JP2014005910A - 耐火処理具及び貫通部の耐火構造 - Google Patents

耐火処理具及び貫通部の耐火構造 Download PDF

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Abstract

【課題】熱膨張性材料の使用量を減らして製造コストを抑えることができる耐火処理具及び貫通部の耐火構造を提供すること。
【解決手段】耐火処理具11は、建築物の防火区画床Wを厚み方向に貫通して形成された貫通孔Waに挿入されるとともに、ケーブルPが挿通されるものである。耐火処理具11の耐火具本体12は、自身で形状を維持可能で、かつ非熱膨張性及び耐火性を有する非金属材料からなり、ケーブルPが貫通可能な挿通部13を有する筒状に形成されている。また、耐火処理具11は、ケーブルPの外面と耐火具本体12の内面との間に配置される熱膨張性材料よりなる耐火材21を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部に挿入されるとともに、配線・配管材が挿通される耐火処理具及び貫通部の耐火構造に関する。
従来より、建築物における防火区画壁(防火区画体)に配線・配管材を貫通させる場合、この防火区画壁の貫通部には耐火構造が設けられる(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の防火処理構造(耐火構造)において、防火区画壁を厚み方向に貫通する貫通孔内には、防火処理具が設置されている。この防火処理具は、熱膨張性ゴムから円筒状に形成された処理具本体と、この処理具本体の内側に設けられる熱膨張性パテと、からなる。そして、火災等が発生すると、処理具本体及び熱膨張性パテは火災等の熱によって膨張し、配線・配管材が焼失することで形成された空隙を閉塞する。
特開2011−117574号公報
ところが、特許文献1に開示のように、防火処理具においては、貫通孔に配線・配管材が挿通された状態で、この配線・配管材の外周面と貫通孔の内周面との間隙に処理具本体が挿入される。このため、処理具本体が挿入できるように、貫通孔は十分余裕を持って形成されている。したがって、処理具本体は、貫通孔を配線・配管材とともに閉塞する大きさに形成する必要があり、防火処理具が大型化して製造コストが嵩んでしまっている。また、防火処理具は、処理具本体及び熱膨張性パテ共に熱膨張性材料からなるため、防火処理具のコストが嵩んでしまっていた。
本発明は、熱膨張性材料の使用量を減らして製造コストを抑えることができる耐火処理具及び貫通部の耐火構造を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部に挿入されるとともに、配線・配管材が挿通される耐火処理具であって、自身で形状を維持可能で、かつ非熱膨張性及び耐火性を有する非金属材料からなり、前記配線・配管材が貫通可能な挿通部を有する筒状に形成されるとともに、前記貫通部内に挿入される耐火具本体と、前記配線・配管材の外面と前記耐火具本体の内面との間に配置される熱膨張性材料よりなる耐火材と、からなることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の耐火処理具において、前記耐火材は、前記耐火具本体の内面に予め設けられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の耐火処理具において、前記耐火具本体は、前記挿通部を閉塞する複数の舌片を備え、前記耐火材は前記舌片に予め設けられていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の耐火処理具において、前記耐火材は、前記耐火具本体の内面と前記配線・配管材の外面との間を閉塞するように充填されることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の耐火処理具において、前記耐火具本体は、耐火性を有するゴムで形成されていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の耐火処理具において、前記耐火具本体には、前記防火区画体における前記貫通部の周縁に当接するフランジ部が形成されていることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部に配線・配管材が挿入され、該貫通部の内面と前記配線・配管材の外面との間に耐火処理具が配設されてなる貫通部の耐火構造であって、前記貫通部には、自身で形状を維持可能で、かつ非熱膨張性及び耐火性を有する非金属材料からなり、前記配線・配管材が貫通可能な挿通部を有する筒状に形成された耐火処理具が挿入されるとともに、前記配線・配管材の外面と前記耐火処理具の内面との間には熱膨張性材料よりなる耐火材が配置されていることを要旨とする。
本発明によれば、熱膨張性材料の使用量を減らして製造コストを抑えることができる。
実施形態の貫通部の耐火構造を示す断面図。 (a)は実施形態の耐火処理具を舌片側から示す斜視図、(b)は耐火処理具における挿通部内を示す図。 耐火処理具をケーブルに装着する前の状態を示す斜視図。 耐火処理具を床に設置した状態を示す斜視図。 貫通部の耐火構造の作用を示す断面図。 耐火処理具の別例を示す断面図。 貫通部の耐火構造の別例を示す断面図。
以下、本発明を具体化した耐火処理具及び貫通部の耐火構造の一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
まず、防火区画体としての防火区画床Wについて説明する。
図1に示すように、防火区画床Wはコンクリート製であるとともに、防火区画床Wには、配線・配管材としてのケーブルPを防火区画床Wの厚み方向に貫通させるための円孔状の貫通孔Waが形成されている。そして、本実施形態では、貫通孔Waそのものによって貫通部が形成されている。また、防火区画床Wの上側にはフロア板Fが設置されるとともに、防火区画床Wの下側には天井板Tが設置され、防火区画床Wはフロア板Fと天井板Tに挟まれている。
次に、防火区画床Wにおける貫通部の耐火構造を形成するため、貫通孔Waに装着される耐火処理具11について説明する。
図1、図2(a)及び図2(b)に示すように、耐火処理具11は、耐熱ゴムによって有蓋円筒状に形成された耐火具本体12を備える。なお、耐熱ゴムは非熱膨張性及び耐火性を有する材料である。よって、耐火具本体12は、火炎によって焼失することはないが、熱によって加熱されても膨張しない。そして、耐火具本体12は、耐熱ゴム自身により円筒状を維持している。
耐火具本体12内には、耐火具本体12の軸方向へ延びる挿通部13が形成されている。この挿通部13は、耐火具本体12の軸方向に沿って一定の孔径で延びるように形成されている。耐火具本体12は、軸方向一端に挿通部13を閉塞する蓋部14を備える。そして、挿通部13は、耐火具本体12の軸方向他端で開口されている。
図2(b)に示すように、蓋部14は、耐火具本体12の内周面に一体形成された薄板状をなす。蓋部14の内面には、複数の分割溝14aが蓋部14の周方向へ等間隔おきに形成されるとともに、蓋部14の径方向へ延びるように形成されている。蓋部14において、分割溝14aが形成された部位は、その他の部位より薄くなっている。また、蓋部14の中心では、全ての分割溝14aが交わっている。
図4に示すように、蓋部14の中心にケーブルPが差し込まれると、蓋部14は、分割溝14aに沿って扇形状に分割されて複数の舌片14cが形成されるようになっている。各舌片14cはゴム弾性を有しているとともに、舌片14cの基端側を基点として挿通部13内又は蓋部14外へ向けて変形可能になっている。
図2(b)に示すように、蓋部14の内面には耐火材21が貼着されている。耐火材21は、分割溝14a及び耐火具本体12の内周面に沿って形成される舌片14cと同じ扇形状に形成されている。そして、複数の耐火材21はそれぞれ舌片14cに一枚ずつ貼着されている。図1に示すように、耐火材21は、熱膨張性耐熱ゴム(膨張黒鉛・石油ワックス混入クロロプレン系ゴム)よりなる第1層21a、及び第1層21aに貼着された熱膨張性耐熱パテ(膨張黒鉛・石油ワックス混入ブチル系ゴム)よりなる第2層21bからなる。
第1層21aの材料である、熱膨張性耐熱ゴムは、300℃以上の熱を受けると体積が加熱前の2倍以上に膨張する膨張材(膨張黒鉛)をゴムに混入し、このゴムを所定形状に成形した(成形工程を経た)ものに加硫工程を経てなるものである。なお、加硫工程とは、成形工程を経たゴムに熱を加え、加硫(架橋)反応や接着反応を起こさせ、ゴム弾性を有する製品を得る工程である。そして、耐火材21において、第1層21aは粘性を有しておらず、第2層21bは粘性を有している。このため、耐火材21は第2層21bが蓋部14の内面に貼着され、耐火処理具11は、挿通部13内に耐火材21を予め一体に備えている。
図1及び図2(a)に示すように、耐火具本体12の外周面において、軸方向中央にはフランジ部15が耐火具本体12の周方向の全周に亘って外方へ突出するように形成されている。このフランジ部15の直径は、貫通孔Waの孔径より大きく設定されている。耐火具本体12において、フランジ部15より軸方向一端側は膨出部17を形成している。この膨出部17の外径は、軸方向一端からフランジ部15に向けて徐々に拡径するように形成されている。耐火具本体12の内径は軸方向に一定に形成されているため、膨出部17の厚みは軸方向一端からフランジ部15に向けて徐々に厚くなっている。そして、フランジ部15を防火区画床Wの上面に当接した状態では、膨出部17は防火区画床Wの上面から膨出するようになっている。また、膨出部17の外周面には、軸方向一端からフランジ部15に跨る補強部16が3箇所形成されている。
耐火具本体12において、フランジ部15より軸方向他端側は挿入部18を形成しているとともに、この挿入部18よりも軸方向他端側は縮径部19を形成している。挿入部18の外径はフランジ部15から軸方向他端に向けて一定で形成されている。耐火具本体12の内径は軸方向に一定に形成されているため、挿入部18の厚みはフランジ部15から軸方向他端に向けて一定の厚さで形成されている。また、挿入部18の外径は、貫通孔Waの孔径より若干小さく設定されている。そして、挿入部18が貫通孔Waに挿入された状態では、挿入部18の外周面と貫通孔Waの内周面との間には一定の間隙Kaが区画されるようになっている。
挿入部18の外周面には耐火部材22が貼着されている。この耐火部材22は、耐火材21と同じ材料で形成されるとともに、帯状に形成されている。そして、耐火部材22は、挿入部18の全周に亘って貼着されている。
また、耐火具本体12及びフランジ部15には、耐火具本体12の軸方向全体に亘って延びるスリット20が形成されている。スリット20は、耐火具本体12の外面側及びフランジ部15の外周端と、挿通部13内とを連通するように繋ぎ、挿通部13を耐火具本体12の外側へ開口可能としている。スリット20は、複数の分割溝14aのうちの一つであり、舌片14cの形成に利用されている。また、図2(a)に示すように、スリット20は、3つの補強部16のうちの1つに形成されるとともに、スリット20が形成された補強部16に対向して、スリット20が形成されていない補強部16が形成されている。
次に、貫通部の耐火構造について説明する。
図1に示すように、防火区画床Wには耐火処理具11が設置されている。具体的には、防火区画床Wの貫通孔Waには、耐火処理具11の挿入部18が挿入されるとともに、貫通孔Waの開口縁部にフランジ部15が当接した状態で係止している。挿入部18の外周面と、貫通孔Waの内周面との間隙Kaには、挿入部18に貼着された耐火部材22が介在している。フランジ部15の裏面は、防火区画床Wの上面に密接しており、フランジ部15の裏面と防火区画床Wの上面との間に隙間が無くなり、フランジ部15がシール部材として機能している。
耐火処理具11の蓋部14にはケーブルPが挿通されるとともに、ケーブルPは蓋部14から挿通部13を貫通して耐火処理具11を軸方向に貫通している。そして、耐火処理具11を貫通したケーブルPは、防火区画床Wを厚み方向に貫通している。また、蓋部14にケーブルPが挿通されることで、分割溝14aに沿って蓋部14が複数の舌片14cに分割されている。複数の舌片14cはケーブルPに沿って挿通部13外へ向けて突出するように弾性変形している。そして、貫通孔Waは、複数の舌片14cよりなる蓋部14により閉鎖されている。なお、蓋部14の上面にはスリット20を閉鎖するように粘着テープ23が貼着されている。さらには、図1に示すように、蓋部14の上面には、弾性変形した舌片14cとケーブルPの接触部に加え、分断された分割溝14aを覆うように熱膨張性の耐火パテRが塗布される。
次に、耐火処理具11の作用について記載する。
防火区画床Wの天井板T側で火災等が発生すると、ケーブルPやその他のものの燃焼により煙が発生する。このとき、貫通孔Waは耐火処理具11及び耐火パテRによって閉鎖されるとともに、フランジ部15の裏面と防火区画床W上面との間もフランジ部15の当接によりシールされている。このため、貫通孔Waが煙の経路となることが防止され、防火区画床Wより上側(フロア板F側)へ煙が伝わる不都合がなくなる。
さらに、ケーブルPが燃焼し、火災等や燃焼により発生した熱が挿通部13内を伝播すると、耐火材21が加熱される。このとき、耐火材21は複数の舌片14cそれぞれに貼着されている。このため、挿通部13内では複数の耐火材21がほぼ同時に加熱される。よって、防火区画床Wの下側から熱が速やかに全ての耐火材21に伝わり、耐火材21が速やかに加熱される。
すると、図5に示すように、複数の耐火材21が挿通部13内に向けて膨張する。また、熱が挿入部18の外周面と貫通孔Waの内周面との間隙Kaを伝播すると、耐火部材22が加熱される。加熱された耐火材21は挿通部13の径方向及び軸方向に向けて膨張し、ケーブルPを押し潰しながら挿通部13を密封閉鎖する。また、加熱された耐火部材22は、間隙Ka内を膨張し、耐火具本体12の外周側で貫通孔Waの下側(天井板T側)に向かって膨張する。その結果、膨張した耐火材21により、挿通部13が閉塞されるとともに膨張した耐火部材22によって貫通孔Waと耐火処理具11の間が閉塞され、貫通孔Wa内が熱、煙の経路となり、防火区画床Wのフロア板F側へ熱、煙が伝わる不都合がなくなる。
次に、耐火処理具11を用いて防火区画床Wに耐火構造を設ける方法について説明する。
まず、図3に示すように、貫通孔Wa内にケーブルPを挿通し、防火区画床WにケーブルPを貫通させる。次に、耐火処理具11におけるスリット20から耐火処理具11を拡開させ、挿通部13を耐火具本体12の軸方向全体に亘って開口させる。そして、スリット20を介して挿通部13内にケーブルPを収容するとともに耐火具本体12を閉じる。すると、ケーブルPの外面側に耐火処理具11が装着される。このとき、蓋部14が複数の舌片14cに分割される。
続いて、耐火処理具11をケーブルPの軸方向に沿うように貫通孔Waに向けてスライド移動させ、図4に示すように、耐火処理具11における挿入部18を貫通孔Wa内に挿入する。ここで、挿入部18の外径は、貫通孔Waの孔径より若干小さく形成されている。このため、挿入部18を簡単に貫通孔Waに挿入することができる。また、挿入部18を貫通孔Waに挿入すると同時に、貫通孔Waと挿入部18の間に間隙Kaが区画されるとともに、この間隙Kaに耐火部材22が配置される。そして、フランジ部15の裏面を防火区画床Wの上面における貫通孔Waの周縁に当接させ、係止させると、耐火処理具11の貫通孔Wa内へのそれ以上の入り込みが防止される。その結果、フランジ部15によって耐火処理具11が防火区画床Wに支持されるとともに、貫通孔Waに耐火処理具11が設置される。そして、蓋部14の上面に粘着テープ23を貼着してスリット20を蓋部14の外面側から閉塞するとともに、耐火パテRを塗布して舌片14cとケーブルPとの接触部及び分割溝14aを閉塞する。その結果、耐火処理具11によって貫通部の耐火構造が形成される。
また、上記のようにケーブルPに沿って耐火処理具11をスライド移動させて耐火処理具11を設置すると、複数の舌片14cはケーブルPに沿って挿通部13外へ向けて突出するように変形する。すると、図1に示すように、耐火処理具11の挿通部13は、上側から舌片14cによって閉鎖されている。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)貫通部の耐火構造を形成する耐火処理具11を、耐熱ゴム製の耐火具本体12と、熱膨張性材料の耐火材21で形成した。このため、耐火具本体12と耐火材21の両方を熱膨張性材料で形成する場合と比べると、耐火処理具11に用いられる熱膨張性材料を減らして製造コストを抑えることができる。
(2)耐火処理具11は、耐火具本体12と、耐火具本体12の内面に予め一体化された耐火材21とから形成されている。このため、耐火処理具11を貫通孔Waに設置するだけで、貫通孔Waを閉鎖することができるとともに、耐火材21を貫通孔Waに設置することができ、貫通部の耐火構造を簡単に形成することができる。
(3)耐火具本体12を耐熱ゴムで形成した。このため、耐火具本体12を弾性変形させることができる。したがって、ケーブルPの外側に耐火処理具11を装着するとき、スリット20から耐火具本体12を拡開(弾性変形)させることができ、耐火処理具11をケーブルPに装着する作業を簡単に行うことができる。
(4)貫通孔Waを閉塞する耐火具本体として、金属材料で形成することが考えられる。この耐火具本体をケーブルPの外側から装着可能にするには、半筒状に形成されたものを2つ組み合わせて円筒状に形成したものが考えられる。しかし、金属材料で形成しても、部材を2つ必要とし、しかも、組み付け作業が必要になり、耐火処理具の製造コストが嵩んでしまう。よって、耐火具本体12を耐熱ゴムで一体形成し、スリット20から拡開できるように弾性変形可能にすることで、耐火処理具11の製造コストを抑えることができる。
(5)耐火具本体12の膨出部17には補強部16が形成されている。そして、スリット20は、1つの補強部16に跨るように形成されるとともに、そのスリット20の延長線上にはスリット20が形成されていない補強部16が位置している。このため、スリット20から耐火具本体12を拡開させたとき、スリット20の形成されていない補強部16によって耐火具本体12が拡開し過ぎることを防止することができる。その結果、耐火具本体12が拡開し過ぎて2つに分断されてしまうことを防止することができる。
(6)耐火具本体12の蓋部14には粘着テープ23が貼着され、この粘着テープ23によってスリット20が蓋部14の外側から閉塞される。さらに、舌片14cとケーブルPの接触部及び分断された分割溝14aを覆うように耐火パテRが塗布される。このため、耐火具本体12の挿通部13に煙が侵入しても、スリット20、舌片14cとケーブルPとの接触部、及び分割溝14aから煙が漏れることを防止することができる。
(7)耐火具本体12において、貫通孔Waに挿入される挿入部18の外周面に耐火部材22を貼着した。このため、挿入部18を貫通孔Waに挿入するだけで耐火具本体12の外周面と貫通孔Waの内周面との間の間隙Kaに耐火部材22を配置することができ、耐火構造の形成を簡易化することができる。
(8)耐火具本体12において、貫通孔Waに挿入される挿入部18の外周面に耐火部材22を貼着した。このため、耐火具本体12(挿入部18)の外周面と貫通孔Waの内周面との間隙Kaに耐火部材22を配置することができる。よって、間隙Kaに熱が伝播すると膨張した耐火部材22により間隙Kaを閉塞することができ、耐火具本体12に設けられた耐火材21と共に貫通孔Waを閉塞することができる。
(9)蓋部14に分割溝14aを形成しておき、蓋部14にケーブルPを挿通すると分割溝14aから蓋部14が分断されて複数の舌片14cを形成することができる。各舌片14cは分断された範囲で変形してケーブルPの外周面に密接するため、蓋部14においては分断されずにすんだ分割溝14aも残り、舌片14c間からの煙の漏れを極力抑えることができる。
(10)耐火具本体12を耐熱ゴムで形成したため、挿通部13にケーブルPを挿通するため、耐火具本体12をスリット20から拡開させても、耐火具本体12は自身の弾性力によりスリット20を閉じる方向に変形する。このため、耐火具本体12の挿通部13にケーブルPが挿通されてもスリット20を可能な限り狭くしてスリット20からの煙の漏れを抑えることができる。
(11)耐火処理具11の耐火具本体12はフランジ部15を備える。このため、挿入部18を貫通孔Waに挿入すると、フランジ部15が防火区画床Wの上面に当接して耐火処理具11を防火区画床Wに支持させることができるとともに、耐火処理具11のそれ以上の移動を防止することができる。
(12)耐火処理具11の耐火具本体12はフランジ部15を備える。このため、挿入部18を貫通孔Waに挿入すると、フランジ部15が防火区画床Wの上面に当接して、防火区画床Wの上面とフランジ部15の裏面との間をシールすることができる。よって、万一、貫通孔Waの内周面と挿入部18の外周面との間から煙が漏れても、フランジ部15によって煙が防火区画床Wの上側へ漏れることを防止することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図6に示すように、耐火処理具11を防火区画体としての防火区画壁Vに設置して耐火構造を形成してもよい。防火区画壁Vを厚み方向に貫通して形成された貫通孔Vaには耐火具本体12の挿入部18が挿入される。また、耐火具本体12の挿通部13には、配管材としての電線管Zが挿通されている。電線管Zの外周面と、耐火具本体12の内周面との間に区画される隙間には、耐火材として耐熱パテ30が隙間無く充填されて隙間は閉塞されている。
このように構成しても、貫通部の耐火構造を形成する耐火処理具11を、耐熱ゴム製の耐火具本体12と、熱膨張性材料の耐熱パテ30で形成した。このため、耐火具本体12と耐熱パテ30の両方を熱膨張性材料で形成する場合と比べると、耐火処理具11に用いられる熱膨張性材料を減らして製造コストを抑えることができる。
また、耐熱パテ30を、電線管Zの外周面と、耐火具本体12の内周面との間に隙間無く充填したため、耐火処理具11内が煙や火炎の経路になることを防止することができる。
○ 耐火処理具11においてフランジ部15は無くてもよい。
○ 耐火処理具11において、耐火具本体12は非熱膨張性及び耐火性を有する非金属材料であれば、耐熱ゴム以外の材料から形成されていてもよい。このような材料として、例えば、合成樹脂材料が挙げられ、合成樹脂材料の中でも、舌片14cを弾性変形させたり、耐火具本体12を拡開可能とするために弾性変形可能な合成樹脂材料とするが好ましい。
○ 実施形態では、耐火材21を舌片14cに貼着して挿通部13内に設けたが、耐火材21を耐火具本体12の内周面に貼着して挿通部13内に設けてもよい。
○ 図7に示すように、防火区画体として、一対の壁材70の間に中空部71が区画された中空状の中空壁72において、いずれか一方の壁材70に貫通孔70aを形成し、その貫通孔70a内に耐火処理具11及び耐火材21を設けて耐火構造を形成してもよい。
又は、両方の壁材70に貫通孔70aを形成し、各貫通孔70a内に耐火処理具11及び耐火材21を設けて耐火構造を形成してもよい。
○ 防火区画体として、一対の壁材の間に中空部が区画された中空状の中空壁に貫通孔を形成し、その貫通孔内にスリーブを配設するとともに、スリーブによって貫通部を形成してもよい。そして、スリーブ内に耐火処理具11及び耐火材21を設けて耐火構造を形成してもよい。
○ 実施形態の防火区画床Wにおいて、貫通孔Waにスリーブを配設するとともに、そのスリーブによって貫通部を形成してもよい。
○ 中実状をなす防火区画体として、コンクリート壁以外の土壁等に耐火構造を形成する場合、本発明の耐火処理具11を用いてもよい。
○ 耐火材21を自身で粘着性を持たないものであってもよいく、この場合は耐火材21を舌片14cの内周面に接着剤で接着したり、粘着テープ等で接合してもよい。
○ 実施形態では、貫通孔Waを円孔状としたが、四角孔状や六角孔状の多角孔状に形成してもよく、楕円孔状であってもよい。
P…配線としてのケーブル、V…防火区画体としての防火区画壁、W…防火区画体としての防火区画床、Va,Wa,70a…貫通部としての貫通孔、Z…配管材としての電線管、11…耐火処理具、12…耐火具本体、13…挿通部、14c…舌片、15…フランジ部、21…耐火材、72…防火区画体としての中空壁。

Claims (7)

  1. 建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部に挿入されるとともに、配線・配管材が挿通される耐火処理具であって、
    自身で形状を維持可能で、かつ非熱膨張性及び耐火性を有する非金属材料からなり、前記配線・配管材が貫通可能な挿通部を有する筒状に形成されるとともに、前記貫通部内に挿入される耐火具本体と、
    前記配線・配管材の外面と前記耐火具本体の内面との間に配置される熱膨張性材料よりなる耐火材と、からなる耐火処理具。
  2. 前記耐火材は、前記耐火具本体の内面に予め設けられている請求項1に記載の耐火処理具。
  3. 前記耐火具本体は、前記挿通部を閉塞する複数の舌片を備え、前記耐火材は前記舌片に予め設けられている請求項1又は請求項2に記載の耐火処理具。
  4. 前記耐火材は、前記耐火具本体の内面と前記配線・配管材の外面との間を閉塞するように充填される請求項1に記載の耐火処理具。
  5. 前記耐火具本体は、耐火性を有するゴムで形成されている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の耐火処理具。
  6. 前記耐火具本体には、前記防火区画体における前記貫通部の周縁に当接するフランジ部が形成されている請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の耐火処理具。
  7. 建築物の防火区画体を厚み方向に貫通して形成された貫通部に配線・配管材が挿入され、該貫通部の内面と前記配線・配管材の外面との間に耐火処理具が配設されてなる貫通部の耐火構造であって、前記貫通部には、自身で形状を維持可能で、かつ非熱膨張性及び耐火性を有する非金属材料からなり、前記配線・配管材が貫通可能な挿通部を有する筒状に形成された耐火処理具が挿入されるとともに、前記配線・配管材の外面と前記耐火処理具の内面との間には熱膨張性材料よりなる耐火材が配置されている貫通部の耐火構造。
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