15-3〜15-5の電極4に負電圧−VAAが誘導される。その結果、各電極4の電圧パターンは、第1の圧縮状態の電圧パターンと一致する。
このように、引き込み状態から第1の圧縮状態までの区間において、補助動作をするインク室15-4とその両隣のインク室15-3,15-5の各電極4をハイインピーダンス状態に制御しても、各インク室15-3、15-4、15-5の電極4には、図6と同様のパターンで電圧が誘導される。したがって、インク吐出動作に影響を及ぼすことはない。
なお、図9では引き込み状態後の定常状態の際にも、内側に位置するインク室15-3〜15-5の電極4をハイインピーダンス状態としたが、定常状態の際にはハイインピーダンス状態とせず、グランド電圧VSSとなるように電圧パターンを制御してもよい。
また、図10に示すように、内側に位置するインク室15-3〜15-5のうち、補助動作を行うインク室15-4に対しては電極4をハイインピーダンス状態とせず、その両側に隣接するインク室15-3,15-5の電極4だけをハイインピーダンス状態としてもよい。こうすることにより、インク室15-3の電極4に対しては、その両隣に位置するインク室15-2,15-4に印加された電圧が誘導され、インク室15-5の電極4に対しては、その両隣に位置するインク室15-4,15-6に印加された電圧が誘導される。したがって、並設された5つのインク室15-2〜15-6の各電極4の電位は確実に等しくなる。
図11は、ヘッド100の駆動装置を示すブロック図である。駆動装置は、スイッチ回路200と、ロジック回路300と、パターンジェネレータ400とを含む。
スイッチ回路200は、ヘッド100のノズルNo.0〜n(n≧1)までの全てのノズル8-0〜8-nにそれぞれ対応した(n+1)個の制御スイッチSWx(x=0〜n)を備える。このスイッチ回路200には、図示しない電源回路から、正電圧+VAA、負電圧−VAA、グランド電圧VSS及び共通電圧LVCONが供給される。またスイッチ回路200には、ロジック回路300から、制御スイッチSWx別の制御信号No.xSW(x=0〜n)が入力される。なお、共通電圧LNCONは、正電圧+VAA、負電圧−VAA及びグランド電圧VSSのなかから選択され、全ての制御スイッチSWxに対して共通に印加される。
図12は、制御スイッチSWxの回路図である。制御スイッチSWxは、ヘッド100への出力端子No.xに、正電圧接点[+]、負電圧接点[−]、グランド接点[G]及び共通電圧接点[L]の各出力端を接続する。正電圧接点[+]の入力端は、正電圧+VAAの端子に接続される。負電圧接点[−]の入力端は、負電圧−VAAの端子に接続される。グランド接点[G]の入力端は、グランド電圧VSSの端子に接続される。共通電圧接点[L]の入力端は、共通電圧LVCONの端子(不図示)に接続される。正電圧接点[+]は、正電圧パルス信号PVxがオンしている間、入力端と出力端とを接続する。負電圧接点[−]は、負電圧パルス信号MVxがオンしている間、入力端と出力端とを接続する。グランド接点[G]は、グランド信号Gxがオンしている間、入力端と出力端とを接続する。共通電圧接点[L]は、共通電圧信号LVxがオンしている間、入力端と出力端とを接続する。上記正電圧パルス信号PVx、負電圧パルス信号MVx、グランド信号Gx及び共通電圧信号LVxは、ロジック回路300から入力される制御信号No.xSWに含まれる。
ロジック回路300は、外部機器から供給される印刷データに従い、1印字ライン毎に、各制御スイッチSWxの状態を設定する。そして各制御スイッチSWxが設定された状態となるように、ロジック回路300は、制御スイッチSWx別の制御信号No.xSWを生成する。ロジック回路300は、クロック/リセット信号により各インク室15が3分割駆動されるように出力タイミングを調整しつつ、各制御信号No.xSWをスイッチ回路200に出力する。
ロジック回路300には、パターンジェネレータ400からACT信号、INA信号、NEG信号、NEGINA信号、BST信号及びBSTINA信号が入力される。ACT信号は、分割駆動によってインク滴を吐出するノズル(以下、吐出当該ノズルと称する)に連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧信号である。INA信号は、前記吐出当該ノズルの両隣に隣接するノズル(以下、吐出両隣ノズルと称する)に連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧信号である。NEG信号は、分割駆動の際にインク滴を吐出しないノズル(以下、非吐出当該ノズルと称する)に連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧信号である。NEGINA信号は、前記非吐出当該ノズルの両隣に隣接するノズル(以下、非吐出両隣ノズルと称する)に連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧信号である。BST信号は、分割駆動の際に補助動作を行うノズル(以下、補助当該ノズルと称する)に連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧信号である。BSTINA信号は、前記補助当該ノズルの両隣に隣接するノズル(以下、補助両隣ノズルと称する)に連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧信号である。
吐出当該ノズルに対応した制御スイッチSWxに対する制御信号No.xSWは、ACT信号によって生成される。吐出両隣ノズルに対応した制御スイッチSWxに対する制御信号No.xSWは、INA信号によって生成される。非吐出当該ノズルに対応した制御スイッチSWxに対する制御信号No.xSWは、NEG信号によって生成される。非吐出両隣ノズルに対応した制御スイッチSWxに対する制御信号No.xSWは、NEGING信号によって生成される。補助当該ノズルに対応した制御スイッチSWxに対する制御信号No.xSWは、BST信号によって生成される。補助両隣ノズルに対応した制御スイッチSWxに対する制御信号No.xSWは、BSTINA信号によって生成される。
駆動パルス電圧を時系列に表わすコードは、図13に示す真理値表500の左側に記述されているように、2ビットの電位コードと、1ビットのハイインピーダンス指定コード(以下、Hi−Z指定コードと略称する)とを含む。
ロジック回路300は、上記真理値表500に従って各制御信号No.xSWを生成する。すなわち、電位コードが[00]、Hi−Z指定コードが[0]のタイミングのとき、ロジック回路300は、グランド信号Gxがオン状態の制御信号No.xSWを生成する。電位コードが[01]、Hi−Z指定コードが[0]のタイミングでは、ロジック回路300は、正電圧パルス信号PVxがオン状態の制御信号No.xSWを生成する。電位コードが[10]、Hi−Z指定コードが[0]のタイミングでは、ロジック回路300は、負電圧パルス信号MVxがオン状態の制御信号No.xSWを生成する。電位コードが[11]、Hi−Z指定コードが[0]のタイミングでは、ロジック回路300は、共通電圧信号LVxがオン状態の制御信号No.xSWを生成する。
また、電位コードに係らずHi−Z指定コードが[1]のタイミングでは、ロジック回路300は、正電圧パルス信号PVx、負電圧パルス信号MVx、グランド信号Gx及び共通電圧信号LVxが全てオフ状態の制御信号No.xSWを生成する。つまり、Hi−Z指定コードは、電位コードよりも優先度が高い。
かかる制御信号No.xSWにより、吐出当該ノズルに連通するインク室15の電極4は、ハイインピーダンス状態に制御される。そこで説明の便宜上、正電圧パルス信号PVx、負電圧パルス信号MVx、グランド信号Gx及び共通電圧信号LVxが全てオフ状態の制御信号No.xSWを、ハイインピーダンス制御信号と称する。ここに、ロジック回路300は、インク室15の壁面に配設された電極4をハイインピーダンス状態とする制御手段として機能する。
図14は、前記パターンジェネレータ400のブロック構成図である。パターンジェネレータ400は、レジスタ群とシーケンスコントローラ420とから構成される。レジスタ群は、吐出当該波形設定レジスタ401、吐出両隣波形設定レジスタ403、非吐出当該波形設定レジスタ405、非吐出両隣波形設定レジスタ407、補助当該波形設定レジスタ409及び補助両隣波形設定レジスタ411と、上記各波形設定レジスタ401,403,405,407,409及び411にそれぞれ対応して設けられたハイインピーダンス設定レジスタ(以下、Hi−Z設定レジスタと略称する)402,404,406,408,410,412と、タイマ設定レジスタ413とを含む。
吐出当該波形設定レジスタ401には、前記吐出当該ノズルに連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧波形を時系列で表わす電位コードが設定される。吐出両隣波形設定レジスタ403には、前記吐出両隣ノズルに連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧波形を時系列で表わす電位コードが設定される。非吐出当該波形設定レジスタ405には、前記非吐出当該ノズルに連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧波形を時系列で表わす電位コードが設定される。非吐出両隣波形設定レジスタ407には、前記非吐出両隣ノズルに連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧波形を時系列で表わす電位コードが設定される。補助当該波形設定レジスタ409には、前記補助当該ノズルに連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧波形を時系列で表わす電位コードが設定される。補助両隣波形設定レジスタ411には、前記補助両隣ノズルに連通するインク室15の電極4に印加される駆動パルスの電圧波形を時系列で表わす電位コードが設定される。
各Hi−Z設定レジスタ402,404,406,408,410,412には、対応する波形設定レジスタ401,403,405,407,409,411に設定される駆動パルス電圧パターンが印加される電極4をハイインピーダンス状態に制御するか否かを時系列で表わすHi−Z指定コードが設定される。
タイマ設定レジスタ413には、各波形設定レジスタ401〜412からコードを読み出すタイミングを示すタイマ値が設定される。
シーケンスコントローラ420は、タイマ設定レジスタ413に設定されたタイマ値に従い、吐出当該波形設定レジスタ401とHi−Z設定レジスタ402とから電位コード及びHi−Z指定コードを順次読み出す。そしてシーケンスコントローラ420は、読み出した2種のコードからACT信号(吐出当該駆動パルス)を形成し、このACT信号をロジック回路300に出力する。
同様に、シーケンスコントローラ420は、吐出両隣波形設定レジスタ403とHi−Z設定レジスタ404とから読み出した2種のコードからINA信号(吐出両隣駆動パルス)を形成し、このINA信号をロジック回路300に出力する。またシーケンスコントローラ420は、非吐出当該波形設定レジスタ405とHi−Z設定レジスタ406とから読み出した2種のコードからNEG信号(非吐出当該駆動パルス)を形成し、このNEG信号をロジック回路300に出力する。またシーケンスコントローラ420は、非吐出両隣波形設定レジスタ407とHi−Z設定レジスタ408とから読み出した2種のコードからNEGINA信号(非吐出両隣駆動パルス)を形成し、このNEGINA信号をロジック回路300に出力する。またシーケンスコントローラ420は、補助当該波形設定レジスタ409とHi−Z設定レジスタ410とから読み出した2種のコードからBST信号(補助当該駆動パルス)を形成し、このBST信号をロジック回路300に出力する。またシーケンスコントローラ420は、補助両隣波形設定レジスタ411とHi−Z設定レジスタ412とから読み出した2種のコードからBSTINA信号(補助両隣駆動パルス)を形成し、このBSTINA信号をロジック回路300に出力する。
図15は、吐出当該波形設定レジスタ401、吐出両隣波形設定レジスタ403、補助当該波形設定レジスタ409及び補助両隣波形設定レジスタ411に設定される電位コードと、これらのレジスタにそれぞれ対応するHi−Z設定レジスタ402,404,410,412に設定されるHi−Z指定コードとの一例である。この例は、図8に示す駆動パルス電圧の印加パターンに対応している。
図15において、時点t0から時点t1までの区間は、定常状態に相当する。時点t1から時点t4までの区間は、引き込み状態に相当する。時点t4から時点t5までの区間は、引き込み状態後の定常状態に相当する。時点t5から時点t7までの区間は、第1の圧縮状態に相当する。時点t7から時点t10までの区間は、第2の圧縮状態に相当する。時点t10から時点t11までの区間は、圧縮状態後の定常状態に相当する。
区間t0−t1において、吐出当該波形設定レジスタ401の電位コードは“00”、Hi−Z設定レジスタ402のHi−Z指定コードは“0”である。この電位コードとHi−Z指定コードは、ACT信号としてロジック回路300に出力される。
ロジック回路300では、このACT信号を基に、ノズルNo.1及びノズルNo.7の吐出当該ノズル8-1,8-7に対する制御信号No.1SW,No.7SWが生成される。すなわち、電位コードが“00”、Hi−Z指定コードが“0”なので、制御信号No.1SW,No.7SWとしてグランド信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。
スイッチ回路200では、制御信号No.1SWにより制御スイッチSW1のグランド接点[G]がオンする。その結果、吐出当該ノズル8-1に連通するインク室15-1の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。同様に、スイッチ回路200では、制御信号No.7SWにより制御スイッチSW7のグランド接点[G]がオンする。その結果、吐出当該ノズル8-7に連通するインク室15-7の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。
区間t0−t1において、吐出両隣波形設定レジスタ403の電位コードは“00”、Hi−Z設定レジスタ404のHi−Z指定コードは“0”である。この電位コードとHi−Z指定コードは、INA信号としてロジック回路300に出力される。
ロジック回路300では、このINA信号を基に、ノズルNo.0,ノズルNo.2,ノズルNo.6及びノズルNo.8の吐出両隣ノズル8-0,8-2,8-6,8-8に対する制御信号No.0SW、No.2SW、No.6SW、No.8SWが形成される。すなわち、電位コードが“00”、Hi−Z指定コードが“0”なので、制御信号No.0SW、No.2SW、No.6SW、No.8SWとしてグランド信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。
スイッチ回路200では、制御信号No.0SW、No.2SW、No.6SW、No.8SWにより制御スイッチSW0、SW2、SW6、SW8のグランド接点[G]がそれぞれオンする。その結果、吐出両隣ノズル8-0,8-2,8-6,8-8に連通するインク室15-0、15-2,15-6,15-8の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。
区間t0−t1において、補助当該波形設定レジスタ409の電位コードは“00”、Hi−Z設定レジスタ410のHi−Z指定コードは“0”である。この電位コードとHi−Z指定コードは、BST信号としてロジック回路300に出力される。ロジック回路300では、このBST信号を基に、ノズルNo.4の補助当該ノズル8-4に対する制御信号No.4SWが形成される。すなわち、電位コードが“00”、Hi−Z指定コードが“0”なので、制御信号No.4SWとしてグランド信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。
スイッチ回路200では、制御信号No.4SWにより制御スイッチSW4のグランド接点[G]がオンする。その結果、補助当該ノズル8-4に連通するインク室15-4の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。
区間t0−t1において、補助両隣波形設定レジスタ411の電位コードは“00”、Hi−Z設定レジスタ412のHi−Z指定コードは“0”である。この電位コードとHi−Z指定コードは、BSTINA信号としてロジック回路300に出力される。ロジック回路300では、このBSTINA信号を基に、ノズルNo.3, ノズルNo.5の補助両隣ノズル8-3,8-5に対する制御信号No.3SW、No.5SWが形成される。すなわち、電位コードが“00”、Hi−Z指定コードが“0”なので、制御信号No.3SW、No.5SWとしてグランド信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。
スイッチ回路200では、制御信号No.3SW,No.5SWにより制御スイッチSW3,SW5のグランド接点[G]がそれぞれオンする。その結果、補助当該ノズル8-3,8-5に連通するインク室15-3,15-5の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。
かくして、各インク室15-0〜15-8の電極4の電位は、全てグランド電圧VSSとなる。したがって、各インク室15-0〜15-8を隔てる隔壁16-01〜16-78は変形しない。
区間t1−t2になると、吐出当該波形設定レジスタ401の電位コードが“10”に変わる。すなわち、電位コードが“10”、Hi−Z指定コードが“0”なので、ロジック回路300では、制御信号No.1SW,No.7SWとして負電圧パルス信号MVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.1SW,No.7SWにより制御スイッチSW1,SW7の負電圧接点[−]がオンする。その結果、インク室15-1,15-7の電極4の電位が負電圧−VAAとなる。
また、区間t1−t2になると、補助当該波形設定レジスタ409に対応したHi−Z設定レジスタ410と、補助両隣波形設定レジスタ411に対応したHi−Z設定レジスタ412のHi−Z指定コードが、いずれも“1”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.3SW,No.4SW,No.5SWとしてハイインピーダンス制御信号が生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、ハイインピーダンス制御信号により制御スイッチSW3,SW4,SW5がオフする。その結果、インク室15-3、15-4、15-5の各電極4は、ハイインピーダンス状態となる。
区間t2−t3になると、吐出両隣波形設定レジスタ403、補助当該波形設定レジスタ409及び補助両隣波形設定レジスタ411の各電位コードが、いずれも“01”に変わる。しかし、Hi−Z設定レジスタ410及び412のHi−Z指定コードは“1”のままである。このためロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.2SW,No.6SW,No.8SWとして正電圧パルス信号PVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。制御信号No.3SW,No.4SW,No.5SWは、ハイインピーダンス制御信号のままである。スイッチ回路200では、制御信号No.0SW,No.2SW,No.6SW,No.8SWにより制御スイッチSW0,SW2,SW6,SW8の正電圧接点[+]がオンする。その結果、インク室15-0、15-2、15-6、15-8の電極4の電位が正電圧+VAAとなる。インク室15-3、15-4、15-5の各電極4は、ハイインピーダンス状態が継続される。
かくして、吐出当該ノズルNo1,No.7に連通するインク室15-1,15-7の容積を拡大するように、インク室15-0とインク室15-1との間及びインク室15-1とインク室15-2との間の隔壁16-01,16-12と、インク室15-6とインク室15-7との間及びインク室15-7とインク室15-8との間の隔壁16-67,16-78とが変形する。一方、インク室15-3,15-4,15-5の各電極4はハイインピーダンス状態であり、その両側のインク室15-2,15-6の電極4の電位はいずれも正電圧+VAAである。このため、インク室15-3,15-4,15-5の各電極4には正電圧+VAAが誘導される。したがって、インク室15-2からインク室15-6までの室間を隔てる隔壁16-23,16-34,16-45,16-56に電位差は生じないので、隔壁16-23,16-34,16-45,16-56は変形しない。
区間t3−t4になると、吐出当該波形設定レジスタ401の電位コードが“00”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.1SW,No.7SWとしてグランド信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.1SW,No.7SWにより制御スイッチSW1,SW7のグランド接点[G]がオンする。その結果、インク室15-1,15-7の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。
区間t4−t5になると、吐出両隣波形設定レジスタ403、補助当該波形設定レジスタ409及び補助両隣波形設定レジスタ411の各電位コードが、いずれも“00”に変わる。しかし、Hi−Z設定レジスタ410及び412のHi−Z指定コードは“1”のままである。このためロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.2SW,No.6SW,No.8SWとして、グラント信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。制御信号No.3SW,No.4SW,No.5SWは、ハイインピーダンス制御信号のままである。スイッチ回路200では、制御信号No.0SW,No.2SW,No.6SW,No.8SWにより制御スイッチSW0,SW2,SW6,SW8のグランド接点[G]がオンする。その結果、インク室15-0、15-2、15-6、15-8の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。インク室15-3、15-4、15-5の各電極4は、ハイインピーダンス状態が継続される。
かくして、インク室15-0とインク室15-1との間及びインク室15-1とインク室15-2との間の隔壁16-01,16-12と、インク室15-6とインク室15-7との間及びインク室15-7とインク室15-8との間の隔壁16-67,16-78とは定常状態に戻る。このとき、インク室15-3,15-4,15-5の各電極4はハイインピーダンス状態であり、その両側のインク室15-2,15-6の電極4の電位はグランド電圧VSSとなる。このため、インク室15-3,15-4,15-5の各電極4の電位もグランド電圧VSSとなる。したがって、隔壁16-23,16-34,16-45,16-56は変形しない。
区間t5−t6になると、吐出両隣波形設定レジスタ403、補助当該波形設定レジスタ409及び補助両隣波形設定レジスタ411の各電位コードとが、いずれも“10”に変わる。しかし、Hi−Z設定レジスタ410及び412のHi−Z指定コードは“1”のままである。このためロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.2SW,No.6SW,No.8SWとして、負電圧パルス信号MVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。制御信号No.3SW,No.4SW,No.5SWは、ハイインピーダンス制御信号のままである。スイッチ回路200では、制御信号No.0SW,No.2SW,No.8SW,No.8SWにより制御スイッチSW0,SW2,SW6,SW8の負電圧接点[−]がオンする。その結果、インク室15-0、15-2、15-6、15-8の電極4の電位が負電圧−VAAとなる。インク室15-3、15-4、15-5の各電極4は、ハイインピーダンス状態が継続される。
区間t6−t7になると、吐出当該波形設定レジスタ401の電位コードが“01”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.1SW,No.7SWとして正電圧パルス信号PVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.1SW,No.7SWにより制御スイッチSW1,SW7の正電圧接点[+]がオンする。その結果、インク室15-1,15-7の電極4の電位が正電圧−VAAとなる。
かくして、吐出当該ノズルNo1,No.7に連通するインク室15-1,15-7の容積を縮小するように、インク室15-0とインク室15-1との間及びインク室15-1とインク室15-2との間の隔壁16-01,16-12と、インク室15-6とインク室15-7との間及びインク室15-7とインク室15-8との間の隔壁16-67,16-78とが変形する。このとき、インク室15-3,15-4,15-5の各電極4はハイインピーダンス状態であり、その両側のインク室15-2,15-6の電極4の電位はいずれも負電圧−VAAである。このため、インク室15-3,15-4,15-5の各電極4には負電圧−VAAが誘導される。したがって、隔壁16-23,16-34,16-45,16-56は変形しない。
区間t7−t8になると、補助当該波形設定レジスタ409の電位コードが“00”に変わる。また、補助当該波形設定レジスタ409に対応したHi−Z設定レジスタ410及び補助両隣波形設定レジスタ411に対応したHi−Z設定レジスタ412のHi−Z指定コードが、いずれも“0”となる。このためロジック回路300では、制御信号No.4SWとしてグランド信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。またロジック回路300では、制御信号No.3SW,No.5SWとして負電圧パルス信号MVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.4SWにより制御スイッチSW4のグランド接点[G]がオンする。また、スイッチ回路200では、制御信号No.3SW,No.5SWにより制御スイッチSW3,SW5の負電圧接点[−]がそれぞれオンする。その結果、インク室15-4の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。また、インク室15-3,15-5の電極4の電位が負電圧[−]となる。
区間t8−t9になると、補助当該波形設定レジスタ409の電位コードが“01”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.4SWとして正電圧パルス信号PVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.4SWにより制御スイッチSW4の正電圧接点[+]がオンする。その結果、インク室15-4の電極4の電位が正電圧+VAAとなる。
かくして、補助当該ノズルNo.4に連通するインク室15-4の容積を縮小するように、インク室15-3とインク室15-4との間及びインク室15-4とインク室15-5との間の隔壁16-34,16-45が変形する。この変形により、インク室15-1及びインク室15-7の圧力振動が吸収される。
区間t9−t10になると、吐出両隣波形設定レジスタ403と補助両隣波形設定レジスタ411の電位コードが“00”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.2SW,No3.SW,No.5SW,No.6SW,No.8SWとしてグランド信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.0SW,No.2SW,No3.SW,No.5SW,No.6SW,No.8SWにより制御スイッチSW0,SW2,SW3,SW5,SW6,SW8のグランド接点[G]がオンする。その結果、インク室15-0、15-2、15-3、15-5、15-6、15-8の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。
区間t10−t11になると、吐出当該波形設定レジスタ401と補助当該波形設定レジスタ409の電位コードが、いずれも“00”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.1SW,No.4SW,No.7SWとしてグランド信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.1SW,No.4SW,No.7SWにより制御スイッチSW1,SW4,SW7のグランド接点[G]がオンする。その結果、インク室15-1、15-4、15-7の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。
かくして、各インク室15-0〜15-8の電極4の電位は、全てグランド電圧VSSとなる。すなわちヘッド10は、定常状態に戻る。
上述した区間t0〜t11において、吐出両隣ノズル8-0に連通するインク室15-0の電極に印加される駆動パルス電圧は、図16の波形INA0となる。吐出当該ノズル8-1に連通するインク室15-1の電極に印加される駆動パルス電圧は、図16の波形ACT1となる。吐出両隣ノズル8-2に連通するインク室15-2の電極に印加される駆動パルス電圧は、図16の波形INA2となる。その結果、吐出当該ノズル8-1に連通するインク室15-1に作用する駆動パルス電圧は、図16の波形A1となる。
また、区間t0〜t11において、吐出両隣ノズル8-2に連通するインク室15-2の電極に印加される駆動パルス電圧は、図17の波形INA2となる。補助両隣ノズル8-3に連通するインク室15-3の電極に印加される駆動パルス電圧は、図17の波形BSTINA3となる。補助当該ノズル8-4に連通するインク室15-4の電極に印加される駆動パルス電圧は、図17の波形BST4となる。補助両隣ノズル8-5に連通するインク室15-5の電極に印加される駆動パルス電圧は、図17の波形BSTINA5となる。吐出両隣ノズル8-6に連通するインク室15-6の電極に印加される駆動パルス電圧は、図17の波形INA6となる。なお、図17において、破線は、電極4がハイインピーダンス状態に制御されていることを示している。
図17に示すように、区間t1〜t7では、インク室15-2とインク室15-6の電極4にはそれぞれ同電位の電圧が同時に印加される。一方、インク室15-3,15-4,15-5の電極4は、区間t1〜t7の間、ハイインピーダンス状態に制御されている。このため、これらのインク室15-3,15-4,15-5の電極4はその両端のインク室15-2,15-6に印加される電圧に誘導されて同様に変化する。その結果、補助当該ノズル8-4に連通するインク室15-4に作用する駆動パルス電圧は、図17の波形B4となる。
この間、インク室15-3からインク室15-5までの電極4に駆動パルス電圧は印加されない。このため、インク室15-3からインク室15-5において、浮遊容量が充電または放電されることはない。したがって、並設された複数のインク室15-3〜15-5の電極4に同電位の電圧が同時に印加されたことで生じるノイズ電流や無駄な消費電力を確実に排除できる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、浮遊容量に起因するノイズ電流や無駄な消費電力を削減するために、図7を用いて説明されるコンデンサの物理的性質を利用した。第2の実施形態では、図18を用いて説明されるコンデンサの物理的性質を利用して浮遊容量に起因するノイズ電流や無駄な消費電力を削減する。なお、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
図18は、ヘッド100の等価回路であるコンデンサC1,C2の直列回路を示している。なお、同図において符号Cfは、浮遊容量を表わしている。この直列回路において、コンデンサC1及びコンデンサC2にそれぞれ電位差を与えた後、コンデンサC1及びコンデンサC2の両端をハイインピーダンス状態にした場合、コンデンサC1,C2はそれぞれ直前の電位差を保持する。すなわち、コンデンサC1,C2は、電位差が与えられた状態でハイインピーダンス状態になると、直前の電位差を保持するという物理的特性を有する。
そこで駆動装置は、並設されたインク室15-(i-1)、15-iを隔てる隔壁に16-(i-1)iに電位差を与えた状態で、この隔壁16-(i-1)iを挟んで配設された電極4をハイインピーダンス状態にする。そうした場合も、隔壁16-(i-1)iの電位差は保持されるので、インク吐出動作に支障を来たすことはない。電極4をハイインピーダンス状態にすることで、電極4に駆動パルス電圧を印加するのを一時的に止めることができる。したがって、浮遊容量に起因するノイズ電流や無駄な消費電力を抑制することができる。
第2の実施形態は、パターンジェネレータ400のレジスタ群に設定されるコードを変更するだけで、第1の実施形態の駆動装置を適用することが可能である。
図19は、第2の実施形態において、吐出当該波形設定レジスタ401及び吐出両隣波形設定レジスタ403に設定される電位コードと、これらのレジスタにそれぞれ対応するHi−Z設定レジスタ402,404に設定されるHi−Z指定コードとの一例である。この例は、図5の駆動パルス電圧パターンに対応している。
図19において、時点t0から時点t1までの区間は、定常状態に相当する。時点t1から時点t6までの区間は、引き込み状態に相当する。時点t6から時点t7までの区間は、引き込み状態後の定常状態に相当する。時点t7から時点t12までの区間は、圧縮状態に相当する。時点t12から時点t13までの区間は、圧縮状態後の定常状態に相当する。
区間t0−t1において、吐出当該波形設定レジスタ401の電位コードは“00”、Hi−Z設定レジスタ402のHi−Z指定コードは“0”である。また、吐出両隣波形設定レジスタ403の電位コードも“00”、Hi−Z設定レジスタ404のHi−Z指定コードも“0”である。このためロジック回路300では、吐出当該ノズル8-1及び吐出両隣ノズル8-0、8-2に対する制御信号No.1SW,No.0SW,No.2SWとしてグランド信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.1SW,No.0SW,No.2SWにより制御スイッチSW1、SW0、SW2のグランド接点[G]がいずれもオンする。その結果、吐出当該ノズル8-1に連通するインク室15-1の電極4及び吐出両隣ノズル8-0,8-2に連通するインク室15-0,15-2の電極4の電位がいずれもグランド電圧VSSとなる。
区間t1−t2になると、吐出当該波形設定レジスタ401の電位コードが“10”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.1SWとして負電圧パルス信号MVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.1SWにより制御スイッチSW1の負電圧接点[−]がオンする。その結果、インク室15-1の電極4の電位が負電圧−VAAとなる。
区間t2−t3になると、吐出両隣波形設定レジスタ403の電位コードが “01”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.2SWとして正電圧パルス信号PVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.0SW,No.2SWにより制御スイッチSW0,SW2の正電圧接点[+]がオンする。その結果、インク室15-0、15-2の電極4の電位が正電圧+VAAとなる。
かくして、インク室15-0とインク室15-1との間及びインク室15-1とインク室15-2との間の隔壁16-01,16-12に電位差が生じる。この電位差により、吐出当該ノズルNo1に連通するインク室15-1の容積を拡大するように、隔壁16-01,16-12が変形する。
区間t3−t4になると、吐出当該波形設定レジスタ401に対応したHi−Z設定レジスタ402と、吐出両隣波形設定レジスタ403に対応したHi−Z設定レジスタ404のHi−Z指定コードが、いずれも“1”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.1SW,No.2SWとしてハイインピーダンス制御信号が生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、ハイインピーダンス制御信号により制御スイッチSW0,SW1,SW2がオフする。その結果、インク室15-0、15-1、15-2の各電極4は、ハイインピーダンス状態となる。
しかしながら、インク室15-0、15-1、15-2の各電極4は、電位差が与えられた状態でハイインピーダンス状態となったので、その直前の電位差が保持される。すなわち、インク室15-1の電極4は負電圧−VAAを保持し、インク室15-0、15-2の電極は正電圧+VAAを保持する。
区間t4−t5になると、上記Hi−Z設定レジスタ402とHi−Z設定レジスタ404のHi−Z指定コードがいずれも“0”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.1SWとして負電圧パルス信号MVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。また、ロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.2SWとして正電圧パルス信号PVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.1SWにより制御スイッチSW1の負電圧接点[−]がオンする。ただし、インク室15-1の電極4は負電圧−VAAを保持しているので、電位に変化はない。またスイッチ回路200では、制御信号No.0SW,No.2SWにより制御スイッチSW0,SW2の正電圧接点[+]もオンする。ただし、インク室15-0、15-2の電極4は正電圧+VAAを保持しているので、やはり電位に変化はない。
区間t5−t6になると、吐出当該波形設定レジスタ401の電位コードが“00”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.1SWとしてグランド信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.1SWにより制御スイッチSW1のグランド接点[G]がオンする。その結果、インク室15-1の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。
区間t6−t7になると、吐出両隣波形設定レジスタ403の電位コードが “00”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.2SWとしてグラント信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.0SW,No.2SWにより制御スイッチSW0,SW2のグランド接点[G]がオンする。その結果、インク室15-0、15-2の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。
かくして、インク室15-0とインク室15-1との間及びインク室15-1とインク室15-2との間の隔壁16-01,16-12に電位差は生じない。すなわちヘッド10は、定常状態に戻る。
区間t7−t8になると、吐出両隣波形設定レジスタ403の電位コードとが “10”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.2SWとして負電圧パルス信号MVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.0SW,No.2SWにより制御スイッチSW0,SW2の負電圧接点[−]がオンする。その結果、インク室15-0、15-2の電極4の電位が負電圧−VAAとなる。
区間t8−t9になると、吐出当該波形設定レジスタ401の電位コードが“01”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.1SWとして正電圧パルス信号PVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.1SWにより制御スイッチSW1の正電圧接点[+]がオンする。その結果、インク室15-1の電極4の電位が正電圧+VAAとなる。
かくして、インク室15-0とインク室15-1との間及びインク室15-1とインク室15-2との間の隔壁16-01,16-12に電位差が生じる。その結果、吐出当該ノズルNo1に連通するインク室15-1の容積を縮小するように、隔壁16-01,16-12が変形する。
区間t9−t10になると、吐出当該波形設定レジスタ401に対応したHi−Z設定レジスタ402と、吐出両隣波形設定レジスタ403に対応したHi−Z設定レジスタ404のHi−Z指定コードが、いずれも“1”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.1SW,No.2SWとしてハイインピーダンス制御信号が生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、ハイインピーダンス制御信号により制御スイッチSW0,SW1,SW2がオフする。その結果、インク室15-0、15-1、15-2の各電極4は、ハイインピーダンス状態となる。
しかしながら、インク室15-0、15-1、15-2の各電極4は、電位差が与えられた状態でハイインピーダンス状態となったので、その直前の電位差が保持される。すなわち、インク室15-1の電極4は正電圧+VAAを保持し、インク室15-0、15-2の電極は負電圧−VAAを保持する。
区間t10−t11になると、上記Hi−Z設定レジスタ402とHi−Z設定レジスタ404のHi−Z指定コードが、いずれも“0”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.1SWとして正電圧パルス信号PVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。また、ロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.2SWとして負電圧パルス信号MVxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.1SWにより制御スイッチSW1の正電圧接点[+]がオンする。ただし、インク室15-1の電極4は、正電圧+VAAを保持しているので、電位に変化はない。またスイッチ回路200では、制御信号No.0SW,No.2SWにより制御スイッチSW0,SW2の負電圧接点[−]もオンする。ただし、インク室15-0、15-2の電極4は、負電圧−VAAを保持しているので、やはり電位に変化はない。
区間t11−t12になると、吐出両隣波形設定レジスタ403の電位コードが “00”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.0SW,No.2SWとしてグラント信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.0SW,No.2SWにより制御スイッチSW0,SW2のグランド接点[G]がオンする。その結果、インク室15-0、15-2の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。
区間t12−t13になると、吐出当該波形設定レジスタ401の電位コードが“00”に変わる。このためロジック回路300では、制御信号No.1SWとしてグランド信号Gxが生成されて、スイッチ回路200に出力される。スイッチ回路200では、制御信号No.1SWにより制御スイッチSW1のグランド接点[G]がオンする。その結果、インク室15-1の電極4の電位がグランド電圧VSSとなる。
かくして、インク室15-0とインク室15-1との間及びインク室15-1とインク室15-2との間の隔壁16-01,16-12に電位差は生じない。すなわちヘッド10は、定常状態に戻る。
上述した区間t0〜t13において、吐出両隣ノズル8-0に連通するインク室15-0の電極に印加される駆動パルス電圧は、図20の波形INA0となる。吐出当該ノズル8-1に連通するインク室15-1の電極に印加される駆動パルス電圧は、図20の波形ACT1となる。吐出両隣ノズル8-2に連通するインク室15-2の電極に印加される駆動パルス電圧は、図20の波形INA2となる。その結果、吐出当該ノズル8-1に連通するインク室15-1に作用する駆動パルス電圧は、図20の波形C1となる。なお、図20において、破線は、電極4がハイインピーダンス状態に制御されていることを示している。
図20に示すように、区間t3−t4では、インク室15-0とインク室15-1とを隔てる隔壁16-01の両側に配設された電極4と、インク室15-1とインク室15-2とを隔てる隔壁16-12の両側に配設された電極4とがいずれもハイインピーダンス状態になる。このとき、電極4は直前の電位差を保持する。すなわちインク室15-0とインク室15-2との電極4は正電圧+VAAを保持し、インク室15-1の電極4は負電圧−VAAを保持する。したがって、隔壁16-01及び隔壁16-12は、インク室15-1の容積を拡張する方向に変形した状態を維持する。
同様に、区間t9−t10でも、隔壁16-01の両側に配設された電極4と、隔壁16-12の両側に配設された電極4とがいずれもハイインピーダンス状態になる。このとき、電極4は直前の電位差を保持する。すなわちインク室15-0とインク室15-2との電極4は負電圧−VAAを保持し、インク室15-1の電極4は正電圧+VAAを保持する。したがって、隔壁16-01及び隔壁16-12は、インク室15-1の容積を収縮する方向に変形した状態を維持する。
このように、電極4を一時的にハイインピーダンス状態としても、インク吐出動作に影響を及ぼすことはない。ハイインピーダンス状態の電極4には、駆動パルス電圧が印加されないので、電極4をハイインピーダンス状態としている間は、インク室15-3からインク室15-5において、浮遊容量が充電または放電されることはない。したがって、本実施形態においても、並設された複数のインク室15-3〜15-5の電極4に同電位の電圧が同時に印加されたことで生じるノイズ電流や無駄な消費電力を確実に排除できる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態について、図21を用いて説明する。
図21において、信号波形ACTは、吐出当該ノズルに連通するインク室15の電極に印加される駆動パルスの一例である。信号波形INAは、吐出両隣ノズルに連通するインク室15の電極に印加される駆動パルスの一例である。また、この例に対応した吐出当該波形設定レジスタ401及び吐出両隣波形設定レジスタ403にそれぞれ設定される電位コードと、吐出当該波形設定レジスタ401に対応したHi−Z設定レジスタ402に設定されるHi−Z指定コードも、図21に示す。
図21に示すように、信号波形ACTと信号波形INAとは、時点t2、時点t4において、同時にスイッチング動作する。そこで本実施形態では、同時にスイッチング動作する時点t2,t4の直前の時点t1,t3に、吐出当該ノズルに連通するインク室15の電極4がハイインピーダンス状態となるように、Hi−Z指定コードを設定する。
そうすることにより、吐出当該ノズルに連通するインク室15の電極4は、吐出両隣ノズルと同時にスイッチング動作する直前にハイインピーダンス状態となる。ハイインピーダンス状態になっても、電極4は直前の電位を保持しているので、インク吐出動作に支障を来たさない。
このように、同時にスイッチング動作する直前に吐出当該ノズルに連通するインク室15の電極4をハイインピーダンス状態にすることにより、同時スイッチング動作によって作用するピーク電流のノイズを減少させることができる。
なお、前記第3の実施形態では、同時にスイッチング動作する直前に吐出当該ノズルに連通するインク室15の電極4をハイインピーダンス状態にしたが、吐出両隣ノズルに連通するインク室15の電極4をハイインピーダンス状態にしても、同様の作用効果を奏し得る。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。