JP2014108815A - 包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シート材により形成され、収納物を収納乃至包装可能な包装体本体と、この包装体本体の表面に着脱可能に配設される粘着部材とを備え、粘着部材が、点状に形成され、一又は二以上の粘着部材が、包装体本体の任意の箇所に配設され、包装体本体が折り畳まれることにより、粘着部材がシート材の表面に粘着して、包装体本体の折り畳み状態を保持する構成としてある。
【選択図】 図3
Description
この種の包装体は、例えば紙(段ボール・厚紙)や緩衝性シート,樹脂製フィルム等を用いて、所定の大きさ(例えばA4サイズ,B4サイズ等)の封筒形状に形成される。そして、内部に物品を収納した状態で、封筒の開口部に延設された折曲げ部(のりしろ部)を折り曲げて封筒を封止した状態で、相手先に郵送・配送等される。
具体的には、このような包装体に備えられる粘着部材は、包装体の開口部又は折り曲げ部に例えば剥離紙に覆われた粘着テープや接着剤などが帯状に配置され、使用の際には剥離紙を剥がして粘着部材を露出させて、折り曲げ部を折り曲げて包装体の表面に粘着・接着させることで、包装体の開口部が密閉・封止されるようになっている。
この種の粘着部材を折り曲げ部に備えた包装体としては、例えば特許文献1に提案されている「合成樹脂製フィルム封筒」がある。
このため、いったん使用された包装体は廃棄するしかなく、再使用したり、例えば包装体を形成する樹脂製のフィルムを他の物品などの包装・梱包などに使い回すようなことはできず、包装体を形成するフィルム等の資源が無駄になるという問題があった。
このため、包装体を形成するフィルム材等を分別してリサイクルしようとする場合には、粘着部材が残されている部分をハサミ等で切り落として除去した上でリサイクルに出す必要があり、粘着部材を除去する手間や作業が繁雑である上、粘着部材が残っている部分のフィルム材等はリサイクルすることができず、資源の有効活用が図れないという問題があった。
これによって、包装体の再使用やリサイクルが容易かつ確実に行えるとともに、資源の有効利用を図ることができる。
[包装体]
図1,3,4は、本発明の一実施形態に係る包装体1の概略構成を示す正面図であり、包装体1を袋状に形成した場合を示している。
同じく図5,6は、本発明の一実施形態に係る包装体1の概略構成を示す正面図であり、包装体1をシート状に形成した場合を示している。
これらの図に示すように、本実施形態に係る包装体1は、シート材により形成され、収納物を収納乃至包装可能な包装体本体11と、この包装体本体11の表面に着脱可能に配設・貼着される粘着部材20とを備えている。
粘着部材20は、点状に形成され、一又は二以上の粘着部材20が、包装体本体11の任意の箇所に着脱可能に貼着されて配置できるようになっている。
これによって、包装体本体11が折り畳まれることにより、粘着部材20がシート材の表面に粘着して、包装体本体11の折り畳み状態を保持することができるものである。
包装体本体11は、対象となる物品を収納乃至包装可能な所定の大きさを有する袋状(封筒状)、又はシート状(包装紙状・風呂敷状)に形成される。
[袋状包装体]
図1,3,4に袋状に形成された包装体本体11を示す。
同図に示すように、袋状に形成される包装体本体1は、シート材により形成される包装体であって、本体内部に所定の収納物(物品)を収納可能な収納空間11aを有する矩形袋状・封筒状等に形成されている。図1,3に示す例では、袋の一側(図面上側)に開口部11bが形成されるようになっている。
また、本実施形態では、袋状の包装体本体11の開口部11bが形成される縁部に、封筒ののりしろ部となる折返し部12が備えられており、この折返し部12が包装体本体11側に折り返されることで開口部11bを閉じることができるようになっている。
そして、この折返し部12と包装体本体11の間に粘着部材20が配置・介在することで、粘着部材20の粘着性・接着力によって、折返し部12と包装体本体11とが貼着・接合され、包装体本体11が密閉・封止されることになる。
図1,3に示すように本実施形態では、包装体本体11は、積層気泡シート等のシート材が、内部に所定の収納物を収納可能な収納空間11aを有する袋状・封筒状等に形成され、袋の一側(図面上側)に開口部11bが形成されるようになっている。
開口部11bは、包装体本体11の収納空間11aと連通しており、この開口部11bを介して、収納空間11aに対して所定の収納物(図3,4参照)を出し入れすることができる。
従って、開口部は、図1,3,4に示すように、包装体本体11の一側に一つの開口部11bを形成することができ、また、特に図示しないが、包装体本体11の一辺側及びこの一辺側に隣接する他の一辺側の双方に連続して、二つの開口部を形成することもできる。
このように、包装体本体11の二辺に連続する開口部を設けると、包装体本体11の収納空間11aに対して収納物を出し入れし易くなり、例えば大きな物やかさばる物,立体的形状の物などを収納・出し入れする場合に好ましい。
例えば、開口部11bが形成される包装体本体11の一辺側と対向する一辺側に、包装体本体11の収納空間11aを拡張する、図示しないマチ折り部を備えることができる。
このようにすると、マチ折り部の拡張・伸張作用により包装体本体11の収納空間11aを拡張させることができ、大きな物やかさばる物,立体的形状の物などを収納・出し入れする場合に好適となる。
マチ折り部は、包装体本体11の縁部を構成するシート材を収納空間11aの内部に向かって、一又は二以上の山折りに折り曲げ形成することで形成することができる。
折返し部12は、図1,3,4に示すように、包装体本体11の開口部11bが形成される一辺側に沿って形成されたのりしろ状部分である。本実施形態では、開口部11bの本体一面側(図面背面側)の縁部が、本体他面側(図面正面側)の縁部よりも長く形成され、当該縁部が舌片状に延出するように構成している。この折返し部12が開口部11bに沿って本体他面側(正面側)に折り曲げられることにより、開口部11bを覆って袋内の収納空間11aを外部から封止されることになる。
なお、折返し部12の延出する長さや形状は、包装体本体11の大きさや収納物品などに応じて任意の設定・変更できる。例えば、折返し部12の両端部を斜めに切り落とした形状とすることもでき、また、折返し部12を複数に分割形成することも可能である。
図5及び6にシート状に形成された包装体本体11を示す。
同図に示すように、シート状に形成される包装体本体1は、シート材により形成される包装体であって、所定の収納物(物品)を包装・梱包可能な面積を有する一枚の矩形シート状(包装紙状・風呂敷状)に形成されている。図5,6に示す例では、ほぼ正方形状のシート状に形成されるようになっている。
このシート状に形成される包装体本体11は、包装・梱包する収納対象物の大きさや形状に応じて、任意の大きさ,形状に形成することができ、例えば図5,6に示す正方形状以外にも、長方形状や菱形形状,多角形状,円形状,楕円形状に形成することもできる。
そして、このように任意のシート状に形成された包装体本体11は、折り曲げ・折り畳みされることにより収納物を包装・梱包することができ、そのように折り曲げられた包装体本体11同士の間に粘着部材20が配置・介在することで、粘着部材20の粘着性・接着力によって、包装体本体11を形成するシート材同士が貼着・接合され、包装体本体11の包装・梱包状態が保持されることになる。
例えば、書籍やカタログ,書類,各種ディスク(CD,DVD,FD,MD等),カセットテープ,ビデオテープ,フィルムネガ,時計,アクセサリー,機械部品,電気電子部品,電気電子製品,食品,飲料等がある。
積層気泡シートは、シート全面に多数の気泡を備え、緩衝性や耐衝撃性,保温性に優れ、また、軽量かつ柔軟性にとみ、裁断・加工等も容易に行えることから、任意の物品を収納・梱包するための包装体本体を構成するシート材として好ましい。
但し、包装体本体を形成できるシート材であれば、積層気泡シート以外のシート材、例えば、紙,段ボール,布,不織布,樹脂フィルム等を用いて包装体本体を構成することもできる。
また、種類の異なるシート材を組み合わせて一つの包装体本体を形成することも可能である。例えば、袋状の包装体本体11として、積層気泡シートからなる包装体本体11に、紙製の折返し部12を設けることもでき、また、全体が積層気泡シートからなる包装体本体11の表面に、紙や樹脂製フィルム等を外装材として積層・貼着することもできる。
本実施形態に係る包装体本体を構成する積層気泡シートの詳細については、更に後述する(図7,8参照)。
また、シート状に形成される包装体本体11については、所定の大きさ及び形状となるように積層気泡シートを裁断することで形成することができる。
なお、シート状の包装体本体11、袋状の包装体本体11(収納空間11a)とも、大きさや形状、折返し部12の幅や太さ等は適宜に設定・変更することができ、包装・収納の対象となる収納物に応じて任意に設定が可能である。
粘着部材20は、上述した包装体本体11の表面に着脱可能に配設される粘着部材であり、この粘着部材20によって、袋状の包装体本体11の折返し部12が封止・固定され、また、シート状の包装体本体11による包装・折り畳み状態が固定・保持されることになる。
この粘着部材20は、所定の粘着材料・接着材料等からなり、一つの粘着部材20が点状に形成されるようになっている。
ここで、粘着部材20の形状としては、例えば図2に示すように、背の低い円柱形状(図2(a))、コイン(1円玉乃至ボタン)形状(図2(b))、球体(丸薬乃至団子)形状(図2(c))、星形状(図2(d))、ハート形状(図2(e))など、様々な形状に形成することが可能である。
このような粘着部材20の形状は、後述するホットメルト・アプリケーター等の接着剤供給装置(図8,9参照)の粘着材料を噴出・供給するノズル先端部の形状に応じて、図2に示したような所望の外形状に粘着材料を供給して形成することが可能である。
図1に示す例では、一つの包装体本体11に対して、粘着部材20が一つだけ配設・貼着されるようになっており、一つの粘着部材20によって包装体本体11の折り畳み・折り曲げ状態を保持する場合である。
図3〜4に示す例では、一つの包装体本体11に対して、二つの粘着部材20が貼着されており、二つの粘着部材20によって包装体本体11の折り畳み・折り曲げ状態を保持するようになっている。但し、粘着部材20は、3つ以上を備えることもできるし、図1に示した通り一つのみ備えることも可能で、包装体本体11の大きさ、包装体本体11を貼着させるために必要な粘着力などに応じて、任意の個数を備えることができる。
また、粘着部材20は、所定の粘着材料・接着材料の量として、例えば重量にすると比重を1とすると、0.01g/ドット〜0.1g/ドット程度を供給することで、上記のような大きさの点状(塊状体・団子状体等)の粘着部材20を形成することができる。
従って、この粘着部材20が包装体本体11に配設されて、袋状の包装体本体11と折返し部12の間に粘着部材20が配置・介在することで、粘着部材20の粘着性・接着力によって、折返し部12と包装体本体11とが接合され、包装体本体11が密閉・封止されることになる。
同様に、シート状の包装体本体11が折り曲げ・折り畳まれて包装体本体11同士の間に粘着部材20が配置・介在することで、粘着部材20の粘着性・接着力によって、包装体本体11を形成するシート材同士が接合・貼着され、包装体本体11の包装・梱包状態が保持されることになる。
従って、袋状の包装体本体11を封止している折返し部12の開封や、シート状の包装体本体11の梱包状態を解除・開封することは容易に行うことができ、そのような開封・解除を行っても、包装体本体11を形成するシート材が破けたり裂けたりするようなことはない。従って、折返し部12が開封された袋状の包装体本体11や、包装が解除されたシート状の包装体本体11は、再び物品の収納や包装に使用することができ、包装体本体11を何度も繰り返し使い回すことが可能となる。
従って、粘着部材等が帯状に大きく積層・貼着されていた従来の包装体のように、粘着部材の除去作業の繁雑さや、不完全なリサイクル性の問題は生じず、簡易かつ確実に資源の有効利用を図ることができるようになる。
従って、シート状の包装体本体11による包装態様が、収納・包装する物品の形状や大きさ,個数などに応じて変わっても、粘着部材20の貼着位置を自由に変えることで対応することができる。
また、折返し部12を備えた袋状の包装体本体11を、収納する物品の大きさなどに応じて任意の箇所で折り曲げたり折り畳んだ場合にも、折返し部12と包装体本体11、あるいは包装体本体11同士の表面を、任意の箇所で粘着部材20によって貼着・接合して、その折り曲げ・折り畳み状態を保持させることができる。
従って、粘着部材20を任意の数だけ任意の箇所に配置・貼着することで、包装体本体11による物品の収納・包装を極めて自由度の高い形で簡易に行うことができ、利便性・作業性の高い包装・梱包が行えるようになる。
この種の接着剤としては、ホットメルト接着剤が知られており、本実施形態においても、粘着部材20を形成する接着剤として、ホットメルト接着剤を採用している。
ホットメルト接着剤は、熱により溶解するとともに、常温では固体もしくは半固体となる接着剤であり、溶剤が含まれていない接着剤である。このようなホットメルト接着剤を上記のような点状に形成することにより、積層気泡シート等からなる包装体本体11に対して一定の接着力・粘着力を有し、かつ、繰り返し剥離・着脱が可能となる粘着部材20を構成することができる。
また、ホットメルト接着剤は、ホットメルト・アプリケーター等の接着剤供給装置(図9参照)による押出温度が調整可能であり、外気温の変化に対応して押出温度を調整することで、所望の大きさ(ほぼ米粒大)で塊状乃至団子状の粘着部材20を、包装体本体11に供給・配設することが容易であり、この点からも粘着部材20を形成する素材として好ましい。
また、ホットメルト接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱可塑性樹脂を主成分とするものを使用することができる。
なお、粘着部材20を形成する接着剤として、本実施形態ではホットメルト接着剤を用いるようにしたが、これに限らず、溶剤系接着剤、化学反応系接着剤、エマルジョン系接着剤など、他の接着材料・粘着性材料を用いることも可能である。
また、粘着部材20を形成する粘着材料・接着材料は、包装体1の封止・接着に使用されるため、常温で粘着性を発揮することが必要であるが、常温接着性がある限り、例えばアクリル系材料であってもゴム系材料であってもよい。
上述のように、本実施形態に係る粘着部材20は、ほぼ米粒大・飯粒大という比較的小さな大きさに形成されるため、包装体本体11上に配設・貼着された場合に、粘着部材20がどこにあるか見えにくくなる可能性がある。特に、粘着部材20に対して包装体本体11の大きさが大きい場合には、そのような可能性が高くなる。
そこで、本実施形態では、粘着部材20が、包装体本体11を形成するシート材と異なる色で形成されるようにしてある。
これにより、ほぼ米粒大の粘着部材20が包装体本体11上に配置された場合に、粘着部材20がどこにあるかが一目でわかるようになり、粘着部材20の位置や有無などが瞬時に識別・判断でき、ユーザの使用性・利便性をより向上させることができるようになる。
ここで、粘着部材20の着色・彩色は、任意の顔料又は染料などの着色材を、粘着部材20を形成する上述したホットメルト接着剤等の接着材料・粘着材料に添加することによって着色することができる。
粘着部材20を形成する接着・粘着材料に添加する着色材としては、特に限定されるものではないが、例えば、可視光域の特定波長を吸収して観察者に特定の色彩を認識させるもの、パール顔料のように遊色効果によって多色の色彩を示すもの、蓄光顔料や蛍光顔料のように電子遷移によるエネルギー放出によって発光するもの、再帰反射性ビーズのように入射光を再帰反射するものなど、観察者に視覚的な刺激を与えることができるものであれば、これらの中から一又は二種以上を任意に選択して用いることができる。
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係る包装体1を用いた収納物の収納・梱包方法について、図3〜4を参照しつつ説明する。
以下に示す収納・梱包方法では、包装体1は、収納物30としてCD(コンパクトディスク)のケースを、袋状の包装体本体11により収納する場合(図3,2)と、シート状の包装体本体11により包装・梱包する場合(図5,4)を例にとって説明する。
ここで、図3,2に示すように、包装体本体11は、収納物30であるCDケースが収納できるように、収納空間11a及び開口部11bが収納物30よりも大きい所定の大きさに形成されているものとする。
この場合、まず、図3(a)に示すように、包装体本体11の一側(図面上側)の開口部11bを介して、収納物30を包装体本体11の収納空間11aに収納する。
上述したように、収納空間11aは収納物30であるCDケースのサイズよりも大きく形成されているので、収納物30は収納空間11aに簡単に収納させることができる。
この状態から、図4(a)に示すように、折返し部12を包装体本体11側に折り曲げ、開口部11bを覆うようにする。このとき、折返し部12(又は包装体本体11)に配置した粘着部材20が包装体本体11の表面に貼着され、折返し部12と包装体本体11とが粘着部材20を介して貼着・接合され、折返し部12が折り曲げられた包装体本体11は、その折り曲げられた状態がそのまま保持されることになる。
これにより、包装体本体11は、開口部11bが閉塞・封止された状態で、収納物30を収納・保持することができ、梱包が完了する(図4(a)に示す状態)。
このようにすると、一定の粘着力・接着力で折返し部12と包装体本体11に貼着されている粘着部材20が剥離され、折返し部12と包装体本体11とが離れ、開口部11bが露出される。このとき、折返し部12や包装体本体11が破れたり裂けたりすることはなく、比較的少ない力で簡単に折返し部12を引き剥がすことができる。また、このとき、剥離された粘着部材20は、折返し部12又は包装体本体11のどちらかに貼着された状態となる。
この状態において、開口・露出した開口部11bを介して収納物30は包装体本体11から取り出すことができる。
粘着部材20が引き剥がされた包装体本体11は、引き続き任意の物品の収納・梱包に使用することができ、その場合には、再度粘着部材20を貼着させることで、包装体本体11の封止・梱包に使用することができる。
また、粘着部材20を引き剥がして除去した包装体本体11は、そのままリサイクルに回すことができる。
ここで、図5,4に示すように、包装体本体11は、収納物30であるCDケースの全体を包装できるように、シート状の包装体本体11の面積が収納物30よりも大きい所定の大きさに形成されるようになっており、具体的には、図5,4に示す例では、包装体本体11の展開した状態のシートの面積がCDケースの面積のほぼ4倍の大きさに形成されているものとする。
この場合、まず、図5(a)に示すように、包装体本体11を一枚のシート状に展開した状態にし、そのほぼ中央位置に収納物30を配置する。
この状態から、図5(a)〜図6(a),(b)に示すように、シート状の包装体本体11の四隅を順次折り曲げていき、収納物30を包装する。このとき、包装体本体11の隅部に配置した粘着部材20が包装体本体11の表面に貼着され、折り曲げられて重ねられた包装体本体11の表面同士が粘着部材20を介して貼着・接合され、折り曲げられた包装体本体11は、その折り曲げられた状態がそのまま保持されることになる。
これにより、包装体本体11は、四隅が折り重ねられた状態で収納物30の全体を包装することができ、梱包が完了する(図6(b)に示す状態)。
貼着部材20を剥離することで包装体本体11の梱包は容易に開封・解除でき、このとき、包装体本体11が破れたり裂けたりすることがないことは、上述した図3,2に示す場合と同様である。
また、包装体本体11に貼着された状態の粘着部材20は、指で摘むなどして引っ張ることで包装体本体11から剥離でき、その場合にも、包装体本体11が破れたり破損したりすることなく粘着部材20をきれいに引き剥がすことができ、その後、包装体本体11を任意の物品の包装・梱包に繰り返し使用でき、また、粘着部材20を除去した包装体本体11をそのままリサイクルに回すことができることも、上述した図3,2に示す場合と同様である。
次に、以上のような本実施形態に係る包装体1を構成するシート材として好適な積層気泡シートについて説明する。
本実施形態の包装体1は、包装体本体11の全ての部分が、ポリエチレンフィルムからなる積層気泡シート10を用いて形成される。
ここで、積層気泡シート10の材料としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)を含むポリオレフィンを用いることができる。
また、ポリエチレンフィルムを用いて積層気泡シート10を形成する場合、その積層気泡シート10を構成するポリエチレンフィルムの材料となるポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)、エチレン−酢酸ビニル重合体などが例示できる。また、これらの材料を任意に混合して用いてもよい。
また、ポリエチレンフィルムの材料となる樹脂組成物には、包装体1の用途に応じて、非ハロゲン系の高級脂肪酸、高級脂肪族アミド、金属せっけん、グリセリンエステル等の滑剤、等のアンチブロッキング剤、フェノール系、りん系、BHT等の酸化防止剤、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、HALS等の紫外線吸収剤、タルク、珪藻土、マイカ等の無機・有機充填剤、帯電防止剤、界面活性剤などを添加することができる。
また、包装体内に対象物品をそのまま収納するだけで包装・梱包が完了することになるため、煩雑な包装作業や梱包作業等も不要となる。
また、収納物の上下左右全体が保護された状態となるので、収納物を収納・包装した包装体1を複数積み重ねて収納したり、載置面に複数並べて載置・収納することも可能となり、安全かつ効率的な収納物の収納・運搬が行えるようになる。
さらに、このように包装体1の包装体本体11全体が積層気泡シート10で構成されることで、例えば、包装体1が使用される場合において、表層を紙で形成した従来の緩衝封筒などと比較して、水分や油、汚れ等に強いものとすることができ、また、包装体1の使用後においても、紙層の分離や除去等が一切必要なく、包装体1をそのままリサイクルすることができ、表面に紙等を積層・貼着した従来の緩衝封筒のように焼却処分等する必要もなくなる。
本実施形態に係る包装体1には、図7(a)に示す二層気泡シート10A、図7(b)に示す三層気泡シート10Bのいずれも用いることができる。
二層気泡シート10Aは、中空状に膨出する多数のキャップ10−1が形成されたキャップフィルム10−2と、キャップフィルム10−2のキャップ開口側に積層されるバックフィルム10−3とを備える二層構造の積層気泡シート10である。
三層気泡シート10Bは、上述した二層構造の積層気泡シート10に対して、さらに三層目のライナーフィルム10−4を積層したもので、図7(b)に示すように、キャップ10−1が形成されたキャップフィルム10−2の、バックフィルム10−3が積層される面と反対側のキャップ膨出側に、ライナーフィルム10−4を積層した三層構造の積層気泡シート10である。
本実施形態の包装体1は、上記のような二層気泡シート10A、三層気泡シート10Bのいずれを用いても形成・製袋することができる。
次に、本実施形態に係る包装体1の製造方法について、図8及び7を参照して説明する。
図8は、積層気泡シートの製造装置の一例を示す説明図であり、本実施形態の包装体1に用いる積層気泡シート10は、この図に示すような製造装置5を用いて製造することができる。
積層気泡シート10の各層の材料の一例を挙げると、例えば、下記のものを用いることができるが、これに限定されない。
ライナーフィルム10−4:LDPE及び/又はLLDPE
キャップフィルム10−2:約30%のHDPE、残りはLDPE及び/又はLLDPE
バックフィルム10−3:約30%のHDPE、残りはLDPE及び/又はLLDPE
三つのフラットダイ51〜53は、それぞれ前述した樹脂材料を所定の厚みで押し出すことによって、フラット状のキャップフィルム10−2,バックフィルム10−3、及びライナーフィルム10−4が連続的に供給される。
キャップフィルム用のフラットダイ51から供給されたフラット状のキャップフィルム10−2は、成形ロール55に供給される。
成形ロール55には、外周面に多数のキャビティ孔551が設けられている。
各キャビティ孔551は、図示しない真空ポンプにつながっており、キャビティ孔551を真空吸引することにより、キャップフィルム10−2に中空状に膨出する多数のキャップ10−1が形成される。
その後、押圧ロール57と押圧ロール58との間で、ライナーフィルム用のフラットダイ53から供給されるライナーフィルム10−4が、キャップフィルム10−2のキャップ膨出側に積層され、熱融着により一体化される。
これにより、包装体1の製袋に用いる原反状態の積層気泡シート10(10B)が得られる。
さらに、袋状又はシート状に形成された包装体本体11の表面の所定箇所に、粘着部材20が形成・供給される。
まず、袋状の包装体本体11の形成は、図8に示したように形成された原反状態の積層気泡シート10が、図示しない製袋装置(製袋工程)に搬送され、一つの積層気泡シート10が二つ折りにされ、又は二つの積層気泡シート10が重ね合わされた状態で、包装体1の袋縁部となる部分がシールバー等によりヒートシールされ、その後、ヒートシール部分が所定形状に切断されることにより製袋されて袋状の包装体本体11が出来上がる。
また、シート状の包装体本体11の形成は、図8に示したように形成された原反状態の積層気泡シート10が、図示しない裁断装置(裁断工程)に搬送され、一つの積層気泡シート10が所定の大きさ(長さ)と形状に切断・裁断加工されることでシート状の包装体本体11が形成される。
粘着部材20の形成は、図8,9に示すように、例えばホットメルト・アプリケーター等の接着剤供給装置6により、加熱溶融した粘着材料が点状に形成されて包装体本体11の表面所定箇所に供給され、これによって粘着部材20が形成・配設される。
その後、粘着部材20が固化され、包装体1が完成する。
粘着部材20の固化は、溶融状態の粘着材料が供給された包装体本体11を常温又は低温の空間に搬送することにより、又は溶融状態の粘着材料を冷却装置等により冷却することにより行われる。
すなわち、上述の説明では、包装体本体11を袋状又はシート状に形成する工程を先に行った後、粘着部材20を供給・形成・固化するようにしてあるが、先に粘着部材20を積層気泡シート状に供給・形成し、その後に、その積層気泡シートを袋状又はシート状に製袋・裁断加工して包装体本体11を形成するようにしてもよい。
従って、袋状の包装体本体11を封止している折返し部12の開封や、シート状の包装体本体11の梱包状態を解除・開封することは容易に行うことができ、そのような開封・解除を行っても、包装体本体11を形成するシート材が破けたり裂けたりするようなことはない。従って、折返し部12が開封された袋状の包装体本体11や、包装が解除されたシート状の包装体本体11は、再び物品の収納や包装に使用することができ、包装体本体11を何度も繰り返し使い回すことが可能となる。
さらに、包装体本体11に対して着脱が自在に行える粘着部材20は、包装体本体11の表面の任意の箇所に貼着して配置することでき、また、その配置箇所を任意に変更することができる。
従って、シート状の包装体本体11による包装態様が、収納・包装する物品の形状や大きさ,個数などに応じて変わっても、粘着部材20の貼着位置を自由に変えることで対応することができる。
さらに、包装体1の全体が積層気泡シート10で構成されることで、例えば、包装体1が使用される場合において、表層を紙で形成した従来の緩衝封筒などと比較して、水分や油、汚れ等に強いものとすることができ、包装体1の使用後においても、紙層の分離や除去等が一切必要なく、包装体1をそのままリサイクルすることができ、リサイクル性,対環境性にも優れた包装体を提供することができる。
10 積層気泡シート
10A 二層気泡シート
10B 三層気泡シート
11 包装体本体
11a 収納空間
11b 開口部
12 折返し部
20 粘着部材
Claims (9)
- シート材により形成され、収納物を収納乃至包装可能な包装体本体と、
この包装体本体の表面に着脱可能に配設される粘着部材と、を備え、
前記粘着部材が、点状に形成され、
この粘着部材が、前記包装体本体の任意の箇所に配設され、
前記包装体本体が折り畳まれることにより、前記粘着部材が前記シート材の表面に粘着して、前記包装体本体の折り畳み状態を保持することを特徴とする包装体。 - 前記包装体本体の任意の箇所に、前記粘着部材が一つだけ配設される請求項1記載の包装体。
- 前記包装体本体の任意の箇所に、前記粘着部材が二以上配設される請求項1記載の包装体。
- 前記粘着部材が、加熱溶融するとともに温度低下により固化する接着剤からなり、
当該粘着部材が、前記包装体本体の表面に、繰り返し着脱可能に配設される請求項1乃至3のいずれか一項記載の包装体。 - 前記粘着部材を形成する接着剤が、ホットメルト接着剤からなる請求項4記載の包装体。
- 前記粘着部材が、前記包装体本体を形成するシート材と異なる色で形成される請求項1乃至5のいずれか一項記載の包装体。
- 前記包装体本体が、内部に収納物を収納可能な袋状、又は収納物を包装可能なシート状に形成されてなる請求項1乃至6のいずれか一項記載の包装体。
- 前記シート材が、積層気泡シートからなる請求項1乃至7のいずれか一項記載の包装体。
- シート材により形成され、収納物を収納乃至包装可能な包装体本体と、この包装体本体の表面に着脱可能に配設される粘着部材とを備えた包装体の製造方法であって、
複数のフィルム材を積層して積層気泡シートからなる前記シート材を形成する工程と、
形成されたシート材を、袋状又はシート状に形成して前記包装体本体を形成する工程と、
前記包装体本体の表面の所定箇所に、加熱溶融した粘着材料を点状に形成して供給し、前記粘着部材を形成する工程と、
前記粘着部材を固化させる工程と、
を有することを特徴とする包装体の製造方法。
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JP2019104835A (ja) * | 2017-12-13 | 2019-06-27 | 王子ホールディングス株式会社 | 固定用シート |
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-
2012
- 2012-12-03 JP JP2012264809A patent/JP2014108815A/ja active Pending
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