JP2014112817A - 回り込み伝送路推定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一の空中線に到来した到来波の再送信または中継の下で第二の空中線から放射される送信波の搬送波周波数を時系列の順に異なる複数pの値ft1〜ftpに個別に設定する制御手段と、前記再送信を行う系と、前記第二の空中線から前記第一の空中線に至る回り込みの経路との総合的な特性を示し、かつ前記複数pの異なる値ft1〜ftpが個別に反映された複数pの式からなる連立方程式の解として、前記経路の伝送路推定を行う推定手段とを備える。
【選択図】図1
Description
(b) 受信部42および送信部43の総合的な利得や移相量の調整
(c) 再放送波の周波数の微調整
図1は、本発明の一実施形態を示す図である。
図において、図9に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与し、ここでは、その説明を省略する。受信部42および送信部43については、本実施形態では、図示を省略する。
本実施形態と図9に示す従来例との構成の相違点は、以下の点にある。
(2) 送信部43の前段に乗算器12が配置される。
(3) 乗算器12の出力と加算器11の加数入力との間にトランスバーサルフィルタ13が配置される。
(5) これらのDFT部14、15、16の出力がタップ係数更新部17の第一、第二および第三の入力に接続される。
(7) タップ係数更新部17の第二の出力が周波数オフセット制御部18に入力され、その周波数オフセット制御部18の出力が乗算器12の乗数入力に接続される。
図3は、本実施形態の動作を説明する図である。
以下、図1〜図3を参照して本実施形態の動作を説明する。
本発明の特徴は、本実施形態では、DFT部14、15、16、タップ係数更新部17、トランスバーサルフィルタ13、乗算器12および周波数オフセット制御部18が後述するように連係することによって行う処理の手順にある。
以下、このような処理の手順に先行して、本実施形態の原理を説明する。
放送波X(f)の搬送波成分に対応する信号Z(f)の搬送波成分の線スペクトルZ(0) は、図3(a) に示すように、その搬送波成分のレベルAと位相θ0 とに対して、一般に、下式(1) で表される。
Z(0)=A・exp(jθ0 ) …(1)
Y(Δf2)=A・ exp{j(θ0+θ2)}
Y(Δf2+k)=A・ exp{j(θ0+θ2)}
Y(f)・C(f)
で表される。
c(t)=ρexp(jθ)δ(t-τ)
として説明する。但し、ρ、θ、およびτはそれぞれ回り込み伝送路の振幅比、位相、および伝搬遅延時間を表す。
C(f)=ρexp(jθ) exp (-j2πfτ)
で表される。
Y(f)=Z(f−Δf2)
exp(jθ2)
であり、
Z(f)=X(f)+C(f)・Y(f)
である。すなわち、周波数(Δf2+k)、および周波数Δf2における線スペクトルZ(Δf2+k)、およびZ(Δf2)がそれぞれ得られる。
Z(Δf2+k)=A・exp(jθ0)・ρexp{j(θ+θ2)}・exp{−j2π(Δf2+k)τ}…(2)
Z(Δf2)=A・exp(jθ0)・ρexp{j(θ+θ2)}・exp(−j2πΔf2τ) …(3)
Z(Δf2+k)/Z(0)=ρexp{j(θ+θ2)}・exp{−j2π(Δf2+k)τ} …(4)
Z(Δf2)/Z(0)=ρexp{j(θ+θ2)}・exp(−j2π(Δf2)τ) …(5)
ρ=|Z(Δf2)/Z(0)|
ρ=|Z(Δf2+k)/Z(0)|
のいずれか(以下、「式(7)
」と表記する。)により振幅ρが算出される。
また、既に算出した遅延時間τも用いて
θ+θ2 =tan−1[Z(Δf2)/{Z(0)・ρexp(−j2πΔf2τ)}]
θ+θ2 =tan−1[Z(Δf2+k)/{Z(0)・ρexp(−j2π(Δf2+k)τ)}]
のいずれか(以下、「式(8)
」と表記する。)により位相θが算出される。
ρexp{j(θ+θ2)}=Z(Δf2)/{Z(0) exp(−j2πΔf2τ)}
ρexp{j(θ+θ2)}=Z(Δf2+k)/{Z(0) exp(−j2π(Δf2+k)τ)}
のいずれか(以下、「式(9)
」と表記する。)により、振幅と位相を含めた複素数値として算出してもよい。
周波数オフセット制御部18は、既述の周波数(Δf2+k)、Δf2を時系列に順次に所定のインターバルで与える。但し、周波数(Δf2+k)、Δf2の順番は逆でも良い。
h(t)=h(t)−μ・r(t) …(10)
等の適応的な更新式によってタップ係数を更新する.ここでのμは0<μ≦1.0を満たす更新係数である。但し、式(10)によりタップ係数を更新する際には、回り込み波キャンセルを開始した後はW(f)=Z(f)ではなくなるので、式(7) および式(8) ではZ(f)に替えてW(f)を用いて計算をする。
しかし、本発明は、このような構成に限定されず、例えば、以下の通りに構成されてもよい。
(1)
周波数オフセット制御部18によって設定される周波数は、一定のΔf2のみに固定される。
(2) 連立方程式(4)、(5)に含まれる項kは、回り込み波がアンテナ41に再帰的に到来してアンテナ44から再送信されることによって生じるΔf2またはその整数倍の値として与えられる。
(3) 上記連立方程式(4)、(5)に、このような項kが適用されることによって、本実施形態の作用効果が同様に達成される。
(1)
移相量Φが一定の値に設定される。
(2) 上述した「連立方程式(4)、(5)に代わる連立方程式」には、上記「可変される位相」は、位相θ2の2通りの値は、既述の移相量Φまたはその整数倍の値として与えられる。
(3) このような連立方程式を確実に有無ために、再帰的に送信される再送信波には、「その再帰的な送信の回数の識別を可能とする情報の重畳、またはその情報による変調」が施される。
(a) 図4に示すように、DFT部16は、その入力が乗算器12の出力に接続され、既述の周波数Δf2、および周波数(Δf2+k)の線スペクトルを求める。なお、このような構成では、既述の伝搬遅延時間τ算出する式(6)は下式で代替される。
τ=−1/(2πk)・tan−1[Im[{W(Δf2+k)Y(Δf2)}/{Y(Δf2+k)W(Δf2)}]/Re[{W(Δf2+k)Y(Δf2)}/{Y(Δf2+k)W(Δf2)}]]
ρ=|W(Δf2)/Y(Δf2)|
ρ=|W(Δf2+k)/Y(Δf2+k)|
また、位相θを算出する既述の式(8)は下式で代替される。
θ=tan−1[Im[W(Δf2+k)/{Y(Δf2+k)・ρexp(−j2π(Δf2+k)τ)}]/Re[W(Δf2+k)/{Y(Δf2+k)・ρexp(−j2π(Δf2+k)τ)}]
ρexp(jθ)=W(Δf2)/{Y(Δf2)・exp(−j2πΔf2τ)}
ρexp(jθ)=W(Δf2+k)/{Y(Δf2+k)・exp(−j2π(Δf2+k)τ)}
のいずれかにより、振幅と位相を含めた複素数値として算出してもよい。
を取り込み、それぞれ周波数零、周波数Δf2 、周波数(Δf2+k)の線スペクトルを求める。なお、このような構成では、既述の式(10)
は、下式で代替される。
h(t)=−r(t)
が入力され、それぞれ周波数Δf2 、周波数(Δf2+k)の線スペクトルを求める。さらに、DFT部16の入力は乗算器12の出力に接続され、周波数Δf2 の線スペクトルを求める。なお、このような構成では、既述の式(10)
は、下式で代替される。
h(t)=−r(t)
を取り込んで周波数零、周波数Δf2 、周波数(Δf2+k)をそれぞれ求め、タップ係数更新部17はこれらに基づいて回り込み波の遅延時間を算出する。DFT14A、15A、16Aは複素信号W(f)を取り込んで周波数零、周波数Δf2 、周波数(Δf2+k)をそれぞれ求め、タップ係数更新部17はこれらに基づいて回り込み波の振幅および位相を算出して適宜更新する。
(1) 図8に示すように、DFT部14、15、16に代えてDFT部14A、15A、16Aがそれぞれ備えられ、かつタップ係数更新部17および周波数オフセット制御部18に代えてタップ係数更新部17Aおよび周波数オフセット制御部18Aがそれぞれ備えられた点で、図1に示す実施形態と異なる。
(3) アンテナ41には、既述の放送波X(f)と、再送信波Y(f)の回り込み成分C(f)・Y(f)とに併せて、その放送波X(f)の周波数fとは異なるが既知である周波数f′の放送波X′(f′)が到来する。
なお、図8に示す構成では、アンテナ44からアンテナ41に至る回り込み経路の伝送路推定が4つ以上の未知数として求められるべき場合には、これらの未知数を解として与える連立方程式は、2つ以上の放送波の既知の周波数に基づいて求められてもよい。
前記複数pの値ft1〜ftpの何れかは、
前記到来波の搬送波周波数frと同じである
ことを特徴とする伝送路推定装置。
前記複数pの値φt1〜φtpの何れかは、
前記到来波の位相φrと同じである
ことを特徴とする伝送路推定装置。
請求項1、2、3、4、5、7、8の何れか1項に記載の伝送路推定装置と、
前記伝送路推定装置によって行われた伝送路推定の結果を前記相殺または前記抑圧に適用する回り込みキャンセル支援手段と
を備えたことを特徴とする回り込みキャンセラ。
12 乗算器
13 トランスバーサルフィルタ
14,14A,15,15A,16,16A DFT部
17,17A タップ係数更新部
18,18A 周波数オフセット制御部
41,44 アンテナ
42 受信部
43 送信部
Claims (8)
- 第一の空中線に到来した到来波の再送信または中継の下で第二の空中線から放射される送信波の搬送波周波数を時系列の順に異なる複数pの値ft1〜ftpに個別に設定する制御手段と、
前記再送信を行う系と、前記第二の空中線から前記第一の空中線に至る回り込みの経路との総合的な特性を示し、かつ前記複数pの異なる値ft1〜ftpが個別に反映された複数pの式からなる連立方程式の解として、前記経路の伝送路推定を行う推定手段と
を備えたことを特徴とする回り込み伝送路推定装置。 - 第一の空中線に到来した到来波の再送信または中継の下で第二の空中線から放射される送信波の位相を時系列の順に異なる複数pの値φt1〜φtpに個別に設定する制御手段と、
前記再送信を行う系と、前記第二の空中線から前記第一の空中線に至る回り込みの経路との総合的な特性を示し、かつ前記複数pの異なる値φt1〜φtpが個別に反映された複数pの式からなる連立方程式の解として、前記経路の伝送路推定を行う推定手段と
を備えたことを特徴とする回り込み伝送路推定装置。 - 請求項1に記載の伝送路推定装置において、
前記制御手段は、
前記複数pの値ft1〜ftpを規定の値域内で前記送信波の搬送波周波数として設定する
ことを特徴とする伝送路推定装置。 - 請求項1または請求項3に記載の伝送路推定装置において、
前記制御手段は、
前記複数pの値ft1〜ftpの内、前記時系列の順の末尾に設定される値、または特定の値に後続して設定される値として、前記再送信に適用されるべき所望の値を設定する
ことを特徴とする伝送路推定装置。 - 請求項1、3、4の何れか1項に記載の伝送路推定装置において、
前記制御手段は、
前記複数pの値ft1〜ftpの全てまたは一部に搬送波周波数が設定された前記送信波のレベルを規定の値に設定する
ことを特徴とする伝送路推定装置。 - 第一の空中線に到来した第一の到来波の再送信または中継の下で第二の空中線から放射される送信波の搬送波周波数を前記第一の到来波の周波数fr1と異なる値fr1′に設定する制御手段と、
前記再送信を行う系と、前記第二の空中線から前記第一の空中線に至る回り込みの経路との総合的な特性を示し、かつ前記第一の到来波と共に前記第一の空中線に到来した第二の到来波の周波数fr2と、前記値fr1′とが個別に反映された複数pの式からなる連立方程式の解として、前記経路の伝送路推定を行う推定手段と
を備えたことを特徴とする回り込み伝送路推定装置。 - 第一の空中線に到来した到来波の再送信または中継の下で第二の空中線から放射される送信波の搬送波周波数を前記到来波の搬送波周波数に対して所定の値Δfシフトさせる周波数シフト手段と、
前記再送信または前記中継の再帰的な反復により前記値Δfが順次積算された複数pの異なる値ft1〜ftpが個別に反映され、かつ前記再送信を行う系と、前記第二の空中線から前記第一の空中線に至る回り込みの経路との総合的な特性を示す複数pの式からなる連立方程式の解として、前記経路の伝送路推定を行う推定手段と
を備えたことを特徴とする回り込み伝送路推定装置。 - 第一の空中線に到来した到来波の再送信または中継の下で第二の空中線から放射される送信波に、前記到来波の位相に対する所定の値Δφの移相と、かつ前記再送信または前記中継の再帰的な反復の回数に基づく変調とを施す移相手段と、
前記回数毎に前記到来波を個別に識別し、前記反復の下で前記移相が順次施された複数pの異なる値φt1〜φtpが個別に反映され、かつ前記再送信を行う系と、前記第二の空中線から前記第一の空中線に至る回り込みの経路との総合的な特性を示す複数pの式からなる連立方程式の解として、前記経路の伝送路推定を行う推定手段と
を備えたことを特徴とする回り込み伝送路推定装置。
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