JP2014110769A - マッコリ風飲料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】近年、飲料業界においては、製造コストの低減や、消費者の嗜好に対応すべく、従来とは異なる原料を用いたアルコールテイスト飲料が開発されている。例えば、ビールの味に似せたビール風飲料(ノンアルコール、低アルコール)や、梅酒の味に似せたノンアルコール飲料等が製品化され、販売されている。一方、未だ有用なマッコリ風飲料の製造方法は報告されていない。このような状況に鑑み、本発明は、マッコリによく似た味及び匂いを有するマッコリ風飲料の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、黄麹を糖化し糖化液を得る工程と、該糖化液に乳酸菌を添加し、乳酸発酵させる工程と、を備えることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、黄麹を糖化し糖化液を得る工程と、該糖化液に乳酸菌を添加し、乳酸発酵させる工程と、を備えることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、マッコリ風飲料の製造方法に関する。
近年、飲料業界においては、製造コストの低減や、消費者の嗜好に対応すべく、従来とは異なる原料を用いたアルコールテイスト飲料が開発されている。例えば、ビールの味に似せたビール風飲料(ノンアルコール、低アルコール)や、梅酒の味に似せたノンアルコール飲料等が製品化され、販売されている。
また日本での韓国文化の流行に伴って、上述したビール風飲料等と同様に、マッコリ風飲料への需要も高まっている。ここで、マッコリは、濁酒に分類される韓国の伝統酒であり、一般的にマッコリは、蒸した米や麦に、酒醪(酒母、粒麹、酵素剤等から構成される)を添加し蒸した米や麦を粒麹や酵素剤などの酵素作用で糖化するとともに、酵母により酒精発酵を行うことで製造され(非特許文献1)、市場に出回るものとしてはその後、補糖、補酸がされている。そして、様々な機能を有するマッコリを製造するための方法について近年開発がなされており、例えば特許文献1には、特定の製造工程、原料を使用することで、保存期間を長くし、げっぷと二日酔いによる頭痛を減らし、そして風味を改善した黒マッコリの製造方法が記載されている。
また、例えば特許文献2には、米の加水物を酵素分解又は麹を作用させた後、ろ過して得られる糖化液に乳酸菌を加え乳酸発酵を行った後、濾過することを特徴とする米からの飲料の製造方法が記載されている。この製造方法により得られる飲料の風味は、米を原料としていることもあり、マッコリのそれを想起させるものであると考えられる。
大韓酒類工業協会編 「概説 韓国の酒造技術」
しかしながら、特許文献2に記載される方法によって製造された飲料は、濾過工程を有することや、実施例においては多種類の酵素(糖化酵素、脂肪分解酵素、繊維分解酵素、蛋白分解酵素)も使用しており、マッコリの、味や匂いが十分再現されているものとはいえなかった。
そのような状況の下、本発明は、マッコリによく似た味及び匂いを有するマッコリ風飲料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、原料として使用する麹に着目した。マッコリの製造に使用される粒麹としては、白麹(白麹菌(Aspergillus kawachii)を用いて製造された麹)が使用されるが(非特許文献1)、本発明者らは、白麹でなく、日本酒の製造に用いられる黄麹を原料として使用した糖化液を乳酸発酵することで、マッコリによく似た味及び匂いを有するマッコリ風飲料を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記目的を達成するための本発明の要旨構成は、以下の通りである。
即ち、本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、黄麹を糖化し糖化液を得る工程と、該糖化液に乳酸菌を添加し、乳酸発酵させる工程と、を備えることを特徴とする。この構成により、マッコリによく似た味及び匂いを有するマッコリ風飲料の製造方法を提供することができる。
前記黄麹は、精米歩合が50質量%以上70質量%以下の米を用いて製造されることが好ましい。この構成により、本発明の製造方法により得られるマッコリ風飲料の味及び匂いを、さらにマッコリに似せることができる。
前記黄麹は、酒米を用いて製造されることが好ましい。この構成により、本発明の製造方法により得られるマッコリ風飲料の味及び匂いを、さらにマッコリに似せることができる。
前記糖化液を得る工程において、原料として米及び/又は米の加水物を添加しないことが好ましい。この構成により、本発明の製造方法により得られるマッコリ風飲料の味を、さらにマッコリに似せることができる。
本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、前記乳酸発酵させる工程に先立って、前記糖化液中の固形分を、高圧ホモジナイザーにより粉砕する工程をさらに備えることが好ましい。この構成により、続く乳酸発酵をより効率的に行うことができ、結果として得られるマッコリ風飲料の酸味と舌触りを、さらにマッコリに似せることができる。
本発明によれば、マッコリによく似た味及び匂いを有するマッコリ風飲料の製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明についてその実施形態を例示して具体的に説明する。本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、黄麹を糖化し糖化液を得る工程と、該糖化液に乳酸菌を添加し、乳酸発酵させる工程とを備える。
<糖化工程>
以下、黄麹を糖化し糖化液を得る工程(糖化工程という)について説明する。
以下、黄麹を糖化し糖化液を得る工程(糖化工程という)について説明する。
(黄麹)
まず、黄麹について説明する。本発明の製造方法では、原料として黄麹を用いることを特徴とする。原料として黄麹を用いることで、通常マッコリの製造に使用されている白麹を使用した場合よりも、得られるマッコリ風飲料の味及び匂いをさらにマッコリに似せることができる。この理由は、黄麹は、白麹に比して効率的に糖を生成し、クエン酸の生成を抑えることができ、黄麹を原料として使用することで補糖が一般的にされている市場に流通するマッコリの味に近づくためであるからと考えられる。言い換えると白麹を使用したマッコリ風飲料は、クエン酸の味が強く、例えば他の酸で補酸をしたとしても、乳酸を主たる特徴とするマッコリの独特の風味に近づけることは難しい。その点、黄麹は乳酸中心に形成するため、マッコリの風味に近づけることが容易であると考えられる。
黄麹とは、黄麹菌(Aspergillus oryzae)を用いて製造された麹をいい、例えば蒸米に黄麹菌由来の種麹を添加することで製造される。黄麹菌由来の種麹の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、果皮に傷をつけた水分と菌糸を侵入しやすくした玄米で黄麹菌を数日間培養し、胞子を多く着生させた後、乾燥する方法が挙げられる。ここで、種麹の製造に使用する玄米は、特に限定されず、例えば日本国産の酒米、飯米が使用可能である。
まず、黄麹について説明する。本発明の製造方法では、原料として黄麹を用いることを特徴とする。原料として黄麹を用いることで、通常マッコリの製造に使用されている白麹を使用した場合よりも、得られるマッコリ風飲料の味及び匂いをさらにマッコリに似せることができる。この理由は、黄麹は、白麹に比して効率的に糖を生成し、クエン酸の生成を抑えることができ、黄麹を原料として使用することで補糖が一般的にされている市場に流通するマッコリの味に近づくためであるからと考えられる。言い換えると白麹を使用したマッコリ風飲料は、クエン酸の味が強く、例えば他の酸で補酸をしたとしても、乳酸を主たる特徴とするマッコリの独特の風味に近づけることは難しい。その点、黄麹は乳酸中心に形成するため、マッコリの風味に近づけることが容易であると考えられる。
黄麹とは、黄麹菌(Aspergillus oryzae)を用いて製造された麹をいい、例えば蒸米に黄麹菌由来の種麹を添加することで製造される。黄麹菌由来の種麹の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、果皮に傷をつけた水分と菌糸を侵入しやすくした玄米で黄麹菌を数日間培養し、胞子を多く着生させた後、乾燥する方法が挙げられる。ここで、種麹の製造に使用する玄米は、特に限定されず、例えば日本国産の酒米、飯米が使用可能である。
上記黄麹の製造に使用する蒸米は、玄米を精米して白米とし、該白米を蒸すことで得られる。一般的に米は、形や食味の点からジャポニカ種、インディカ種、ジャパニカ種等に分類されるが、本発明にはいずれの分類の玄米を使用してもよい。これらの中でも得られるマッコリ風飲料の味及び匂いの観点から、ジャポニカ種に属する玄米を使用することが好ましい。日本で生産されている米の殆どはこのジャポニカ種である。また、前記蒸米に使用する玄米としては、酒米が特に好ましい。これは、酒米が糖の元となるでんぷん含有量が高いからである。本発明において酒米とは、具体的には日本の農産物検査法に基づく農産物規格規程で定められる醸造用玄米を指し、山田錦、五百万石、美山錦、雄町、八反錦1号等の銘柄が挙げられる。これらの中でも五百万石が好ましい。なお、本発明においては、玄米を1種単独で用いてもよいし、複数種組み合わせて用いてもよい。
上記黄麹の製造において、玄米を精米して白米とする際の精米歩合は、得られるマッコリ風飲料の味及び匂いを、さらにマッコリに似せるため、70質量%以下が好ましく、原料歩留まり向上の観点からは、50質量%以上であることが好ましい。ここで、精米歩合とは、玄米質量に対する白米質量の割合をいい、以下の(式1)で計算することができる。
(式1) 精米歩合(質量%)=(白米質量÷玄米質量)×100
上記黄麹の製造において、精米後かつ白米を蒸す前に、蒸しの効率の観点から、白米を水に浸漬し水を吸収させることが好ましい。該水の吸収量は、特に限定されないが、白米100質量部に対し25〜30質量部であることが好ましい。
上記黄麹を製造する方法は、特に限定されず、箱麹法、天幕式製麹法や、攪拌機や品音調節装置を備えた製麹機による機械的製麹法等が挙げられる。これらの中でも、品質の均一化の観点から、天幕式製麹法、機械的製麹法が好ましい。
(糖化)
上記黄麹を糖化する方法は、特に限定されないが、例えば黄麹に水を加え、水中に分散させた状態で加熱することにより行う。この方法により、黄麹に含まれるデンプンが、同じく黄麹に含まれる糖化酵素によって分解され、グルコース、多糖類等の糖類が生成する。上記米麹に加える水の量は、特に限定されないが、糖化効率の観点から、黄麹100質量部に対し100〜1000質量部が好ましい。糖化中の黄麹と水を含む混合物の温度は、特に限定されないが、糖化効率の観点から、40〜70℃が好ましい。糖化は、均一な糖化の観点から、黄麹と水を含む混合物を攪拌しながら行うことが好ましい。また、十分な糖化に要する時間は、特に限定されないが、混合物の温度が上記好適な温度範囲に達してから60〜360分である。十分に糖化が進行していることは、糖度により判断する。
上記黄麹を糖化する方法は、特に限定されないが、例えば黄麹に水を加え、水中に分散させた状態で加熱することにより行う。この方法により、黄麹に含まれるデンプンが、同じく黄麹に含まれる糖化酵素によって分解され、グルコース、多糖類等の糖類が生成する。上記米麹に加える水の量は、特に限定されないが、糖化効率の観点から、黄麹100質量部に対し100〜1000質量部が好ましい。糖化中の黄麹と水を含む混合物の温度は、特に限定されないが、糖化効率の観点から、40〜70℃が好ましい。糖化は、均一な糖化の観点から、黄麹と水を含む混合物を攪拌しながら行うことが好ましい。また、十分な糖化に要する時間は、特に限定されないが、混合物の温度が上記好適な温度範囲に達してから60〜360分である。十分に糖化が進行していることは、糖度により判断する。
なお、上記糖化工程において、黄麹に水を加える際、原料として米及び/又は米の加水物を添加することもできる。かかる場合は、添加した米及び/又は米の加水物に含まれるデンプンも、グルコース、多糖類等の糖類に変えることができる。しかしながら、本発明の製造方法により得られるマッコリ風飲料の味の観点からは、上記糖化工程においては、原料として米及び/又は米の加水物を添加しないことが好ましい。これは、糖化工程において、米及び/又は米の加水物を添加しない、即ち黄麹のみを原料として製造することで、糖化工程において糖を効率良く得ることができ、この手法で得られた糖化液を乳酸発酵させて得られるマッコリ風飲料の味(甘味、酸味)を、さらにマッコリに似せることができるからである。なお、ここで、「原料として米及び/又は米の加水物を添加しない」とは、黄麹を構成する米以外に、米(全ての米類の、玄米、白米、蒸米等の全ての形態を含む)及び/又はその米の加水物を別途添加しないことをいう。
<粉砕工程>
また、本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、後述する乳酸発酵させる工程に先立って、糖化液中の固形分を、高圧ホモジナイザーにより粉砕する工程(粉砕工程という)をさらに備えることが好ましい。高圧ホモジナイザーとは、原料を高圧に加圧し、スリットを抜ける際のせん断力を利用して粉砕、分散、乳化等を行う装置のことを指す。糖化液中の固形分をより細かく粉砕することで、後述する乳酸発酵をより効率的にすることができ、結果として得られるマッコリ風飲料の、のどごし、滑らかさを向上させることができる。
また、本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、後述する乳酸発酵させる工程に先立って、糖化液中の固形分を、高圧ホモジナイザーにより粉砕する工程(粉砕工程という)をさらに備えることが好ましい。高圧ホモジナイザーとは、原料を高圧に加圧し、スリットを抜ける際のせん断力を利用して粉砕、分散、乳化等を行う装置のことを指す。糖化液中の固形分をより細かく粉砕することで、後述する乳酸発酵をより効率的にすることができ、結果として得られるマッコリ風飲料の、のどごし、滑らかさを向上させることができる。
高圧ホモジナイザ−の分散圧力としては、特に限定されないが、20〜100MPaが好ましく、このような分散圧力とすることで、十分に糖化液中の固形分を粉砕することができる。また、高圧ホモジナイザーによる処理は、処理量等を考慮して適宜決定すればよいが、通常、10分〜3時間である。
<乳酸発酵工程>
以下、糖化液に乳酸菌を添加して乳酸発酵させる工程(乳酸発酵工程という)について説明する。乳酸発酵工程は、特に限定されないが、例えば上記糖化工程により得られた糖化液を発酵タンクに移し、乳酸菌を加えて加熱することにより行う。この工程により、糖化液中のグルコースが、乳酸菌により乳酸に変換される。
以下、糖化液に乳酸菌を添加して乳酸発酵させる工程(乳酸発酵工程という)について説明する。乳酸発酵工程は、特に限定されないが、例えば上記糖化工程により得られた糖化液を発酵タンクに移し、乳酸菌を加えて加熱することにより行う。この工程により、糖化液中のグルコースが、乳酸菌により乳酸に変換される。
本発明に用いる乳酸菌としては、特に限定されないが、例えば、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ファーメンタムなどのラクトバチルス属、ストレプトコッカス・ラクティス、ストレプトコッカス・サモフィラスなどのストレプトコッカス属が挙げられる。そして、これらの乳酸菌は1種単独で用いてもよいし、複数種組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、乳酸発酵の効率の観点から、ラクトバチルス属とストレプトコッカス属を併用すること、又は、ストレプトコッカス・サモフィラスを単独で使用することが好ましく、ラクトバチルス属とストレプトコッカス属を併用することが特に好ましい。
乳酸発酵の温度は、特に限定されないが、効率的な乳酸生成の観点から、32〜43℃が好ましく、より好ましくは40℃〜43℃である。また、十分な乳酸発酵に要する時間は、特に限定されないが、例えば乳酸菌を添加しかつ糖化液の温度が上記好適な温度範囲に達してから300〜1000分である。十分に乳酸発酵が進行していることは、酸度やpHにより判断する。
<殺菌工程>
本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、必要に応じて、糖化工程後乳酸発酵工程前に糖化液を殺菌する工程(発酵前殺菌工程)、及び/又は、乳酸発酵工程後に乳酸発酵液を殺菌する工程(発酵後殺菌工程)、を備えてもよい。発酵前殺菌工程としては、特に限定されない。例えば、タンク内で品温85℃〜95℃で30〜60分の加熱殺菌を行うことができる。一方、発酵後殺菌工程は、高温瞬間殺菌であることが好ましい。該高温瞬間殺菌としては、特に限定されないが、例えばプレートヒーターを使用した品温65℃〜130℃で30〜600秒間の殺菌であることが好ましい。
本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、必要に応じて、糖化工程後乳酸発酵工程前に糖化液を殺菌する工程(発酵前殺菌工程)、及び/又は、乳酸発酵工程後に乳酸発酵液を殺菌する工程(発酵後殺菌工程)、を備えてもよい。発酵前殺菌工程としては、特に限定されない。例えば、タンク内で品温85℃〜95℃で30〜60分の加熱殺菌を行うことができる。一方、発酵後殺菌工程は、高温瞬間殺菌であることが好ましい。該高温瞬間殺菌としては、特に限定されないが、例えばプレートヒーターを使用した品温65℃〜130℃で30〜600秒間の殺菌であることが好ましい。
<補酸、補糖、炭酸充填工程>
本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、製品の要求に応じて補酸及び/又は補糖する工程を備えてもよい。補酸に使用する酸としては、特には限定されないが、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、コハク酸等が挙げられ、これらの中でも、マッコリ風飲料の酸味の観点から、乳酸が好ましい。なお、例えば、糖化工程により得られた糖化液を乳酸発酵せず、乳酸を補酸することで、本発明により得られるマッコリ風飲料と類似した飲料を製造することも可能であるが、そのような乳酸発酵をせず乳酸補酸によって酸味を構成した飲料は、全体的な味のバランスが悪く、本発明の目的の観点から好ましくない。また、補糖に使用する糖としては、特に限定されないが、アセスルファムカリウム等の甘味料を用いることができる。
本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、製品の要求に応じて補酸及び/又は補糖する工程を備えてもよい。補酸に使用する酸としては、特には限定されないが、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、コハク酸等が挙げられ、これらの中でも、マッコリ風飲料の酸味の観点から、乳酸が好ましい。なお、例えば、糖化工程により得られた糖化液を乳酸発酵せず、乳酸を補酸することで、本発明により得られるマッコリ風飲料と類似した飲料を製造することも可能であるが、そのような乳酸発酵をせず乳酸補酸によって酸味を構成した飲料は、全体的な味のバランスが悪く、本発明の目的の観点から好ましくない。また、補糖に使用する糖としては、特に限定されないが、アセスルファムカリウム等の甘味料を用いることができる。
本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、製品の要求に応じて炭酸充填する工程を備えてもよい。炭酸充填は、特に限定されないが、公知の方法を使用して行うことができる。補酸及び/又は補糖をする工程、炭酸充填する工程は、最終製品の味及び匂いの調整が主たる目的であり、乳酸発酵工程の後、得られた乳酸発酵液に対して行うことが好ましい。
<その他の工程>
乳酸発酵工程、殺菌工程、冷却、補酸、補糖、炭酸充填工程等を経た後、得られた液体を冷却し充填機を用いて容器に充填し、製品形態とする。
乳酸発酵工程、殺菌工程、冷却、補酸、補糖、炭酸充填工程等を経た後、得られた液体を冷却し充填機を用いて容器に充填し、製品形態とする。
また、本発明のマッコリ風飲料の製造方法は、酵母によるアルコール発酵工程を含んでいないため、得られるマッコリ風飲料のアルコール濃度は実質的に0%である。このままノンアルコール飲料の最終製品としてもよいが、得られたマッコリ風飲料に、アルコールを添加して最終製品することもできる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
−黄麹の製造−
酒米(品種:五百万石)を精米歩合70質量%までチヨダ社製チヨダ縦型精米機で精米し白米を得て、水で洗浄した。洗浄した白米を、白米100質量部に対し30質量部の水を吸収するまで水に浸漬し、その後常法により蒸して蒸米を得た。この蒸米に麹室で黄麹菌(Aspergillus oryzae)由来の種麹を加えて放置し、黄麹を得た(天幕式製麹法)。
酒米(品種:五百万石)を精米歩合70質量%までチヨダ社製チヨダ縦型精米機で精米し白米を得て、水で洗浄した。洗浄した白米を、白米100質量部に対し30質量部の水を吸収するまで水に浸漬し、その後常法により蒸して蒸米を得た。この蒸米に麹室で黄麹菌(Aspergillus oryzae)由来の種麹を加えて放置し、黄麹を得た(天幕式製麹法)。
−白麹1の製造−
酒米(品種:五百万石)を精米歩合70質量%までチヨダ社製チヨダ縦型精米機で精
米し白米を得て、水で洗浄した。洗浄した白米を、白米100質量部に対し30質量部の水を吸収するまで水に浸漬し、その後常法により蒸して蒸米を得た。この蒸米に麹室で白麹菌(Aspergillus kawachii)由来の種麹を加えて放置し、白麹1を得た(箱麹法)。
酒米(品種:五百万石)を精米歩合70質量%までチヨダ社製チヨダ縦型精米機で精
米し白米を得て、水で洗浄した。洗浄した白米を、白米100質量部に対し30質量部の水を吸収するまで水に浸漬し、その後常法により蒸して蒸米を得た。この蒸米に麹室で白麹菌(Aspergillus kawachii)由来の種麹を加えて放置し、白麹1を得た(箱麹法)。
−白麹2の製造−
飯米(品種:こしひかり)を精米歩合70質量%まで家庭用精米機で精米し白米を得て、水で洗浄した。洗浄した白米を、白米100質量部に対し30質量部の水を吸収するまで水に浸漬し、その後常法により蒸して蒸米を得た。この蒸米に麹室で白麹菌(Aspergillus kawachii)由来の種麹を加えて放置し、白麹2を得た(箱麹法)
飯米(品種:こしひかり)を精米歩合70質量%まで家庭用精米機で精米し白米を得て、水で洗浄した。洗浄した白米を、白米100質量部に対し30質量部の水を吸収するまで水に浸漬し、その後常法により蒸して蒸米を得た。この蒸米に麹室で白麹菌(Aspergillus kawachii)由来の種麹を加えて放置し、白麹2を得た(箱麹法)
−実施例1のマッコリ風飲料の製造−
上記のようにして得られた黄麹100gと、水400gとを粉体溶解ポンプに投入し、均一となるよう混合した。得られた混合物を密閉式攪拌タンク中で、攪拌しながら品温50℃で120分間加温し、糖化液を得た。そして、この糖化液中の固形分を、70MPaで2時間、高圧ホモジナイザー(APVゴーリン社製MC120-10TBS1)で、より細かく粉砕した。その後、この糖化液500gに乳酸菌(ラクトバチルス属とストレプトコッカス属の混合菌)を1g添加し、720分間、42℃で乳酸発酵させた。得られたサンプルを、実施例1のマッコリ風飲料とした。
上記のようにして得られた黄麹100gと、水400gとを粉体溶解ポンプに投入し、均一となるよう混合した。得られた混合物を密閉式攪拌タンク中で、攪拌しながら品温50℃で120分間加温し、糖化液を得た。そして、この糖化液中の固形分を、70MPaで2時間、高圧ホモジナイザー(APVゴーリン社製MC120-10TBS1)で、より細かく粉砕した。その後、この糖化液500gに乳酸菌(ラクトバチルス属とストレプトコッカス属の混合菌)を1g添加し、720分間、42℃で乳酸発酵させた。得られたサンプルを、実施例1のマッコリ風飲料とした。
−比較例1のマッコリ風飲料の製造−
原料として白麹1を使用した以外は、実施例1と同様の方法で比較例1のマッコリ風飲料を製造した。
原料として白麹1を使用した以外は、実施例1と同様の方法で比較例1のマッコリ風飲料を製造した。
−比較例2のマッコリ風飲料の製造−
原料として白麹2を使用した以外は、実施例1と同様の方法で比較例2のマッコリ風飲料を製造した。
原料として白麹2を使用した以外は、実施例1と同様の方法で比較例2のマッコリ風飲料を製造した。
−官能評価−
実施例1、比較例1、比較例2のマッコリ風飲料について官能評価を行った。具体的には、熟練したパネラー7人により、マッコリ(サントリーホールディングス株式会社、ソウルマッコリ)の甘味、酸味、匂いを5とし、それぞれのマッコリ風飲料の甘味、酸味、匂いの三つの項目について1〜5の5段階で評価した。各項目について数字が大きい程、求めるマッコリのものに近いことを表す。得られた各項目についての7人の点数を平均し、評価結果とした。以下の表1に、各サンプルの評価結果を示す。
実施例1、比較例1、比較例2のマッコリ風飲料について官能評価を行った。具体的には、熟練したパネラー7人により、マッコリ(サントリーホールディングス株式会社、ソウルマッコリ)の甘味、酸味、匂いを5とし、それぞれのマッコリ風飲料の甘味、酸味、匂いの三つの項目について1〜5の5段階で評価した。各項目について数字が大きい程、求めるマッコリのものに近いことを表す。得られた各項目についての7人の点数を平均し、評価結果とした。以下の表1に、各サンプルの評価結果を示す。
表1の結果から明らかなように、黄麹を使用した実施例1のマッコリ風飲料が、甘味、酸味、匂いの全ての項目において、白麹を使用した比較例1、2に比して評価が高く、即ち、最もマッコリに類似していた。酒米由来の白麹を使用した比較例1のマッコリ風飲料は、酒米由来の黄麹を使用した実施例1のマッコリ風飲料に比して、甘味、酸味、匂いの全ての項目において劣っていた。また、飯米由来の白麹を使用した比較例2のマッコリ風飲料は、甘味、酸味、匂いの全ての項目において最も劣っていた。
Claims (5)
- 黄麹を糖化し糖化液を得る工程と、
該糖化液に乳酸菌を添加し、乳酸発酵させる工程と、
を備えることを特徴とするマッコリ風飲料の製造方法。 - 前記黄麹が、精米歩合が50質量%以上70質量%以下の白米を用いて製造されることを特徴とする請求項1に記載のマッコリ風飲料の製造方法。
- 前記黄麹が、酒米を用いて製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッコリ風飲料の製造方法。
- 前記糖化液を得る工程において、原料として米及び/又は米の加水物を添加しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマッコリ風飲料の製造方法。
- 前記乳酸発酵させる工程に先立って、前記糖化液中の固形分を、高圧ホモジナイザーにより粉砕する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマッコリ風飲料の製造方法。
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JP2012266037A Pending JP2014110769A (ja) | 2012-12-05 | 2012-12-05 | マッコリ風飲料の製造方法 |
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JP (1) | JP2014110769A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018536395A (ja) * | 2015-10-16 | 2018-12-13 | リパブリック オブ コリア(マネージメント ルーラル デベロップメント アドミニストレーション) | 酸生成能に優れた土着種菌、アスペルギルスルチェンシス74−5を利用した濁酒用固体種麹の製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008043215A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Takara Shuzo Co Ltd | にごり酒の製造方法 |
KR20110103763A (ko) * | 2010-03-15 | 2011-09-21 | 배상면 | 효모의 투입 시기를 달리하여 제조한 각각의 술을 블렌딩하여 막걸리를 제조하는 방법 |
JP2013034444A (ja) * | 2011-08-10 | 2013-02-21 | La Vie En Sante:Kk | マッコリ風味飲料用粉末又は顆粒、及びそれを用いる飲料の調製方法 |
-
2012
- 2012-12-05 JP JP2012266037A patent/JP2014110769A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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