JP2014109366A - 充填材受け具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一片の受け部12aを充填材受け具10から切除し、切除した後の充填材受け具10において、切除した受け部12aを挟む両受け部12aを互いに近接させるように近付ける。すると、一片の受け部12aが切除されている分、受け部12aが切除された後の受け具本体11の外径が、受け部12aが切除される前の受け具本体11の外径よりも小さくなる。これにより、貫通孔の孔径よりも充填材受け具10の外径が大きい場合には、受け部12aを近接させるだけで充填材受け具10の外径を調節することができる。よって、貫通孔の孔径毎に充填材受け具を用意する必要がなくなるので、充填材受け具10の利便性を向上させ、かつコストを削減することができる。
【選択図】図4
Description
以下、充填材受け具を具体化した第1の実施形態を図1〜図5に従って説明する。
まず、防火区画体としての中空壁Wについて説明する。
図1に示すように、充填材受け具10は円筒状に形成された受け具本体11を有する。なお、充填材受け具10は、合成樹脂材料により形成されている。
最初に、貫通孔Wbの孔径よりも受け具本体11の外径が僅かに短い場合における貫通孔Wbの耐火構造について説明する。なお、「貫通孔Wbの孔径よりも受け具本体11の外径が僅かに短い」とは、以下のような長さ関係を指す。すなわち、充填材受け具10を貫通孔Wb内に挿入したときに、充填材受け具10の外周長が貫通孔の内周長よりも僅かに小さい程度であって、かつ分断部15に隣接する両受け部12a間に、熱膨張性耐火充填材20が漏れ出すほどの大きな隙間が形成されることのない程度の長さ関係を指す。
まず、貫通孔Wbに電線管Pを挿通する。このとき、貫通孔Wbの孔径(第1径L1)よりも受け具本体11の外径が僅かに短い場合、一片の受け部12aを充填材受け具10から切除しない。一方、貫通孔Wbの孔径(第2径L2(<第1径L1))よりも受け具本体11の外径が長い場合、分断部15を挟む一対の受け部12aのうち一方の受け部12aを充填材受け具10から切除する。そして、受け部12aを切除したことで生じた空間を閉じるように、薄肉部16aを支点として、切除した受け部12aを挟む両受け部12aの端部同士を互いに近付けて接触させ、受け部12aが電線管Pを取り囲むべく、受け具本体11の外径を縮径変形させる。
受け具本体11の外径が貫通孔Wbの孔径(第2径L2)よりも長い場合、受け具本体11を貫通孔Wbに挿入させようとしても、受け具本体11を貫通孔Wbに挿入することは不可能である。そこで、受け具本体11の外径を貫通孔Wbの孔径に合わせて縮径変形する。
(1)充填材受け部12において、該充填材受け部12を複数の受け部12aに分割可能な複数の隙間14を形成した。そして、分断部15の分断縁15aを構成する充填材受け部12、延設部16及びフランジ18のうち、一方の分断縁15a側の充填材受け部12、延設部16(第1延設部16b)及びフランジ18を切除し、その後、隣接する受け部12aを近接させることで充填材受け具10が縮径変形される。これにより、貫通孔Wbの孔径よりも充填材受け具10の外径が大きい場合には、受け部12aを近接させるだけで充填材受け具10の外径を調節することができる。よって、貫通孔Wbの孔径毎に充填材受け具を用意する必要がなくなるので、充填材受け具10の利便性を向上させ、かつコストを削減することができる。
次に、充填材受け具を具体化した第2の実施形態を図6にしたがって説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
充填材受け具30を長手方向に亘って捲回し、延設部36同士を合わせると、充填材受け具30は円筒状をなす。この円筒状をなした充填材受け具30の外径が貫通孔Wbの孔径(第1径L1)よりも僅かに短い場合、充填材受け具30の外径を変形させる必要がない。したがって、受け具本体31を受け部32a側から貫通孔Wbに挿入すると、フランジ38を残して受け具本体31全体が貫通孔Wbに挿入されることになる。
(13)充填材受け具30を帯状に形成したことで、貫通孔Wbの孔径に合わせて充填材受け具30から必要長を切り出し、切除後の充填材受け具30を環状に形成するだけで、貫通孔Wbの孔径に合った充填材受け具30を形成することができるため、貫通孔Wbの孔径に合わせた加工が行い易い。
○各実施形態において、充填材受け具自体を熱膨張性材料で形成しても良い。
○各実施形態において、壁材Waに形成される貫通孔Wbは、コアドリルを用いて穿孔しても良い。また、ボイド管をコンクリート射体に埋設して貫通孔Wbを形成しても良い。
○各実施形態において、切除される受け部と連結している受け具本体から延設される箇所にはフランジを形成しなくても良い。
○第1の実施形態において、図9に示すように、受け部12aの近接箇所とその他の受け部12aを貫通孔Wb内において同一平面上に配置することができるのであれば、受け部12aを充填材受け具から除去しなくても良い。例えば、充填材受け具において分断部15を挟む一対の受け部12aのうち一方を他方よりも軸方向にずらすなどして、充填材受け具の外径を縮径変形させた際に、一対の受け部12aのうち一方が他方の下に潜り込むようにしても良い。図9では、重合する下側の受け部12aが下がる一方で、重合する上側の受け部12aの上面が、その他の受け部12aの上面と略同一平面上をなすようにずらしており、熱膨張性耐火充填材20の充填空間の高さが確保されている。また、重合する受け部12aのうち一方の受け部12aを折り曲げ可能としても良い。また、受け部12a同士を重合させても重合箇所とその他の受け部12aとが略同一平面上に位置するよう、重合する受け部12aのうち一方の受け部12aをさらに薄板状に形成しても良い。この例では、分断部15の分断縁15aを構成する受け部12のうち他方の受け部12には延設部16が設けられていないが、上側の受け部12aは、下側の受け部12aによって支えられているので、熱膨張性耐火充填材20を受ける際に、貫通孔Wbの奥方に逃げるように撓み変形するのを防止することができる。
○第1の実施形態では、円筒状の受け具本体11を二分し、二分した受け具本体を組み付けて形成されるものに具体化しても良い。
○各実施形態では、受け部を弾性変形可能な扇形状又は三角形状に形成したが、受け部は弾性変形しないものであっても良く、例えば、受け部は、半円状や台形をなす底板であっても良い。また、受け部の先端側は、挿通する配線・配管材の形状に合わせて切除しても良い。
○図10に示すように、一対の貫通孔Wbのうちいずれか一方の貫通孔Wbに充填材受け具及び熱膨張性耐火充填材20を設けて耐火構造を形成しても良い。
○各実施形態において、壁材Waに形成した貫通孔Wbにスリーブを設置し、該スリーブ内に充填材受け具を配置するようにしても良い。この場合、スリーブが貫通部となる。なお、壁材Waからスリーブの端部が突出するように設置しても良い。この場合、スリーブの端面が貫通部の貫通部縁として機能し、充填材受け部の掛止部が貫通部縁に掛け止められることになる。
(イ)建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部内に配置され、前記貫通部に挿通された配線・配管材の外面と前記貫通部の内面との間に充填される充填材を受ける充填材受け具であって、スリットにより分割される複数の薄板状の受け片を有する充填材受け部と、貫通部縁に掛止する掛止部と、前記充填材受け部と前記掛止部とを繋ぐ延設部と、を備えるとともに、前記複数の受け片が環状に配置されるとともに、前記環状から分断し、離間することで内部に前記配線・配管材を受け入れる受入部を形成可能とする分断部を備え、前記分断部を開くように変形させることで前記配線・配管材を内部に受け入れ可能であって、分割後の受け片において前記分断部を閉じるように変形させることで前記配線・配管材を取り囲むべく変形可能であるとともに、前記分断部を閉じた際の環状の周長よりも小さい周長で前記配線・配管材を取り囲むべくその全体が縮径変形可能であり、縮径変形により隣接する受け片を重合する位置で前記分断部を閉じた際に、各受け片の少なくとも一方の協働により重合箇所に前記充填材受け部が形成されるとともに、前記重合箇所の受け片とその他の受け片は、前記貫通部内において略同一平面上に配置される充填材受け具。
Claims (6)
- 建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部内に配置され、前記貫通部に挿通された配線・配管材の外面と前記貫通部の内面との間に充填される充填材を受ける充填材受け具であって、
スリットにより分割される複数の薄板状の受け片を有する充填材受け部と、貫通部縁に掛止する掛止部と、前記充填材受け部と前記掛止部とを繋ぐ延設部と、を備えるとともに、
前記複数の受け片が環状に配置されるとともに、前記環状から分断し、離間することで内部に前記配線・配管材を受け入れる受入部を形成可能とする分断部を備え、
全体を環状とすることで、第1径の貫通部内に配置可能である一方で、
前記第1径の貫通部よりも小径の第2径の貫通部内にも配置可能とすべく、前記分断部の分断縁を構成する前記充填材受け部、前記掛止部、及び前記延設部のうち少なくとも1つは、
前記分断部の分断両端部を近接させた状態若しくは前記分断両断部を重合させた状態から、さらに重合関係となる位置まで重合可能に構成、又は前記分断部の分断両端部のうち少なくとも一方側の端部近傍が切除可能に構成されて縮径変形可能に構成されている充填材受け具。 - 前記延設部は、細幅に複数形成されており、
少なくとも分断部近傍に立設された第1延設部と、
前記分断部に隣接する分断両端部のうち少なくとも一方側の受け片と前記スリットを挟んで形成された隣接受け片のスリット近傍であって該隣接受け片側に第2延設部と、がそれぞれ立設している請求項1に記載の充填材受け具。 - 前記分断部の両端部近傍に前記第1延設部がそれぞれ形成され、前記第1延設部同士を当接又は近接させることで前記第1径の貫通部の内周長となる外周長を有し、前記第2延設部が立設する近傍のスリットを境に、前記第2延設部に隣接する一方側の受け片を切除して前記第2延設部を分断縁の一方側とし、前記第2延設部を互いに当接又は近接させることで外周長が前記第2径の貫通部の内周長となる請求項2に記載の充填材受け具。
- 建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部内に配置され、前記貫通部に挿通された配線・配管材の外面と前記貫通部の内面との間に充填される充填材を受ける充填材受け具であって、
前記充填材受け具は、屈曲変形可能な帯状に形成されるとともに、
複数の薄板状の受け片と、複数の受け片を連結する連結部とから構成される充填材受け部と、貫通部縁に掛止する掛止部と、前記充填材受け部と前記掛止部とを繋ぐ延設部と、を備え、
前記充填材受け具を環状形成した際にその周長を調整して前記貫通部内に挿通可能とすべく前記連結部を切断可能とした充填材受け具。 - 前記延設部は、細幅に形成されるとともに、前記受け片において、前記受け片の並び方向両側であって隣り合う受け片を跨がない位置に設けられ、前記受け片に設けられた2つの延設部は、互いの間に前記充填材を外方に臨ませる連通孔を形成するように離間して設けられている請求項4に記載の充填材受け具。
- 隣接する前記受け片同士は、重合方向に対向する面が互いに接するように撓み、各受け片が略同一平面上に配置されて、前記充填材の充填空間を維持する請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の充填材受け具。
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