―第1の実施の形態―
図1は、本実施の形態における商品情報提供システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。商品情報提供システム10は、商品情報が記録された商品情報提供装置100と、商品情報提供装置100から商品情報の提供を受けてユーザへ出力する商品情報出力装置200とが、インターネット等の通信回線を介して接続されている。
商品情報提供装置100としては、例えば、サーバ装置等が用いられる。また、商品情報出力装置200としては、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と呼ぶ)の他、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末といった種々の情報端末が用いられる。なお、本実施の形態では、インターネットに1台の商品情報提供装置100と1台の商品情報出力装置200とが接続されている例を示しているが、これらの台数は限定されない。
図2は、本実施の形態における商品情報提供装置100としてサーバ装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。商品情報提供装置100は、操作部材101と、接続IF102と、制御装置103と、記録装置104と、表示装置105とを備えている。
操作部材101は、商品情報提供装置100の操作者によって操作される種々の装置、例えばキーボードやマウスを含む。
接続IF102は、商品情報提供装置100をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。
制御装置103は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、商品情報提供装置100の全体を制御する。なお、制御装置103を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続IF102を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
記録装置104は、商品情報提供装置100が蓄える種々のデータや、制御装置103が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記録装置であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記録装置104に記録されるプログラムのデータは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、使用者が取得したプログラムのデータを記録装置104にインストールすることによって、制御装置103がプログラムを実行できるようになる。
表示装置105は、例えば液晶モニタであって、制御装置103から出力される種々の表示用データが表示される。
図3は、本実施の形態における商品情報出力装置200として、タブレット端末を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。商品情報出力装置200は、タッチパネル201と、通信モジュール202と、制御装置203と、マイク204と、スピーカ205と、カメラ206とを備えている。
タッチパネル201は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、商品情報出力装置200のユーザは、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、商品情報出力装置200を操作することができる。タッチパネル201は、ユーザによるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置203へ出力する。
通信モジュール202は、無線または有線により、LANや携帯電話通信網を介してインターネットに接続するためのモジュールが用いられる。商品情報出力装置200は、この通信モジュール202を介して商品情報提供装置100と通信を行う。
制御装置203は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、商品情報出力装置200の全体を制御する。なお、制御装置203を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、商品情報出力装置200を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。
本実施の形態では、商品情報出力装置200には、あらかじめ商品情報提供装置100と通信して、商品情報の送信を要求したり、商品情報を受信したりするために必要なアプリケーション(以下、「商品情報アプリ」と呼ぶ)があらかじめインストールされているものとする。この商品情報アプリを起動することによって制御装置203で実行される処理については後述する。
マイク204は、ユーザによる発話音声を入力するための集音装置であり、スピーカ205は、音声を出力するための出力装置である。
カメラ206は、レンズ、撮像素子、その他周辺回路によって構成される公知の撮像装置である。ユーザは、商品情報出力装置200上で撮影用アプリケーションを起動させることにより、カメラ206を用いた撮影を行うことができる。
本実施の形態における商品情報提供システム10では、商品情報を提供する商品情報提供者は、不図示の端末から商品情報提供者端末100へアクセスして、商品情報を商品情報提供装置100に登録する。これによって、商品情報提供装置100で商品情報が公開され、ユーザは、商品情報出力装置200を操作して商品情報の提供を受けることが可能となる。なお、商品情報の提供者としては、商品を製造するメーカーや商品を販売する販売店等が想定される。また、商品情報の提供を受けるユーザとしては、商品の購入を希望する消費者や商品に興味を持っている消費者が想定される。
以下、本実施の形態における商品情報提供システム10において、商品情報提供装置100と商品情報出力装置200とによって行われる処理の内容を中心に説明を行う。
まず、商品情報提供装置100への商品情報の登録処理について説明する。商品情報提供者は、不図示の端末上で、自社が製造または販売する商品に関する種々の情報を商品情報として入力する。商品情報としては、例えば、商品を特定するための商品特定用情報、商品の価格情報、商品の仕様情報、商品の在庫情報、商品の納期情報、当該商品と他製品とを比較した結果を示す比較情報、商品の3DCADデータ、商品に対して実施されているキャンペーン情報、商品のウェブサイト情報、商品のCM動画情報の少なくとも1つを含んでいる。
なお、商品特定用情報としては、商品を一意に特定するための情報として、例えば、商品名、商品番号、商品ID等が用いられる。また、商品の在庫情報としては、商品情報出力装置200が設置されている店舗での商品の在庫情報、商品を製造するメーカーでの商品の在庫情報、商品の配送元である配送センターにおける商品の在庫情報等が記録される。また、商品の納期情報としては、商品情報出力装置200が設置されている店舗での商品の納期情報、商品を製造するメーカーでの商品の納期情報、商品の配送元である配送センターにおける商品の納期情報等が記録される。
不図示の端末上で入力された商品情報のデータは、該端末が備える不図示の制御装置が実行する処理によって、通信回線を介して商品情報提供装置100へ送信される。
商品情報提供装置100では、制御装置103は、商品情報提供者が操作する端末から送信された商品情報のデータを受信すると、受信したデータを記録装置104に記録する。これによって、商品情報提供者によって入力された商品情報が商品情報提供装置100に登録される。
商品情報提供装置100に登録された商品情報は、商品情報提供者が不図示の端末を操作して任意に変更することができる。すなわち、商品情報提供者が端末上で商品情報を修正した場合には、変更後の商品情報のデータが商品情報提供装置100へ送信され、これを受信した商品情報提供装置100では、制御装置103は、記録装置104に記録されている商品情報を修正後の内容に更新する。
このように、商品情報提供装置100に商品情報が登録されると、ユーザは、商品情報出力装置200を操作して、自身が購入を検討している商品や興味を持っている商品の商品情報を閲覧することが可能となる。例えば、商品情報提供装置100によって商品情報が提供される商品を販売する店舗では、店頭に商品情報出力装置200を設置しておく。店舗を訪れたユーザは、設置されている商品情報出力装置200を操作して、自身が購入を希望する商品や持っている商品の商品情報を確認することができる。
具体的には、ユーザは、まず商品情報出力装置200を操作して上述した商品情報アプリを起動する。制御装置203は、商品情報アプリの起動が指示されると、タッチパネル201上にアプリ画面を表示し、アプリ画面上でのユーザによる操作を待ち受ける。ユーザは、商品情報提供装置100から商品情報を取得することを希望する場合には、商品情報提供装置100に対してその商品を特定するための情報を送信して、商品情報を要求する必要がある。
本実施の形態では、アプリ画面上でユーザによって商品情報の取得が指示された場合には、制御装置203は、カメラ206を使用した撮影機能を起動して、ユーザに対して商品を特定するための被写体を撮影するように促す。ユーザは、商品を特定するための被写体として、(A)商品名、商品コード、商品番号などの商品を特定するための文字列、(B)商品のイラスト、広告に表示されている写真、図面などの商品を特定するための図形、(C)店舗に展示・陳列されている商品自体、(D)商品の模型やサンプル等の商品を模した立体物、(E)店舗に設置されている広告用看板や広告ポスターなどの商品の形状を模した図形が描かれた設置物等を被写体として選んで撮影を行う。
制御装置203は、ユーザによって撮影が行われた場合には、カメラ206から出力される画像データを取り込んで、通信モジュール202を介して商品情報提供装置100へ送信する。
商品情報提供装置100では、制御装置103は、商品情報出力装置200から商品を特定するための被写体を撮影した画像データを受信した場合には、受信した画像データを対象とした被写体抽出処理を行って、画像内から商品を特定するための被写体の画像を抽出する。なお、ここで実行される被写体画像を抽出するための処理は公知の処理であるため詳細な説明は省略するが、例えば、画像内からエッジを抽出して、抽出したエッジの形状に基づいて画像内から被写体画像を抽出する等の方法を用いればよい。
制御装置103は、抽出した被写体画像と、あらかじめ記録装置104に記録されている商品特定用の画像とをマッチングさせることにより、商品出力装置200から受信した画像データ内に写っている被写体を特定する。商品特定用の画像は、例えば、商品情報の提供者が、ユーザが商品を特定するための被写体として選択する可能性があるものをあらかじめ撮影して記録装置104に記録しておけばよい。
制御装置103は、マッチング処理によって特定した被写体に基づいて、ユーザが撮影した被写体に対応する商品を特定する。例えば、マッチングに用いる商品特定用の画像には、記録装置104上で上述した商品特定用情報が関連付けられており、制御装置103は、マッチングの結果、被写体とマッチした商品特定用画像に関連付けられている商品特定用情報を抽出することにより商品を特定する。
制御装置103は、特定した商品特定用情報が一致する商品情報を記録装置104から読み出して、商品情報出力装置200へ送信する。これによって、商品情報出力装置200で撮影された被写体に基づいて特定された商品の商品情報が商品情報出力装置200へ送信される。
商品情報出力装置200では、制御装置203は、受信した商品情報をタッチパネル201へ出力して表示する。これによって、ユーザは自身が興味を持っている商品や購入を検討している商品の商品情報を商品情報出力装置200上で確認することができる。
なお、商品情報提供装置100の制御装置103は、受信した画像データから被写体が抽出できないことにより、商品を特定することができない場合には、商品を特定することができないことを示すエラーメッセージを商品情報出力装置200へ送信する。商品情報出力装置200では、制御装置203は、商品情報提供装置100からエラーメッセージを受信した場合には、受信したエラーメッセージをタッチパネル201に出力して表示したり、スピーカ205を介して出力することにより、ユーザに通知する。
本実施の形態では、ユーザは、タッチパネル201上に表示された商品情報について疑問点がある場合、確認したい事項がある場合、または表示された商品情報だけでは情報が不足している場合など、商品に対する質問がある場合には、商品情報提供装置100へ質問を行うことができる。例えば、タッチパネル201上には、商品情報とともに質問開始を指示するためのボタンが表示されており、ユーザは該ボタンにタッチすることにより、質問を行うことができる。
制御装置203は、ユーザによって質問の開始が指示された場合には、マイク204を介した音声入力の待ち受けを開始する。このとき、制御装置203は、タッチパネル203上にユーザに対して質問の発話を促す表示を行うようにしてもよい。
制御装置203は、マイク204を介してユーザによる質問音声の入力が開始されたことを検出した場合には、入力された音声データをバッファメモリに記録した後に、通信モジュール202を介して商品情報提供装置100へ送信する。
商品情報提供装置100では、制御装置103は、商品情報出力装置200から質問の音声データを受信したことを検出した場合には、受信した音声データをバッファメモリに記録した後、公知の音声認識技術を利用して、音声データから質問内容を特定する。例えば、あらかじめ記録装置104に音声認識用の待ち受け単語を記録しておき、制御装置103は、バッファメモリに記録した音声データを対象として、待ち受け単語を利用した音声認識処理を実行する。待ち受け単語とのマッチングの結果、質問内容に含まれる単語が抽出され、ユーザからの質問内容が特定される。
制御装置103は、特定したユーザの質問内容に応じて、ユーザへの回答処理を行う。例えば、記録装置104には、ユーザから想定される質問内容と、それに対する回答の音声データとを関連付けた応答用情報を記録しておき、制御装置103は、特定した質問内容が記録装置104に記録されている場合には、その質問内容に関連付けて記録されている回答の音声データを読み出して、商品情報出力装置200へ送信する。なお、ここでユーザから想定される質問内容に関連付けて記録される回答の音声データは、デパートでの接客手法や、トップセールスマンの会話手法などを取り入れた回答内容を音声データ化したものとすれば、顧客満足度を向上させることができる。
商品情報出力装置200では、制御装置203は、商品情報提供装置100から回答の音声データを受信した場合には、受信した音声データをスピーカ205を介して出力する。これによって、ユーザは、質問に対する回答を商品情報提供装置100から得ることができ、疑問点等を解消することができる。
また、商品情報提供装置100の制御装置103は、バッファメモリに記録した質問の音声データと、その質問に対する回答の音声データとを関連付けた応答データを記録装置104に記録する。これにより、記録装置104には、応答データの履歴が蓄積されていく。商品情報の提供者や商品情報提供システム10の提供者は、記録装置104に記録されている当該応答データの履歴を参照することにより、商品や商品情報に対するユーザの質問傾向を把握することができるため、ユーザが質問をしなくても済むように商品情報の内容を充実させることができる。
一方、商品情報提供装置100の制御装置103は、特定した質問内容が記録装置104に記録されていない場合や、音声認識処理の結果、質問内容が特定できない場合には、音声認識ができないこと、または質問内容が特定できないことを示すエラーメッセージを商品情報出力装置200へ送信する。商品情報出力装置200では、制御装置203は、商品情報提供装置100からエラーメッセージを受信した場合には、受信したエラーメッセージをタッチパネル201に出力して表示したり、スピーカ205を介して出力することにより、ユーザに通知する。これによって、ユーザは、商品情報提供装置100から回答を得ることができなかったことを把握することができる。
この場合も制御装置103は、バッファメモリに記録した質問の音声データと、その質問に対して回答できなかったことを示すデータとを関連付けて記録装置104に記録する。これにより、商品情報の提供者や商品情報提供システム10の提供者は、回答できなかった質問の履歴を把握することができるため、待ち受け単語の見直しや音声認識処理の見直しを行って音声認識精度の向上に努めたり、想定される質問とそれに対する回答を追加して、より多くの質問に対応できるように、システムをバージョンアップさせていくことができる。
図4は、本実施の形態における商品情報提供装置100で実行される商品情報登録処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す処理は、商品情報提供者が操作する不図示の端末から、上述した商品情報を受信すると起動するプログラムとして、制御装置103によって実行される。
ステップS10において、制御装置103は、不図示の端末から受信した商品情報を記録装置104に記録する。その後、処理を終了する。
図5は、本実施の形態における商品情報提供装置100で実行される商品情報提供処理の流れを示すフローチャートである。図5に示す処理は、商品情報出力装置200から、商品情報の要求のために、上述した商品を特定するための被写体を撮影した画像データを受信すると起動するプログラムとして、制御装置103によって実行される。
ステップS110において、制御装置103は、上述したように、受信した画像データを対象とした被写体抽出処理を行って、画像内から商品を特定するための被写体画像を抽出する。その後、ステップS120へ進む。
ステップS120では、制御装置103は、ステップS110で被写体抽出処理の結果、画像内から被写体画像が抽出できたか否かを判断する。ステップS120で否定判断した場合には、ステップS160へ進み、制御装置103は、商品を特定することができないことを示すエラーメッセージを商品情報出力装置200へ送信して、処理を終了する。これに対して、ステップS120で肯定判断した場合には、ステップS130へ進む。
ステップS130では、制御装置103は、上述したように、抽出した被写体画像と、あらかじめ記録装置104に記録されている商品特定用の画像とをマッチングさせることにより、商品出力装置200から受信した画像データ内に写っている被写体を特定する。その後、ステップS140へ進む。
ステップS140では、制御装置103は、上述したように、マッチングの結果、被写体とマッチした商品特定用画像に関連付けられている商品特定用情報を抽出することにより商品を特定して、ステップS150へ進む。
ステップS150では、制御装置103は、特定した商品特定用情報が一致する商品情報を記録装置104から読み出して、商品情報出力装置200へ送信する。その後、処理を終了する。
図6は、本実施の形態における商品情報出力装置200で実行される商品情報出力処理の流れを示すフローチャートである。図6に示す処理は、上述したように、ユーザによって商品情報アプリの起動が指示されると起動するプログラムとして、制御装置203によって実行される。
ステップS210では、制御装置203は、タッチパネル201上にアプリ画面を表示し、アプリ画面上でのユーザによる操作を待ち受ける。その後、ステップS220へ進む。
ステップS220では、制御装置203は、アプリ画面上でユーザによって商品情報の取得が指示されたか否かを判断する。ステップS220で肯定判断した場合には、ステップS230へ進む。
ステップS230では、制御装置203は、上述したように、カメラ206を使用した撮影機能を起動して、ユーザに対して商品を特定するための被写体を撮影するように促す。その後、ステップS240へ進む。
ステップS240では、制御装置203は、ユーザによって撮影が行われたか否かを判断する。ステップS240で肯定判断した場合には、ステップS250へ進む。
ステップS250では、制御装置203は、カメラ206から出力される画像データを取り込んで、通信モジュール202を介して、商品を特定するための被写体が撮影された画像データを商品情報提供装置100へ送信する。その後、ステップS260へ進む。
ステップS260では、制御装置203は、商品情報提供装置100から上述した商品情報を受信したか否かを判断する。ステップS260で肯定判断した場合には、ステップS270へ進み、制御装置203は、受信した商品情報をタッチパネル201へ出力して表示し、処理を終了する。これに対して、ステップS260で否定判断した場合には、ステップS280へ進む。
ステップS280では、制御装置203は、商品情報提供装置100からエラーメッセージを受信したか否かを判断する。ステップS280で否定判断した場合には、ステップS260へ戻る。これに対して、ステップS280で肯定判断した場合には、ステップS290へ進む。
ステップS290では、制御装置203は、受信したエラーメッセージをタッチパネル201に出力して表示したり、スピーカ205を介して出力することにより、ユーザに通知する。その後、処理を終了する。
図7は、第1の実施の形態における商品情報出力装置200で実行される質問処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理は、上述したように、ユーザによって質問開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置203によって実行される。
ステップS310では、制御装置203は、マイク204を介してユーザによる質問音声が入力されたか否かを判断する。ステップS310で肯定判断した場合には、ステップS320へ進む。
ステップS320では、制御装置203は、入力された音声データをバッファメモリに記録した後に、通信モジュール202を介して商品情報提供装置100へ送信する。その後、ステップS330へ進む。
ステップS330では、制御装置203は、商品情報提供装置100から回答の音声データを受信したか否かを判断する。ステップS330で肯定判断した場合には、ステップS340へ進む。
ステップS340では、制御装置203は、受信した回答の音声データをスピーカ205を介して出力する。その後、処理を終了する。
一方、ステップS330で否定判断した場合には、ステップS350へ進む。ステップS350では、制御装置203は、商品情報提供装置100からエラーメッセージを受信したか否かを判断する。ステップS350で否定判断した場合には、ステップS330へ戻る。これに対して、ステップS350で肯定判断した場合には、ステップS360へ進む。
ステップS360では、制御装置203は、受信したエラーメッセージをタッチパネル201に出力して表示したり、スピーカ205を介して出力することにより、ユーザに通知する。その後、処理を終了する。
図8は、第1の実施の形態における商品情報提供装置100で実行される回答処理の流れを示すフローチャートである。図8に示す処理は、商品情報出力装置200から上述した質問の音声データを受信すると起動するプログラムとして、制御装置103によって実行される。
ステップS410では、制御装置103は、商品情報出力装置200から受信した音声データをバッファメモリに記録した後、上述したように、公知の音声認識技術を利用して、音声データから質問内容を特定する。その後、ステップS420へ進む。
ステップS420では、制御装置103は、ステップS410の処理によって、質問内容が特定できたか否かを判断する。ステップS420で肯定判断した場合には、ステップS430へ進む。
ステップS430では、制御装置103は、特定した質問内容及びそれに関連付けられた回答の音声データが記録装置104に記録されているか否かを判断する。ステップS430で肯定判断した場合には、ステップS440へ進む。
ステップS440では、制御装置103は、ステップS410で特定した質問内容に関連付けて記録されている回答の音声データを記録装置104から読み出して、商品情報出力装置200へ送信する。その後、ステップS450へ進む。
ステップS450では、制御装置103は、質問の音声データと、その質問に対する回答の音声データとを関連付けて記録装置104に記録する。その後、処理を終了する。
一方、ステップS420で否定判断した場合、またはステップS430で否定判断した場合には、ステップS460へ進む。ステップS460では、制御装置103は、音声認識ができないこと、または質問内容が特定できないことを示すエラーメッセージを商品情報出力装置200へ送信する。その後、ステップS470へ進む。
ステップS470では、制御装置103は、上述したように、バッファメモリに記録した質問の音声データと、その質問に対して回答できなかったことを示すデータとを関連付けて記録装置104に記録する。その後、処理を終了する。
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)商品情報出力装置200では、制御装置203は、ユーザからの指示に基づいて、商品を特定するための被写体を撮像して、商品特定用の画像を取得し、取得した商品特定用の画像を商品情報提供装置100へ送信して、商品特定用画像に基づいて特定される商品の商品情報を要求する。そして、商品情報提供装置100から商品情報を受信し、受信した商品情報を出力してユーザに提示する。また、商品情報に対するユーザからの質問を音声データとして取得し、質問音声データを商品情報提供装置100へ送信して、質問に対する回答を要求し、商品情報提供装置100から質問に対する回答の音声データを回答音声データとして受信して出力するようにした。また、商品情報提供装置100では、制御装置103は、商品情報出力装置200から商品特定用画像を受信し、受信した商品特定用画像を画像処理して、ユーザが商品情報の取得を希望する商品を特定し、あらかじめ記録装置104に記録されている商品情報の中から、特定した商品の商品情報を読み出して、商品情報出力装置200へ送信する。さらに、商品情報出力装置200から質問音声データを受信し、受信した質問音声データに基づいて、ユーザからの質問内容を特定し、あらかじめ記録装置104に記録されている、ユーザから想定される質問内容を示す情報と、質問に対する回答音声データとが関連付けられた応答用情報の中から、特定した質問内容に関連付けて記録されている回答音声データを読み出して、商品情報出力装置200へ送信するようにした。これによって、ユーザは、商品情報出力装置200上で所望の商品情報を確認することができるとともに、提示された商品情報に対して、音声で質問をして、その回答を得ることができ、その場で会話をする感覚で、容易に商品情報に対する疑問点を解消したり、確認したい事項を確認したりすることができる。また、店舗では、人手不足や従業員の知識不足等により、顧客満足度が低下する可能性がある状況であっても、商品情報出力装置200を設置することにより、顧客は店員を探さなくても、自由に商品情報を調べたり、それに対する質問をしたりすることができるので、顧客に対するサービスを向上させることができる。さらに、ユーザは、商品情報を取得するために、種々の検索条件を指定する必要がなく、その商品を特定するための被写体を撮影するだけでよいため、簡易な操作で商品情報の提供を受けることができる。
(2)商品情報提供装置100では、制御装置103は、ユーザによる質問の音声データと、その質問に対する回答の音声データとを関連付けた応答データを記録装置104に記録するようにした。これにより、記録装置104には、応答データの履歴が蓄積されるため、商品情報の提供者や商品情報提供システム10の提供者は、記録装置104に記録されている応答データの履歴を参照することにより、商品や商品情報に対するユーザの質問傾向を把握することができ、ユーザが質問をしなくても済むように商品情報の内容を充実させることができる。
(3)商品情報出力装置200に商品情報を提供するために、商品情報提供装置100の記録装置104に商品情報を記録するようにした。この場合、ユーザの要望に応えるためには、取り扱う商品の商品情報を記録装置104にデータベース化して登録しておく必要があるため、必然的に商品情報が一元管理されることになる。また、煩雑になりがちな商品情報の登録のために、この作業を専門的に行う社員の雇用が必要となったり、この作業を請け負う組織が設立されたりと、新たな雇用の創出につながる可能性もある。
(4)商品情報提供者は、不図示の端末上で、自社が製造または販売する商品に関する種々の情報を商品情報として入力するようにし、商品情報としては、例えば、商品を特定するための商品特定用情報、商品の価格情報、商品の仕様情報、商品の在庫情報、商品の納期情報、当該商品と他製品とを比較した結果を示す比較情報、商品の3DCADデータ、商品に対して実施されているキャンペーン情報、商品のウェブサイト情報、商品のCM動画情報の少なくとも1つを含むようにした。この場合、商品情報提供者は、商品名、価格情報、仕様情報のような一般的な商品情報の他に、在庫情報や納期情報といったユーザが気になると考えられる情報、さらには、他製品との比較情報やキャンペーン情報等の商品情報提供者が積極的に提供したいと考える情報等を任意に商品情報に含めることができる。よって、ユーザからの商品情報の提供要求に応える一方通行の情報提供ではなく、商品情報提供者側が提供する情報をコントロールできるというユーザと商品情報提供者の双方の要望を満たすことができるシステムを実現することができる。
―第2の実施の形態―
上述した第1の実施の形態では、ユーザは、商品情報提供装置100から受信した商品情報がタッチパネル201に表示された後に、その商品に対する質問を音声により行って、商品情報提供装置100から音声による回答を得る場合について説明した。この場合、例えば、ユーザは、声を発したり、商品情報出力装置200から音声を出力させることが困難な場所では、商品情報提供システム10を利用することができない。例えば、電車の車両内や図書館の中などは、一般的に音声による質問や音声による回答の受信は好ましくない。また、音声による回答しか得られないシステムでは、耳の不自由な人が利用することができないという問題も生じる。そこで第2の実施の形態における商品情報提供システム10では、ユーザは、質問を音声で行うかテキストで行うかを任意に切り替えることができるとともに、回答の受信方法を音声とするかテキストとするかを任意に切り替えることができるようにする。なお、第2の実施の形態において、図1〜図6については、第1の実施の形態と同様のため説明を省略し、ここでは第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
本実施の形態では、ユーザは、商品に関する質問を行う前に、商品情報出力装置200上で、質問と回答を音声によるものとするか、テキストによるものとするかを設定する必要がある。この設定は、上述した商品情報アプリの設定メニューから任意に切り替えられるようにしてもよいし、商品情報提供装置100から受信した商品情報が表示された画面上に切り替えボタンを表示し、その商品に対する質問を行う際に、該切り替えボタンを操作することにより切り替えられるようにしてもよい。あるいは、ユーザから音声による切り替え指示を受け付けるようにしてもよい。
制御装置203は、ユーザによって質問と回答を音声データによって送受信するように設定された場合には、第1の実施の形態で上述した処理を実行する。一方、制御装置203は、ユーザによって質問と回答をテキストデータによって送受信するように設定された場合には、以下に説明する処理を実行する。
制御装置203は、商品情報提供装置100から受信した商品情報をタッチパネル201に表示した後に、ユーザによって質問の開始が指示された場合には、タッチパネル201上に質問入力欄を表示して、タッチパネル201上でのテキスト入力の待ち受けを開始する。タッチパネル201上でのテキスト入力は、例えばタッチパネル上にキーボードを模した画像を表示し、この仮想的なキーボード上でのタッチ位置を検出して、入力された文字を特定することにより受け付けてもよい。あるいは、不図示の外付けキーボードを介してテキスト入力を受け付けてもよい。
制御装置203は、ユーザによってテキスト入力が開始されたことを検出した場合には、入力されたテキストデータをバッファメモリに記録した後に、通信モジュール202を介して商品情報提供装置100へ送信する。
商品情報提供装置100では、制御装置103は、商品情報出力装置200から質問のテキストデータを受信したことを検出した場合には、受信したテキストデータをバッファメモリに記録した後、公知のテキスト認識技術を利用して、テキストデータから質問内容を特定する。例えば、あらかじめ記録装置104にテキスト認識用の待ち受け単語を記録しておき、制御装置103は、バッファメモリに記録したテキストデータを対象として、待ち受け単語を利用したテキスト認識処理を実行する。待ち受け単語とのマッチングの結果、質問内容に含まれる単語が抽出され、ユーザからの質問内容が特定される。
制御装置103は、特定したユーザの質問内容に応じて、ユーザへの回答処理を行う。例えば、記録装置104には、ユーザから想定される質問内容と、それに対する回答のテキストデータとを関連付けた応答用情報を記録しておき、制御装置103は、特定した質問内容が記録装置104に記録されている場合には、その質問内容に関連付けて記録されている回答のテキストデータを読み出して、商品情報出力装置200へ送信する。なお、ここでユーザから想定される質問内容に関連付けて記録される回答のテキストデータは、第1の実施の形態における回答の音声データと同様に、デパートでの接客手法や、トップセールスマンの会話手法などを取り入れた回答内容をテキストデータ化したものとすれば、顧客満足度を向上させることができる。
なお、第2の実施の形態では、上述したように、制御装置203は、ユーザによって質問と回答を音声データによって送受信するように設定された場合には、第1の実施の形態で上述した処理を実行し、ユーザによって質問と回答をテキストデータによって送受信するように設定された場合には、本実施の形態による処理を実行する必要がある。このため、本実施の形態では、記録装置104には、音声データ形式の応答用情報と、テキストデータ形式の応答用情報とをそれぞれ記録しておく必要がある。制御装置103は、質問データのデータ形式に応じた応答用情報を選択して、回答データの読み出しを行う。
商品情報出力装置200では、制御装置203は、商品情報提供装置100から回答のテキストデータを受信した場合には、受信したテキストデータをタッチパネル201上に出力して表示する。これによって、ユーザは、質問に対する回答を商品情報提供装置100から得ることができ、疑問点等を解消することができる。
また、商品情報提供装置100の制御装置103は、バッファメモリに記録した質問のテキストデータと、その質問に対する回答のテキストデータとを関連付けた応答データを記録装置104に記録する。これにより、記録装置104には、応答データの履歴が蓄積されていく。商品情報の提供者や商品情報提供システム10の提供者は、記録装置104に記録されている当該応答データの履歴を参照することにより、商品や商品情報に対するユーザの質問傾向を把握することができるため、ユーザが質問をしなくても済むように商品情報の内容を充実させることができる。
一方、商品情報提供装置100の制御装置103は、特定した質問内容が記録装置104に記録されていない場合や、テキスト認識処理の結果、質問内容が特定できない場合には、テキスト認識ができないこと、または質問内容が特定できないことを示すエラーメッセージを商品情報出力装置200へ送信する。商品情報出力装置200では、制御装置203は、商品情報提供装置100からエラーメッセージを受信した場合には、受信したエラーメッセージをタッチパネル201に出力して表示して出力することにより、ユーザに通知する。これによって、ユーザは、商品情報提供装置100から回答を得ることができなかったことを把握することができる。
この場合も制御装置103は、バッファメモリに記録した質問のテキストデータと、その質問に対して回答できなかったことを示すデータとを関連付けて記録装置104に記録する。これにより、商品情報の提供者や商品情報提供システム10の提供者は、回答できなかった質問の履歴を把握することができるため、待ち受け単語の見直しやテキスト認識処理の見直しを行ってテキスト認識精度の向上に努めたり、想定される質問とそれに対する回答を追加して、より多くの質問に対応できるように、システムをバージョンアップさせていくことができる。
図9は、第2の実施の形態における商品情報出力装置200で実行される質問処理の流れを示すフローチャートである。図9に示す処理は、上述したように、ユーザによって質問開始が指示されると起動するプログラムとして、制御装置203によって実行される。
ステップS510では、制御装置203は、質問と回答の送受信方法が音声データに設定されているか否かを判断する。ステップS510で肯定判断した場合には、ステップS520へ進み、制御装置203は、第1の実施の形態において図7を用いて説明した処理を実行する。これに対して、ステップS510で否定判断した場合には、ステップS530へ進む。
ステップS530では、制御装置203は、ユーザによってタッチパネル201上で質問テキストが入力されたか否かを判断する。ステップS530で肯定判断した場合には、ステップS540へ進む。
ステップS540では、制御装置203は、入力されたテキストデータをバッファメモリに記録した後に、通信モジュール202を介して商品情報提供装置100へ送信する。その後、ステップS550へ進む。
ステップS550では、制御装置203は、商品情報提供装置100から回答のテキストデータを受信したか否かを判断する。ステップS550で肯定判断した場合には、ステップS560へ進む。
ステップS560では、制御装置203は、受信した回答のテキストデータをタッチパネル201上に出力して表示する。その後、処理を終了する。
一方、ステップS550で否定判断した場合には、ステップS570へ進む。ステップS570では、制御装置203は、商品情報提供装置100からエラーメッセージを受信したか否かを判断する。ステップS570で否定判断した場合には、ステップS550へ戻る。これに対して、ステップS570で肯定判断した場合には、ステップS580へ進む。
ステップS580では、制御装置203は、受信したエラーメッセージをタッチパネル201に出力して表示することにより、ユーザに通知する。その後、処理を終了する。
図10は、第2の実施の形態における商品情報提供装置100で実行される回答処理の流れを示すフローチャートである。図10に示す処理は、商品情報出力装置200から上述した質問の音声データまたはテキストデータを受信すると起動するプログラムとして、制御装置103によって実行される。
ステップS610では、制御装置203は、商品情報出力装置200から受信した質問のデータが音声データであるか否かを判断する。ステップS610で肯定判断した場合には、ステップS620へ進み、制御装置203は、第1の実施の形態において図8を用いて説明した処理を実行する。これに対して、ステップS610で否定判断した場合には、ステップS630へ進む。
ステップS630では、制御装置103は、商品情報出力装置200から受信したテキストデータをバッファメモリに記録した後、上述したように、公知のテキスト認識技術を利用して、テキストデータから質問内容を特定する。その後、ステップS640へ進む。
ステップS640では、制御装置103は、ステップS630の処理によって、質問内容が特定できたか否かを判断する。ステップS640で肯定判断した場合には、ステップS650へ進む。
ステップS650では、制御装置103は、特定した質問内容及びそれに関連付けられた回答のテキストデータが記録装置104に記録されているか否かを判断する。ステップS650で肯定判断した場合には、ステップS660へ進む。
ステップS660では、制御装置103は、ステップS630で特定した質問内容に関連付けて記録されている回答のテキストデータを記録装置104から読み出して、商品情報出力装置200へ送信する。その後、ステップS670へ進む。
ステップS670では、制御装置103は、質問のテキストデータと、その質問に対する回答のテキストデータとを関連付けて記録装置104に記録する。その後、処理を終了する。
一方、ステップS640で否定判断した場合、またはステップS650で否定判断した場合には、ステップS680へ進む。ステップS680では、制御装置103は、テキスト認識ができないこと、または質問内容が特定できないことを示すエラーメッセージを商品情報出力装置200へ送信する。その後、ステップS690へ進む。
ステップS690では、制御装置103は、上述したように、バッファメモリに記録した質問のテキストデータと、その質問に対して回答できなかったことを示すデータとを関連付けて記録装置104に記録する。その後、処理を終了する。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態における作用効果に加えて、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、商品情報出力装置200の制御装置203は、ユーザからの指示に基づいて、タッチパネル201上に出力された商品情報に対する質問を音声データ及びテキストデータのいずれのデータ形式によって受け付けるかを設定するようにし、設定したデータ形式で商品情報提供装置100へ質問データを送信し、商品情報提供装置100から回答データを受信するようにした。これにより、ユーザは、発話や商品情報出力装置200からの音声出力が可能な状況か否かに応じて、商品情報提供システム10を音声により利用するかテキストにより利用するかを任意に切り替えることができる。
また、音声によるコミュニケーションが困難な耳の不自由な人はテキストを選択して商品情報提供システム10を利用すればよく、テキストによるコミュニケーションが困難な視力に問題のある人は音声を選択して商品情報提供システム10を利用すればよい。このように、第2の実施の形態による商品情報提供システム10では、音声とテキストの両方で質問と回答が可能なシステムとしたことにより、視聴覚障害者に対しても極めて有用なシステムを提供することができる。
―変形例―
なお、上述した実施の形態の商品情報提供システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した第1の実施の形態では、商品情報提供装置100の制御装置103は、ユーザによる質問の音声データと、その質問に対する回答の音声データとを関連付けた応答データを記録装置104に記録する例について説明した。また、上述した第2の実施の形態では、商品情報提供装置100の制御装置103は、ユーザによる質問のテキストデータと、その質問に対する回答のテキストデータとを関連付けた応答データを記録装置104に記録する例について説明した。このように記録した応答データに含まれる質問と回答の組み合わせは、過去に実際にユーザが質問した内容とそれに対する回答内容であるため、ユーザによって頻繁に質問される内容である可能性が高い。よって、制御装置103は、商品情報出力装置200から質問の音声データまたはテキストデータを受信した場合には、まずこの応答データの履歴の中に同じ質問内容が無いかをチェックし、ある場合には応答データの履歴の中からそれに対応する回答の音声データまたはテキストデータを読み出して商品情報出力装置200へ送信するようにしてもよい。このように、履歴として蓄積された応答データから優先して回答のデータを読み出すようにすれば、過去に質問された実績のある内容に基づいて回答を行えるため、回答精度を向上させることができる。また、応答データの履歴を対象として質問のデータを検索すればよいため、レスポンスを向上させることができる。
(2)上述した第1の実施の形態では、記録装置104には、ユーザから想定される質問内容と、それに対する回答の音声データとを関連付けた応答用情報を記録しておき、制御装置103は、特定した質問内容が記録装置104に記録されている場合には、その質問内容に関連付けて記録されている回答の音声データを読み出して、商品情報出力装置200へ送信する例について説明した。また、上述した第2の実施の形態では、記録装置104には、ユーザから想定される質問内容と、それに対する回答のテキストデータとを関連付けた応答用情報を記録しておき、制御装置103は、特定した質問内容が記録装置104に記録されている場合には、その質問内容に関連付けて記録されている回答のテキストデータを読み出して、商品情報出力装置200へ送信する例について説明した。このとき、ユーザから想定される1つの質問内容に対して、1つの回答の音声データまたはテキストデータを関連付けて応答用情報としてもよいし、ユーザから想定される1つの質問内容に対して、複数の回答の音声データまたはテキストデータを関連付けて応答用情報としてもよい。ユーザから想定される1つの質問内容に対して、複数の回答の音声データまたはテキストデータを関連付けるようにすれば、実際の人物が質問に回答する場合と同様に、1つの質問に対して複数通りの回答の仕方があることを考慮して、より実際の接客に近い形でのユーザへの対応が可能となる。なお、制御装置103は、特定した質問内容に対する回答データが複数記録されている場合には、その中からランダムに選択した1つのデータを読み出して、商品情報出力装置200へ送信すればよい。
あるいは、制御装置は、過去の回答内容に対するユーザの満足度を判定し、満足度が高い回答データを優先して読み出すようにしてもよい。この場合、制御装置103は、一定のデータが集まるまでは、複数の回答データの中からランダムで回答データを選択して商品情報出力装置200へ送信すればよい。そして、商品情報出力装置200では、制御装置203は、受信した回答データを出力した後に、その回答内容に満足したかをユーザに確認する。例えば、制御装置203は、「今の回答でよろしいですか?」のような確認メッセージを音声またはテキストにより出力して、それに対してユーザに「はい」または「いいえ」の音声またはテキストによる応答を促せばよい。制御装置203は、ユーザが「はい」と応答したことを検出した場合には、ユーザが回答に満足したことを示す情報を商品情報提供装置100へ送信する。一方、制御装置203は、ユーザが「いいえ」と応答したことを検出した場合には、ユーザが回答に不満であったことを示す情報を商品情報提供装置100へ送信する。
商品情報提供装置100では、制御装置103は、商品情報出力装置200から上記のようなユーザの満足度を示す情報を受信した場合には、当該満足度を示す情報に基づいて、回答データの読み出し優先度を設定する。例えば、制御装置103は、ユーザの満足度を示す情報として、ユーザが回答に満足したことを示す情報を受信した場合には、優先度として1を設定し、この優先度情報を、その回答データを含む応答データに関連付けて記録する。以降、その回答データに対してユーザが回答に満足したことを示す情報を受信した際には、その回答データを含む応答データに関連付けて記録されている優先度情報に1を加算していく。
一方、制御装置103は、ユーザの満足度を示す情報として、ユーザが回答に不満であったことを示す情報を受信した場合には、優先度として−1を設定し、この優先度情報を、その回答データを含む応答データに関連付けて記録する。以降、その回答データに対してユーザが回答に不満であったことを示す情報を受信した際には、その回答データを含む応答データに関連付けて記録されている優先度情報から1を減算していく。これにより、履歴として記録される各応答データには、読み出し時の優先度情報が関連付けて記録されていく。
制御装置103は、特定した質問内容に対する回答データが複数記録されている場合には、その優先度が高く設定されている回答データ、すなわち優先度情報として記録されている数値が大きい回答の音声データまたはテキストデータを読み出して、商品情報出力装置200へ送信すればよい。
また、商品情報出力装置200では、制御装置203は、商品情報提供装置100との間で同じ商品情報に対して、複数回の質問と回答のやりとりがあった場合には、その一連のやりとりに対して、ユーザに満足度を問い合わせるようにしてもよい。例えば、制御装置203は、「一連の回答に対する満足度をAからCの三段階でお答えください」のようなメッセージを音声またはテキストにより出力して、それに対してユーザに「A」、「B」、「C」の音声またはテキストによる応答を促せばよい。制御装置203は、ユーザが「A」と応答したことを検出した場合には、一連の回答に対するユーザの満足度が「A」であることを示す情報を商品情報提供装置100へ送信する。制御装置203は、ユーザが「B」と応答したことを検出した場合には、一連の回答に対するユーザの満足度が「B」であることを示す情報を品情報提供装置100へ送信する。制御装置203は、ユーザが「C」と応答したことを検出した場合には、一連の回答に対するユーザの満足度が「C」であることを示す情報を商品情報提供装置100へ送信する。
商品情報提供装置100では、制御装置103は、一連の回答に対するユーザの満足度が「A」であることを示す情報を受信した場合には、その一連のやりとりに含まれる全ての応答データに関連付けて記録されている優先度情報に1を加算する。また、制御装置103は、一連の回答に対するユーザの満足度が「B」であることを示す情報を受信した場合には、その一連のやりとりに含まれる全ての応答データに関連付けて記録されている優先度情報に対して加算も減算も行わない。制御装置103は、一連の回答に対するユーザの満足度が「C」であることを示す情報を受信した場合には、その一連のやりとりに含まれる全ての応答データに関連付けて記録されている優先度情報から1を減算する。これによって、複数の質問が続けて行われたときに、その一連の回答に対する満足度も加味して、応答データの読み出し優先度を設定することができる。
制御装置103は、さらに、商品情報出力装置200から一連の回答に対するユーザの満足度を示す情報を受信した場合には、その一連の応答データの組に対して、満足度に対する優先度情報を関連付けて記録するようにしてもよい。この場合も、受信した満足度が「A」、「B」、「C」のいずれであるかに応じて、応答データの組に関連付けて記録された優先度情報に加減算を行えばよい。このようにすると、メーカーや販売店の担当者は、ユーザがどのような内容の質問をどのような順序で行ったかという質問の流れと、それに対する回答の内容とを把握することができるとともに、その質問の流れに対してどのような回答をすればユーザの満足度が高くなるかを把握することができる。このため、質問のデータに関連付けて記録する回答のデータに対して、回答内容の変更や回答内容のバリエーションの増加などの見直しを行って、さらなるユーザ満足度の向上につなげることができる。なお、ここでは満足度を「A」、「B」、「C」の三段階で評価する例について説明したが、四段階、五段階など、評価の仕方はこれに限定されるものではない。
(3)上述した第1の実施の形態では、商品情報提供装置100の制御装置103は、ユーザによる質問の音声データと、その質問に対する回答の音声データとを関連付けた応答データの履歴を記録装置104に記録する例について説明した。また、上述した第2の実施の形態では、商品情報提供装置100の制御装置103は、ユーザによる質問のテキストデータと、その質問に対する回答のテキストデータとを関連付けた応答データの履歴を記録装置104に記録する例について説明した。この場合、制御装置103は、あらかじめ設定された所定のタイミング、例えば1日1回所定の時刻に、記録装置104に記録されている応答データの履歴情報を、質問がされた商品を提供するメーカーが有する端末へ送信するようにしてもよい。例えば、各商品情報に対応付けてメーカーの担当者のメールアドレスを登録しておき、制御装置103は、応答データの履歴情報を質問がされた商品のメーカー担当者へメールで送信するようにすればよい。これによって、メーカーでは、商品に対してユーザがどのような質問を行い、それに対してどのような回答がなされたのかを把握することができる。
(4)上述した第1および第2の実施の形態では、制御装置103は、特定した質問内容が記録装置104に記録されておらず、質問内容に関連付けて記録されている回答データを読み出すことができない場合には、エラーメッセージを商品情報出力装置200へ送信する例について説明した。しかしながら、制御装置103は、質問内容に関連付けて記録されている回答データを読み出すことができない場合には、あらかじめ登録された通知先端末と、商品情報出力装置200との間で通信を確立して、通知先端末のオペレータとユーザとの間で音声通話やテキストによるチャットを開始するようにしてもよい。これにより、商品情報提供装置100では対応できない質問がされたときには、オペレータに繋いで、ユーザはオペレータに質問をして、疑問を解消することができる。なお、ユーザは、通知先端末のオペレータと音声通話を行うかテキストによるチャットを行うかを任意に選択できるようにしてもよい。また、第2の実施の形態の発明に適用する場合には、ユーザが質問と回答を音声データとテキストデータのどちらのデータ形式でやりとりすることを希望したかに応じて、オペレータとの会話も音声とテキストを切り替えるようにしてもよい。
また、この場合、通知先端末のオペレータとユーザとの音声通話内容やチャット内容を記録装置104に記録するようにしてもよい。これによって、ユーザとオペレータとのやり取りの履歴を、回答音声データまたは回答テキストデータの充実や、オペレータの質向上に役立てることができる。
あるいは、制御装置103は、質問内容に関連付けて記録されている回答データを読み出すことができない場合には、すぐにオペレータに繋ぐか、回答が準備できた段階でオペレータから連絡をもらうかをユーザに選択させるようにしてもよい。ユーザがすぐにオペレータに繋ぐことを選択した場合には、上記と同様に、制御装置103は、商品情報出力装置200との間で通信を確立して、通知先端末のオペレータとユーザとの間で音声通話またはテキストによるチャットを開始すればよい。一方、ユーザが回答が準備できた段階でオペレータから連絡をもらうことを選択した場合には、制御装置103は、通知先端末へユーザによる質問音声データまたはテキストデータを送信して、ユーザから質問があったことを通知するようにすればよい。これを受けた通知先端末では、オペレータは、質問音声データの内容からユーザの質問内容を把握して、それに対する回答を準備した後に、通知先端末から商品情報出力装置200を呼び出して回答を行うようにすればよい。これにより、ユーザは、すぐにオペレータと通話やチャットによる会話をするか、回答が準備された段階でオペレータと通話やチャットによる会話するかを選択できるため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、ユーザは、回答が準備された段階でオペレータから連絡をもらうように選択すれば、時間がない場合に無駄な待ち時間が発生するのを防ぐことができる。なお、ユーザが回答が準備できた段階でオペレータから音声による連絡をもらうことを選択した場合には、制御装置103は、ユーザに連絡先とする電話番号の入力を促し、ここで入力された電話番号を通知先端末へ送信するようにしてもよい。これにより、オペレータは、ユーザへ直接電話して質問への回答を行うこともできる。
また、ユーザは、オペレータとの会話の結果、商品の購入を決めた場合には、オペレータに商品の購入意思を伝えることができ、この場合、オペレータは、通知先端末を操作して、ユーザが操作する商品情報出力装置200へ商品注文用の画面を表示させるようにしてもよい。ユーザは、表示された商品注文用の画面上で必要事項を入力することにより、オペレータに問い合わせを行った商品の注文を行うことができる。
(5)上述した第1の実施の形態では、制御装置103は、商品情報出力装置200からユーザによる質問の音声データを受信した場合には、記録装置104に記録されているその質問に対する回答の音声データを読み出して、商品情報出力装置200へ送信する例について説明した。また、上述した第2の実施の形態では、制御装置103は、商品情報出力装置200からユーザによる質問のテキストデータを受信した場合には、記録装置104に記録されているその質問に対する回答のテキストデータを読み出して、商品情報出力装置200へ送信する例について説明した。しかしながら、ユーザは、既に商品情報出力装置200に送信されている商品情報に含まれている内容について質問をしてくることも考えられる。このように、ユーザからの質問内容に対する回答が、送信済みの商品情報に含まれている場合には、制御装置103は、質問内容に対する回答が商品情報に含まれていることを通知するための音声データまたはテキストデータを回答データとして記録装置104から読み出して、商品情報出力装置200へ送信するようにしてもよい。これによって、送信済みの商品情報を活用して、ユーザの質問に回答することができる。
(6)上述した第1の実施の形態では、ユーザは、質問内容を音声で入力することができ、それに対する回答を音声で得ることができる例について説明した。また、上述した第2の実施の形態では、ユーザは、質問内容をテキストで入力することができ、それに対する回答をテキストで得ることができる例について説明した。この方法によると、ユーザは、あたかも商品情報出力装置200と会話をするような感覚で、商品情報に対する質問を行うことができる。本発明では、これをさらに発展させて、制御装置203は、タッチパネル201内に人物の映像を表示させ、この人物が、回答データを話しているように、人物映像の動作を制御するようにしてもよい。これによって、ユーザはタッチパネル201内に表示された仮想的な人物と話をしているような感覚で、商品情報に対する質問をすることができる。
また、さらにリアリティを出すために、制御装置203は、実空間上に人物の立体映像を表示させ、この人物が、回答データを話しているように、立体映像の人物の動作を制御するようにしてもよい。これによって、ユーザは実空間上に浮かび上がった仮想的な人物と話をしているような感覚で、商品情報に対する質問をすることができる。さらに、このように実空間上に人物の立体映像を表示させた場合には、実空間上に浮かび上がった仮想的な人物に質問をして、回答をさせることができるため、その人物を仮想的な接客員(デジタルアテンダント)として利用することができる。また、商品のメーカーや販売店は、商品に興味を持っているユーザを探し出して、実際にセールスマン等を送り込むことは困難であるが、このデジタルアテンダントは、商品に対して興味を持っているユーザが操作する商品出力装置200に表示されるため、販売戦略に基づいて行動するセールスマンの役割を果たすデジタルアテンダントを、瞬時にユーザの元に送り込むことができる。
また、ロボットに商品出力装置200を適用し、ロボットが回答データを話しているように、ロボットの動作を制御するようにしてもよい。これによって、ユーザは目の前にいるロボットと話をしているような感覚で、商品情報に対する質問をすることができる。また、商品情報提供システム10を導入する企業は、ロボットの外観を自社のキャラクターの形状として店頭に設置すれば、宣伝効果も発揮させることができる。
(7)上述した第1および第2の実施の形態では、商品情報出力装置200では、制御装置203は、ユーザによって撮影された商品を特定するための被写体の画像データを商品情報提供装置100へ送信して、商品情報提供装置100から商品情報を取得し、ユーザに提供する例について説明した。また、商品情報提供装置100は、商品情報出力装置200からの要求に応じて商品情報を送信する例について説明した。しかしながら、商品情報提供システム10では、ユーザは、商品情報出力装置200上で商品情報を確認した後に、その商品を注文できるようにしてもよい。この場合、例えば、商品情報を表示した画面上に注文ボタン等を表示し、制御装置203は、ユーザによって注文ボタンにタッチされたことを検出したときに、ユーザに注文に必要な情報の入力を促し、これらを注文情報として商品情報提供装置100へ送信すればよい。商品情報提供装置100では、制御装置103は、商品情報出力装置200から注文情報を受信することにより商品の注文を受け付け、受け付けた商品の注文内容に基づいて、注文された商品の代金を清算するための決済情報を商品情報出力装置200へ送信すればよい。商品情報出力装置200では、制御装置203は、商品情報提供装置100から受信した決済情報に基づいて、ユーザが注文した商品の決済画面をタッチパネル201上に表示し、該決済画面上で入力された情報を商品情報提供装置100へ送信して、決済を行うようにすればよい。これにより、ユーザは、商品情報出力装置200を操作して、商品の注文も行うことができる。
(8)上述した第1および第2の実施の形態では、商品情報の提供者としては、商品を製造するメーカーや商品を販売する販売店等が想定される。また、商品情報の提供を受けるユーザとしては、商品の購入を希望する消費者や商品に興味を持っている消費者を想定し、商品情報出力装置200は、商品情報提供装置100によって商品情報が提供される商品を販売する店舗の店頭に設置される例について説明した。この場合、例えば、商品情報出力装置200は、デパート、スーパー、家電量販店、個人商店等に設置され、ユーザは、これらの店舗で取り扱われている商品の情報を商品情報出力装置200を操作して得ることができる。しかしながら、これら小売業界以外の他の業界でも本発明による商品情報提供システム10を活用することができる。以下にその一例を挙げる。
例えば、自動車業界では、本発明による商品情報提供システム10を導入することにより、ショールームに商品情報出力装置200を設置すれば、ショールームの人手不足を解消することができる。また、ユーザが所持する端末を商品情報出力装置200とすれば、ユーザは路上を走る車の画像を撮影して商品情報提供装置100にアクセスするだけで、その車の商品情報を取得することができる。また、この車に対する質問も行うことができる。
また、映画、演劇の切符売り場に商品情報出力装置200を設置すれば、ユーザは、映画や演劇の出演者やあらすじなどを商品情報として把握することができ、さらに映画や演劇について質問をすることもできる。
化粧品業界では、ユーザが所持する端末を商品情報出力装置200とすれば、ユーザは自宅にいながら化粧品の商品情報を取得することができる。また、質問を行う際には、同時に自身の肌の画像等を送るようにすれば、商品情報提供装置100で肌の状態を診断して、お勧め商品や肌に関するアドバイスの音声データを回答するようなシステムにも応用することができる。
また、出版業界に本システムを導入をすれば、これまでユーザは、通販カタログなどで得ていた商品の情報を、既存のファッション雑誌、趣味娯楽雑誌、その他、電子書籍を含めたあらゆる書籍上に掲載されている商品を特定するための情報を被写体として撮影することにより、これらの商品の商品情報を容易に取得して、商品を購入することが可能となる。
また、宅配便業界に本システムを導入すれば、商品情報提供装置100には、商品情報として荷物の配達情報を記録しておき、ユーザは、商品情報出力装置200を操作して、配達伝票に表示された配達番号等を撮影して商品情報を問い合わせることにより、荷物の配達情報を確認することができる。また、ユーザは、表示された配達情報に対して質問がある場合には、音声またはテキストで質問をしてその回答を得ることもできる。これにより、現在は、配達番号を画面上で入力して配達状況を問い合わせるのが一般的であるが、ユーザは、撮影を行うだけで問い合わせができるので、面倒な入力作業を省くことができる。また、伝票番号の入力ミスも防ぐことができる。
(9)上述した第1の実施の形態では、商品情報提供装置100の制御装置103は、ユーザによる質問の音声データと、その質問に対する回答の音声データとを関連付けた応答データの履歴を記録装置104に記録する例について説明した。また、上述した第2の実施の形態では、商品情報提供装置100の制御装置103は、ユーザによる質問のテキストデータと、その質問に対する回答のテキストデータとを関連付けた応答データの履歴を記録装置104に記録する例について説明した。この応答データは、ユーザごとに記録するようにしてもよい。例えば、ユーザを一意に特定するためのユーザID等を発行しておき、制御装置203は、ユーザには、上述した商品情報アプリを起動する際に、ユーザIDを用いたログインを要求するようにして、被写体特定用の画像データや質問のデータを商品情報提供装置100へ送信する際にユーザIDも送るようにすれば、商品情報提供装置100側でユーザを一意に特定することが可能となる。このように、応答データをユーザごとに記録するようにすれば、商品情報の提供者は、ユーザごとに質問の傾向や興味を持っている商品を把握することができる。また、制御装置103は、ユーザごとに、商品情報の送信履歴を記録するようにしてもよい。これによって、商品情報の提供者は、各ユーザがどのような商品に興味を持っているかを把握することができる。
(10)上述した第1および第2実施の形態では、記録装置104には、ユーザから想定される質問内容と、それに対する回答データとを関連付けた応答用情報を記録しておく例について説明した。この応答用情報は、商品情報提供システム10を導入する国の言語に合わせて準備するようにしてもよいし、複数の言語に対応できるようにしてもよい。複数の言語に対応する場合には、質問が想定される言語の応答用情報を全て用意して記録装置104に記録しておいてもよいし、特定の言語、例えば日本語や英語による応答用言語のみを用意しておき、他の言語は、公知の機械翻訳技術を利用して翻訳することにより対応してもよい。
(11)上述した第2の実施の形態では、制御装置103と制御装置203は、商品情報出力装置200上でユーザによって質問と回答を音声データによって送受信するように設定された場合には、第1の実施の形態で上述した処理を実行するようにし、ユーザによって質問と回答をテキストデータによって送受信するように設定された場合には、第2の実施の形態で上述した処理を実行する例について説明した。すなわち、第2の実施の形態では、ユーザは、音声によるものとするか、テキストによるものとするかを、質問と回答との組に対して設定するようにした。しかしながら、ユーザは、質問と回答とをそれぞれ別々に設定できるようにしてもよい。
この場合、制御装置103と制御装置203は、ユーザが質問と回答の両方を音声によるものとするように設定した場合には、第1の実施の形態で上述した処理を実行すればよく、ユーザが質問と回答の両方をテキストによるものとするように設定した場合には、第2の実施の形態で上述した処理を実行すればよい。また、ユーザが質問は音声とし回答はテキストとするように設定した場合には、制御装置103と制御装置203は、質問に関する処理は第1の実施の形態で上述した処理を実行し、回答に関する処理は第2の実施の形態で上述した処理を実行すればよい。一方、ユーザが質問はテキストとし回答は音声とするように設定した場合には、制御装置103と制御装置203は、質問に関する処理は第2の実施の形態で上述した処理を実行し、回答に関する処理は第1の実施の形態で上述した処理を実行すればよい。
例えば、ユーザは、発話もでき商品情報出力装置200から音声が出力されても問題が無い状況では、質問と回答の両方を音声によるものとするように設定すればよい。また、ユーザは、発話も商品情報出力装置200からの音声出力も避けたい状況では、質問と回答の両方をテキストによるものとするように設定すればよい。また、ユーザは、自身が発話することはできるが、商品情報出力装置200から音声が出力されるのは好ましくない状況では、質問は音声にするものとし、回答はテキストによるものとするように設定すればよい。また、ユーザは、自身が発話することはできないが、商品情報出力装置200から音声が出力されるのは問題がない状況では、質問はテキストにするものとし、回答は音声によるものとするように設定すればよい。
(12)上述した第1の実施の形態では、制御装置103は、商品情報出力装置200から質問の音声データを受信したことを検出した場合には、公知の音声認識技術を利用して音声データから質問内容を特定する例について説明した。また、第2の実施の形態では、制御装置103は、商品情報出力装置200から質問のテキストデータを受信したことを検出した場合には、公知のテキスト認識技術を利用してテキストデータから質問内容を特定する例について説明した。この場合、制御装置103は、特定した質問内容を、受信した質問データの形式、すなわち音声データ形式またはテキストデータ形式により商品情報出力装置200へ送信するようにしてもよい。そして、商品情報出力装置200では、制御装置203は、商品情報提供装置100から受信した質問内容データを出力してユーザに特定結果が正しいかを確認するようにしてもよい。これに対してユーザが正しいことを示す応答をした場合には、その情報が商品情報提供装置100へ送信され、この場合は、制御装置103は特定した質問内容を確定すればよい。一方、ユーザが間違っていることを示す応答をした場合には、その情報が商品情報提供装置100へ送信され、この場合は、制御装置103は特定した質問内容を取り消すようにすればよい。また、ユーザが間違っていることを示す応答をした場合には、制御装置203は、ユーザに対して改めて質問を入力するように促せばよい。これにより、制御装置103が誤って特定した質問内容に基づいて的外れな回答をしてしまうことを防ぐことができる。
また、制御装置103は、質問データを音声認識する際に、音声認識による一致度が高い単語を、その一致度の高さに応じた優先順位を付けて複数抽出しておき、これら複数の単語に基づいて、複数の質問内容を候補として特定するようにしてもよい。このとき、特定した質問内容のそれぞれに対しては、それらの抽出のもととなった単語に応じた優先順位を付しておけばよい。そして、制御装置103は、最初に最も優先順位が高い質問内容を商品情報提供装置100へ送信してユーザに確認し、ユーザが間違っていることを示す応答をした場合には、次に優先順位が高い質問内容を商品情報提供装置100へ送信してユーザに確認するようにすればよい。ここで、質問内容の候補をいくつ特定しておくかは、あらかじめ設定しておくようにすればよい。これによって、制御装置103が誤って特定した質問内容に基づいて的外れな回答をしてしまうことを防ぐことができるとともに、複数の候補を優先順位に従って順番に提示することで、ユーザが何度も発話をやり直す必要を無くして利便性の高いシステムとすることができる。
(13)上述した第2の実施の形態では、音声による質問および回答と、テキストによる質問および回答のいずれにも対応できるように、記録装置104には、音声データ形式の応答用情報と、テキストデータ形式の応答用情報とをそれぞれ記録しておく例について説明した。しかしながら、応答用情報は、音声データ形式またはテキストデータ形式のいずれか一方のみを記録しておき、他方での対応が必要になった場合には、公知の音声データからテキストデータへ、またはテキストデータから音声データへ変換するための変換プログラムを使用して、質問の音声データに基づいて特定した質問内容のデータ形式を応答用情報と同じデータ形式へ変換するようにしてもよい。これにより、音声データ形式とテキストデータ形式の両方で応答用情報を記録しておく場合と比較して、記録装置104に記録するデータ量を減少させることができる。また、音声データ形式の応答情報とテキストデータ形式の応答用情報をそれぞれ記録した場合には、両方に対して情報の追加、編集、削除等のメンテナンスが必要となる上、メンテナンスがいずれか一方に偏ってしまった場合には、応答精度の向上がいずれか一方に偏ってしまったり、音声とテキストとで回答内容に矛盾が生じてしまう可能性もある。しかしながら、応答用情報を音声データ形式とテキストデータ形式のいずれかに一本化して一括管理すれば、このような課題を解消できるとともに、応答用情報のメンテナンスを容易化させることができる。
あるいは、記録装置104には、音声データ形式の応答用情報と、テキストデータ形式の応答用情報とをそれぞれ記録しておき、上述した変換プログラムを用いて、音声データ形式の応答用情報とテキストデータ形式の応答用情報とを定期的に同期させるようにしてもよい。これによって、音声データ形式の応答用情報と、テキストデータ形式の応答用情報との間に矛盾が生じることを防ぐことができる。
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。