JP2014109522A - 水素除去装置 - Google Patents

水素除去装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014109522A
JP2014109522A JP2012264661A JP2012264661A JP2014109522A JP 2014109522 A JP2014109522 A JP 2014109522A JP 2012264661 A JP2012264661 A JP 2012264661A JP 2012264661 A JP2012264661 A JP 2012264661A JP 2014109522 A JP2014109522 A JP 2014109522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
gas
hydrogen removal
removal apparatus
processed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012264661A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6034165B2 (ja
Inventor
Toshihiro Yoshii
敏浩 吉井
Mika Tawara
美香 田原
Motoshige Yagyu
基茂 柳生
Chikako Iwaki
智香子 岩城
Takatoshi Asada
隆利 浅田
Masahito Okamura
雅人 岡村
Kazuyoshi Aoki
一義 青木
Miyuki Akiba
美幸 秋葉
Shigehiro Mishin
重広 味森
Masashi Tanabe
雅士 田邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2012264661A priority Critical patent/JP6034165B2/ja
Publication of JP2014109522A publication Critical patent/JP2014109522A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6034165B2 publication Critical patent/JP6034165B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

【課題】低酸素状態下においても、被処理ガスに含有する水素の除去をよりスムーズに開始でき、かつ、水素吸蔵合金を利用する場合よりも効率良く水素除去可能な装置を提供する。
【解決手段】水素除去装置50Aは、被処理ガス17に含まれる水素を除去する原子炉格納容器の水素除去装置において、被処理ガス17と内蔵する金属過酸化物モジュール55とを反応させ、被処理ガス17に含まれる水素を酸化させて除去する水素除去部56を具備し、水素除去部56は、被処理ガス17を内部に吸気する開口部である吸気部52と、被処理ガス17を内部から排気する開口部である排気部53とを備え、吸気部52は下部に、排気部53は上部に設けられる筐体51の内部であって、吸気部52よりも上方かつ排気部53よりも下方に配設される。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、ガスから当該ガス中に含まれる水素を除去する水素除去装置に関する。
一般に、沸騰水型原子力発電所における沸騰水型原子炉の原子炉格納容器には、原子炉事故に備えて水素等の可燃性ガスの濃度上昇を抑制する可燃性ガス濃度制御装置が設置されている。沸騰水型原子炉の原子炉格納容器に設置される従来の可燃性ガス濃度制御装置について、図7を参照して説明する。
図7は、沸騰水型原子炉における原子炉格納容器1および沸騰水型原子炉に適用される従来の可燃性ガス濃度制御装置10の構成を示す断面図である。
図7に示されるように、原子炉格納容器1は、原子炉の炉心2を内蔵する原子炉圧力容器3を格納する。原子炉格納容器1は、原子炉圧力容器3を包囲する上部ドライウェル5、下部ドライウェル6およびウェットウェル7によって構成される。ウェットウェル7は、上部ドライウェル5とベント管8を介して接続されており、貯蔵水を保有するサプレッションプール9が形成される。また、原子炉圧力容器3の外側面は、生体遮蔽壁4によって包囲される。
万一、原子炉圧力容器3に接続される主蒸気管11等の原子炉一次冷却系配管が破断した場合、原子炉格納容器内の上部ドライウェル5に高温・高圧の原子炉一次冷却材が放出され、上部ドライウェル5の圧力および温度が急激に上昇する。
上部ドライウェル5に放出された高温・高圧の冷却材は、上部ドライウェル5内の気体と混合して、ベント管8を経由してサプレッションプール9内の貯蔵水の中に放出されて冷却される。このようにして、原子炉圧力容器3から放出された熱エネルギーの多くは、このサプレッションプール9内の貯蔵水中において冷却され吸収される。
なお、原子炉圧力容器3の内部は、図示されない非常用炉心冷却系によってサプレッションプール9内の貯蔵水が注入されて炉心2が冷却される。炉心2に注入された冷却水は、長期的には炉心2から崩壊熱を吸収し、破断した配管の破断口から上部ドライウェル5へ流出される。
上述したように、万一、原子炉一次冷却系配管が破断した場合には、上部ドライウェル5の内部における圧力と温度が、常にウェットウェル7よりも高い状態となり、ベント管8を経由してウェットウェル7内に水蒸気とガスが移動する。このとき、炉心2から放出され上部ドライウェル5の空間に存在していた核分裂生成物は、ベント管8を経由してサプレッションプール9内で捕捉される。
原子炉一次冷却系配管が破断しない場合であっても、電源喪失等によって原子炉の冷却機能が喪失すると、原子炉圧力容器3の圧力が上昇し、主蒸気管11に設けられた安全弁12が作動して、原子炉圧力容器3内の水蒸気および核分裂生成物をサプレッションプール9内の貯蔵水中に放出する。ウェットウェル7の圧力がドライウェル5,6の圧力よりも高くなった場合には、真空破壊弁13が作動してウェットウェル内ガスがドライウェルに流入する。
このように長期的事象下では、軽水炉型原子力発電所の原子炉内では冷却材である水は放射線分解され、水素ガスと酸素ガスが発生する。さらに、炉心2の内部の燃料被覆管の温度が上昇する場合には、燃料被覆管材料のジルコニウムと水蒸気との間で反応(以下、「Metal−Water反応」と称する。)が起こり、短時間で水素ガスが発生する。
このようにして発生する水素ガスは、発生後、破断した配管の破断口等から冷却材と共に原子炉格納容器1の内部に放出され、原子炉格納容器1の内部において水素ガスの濃度は次第に上昇する。また、水素ガスは非凝縮性であることから、原子炉格納容器1の内部圧力も上昇する。
水素ガスが発生する状態に対して何等有効な対策を行うことができずに、水素ガス濃度が4vol%かつ酸素濃度が5vol%以上に上昇、すなわち、可燃性ガス濃度が可燃限界を超えた場合には、気体は可燃状態となる。さらに、水素ガス濃度が上昇すると過剰な反応が発生する可能性が生じる。
上述した水素ガス濃度が上昇する事態への有効な対策として、従来の沸騰水型原子力発電設備の場合においては、圧力抑制式の原子炉格納容器1の内部を窒素ガスで置換して酸素濃度を低く維持する対策がとられている。上述のMetal−Water反応によって短時間で大量に発生する水素ガスに対しても、原子炉格納容器1の内部が可燃性雰囲気となることを厳しく防止して固有の安全性を達成している。
また、水素ガスを除去するため、原子炉格納容器1の外部には、可燃性ガス濃度制御装置10が設けられる。可燃性ガス濃度制御装置10は、再結合器14およびブロア15を備え、原子炉格納容器1内の雰囲気を原子炉格納容器1の外部に吸引し、昇温させて雰囲気中の水素ガスと酸素ガスを再結合させて水に戻し、残りの気体を冷却してから原子炉格納容器1の内部へ戻すことによって、可燃性ガス濃度の上昇を抑制している。
一方、上述の可燃性ガス濃度制御装置10とは異なり外部電源、駆動部を必要とせず、静的に可燃性ガス濃度を制御する方法としては、水素の酸化触媒を用いて再結合反応を促進させる触媒式再結合装置を原子炉格納容器1の内部に複数配置する方法や活性金属を用いて水素を除去する際に反応を促進するために装置そのものを加熱する方法等が提案されている。
このような可燃性ガスである水素を除去する技術は、例えば、特開2005−3371号公報(特許文献1)に記載されている。
特開2005−3371号公報
沸騰水型原子炉において、運転中の原子炉格納容器内の雰囲気は窒素ガスで置換されているために、Metal−Water反応で発生する水素と結合可能な酸素は原子炉格納容器1の内部では僅かしか存在していない。Metal−Water反応によって大量の水素が発生する事象下において、上述の水素と酸素の再結合による従来の水素処理方法では、水素と結合可能な酸素が僅かしか存在していない低酸素状態で水素の除去を行うことは困難である。
原子炉格納容器内の雰囲気から水素を除去できない場合、原子炉格納容器内の圧力を低減することができない。現行の沸騰水型原子炉のシステムでは、事故発生により原子炉格納容器内で大量の水素が発生して原子炉格納容器内の圧力が上昇した際には、原子炉格納容器内の雰囲気を外部(大気中)に放出して原子炉格納容器内の圧力を低減して、事故を収束することが計画されているものの、同時に放射性廃棄物を外部(大気中)に放出してしまい得る。
そこで、酸素濃度が低く再結合を行うのが難しい低酸素状態下においても、水素除去処理される水素を含有するガス(以下、「被処理ガス」と称する。)から水素を除去する方法として、水素吸蔵合金を利用する技術が提案されている。
しかしながら、水素吸蔵合金が吸蔵する水素の重量は、例えば、Ti−Feの場合、合金重量の約1.8%と低く、吸蔵量は高々その合金重量の数%程度にすぎない。そのため、水素吸蔵合金を利用する水素除去技術を用いて、原子炉の過酷事故発生時のような大量に水素が発生する事態に対処するためには、膨大な量の水素吸蔵合金が必要となり、現実的には適用が困難という点で課題がある。
また、被処理ガスから水素を除去する別な方法として、特許文献1に記載されるように、水素/酸素反応を促進する触媒を下段に、水素/窒素反応を促進する触媒を上段に設置して、水素を除去する方法もある。
しかしながら、原子炉の過酷事故発生から数時間では、原子炉格納容器内は酸素が少ないため、触媒を処理材とする水素除去技術は必ずしも十分な効果を発揮し得ない点で課題がある。
本発明の実施形態は上記事情を考慮してなされたもので、酸素濃度が低く再結合を行うのが難しい低酸素状態下においても、被処理ガスに含有する水素の除去をよりスムーズに開始でき、かつ、水素吸蔵合金を利用する場合よりも効率良く水素除去可能な水素除去装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る水素除去装置は、処理するガスを導入して前記ガスに含まれる水素を酸化させて除去する原子炉格納容器の水素除去装置において、前記ガスと内蔵する金属過酸化物とを反応させ、前記ガスに含まれる水素を酸化させて除去する水素除去部を具備し、前記水素除去部は、前記ガスを内部に吸気する開口部である吸気部と、前記ガスを内部から排気する開口部である排気部とを備え、前記吸気部は下部に、前記排気部は上部に設けられる筐体の内部であって、前記吸気部よりも上方かつ前記排気部よりも下方に配設されることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、酸素濃度が低く再結合を行うのが難しい低酸素状態下においても、被処理ガスに含有する水素の除去をよりスムーズに開始でき、かつ、効率良く水素除去を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る水素除去装置の構成を示す縦断面図。 本発明の実施形態に係る水素除去装置に適用される金属過酸化物モジュール55A〜55Eの構成を示す概略図であり、(A)乃至(E)は、それぞれ、金属過酸化物モジュール55A,55B,55C,55D,55Eの構成を示す概略図。 本発明の実施形態に係る水素除去装置に適用される金属過酸化物モジュール55F〜55Iの構成を示す概略図であり、(A)乃至(D)は、それぞれ、金属過酸化物モジュール55F,55G,55H,55Iの構成を示す概略図。 本発明の第2の実施形態に係る水素除去装置の一例である水素除去装置50Bの構成を示す断面図であり、(A)は装置全体の縦断面図、(B)は(A)に示されるIV(B)−IV(B)断面図(横断面図)。 本発明の第2の実施形態に係る水素除去装置の一例である水素除去装置50Cの構成を示す断面図であり、(A)は装置全体の縦断面図、(B)は(A)に示されるV(B)−V(B)断面図(横断面図)。 本発明の第3の実施形態に係る水素除去装置の構成を示す断面図。 沸騰水型原子炉における原子炉格納容器および沸騰水型原子炉に適用される従来の可燃性ガス濃度制御装置の構成を示す断面図。
本発明の実施形態に係る水素除去装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、上、下、左、右等の方向を示す言葉は、図示した状態または通常の使用状態を基準とする。
本発明の実施形態に係る水素除去装置では、水素を除去する技術として、過酸化物イオン(O 2−)と金属とで構成される金属過酸化物と被処理ガスに含有する水素との間で酸化反応を生じさせることによって水素を消費(除去)する技術を採用する。金属過酸化物を用いて、被処理ガスに含有する水素を除去する技術は、金属過酸化物自体に含まれる酸素を利用するため、外部の酸素を必要とすることなく被処理ガスから水素を除去することができるという利点がある。
また、金属過酸化物と水素との反応速度、すなわち、金属過酸化物から分離する酸素と水素とが再結合する再結合反応の速度は、温度が上昇するにつれて2次関数的に上昇することが知られている。
従って、除去処理が必要な水素が大量の場合、常温付近では水素を処理するには十分な反応速度が得られないことがあるとしても、処理する気体を加熱して温度を上げることで処理に十分な反応速度を得ることができる。その一方で、反応が過剰に進行することによる構造物破損を防止するため、反応速度を下げるべく処理する気体を冷却することも必要となる。
上述した事情を考慮して、本発明の実施形態に係る水素除去装置では、被処理ガスの温度を制御することで、大量の水素ガスを安全に処理することを可能としている。
続いて、本発明の各実施形態に係る水素除去装置について説明する。なお、以下の説明では、本発明の各実施形態に係る水素除去装置を、原子炉格納容器1(図7)の内部に設置し、原子炉格納容器1の雰囲気から水素を除去する際に適用する例を説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る水素除去装置の一例である水素除去装置50Aの構成を示す縦断面図、図2および図3は本発明の実施形態に係る水素除去装置に適用される金属過酸化物モジュール55の実施例である金属過酸化物モジュール55A〜55Eの構成を示す概略図である。
水素除去装置50Aは、水素を消費することで除去する金属過酸化物モジュール55を内部に配設した筐体51に、水素除去処理される水素を含有するガス(以下、「被処理ガス」と称する。)17を筐体51の内部に導入する開口部である吸気部52と、水素除去装置50A内で水素除去処理後の雰囲気(以下、「処理済ガス」と称する。)18を筐体51の外部へ排気する開口部である排気部53と、を設けて構成される。
水素除去装置50Aにおいて、吸気部52は、例えば、筐体51の下部に、排気部53は、筐体51の上部に設けられる。
水素除去装置50Aを原子炉格納容器(図示せず)内の雰囲気から水素を除去する処理に適用する場合、被処理ガス17である原子炉格納容器内の雰囲気は、吸気部52から筐体51の内部に導入され、筐体51の内部で被処理ガス17から水素が除去されて処理済ガス18となって、排気部53から筐体51の外部へ排気され、原子炉格納容器に戻される。
水素除去装置50Aの筐体51内の空間には、上下方向に間隔を隔てて、水平方向に仕切板54が設置される。水平方向に延在する仕切板54は、一端が筐体51の側壁に固定され、他端が開放されている。また、仕切板54が筐体51の側壁に固定される端部(または開放される端部)は、上または下から順に見た場合、左右交互に入れ替えて配置される。
例えば、図1に示される筐体51内の空間に配設される4枚の仕切板54では、筐体51の側壁に固定される一端は、上から数えて第1枚目および第3枚目の仕切板54では右側(右端)であり、上から数えて第2枚目および第4枚目の仕切板54では左側(左端)である。
仕切板54の固定側または開放側を左右交互に入れ替えて配置することで、筐体51内の吸気部52と排気部53との間に、仕切板54によって左右に蛇行する空間を形成する。すなわち、筐体51の内部には、吸気部52から左右に蛇行しながら上方へ向かう一の仕切板54と他の仕切板54との間の空間を経由して最終的に排気部53までを接続する流路が形成される。流路を蛇行させているのは流路長をかせいで効率良く水素を除去(消費)させるためである。
また、水素除去装置50Aでは、一の仕切板54と他の仕切板54との間に金属過酸化物モジュール55を配設することで、水素を除去する水素除去部56を形成する。金属過酸化物モジュール55は、金属過酸化物を通気可能な容器に充填した構造体である。
さらに、水素除去装置50Aでは、例えば、筐体51の底面および側面と仕切板54とで形成される最下段の流路等の水素除去部56のガス流入口近傍に、水素除去部56のガス流入口近傍に配設される金属過酸化物モジュール55に空気または酸素(以下、「空気等」と称する。)の酸素を含むガスを供給(噴射)する空気供給装置57が設置される。なお、符号57aは空気供給装置57のノズル(噴射口)である。
さらにまた、筐体51の外表面には、筐体51の外表面の一部を覆うように外筒58が設置され、外壁流路59が形成されている。
また、筐体51の底部には、水等のドレンを筐体51の外部へ排出するドレン配管61が設置される。
続いて、金属過酸化物モジュール55(55A〜55I)の構成について説明する。
金属過酸化物モジュール55は、例えば、図2,3に示されるように、表面の一部にガスが流動可能な孔または網目が設けられ、内部が中空に形成される中空容器63,66に金属過酸化物片64を充填し構成され、水素を除去する水素除去部56の部品となる。
ここで、符号63a,66aは多孔状または網目状に金属過酸化物片64が流出しない程度の大きさで面を貫通する隙間が設けられた多孔面であり、63b,66bは面を貫通する隙間が設けられていない通常の面(以下、「無孔面」と称する。)である。
金属過酸化物モジュール55は、水素除去部56を構築する容易性から、例えば、金属過酸化物モジュール55A〜55I(図2,3)のように、四角柱(直方体)等の多角柱、円柱、若しくは円環柱、またはこれらの一部分(例えば、半円柱等)の形状をもつ立体として構成される。
例えば、図2(A)に示されるように、全面が通気可能な多孔面63aで構成される直方体状の金属過酸化物モジュール55Aや、図3(A)に示されるように、全面が通気可能な多孔面63aで構成される円柱状の金属過酸化物モジュール55Fを構成することができる。
また、図2(図2(A)〜図2(E))に示されるように、組み立てを想定して、通気可能な面が異なる金属過酸化物モジュール55B〜55Dを構成することもできる。
例えば、対向する2面が多孔面63aで構成される金属過酸化物モジュール55B、対向する2面が通気不可能な無孔面63bで構成される金属過酸化物モジュール55C、および隣接する2面とこの2面のそれぞれに隣接する1面(図2(D)では正面、底面、および右側面の3面)が無孔面63bで構成される金属過酸化物モジュール55Dを構成する。
このような金属過酸化物モジュール55A〜55Dを用いれば、単に複数並べて配置するだけで、内部に通風可能な流路をもつ水素除去部56を構築することができる。
一方、空気供給装置57等の装置を水素除去部56の内部に設置する場合等を想定して、金属過酸化物モジュール55A〜55Dの対向する2面の略中央を円柱状に貫通する中空部65が設けられた金属過酸化物モジュール55Eや、金属過酸化物モジュール55Fの対向する2面の略中央を円柱状に貫通する中空部65が設けられた円環柱状の金属過酸化物モジュール55Gを構成することもできる。
また、円柱状の金属過酸化物モジュール55Fや円環柱状の金属過酸化物モジュール55Gを適当な大きさに分割した、半円柱状の金属過酸化物モジュール55Hや部分円環の柱状体である金属過酸化物モジュール55Iを構成することもできる。
さらに、中空容器63,66内には、金属過酸化物片64とともに酸素と化合して発熱する鉄や白金等の発熱体を少量混在させておくこともできる。このように、金属過酸化物片64とともに発熱体を混在させておけば、通気するガス中に含まれる空気等と反応して通気するガスを加熱することができる。なお、以下の説明は、金属過酸化物モジュール55の内部に発熱体が混在している場合の例である。
このように構成される金属過酸化物モジュール55を用いて水素を除去する水素除去装置50Aでは、まず、被処理ガス17が吸気部52から水素除去装置50A内に導入される。吸気部52から水素除去装置50A内部に導入される被処理ガス17は、筐体51の下方から金属過酸化物モジュール55が配設された水素除去部56に導かれる。
一方、水素除去部56のガス流入口近傍では、空気供給装置57のノズル57aから金属過酸化物モジュール55に空気等が噴射される。金属過酸化物モジュール55には空気等と反応して発熱する発熱体が混在しており、この発熱体がノズル57aから噴射される空気等と反応して水素除去部56に流入する被処理ガス17を加熱する。
水素除去部56に導かれた被処理ガス17は、仕切板54によって仕切られた空間に配設される金属過酸化物モジュール55、すなわち、仕切板54と仕切板54との間を左右に蛇行しながら流動していく。金属過酸化物モジュール55では、被処理ガス17に含まれる水素が酸素と再結合反応して水素が消費されて除去される。なお、再結合反応は発熱反応なので、被処理ガス17は進行していく過程で温度が上昇し、反応速度を加速させることができる。
左右に蛇行しながら金属過酸化物モジュール55を順次通気し、水素が除去されて水素除去部56を抜けた処理済ガス18は、さらに、筐体51の上部に設けられる排気部53から筐体51の外部へ排気される。
次に、本発明の第1の実施形態に係る水素除去装置を用いて行う水素除去方法(以下、「第1の水素除去方法」と称する。)について説明する。
第1の水素除去方法は、例えば、水素除去装置50Aを用いて行われる。第1の水素除去方法では、被処理ガス17を水素除去装置50A内の金属過酸化物モジュール55を備える水素除去部56に導き、水素除去部56で水素を除去(消費)する水素除去ステップを具備する。
水素除去装置50Aを用いて、原子炉格納容器1の内部の雰囲気から水素を除去する第1の水素除去方法では、なんらかの原因により、燃料被覆管の温度が上昇し、水蒸気と燃料被覆管材料であるジルコニウムとの間で反応(Metal−Water反応)が生じて水素が発生し、大量の蒸気とともに原子炉圧力容器から漏洩する。発生した多量の蒸気と水素が原子炉圧力容器内から原子炉格納容器に漏れ出た場合、原子炉格納容器内の雰囲気が被処理ガス17として吸気部52から水素除去装置50A内に導入される。
Metal−Water反応が始まり、原子炉格納容器に多量の蒸気と水素とが漏れ出た直後のタイミング、すなわち、原子炉格納容器内の雰囲気が水素除去装置50Aに流入を開始するタイミングでは、原子炉格納容器は常温であることから被処理ガス17も常温である。
一方、金属過酸化物と水素とを反応させて水素を消費するには、少なくとも被処理ガス17の温度を150℃以上とすることが好ましい。そのため、水素除去装置50Aでは、金属過酸化物モジュール55に空気等が噴射することで、金属過酸化物モジュール55に含まれる発熱体を空気等と反応させて水素除去部56に流入する被処理ガス17を加熱する。
さらに、最初の金属過酸化物モジュール55で水素と再結合反応が生じると、再結合反応による発熱で被処理ガス17は加熱され、温度が上昇するので、反応速度が上昇し、水素除去処理がスムーズに開始される。
その後、被処理ガス17は、仕切板54で仕切られた空間に金属過酸化物モジュール55が複数配設された水素除去部56を左右に蛇行しながら進行していく間に被処理ガス17に含まれる水素は消費されて水蒸気になる。こうして水素除去部56で被処理ガス17に含まれる水素が消費された処理済ガス18は、上昇して筐体51の上方に設けられた排気部53から水素除去装置50A(筐体51)の外部へ流出し、原子炉格納容器内に戻される。
なお、水素除去処理時は、金属過酸化物モジュール55で行われる反応によって処理済ガス18は高温となるが、外気が外壁流路59を自然に通風することによって、筐体51の表面が空冷され、過度な温度上昇を抑制することができる。
水素除去装置50Aおよび水素除去装置50Aを用いた水素除去処理方法によれば、金属過酸化物を用いるため、外部の酸素を必要とすることなく被処理ガス17から水素を除去することができる。すなわち、酸素濃度が低く再結合反応が生じにくい低酸素状態下においても、被処理ガス17に含有する水素の除去をよりスムーズに開始できる。
また、水素除去装置50Aおよび水素除去装置50Aを用いた水素除去処理方法によれば、被処理ガス17が常温程度で装置内に吸気される場合にも、流動する過程で被処理ガス17が加熱されるので反応速度を増加させることができる。
さらに、水素除去装置50Aおよび水素除去装置50Aを用いた水素除去処理方法によれば、外気が外壁流路59を自然に通風することによって、筐体51の表面が空冷され、過度な温度上昇を抑えることができる。
さらにまた、水素除去装置50Aおよび水素除去装置50Aを用いた水素除去処理方法によれば、再結合反応により水素を消費して水素を除去するので、吸蔵量が高々その合金重量の数%程度にすぎない水素吸蔵合金を利用する場合よりも効率良く水素を除去することができる。
なお、上述した水素除去装置50Aでは、被処理ガス17の加熱手段として、空気等と反応して発熱する発熱体を使用しているが、例えば、ニクロム線等の金属線を備え、オン(通電状態)とオフ(非通電状態)とを切り替えることで加熱と加熱停止とを切り替え自在なヒータ等の上記発熱体以外の加熱手段をさらに備えていても良い。前記ヒータは、空気供給装置57や、例えば水素除去部56への流入口近傍等の筐体51内に設置し、水素除去部56に流入する被処理ガス17を加熱するようにしても良い。
また、前記ヒータを被処理ガス17の加熱手段として適用する一方、発熱体を使用しない構成としても良い。前記ヒータを筐体51内に設置する場合、空気供給装置57を省略することもできる。さらに、前記ヒータは、単なるニクロム線等の金属線でも良い。
さらにまた、上述した水素除去装置50Aでは、仕切板54を用いて被処理ガス17が流動する流路を確保しているが、必ずしも仕切板54を用いる必要はない。金属過酸化物モジュール55を上手く配列することによって、金属過酸化物モジュール55の無孔面63b,66bが仕切板54に役割を果たし、仕切板54を用いることなく、金属過酸化物モジュール55内に被処理ガス17が通気する流路を形成することができるためである。
[第2の実施形態]
図4は本発明の第2の実施形態に係る水素除去装置の一例である水素除去装置50Bの構成を示す断面図であり、図4(A)は水素除去装置50B全体の縦断面図、図4(B)は図4(A)に示されるIV(B)−IV(B)断面図(横断面図)である。
また、図5は発明の第2の実施形態に係る水素除去装置の一例である水素除去装置50Cの構成を示す断面図であり、図5(A)は水素除去装置50B全体の縦断面図、図5(B)は図5(A)に示されるV(B)−V(B)断面図(横断面図)である。
水素除去装置50Bおよび水素除去装置50Cは、水素除去装置50Aに対して、水素除去部56の形状、すなわち、被処理ガス17が流動する流路構成の点で相違するが、その他の点では実質的に相違しない。そこで、本実施形態の説明では、上記相違点を中心に説明し、水素除去装置50Aと同一の構成要素には同一の符号を付して、説明を省略する。
水素除去装置50Bは、例えば、吸気部52よりも上方に筐体51の内面と接し、配設される金属過酸化物モジュール55を下面から支持するとともに、通気可能な複数個の貫通孔が設けられた多孔支持板68が設置される。
水素除去装置50Bでは、多孔支持板68の上面に、金属過酸化物モジュール55と垂直方向に流路を仕切る仕切板54とを配設して、垂直方向の流路を複数有する円筒状の水素除去部56を形成する。
このように構成される水素除去装置50Bでは、まず、被処理ガス17が吸気部52から水素除去装置50B内に導入される。吸気部52から水素除去装置50B内部に導入される被処理ガス17は、筐体51の下方から多孔支持板68を通過して金属過酸化物モジュール55が配設された水素除去部56に導かれる。
一方、水素除去部56に形成される垂直方向の流路の入口近傍には、空気供給装置57のヘッダ57bに設けられた各ノズル57aが配置されており、金属過酸化物モジュール55に空気等が噴射される。
水素除去部56に導かれた被処理ガス17は、仕切板54によって垂直方向に仕切られた流路に配設される金属過酸化物モジュール55を下から上昇していき、その過程で金属過酸化物モジュール55では、被処理ガス17に含まれる水素が酸素と再結合反応して水素が消費されて除去される。水素除去装置50Bでは、水素除去部56に形成される被処理ガス17の流路が曲りのない構造となっているので、圧力損失が低く抑えられる。
金属過酸化物モジュール55を順次通気し、水素が除去されて水素除去部56を抜けた処理済ガス18は、さらに、筐体51の上部に設けられる排気部53から筐体51の外部へ排気される。
一方、水素除去装置50Cは、例えば、吸気部52よりも上方に筐体51の内面と接し、配設される金属過酸化物モジュール55を下面から支持するとともに、筐体51の中央付近において通気可能に面を貫通する円環状の円環状支持板69が設置される。
水素除去装置50Cでは、円環状支持板69の上面に、金属過酸化物モジュール55と垂直方向に流路を仕切る仕切板54とを配設する。また、仕切板54は、最上段の金属過酸化物モジュール55の上面にも配置される。
仕切板54は、水素除去部56の周方向に対して流路を複数に区分けするとともに、金属過酸化物モジュール55の最上段まで上昇した被処理ガス17をそのまま上昇させずに外周側へ流動させて最外周の金属過酸化物モジュール55の側面から排気するように被処理ガス17を導く。
このように構成される水素除去装置50Cでは、まず、被処理ガス17が吸気部52から水素除去装置50C内に導入される。吸気部52から水素除去装置50C内部に導入される被処理ガス17は、筐体51の下方から円環状支持板69の略中央に設けられる貫通孔を通過して金属過酸化物モジュール55が配設された水素除去部56に導かれる。
一方、水素除去部56に形成される流路の入口近傍には、空気供給装置57のノズル57aが配置されており、金属過酸化物モジュール55に空気等が噴射される。水素除去装置50Cでは、水素除去部56への流入口が1箇所となるので、ノズル57aの数を少なくすることができるとともに、より効率的に被処理ガス17を加熱することができる。
水素除去部56に導かれた被処理ガス17は、金属過酸化物モジュール55を下から上昇しつつ、周方向中央から外周側へ流動する。金属過酸化物モジュール55では、被処理ガス17に含まれる水素が酸素と再結合反応して水素が消費されて除去される。
金属過酸化物モジュール55を順次通気し、水素が除去されて水素除去部56を抜けた処理済ガス18は、さらに、筐体51の上部に設けられる排気部53から筐体51の外部へ排気される。
なお、本発明の第2の実施形態に係る水素除去装置を用いて行う水素除去方法は、水素除去装置50B,50Cを用いて、第1の水素除去方法と実質的に同様に行われるため、第1の水素除去方法の説明をもって、説明を省略する。
このように、水素除去装置50B,50Cおよび水素除去装置50B,50Cを用いた水素除去処理方法によれば、水素除去装置50Aおよび水素除去装置50Aを用いた水素除去処理方法と同様の効果を得ることができる。
また、水素除去装置50Bおよび水素除去装置50Bを用いた水素除去処理方法によれば、水素除去装置50Bの水素除去部56に形成される被処理ガス17の流路が曲りのない構造となっているので、圧力損失を低く抑えることができ、ガスの流動をよりスムーズにすることができる。
さらに、水素除去装置50Cおよび水素除去装置50Cを用いた水素除去処理方法によれば、水素除去部56への流入口が1箇所となるので、ノズル57aの数を少なくすることができるとともに、より効率的に被処理ガス17を加熱することができる。
[第3の実施形態]
図6は本発明の第3の実施形態に係る水素除去装置の一例である水素除去装置50Dの構成を示す概略図である。
水素除去装置50Dは、例えば、水素除去装置50Aに対して、被処理ガス17を吸気部52から筐体51の内部に導く入口配管71と処理済ガス18を排気部53から筐体51の外部へ排気して原子炉格納容器内に戻す出口配管72との間で熱交換する熱交換器73をさらに具備する点で相違するが、その他の点では実質的に相違しない。そこで、本実施形態の説明では、上記相違点を中心に説明し、水素除去装置50Aと同一の構成要素には同一の符号を付して、説明を省略する。
水素除去装置50Dは、金属過酸化物モジュール55を内部に配設した筐体51に、被処理ガス17を筐体51内に導入する吸気部52と、処理済ガス18を筐体51外へ排気する排気部53とを設けるとともに、被処理ガス17を吸気部52から筐体51の内部に導く入口配管71と処理済ガス18を排気部53から筐体51の外部へ排気して原子炉格納容器内に戻す出口配管72との間で熱交換する熱交換器73を具備して構成される。
熱交換器73は、出口配管72を流動する処理済ガス18から熱を奪って処理済ガス18を冷却するとともに、入口配管71を流動する被処理ガス17に熱を与えて被処理ガス17を加熱する。
このように構成される水素除去装置50Dでは、まず、被処理ガス17が吸気部52から水素除去装置50D内に導入される前に、熱交換器73が出口配管72を流動する処理済ガス18から熱を奪って処理済ガス18を冷却するとともに、入口配管71を流動する被処理ガス17に熱を与えて被処理ガス17を加熱する。
加熱された被処理ガス17は、吸気部52から水素除去装置50Dの内部に導入され、筐体51の下方から金属過酸化物モジュール55が配設された水素除去部56に導かれる。水素除去部56では、金属過酸化物モジュール55によって、被処理ガス17に含まれる水素との再結合反応が生じて水素が消費されて除去される。水素除去部56を抜けた処理済ガス18は、さらに、筐体51の上部に設けられる排気部53から筐体51の外部へ排気される。
なお、上述した水素除去装置50Dは、水素除去装置50Aに熱交換器73を追設した構成であるが、水素除去装置50Dは、水素除去装置50B,50Cに熱交換器73を追設した構成でも良い。
次に、本発明の第3の実施形態に係る水素除去装置を用いて行う水素除去方法(以下、「第3の水素除去方法」と称する。)について説明する。
第3の水素除去方法は、例えば、水素除去装置50Dを用いて行われ、第1の水素除去方法に対して、被処理ガス17を水素除去部56に導く前に、熱交換器73によって被処理ガス17と熱交換(加熱)する熱交換ステップをさらに具備する点で相違するが、その他の点は第1の水素除去方法の説明と同様であるため、相違する熱交換ステップを中心に説明する。
熱交換ステップでは、熱交換器73が出口配管72を流動する処理済ガス18から熱を奪って処理済ガス18を冷却するとともに、入口配管71を流動する被処理ガス17に熱を与えて被処理ガス17を加熱する。
また、第3の水素除去方法では、水素除去装置50Dに配設される全ての金属過酸化物モジュール55が反応を行い、出口配管72の温度が300℃程度に加熱された時点で、空気供給装置57を停止して金属過酸化物モジュール55への空気等の供給を停止する。空気供給装置57を停止しても、処理済ガス18の熱(廃熱)を利用して水素除去装置50Dに流入するガス温度を200℃程度に加熱することができるため、水素除去装置50Dでの反応を順調に進めることができる。
このように、水素除去装置50Dおよび水素除去装置50Dを用いた水素除去処理方法によれば、水素除去装置50Aおよび水素除去装置50Aを用いた水素除去処理方法と同様の効果を得ることができるだけでなく、廃熱を利用して水素除去装置50Dに流入するガス温度を反応進行に十分な温度に加熱することができる。
以上、水素除去装置50A〜50Dおよび水素除去装置50A〜50Dを用いて行う水素除去方法によれば、金属過酸化物を用いるため、外部の酸素を必要とすることなく被処理ガス17から水素を除去することができる。すなわち、酸素濃度が低く再結合反応が生じにくい低酸素状態下においても、被処理ガス17に含有する水素の除去をよりスムーズに開始できる。
また、水素除去装置50A〜50Dおよび水素除去装置50A〜50Dを用いて行う水素除去方法によれば、被処理ガス17が常温程度で装置内に吸気される場合にも、流動する過程で被処理ガス17が加熱されるので反応速度を増加させることができる。
さらに、水素除去装置50A〜50Dおよび水素除去装置50A〜50Dを用いて行う水素除去方法によれば、外気が外壁流路59を自然に通風することによって、筐体51の表面が空冷され、過度な温度上昇を抑えることができる。
さらにまた、水素除去装置50A〜50Dおよび水素除去装置50A〜50Dを用いて行う水素除去方法によれば、再結合反応により水素を消費して水素を除去するので、吸蔵量が高々その合金重量の数%程度にすぎない水素吸蔵合金を利用する場合よりも効率良く水素を除去することができる。
また、水素除去装置50Bおよび水素除去装置50Bを用いた水素除去処理方法によれば、水素除去装置50Bの水素除去部56に形成される被処理ガス17の流路が曲りのない構造となっているので、圧力損失を低く抑えることができ、ガスの流動をよりスムーズにすることができる。
さらに、水素除去装置50Cおよび水素除去装置50Cを用いた水素除去処理方法によれば、水素除去部56への流入口が1箇所となるので、ノズル57aの数を少なくすることができるとともに、より効率的に被処理ガス17を加熱することができる。
さらにまた、水素除去装置50Dおよび水素除去装置50Dを用いた水素除去処理方法によれば、廃熱を利用して水素除去装置50Dに流入するガス温度を反応進行に十分な温度に加熱することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、各実施形態においては、金属過酸化物を有した金属過酸化物モジュールを用いるものとして説明したが、金属過酸化物に代えて、例えば酸化銅(CuO)等の金属酸化物を用いることもできる。すなわち、金属過酸化物モジュールに代えて、金属酸化物を有する金属酸化物モジュールを用いることもできる。
金属酸化物を用いる場合にも、金属酸化物に含まれるOと水素ガスが結合して水を生成することでき、水素を除去することができる。なお、金属酸化物として他には、例えば過酸化マンガン(Mn)、酸化コバルト(Co)、等を用いることができる。
1…原子炉格納容器、2…炉心、3…原子炉圧力容器、4…生体遮蔽壁、5…上部ドライウェル、6…下部ドライウェル、7…ウェットウェル、8…ベント管、9…サプレッションプール、10…従来の可燃性ガス濃度制御装置、11…主蒸気管、12…安全弁、13…真空破壊弁、14…再結合器、15…ブロア、17…被処理ガス、18…処理済ガス、50A〜50D…水素除去装置、51…筐体、52…吸気部、53…排気部、54…仕切板、55(55A〜55I)…金属過酸化物モジュール、56…水素除去部、57…空気供給装置、57a…ノズル、57b…ヘッダ、58…外筒、59…外壁流路、61…ドレン配管、63,66…中空容器、63a,66a…多孔面、63b,66b…無孔面、64…金属過酸化物片、65…中空部、68…多孔支持板、69…円環状支持板、71…入口配管、72…出口配管、73…熱交換器。

Claims (11)

  1. 処理するガスを導入して前記ガスに含まれる水素を酸化させて除去する原子炉格納容器の水素除去装置において、
    前記ガスを通気させて前記ガスと内蔵する金属酸化物とを反応させ、前記ガスに含まれる水素を酸化させて除去する水素除去部と、
    前記水素除去部から排気される前の前記ガスを加熱する加熱手段と、を具備し、
    前記水素除去部は、前記ガスを内部に吸気する開口部である吸気部と、前記ガスを内部から排気する開口部である排気部とを備え、前記吸気部は下部に、前記排気部は上部に設けられる筐体の内部であって、前記吸気部よりも上方かつ前記排気部よりも下方に配設されることを特徴とする水素除去装置。
  2. 前記金属酸化物は、通気可能な容器に前記金属過酸化物片を収容して構成される金属酸化物モジュールであることを特徴とする請求項1記載の水素除去装置。
  3. 前記金属酸化物モジュールは、前記容器内に前記金属酸化物片とともに前記酸素と反応して発熱する発熱体が収容されて構成されており、
    前記加熱手段は、前記金属酸化物モジュールに空気または酸素を供給する空気供給装置と、前記金属酸化物モジュールに収容される前記発熱体とを備えて構成されることを特徴とする請求項2記載の水素除去装置。
  4. 前記加熱手段は、通電状態と非通電状態とを切り替えることで加熱と加熱停止とを切り替え自在な電気ヒータを備えて構成されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の水素除去装置。
  5. 前記筐体内の前記吸気部と前記排気部との間の空間を区分けする隔壁を設け、前記隔壁間を前記ガスが流動するガス流路とし、前記ガス流路内に前記金属酸化物が配設されて構成されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の水素除去装置。
  6. 前記隔壁は、上下に間隔を隔てて水平に配設される仕切板であり、
    この仕切板は、一端が前記筐体の互いに向き合う側壁に互い違いに固定されるとともに、他端が前記側壁との間に隙間を開けた状態で配設されることを特徴とする請求項5記載の水素除去装置。
  7. 前記隔壁は、中心軸を同一とした直径の異なる複数の上下が開放した円筒状に配設されることを特徴とする請求項5記載の水素除去装置。
  8. 前記隔壁は、前記円筒状に配設された円筒状隔壁の上面を円板で塞ぐとともに、下面を中心部が開口した円環板で塞いで構成され、前記円筒状隔壁を多孔状または網目状に形成されることを特徴とする請求項7記載の水素除去装置。
  9. 前記隔壁は、金属酸化物モジュールの無孔面であることを特徴とする請求項5記載の水素除去装置。
  10. 前記筐体の外表面に前記外表面の一部を覆うように外筒をさらに設置し、前記筐体と前記外筒との間を通風可能に構成したことを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の水素除去装置。
  11. 前記ガスを前記吸気部に導く入口配管の熱と前記排気部から排気される前記ガスが通気する出口配管の熱とを熱交換する熱交換器をさらに具備することを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の水素除去装置。
JP2012264661A 2012-12-03 2012-12-03 水素除去装置 Active JP6034165B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012264661A JP6034165B2 (ja) 2012-12-03 2012-12-03 水素除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012264661A JP6034165B2 (ja) 2012-12-03 2012-12-03 水素除去装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014109522A true JP2014109522A (ja) 2014-06-12
JP6034165B2 JP6034165B2 (ja) 2016-11-30

Family

ID=51030232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012264661A Active JP6034165B2 (ja) 2012-12-03 2012-12-03 水素除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6034165B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015187553A (ja) * 2014-03-26 2015-10-29 株式会社東芝 水素処理装置
JP2016008839A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 株式会社東芝 原子炉施設
JP2016138865A (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 株式会社東芝 ガス漏洩検知装置
JP2017058175A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 株式会社東芝 水素処理設備及び方法
JP2018146460A (ja) * 2017-03-08 2018-09-20 株式会社東芝 水素除去装置
JP2019051518A (ja) * 2018-12-19 2019-04-04 東芝エネルギーシステムズ株式会社 水素処理装置
JP2020041834A (ja) * 2018-09-06 2020-03-19 東芝エネルギーシステムズ株式会社 水素処理システム、原子炉施設および水素処理方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102390659B1 (ko) * 2020-04-10 2022-04-26 한국수력원자력 주식회사 원자로 건물의 피동 안전 시스템

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5231968A (en) * 1975-09-08 1977-03-10 Babcock Hitachi Kk Fixed bed catalytic reactor
JPS5395179A (en) * 1977-01-31 1978-08-19 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd Catalytic reactor
JPS53142698U (ja) * 1977-04-15 1978-11-10
JPS5772098A (en) * 1980-08-20 1982-05-06 Babcock Brown Boveri Reaktor Device for removing hydrogen gas from reactor container of atomic power plant
JPS6064618A (ja) * 1983-09-20 1985-04-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 固気接触反応装置
JPH0772293A (ja) * 1993-05-21 1995-03-17 General Electric Co <Ge> 接触反応器カートリッジ
JPH0850196A (ja) * 1994-08-04 1996-02-20 Fuji Electric Co Ltd 使用済燃料輸送容器の遮へい及び冷却装置
JP2000009873A (ja) * 1998-06-22 2000-01-14 Toshiba Corp 原子炉格納容器内水素処理設備
JP2000098075A (ja) * 1998-07-23 2000-04-07 Toshiba Corp 可燃性ガス除去装置
JP2004502280A (ja) * 2000-06-28 2004-01-22 ザ ジレット カンパニー 水素再結合触媒
JP2007121313A (ja) * 1995-10-31 2007-05-17 Atomic Energy Of Canada Ltd 水冷却式原子炉用の受動的緊急水素減少システム
JP2011230064A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 水素及び酸素の再結合触媒、再結合装置及び原子力プラント
JP2012083226A (ja) * 2010-10-12 2012-04-26 Toshiba Corp 水素除去装置及び方法

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5231968A (en) * 1975-09-08 1977-03-10 Babcock Hitachi Kk Fixed bed catalytic reactor
JPS5395179A (en) * 1977-01-31 1978-08-19 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd Catalytic reactor
JPS53142698U (ja) * 1977-04-15 1978-11-10
JPS5772098A (en) * 1980-08-20 1982-05-06 Babcock Brown Boveri Reaktor Device for removing hydrogen gas from reactor container of atomic power plant
JPS6064618A (ja) * 1983-09-20 1985-04-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 固気接触反応装置
JPH0772293A (ja) * 1993-05-21 1995-03-17 General Electric Co <Ge> 接触反応器カートリッジ
JPH0850196A (ja) * 1994-08-04 1996-02-20 Fuji Electric Co Ltd 使用済燃料輸送容器の遮へい及び冷却装置
JP2007121313A (ja) * 1995-10-31 2007-05-17 Atomic Energy Of Canada Ltd 水冷却式原子炉用の受動的緊急水素減少システム
JP2000009873A (ja) * 1998-06-22 2000-01-14 Toshiba Corp 原子炉格納容器内水素処理設備
JP2000098075A (ja) * 1998-07-23 2000-04-07 Toshiba Corp 可燃性ガス除去装置
JP2004502280A (ja) * 2000-06-28 2004-01-22 ザ ジレット カンパニー 水素再結合触媒
JP2011230064A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 水素及び酸素の再結合触媒、再結合装置及び原子力プラント
JP2012083226A (ja) * 2010-10-12 2012-04-26 Toshiba Corp 水素除去装置及び方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015187553A (ja) * 2014-03-26 2015-10-29 株式会社東芝 水素処理装置
JP2016008839A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 株式会社東芝 原子炉施設
JP2016138865A (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 株式会社東芝 ガス漏洩検知装置
JP2017058175A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 株式会社東芝 水素処理設備及び方法
JP2018146460A (ja) * 2017-03-08 2018-09-20 株式会社東芝 水素除去装置
JP2020041834A (ja) * 2018-09-06 2020-03-19 東芝エネルギーシステムズ株式会社 水素処理システム、原子炉施設および水素処理方法
JP2019051518A (ja) * 2018-12-19 2019-04-04 東芝エネルギーシステムズ株式会社 水素処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6034165B2 (ja) 2016-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6034165B2 (ja) 水素除去装置
CN2901504Y (zh) 一种无须外部提供能源的氢与氧复合装置
JP6071493B2 (ja) 水素除去装置
JP2015102514A (ja) 水素除去装置
KR20180077217A (ko) 냉간 셧다운을 위한 수동 냉각
JP2013170883A (ja) 加圧抑制システム、原子炉施設および加圧抑制方法
EP2704153B1 (en) Gas treatment equipment of nuclear power plant
KR20150046005A (ko) 수소 재결합기
JP2012233729A (ja) 原子力発電プラント及びその運転方法
JP2020041834A (ja) 水素処理システム、原子炉施設および水素処理方法
JP2013095663A (ja) 水素発生装置
JP2019051518A (ja) 水素処理装置
JP2015230267A (ja) 水素除去装置
JP2019051519A (ja) 水素処理装置
JP2014013175A (ja) 原子力プラントの水素処理システム
JP2009069121A (ja) 原子力プラント
JP5687440B2 (ja) 原子炉格納容器除熱装置及び除熱方法
JP6180981B2 (ja) 水素処理装置
JP2014020997A (ja) 原子炉格納容器の水素除去装置及び水素除去方法
KR20170042511A (ko) 폐연료 저장 래크
JP2012083226A (ja) 水素除去装置及び方法
JP4212222B2 (ja) 水素除去装置
JP5989529B2 (ja) 水素除去装置
JP2006322768A (ja) 原子炉格納容器の水素除去装置及びその除去方法
JP2013246100A (ja) 水素処理装置および水素処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150715

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161027

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6034165

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151