JP2014109075A - 産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙およびそれを用いる印刷物製造方法 - Google Patents
産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙およびそれを用いる印刷物製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】オフセット印刷などの従来の印刷機に対する印刷適性を有しつつ、産業用インクジェット印刷機の印刷速度に対応する印刷適性を有する産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙を提供することである。
【解決手段】支持体の少なくとも一方の面に顔料とバインダーを主成分とする塗工層を2層以上設けた産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙において、支持体と接する下層における顔料の少なくとも1種が平均粒子径0.1μm以上0.28μm以下の範囲である重質炭酸カルシウムであり、平均粒子径0.1μm以上0.28μm以下の重質炭酸カルシウムの下層中の含有量が下層中の総顔料100質量部に対して60質量部以上の範囲であり、且つ下層がカチオン性化合物を含有し、支持体を基準として最も外側に設けられる最外層における顔料の少なくとも1種が平均粒子径150nm以下の範囲であるコロイダルシリカであることを特徴とする産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙によって達成される。
【選択図】なし
【解決手段】支持体の少なくとも一方の面に顔料とバインダーを主成分とする塗工層を2層以上設けた産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙において、支持体と接する下層における顔料の少なくとも1種が平均粒子径0.1μm以上0.28μm以下の範囲である重質炭酸カルシウムであり、平均粒子径0.1μm以上0.28μm以下の重質炭酸カルシウムの下層中の含有量が下層中の総顔料100質量部に対して60質量部以上の範囲であり、且つ下層がカチオン性化合物を含有し、支持体を基準として最も外側に設けられる最外層における顔料の少なくとも1種が平均粒子径150nm以下の範囲であるコロイダルシリカであることを特徴とする産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙によって達成される。
【選択図】なし
Description
本発明は、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙に関する。また、本発明は、産業用インクジェット印刷機を用いて印刷物を製造する方法に関する。
インクジェット記録方式の技術が急速に進歩し、多数枚の印刷物を製造するための産業用または商業用の印刷機にインクジェット記録方式が採用され、産業用インクジェット印刷機として開示されている(例えば、特許文献1および2、非特許文献1および2参照)。これら産業用インクジェット印刷機は、例えば、大日本スクリーン製造社のTruepressJet、コダック社のProsperおよびVERSAMARK、富士フィルム社のJetPressなど名称で販売されている。
このような産業用インクジェット印刷機は、印刷諸条件に依存するものの、所謂SOHO向けインクジェットプリンターや大判プロッターに比べてカラー印刷速度が10倍〜数十倍と速く、印刷速度が15m/分以上、より高速では60m/分を超える。
産業用インクジェット印刷機は、可変情報を取り扱うことができるためにオンデマンド印刷に適応することができる。印刷業者は、固定情報をグラビア印刷機やオフセット印刷機など従来からの印刷機で印刷し、可変情報を産業用インクジェット印刷機で印刷する形態を採用する場合が多い。
しかしながら、従来のオフセット印刷用塗工紙などの印刷用塗工紙は産業用インクジェット印刷機に対する適性が不十分であり、インク定着性不足またはインク吸収容量不足によって商品として十分な画質が得られない。従来のインクジェットプリンター専用紙はオフセット印刷機など従来からの印刷機に対する適性が不十分であり、塗工層強度不足からブランケットパイリングなど印刷不良が発生して商品として十分な画質が得られない。また、従来のインクジェットプリンター専用紙は産業用インクジェット印刷機のような印刷速度を想定していないためにインク吸収速度不足または適度なインク滴拡散不足が発生し、それぞれによって画像の汚れまたはベタ印刷領域の白抜けが認められ、商品として十分な画質の印刷物が得られない場合がある。
オフセット印刷適性に優れ、且つ水性顔料インクを用いた高速インクジェットプリンターによる印刷適性も備えたハイブリッド印刷に適したグロス系印刷用顔料塗被紙として、内側顔料塗被層と最表顔料塗被層を有し、最表顔料塗被層が、顔料として平均短径0.8μm以下である軽質炭酸カルシウムと、バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、若しくはスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスおよびカゼイン、若しくはスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスおよびスチレンアクリル共重合体ラテックスとを含有し、最表顔料塗被層に水溶性多価金属塩の水溶液を塗布し、乾燥されたグロス系印刷用顔料塗被紙が開示されている(例えば、特許文献3〜6参照)。
徳増路子著「B2判印刷本紙対応インクジェット印刷機」(「印刷雑誌」、印刷学会出版部発行、2010年8月号(Vol.93)、21頁〜24頁)
宮城安利著「オフセット品質のインクジェット印刷機」(「印刷雑誌」、印刷学会出版部発行、2010年8月号(Vol.93)、25頁〜29頁)
特許文献3〜6に記載されるが如くのグロス系印刷用顔料塗被紙は、オフセット印刷機に対する印刷適性を有するものの、実際の産業用インクジェット印刷機に対して十分に検討されていないため、産業用インクジェット印刷機に対する印刷適性においてさらなる向上が求められる。さらに、産業用インクジェット印刷機で印刷された印刷物は、画質的に問題がなくとも、印刷物を手で擦るとインクが剥がれるという耐擦過性に劣る場合がある。耐擦過性に劣ると印刷物は商品として使用できない。耐擦過性は、印刷後の印刷物の取扱性に影響するために印刷速度の増大と比例して重要性が増す。
上記の問題から、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙が十分に確立されていない。特に、産業用インクジェット印刷機とオフセット印刷機などの従来の印刷機との両方に印刷適性を有する印刷用塗工紙が求められている。また、産業用インクジェット印刷機を用いて商品となり得る印刷物を製造する方法が十分に確立されていない。特に、画質に拘らないチラシ類に比べて画質を求める小冊子類、カタログ類またはパンフレット類などの商品となり得る印刷物を製造する方法が十分に確立されていない。
本発明の目的は、オフセット印刷などの従来の印刷機に対する印刷適性を有しつつ、産業用インクジェット印刷機の印刷速度に対応する印刷適性を有する産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙を提供することである。また、この印刷用塗工紙を用いて産業用インクジェット印刷機による印刷物製造方法を提供することである。
本発明の目的は、支持体の少なくとも一方の面に顔料とバインダーを主成分とする塗工層を2層以上設けた産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙において、支持体と接する下層における顔料の少なくとも1種が平均粒子径0.1μm以上0.28μm以下の範囲である重質炭酸カルシウムであり、平均粒子径0.1μm以上0.28μm以下の重質炭酸カルシウムの下層中の含有量が下層中の総顔料100質量部に対して60質量部以上の範囲であり、且つ下層がカチオン性化合物を含有し、支持体を基準として最も外側に設けられる最外層における顔料の少なくとも1種が平均粒子径150nm以下の範囲であるコロイダルシリカであることを特徴とする産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙によって達成される。
また本発明の目的は、前記の産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙を用い、印刷速度が60m/分以上である産業用インクジェット印刷機によって印刷する印刷物製造方法によって達成される。
本発明により、オフセット印刷などの従来の印刷機に対する印刷適性を有しつつ、産業用インクジェット印刷機の印刷速度に対応する印刷適性を有する産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙を提供することができる。また、産業用インクジェット印刷機を用いて商品となり得る画質および耐擦過性を有する印刷物を製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
産業用インクジェット印刷機には、用紙搬送の違いによって連続紙タイプとカット紙タイプがある。また搭載するインク種には、色材が染料である水性染料インクと色材が顔料である水性顔料インクがある。本発明において、産業用インクジェット印刷機の用紙搬送またはインク種についてはいずれでも構わない。
本発明において、産業用インクジェット印刷機の印刷速度は、60m/分以上である。これ未満の印刷速度であっても産業用インクジェット印刷が可能であるが、本発明の効果が顕著に認められる印刷速度は60m/分以上である。また、産業用という観点から生産性が重視され、生産性として60m/分以上が望まれる。カット紙タイプの場合は、印刷速度は、毎分当たりの印刷される用紙サイズから算出する。
本発明において、顔料とバインダーを主成分とするとは、各々の塗工層における顔料とバインダーとが占める割合が各々の塗工層の乾燥固形分に対して最も高い状態をいう。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙は、塗工層を2層以上有し、支持体と接する下層における顔料の少なくとも1種として平均粒子径0.1μm以上0.28μm以下の範囲の重質炭酸カルシウムを含有する。
塗工層が2層以上であることで、支持体に接する下層によってインク吸収速度やインク吸収容量を向上させることができ、支持体を基準として最も外側に設けられる最外層によって光沢感や面質を向上させることができる。特に、光沢系の産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙に好適である。塗工層は、2層以上であればよく制限はないが、製造コストや製造安定性の点から2層が好ましい。なお、本発明において、支持体に接する塗工層を下層といい、支持体を基準として最も外側に設けられる塗工層を最外層という。
本発明において、下層と最外層との間に存在する塗工層は、顔料およびバインダーを主成分とする塗工層若しくは樹脂成分を主成分とする塗工層など特に限定されない。また本発明の効果を阻害しない範囲で、支持体と下層との接着性を改善するために下層と支持体との間に下引き層を設けてもよく、また耐傷性を向上させるために最外層の上に保護層を設けてもよい。
本発明において、下層中の重質炭酸カルシウムは、産業用インクジェット印刷における画像の汚れ発生を抑制する点で粒子径1.5μm超の粒子を含有しないことが好ましい。
本発明において、平均粒子径は、単粒子の場合は単粒子の平均粒子径であり、二次粒子など凝集粒子を形成する場合は凝集粒子の平均粒子径である。重質炭酸カルシウムなどの平均粒子径は、エネルギー分散形X線分光器などの元素分析機能付走査型電子顕微鏡を用いて印刷用塗工紙の各塗工層の電子顕微鏡写真を撮影し、撮影画像の一定面積内に存在する100個から粒子を面積の近似する球形と見なして粒子径を測定し、平均粒子径を算出することができる。
平均粒子径がこれらの範囲に該当しない場合、産業用インクジェット印刷機に対する印刷適性が得られず、印刷物は商品となり得るに十分な画質を得ることができない。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙の下層は、重質炭酸カルシウム以外に従来公知の顔料を含有しても構わない。従来公知の顔料は、例えば、各種カオリン、クレー、タルク、軽質炭酸カルシウム、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、プラスチック顔料などを挙げることができる。
本発明において、下層中の本発明にかかる重質炭酸カルシウムの含有量は、下層中の総顔料100質量部に対して60質量部以上である。下層中の重質炭酸カルシウムが下層中の総顔料100質量部に対して60質量部未満であると、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙は、産業用インクジェット印刷機に対する良好な印刷適性を得ることができない。
本発明にかかる平均粒子径を有する重質炭酸カルシウムは、例えば、次に示す方法で製造することができる。先ず、天然石灰石を乾式粉砕し得られた粉体を、水または分散剤を添加した水溶液に分散させた重質炭酸カルシウムスラリーを調製する。このようにして調製した重質炭酸カルシウムスラリーを、さらに、ビーズミル等を用い湿式粉砕する。ここで、天然石灰石を直ちに湿式粉砕することもできるが、湿式粉砕に先立って予め乾式粉砕することが好ましい。乾式粉砕では、石灰石の粒子径を40mm以下、好ましくは平均粒子径を2μm以上2mm以下の程度に粉砕しておくことがよい。
次に、上記粉砕した石灰石の表面に有機分散剤を施すのがよい。これは種々の方法で行うことができるが、乾式粉砕した石灰石を有機分散剤の存在下で湿式粉砕することにより行う方法が好ましい。具体的には、石灰石/水性媒体(好ましくは水)との質量比が30/70以上85/15以下、好ましくは60/40以上80/20以下の範囲となるように石灰石に水性媒体を加え、ここに有機分散剤を加える。有機分散剤としては、例えば、官能基としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩またはリン酸エステル塩を有する低分子または高分子の水溶性アニオン系界面活性剤、若しくはポリエチレングリコール型または多価アルコール型非イオン界面活性剤を挙げることができる。有機分散剤の水溶性アニオン系界面活性剤で、ポリアクリル酸を有するポリアクリル酸系有機分散剤が特に好ましい。これら有機分散剤は、サンノプコ社、東亞合成社、花王社等から市販されており、本発明に用いることができる。使用する有機分散剤の量は特に限定されないが、重質炭酸カルシウム100質量部当たり固形分として0.3質量部以上3.5質量部以下の範囲で使用することが好ましく、0.5質量部以上3質量部以下の範囲がより好ましい。得られる分散液を従来公知の方法により湿式粉砕する。または、上記範囲の量となる有機分散剤を予め溶解してなる水性媒体を石灰石と混合し従来公知の方法により湿式粉砕する。湿式粉砕は、バッチ式でも連続式でもよく、サンドミル、アトライター、ボールミルなどの粉砕媒体を使用したミルなどの装置が好ましい。このように湿式粉砕することにより、平均粒子径が0.1μm以上0.28μm以下である重質炭酸カルシウムを得ることができる。なお、本発明にかかる平均粒子径を有する重質炭酸カルシウムを得る方法は上記方法に限定されない。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙の下層は、バインダーを含有する。バインダーは従来公知のバインダーであって、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のポリアクリル酸系、ポリ酢酸ビニル系、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル等の各種共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ユリアまたはメラミン等のホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン、エピクロルヒドリン等の水溶性合成物が挙げられる。さらには、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の天然多糖類またはそのオリゴマー、さらにはその変性体が挙げられる。また、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、コラーゲン等の天然タンパク質またはその変性体、ポリ乳酸、ペプチド等の合成高分子やオリゴマーが挙げられる。これらは単独または組み合わせて使用することができる。またバインダーは、カチオン変性を施して使用することができる。
下層におけるバインダーの含有量は、顔料に対して過剰にバインダーを配合すると産業用インクジェット印刷において画像の汚れを発生する場合があるため、下層中の総顔料100質量部に対してバインダーは3質量部以上30質量部以下の範囲が好ましく、5質量部以上20質量部以下の範囲がより好ましい。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙の下層は、顔料およびバインダー以外に必要に応じて、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、離型剤、浸透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、印刷適性向上剤、滑剤、染料、蛍光増白剤または耐水化剤等の塗工紙分野で通常使用されている従来公知の各種助剤を含有することができる。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙の下層は、カチオン性化合物を含有する。かかるカチオン性化合物は、カチオン性樹脂または水溶性多価陽イオン塩である。下層が、平均粒子径0.1μm以上0.28μm以下の範囲である重質炭酸カルシウムを下層中の総顔料100質量部に対して60質量部以上の範囲で含有し且つ下層がカチオン性化合物を含有することによって、オフセット印刷などの従来の印刷機に対する印刷適性を有しつつ、産業用インクジェット印刷機の印刷速度に対応する印刷適性を有することができる。
本発明において、カチオン性樹脂は、従来公知のカチオン性ポリマーまたはカチオン性オリゴマーであればよく、特に限定されない。好ましいカチオン性樹脂は、プロトンが配位し易く、水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩を含有するポリマーまたはオリゴマーである。具体例としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、ジシアンジアミドポリアルキル−ポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の化合物およびこれらの塩酸塩、さらにジアリルアミン−アクリルアミド共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドおよびジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド等との共重合物、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン−アンモニア−エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物のようなアルキルアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物等を挙げることができる。本発明において、カチオン性樹脂の平均分子量は、特に限定されないが、500以上100,000以下が好ましく、1,000以上60,000以下がより好ましい。カチオン性樹脂は、産業用インクジェット印刷機に対するインク定着性の点から、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物、ジアリルアミン−アクリルアミド共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。カチオン性樹脂は、2種以上を併用して構わない。
本発明において、水溶性多価陽イオン塩とは多価陽イオンを含む水溶性塩であり、水溶性塩とは20℃の水に1質量%以上溶解することができる塩をいう。多価陽イオンの例としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、亜鉛、銅、鉄、コバルト、スズ、マンガンなどの二価陽イオン、アルミニウム、鉄、クロムなどの三価陽イオン、またはチタン、ジルコニウムなどの四価陽イオン、並びにそれらの錯イオンである。多価陽イオンと塩を形成する陰イオンとしては、無機酸および有機酸のいずれでもよく、特に限定されない。無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸などである。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、有機スルホン酸などである。水溶性多価陽イオン塩は、産業用インクジェット印刷機に対するインク定着性の点から、カルシウムイオン塩が好ましく、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸カルシウムがより好ましい。水溶性多価陽イオン塩は、2種以上を併用して構わない。
本発明において、色材が染料である水性染料インクと色材が顔料である水性顔料インクとの両方に対するインク定着性の点で、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙の下層は、カチオン性樹脂と水溶性多価陽イオン塩との両方を併用して含有することが好ましい。
本発明において、下層中におけるカチオン性化合物の含有量は、産業用インクジェット印刷機に対するインク定着性やインク吸収速度の点、従来の印刷機に対する印刷適性および薬品コストの点から、下層の全顔料固形分100質量部に対して10質量部以上30質量部以下の範囲が好ましく、15質量部以上25質量部以下の範囲がより好ましい。
本発明において、下層は、下層塗工液を支持体上に塗工・乾燥して得ることができる。下層塗工液を支持体上に塗工する方法としては、通常使用される塗工装置を用いることができ、特に限定されない。例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター等の各種ブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーターなどの各種塗工装置を用いることができる。乾燥方法としては、通常使用される乾燥装置を用いることができ、特に限定されない。例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
本発明において、下層の塗工量は、オフセット印刷機に対する印刷適性および産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収容量の点から、片面あたり5.0g/m2以上12.0g/m2以下の範囲が好ましい。なお、本発明において、塗工量とは片面あたりの乾燥固形分の塗工量を指す。
本発明において、下層は、必要に応じてマシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダー等を用いたカレンダー処理により表面を平滑化することができる。下層は、カレンダー処理を行わなくても構わない。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙の最外層は、顔料の少なくとも1種が平均粒子径150nm以下の範囲であるコロイダルシリカである。本発明の効果の点で、特に産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収速度の点で、平均粒子径が15nm以上60nm以下の範囲がより好ましい。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙の最外層は、コロイダルシリカ以外に従来公知の顔料を含有しても構わない。従来公知の顔料は、例えば、各種カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、アルミナ水和物、気相法シリカ、コロイダルシリカを除く湿式法シリカ、プラスチック顔料などを挙げることができる。
平均粒子径150nm以下の範囲であるコロイダルシリカの最外層中の含有量は、オフセット印刷などの従来の印刷機に対する印刷適性および産業用インクジェット印刷機の印刷速度に対応する印刷適性並びに良好な光沢感を得る点において、最外層中の総顔料100質量部に対して80質量部以上の範囲が好ましい。
本発明にかかるコロイダルシリカは、ゾル法シリカとも呼ばれ、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られる二酸化ケイ素をコロイド状に水中に分散させたものである。例えば、特開昭60−219083号公報、特開昭61−19389号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−178074号公報および特開平5−51470号公報などに記載されているコロイダルシリカを挙げることができる。また、コロイダルシリカは、各種平均粒子径のものが既に市販されており、本発明に用いることができる。例えば、Ludox CL、Ludox CL−P等(以上、グレース社製)、PL−10A、PL−3L、PL−1等(以上、扶桑化学社製)、スノーテックス(登録商標)ST−20、ST−30、ST−40、ST−C、ST−N、ST−20L、ST−O、ST−OL、ST−S、ST−XS、ST−XL、ST−YL、ST−ZL、ST−OZL、ST−UP、ST−OUP、ST−PS−MO等(以上、日産化学工業社製)を挙げることができる。また本発明にかかるコロイダルシリカは、特開昭59−71316号公報、特開昭59−152972号公報、特開昭60−127371号公報、特許第3599677号公報などに開示されている樹脂と結合するコロイダルシリカであっても構わない。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙の最外層は、バインダーを含有する。最外層のバインダーは、下層のバインダーと同様に従来公知の水分散性バインダーまたは水溶性バインダーから1種以上適宜選択することができる。コロイダルシリカに対する相性やオフセット印刷機に対する印刷適性の点からポリビニルアルコールが好ましい。本発明において、ポリビニルアルコールとは、完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性、シラノール変性等の変性ポリビニルアルコール等の公知の各種ポリビニルアルコールの全てである。これら各種ポリビニルアルコールの中で、ケン化度が80mol%以上の部分または完全ケン化のポリビニルアルコールが好ましく、さらに平均重合度200以上5000以下の範囲であるポリビニルアルコールがより好ましい。
本発明において、最外層におけるバインダーの含有量は、産業用インクジェット印刷機に対するインク吸収容量やインク吸収速度の点から、最外層の総顔料100質量部に対して20質量部以上50質量部以下の範囲が好ましい。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙の最外層中には、染料定着剤、熱可塑性樹脂、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、色味調整剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など各種の添加剤を適宜添加することができる。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙の最外層を設ける方法は、最外層塗工組成物を従来公知の塗工装置で下層上に塗工・乾燥して形成する方法である。塗工装置は、例えば、エアナイフコーター、ロッドブレードコーターなど各種ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーターなどを挙げることができるが、特に限定されない。好ましくは、高速生産性に適した各種ブレードコーター、カーテンコーターまたはフィルムトランスファーコーターであり、特に好ましくはカーテンコーターである。乾燥方法としては、通常使用される乾燥装置を用いることができ、特に限定されない。例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
本発明において、最外層の塗工量は、オフセット印刷機に対する印刷適性とインクジェット印刷機に対する印刷適性との両立の点から、片面あたり4g/m2以上12g/m2以下の範囲であることが好ましい。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙の最外層は、光沢感の点から、JIS Z8741で規定する75度光沢度が45%以上の範囲であることが好ましい。
最外層の光沢感は、最外層に含まれるコロイダルシリカの含有量若しくは平均粒子径、またはその他顔料の種類および平均粒子径によって制御することができる。また光沢感は、最外層に従来公知のマット剤を含有させることにより制御することができる。また光沢感は、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダー等を用いたカレンダー処理によって上げることができる。但し、過度のカレンダー処理を行うと最外層および下層の空隙を潰すこととなり、産業用インクジェット印刷機に対する印刷適性を悪化させることがある。故に、適度のカレンダー処理が好ましい。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙に用いられる支持体は、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パルプと従来公知の填料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を必要に応じ1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙、または該原紙に対して、澱粉、ポリビニルアルコールなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた上質紙、さらにコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙、バライタ紙などの塗工紙である。原紙、上質紙または塗工紙は、必要に応じてマシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダー等により表面を平滑化することができる。また、支持体は、樹脂被覆された原紙であってもよい。
本発明において、産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙は、本発明にかかる塗工層を両面に有することが好ましい。塗工層を両面に設けることでA2コート紙並みの画質を両面に得ることができる。
本発明において、好ましい態様は、本発明にかかる産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙を用い、印刷速度が60m/分以上である産業用インクジェット印刷機による印刷物製造方法である。この印刷物製造方法により、生産性に優れ、産業用インクジェット印刷機において良好な印刷画像を得ることができる。また、印刷物は、産業用インクジェット印刷の前後にオフセット印刷等を従来の印刷機によって印刷が可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す質量部、質量%および体積%は、乾燥固形分あるいは実質成分の値を示す。
<平均粒子径の測定>
走査型電子顕微鏡の撮影画像から求めた。求められた平均粒子径は表1に記載する。
走査型電子顕微鏡の撮影画像から求めた。求められた平均粒子径は表1に記載する。
<重質炭酸カルシウムの調製>
重質炭酸カルシウムは、天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、固形分約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。ビーズは直径約0.2mmのジルコニア製を、充填率80体積%〜85体積%の範囲で変化させ、流量は約15リットル/分としパス回数を変化させて、各種平均粒子径となる重質炭酸カルシウムを調製した。
重質炭酸カルシウムは、天然の石灰石をジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ローラーミルによって平均粒子径30μm程度までに粗粉砕して、これに水と市販のポリアクリル酸系分散剤を加えて攪拌し、固形分約75質量%の予備分散スラリーとした。この予備分散スラリーをアシザワ・ファインテック社製湿式粉砕機(横型、円柱型粉砕室の寸法:直径約0.5m、長さ約1.3m)を用いて処理した。ビーズは直径約0.2mmのジルコニア製を、充填率80体積%〜85体積%の範囲で変化させ、流量は約15リットル/分としパス回数を変化させて、各種平均粒子径となる重質炭酸カルシウムを調製した。
<支持体の作製>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム10質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)1.0質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面あたり酸化澱粉を2.5g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m2の原紙を作製し、支持体とした。
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム10質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)1.0質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面あたり酸化澱粉を2.5g/m2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m2の原紙を作製し、支持体とした。
<下層塗工液の調製>
下層塗工液は、下記の内容により調製した。
顔料 種類と配合部数は表1に記載
カチオン性化合物 種類と配合部数は表1に記載
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SNX−4205R、日本A&L社製)
10質量部
リン酸エステル化澱粉(MS#4600、日本食品化工社製) 10質量部
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、固形分濃度40質量%に調整した。
下層塗工液は、下記の内容により調製した。
顔料 種類と配合部数は表1に記載
カチオン性化合物 種類と配合部数は表1に記載
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(SNX−4205R、日本A&L社製)
10質量部
リン酸エステル化澱粉(MS#4600、日本食品化工社製) 10質量部
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、固形分濃度40質量%に調整した。
<最外層塗工液の調製>
最外層塗工液は、下記の内容により調製した。
顔料 種類と配合部数は表1に記載
ポリビニルアルコール(ケン化度98mol%、平均重合度1700) 30質量部
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、固形分濃度20質量%に調整した。
最外層塗工液は、下記の内容により調製した。
顔料 種類と配合部数は表1に記載
ポリビニルアルコール(ケン化度98mol%、平均重合度1700) 30質量部
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、固形分濃度20質量%に調整した。
実施例および比較例の塗工紙を以下の手順にて作製した。
<塗工紙の作製>
支持体上に、下層塗工液を、エアナイフコーターを用いて片面あたり10g/m2となるように両面に塗工・乾燥させた。乾燥後に、最外層塗工液を、カーテンコーターを用いて片面あたり8g/m2となるように両面に塗工・乾燥させた。乾燥後に、カレンダー処理を施して印刷用塗工紙を作製した。カレンダーは、弾性ロールと金属ロールからなる装置を用いて、ニップ線圧は幅方向の厚みプロファイルが適切に得られる範囲において、線圧120kN/mで行った。また金属ロールの温度を50℃とした。
支持体上に、下層塗工液を、エアナイフコーターを用いて片面あたり10g/m2となるように両面に塗工・乾燥させた。乾燥後に、最外層塗工液を、カーテンコーターを用いて片面あたり8g/m2となるように両面に塗工・乾燥させた。乾燥後に、カレンダー処理を施して印刷用塗工紙を作製した。カレンダーは、弾性ロールと金属ロールからなる装置を用いて、ニップ線圧は幅方向の厚みプロファイルが適切に得られる範囲において、線圧120kN/mで行った。また金属ロールの温度を50℃とした。
<オフセット印刷機印刷>
オフセット印刷機としてミヤコシ社製オフセットフォーム輪転機を用いて、印刷速度:150m/分、使用インク:T&K TOKA UVベストキュア墨および金赤、UV照射量:8kW2基の条件で6000m、所定の評価画像を繰り返し印刷する。
オフセット印刷機としてミヤコシ社製オフセットフォーム輪転機を用いて、印刷速度:150m/分、使用インク:T&K TOKA UVベストキュア墨および金赤、UV照射量:8kW2基の条件で6000m、所定の評価画像を繰り返し印刷する。
<産業用インクジェット印刷機印刷>
産業用インクジェット印刷機としてコダック社製印刷機Prosper 5000XL Pressを用いて、印刷速度:75m/分と100m/分との2段階、使用インク:水性顔料インク、各印刷速度で15分間、所定の評価画像を印刷する。
産業用インクジェット印刷機として大日本スクリーン製造社製印刷機Truepress Jet520を用いて、印刷速度:72m/分、使用インク:水性染料インク、15分間、所定の評価画像を印刷する。
産業用インクジェット印刷機としてコダック社製印刷機Prosper 5000XL Pressを用いて、印刷速度:75m/分と100m/分との2段階、使用インク:水性顔料インク、各印刷速度で15分間、所定の評価画像を印刷する。
産業用インクジェット印刷機として大日本スクリーン製造社製印刷機Truepress Jet520を用いて、印刷速度:72m/分、使用インク:水性染料インク、15分間、所定の評価画像を印刷する。
<印刷物評価>
得られた印刷物の画質を官能評価した。オフセット印刷においてはブランケットパイリングの発生による印刷不良による画質の低下度合いを、産業用インクジェット印刷においてはインク吸収速度不足、インクのドット拡散不良による画質の低下度合いを、および耐擦過性として印刷物を手で擦った際のインクの剥がれ具合をそれぞれ目視観察し、下記の5段階で総合的に官能評価する。本発明において、評価4〜5の塗工紙であれば、本発明にかかる効果を有する産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙である。
5:印刷物の耐擦過性が実用上問題ない範囲である。
画質の低下や印刷物に汚れがほとんど認められない。
4:印刷物の耐擦過性が実用上問題ない範囲である。
画質の低下が極僅かに認められるものの、実用上問題のない印刷物である。
3:印刷物の耐擦過性が実用上問題ない範囲である。
画質の低下が僅かに認められ、用途によっては問題となる印刷物である。
2:主に耐擦過性が不足し、商品として適さない印刷物である。
1:主に画質の低下が認められ、商品として適さない印刷物である。
得られた印刷物の画質を官能評価した。オフセット印刷においてはブランケットパイリングの発生による印刷不良による画質の低下度合いを、産業用インクジェット印刷においてはインク吸収速度不足、インクのドット拡散不良による画質の低下度合いを、および耐擦過性として印刷物を手で擦った際のインクの剥がれ具合をそれぞれ目視観察し、下記の5段階で総合的に官能評価する。本発明において、評価4〜5の塗工紙であれば、本発明にかかる効果を有する産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙である。
5:印刷物の耐擦過性が実用上問題ない範囲である。
画質の低下や印刷物に汚れがほとんど認められない。
4:印刷物の耐擦過性が実用上問題ない範囲である。
画質の低下が極僅かに認められるものの、実用上問題のない印刷物である。
3:印刷物の耐擦過性が実用上問題ない範囲である。
画質の低下が僅かに認められ、用途によっては問題となる印刷物である。
2:主に耐擦過性が不足し、商品として適さない印刷物である。
1:主に画質の低下が認められ、商品として適さない印刷物である。
実施例1〜24および比較例1〜11の各評価結果を表1に示す。
表1から、本発明の産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙である実施例1〜24は、オフセット印刷など従来の印刷機と産業用インクジェット印刷機の両方に適性を有し、商品になり得る十分な画質と耐擦過性を有する印刷物を製造することができる。一方、本発明の産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙に相当しない比較例1〜11は、これらの印刷適性を有さず、商品になり得る十分な画質を有する印刷物を製造することができない。
Claims (2)
- 支持体の少なくとも一方の面に顔料とバインダーを主成分とする塗工層を2層以上設けた産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙において、支持体と接する下層における顔料の少なくとも1種が平均粒子径0.1μm以上0.28μm以下の範囲である重質炭酸カルシウムであり、平均粒子径0.1μm以上0.28μm以下の重質炭酸カルシウムの下層中の含有量が下層中の総顔料100質量部に対して60質量部以上の範囲であり、且つ下層がカチオン性化合物を含有し、支持体を基準として最も外側に設けられる最外層における顔料の少なくとも1種が平均粒子径150nm以下の範囲であるコロイダルシリカであることを特徴とする産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙。
- 請求項1に記載の産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙を用い、印刷速度が60m/分以上である産業用インクジェット印刷機によって印刷する印刷物製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012262595A JP2014109075A (ja) | 2012-11-30 | 2012-11-30 | 産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙およびそれを用いる印刷物製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012262595A JP2014109075A (ja) | 2012-11-30 | 2012-11-30 | 産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙およびそれを用いる印刷物製造方法 |
Publications (1)
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ID=51029883
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JP2012262595A Pending JP2014109075A (ja) | 2012-11-30 | 2012-11-30 | 産業用インクジェット印刷機向け印刷用塗工紙およびそれを用いる印刷物製造方法 |
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JP (1) | JP2014109075A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018071006A1 (en) | 2016-10-11 | 2018-04-19 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Recording medium |
EP3250394A4 (en) * | 2015-01-28 | 2018-06-20 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Printable recording media |
-
2012
- 2012-11-30 JP JP2012262595A patent/JP2014109075A/ja active Pending
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EP3455405A4 (en) * | 2016-10-11 | 2019-04-03 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | RECORDING MEDIUM |
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