JP3327795B2 - インクジェットヘッドの駆動方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの駆動方法

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JP3327795B2
JP3327795B2 JP31608296A JP31608296A JP3327795B2 JP 3327795 B2 JP3327795 B2 JP 3327795B2 JP 31608296 A JP31608296 A JP 31608296A JP 31608296 A JP31608296 A JP 31608296A JP 3327795 B2 JP3327795 B2 JP 3327795B2
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機械変換手段
への電圧印加によってインク室内のインクに圧力変化を
与えてインク滴を吐出させるインクジェットヘッドの駆
動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、マルチノズルインクジェットヘ
ッドは、図9に示すように、複数の溝を並べて形成した
圧電部材1の上に、この圧電部材1の各溝に対応した位
置に上下に貫通した溝を形成した圧電部材2を張合わ
せ、さらに、この圧電部材2の上に天板3を張合わせて
インク室4a,4b,4c,…を形成し、この各インク
室4a,4b,4c,…の側壁及び底面に無電解メッキ
によって電極5a,5b,5c,…を形成している。各
インク室4a,4b,4c,…の一端にはインク吐出口
6a,6b,6c,…を設け、他端はインク供給室に連
設している。各インク室4a,4b,4c,…の隔壁を
構成する部分の圧電部材1,2は電気機械変換手段を構
成し、図中矢印で示すように互いに対向する方向に分極
している。
【0003】このインクジェットヘッドは、各インク室
4a,4b,4c,…にインクが充填されている状態
で、例えば、インク室4a,4cの電極5a,5cを接
地電位にし、インク室4bの電極5bを負電位にする
と、インク室4bの両側の側壁は室の容積を収縮するよ
うにそれぞれ内側に変形する。これにより、インク室4
b内のインクは圧縮されて圧力が上昇し、インク吐出口
6bからインク滴が吐出することになる。
【0004】このような動作を行うマルチノズルインク
ジェットヘッドは、インク吐出口の密度を高めることが
できるという特徴を備えている。しかし、インク室4b
の両側の側壁はそれぞれインク室4a,4cの側壁も構
成しており、例えば、インク室4a,4cの電極5a,
5cを接地電位にし、インク室4bの電極5bを正電位
にすると、このときにはインク室4bの両側の側壁は部
屋の容積を拡大するようにそれぞれ外側に変形すること
になる。これは、インク室4a,4cからみると一つの
側壁が容積を収縮する方向である内側に変形することに
なり、従って、インク室4a,4cのインクが圧縮され
ることになる。この結果、インク室4a,4cのインク
吐出口6a,6cから誤ってインク滴が吐出する場合が
ある。また、前回インク室4bがインク吐出動作を行っ
てから今回インク室4bがインク吐出動作を行うまでに
隣接したインク室4a,4cがインク吐出動作を行った
か否かによってインク室4bの両側の側壁の残留歪み量
が変わるため、駆動パターンによりインクの吐出速度が
変化するという問題がある。
【0005】また、この種のインクジェットヘッドにお
いて階調印字を行うときには各インク室から吐出させる
インク滴の体積を可変制御するが、このような駆動制御
を行うものとしては、例えば、米国特許5,461,4
03号が知られている。この米国特許には、図10に示
すように、インク室に変化を与えない待機電圧Vresに
対し、インク室の容積を拡大させる電圧を第1電圧V1
、インク室の容積を収縮させる電圧を第2電圧V2 と
するとき、第1電圧V1 の保持時間t1 を、第2電圧V
2 の保持時間t2 を変化させたときに吐出速度の変化が
最小になるように設定し、第2電圧V2 の保持時間t2
を変化させることによって吐出速度の変化を最小にしな
がら吐出体積を変化させることが開示されている。な
お、インクの吐出は波形の立下がりA2 で行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この米国特許は、波形
の立上がりA1 があることで両側壁の残留歪みが一定に
なり、さらにインク吐出動作前にインク供給室からイン
ク室にインクの供給が行われるため、インク吐出後のメ
ニスカスの復帰時間が早くなり、駆動周波数を大きくで
き、また、大きな波形の立上がりを含まないので、隣接
したインク室からのインクの誤吐出を防止できるという
効果を有している。しかし、インク吐出を開始するため
にインクの圧力を高める波形の立下がりA2 に比べ、イ
ンク吐出を終了するためにインクの圧力を弱める波形の
立上がりA3 が最初の波形の立上がりA1 の分だけ小さ
いため、インク吐出口でのインクの切断が不十分となっ
てインクの吐出を完全に停止させることができない問題
があった。
【0007】また、図11に駆動パルス幅とインクの吐
出体積との関係をグラフで示すように、パルス幅を20
μsから2μsまで小さくしても、インクの吐出体積は
65plから30plまでしか小さくできないため、淡
い色の印字品質が不十分になる問題があった。さらに、
図12に駆動パルス幅とインクの吐出速度との関係をグ
ラフで示すように、6μs以下のパルス幅のときには吐
出速度が大きく低下して実際には使用できない。このた
め、実際に使用できるパルス幅は例えば7μs以上とな
り、実用的に変化可能な吐出体積は図11から65pl
から35plとなり、さらに吐出体積の変化幅が狭くな
り淡い色の印字がさらに不十分になる。一般に、吐出し
ようとするインク滴がインクメニスカスから分離するま
での間、インク滴はインクの表面張力により引っ張られ
るため、運動エネルギーが比較的小さい小インク滴の場
合、インク滴の吐出速度が大きく低下してしまう問題が
ある。
【0008】そこで、請求項1乃至3記載の発明は、電
気機械変換手段の残留歪みを一定にでき、また、インク
メニスカスの復帰時間を早めることができるのは勿論、
さらに、インク吐出口でのインクの切断が確実にできて
インクの吐出を完全に停止させることができ、しかも、
十分に小さな吐出体積のインク滴から大きな吐出体積の
インク滴まで幅の広いインク滴の吐出ができるインクジ
ェットヘッドの駆動方法を提供する。
【0009】また、請求項2記載の発明は、さらに、隣
接したインク室からのインクの誤吐出を確実に防止でき
るインクジェットヘッドの駆動方法を提供する。
【0010】また、請求項3記載の発明は、さらに、イ
ンク吐出速度を変えずに十分に小さな吐出体積のインク
滴から大きな吐出体積のインク滴まで幅の広いインク滴
の吐出ができるインクジェットヘッドの駆動方法を提供
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
インクを吐出するインク吐出口を設けたインク室を備
え、電気機械変換手段への電圧印加によってインク室内
のインクに圧力変化を与えインク吐出口からインク滴を
吐出させるインクジェットヘッドにおいて、電気機械変
換手段をインク室内のインクの圧力が低下する方向に変
化させる電圧を第1電圧とし、電気機械変換手段をイン
ク室内のインクの圧力が上昇する方向に変化させる電圧
を第2電圧としたとき、先ず、プリパルスの印加により
電気機械変換手段が変化しない待機電圧から第1電圧ま
で電圧を変化させるとともにこの第1電圧を所定時間保
持し、続いて、吐出パルスの印加により第1電圧から第
2電圧に電圧を急激に変化させるとともにこの第2電圧
を所定時間保持し、さらにこの第2電圧から第1電圧に
電圧を急激に変化させ、最後に電圧を第1電圧から待機
電圧に戻し、吐出パルスのパルス幅を変化させることで
インク吐出口から吐出するインク滴の吐出体積を可変す
ることにある。
【0012】請求項2記載の発明は、インクを吐出する
インク吐出口を設けたインク室を備え、電気機械変換手
段への電圧印加によってインク室内のインクに圧力変化
を与えインク吐出口からインク滴を吐出させるインクジ
ェットヘッドにおいて、電気機械変換手段をインク室内
のインクの圧力が低下する方向に変化させる電圧を第1
電圧とし、電気機械変換手段をインク室内のインクの圧
力が上昇する方向に変化させる電圧を第2電圧としたと
き、先ず、プリパルスの印加により電気機械変換手段が
変化しない待機電圧から第1電圧まで電圧を変化させる
とともにこの第1電圧を所定時間保持し、続いて、吐出
パルスの印加により第1電圧から第2電圧に電圧を急激
に変化させるとともにこの第2電圧を所定時間保持し、
さらにこの第2電圧から第1電圧に電圧を急激に変化さ
せ、吐出パルスの印加開始からインク室内のインクの圧
力振動周期の半分の時間の経過後に、ダンピングパルス
の印加により第1電圧から第2電圧に電圧を急激に変化
させるとともにこの第2電圧を前記吐出パルスのときと
同じ時間保持し、さらにこの第2電圧から第1電圧に電
圧を急激に変化させ、最後に電圧を第1電圧から待機電
圧に戻し、吐出パルスのパルス幅を変化させることでイ
ンク吐出口から吐出するインク滴の吐出体積を可変する
ことにある。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のインクジェットヘッドの駆動方法において、吐出パ
ルスの印加開始を、プリパルスで生じるインクメニスカ
ス振動がインク吐出口に対して前進から後退へ変化する
直前に行うことにある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 (第1の実施の形態)図1はインクジェットヘッドの構
成を示す一部切欠した分解斜視図、図2は同インクジェ
ットヘッドのインク室の構成を示す部分横断面図、図3
は同インクジェットヘッドのインク室の構成を示す部分
縦断面図で、セラミック材からなる基板11上の一方の
側に2枚の長方形状の圧電部材12、13をエポキシ樹
脂接着剤で接着固定している。前記各圧電部材12、1
3には、切削加工により、一定の間隔で平行に同じ幅
で、同じ深さ、同じ長さの複数の長溝14,…を形成し
ている。前記各長溝14,…の側面と底面には電極1
5,…を形成し、さらに各長溝14,…の後端から前記
圧電部材3の後部上面に引出し電極16,…を形成して
いる。これらの電極15,…、16,…は無電解ニッケ
ルメッキにより形成する。
【0015】前記基板11上の他方の側にPC板17を
接着固定し、このPC板17の上に駆動回路を内蔵した
ドライブIC18を搭載するとともにこのドライブIC
18に接続した導電パターン19,…を形成している。
そして、前記各導電パターン19,…と前記各引出し電
極16,…をワイヤボンディングにより導線20,…で
結合している。
【0016】前記圧電部材13の上には、セラミック材
からなる天板21をエポキシ樹脂接着剤で接着固定して
いる。また、前記各圧電部材12、13の先端に複数の
インク吐出口22,…を設けたノズルプレート23を接
着剤で接着固定している。これにより、前記各長溝1
4,…は上部が前記天板21で覆うわれ、先端がノズル
プレート23で塞がれることになり、それぞれインク室
25,…を形成している。
【0017】前記天板21には共通インク室24を形成
しており、前記各インク室25,…の後端部がこの共通
インク室24に連通している。そして、前記共通インク
室24はインク供給部(図示せず)に連通している。前
記各インク室25,…の側壁は前記各圧電部材12、1
3からなる電気機械変換手段を構成し、各圧電部材1
2、13は板厚方向で互いに対向する方向に分極してい
る。
【0018】このような構成のインクジェットヘッドに
対してインク吐出を行うインク室25の電極15とこの
インク室25に隣接するインク室25の電極15との間
に図4に示すパルス電圧を印加する。このパルス電圧
は、インク室に変化を与えない待機電圧Vres からイン
ク室の容積を拡大させる第1電圧V1 やインク室の容積
を収縮させる第2電圧V2 に変化するパルス電圧で、具
体的には、時刻t1 にて待機電圧Vres から第1電圧V
1 まで急激に立上がり、これを所定時間保持した後、時
刻t3 にて第1電圧V1 から待機電圧Vres を経由して
第2電圧V2 まで急激に立下がり、これを所定時間保持
した後、時刻t5 にて第2電圧V2 から待機電圧Vres
を経由して第1電圧V1 まで急激に立上がる。そして、
第1電圧V1 を所定時間保持した後、時刻t6 にて第1
電圧V1 から待機電圧Vres を経由して第2電圧V2 ま
で急激に立下がり、これを所定時間保持した後、時刻t
7 にて第2電圧V2 から待機電圧Vres を経由して第1
電圧V1 まで急激に立上がり、これを所定時間保持した
後、時刻t8 にて緩やかに待機電圧Vres まで立下がる
というパルス電圧になっている。
【0019】このパルス電圧は、時刻t1 から時刻t3
までの間がプリパルスP1 となり、時刻t3 から時刻t
5 までの間が吐出パルスP2 となり、時刻t6 から時刻
t7までの間が前記吐出パルスP2 と同じパルス幅のダ
ンピングパルスP3 となり、さらに時刻t8 以降がポス
トパルスP4 となっている。
【0020】前記プリパルスP1 における時刻t2 は、
図5に時間に対するインクメニスカスの位置をグラフで
示すように、プリパルスP1 の立上がりで生じるインク
メニスカスの振動が後退から前進に変わる時刻であり、
また、前記吐出パルスP2 における時刻t4 は、インク
メニスカスの振動が前進から後退に変わる時刻である。
また、前記吐出パルスP2 の立下がり時刻t3 と前記ダ
ンピングパルスP3 の立下がり時刻t6 とは、インク室
25内のインクの圧力振動周期の半分の時間だけずれて
いる。
【0021】このようなパルス電圧が印加されるインク
室25は、先ず、プリパルスP1 の立上がりでこのイン
ク室25の両側壁が容積を拡大するように外側に変形す
る。これにより、インク室25内部のインクの圧力は低
下する。このときインク室25の両側壁の残留歪みは直
前の駆動パターン、すなわち、直前に両隣のインク室が
動作したか否かに関わらず一定にできる。また、共通イ
ンク室24からこのインク室25にインクが引き込まれ
吐出後のメニスカス復帰を早くすることができる。
【0022】そして、第1電圧V1 をそのまま保持する
と、時刻t1 から時刻t2 まではインク室25内の圧力
が負になるため、インクメニスカスは後退する。時刻t
2 でインク室25内の圧力は負圧から正圧に反転し、時
刻t2 を過ぎるとインクメニスカスは前進する。このま
まパルス電圧を第1電圧V1 に保持した場合、時刻t4
でインク室25内の圧力は正圧から負圧に反転し、イン
クメニスカスは後退する。しかし、時刻t4 の直前の時
刻t3 で吐出パルスP2 の印加を開始すると、それまで
のインクメニスカスの前進速度にインク室25内の圧力
上昇が重なり、インク吐出口22から大きい吐出速度で
インク滴の吐出が開始される。
【0023】時刻t4 ではプリパルスP1 で発生したイ
ンクメニスカスの振動成分は、前進から後退に転じる。
このため、時刻t4 以降の吐出速度は小さくなる。時刻
t5にて吐出パルスP2 を第1電圧V1 まで立上げる
と、インク室25内の圧力がインク吐出時の圧力上昇値
と同程度まで減少し、インク滴の吐出が停止する。すな
わち、インク吐出口22でのインクの切断が確実にでき
てインクの吐出を完全に停止できる。従って、吐出パル
スP2 の立上がりの時刻を必要な吐出体積に応じて変化
させることで、インク滴の大きさを変化させることがで
きる。
【0024】時刻t3 から時刻t4 までの吐出速度が時
刻t4 から時刻t5 までの吐出速度より大きいため、吐
出パルスの幅が短く、時刻t4 から時刻t5 までの時間
が短い場合は平均吐出速度は大きくなる。逆に、時刻t
4 から時刻t5 までの時間が長くなると平均吐出速度は
小さくなる。
【0025】従って、最も好適には、最小インク滴を吐
出させるときにはt4 =t5 として時刻t4 にて吐出パ
ルスP2 を第2電圧V2 から第1電圧V1 まで立上げ、
インク滴の吐出体積をこれよりも大きくする場合に時刻
t5 を時刻t4 から離れるように遅らせることで小イン
ク滴を吐出させるときの吐出速度の低下を補正でき、そ
の結果、吐出速度をほとんど変えずに十分に小さな吐出
体積のインク滴から大きな吐出体積のインク滴まで広い
幅で可変することができる。
【0026】その後、時刻t6 ではインク吐出を行うイ
ンク室25の両隣のインク室25において時刻t3 にて
発生した負圧が反転して正圧となっているので、この時
刻t6 にてダンピングパルスP3 を第1電圧V1 から第
2電圧V2 まで立下げることによって両隣のインク室2
5内の圧力振動を相殺することができる。さらに、時刻
t7 ではダンピングパルスP3 を第2電圧V2 から第1
電圧V1 まで立ち上げることによって、吐出パルスP2
の立上げによって発生した圧力波を相殺できるので、時
刻t5 にて吐出パルスP2 を大きく立上げても両隣のイ
ンク室25からインクが誤って吐出されることはない。
すなわち、隣接したインク室からのインクの誤吐出を確
実に防止できる。
【0027】そして、最後にダンピングパルスP3 によ
り第1電圧V1 まで立ち上がった電圧を時刻t8 以降に
おいて緩やかに待機電圧Vres まで戻すポストパルスP
4 が印加する。この実施の形態における吐出パルス幅と
吐出体積との関係を図6に示し、吐出パルスと吐出速度
との関係を図7に示す。パルス電圧としては、待機電圧
Vresを0V、第1電圧V1 を14V、第2電圧V2 を
−14Vとし、プリパルスP1における第1電圧V1 の
保持時間を27μs、圧力振動周期、すなわち、時刻t
1 から時刻t4 までの時間を30μsとしている。
【0028】図6及び図7からも分かるように、吐出速
度をほとんど変えずに吐出体積を8.5plから63p
lまで可変することができ、最小インク滴と最大インク
滴の体積比は7.4倍に高めることができた。これに対
し、前述した従来の場合は吐出体積の可変範囲は35p
lから65plまでの範囲であり、最小インク滴と最大
インク滴の体積比は1.85倍である。
【0029】(第2の実施の形態)前述した第1の実施
の形態はあるインク室がインク吐出動作を行ったときに
隣接するインク室からインクが誤吐出する可能性がある
マルチノズルインクジェットヘッドの駆動について述べ
たが、あるインク室のインク吐出動作を行ったときに隣
接するインク室からインクが誤吐出することがないマル
チノズルインクジェットヘッドの駆動の場合はダンピン
グパルスP3 を省略することができる。すなわち、パル
ス電圧としては、図8に示すように、ダンピングパルス
P3 を省略したパルス電圧を使用することができる。
【0030】このパルス電圧の場合は、待機電圧Vres
と第1電圧V1 との電位差及び待機電圧Vres と第2電
圧V2 との電位差は等しいが、例えば第1電圧V1 の電
圧レベルをさらに大きくすると、時刻t4 以前と時刻t
4 以降の吐出速度差はさらに大きくなる。また、プリパ
ルスP1 の立上がりに要する時間を大きくすると、大き
な吐出速度から小さな吐出速度に変化する時間が明確に
現れなくなる。従って、これらの電圧や時間を調整する
ことで適当な吐出速度特性を得ることができる。
【0031】なお、この実施の形態においても、吐出速
度をほとんど変えずに十分に小さな吐出体積のインク滴
から大きな吐出体積のインク滴まで幅の広いインク滴の
吐出ができて最小インク滴と最大インク滴の体積比を高
めることができること、側壁の残留歪みを一定にできる
こと、インクメニスカスの復帰時間を早めることができ
ること、インク吐出口でのインクの切断が確実にできて
インクの吐出を完全に停止できることなど第1の実施の
形態の場合と同様の作用効果が得られるのは勿論であ
る。
【0032】なお、前述した各実施の形態は、インク室
自体を圧電部材で構成し、このインクン室の両側壁を圧
電部材からなる電気機械変換手段として変形駆動してイ
ンク吐出を行うインクジェットヘッドに適用したものに
ついて述べたが必ずしもこれに限定するものではなく、
インク室とは別体に電気機械変換手段を設け、この電気
機械変換手段の変形動作によりインク室内のインクに圧
力変化を与えてインク吐出を行うインクジェットヘッド
にも適用できるものである。また、前述した各実施の形
態は、インク室を多数配置したマルチノズルタイプのイ
ンクジェットヘッドの駆動について述べたが必ずしもこ
れに限定するものではなく、シングルノズルタイプのイ
ンクジェットヘッドの駆動にも適用でき、要は、この発
明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0033】
【発明の効果】以上、請求項1乃至3記載の発明によれ
ば、電気機械変換手段の残留歪みを一定にでき、また、
インクメニスカスの復帰時間を早めることができるのは
勿論、さらに、インク吐出口でのインクの切断が確実に
できてインクの吐出を完全に停止させることができ、し
かも、十分に小さな吐出体積のインク滴から大きな吐出
体積のインク滴まで幅の広いインク滴の吐出ができる。
また、請求項2記載の発明によれば、さらに、隣接した
インク室からのインクの誤吐出を確実に防止できる。ま
た、請求項3記載の発明によれば、さらに、インク吐出
速度を変えずに十分に小さな吐出体積のインク滴から大
きな吐出体積のインク滴まで幅の広いインク滴の吐出が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のインクジェットヘ
ッドの構成を示す一部切欠した分解斜視図。
【図2】同実施の形態におけるインクジェットヘッドの
インク室の構成を示す部分横断面図。
【図3】同実施の形態におけるインクジェットヘッドの
インク室の構成を示す部分縦断面図。
【図4】同実施の形態におけるインクジェットヘッドを
駆動するパルス電圧波形を示す図。
【図5】同実施の形態においてパルス電圧のプリパルス
の立上がりで生じるインクメニスカスの振動を示す図。
【図6】同実施の形態における吐出パルス幅とインク吐
出体積との関係を示すグラフ。
【図7】同実施の形態における吐出パルス幅とインク吐
出速度との関係を示すグラフ。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるインクジェ
ットヘッドを駆動するパルス電圧波形を示す図。
【図9】マルチノズルインクジェットヘッドの動作を説
明するための部分断面図。
【図10】従来の駆動パルス波形例を示す図。
【図11】同従来例の駆動パルス幅とインク吐出体積と
の関係を示すグラフ。
【図12】同従来例の駆動パルス幅とインク吐出速度と
の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
12,13…圧電部材 15…電極 22…インク吐出口 25…インク室

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するインク吐出口を設けた
    インク室を備え、電気機械変換手段への電圧印加によっ
    て前記インク室内のインクに圧力変化を与え前記インク
    吐出口からインク滴を吐出させるインクジェットヘッド
    において、 前記電気機械変換手段を前記インク室内のインクの圧力
    が低下する方向に変化させる電圧を第1電圧とし、前記
    電気機械変換手段を前記インク室内のインクの圧力が上
    昇する方向に変化させる電圧を第2電圧としたとき、先
    ず、プリパルスの印加により前記電気機械変換手段が変
    化しない待機電圧から第1電圧まで電圧を変化させると
    ともにこの第1電圧を所定時間保持し、続いて、吐出パ
    ルスの印加により第1電圧から第2電圧に電圧を急激に
    変化させるとともにこの第2電圧を所定時間保持し、さ
    らにこの第2電圧から第1電圧に電圧を急激に変化さ
    せ、最後に電圧を第1電圧から待機電圧に戻し、前記吐
    出パルスのパルス幅を変化させることで前記インク吐出
    口から吐出するインク滴の吐出体積を可変することを特
    徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
  2. 【請求項2】 インクを吐出するインク吐出口を設けた
    インク室を備え、電気機械変換手段への電圧印加によっ
    て前記インク室内のインクに圧力変化を与え前記インク
    吐出口からインク滴を吐出させるインクジェットヘッド
    において、 前記電気機械変換手段を前記インク室内のインクの圧力
    が低下する方向に変化させる電圧を第1電圧とし、前記
    電気機械変換手段を前記インク室内のインクの圧力が上
    昇する方向に変化させる電圧を第2電圧としたとき、先
    ず、プリパルスの印加により前記電気機械変換手段が変
    化しない待機電圧から第1電圧まで電圧を変化させると
    ともにこの第1電圧を所定時間保持し、続いて、吐出パ
    ルスの印加により第1電圧から第2電圧に電圧を急激に
    変化させるとともにこの第2電圧を所定時間保持し、さ
    らにこの第2電圧から第1電圧に電圧を急激に変化さ
    せ、前記吐出パルスの印加開始から前記インク室内のイ
    ンクの圧力振動周期の半分の時間の経過後に、ダンピン
    グパルスの印加により第1電圧から第2電圧に電圧を急
    激に変化させるとともにこの第2電圧を前記吐出パルス
    のときと同じ時間保持し、さらにこの第2電圧から第1
    電圧に電圧を急激に変化させ、最後に電圧を第1電圧か
    ら待機電圧に戻し、前記吐出パルスのパルス幅を変化さ
    せることで前記インク吐出口から吐出するインク滴の吐
    出体積を可変することを特徴とするインクジェットヘッ
    ドの駆動方法。
  3. 【請求項3】 吐出パルスの印加開始を、プリパルスで
    生じるインクメニスカス振動がインク吐出口に対して前
    進から後退へ変化する直前に行うことを特徴とする請求
    項1又は2記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
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