JP2023042912A - インクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】インク滴の着弾精度を高める。【解決手段】アクチュエータを駆動する駆動回路は、ノズルからインク滴を吐出する圧力室に対応して設けられたアクチュエータに与える吐出波形に先立って、補助波形をアクチュエータに与えて、アクチュエータをインク滴が吐出しない程度に駆動する。補助波形は、吐出波形で圧力室を拡張するために印加する電圧よりも小さい中間電圧で圧力室を拡張する弱拡張波形と、弱拡張波形により拡張した圧力室を定常状態に戻して維持する保持波形とを含む波形である。【選択図】 図16

Description

本発明の実施形態は、インクジェットヘッドに関する。
インクジェットヘッドにおいては、ノズルから吐出されたメインのインク滴(主液滴)に付随して、サテライト又はインクミスト等と呼ばれる小液滴が発生する場合がある。このような小液滴は、印字品質の低下につながる。小液滴の発生は、ノズルからインク滴を吐出するために駆動されるアクチュエータの駆動波形を工夫することによって抑えることができる。しかし、小液滴の抑制に効果のある駆動波形でアクチュエータを駆動した場合、インク滴の着弾精度が悪くなる傾向がある。
特開2021-000785号公報
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、インク滴の着弾精度を高め得るインクジェットヘッドを提供しようとするものである。
一実施形態において、インクジェットヘッドは、インクを収容する圧力室と、圧力室に連通するノズルを備えるノズルプレートと、圧力室に対応して設けられ、圧力室の容積を変位させるアクチュエータと、アクチュエータを駆動する駆動回路とを含む。
駆動回路は、ノズルからインク滴を吐出する圧力室に対応して設けられたアクチュエータに与える吐出波形に先立って、吐出波形で圧力室を拡張するために印加する電圧よりも小さい中間電圧で圧力室を拡張する弱拡張波形と、弱拡張波形により拡張した圧力室を定常状態に戻して維持する保持波形と、を含む補助波形をアクチュエータに与えて、アクチュエータをインク滴が吐出しない程度に駆動する。
図1は、一実施形態のインクジェットヘッドを示す斜視図である。 図2は、同インクジェットヘッドの本体を示す平面図である。 図3は、同インクジェットヘッドの本体のA-A縦断面図である。 図4は、同インクジェットヘッドの本体のB-B縦断面図である。 図5は、同インクジェットヘッドの動作原理の説明に用いる図である。 図6は、インクジェットプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。 図7は、同インクジェットプリンタにおけるヘッド駆動回路の要部回路構成を示す図である。 図8は、同ヘッド駆動回路に含まれる波形発生回路の要部回路構成を示すブロック図である。 図9は、同波形発生回路に係るステートデータと駆動パターンデータとの対応関係を示す図である。 図10は、本実施形態で使用される吐出波形の説明図である。 図11は、本実施形態で使用される非吐出波形の説明図である。 図12は、本実施形態で使用される補助波形の説明図である。 図13は、バイナリ方式の場合に当該チャネルに印加される駆動波形の説明図である。 図14は、最大3ドロップのマルチドロップ方式の場合に当該チャネルに印加される駆動波形の説明図である。 図15は、吐出波形の前に補助波形を入れない駆動波形によりアクチュエータを駆動してインク滴を吐出させる場合のシミュレーション結果を示す図である。 図16は吐出波形の前に補助波形を入れた駆動波形によりアクチュエータを駆動してインク滴を吐出させる場合のシミュレーション結果を示す図である。 図17は、非吐出波形の前に補助波形を入れた駆動波形によりアクチュエータを駆動してインク滴を吐出させない場合のシミュレーション結果を示す図である。 図18は吐出波形の前に補助波形を入れない駆動波形によりアクチュエータを駆動した際の圧力室の圧力変化と、従来の非吐出波形によりアクチュエータを駆動した際の圧力室の圧力変化とを対比したグラフである。 図19は、吐出波形の前に補助波形を入れた駆動波形によりアクチュエータを駆動した際の圧力室の圧力変化と、非吐出波形の前に補助波形を入れた駆動波形によりアクチュエータを駆動した際の圧力室の圧力変化とを対比したグラフである。
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態は、オンデマンド方式のインクジェットヘッドとして、ピエゾ方式のインクジェットヘッドを例示する。
図1は、ピエゾ方式のインクジェットヘッド100を示す斜視図である。インクジェットヘッド100は、シェアードウォールタイプのものである。以下では、インクジェットヘッド100をヘッド100と称する。
ヘッド100は、インクを吐出するための複数のノズル2を備えたヘッド本体3と、駆動信号を発生するヘッドドライバ4と、インク供給口5とインク排出口6とを備えたマニホールド7と、で構成する。ヘッドドライバ4は、2つのドライバIC41,42を備える。各ドライバIC41,42は、回路構成を同一とする。各ドライバIC41,42は、後述するヘッド駆動回路101を含む。
ヘッド100は、インク供給手段であるインク供給口5から供給されたインクを、ヘッドドライバ4から発生される駆動信号に応じて、ノズル2から吐出する。また、ヘッド100は、インク供給口5から流入したインクのうち、ノズル2から吐出しなかったインクを、インク排出口6から排出する。
図2は、ヘッド本体3の平面図である。また、図3は、図2に示すヘッド本体3のA-A縦断面図であり、図4は図3に示すヘッド本体3のB-B横断面図である。
図2に示すように、ヘッド本体3は、圧電部材14と、ベース基板15と、ノズルプレート16と、枠部材17とで構成する。ヘッド本体3は、ベース基板15を基礎とする。そしてヘッド本体3は、このベース基板15の上に枠部材17を接合し、枠部材17の中に圧電部材14を接合する。ヘッド本体3は、枠部材17の上にノズルプレート16を接着する。そしてヘッド本体3は、図3に示すように、ベース基板15と圧電部材14とノズルプレート16とで囲まれた中央部の空間を、インク供給路18とする。またヘッド本体3は、ベース基板15と圧電部材14と枠部材17とノズルプレート16とで囲まれた周辺部の空間を、インク排出路19とする。ノズルプレート16は、複数のノズル2を所定のパターンで形成する。
図3に示すように、ベース基板15は、インク供給路18に連通する穴22と、インク排出路19に連通する穴23とを有する。穴22は、マニホールド7によりインク供給口5と連通する。穴23は、マニホールド7によりインク排出口6と連通する。
図4に示すように、圧電部材14は、第1の圧電部材141に、この第1の圧電部材141とは極性が逆向きの第2の圧電部材142を積層してなる。第1の圧電部材141と第2の圧電部材142とは接着される。
図3に示すように、圧電部材14は、インク供給路18からインク排出路19へと繋がる複数の長溝26を並列に形成する。そして図4に示すように、各長溝26の内面に、それぞれ電極21を配設する。各電極21は、図2に示すように、それぞれ配線20を介してヘッドドライバ4と接続する。各長溝26と、各長溝26を覆うように第2の圧電部材142上に接着されたノズルプレート16の裏面とで囲まれた空間が、それぞれ圧力室24となる。そして、各圧力室24に1対1で対応して、ノズル2が連通する。
図4に示すように、隣り合う圧力室24の間の隔壁を形成する圧電部材14は、各圧力室24の電極21によって挟まれる。ヘッド本体3は、圧電部材14とその両側の電極21とによって、アクチュエータ25を構成する。アクチュエータ25は、ヘッド駆動回路101で生成された駆動信号により電界が印加されると、第1の圧電部材141と第2の圧電部材142との接合部を頂部として“く”の字型に剪断変形する。このアクチュエータ25の変形によって、圧力室24の容積が変位し、圧力室24の内部にあるインクが加圧される。加圧されたインクは、その圧力室24に連通するノズル2から吐出する。すなわちヘッド駆動回路101は、アクチュエータ25を駆動する駆動回路として機能する。
1つの圧力室24と、その圧力室24に配設された電極21と、その圧力室24に連通するノズル2とのセットをチャネルと称する。すなわちヘッド100は、圧力室24の数だけチャネルを有する。以下では、圧力室24の数だけのチャネルをチャネル群102(図6を参照)と称する。
次に、上記の如く構成されたヘッド100の動作原理について、図5を用いて説明する。
図5の(a)は、中央の圧力室242と、この圧力室242に隣接する両隣の圧力室241,243との各壁面にそれぞれ配設された電極21の電位がいずれもグラウンド電位GNDである状態を示している。この状態では、圧力室241と圧力室242とで挟まれたアクチュエータ251及び圧力室242と圧力室243とで挟まれたアクチュエータ252は、いずれも何ら歪み作用を受けない。
図5の(b)は、中央の圧力室242の電極21に負極性の電圧-Vが印加され、両隣の圧力室241,243の電極21に正極性の電圧+Vが印加された状態を示している。この状態では、各アクチュエータ251,252に対して、圧電部材141,142の分極方向と直交する方向に電圧Vの2倍の電界が作用する。この作用により、各アクチュエータ251,252は、圧力室242の容積を拡張するようにそれぞれ外側に変形する。
図5の(c)は、中央の圧力室242の電極21に正極性の電圧+Vが印加され、両隣の圧力室241,243の電極21に負極性の電圧-Vが印加された状態を示している。この状態では、各アクチュエータ251,252に対して、図5の(b)のときとは逆の方向に電圧Vの2倍の電界が作用する。この作用により、各アクチュエータ251,252は、圧力室242の容積を収縮するようにそれぞれ内側に変形する。
圧力室242の容積が拡張または収縮された場合、圧力室242内に圧力振動が発生する。この圧力振動により、圧力室242内の圧力が高まり、圧力室242に連通するノズル2からインク滴が吐出する。
このように、圧力室241と圧力室242とを隔てるアクチュエータ251と、圧力室242と、圧力室243とを隔てるアクチュエータ252とは、両アクチュエータ251,252を壁面とする圧力室242の内部に圧力振動を与える。つまり圧力室242は、それぞれ隣接する圧力室241及び圧力室243とアクチュエータ25を共有する。このため、ヘッド駆動回路101は、各圧力室24を個別に駆動することができない。ヘッド駆動回路101は、各圧力室24をn(nは2以上の整数)個おきに(n+1)個のグループに分割して駆動する。本実施形態では、ヘッド駆動回路101が、各圧力室24を2つおきに3つの組に分けて分割駆動する、いわゆる3分割駆動の場合を例示する。なお、3分割駆動はあくまでも一例であり、4分割駆動または5分割駆動などであってもよい。
次に、ヘッド100を用いたインクジェットプリンタ200について説明する。以下では、インクジェットプリンタ200をプリンタ200と称する。
図6は、プリンタ200のハードウェア構成を示すブロック図である。プリンタ200は、プロセッサ201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、操作パネル204、通信インターフェース205、搬送モータ206、モータ駆動回路207、ポンプ208、ポンプ駆動回路209及びヘッド100を備える。またプリンタ200は、アドレスバス,データバスなどのバスライン210を含む。そしてプリンタ200は、このバスライン210に、プロセッサ201、ROM202、RAM203、操作パネル204、通信インターフェース205、モータ駆動回路207、ポンプ駆動回路209及びヘッド100の駆動回路101をそれぞれ直接あるいは入出力回路を介して接続する。
プロセッサ201は、コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ201は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、プリンタ200としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ201は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
ROM202は、上記コンピュータの読み出し専用の主記憶部分に相当する。ROM202は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM202は、プロセッサ201が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
RAM203は、上記コンピュータの書換え自在な主記憶部分に相当する。RAM203は、プロセッサ201が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM203は、プロセッサ201によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。ワークエリアは、印刷データが展開される画像メモリを含む。
操作パネル204は、操作部と表示部とを有する。操作部は、電源キー、用紙フィードキー、エラー解除キー等のファンクションキーを配置したものである。表示部は、プリンタ200の種々の状態を表示可能なものである。
通信インターフェース205は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されるクライアント端末から印刷データを受信する。通信インターフェース205は、例えばプリンタ200にエラーが発生したとき、エラーを通知する信号をクライアント端末に送信する。
モータ駆動回路207は、搬送モータ206の駆動を制御する。搬送モータ206は、印刷用紙などの記録媒体を搬送する搬送機構の駆動源として機能する。搬送モータ206が起動すると、搬送機構が記録媒体の搬送を開始する。搬送機構は、記録媒体をヘッド100による印刷位置まで搬送する。搬送機構は、印刷を終えた記録媒体を図示しない排出口からプリンタ200の外部に排出する。
ポンプ駆動回路209は、ポンプ208の駆動を制御する。ポンプ208が駆動すると、図示しないインクタンク内のインクがヘッド100に供給される。
ヘッド駆動回路101は、印刷データに基づきヘッド100のチャネル群102を駆動する。
図7は、ヘッド駆動回路101の要部回路構成を示す図である。ヘッド駆動回路101は、充放電回路300、波形発生回路400、及び、電源回路500を含む。充放電回路300は、波形発生回路400と電源回路500とを電気的に接続する。なお、波形発生回路400及び電源回路500は、ヘッド駆動回路101に含まれず、ヘッド100とは物理的に離れた位置にあって、充放電回路300と電気的に接続されてもよい。
電源回路500は、第1電圧源501と第2電圧源502とを直列に接続する。詳しくは、電源回路500は、第1電圧源501の負極と第2電圧源502の正極とを接続し、その接続点を零[V]のグラウンドに接地する。第1電圧源501及び第2電圧源502は、いずれも充放電回路300の充電目標とする最大電圧E[V]の半分の直流電圧E/2[V]を出力する。したがって、第1電圧源501の正極に接続される電源ラインLaは、+E/2[V]の正電源ラインとなる。第2電圧源502の負極に接続される電源ラインLbは、-E/2[V]の負電源ラインとなる。第1電圧源501の負極と第2電圧源502の正極との接続点に接続される電源ラインLcは、零[V]のグラウンドラインとなる。
充放電回路300は、電源ラインLa、電源ラインLb及び電源ラインLcを介して、電源回路500の第1電圧源501及び第2電圧源502と接続する。また充放電回路300は、電源ラインLdを介して、+24[V]の基準電源VBGとも接続する。
充放電回路300は、正電源ラインLaと負電源ラインLbとの間に多数のスイッチ直列回路を接続する。詳しくは、充放電回路300は、スイッチ素子611とスイッチ素子612とのスイッチ直列回路、スイッチ素子621とスイッチ素子622とのスイッチ直列回路、…、スイッチ素子691とスイッチ素子692とのスイッチ直列回路を、正電源ラインLaと負電源ラインLbとの間に接続する。
また充放電回路300は、各スイッチ直列回路のスイッチ素子相互接続点とグラウンドラインLcとの間に、それぞれスイッチ素子613、スイッチ素子623、…、スイッチ素子693を接続する。さらに充放電回路300は、隣接するスイッチ直列回路のスイッチ素子相互接続点間に、圧電素子からなる静電容量性のアクチュエータ251,252(不図示),…,258を接続する。
このように、アクチュエータ251,252,…,258は、隣接するスイッチ直列回路のスイッチ素子相互接続点間に接続されるため、アクチュエータ251,252,…,258の数は、スイッチ直列回路の数よりも“1”だけ少ない数となる。なお、スイッチ直列回路のスイッチ素子を示す符号として“611”,“612”,…,”613”、“621”,“622”,…,”623”、“691”,“692”,…,”693”を使用しているが、スイッチ直列回路の数は9個に限定されず、符号“251”,“252”,…,”258”で示されるアクチュエータの数も8個に限定されないのは言うまでもないことである。
各スイッチ直列回路のスイッチ素子のうち、正電源ラインLaに接続されるスイッチ素子611,621,…,691は、P型チャネルのMOSトランジスタである。各スイッチ直列回路のスイッチ素子のうち、負電源ラインLbに接続されるスイッチ素子612,622,…,692は、N型チャネルのMOSトランジスタである。したがって充放電回路300は、正電源ラインLaと負電源ラインLbとの間に、P型チャネルのMOSトランジスタのソース・ドレイン間とN型チャネルのMOSトランジスタのソース・ドレイン間との直列回路が多数接続される。
スイッチ素子613,623,…,693は、N型チャネルのMOSトランジスタである。したがって充放電回路300は、各スイッチ直列回路のスイッチ素子相互接続点とグラウンドラインLcとの間に、それぞれN型チャネルのMOSトランジスタのソース・ドレイン間が接続される。
P型チャネルのMOSトランジスタ(スイッチ素子611,621,…,691)のバックゲートは、+24[V]の基準電源ラインLdに接続される。N型チャネルのMOSトランジスタ(スイッチ素子612,622,…,692及びスイッチ素子613,623,…,693)のバックゲートは、-E/2[V]の負電源ラインLbに接続される。P型チャネルのMOSトランジスタ(スイッチ素子611,621,…,691)のゲート、及び、N型チャネルのMOSトランジスタ(スイッチ素子612,622,…,692及びスイッチ素子613,623,…,693)のゲートは、いずれも波形発生回路400に接続される。
波形発生回路400は、第1波形発生回路4001、第2波形発生回路4002及び第3波形発生回路4003を含む。第1波形発生回路4001、第2波形発生回路4002及び第3波形発生回路4003は、いずれも各スイッチ素子611,621,…,691、612,622,…,692及び613,623,…,693のオン,オフの切り替えを制御するための制御波形を発生する。各スイッチ素子611,621,…,691、612,622,…,692及び613,623,…,693は、第1波形発生回路4001、第2波形発生回路4002又は第3波形発生回路4003から出力される制御波形によりオン,オフを切り替える。このオン,オフの切り替えにより、各アクチュエータ251,252,…,258が充電され、また放電される。
ここに、アクチュエータ251を挟んで相互に接続されるスイッチ素子611,スイッチ素子612及びスイッチ素子613とスイッチ素子621,スイッチ素子622及びスイッチ素子623とは、アクチュエータ251に対する充放電用の通電路を形成する。また図示しないが、アクチュエータ252を挟んで相互に接続されるスイッチ素子621,スイッチ素子622及びスイッチ素子623とスイッチ素子631,スイッチ素子632及びスイッチ素子633とは、アクチュエータ252に対する充放電用の通電路を形成する。他のアクチュエータ253~258についても同様である。そこで以下では、アクチュエータ251とこのアクチュエータ251への通電路を形成する6つのスイッチ素子611,612,613,621,622,623とに着眼して、本実施形態の説明を続ける。
第1波形発生回路4001は、吐出波形を生成する回路である。第2波形発生回路4002は、非吐出波形を生成する回路である。第3波形発生回路4003は、補助波形を生成する回路である。吐出波形、非吐出波形及び補助波形については後述する。第1波形発生回路4001、第2波形発生回路4002及び第3波形発生回路4003の基本的な回路構成は共通である。そこで以下では、第1波形発生回路4001に着眼して本実施形態の説明を続ける。
図8は、第1波形発生回路4001の要部回路構成を示すブロック図である。第1波形発生回路4001は、時間設定レジスタ401、セレクタ402、タイマ403、ステートカウンタ404及び駆動パターンメモリ405を備える。
時間設定レジスタ401は、第1設定レジスタ4011、第2設定レジスタ4012、第3設定レジスタ4013、第4設定レジスタ4014、第5設定レジスタ4015、第6設定レジスタ4016及び第7設定レジスタ4017を含む。第1設定レジスタ4011には、時間Taがセットされる。第2設定レジスタ4012には、時間Tbがセットされる。第3設定レジスタ4013には、時間Tcがセットされる。第4設定レジスタ4014には、時間Tdがセットされる。第5設定レジスタ4015には時間Teがセットされる。第6設定レジスタ4016には、時間Tfがセットされる。第7設定レジスタ4017には、時間Tgがセットされる。
セレクタ402は、ステートカウンタ404から出力されるステートデータSTに従い、第1~第7設定レジスタ4011~4017にそれぞれセットされた時間Ta、時間Tb、時間Tc、時間Td、時間Te、時間Tf、時間Tgを順番に選択する。セレクタ402は、選択した時間をタイマ403にセットする。
タイマ403は、セレクタ402によって設定された時間を計時する。そしてその時間を計時し終えると、タイマ403は、ステート更新信号SAをステートカウンタ404に出力する。
ステートカウンタ404は、8進カウンタであり、初期状態では、ステートデータSTを“0”にリセットする。この状態で、プリンタ200から波形出力開始のトリガ信号が入力されると、ステートカウンタ404は、ステートデータSTを“1”だけカウントアップする。その後、タイマ403からステート更新信号SAが入力される毎に、ステートカウンタ404は、ステートデータSTを“1”ずつカウントアップする。そしてステートデータSTを上限値(8進カウンタのため“7”)までカウントすると、ステートカウンタ404は、その後のステート更新信号SAの入力によりステートデータSTを“0”にリセットする。ステートカウンタ404は、ステートデータSTをセレクタ402と駆動パターンメモリ405とに出力する。
以下では、初期状態のステートデータSTをステートデータSTaとする。“1”だけカウントアップした後のステートデータSTをステートデータSTbとする。以後、“1”ずつカウントアップしたステートデータをステートデータSTc,STd,STe,STfとし、上限値の“7”までカウントアップした後のステートデータSTをステートデータSThとする。
駆動パターンメモリ405は、ステートデータSTa~SThにそれぞれ対応付けて駆動パターンデータを記憶する。駆動パターンデータは、アクチュエータ251への通電路を形成する6つのスイッチ素子611,612,613,621,622,623のオン,オフを制御するデータである。駆動パターンデータは、アクチュエータ252への通電路を形成する6つのスイッチ素子621,622,623,631,632,633のオン,オフを制御するデータでもある。
ステートカウンタ404からステートデータSTa~SThが入力される毎に、駆動パターンメモリ405は、そのステートデータSTa~SThに対応する駆動パターンデータに従い、各スイッチ素子611,612,613,621,622,623,…のオン,オフの切り替えを制御するための駆動波形を発生する。
図9は、ステートデータSTa~SThと駆動パターンデータとの対応関係を示す図である。ステートデータSTaの初期状態のとき、駆動パターンデータは、スイッチ素子623とスイッチ素子613とはオンし、スイッチ素子621、スイッチ素子622、スイッチ素子611及びスイッチ素子612はオフするデータとなる。
この状態で、ステートカウンタ404に波形出力開始のトリガ信号が入力されて、ステートデータがSTaからSTbに更新されると(時点ta)、駆動パターンメモリ405から出力されるステートデータSTbに対応した駆動パターンデータの駆動波形により、スイッチ素子613がオフし、スイッチ素子612がオンする。このとき、第1電圧源501→スイッチ素子611→アクチュエータ251→スイッチ素子623→第1電圧源501の閉回路が形成される。その結果、アクチュエータ251は、電圧E/2[V]で順方向に通電されて充電される。
このように充電前半では、正極性の第1電圧源501を用いて、充電目標とする最大電圧E[V]の半分の中間電圧E/2[V]で、アクチュエータ251に半分までの電荷を充電する。
ステートデータがSTaからSTbに更新されると、セレクタ402は、第1設定レジスタ4011を選択する。その結果、タイマ403は、時間Taを計時する。そして時間Taが計時されて、タイマ403がタイムアウトすると、ステートデータがSTbからSTcに更新される。
ステートデータがSTbからSTcに更新されると(時点tb)、ステートデータSTcに対応した駆動パターンデータの駆動波形により、スイッチ素子623がオフし、スイッチ素子622がオンする。このとき、第1電圧源501→スイッチ素子611→アクチュエータ251→スイッチ素子622→第2電圧源502→第1電圧源501の閉回路が形成される。その結果、アクチュエータ251は、最大電圧E[V]で順方向に通電されてさらに充電される。
このように充電後半では、正極性の第1電圧源501と負極性の第2電圧源502とを用いて、最大電圧E[V]でアクチュエータ251に電荷を充電する。最大電圧E[V]でアクチュエータ251に電荷を充電することにより、アクチュエータ251は完全に充電される。
ステートデータがSTbからSTcに更新されると、セレクタ402は、第2設定レジスタ4012を選択する。その結果、タイマ403は、時間Tbを計時する。そして時間Tbが計時されて、タイマ403がタイムアウトすると、ステートデータがSTcからSTdに更新される。
ステートデータがSTcからSTdに更新されると(時点tc)、ステートデータSTdに対応した駆動パターンデータの駆動波形により、スイッチ素子622がオフし、スイッチ素子623がオンする。このとき、アクチュエータ251→スイッチ素子611→第1電圧源501→スイッチ素子623→アクチュエータ251の閉回路が形成される。その結果、アクチュエータ251は放電する。
このように放電前半では、アクチュエータ251から正極性の第1電圧源501に電荷を戻して、第1電圧源501を充電しつつ、アクチュエータ251を放電する。
ステートデータがSTcからSTdに更新されると、セレクタ402は、第3設定レジスタ4013を選択する。その結果、タイマ403は、時間Tcを計時する。そして時間Tcが計時されて、タイマ403がタイムアウトすると、ステートデータがSTdからSTeに更新される。
ステートデータがSTdからSTeに更新されると(時点td)、ステートデータSTeに対応した駆動パターンデータの駆動波形により、スイッチ素子611がオフし、スイッチ素子613がオンする。このとき、アクチュエータ251→スイッチ素子613→スイッチ素子623→アクチュエータ251の閉回路が形成される。その結果、アクチュエータ251は放電を続ける。
このように放電後半では、アクチュエータ251の端子間をループすることによって、アクチュエータ251は、完全に放電する。
以上の充電・放電動作により、ヘッド100は、圧力室の容積を拡張してインクを補充した後、圧力室の容積を元に戻す。この動作により圧力室に圧力振動が生じてノズルからインク滴が吐出する。吐出するタイミングは放電動作のときである。
ステートデータがSTdからSTeに更新されると、セレクタ402は、第4設定レジスタ4014を選択する。その結果、タイマ403は、時間Tdを計時する。そして時間Tdが計時されて、タイマ403がタイムアウトすると、ステートデータがSTeからSTfに更新される。
ステートデータがSTeからSTfに更新されると(時点te)、ステートデータSTfに対応した駆動パターンデータの駆動波形により、スイッチ素子623がオフし、スイッチ素子621がオンする。このとき、第1電圧源501→スイッチ素子621→アクチュエータ251→スイッチ素子613→第1電圧源501の閉回路が形成される。その結果、アクチュエータ251は、E/2[V]で逆方向に通電されて充電される。
このように逆充電前半では、正極性の第1電圧源501を用いて、最大電圧E[V]の半分の中間電圧E/2[V]でアクチュエータ251に逆方向から半分までの電荷を充電する。
ステートデータがSTeからSTfに更新されると、セレクタ402は、第5設定レジスタ4015を選択する。その結果、タイマ403は、時間Teを計時する。そして時間Teが計時されて、タイマ403がタイムアウトすると、ステートデータがSTfからSTgに更新される。
ステートデータがSTfからSTgに更新されると(時点tf)、ステートデータSTgに対応した駆動パターンデータの駆動波形により、スイッチ素子613がオフし、スイッチ素子612がオンする。このとき、第1電圧源501→スイッチ素子621→アクチュエータ251→スイッチ素子612→第2電圧源502→第1電圧源501の閉回路が形成される。その結果、アクチュエータ251は、E[V]で逆方向に通電されてさらに充電される。
このように逆充電後半では、正極性の第1電圧源501と負極性の第2電圧源502とを用いて、最大電圧E[V]でアクチュエータ251に逆方向から電荷を充電する。最大電圧E[V]でアクチュエータ251に逆方向から電荷を充電することにより、アクチュエータ251は、完全に逆方向から充電される。
ステートデータがSTf~STgに更新されると、セレクタ402は、第6設定レジスタ4016を選択する。その結果、タイマ403は、時間Tfを計時する。そして時間Tfが計時されて、タイマ403がタイムアウトすると、ステートデータがSTgからSThに更新される。
ステートデータがSTgからSThに更新されると(時点tg)、ステートデータSThに対応した駆動パターンデータの駆動波形により、スイッチ素子612がオフし、スイッチ素子613がオンする。このときアクチュエータ251→スイッチ素子621→第1電圧源501→スイッチ素子613→アクチュエータ251の閉回路が形成される。その結果、アクチュエータ251は放電する。
このように放電前半では、アクチュエータ251から正極性の第1電圧源501に電荷を戻して、第1電圧源501を充電しつつ、アクチュエータ251を放電する。
ステートデータがSTgからSThに更新されると、セレクタ402は、第7設定レジスタ4017を選択する。その結果、タイマ403は、時間Tgを計時する。そして時間Tgが計時されて、タイマ403がタイムアウトすると、ステートデータがSThからSTaに戻る。
ステートデータがSThからSTaに戻ると(時点th)、ステートデータSTaに対応した駆動パターンデータの駆動波形により、スイッチ素子621がオフし、スイッチ素子623がオンする。このとき、アクチュエータ251→スイッチ素子623→スイッチ素子613→アクチュエータ251の閉回路が形成される。その結果、アクチュエータ251は放電を続ける。
このように放電後半では、アクチュエータ251の端子間をループすることによって、アクチュエータ251は、完全に放電する。
以上の逆充電・放電動作により、ヘッド100は、圧力室の容積を収縮した後、元に戻す。この動作により、圧力室の残留振動がキャンセルされる。
以後、ステートカウンタ404に波形出力開始のトリガ信号が入力される毎に、第1波形発生回路4001は、同様の動作を繰り返し実行する。このような第1波形発生回路4001の動作により、充放電回路300は、アクチュエータ251への通電路を形成する6つのスイッチ素子611,612,613,621,622,623のオン,オフを切り替える。
ここで、3つのスイッチ素子621,622,623のオン,オフにより印加電圧が制御される電極21は、インクを吐出可能な1つのチャネル、例えば図5の圧力室242を含むチャネル(以下、当該チャネルCh.Xと称する)の電極である。残りの3つのスイッチ素子611,612,613のオン,オフにより印加電圧が制御される電極21は、当該チャネルCh.Xに隣接するチャネル、例えば図5の圧力室241を含むチャネル(以下、隣接チャネルCh.X-1と称する)の電極である。アクチュエータ251は、当該チャネルCh.Xの電極21と隣接チャネルCh.X-1の電極21とにより挟まれる。したがって、アクチュエータ251は、当該チャネルCh.Xの電極21に印加される電圧と隣接チャネルCh.X-1の電極21に印加される電圧との差分により充電又は放電が繰り返されて駆動する。このアクチュエータ251の駆動を適切に制御することによって、当該チャネルCh.Xのノズル2から1滴のインク滴を吐出させることができる。
このように、当該チャネルCh.Xのノズル2から1滴のインク滴を吐出させるためにアクチュエータ251の駆動を制御する波形を吐出波形と称する。また、当該チャネルCh.Xのノズル2からインク滴が吐出しないようにアクチュエータ251の駆動を制御する波形を非吐出波形と称する。また、当該チャネルCh.Xの吐出性能を高めるために、吐出波形又は非吐出波形の前に挿入される波形を補助波形と称する。
図10は、本実施形態で使用される吐出波形の説明図である。
吐出波形は、区間SAの拡張波形と、区間SBの保持波形と、区間SCの第1の弱収縮波形と、区間SDの収縮波形と、区間SEの第2の弱収縮波形とを含む。拡張波形は、0[V]の定常状態から負の最大電圧-E[V]へと変化する第1パルスPaをアクチュエータ251に印加する。第1パルスPaがアクチュエータ251に印加されることにより、アクチュエータ251は、吐出チャネルCh.Xの圧力室24を拡張する方向に駆動する。
拡張波形は、区間SAに相当する時間SAtが経過すると、0[V]の定常状態となる。アクチュエータ251に印加される電圧が0[V]の定常状態となることで、アクチュエータ251は、圧力室24を復元する方向に駆動する。
このように区間SAにおいては、吐出チャネルCh.Xの圧力室24は、先ず拡張し、その拡張状態を維持した後、復元する。このような圧力室24の容積変化により、この圧力室24に連通するノズル2からインク滴が吐出される。因みに、区間SAに相当する圧力室24の拡張状態を維持する時間SAtを、圧力室24の圧力振動周期2AL(Acoustic Length)の1/2、すなわちALとすると、インクの吐出体積が最大となる。時間SAtは、第1設定レジスタ4011にセットされる時間Taと第2設定レジスタ4012にセットされる時間Tbとを調整すればよい。区間SAの拡張波形は、圧縮パルス、吐出パルス等と称される。
拡張波形が0[V]の定常状態となると、吐出波形は、保持波形となる。保持波形は、0[V]の定常状態を区間SBに相当する時間SBtだけ保持する。保持波形の区間SBに相当する時間SBtが経過すると、吐出波形は、第1の弱収縮波形となる。
第1の弱収縮波形は、0[V]の定常状態から正の最大電圧+E[V]に対して半分の中間電圧+E/2[V]へと変化する第2パルスPbをアクチュエータ251に印加する。第2パルスPbがアクチュエータ251に印加されることにより、アクチュエータ251は、当該チャネルCh.Xの圧力室24を収縮する方向に駆動する。ただし、その収縮の度合いは、後述の第3パルスPcによって正の最大電圧+E[V]が印加されることにより圧力室24が収縮する度合いよりも小さい。以下、第2パルスPbによる圧力室24の収縮の度合いを弱収縮と称し、この弱収縮の状態を弱収縮状態と称する。
弱収縮波形の区間SCに相当する時間SCtが経過すると、吐出波形は、収縮波形となる。収縮波形は、中間電圧+E/2[V]から正の最大電圧+E[V]へと変化する第3パルスPcをアクチュエータ251に印加する。第3パルスPcがアクチュエータ251に印加されることにより、アクチュエータ251は、当該チャネルCh.Xの圧力室24をさらに収縮する方向に駆動する。
収縮波形の区間SDに相当する時間SDtが経過すると、吐出波形は、第2の弱収縮波形となる。第2の弱収縮波形は、最大電圧+E[V]から中間電圧+E/2[V]へと変化する第4パルスPdをアクチュエータ251に印加する。第4パルスPdがアクチュエータ251に印加されることにより、アクチュエータ251は、当該チャネルCh.Xの圧力室24を復元する方向に駆動する。ただし、圧力室24は完全には復元されない。アクチュエータ251に印加される電圧が中間電圧+E/2[V]となることで、圧力室24は、弱収縮状態となる。
第2の弱収縮波形の区間SEに相当する時間SEtが経過すると、吐出波形は、0[V]の定常状態となる。アクチュエータ251に印加される電圧が0[V]の定常状態となることで、弱収縮状態であった圧力室24は完全に復元する。
このような構成の吐出波形は、サテライト、インクミスト等と呼ばれる小液滴の発生を抑制することができる。詳しくは、保持波形の区間SBに相当する時間SBtと、第1の弱収縮波形の区間SCに相当する時間SCtと、強収縮波形の区間SDに相当する時間SDtと、第2の弱収縮波形の区間SEに相当する時間SEtとを適切な値に調整する。そうすることにより、サテライト、インクミスト等と呼ばれる小液滴の発生が抑制される。時間SBtは、第4設定レジスタ4014にセットされる時間Tdを調整すればよい。時間SCtは、第5設定レジスタ4015にセットされる時間Teを調整すればよい。時間SDtは、第6設定レジスタ4016にセットされる時間Tfを調整すればよい。時間SEtは、第7設定レジスタ4017にセットされる時間Tgを調整すればよい。
このように吐出波形は、区間SAの拡張波形と、区間SBの保持波形と、区間SCの第1の弱収縮波形と、区間SDの収縮波形と、区間SEの第2の弱収縮波形とで構成される。すなわち吐出波形の所要時間は、区間SAに相当する時間SAtと、区間SBに相当する時間SBtと、区間SCに相当する時間SCtと、区間SDに相当する時間SDtと、区間SEに相当する時間SEtとの合算時間である。以下では、この合算時間、すなわち図10において時点taから時点thまでの時間を時間DCと称する。
図11は、本実施形態で使用される非吐出波形の説明図である。
非吐出波形は、区間SFの弱拡張波形と、区間SGの保持波形とを含む。弱拡張波形は、0[V]の定常状態から負の最大電圧-E[V]に対して半分の中間電圧-E/2[V]へと変化する第5パルスPeをアクチュエータ251に印加する。第5パルスPeがアクチュエータ251に印加されることにより、アクチュエータ251は、当該チャネルCh.Xの圧力室24を拡張する方向に駆動する。ただし、その拡張の度合いは、吐出波形の第1パルスPaによって負の最大電圧-E[V]が印加されることにより圧力室24が拡張する度合いよりも小さい。以下、第5パルスPeによる圧力室24の拡張の度合いを弱拡張と称し、この弱拡張の状態を弱拡張状態と称する。
弱拡張波形は、区間SFに相当する時間SFtが経過すると、0[V]の定常状態となる。アクチュエータ251に印加される電圧が0[V]の定常状態となることで、アクチュエータ251は、圧力室24を復元する方向に駆動する。
このように区間SFにおいては、吐出チャネルCh.Xの圧力室24は、先ず弱拡張し、その弱拡張状態を維持した後、復元する。ここで、区間SFに相当する圧力室24の弱拡張状態を維持する時間SFtは、圧力室24の圧力振動周期2ALの1/2、すなわちAL以下(AL≧SFt>0)とする。時間SFtにおいて、弱収縮波形による容積変化が圧力室24に生じても、この圧力室24に連通するノズル2からインク滴が吐出されることはない。
弱拡張波形が0[V]の定常状態となると、非吐出波形は、保持波形となる。保持波形は、0[V]の定常状態を区間SGに相当する時間SGtだけ保持する。
このように非吐出波形は、区間SFの弱拡張波形と、区間SGの保持波形とで構成される。すなわち、非吐出波形の所要時間は、区間SFに相当する時間SFtと、区間SGに相当する時間SGtとの合算時間である。この合算時間、すなわち図11において時点tiから時点tkまでの時間は、吐出波形の所要時間DCと等しい。
充放電回路300に対して非吐出波形を発生する第2波形発生回路4002は、ステートカウンタ404を3進カウンタとする。また、時間設定レジスタ401を第1設定レジスタ4011と第2設定レジスタ4012とで構成する。このような構成により、ステートデータがSTaからSTbに更新されると、セレクタ402は、第1設定レジスタ4011を選択する。ステートデータがSTbからSTcに更新されると、セレクタ402は、第2設定レジスタ4012を選択する。ここで、第1設定レジスタ4011の設定時間Taは、区画SFの時間SFtとする。同様に、第2設定レジスタ4012の設定時間Tbは、区画SGの時間SGt、つまりは時間DCから時間SFtを減じた時間とする。そうすることにより、第2波形発生回路4002は、充放電回路300に対して図11に示す非吐出波形を発生することができる。
因みに、従来の非吐出波形は、図11において、区間SFの波形が弱収縮波形でなく、区間SGと同様の保持波形である。すなわち従来の非吐出波形は、圧力室24に容積変化を生じさせない。
図12は、本実施形態で使用される補助波形の説明図である。
補助波形は、区間SHの弱拡張波形と、区間SIの保持波形とを含む。弱拡張波形は、0[V]の定常状態から負の最大電圧-E[V]に対して半分の中間電圧-E/2[V]へと変化する第6パルスPfをアクチュエータ251に印加する。第6パルスPfがアクチュエータ251に印加されることにより、アクチュエータ251は、当該チャネルCh.Xの圧力室24を拡張する方向に駆動する。ただし、その拡張の度合いは、吐出波形の第1パルスPaによって負の最大電圧-E[V]が印加されることにより圧力室24が拡張する度合いよりも小さい。そしてその拡張の度合いは、非吐出波形の第5パルスPeによって負の中間電圧-E/2[V]が印加されることにより圧力室24が拡張する度合いと等しい。以下、第6パルスPfによる圧力室24の拡張の度合いも弱拡張と称し、この弱拡張の状態を弱拡張状態と称する。
弱拡張波形は、区間SHに相当する時間SHtが経過すると、0[V]の定常状態となる。アクチュエータ251に印加される電圧が0[V]の定常状態となることで、アクチュエータ251は、圧力室24を復元する方向に駆動する。
このように区間SHにおいては、吐出チャネルCh.Xの圧力室24は、先ず弱拡張し、その弱拡張状態を維持した後、復元する。ここで、区間SHに相当する圧力室24の弱拡張状態を維持する時間SHtは、圧力室24の圧力振動周期2ALの1/2、すなわちAL以下(AL≧SFt>0)とする。そして、この時間SHtは、AL以下という条件を満足しているのであれば、非吐出波形の弱拡張状態を維持する時間SFtと等しくてもよいし等しくなくてもよい。時間SHtにおいて、弱拡張波形による容積変化が圧力室24に生じても、この圧力室24に連通するノズル2からインク滴が吐出されないのは、非吐出波形の場合と同じである。
弱拡張波形が0[V]の定常状態となると、補助波形は、保持波形となる。保持波形は、0[V]の定常状態を区間SIに相当する時間SItだけ保持する。
このように補助波形は、区間SHの弱拡張波形と、区間SIの保持波形とで構成される。すなわち、補助波形の所要時間は、区間SHに相当する時間SHtと、区間SIに相当する時間SItとの合算時間である。この合算時間、すなわち図12において時点tlから時点tnまでの時間は、圧力室24の圧力振動周期2ALとする。なお、補助波形の所要時間は、保持波形による定常状態の保持時間SItを延ばすことによって、圧力振動周期2ALの2倍である4AL、又は3倍の6AL等としてもよい。すなわち、補助波形の、弱収縮波形により圧力室24を拡張する時間SHtと保持波形により圧力室24の定常状態を維持する時間SItとの合計時間は、当該圧力室24における圧力振動周期の整数倍であればよい。
充放電回路300に対して補助波形を発生する第3波形発生回路4003は、第2波形発生回路4002と同様に、ステートカウンタ404を3進カウンタとする。また、時間設定レジスタ401を第1設定レジスタ4011と第2設定レジスタ4012とで構成する。このような構成により、ステートデータがSTaからSTbに更新されると、セレクタ402は、第1設定レジスタ4011を選択する。ステートデータがSTbからSTcに更新されると、セレクタ402は、第2設定レジスタ4012を選択する。ここで、第1設定レジスタ4011の設定時間Taは、区画SHの時間SHtとする。同様に、第2設定レジスタ4012の設定時間Tbは、区画SIの時間SIt、つまりは時間2ALから時間SHtを減じた時間とする。そうすることにより、第3波形発生回路4003は、充放電回路300に対して図12に示す補助波形を発生することができる。
以上で、本実施形態において使用する吐出波形、非吐出波形及び補助波形の説明を終了する。
前述したように、図10に示す吐出波形は、サテライト、インクミスト等と呼ばれる小液滴の発生を抑制することができる。しかし、この吐出波形は、インクを吐出した後の残留振動が残りやすい。そのため、この残留振動の影響でインク滴の飛翔速度が低下し、着弾精度が低下する懸念がある。
そこで本実施形態では、ノズル2からインク滴を吐出する圧力室24に対応して設けられたアクチュエータ25に与える吐出波形に先立って、補助波形を挿入する。補助波形は、吐出波形で圧力室24を拡張するために印加する電圧よりも小さい中間電圧で圧力室24を拡張する弱拡張波形と、弱拡張波形により拡張した圧力室24を定常状態に戻して維持する保持波形とを含む。このような補助波形でアクチュエータ25を駆動した場合、そのアクチュエータ25に対応する圧力室24に圧力変化が生じる。しかし、この圧力変化によって、ノズル2からインク滴が吐出されることはない。この圧力変化は、吐出波形によってノズル2から吐出されるインク滴の吐出速度を上げる効果がある。インク滴の吐出速度が上がることによって、インク滴の着弾精度が向上する。
また本実施形態では、ノズル2からインク滴を吐出しない圧力室24に対応して設けられたアクチュエータ25に与える非吐出波形を、図11に示す波形とする。すなわち、吐出波形で圧力室24を拡張するために印加する電圧よりも小さい中間電圧で圧力室24を拡張する弱拡張波形と、弱拡張波形により拡張した圧力室24を定常状態に戻して維持する保持波形と、を含む波形とする。そして、弱収縮波形により圧力室24を拡張する時間と保持波形により圧力室24の定常状態を維持する時間との合計時間を、吐出波形の時間と等しくする。このような非吐出波形でアクチュエータ25を駆動した場合、そのアクチュエータ25に対応する圧力室24に圧力変化が生じる。この圧力変化は、吐出波形をアクチュエータ25に与えることで圧力室24に生じる圧力変化よりも小さく、ノズル2からインク滴が吐出されることはない。非吐出波形をアクチュエータ25に与えることによって、インク滴の非吐出時もアクチュエータ25が振動する。この振動は、インク滴の吐出時におけるアクチュエータ25の駆動に好影響を与え、誤吐出が発生しがたくなる。
さらに本実施形態では、非吐出波形に先立って図12に示す補助波形を挿入する。したがって、非吐出波形でアクチュエータ25を振動させる前においても、当該アクチュエータ25を振動させる。この振動は、インク滴の吐出時におけるアクチュエータ25の駆動にさらなる好影響を与えることとなる。
ところで、補助波形の挿入は、1滴のインク滴(ドロップ)で1ドットを形成するバイナリ方式により印字を行う場合だけでなく、連続して吐出される複数のインク滴で1ドットを形成するマルチドロップ方式により階調印字を行う場合も行う。
図13は、バイナリ方式の場合に当該チャネルCh.Xに印加される駆動波形の説明図である。図示するように、ドロップ数が“0”、すなわち当該チャネルCh.Xからインク滴を吐出させない場合には、1フレーム目として所要時間2ALの補助波形を印加し、2フレーム目として所要時間DCの非吐出波形を印加する。ドロップ数が“1”、すなわち当該チャネルCh.Xからインク滴を1滴吐出させる場合には、1フレーム目として所要時間2ALの補助波形を印加し、2フレーム目として所要時間DCの吐出波形を印加する。
このように、バイナリ方式で印字を行う場合、ヘッド100は、吐出波形の前と非吐出波形の前にそれぞれ補助波形を与えて、アクチュエータ25を駆動する。
図14は、最大3ドロップのマルチドロップ方式の場合に当該チャネルCh.Xに印加される駆動波形の説明図である。図示するように、ドロップ数が“0”、すなわち当該チャネルCh.Xからインク滴を吐出させない場合には、1フレーム目として所要時間2ALの補助波形を印加し、2フレーム目、3フレーム目及び4フレーム目としていずれも所要時間DCの非吐出波形を印加する。ドロップ数が“1”、すなわち当該チャネルCh.Xからインク滴を1滴吐出させる場合には、1フレーム目として所要時間2ALの補助波形を印加し、2フレーム目として所要時間DCの吐出波形を印加し、3フレーム目及び4フレーム目としていずれも所要時間DCの非吐出波形を印加する。ドロップ数が“2”、すなわち当該チャネルCh.Xからインク滴を2滴吐出させる場合には、1フレーム目として所要時間2ALの補助波形を印加し、2フレーム目及び3フレーム目としていずれも所要時間DCの吐出波形を印加し、4フレーム目として所要時間DCの非吐出波形を印加する。ドロップ数が“3”、すなわち当該チャネルCh.Xからインク滴を3滴吐出させる場合には、1フレーム目として所要時間2ALの補助波形を印加し、2フレーム目、3フレーム目及び4フレーム目としていずれも所要時間DCの吐出波形を印加する。
このように、マルチドロップ方式で階調印字を行う場合、ヘッド100は、1フレーム目の吐出波形又は非吐出波形の前に補助波形を与えて、アクチュエータ25を駆動する。
図15は、図10の吐出波形の前に図12の補助波形を入れない駆動波形によりアクチュエータを駆動してインク滴を吐出させる場合のシミュレーション結果を示す図である。図16は、図10の吐出波形の前に図12の補助波形を入れた駆動波形によりアクチュエータを駆動してインク滴を吐出させる場合のシミュレーション結果を示す図である。図17は、図11の非吐出波形の前に図12の補助波形を入れた駆動波形によりアクチュエータを駆動してインク滴を吐出させない場合のシミュレーション結果を示す図である。シミュレーションは、いずれもインクジェットヘッドを模擬したLCR等価回路(図示省略)を用いて行った。その際のインダクタンスLは0.71[μH]とし、キャパシタンスCは0.26[Ω]とし、抵抗値Rは、0.41[μF]とした。このとき、アクチュエータに固有な圧力の周期は3.4μs(AL=1.7μs)となる。
図15乃至図17において、実線「駆動電圧」は、駆動波形の電圧変化を表す波形である。一点鎖線「圧力」は、圧力室24内に生じる圧力の変化を表す波形である。二点鎖線「流速」は、ノズル2に流入するインクの流速の変化を表す波形である。また、横軸は時間(μs)の経過を表しており、縦軸は、正規化された各項目の大きさを表している。
図15に示すように、吐出波形の前に補助波形を入れない駆動波形によりアクチュエータを駆動してインク滴を吐出させた場合、吐出波形における拡張波形によって拡張した圧力室24が、拡張波形の後縁で復元した際に、圧力が急激に高まる。その結果、圧力室24に連通するノズル2からインク滴が吐出される。
インク滴が吐出された後、圧力は、吐出波形における保持波形、第1の弱収縮波形、収縮波形及び第2の弱収縮波形の作用により、負のビーク値と正のピーク値とを2回繰り返す。この繰り返しに伴なう圧力室24の状態変化により、圧力室24に連通するノズル2では、インク滴が吐出されない程度にインクのメニスカスが盛り上がる。このメニスカスの盛り上がりにより、サテライト発生の主要因である尾引きが短くなる。その結果、サテライト又はインクミストとなる小液滴の発生は抑制される。その結果、サテライトが記録媒体上に着弾して、濃度ムラやゴーストといった印字品質の低下を招いたり、インクミストがヘッド100やその周辺の回路部材等に付着して、プリンタ200の誤動作を引き起こしたりする懸念が無くなる。また、圧力室24の残留振動も、圧力室24の状態が収縮状態から復元されることによって概ねキャンセルされる。しかし、若干の残留振動が残る。そして、この残留振動の影響により、インク滴の飛翔速度が低下し、着弾精度が低下する場合がある。
一方、図16に示すように、吐出波形の前に補助波形を入れた駆動波形によりアクチュエータを駆動してインク滴を吐出させた場合には、吐出波形における拡張波形によって拡張した圧力室24が拡張波形の後縁で復元した際の圧力が、吐出波形の前に補助波形を入れない駆動波形によりアクチュエータを駆動した場合と比較して十分に大きくなる。したがって、インク滴の飛翔速度が高まるので、着弾精度が良好となる。
従来の非吐出波形は、圧力室24に容積変化を生じさせないので、圧力室24内に生じる圧力は変化しない。これに対し、弱拡張波形と保持波形とからなる本実施形態の非吐出波形の前にさらに補助波形を入れた駆動波形によりアクチュエータを駆動した場合、圧力室24内に生じる圧力は、図17の一点鎖線で示すように変化する。この圧力変化の曲線は、図16に示す圧力変化の曲線と形状が類似している。
図18は、図10の吐出波形の前に図12の補助波形を入れない駆動波形によりアクチュエータを駆動した際の圧力室24の圧力変化(実線)と、従来の非吐出波形によりアクチュエータを駆動した際の圧力室24の圧力変化(破線)とを対比したグラフである。図18から明らかなように、インク滴を吐出する場合とインク滴を吐出しない場合とで、圧力室24に生じる圧力の差が大きい。圧力の差が大きいと、インク滴を吐出しないフレームからインク滴を吐出するフレームに移行した際にインク滴が吐出されないというような誤吐出が発生する場合がある。あるいは、インク滴を吐出するフレームからインク滴を吐出しないフレームに移行した際にインク滴が吐出されるというような誤吐出が発生する場合がある。
図19は、図10の吐出波形の前に図12の補助波形を入れた駆動波形によりアクチュエータを駆動した際の圧力室24の圧力変化(実線)と、図11の非吐出波形の前に図12の補助波形を入れた駆動波形によりアクチュエータを駆動した際の圧力室24の圧力変化(破線)とを対比したグラフである。図19から明らかなように、インク滴を吐出する場合とインク滴を吐出しない場合とで、圧力室24に生じる圧力変化の差が小さい。その結果、上述したような誤吐出が発生しなくなる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、小液滴の抑制に効果のある駆動波形、すなわち図10に示す吐出波形でアクチュエータを駆動した場合でも、インク滴の着弾精度を高めることができる。
また、吐出波形の前に挿入される補助波形の印加時間を圧力室24における圧力振動周期の整数倍とすることで、補助波形が吐出波形に及ぼす影響を抑えることができる。その結果、吐出波形の制御が簡便となる。
また、非吐出時もアクチュエータ25が振動するので、誤吐出を減らすことができる。その上、非吐出波形の前にも、吐出波形と同様に補助波形を挿入するので、吐出時と非吐出時とで動作タイミングがずれることはない。
そして、このような作用効果は、バイナリ方式でヘッド100を駆動する場合に限らず、マルチドロップ方式でヘッド100を駆動する場合も奏し得る。
以上、インクジェットヘッドの実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
例えば吐出波形は、図10に示すものに限定されない。例えば、DRP波形と称される周知の吐出波形であってもよい。このような吐出波形に先立って図12に示す補助波形をアクチュエータ25に与えた場合も、着弾精度が向上する。
圧力室24を弱拡張状態とするための中間電圧は、充電目標とする最大電圧E[V]の半分であるとは限らない。圧力室24が弱拡張状態から0[V]の定常状態に復元した際にノズル2からインク滴が吐出しない程度に最大電圧E[V]よりも小さいで圧であればよい。
ヘッド100は、シェアードウォールタイプのものに限定されない。他のタイプによるピエゾ方式のインクジェットヘッドについても、本実施形態を適用することが可能である。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
2…ノズル、3…ヘッド本体、4…ヘッドドライバ、14,141,142…圧電部材、16…ノズルプレート、21…電極、24,241,242,243…圧力室、25,251,252,258…アクチュエータ、100…インクジェットヘッド(ヘッド)、101…ヘッド駆動回路、102…チャネル群、200…インクジェットプリンタ(プリンタ)、201…プロセッサ、202…ROM、203…RAM、204…操作パネル、205…通信インターフェース、206…搬送モータ、207…モータ駆動回路、208…ポンプ、209…ポンプ駆動回路、300…充放電回路、401…時間設定レジスタ、402…セレクタ、403…タイマ、404…ステートカウンタ、405…駆動パターンメモリ、500…電源回路、4001…第1波形発生回路、4002…第2波形発生回路、4003…第3波形発生回路。

Claims (5)

  1. インクを収容する圧力室と、
    前記圧力室に連通するノズルを備えるノズルプレートと、
    前記圧力室に対応して設けられ、前記圧力室の容積を変位させるアクチュエータと、
    前記アクチュエータを駆動する駆動回路と、
    を具備し、
    前記駆動回路は、前記ノズルからインク滴を吐出する前記圧力室に対応して設けられた前記アクチュエータに与える吐出波形に先立って、前記吐出波形で前記圧力室を拡張するために印加する電圧よりも小さい中間電圧で前記圧力室を拡張する弱拡張波形と、前記弱拡張波形により拡張した圧力室を定常状態に戻して維持する保持波形と、を含む補助波形を前記アクチュエータに与えて、前記アクチュエータを前記インク滴が吐出しない程度に駆動する、インクジェットヘッド。
  2. 前記補助波形の、前記弱拡張波形により前記圧力室を拡張する時間と前記保持波形により前記圧力室の定常状態を維持する時間との合計時間は、当該圧力室における圧力振動周期の整数倍である、請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記駆動回路は、前記ノズルからインク滴を吐出しない前記圧力室に対応して設けられた前記アクチュエータに対し、前記吐出波形で前記圧力室を拡張するために印加する電圧よりも小さい中間電圧で前記圧力室を拡張する弱拡張波形と、前記弱拡張波形により拡張した圧力室を定常状態に戻して維持する保持波形と、を含み、前記弱拡張波形により前記圧力室を拡張する時間と前記保持波形により前記圧力室の定常状態を維持する時間との合計時間は、前記吐出波形の時間と等しい非吐出波形を前記アクチュエータに与えて、前記アクチュエータを前記インク滴が吐出しない程度に駆動する、請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記非吐出波形に先立って、前記補助波形を前記アクチュエータに与えて、前記アクチュエータを前記インク滴が吐出しない程度に駆動する、請求項3記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記駆動回路は、前記ノズルからインク滴を連続して吐出することにより1ドットを形成するマルチドロップ方式で前記アクチュエータを駆動する際には、前記インク滴を吐出する前記圧力室に対応して設けられた前記アクチュエータに対して前記吐出波形を与え、前記インク滴を吐出しない前記圧力室に対応して設けられた前記アクチュエータに対して非吐出波形を与え、さらに、前記アクチュエータに最初に前記吐出波形又は前記非吐出波形を与える前に前記補助波形を与えて、前記アクチュエータを前記インク滴が吐出しない程度に駆動する、請求項3又は4記載のインクジェットヘッド。
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