JPH0524188A - 圧電式インクジエツトプリンタヘツド - Google Patents

圧電式インクジエツトプリンタヘツド

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JPH0524188A
JPH0524188A JP17805191A JP17805191A JPH0524188A JP H0524188 A JPH0524188 A JP H0524188A JP 17805191 A JP17805191 A JP 17805191A JP 17805191 A JP17805191 A JP 17805191A JP H0524188 A JPH0524188 A JP H0524188A
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雅彦 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動用電源の大型化及び電源コストの上昇を
伴う事なく、局所変形積層圧電素子を用いた圧電式イン
クジェットプリンタヘッドの低電圧駆動を実現する駆動
装置を提示すること。 【構成】 同時駆動時(充電時)のトータル最大瞬時電
流を実現的に低減させる手段として同時に動作させうる
積層圧電素子中の局所変形駆動部を少なくとも2つ以上
の組に分け、一印字周期内に於て各組毎に駆動のタイミ
ングをずらすか、または積層圧電素子の各局所変形駆動
部を変形させる為に必要な圧電素子端子電圧の立ち上げ
時間(電荷の充電時間)を長くして駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
タヘッドに係り、より詳細には局所変形積層圧電素子を
利用した圧電式インクジェットプリンタヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、我々は特開平2−75858号公
報において、複数個に分割された内部電極を有し、電圧
印加に伴い個別に局所変形を生ずる局所変形部を備えた
一体の積層圧電素子をインク滴の噴射に利用した圧電式
インクジェットプリンタヘッドを提案した。この圧電式
インクジェットプリンタヘッドは、積層圧電素子の電圧
印加による圧電・電歪の効果の内、縦効果の変形を利用
している。従って電圧印加時の変位量xは、x=(d33
・V)・nで表され(d33:縦効果の圧電定数、V:駆
動電圧)積層枚数nを増やすことで必要な変位量xを得
るための駆動電圧を低減することができ、低電圧駆動が
可能な圧電式インクジェットプリンタヘッドを供給する
ことができる。前記圧電式インクジェットプリンタヘッ
ドはヘッドとしての小型化を考えた場合、用いる積層圧
電素子の厚みを薄くする必要がある。従って、積層圧電
素子の厚みを薄くし、且つ積層枚数を増やすためには積
層する圧電材料の一層の厚みを薄くする必要がある。積
層圧電素子の静電容量Cは、C=ε・S/tで表され
(ε:圧電材料の誘電率、S:内部電極のトータル面
積、t:圧電材料の一層の厚み)積層枚数が増加し、圧
電材料の一層の厚みが薄くなるほど大きくなる。
【0003】例えば上記圧電式インクジェットプリンタ
ヘッドでは用いた局所変形積層圧電素子11の静電容量
は一つの局所変形駆動部につき約35nFである。また
インク滴噴射に必要なインクキャビティの容量変化はこ
のヘッドでは約3.37×10-4mm3 であり、そのた
めに必要な駆動電圧は約20Vである。
【0004】次に図7に従来の駆動方法による入力電圧
(波形)、素子両端電圧波形、電流波形の概要を示す。
従来の駆動方法では、所定電圧(−20V)の矩形波を
入力3μsecの程度で素子両端電圧を−20Vまで立
ち上げ圧電素子を変形させ、10μsecの間、所定電
圧(−20V)を印加した後2μsec程度で放電させ
素子を元の形状に戻していた。インクキャビティの容量
変化としては電圧印加時に容積を増加させインクの補給
を行い、電圧除去時に容積を減少させ(元の容積に戻
す)インク滴の噴射を行うと言う方式を採用している。
尚このヘッドは印字品質を考慮して最大10kHzで駆
動される。従って本ヘッドの印字周期は最短100μs
ecである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
駆動方法を用いた場合、圧電素子は駆動時には電気的に
コンデンサと見なせるので35nFの静電容量を持つコ
ンデンサの両端電圧を−20Vまで3μsecで昇圧す
るためには充電時に約−470mAの最大瞬時電流が必
要となり非常に大きな瞬時電流を流す必要があった。ま
た、もし64個の局所変形駆動部が同時に駆動されると
充電時に約−30Aの最大瞬時電流が必要となる。従っ
て瞬時ではあるが最大600VA程度の非常に大きな電
源容量を持った電源がヘッドの駆動に対してのみ必要と
なる等の問題があった。
【0006】さらに実際には64個の局所変形駆動部を
同時に駆動させる(64個のインク噴射孔から同時にイ
ンク滴が噴射される)ことは、ほとんどなく大きな電源
容量の電源には、無駄が多かった。また大容量の電源を
必要とすると言うことはインクジェットプリンタの小型
化が困難になり電源コストアップも引き起こす等、問題
点が多かった。
【0007】本発明は、上述したいくつかの問題点を解
決するためになされたものであり、充電時のトータルの
最大瞬時電流を実質上低減し、低電圧駆動可能な上記圧
電式インクジェットプリンタヘッドの駆動装置を提示す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数個に分割
された内部電極を有し、電圧印加に伴い個別に局所変形
を生ずる局所変形部を備えた一体の積層圧電素子をイン
ク滴の噴射に利用した圧電式インクジェットプリンタヘ
ッドにおいて、局所変形部を駆動する駆動信号を発振す
る発振器と、発振器からの信号を少なくとも2つ以上の
組の信号に分割する分周器と、分周器からの信号により
少なくとも2つ以上の組に分けられた局所変形部をイン
クジェットプリンタヘッドの印字周期内で各組毎にタイ
ミングをずらして駆動する駆動回路を有する。
【0009】また他の発明では、複数個に分割された内
部電極を有し、電圧印加に伴い個別に局所変形を生ずる
局所変形部を備えた一体の積層圧電素子をインク滴の噴
射に使用した圧電式インクジェットプリンタヘッドにお
いて、電源の電圧を積層圧電素子を充電するために供給
する充電スイッチと、充電スイッチと圧電素子との間に
接続された抵抗と、圧電素子と抵抗の一端に接続された
圧電素子の電荷を放電するための放電スイッチとを有す
る。
【0010】さらに他の発明では、複数個に分割された
内部電極を有し、電圧印加に伴い個別に局所変形を生ず
る局所変形部を備えた一体の積層圧電素子をインク滴の
噴射に使用した圧電式インクジェットプリンタヘッドに
おいて、局所変型部を駆動する駆動信号を発振する発振
器と、発振器からの信号をずらして複数の群の信号に分
割する分周器と、分周器からの信号により複数の群に構
成された局所変形部を駆動する駆動回路とを備え、前記
駆動回路は、分周器からの信号を検出するパルス検出手
段と、パルス検出手段のパルスにより積層圧電素子を充
電する時間を設定するタイマと、タイマにより設定され
た時間によって、積層圧電素子を充電する充電スイッチ
と、充電された積層圧電素子をタイマにより設定された
時間によって放電する放電スイッチとを有する。
【0011】
【作用】而して上記の構成を有する本発明の駆動方法に
よれば、同時に動作させうる積層圧電素子中の局所変形
駆動部を少なくとも2つ以上の組に分け、インクジェッ
トプリンタヘッドの印字周期内において、各組毎にタイ
ミングをずらして駆動させることにより、分けた組の数
をNとすると充電時のトータルの最大瞬時電流の値を1
/Nとすることが出来る。また積層圧電素子の各局所変
形駆動部を変形させるために必要な圧電素子端子電圧の
立ち上げ時間(電荷の充電時間)を長くすることによ
り、圧電素子端子電圧の立ち上げ時間をM倍にしたとす
ると充電時のトータルの最大瞬時電流の値を1/Mとす
ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。本実施例の圧電式インクジェットプ
リンタヘッドの概略構成を図1に示す。該圧電式インク
ジェットプリンタヘッドは、局所変形積層圧電素子11
と、インクキャビティプレート15と、インクノズルプ
レート17と、バックプレート19を積み重ねた構造を
している。図2に局所変形積層圧電素子11の概略構成
図を示す。局所変形積層圧電素子11の外径寸法は1
4.4×68×0.5mmである。局所変形積層圧電素
子11は14.4×68×0.5mmの面に64個の分
割された1×6.7mm寸法の内部電極12または13
×66mm寸法の共通内部電極13が形成された厚み4
0μmの圧電セラミックス層の積層体として構成されて
いる。一層おきに形成された分割内部電極12を連結す
る64個の外部電極14が68×0.5mmの両面に各
々32個ずつ形成されている。また一層おきに形成され
た共通内部電極13を連結する外部電極14が14.4
×0.5mmの片方の面に形成されている。インクキャ
ビティプレート15は外径寸法14.4×68×0.1
mmで分割電極により形成された各局所変形駆動部に対
応する位置関係に64個のインクキャビティ16が寸法
1.6×6.3×0.1mmにて形成されている。イン
クノズルプレート17は外径寸法14.4×68×0.
1mmで643個の各インクキャビティ16に対応する
位置に、64個のインク噴射孔18が設けられている。
バックプレート19は外径寸法14.4×68×0.5
mmで局所変形積層圧電素子11の14.4×86mm
の裏面と強固に接着されている。
【0013】まず最大瞬時電流低減例の1つとして、6
4個の局所変形駆動部を4つの組に分け、同時にインク
滴噴射できる局所変形駆動部を各々16とし、4つの組
の1印字周期内でインク滴噴射のタイミングをずらした
駆動方法がある。
【0014】この構成を図3を参照して説明すると、発
振器20と四分周器21によって4分割された信号によ
り駆動される駆動回路22、23、24、25とから構
成される。
【0015】このような構成を有する駆動装置によれ
ば、発振器20から発振されたパルスは四分周期21に
よって4分割され4つの駆動回路22、23、24、2
5に送出される。駆動回路22、23、24、25の4
つの組を1印字周期内に駆動させる場合、例えば1印字
周期を100μsecとすると、25μsecずつ、4
つの組のインク滴噴射のタイミングをずらして4つの駆
動回路22、23、24、25に送りインク滴噴射を行
なう。
【0016】この際、1つの組の同時インク滴噴射時
(充電時)の最大瞬時電流は約−7.5Aになる。次
に、最大瞬時電流低減例の第2実施例を説明する。
【0017】本実施例としてインク容積増加をゆっくり
行なう場合について説明する。インクの噴射は素子端子
の電圧をあげ、インク室の容積を増加させ、充電された
電荷を放電させる時にインク室の容量がもとに戻るとき
に行なわれる。しかしながら、インク噴射に寄与するの
は、放電時の時間なのでインク室の容積増加はゆっくり
立ち上げるようにしてもよい。立ち上げ時間を長くとれ
ば瞬時電流の値は低減できることになる。
【0018】次に図4を参照して本実施例の構成につい
て説明する。電源30が充電スイッチ31と抵抗R32
を介して圧電素子33の一端に接続されている。一方、
抵抗R32と、圧電素子33の一端には放電スイッチ3
4が接続されている。
【0019】このような構成を有する本発明のインクジ
ェットプリンタヘッドは次のように動作する。図5を用
いて説明すると第1スイッチ31がONされると、電源
30から入力電圧−20Vが供給され(図5(A))、
抵抗R32を介して圧電素子33を充電する(図5
(B))。その後、一定時間(10μsec)の後、第
1スイッチ31をOFFし、第2スイッチ34をONす
ると圧電素子33に充電された電荷が放電される(図5
C)。
【0020】このような構成により、本実施例では素子
両端電圧の立ち上がり時間を6μsecとし、−20V
に保持される時間を7μseとして、0Vに戻るのに2
μsecとする。この際の最大瞬時電流は1つの局所変
形駆動部当り充時約−235mA、放電時約700mA
となった。この際同時インク滴噴射時(充電時)の最大
瞬時電流は−15Aとなった。
【0021】次に図6を用いて、本発明の第3実施例を
説明する。本実施例の構成によれば、第1実施例と第3
実施例とを組み合わせた構成となり、第1の実施例と同
様の機能を有する部分には同じ符号を付して説明する。
【0022】64個の局所変形駆動部を4つの組に分
け、同時にインク滴噴射できる局所変形駆動部を各々1
6とし、4つの組の1印字周期内でのインク滴噴射のタ
イミングをずらして噴射する。発振器20から発振され
たパルスは四分周期21によって4分割され4つの駆動
回路22、23、24、25によって送出される。
【0023】駆動回路22は、パルス検出回路とし、タ
イマ27、放電SW28及び充電SW29から構成され
る。このように構成されたインクジェットプリンタヘッ
ドは次のように動作する。
【0024】まず、発振器20で発振された信号を四分
周器21で4つに分け、それぞれその信号について対応
する駆動回路22、23、24及び25に送出する。駆
動回路22に送られた信号は、パルス検出回路26に送
られ、タイマ27に送られ、タイマ27から信号は放電
SW28及び放電SW29に送られる。すなわち、パル
スがパルス検出回路26で検出され、その信号でタイマ
27が駆動されると同時に充電SW31がONする。所
定の時間が経過すると充電SW31がOFFし、放電S
W34がONして図5に示したように入力電圧波形
(A)と素子両端電圧波形(B)のような波形が得られ
る。
【0025】本実施例構成において、各組のタイミング
の遅延時間は約25μsecとした。素子両端電圧は第
2の実施例で示したと同様、−20Vまでの立ち上がり
が6μsec、キープ時間が7μsec、0Vまでの立
ち下げが2μsecとなる。この際の最大瞬時電流は1
つの局所変形駆動部当り充電時約−235mA、放電時
約700mAとなり、同時インク滴噴射時(充電時)の
最大瞬時電流は約−3.8Aとなった。
【0026】従って必要な電源容量は約76VAになっ
た。ここで3つの例とも個々の局所変形駆動部の放電時
の最大瞬時電流700mAは変っていない。これはイン
ク滴噴射に対しては局所変形駆動部の変形は瞬時に行な
われる必要があり、放電時の変形をインクの噴射に利用
しているためである。瞬時の放電に対処する方法として
は64個の局所駆動部毎に放電用トランジスタを用いる
ことで簡単に対処できる。700mAの電流ならば、寸
法的にも表面実装タイプトランジスタを用いることがで
きる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によればインク滴を同時に噴射させる際、充電時の
最大トータル瞬時電流を実質上低減し、電源コストを上
昇させることなく低電圧駆動を実施することができる。
【0028】また、立ち上がる時間を長めにかけること
により充電時の最大トータル瞬時電流を実質上低減させ
ることができる。さらに、発振器からの信号をずらして
さらに圧電素子の立ち上げ時間を長くすることにより、
さらに、充電時の最大トータル瞬時電流を実質上低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の駆動方法で駆動する圧電式インクジ
ェットプリンタヘッドの構造図である。
【図2】圧電式インクジェットプリンタヘッドを構成す
る局所変形積層圧電素子概略構成図である。
【図3】圧電式インクジェットプリンタヘッドの第1実
施例のブロック図である。
【図4】圧電式インクジェットプリンタヘッドの第2実
施例のブロック図である。
【図5】本実施例の第2駆動方法による入力電圧、素子
両端電圧波形及び電流波形を示す図である。
【図6】第3実施例の圧電式インクジェットプリンタヘ
ッドの第3実施例のブロック図である。
【図7】従来の駆動方法による電圧、電流波形を示す図
である。
【符号の説明】
11…積層圧電素子(局所変形積層圧電素子) 12…内部電極(分割内部電極) 13…内部電極(共通内部電極)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個に分割された内部電極を有し、電
    圧印加に伴い個別に局所変形を生ずる局所変形部を備え
    た一体の積層圧電素子をインク滴の噴射に利用した圧電
    式インクジェットプリンタヘッドにおいて、 局所変形部を駆動する駆動信号を発振する発振器と、発
    振器からの信号を少なくとも2つ以上の組の信号に分割
    する分周器と、分周器からの信号により少なくとも2つ
    以上の組に分けられた局所変形部をインクジェットプリ
    ンタヘッドの印字周期内で各組毎にタイミングをずらし
    て駆動する駆動回路とを有する圧電式インクジェットプ
    リンタヘッド。
  2. 【請求項2】 複数個に分割された内部電極を有し、電
    圧印加に伴い個別に局所変形を生ずる局所変形部を備え
    た一体の積層圧電素子をインク滴の噴射に使用した圧電
    式インクジェットプリンタヘッドにおいて、 電源の電圧を積層圧電素子を充電するために供給する充
    電スイッチと、充電スイッチと圧電素子との間に接続さ
    れた抵抗と、圧電素子と抵抗の一端に接続された圧電素
    子の電荷を放電するための放電スイッチとを有すること
    を特徴とする圧電式インクジェットプリンタヘッド。
  3. 【請求項3】 複数個に分割された内部電極を有し、電
    圧印加に伴い個別に局所変形を生ずる局所変形部を備え
    た一体の積層圧電素子をインク滴の噴射に使用した圧電
    式インクジェットプリンタヘッドにおいて、 局所変型部を駆動する駆動信号を発振する発振器と、発
    振器からの信号を少なくとも2つ以上の組の信号に分割
    する分周器と、分周器からの信号により少なくとも2つ
    以上の組に分けられた局所変形部をインクジェットプリ
    ンタヘッドの印字周期内で各組毎にタイミングをずらし
    て駆動する駆動回路とを備え、前記駆動回路は、分周器
    からの信号を検出するパルス検出手段と、パルス検出手
    段のパルスにより積層圧電素子を充電する時間を設定す
    るタイマと、タイマにより設定された時間によって、積
    層圧電素子を充電する充電スイッチと、充電された積層
    圧電素子をタイマにより設定された時間によって放電す
    る放電スイッチとを有することを特徴とする圧電式イン
    クジェットプリンタヘッド。
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