JP2014108745A - 車両用制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】踏力変動量を抑えつつ、回生エネルギの回収効率の向上を図ることができる車両用制動制御装置を提供すること。
【解決手段】液圧制動装置と回生制動装置とを制御し回生制動トルクと液圧制動トルクとを制御する統合制御装置において、車速の低下に対応し回生制動トルクを予め設定された減少勾配で減少させつつ駆動モータを作動させて液圧制動トルクを増加させるすり替え制御を実行するすり替え制御部は、車両停止間際に設定された第1車速領域Iにおいて、回生制動トルクを、第1減少勾配K1により減少させ、第1車速領域Iよりも高車速域に設定された第2車速領域IIにおいて、回生制動トルクを、ブレーキペダル反力変化である踏力変動を設定された許容値以下に抑えることが可能な減少勾配であって第1勾配K1よりも緩やかな第2減少勾配K2で減少させるすり替え車速特性に設定されていることを特徴とする車両用制動制御装置とした。
【選択図】図8

Description

本発明は、制動時に、検出されたドライバの要求総制動トルクに応じて回生制動装置と摩擦制動装置との制動トルクを制御する車両用制動制御装置に関する。
従来、制動時に、検出されたドライバの要求総制動トルクに応じて回生制動装置と摩擦制動装置とを作動させる回生協調制動制御を行う車両用制動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような従来技術では、制動時に、車速が所定車速以下の低車速になるのに伴い、制動トルクを回動制動トルクから摩擦制動トルクへすり替える制御を行なっている。
さらに、従来技術では、このすり替え制御において、ブレーキペダル反力の変化度合いである踏力変動量が大きい程、上記回生制動トルクから摩擦制動トルクへのすり替えを開始する車速を高車速側に変更している。これにより、マスタシリンダ圧の変化速度を緩やかにすることによりブレーキペダル反力の変化速度を小さくして、踏力変動によりドライバに違和感を与えるのを抑えている。
特開2010−179742号公報
しかしながら、上述の従来技術では、回生制動トルクから摩擦制動トルクへのすり替え開始のタイミングを高車速側へ変更した場合には、回収可能な回生エネルギが減少するという問題が生じていた。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、踏力変動を抑えつつ、回生エネルギの回収効率の向上を図ることができる車両用制動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両用制動制御装置は、
車速の低下に対応し回生制動トルクを予め設定された減少勾配で減少させつつ制動液圧を上昇可能なアクチュエータを作動させて液圧制動トルクを増加させるすり替え制御を実行するすり替え制御部を備え、
前記すり替え制御部は、車両停止間際に設定された第1車速領域において、前記回生制動トルクを、第1減少勾配により減少させ、前記第1車速領域よりも高車速域に設定された第2車速領域において、前記回生制動トルクを、ブレーキペダル反力変化である踏力変動を設定された許容値以下に抑えることが可能な減少勾配であって前記第1勾配よりも緩やかな第2減少勾配で減少させるすり替え車速特性に設定されていることを特徴とする車両用制動制御装置とした。
本発明では、制動時に、車速が高速側の第2車速領域であるときは、回生制動トルクを、第1勾配よりも緩やかであり踏力変動を設定された許容値以下に抑えることが可能な第2減少勾配で減少させる。したがって、踏力変動を抑えてドライバに違和感を与えないようにしつつ、相対的に回生制動トルクを抑えて、回生エネルギを高効率で回収可能である。
また、車速が車両停止間際に設定された第1車速領域まで低下すると、第2減少勾配よりも急な第1減少勾配により回生制動トルクを減少させる。この車両停止間際では、車両にピッチ挙動が生じ、踏力変動がこのピッチ挙動に紛れるため、回生制動トルクの急減少が可能である。
したがって、すり替え制御時に、踏力変動を抑えつつ、回生制動トルクを高く保って回生エネルギの高効率の回収が可能となる。
実施の形態1の車両用制動制御装置のシステム構成図である。 実施の形態1の車両用制動制御装置に適用したブレーキ装置および電動倍力装置の構成を示す断面図である。 実施の形態1の車両用制動制御装置における予圧回生制動トルク減少制御を含むすり替え制御の処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1の車両用制動制御装置における回生協調制動制御時の回生制動トルクと液圧制動トルクの関係の一例を示す特性図であって、(a)は車速変化を示し、(b)は(a)の車速変化に対応する回生制動トルクと液圧制動トルクの変化を示している。 実施の形態1の車両用制動制御装置におけるすり替え車速特性図である。 実施の形態1の車両用制動制御装置におけるすり替え車速特性を規定する第4設定車速特性図である。 実施の形態1の車両用制動制御装置の作用説明のための比較例の動作例を示すタイムチャートである。 実施の形態1の車両用制動制御装置の動作例を示すタイムチャートである。 実施の形態2の車両用制動制御装置におけるすり替え車速線特性図である。 実施の形態3の車両用制動制御装置におけるすり替え車速線特性図である。 実施の形態3の車両用制動制御装置におけるドライバ要求総制動力の違いによる動作の違いを示すタイムチャートであって、(a)はドライバ要求総制動力が相対的に低い場合を示し、(b)はドライバ要求総制動力が相対的に高い場合を示している。
以下、本発明の車両用制動制御装置を実現する実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1の車両用制動制御装置の全体構成を、この車両用制動制御装置のシステム構成図である図1に基づいて説明する。
実施の形態1の車両用制動制御装置は、モータ/ジェネレータ1(以下、単にモータ1と表記する)により駆動輪(図1に示す車輪WH)を駆動させる電動車両に適用されており、液圧制動装置(摩擦制動装置)Aと回生制動装置Bを備えている。
液圧制動装置Aは、ブレーキペダルBP、マスタシリンダMC、ブレーキコントロールユニット2、VDCコントロールユニット3を備え、回生制動装置Bはモータコントロールユニット4を備え、制動時には、統合制御装置5により、各コントロールユニット2,3,4が制御される。
具体的には、制動時には、統合制御装置5は、制動操作に応じたドライバ要求総制動トルクを求める。そして、統合制御装置5は、制動時に、必要に応じて回生協調制御を実行する。この回生協調制御は、モータ1の回生時に生じる制動トルク( 回生制動トルク)に対応する液圧を減じてマスタシリンダMCの液圧を発生させて、摩擦制動トルクとしての液圧制動トルクを発生させるものである。
以下、液圧制動装置Aおよび回生制動装置Bについて説明する。
(液圧制動装置)
まず、液圧制動装置Aについて説明する。
この液圧制動装置Aは、ブレーキ装置10、VDCアクチュエータ30、を備えている。
ブレーキ装置10では、運転者が踏み込むブレーキペダルBPに対する踏力に応じた制動液圧がマスタシリンダMCで発生し、この制動液圧が、ブレーキ液圧回路(プライマリ回路11およびセカンダリ回路12)を介して各車輪WHに設けられたホイールシリンダWCへ供給されて制動力を発生する。
また、ブレーキ装置10は、電動倍力装置20を備え、ブレーキペダルBPの踏力(操作量)は、電動倍力装置20によりあらかじめ設定された倍力比で倍力され、マスタシリンダMCでは、この倍力された入力が液圧に変換されて制動液圧が形成される。
ここで、図2に基づいて、電動倍力装置20を含むブレーキ装置10の構成について説明する。
ブレーキ装置10は、車輪WHを制動するホイールシリンダWCと、ホイールシリンダWCに作動油を供給するマスタシリンダMCと、作動油を貯留するリザーバタンクRESと、ブレーキペダルBPの操作により進退移動するインプットシャフト13とを備える。なお、電動倍力装置20は、インプットシャフト13に付与された推進力を倍力する。また、ブレーキコントロールユニット2は、インプットシャフト13の変位量を検出するストロークセンサ14が検出した変位量に応じて電動倍力装置20を制御する。
インプットシャフト13は、ブレーキペダルBPと共にストローク(進退)する入力部材であって、インプットシャフト13のストロークにより、マスタシリンダMCのプライマリピストン15が移動する。
マスタシリンダMCは、インプットシャフト13のアシスト部材としてのプライマリピストン15を進退移動させる。
電動倍力装置20は、インプットシャフト13の移動に応じてプライマリピストン15に推進量を付与し、その推進力によりマスタシリンダMC内の液圧(以下、マスタシリンダ圧Pmc)を倍力する。
ストロークセンサ14は、インプットシャフト13の一端部に設けられている。ストロークセンサ14は、ドライバの制動操作の操作量として、インプットシャフト13のストロークの変位量を検出する検出部である。ストロークセンサ14は、検出した変位量に応じた検出信号をブレーキコントロールユニット2に出力する。
ブレーキコントロールユニット2は、ストロークセンサ14から検出信号を受け付け、検出信号に応じたインプットシャフト13のストロークの変位量を示す変位量情報を統合制御装置5(図1参照)に送信する。ブレーキコントロールユニット2は、統合制御装置5(からの制御指令に従って電動倍力装置20を駆動して、インプットシャフト13の変位量に応じた推進力をプライマリピストン15に付与する。
以下、マスタシリンダMCの軸方向をx軸方向とし、図において左方向であるマスタシリンダMCの底部側をx軸正方向とし、ブレーキペダルBP側をx軸負方向とする。
マスタシリンダMCは、いわゆるタンデム型のシリンダである。マスタシリンダMCのシリンダ16内には、アシスト部材としてのプライマリピストン15と、セカンダリピストン17とが設けられており、両者15,17はギャップL2だけ軸方向に離間して配置されている。
シリンダ16では、プライマリピストン15のx軸正方向側の端面と、セカンダリピストン17のx軸負方向側の端面とによりプライマリ液圧室16aが形成される。プライマリ液圧室16aは、プライマリ回路11と連通可能に接続されている。
プライマリ液圧室16aの容積は、プライマリピストン15とセカンダリピストン17がシリンダ16内をストロークすることにより変化する。プライマリ液圧室16aには、プライマリピストン15をx軸負方向側に付勢する戻しバネ15bが設置されている。
また、シリンダ16では、シリンダ16内の底面と、セカンダリピストン17におけるx軸正方向側の端面とにより、セカンダリ液圧室16bが形成される。セカンダリ液圧室16bは、セカンダリ回路12と連通可能に接続されている。
セカンダリ液圧室16bの容積は、セカンダリピストン17がシリンダ16内をストロークすることにより変化する。セカンダリ液圧室16bには、セカンダリピストン17をx軸負方向側に付勢する戻しバネ17bが設置されている。
プライマリ回路11には、プライマリ液圧センサ11sが設けられている。プライマリ液圧センサ11sは、摩擦制動トルクを調整するために、プライマリ液圧室16aの液圧を検出し、検出結果を示す液圧情報をブレーキコントロールユニット2に送信する。
セカンダリ回路12には、セカンダリ液圧センサ12sが設けられている。セカンダリ液圧センサ12sは、摩擦制動トルクを調整するために、セカンダリ液圧室16bの液圧を検出し、検出結果を示す液圧情報をブレーキコントロールユニット2に送信する。なお、両回路11,12の途中に、VDCアクチュエータ30が設けられている。
インプットシャフト13のx軸正方向側の端部は、プライマリピストン15の隔壁15aを貫通し、プライマリ液圧室16a内に接地している。インプットシャフト13の端部とプライマリピストン15の隔壁15aとの間はシールされており、液密性を確保するとともに、インプットシャフト13の端部は、隔壁15aに対して軸方向に摺動可能に設けられている。
一方、インプットシャフト13のx軸負方向側の端部は、ブレーキペダルBPに連結されている。ドライバがブレーキペダルBPを踏むと、インプットシャフト13はx軸正方向側に移動し、ドライバがブレーキペダルBPを戻すと、インプットシャフト13はx軸負方向側に移動する。
また、インプットシャフト13には、フランジ部13fの外径よりも小径かつ、プライマリピストン15の隔壁15aの内周よりも大径の大径部13aが形成されている。ブレーキ操作が行われていないブレーキ非作動時には、大径部13aのx軸正方向側の端面と隔壁15aのx軸負方向側の端面との間にギャップL1が設けられる。このギャップL1により、プライマリピストン15がインプットシャフト13に対してx軸負方向に相対移動することが可能となる。これにより、統合制御装置5から回生協調制御指令を受けたときに、ブレーキコントロールユニット2が回生制動トルク分だけ摩擦制動トルクを減じることができる。
また、ギャップL1により、インプットシャフト13がプライマリピストン15に対してx軸正方向にギャップL1分だけ相対変位すると、大径部13aのx軸正方向側の端面と隔壁15aとが当接して、インプットシャフト13とプライマリピストン15とが一体的に移動する。これによってプライマリ液圧室16aの作動液が加圧され、加圧された作動液がプライマリ回路11に供給される。
プライマリ液圧室16aの圧力により、セカンダリピストン17がx軸正方向側へ移動する。これによってセカンダリ液圧室16bの作動液が加圧され、加圧された作動液がセカンダリ回路12に供給される。
上記のように、インプットシャフト13は、ブレーキペダルBPと連動して移動し、プライマリ液圧室16aを加圧する構成となっている。これにより、万が一、故障によりブレーキ装置10の駆動モータ21が停止した場合にも、ドライバのブレーキ操作によってマスタシリンダ圧Pmcを上昇させ、所定の制動トルクを確保できる。また、マスタシリンダ圧Pmcに応じた力がインプットシャフト13を介してブレーキペダルBPに作用し、ブレーキペダル反力としてドライバに伝達する。このため、上記構成を採らない場合に必要な、ブレーキペダル反力を生成するバネ等の装置が不要となり、ブレーキ倍力装置の小型化・軽量化を図ることができ、車両への搭載性が向上する。
また、ホイールシリンダWCは、車輪WHに摩擦制動トルクを付与する摩擦制動装置であって、シリンダ16からの作動液によってピストン(図示省略)が移動し、ピストンに連結したパッド(図示省略)がディスクロータDR(図1参照)を押圧する。
リザーバタンクRESは、不図示の隔壁によって互いに仕切られた少なくとも2つの液室を有する。リザーバタンクRES内の一方の液室は、ブレーキ回路18aを介して、マスタシリンダMCのプライマリ液圧室16aと連通可能に接続されている。他の液室は、ブレーキ回路18bを介してセカンダリ液圧室16bと連通可能に接続されている。
次に、電動倍力装置20について説明する。
電動倍力装置20は、ブレーキコントロールユニット2からの制御指令に従ってプライマリピストン15の変位量、すなわちマスタシリンダ圧Pmcを調整するものである。電動倍力装置20は、インプットシャフト13の変位量に応じた回転力を発生させる駆動モータ21と、駆動モータ21の回転力を増大させる減速装置22と、減速装置22の回転力をマスタシリンダMCに伝達する回転−並進変換装置23と、を有する。
駆動モータ21は、三相DC(Direct Current)ブラシレスモータである。駆動モータ21は、ブレーキコントロールユニット2からの制御指令に従ってストロークセンサ14からの検出信号に応じた回転トルクを発生させる。駆動モータ21は、プライマリピストン15を進退移動させるアクチュエータの役割を果たす。
減速装置22は、駆動モータ21の出力回転をプーリ減速方式により減速する。減速装置22は、駆動モータ21の出力軸に設けられた小径の駆動側プーリ22aと、回転−並進変換装置23のボールネジナット23aに設けられた大径の従動側プーリ22bと、駆動側プーリ22a及び従動側プーリ22bに巻き掛けられたベルト22cと、を有する。
減速装置22は、駆動側プーリ22aと従動側プーリ22bの半径比により定まる減速比に応じて駆動モータ21の回転トルクを増幅し、増幅されたトルクを回転−並進変換装置23に伝達する。
回転−並進変換装置23は、駆動モータ21の回転動力を並進動力に変換し、並進動力によりプライマリピストン15を押圧する。回転−並進変換装置23は、ボールネジ方式を採用しており、ボールネジナット23aと、ボールネジ軸23bと、可動部材23cと、戻しバネ23dと、を有する。
マスタシリンダMCのx軸負方向側にはハウジング部材HSG1が設けられ、ハウジング部材HSG1のx軸負方向側にはハウジング部材HSG2が設けられている。ハウジング部材HSG2内に設けられたベアリングBRGの内周には、ボールネジナット23aが軸回転可能に設置されている。
ボールネジナット23aは、従動側プーリ22bに嵌合されている。ボールネジナット23a内には、中空のボールネジ軸23bが螺合している。ボールネジナット23aとボールネジ軸23bとの隙間には、複数のボールが回転移動可能に設置されている。
ボールネジ軸23bのx軸正方向側の端部には可動部材23cが一体に設けられ、可動部材23cのx軸正方向側の端面にはプライマリピストン15が接合されている。プライマリピストン15は、ハウジング部材HSG1に収容されている。プライマリピストン15のx軸正方向側の端部は、ハウジング部材HSG1から突出してマスタシリンダMCの内周に嵌合されている。
ハウジング部材HSG1の内周とプライマリピストン15の外周との間には、戻しバネ23dが設置されている。戻しバネ23dは、x軸正方向側の端部がハウジング部材HSG1内のx軸正方向側の底面に固定され、x軸負方向側の端部が可動部材23cに係合されている。戻しバネ23dは、前記底面と可動部材23cとの間で軸方向に押し縮めて設置されており、可動部材23cとボールネジ軸23bをx軸負方向側に付勢している。
従動側プーリ22bが回転すると、ボールネジナット23aが一体的に回転し、ボールネジナット23aの回転運動により、ボールネジ軸23bが軸方向に並進運動する。x軸正方向側へのボールネジ軸23bの並進運動の推力により、可動部材23cを介してプライマリピストン15をx軸正方向側に押圧する。なお、図2には、ブレーキ非作動時にボールネジ軸23bがx軸負方向側に最大変位したときの状態が示されている。この状態がボールネジ軸23bの初期位置である。
一方、ボールネジ軸23bには、並進運動の推力と反対方向(x軸負方向側)に戻しバネ23dの弾性力が作用する。例えば、ブレーキ操作が行われているとき、すなわちプライマリピストン15をx軸正方向側に押圧してマスタシリンダ圧Pmcを加圧している状態でも、x軸負方向側に弾性力が作用する。
また、インプットシャフト13とプライマリピストン15との間に画成した環状空間19には、一対のバネ19a及び19bが配設されている。バネ19aの一端はインプットシャフト13に設けられたフランジ部13fに係止され、バネ19aの他端はプライマリピストン15の隔壁15aに係止されている。バネ19bの一端はフランジ部13fに係止され、バネ19bの他端は可動部材23cに係止されている。
バネ19a及び19bは、プライマリピストン15に対してインプットシャフト13を両者の相対変位の中立位置に向けて付勢し、ブレーキ非作動時にインプットシャフト13とプライマリピストン15とを相対移動の中立位置に保持する役割を果たす。バネ19a及び19bにより、インプットシャフト13とプライマリピストン15とが中立位置からいずれかの方向に相対変位したとき、プライマリピストン15に対してインプットシャフト13を中立位置に戻す付勢力が作用する
VDC((Vehicle Dynamics Controlの略)アクチュエータ30は、周知のもので、内部に図示を省略したポンプ、増圧弁および減圧弁を備え、ホイールシリンダ圧Pwcを増減させて調整することができる。したがって、ドライバが制動を行なったときに、駆動輪を含む車輪WHがロックしないようにホイールシリンダ圧Pwcを調整する、いわゆるABS制御を実行可能である。
さらに、VDCアクチュエータ30は、図示を省略したポンプを内蔵している。したがって、VDCアクチュエータ30は、マスタシリンダMCにおいて制動液圧が発生していない状態において、この内蔵ポンプで形成した制動液圧により駆動輪を含む車輪WHに液圧制動トルクを生じさせることができる。そして、この液圧制動トルクを、4輪のうちの任意の車輪において任意の制動力を発生させることにより、車両の運動制御(以下、これをVDC制御という)を実行可能である。
なお、VDCアクチュエータ30の駆動は、VDCコントロールユニット3により制御される。
(回生制動装置)
次に、回生制動装置Bについて説明する。
回生制動装置Bは、図1に示す駆動輪(車輪WH)に減速機及びディファレンシャル6を介して駆動結合されたモータ(モータ/ジェネレータ)1により車輪回転エネルギを電力に変換する。すなわち、モータ1は、モータコントロールユニット4からの3相PWM信号によりインバータ41での交流・直流変換を介して制御される。そして、駆動輪(図1に示す車輪WH)の駆動が必要なEV走行モードでは、強電バッテリ42からの電力でモータ1をモータとして駆動させて駆動輪(図1に示す車輪WH)を回転させる。一方、制動が必要な制動モードでは、回生制動トルク制御を行なって、モータ1をジェネレータとして駆動させて車両運動エネルギを電力に変換して強電バッテリ42に回収する。
VDCコントロールユニット3およびモータコントロールユニット4は、統合制御装置5からの指令により、液圧制動装置Aおよび回生制動装置Bを制御する。
これによりモータコントロールユニット4は、統合制御装置5からの回生制動トルク指令値に基づいてモータ1による回生制動トルクを制御する。
また、VDCコントロールユニット3は、統合制御装置5およびブレーキコントロールユニット2からの指令値に基づいてホイールシリンダWCにおける液圧制動トルクを制御する。
なお、センサ群100には、前述したストロークセンサ14および両液圧センサ11s,12sの他に、図示を省略したバッテリ温度センサ、車輪速センサ、マスタシリンダ圧センサ、ホイールシリンダ液圧センサなどが含まれている。
また、モータコントロールユニット4は、バッテリ温度や推定される強電バッテリ42の充電容量(以下、これをバッテリSOCと称する)から、モータ1の最大許容回生制動トルクを算出して統合制御装置5へ送信する。
また、VDCコントロールユニット3は、入力された車輪速度Vw、マスタシリンダ圧Pmcおよびホイールシリンダ圧Pwcを統合制御装置5へ送信する。
(制動トルク制御)
統合制御装置5は、運転手が制動操作を行った際に、ブレーキペダル踏込量に基づいて、ドライバ要求総制動トルクTreqを求める。そして、このドライバ要求総制動トルクTreqに応じ、ブレーキコントロールユニット2およびモータコントロールユニット4の制御に基づいて、回生制動トルクおよび液圧制動トルクを発生させる制動トルク制御を実行する。このとき、回生制動トルクを優先することにより、特に加減速を繰り返す走行パターンにおいて、エネルギ回収効率が高く、より低い車速まで回生制動によるエネルギの回収を実現している。
また、回生制動トルクには車速によって決まる回転数に応じて上限があるため、ドライバ要求総制動トルクTreqに対し回生制動トルクによる減速のみでは不足する場合、その不足分を摩擦制動トルクで補うよう回生協調制御を行う。
さらに、この回生協調制御では、制動操作により車速が低下するのに行い、図4に示すように、回生制動トルクのみの発生状態から、回生制動トルクを低減させつつ、その低減分を液圧制動トルクにより補うすり替え制御を実行する。
この回生協調制御におけるすり替え制御について図3のフローチャートに基づいて説明する。
この図3のフローチャートは、このすり替え制御における処理の流れを示しており、以下に、順を追って説明する。
ステップS101では、ドライバ要求総制動トルクTreqを演算し、次のステップS102に進む。このステップS101の処理を実行する部分が、ドライバ要求総制動力検出装置に相当し、本実施の形態1では、ストロークセンサ14により検出されるドライバのブレーキペダルBPの動作に基づいて、そのストロークで発生し得る液圧制動トルクを演算し、これをドライバ要求総制動トルクTreqとしている。また、クルーズコントロールのような自動減速制御手段を有している場合は、上記液圧制動トルクとのセレクトハイ値を最終的なドライバ要求総制動トルクTreqとしてもよい。
ステップS102では、車速Vrefを入力し、次のステップS103へ進む。ここで車速Vrefは、車輪WHの各輪に設けられた車輪速センサ(図示省略)から得られる車輪速パルスセンサの平均値に一定のローパスフィルタをかけたものを使用することができる。あるいは、この車輪速センサ(図示省略)から得られる値では、極低速域の車速を演算するのに分解能および検出時間に問題があるようであれば、モータ1の回転レゾルバの信号にローパスフィルタをかけた値を用いてもよい。なお、ローパスフィルタの設定は、フィルタが強過ぎる(時定数が大きい)と車両停止後に車速が出ている値となり、回生制動トルクが残る可能性があるので、そうならないような設定とする。
ステップS103では、低車速域回生トルク制限値TVELを演算した後、ステップS104に進む。この低車速域回生トルク制限値TVELは、車両停止間際の低車速域において車速Vrefに応じて、制動トルクを、回生制動トルクから液圧制動トルク(摩擦制動トルク)にすり替えるための制限値である。具体的には、この低車速域回生トルク制限値TVELは、図5に示すすり替え車速線特性による低車速域制限マップに基づいて演算する。
ここで、図5の低車速域制限マップについて説明する。
低車速域回生トルク制限値TVELは、図5に示すすり替え車速線に基づいて、車速Vrefに応じて設定される。すなわち、第1設定車速Vから第2設定車速Vの間の第1車速領域Iは、踏力変動を停止間際の車両ピッチ挙動に紛れ込ませることのできる車速領域である。
具体的には、第1設定車速Vおよび第2設定車速Vは、V<V<10km/h程度の値に設定されているとともに、第2設定車速Vに対応して設定された低制限値Tlim_lは、絶対値が0.1G前後相当程度の回生制動トルクに設定されている。
これらの値は、実測値に基づき、停止間際の車両ピッチ挙動、ペダル反力変動、車輪速センサの低速域精度などに応じて設定するのが好ましい。また、車両のピッチ剛性や着座位置、車輪速センサ演算の低速域精度などに基づいて、適宜最適な値に設定することができる。なお、第2設定車速Vを、車両の減速度によらず一定とすることにより、減速度が小さいときは時間をかけて回生すり替えが実施され、減速度が大きいときは短時間で回生すり替えが実施される。
車速Vrefが第2設定車速Vから第3設定車速Vまでの第3車速領域IIIは、後述する第1車速領域Iと第2車速領域IIとの間に、予め設定された時間(例えば、数百msec)を確保するための車速領域である。具体的には、第2設定車速Vは前述したように固定値であるのに対し、第3設定車速Vは、十前後〜十数km/hの間で、ドライバ要求総制動トルクTreqが大きいほど大きく設定する。これにより、ドライバ要求総制動トルクTreqが大きいほど第3車速領域IIIの時間が長くなる。
また、第3設定車速Vに対応する中間制限値Tlim_mは、低制限値Tlim_lよりも大きい値で、かつ、ドライバがブレーキペダル反力変化を感じなくなるよう、低制限値Tlim_lとの差を低く抑えて設定する必要があり、例えば、0.15G前後相当の回生制動トルクに設定する。
車速Vrefが第3設定車速(第2車速領域低速側車速)Vから第4設定車速(第2車速領域高速側車速)Vの間の第2車速領域IIは、回生制動トルクを減少させることによる踏力変動が予め設定された踏力変動速度以下となるように低車速域回生トルク制限値TVELの設定を行う。
すなわち、本実施の形態において採用している電動倍力装置20では、回生制動トルクを減らした分だけ、摩擦制動トルクを発生させるべくマスタシリンダ圧Pmcを上昇させる。このとき、マスタシリンダMCにおけるマスタシリンダ圧Pmcの上昇と両バネ19a,19bのバネ反力との関係から、回生制動トルクを高制限値Tlim_hから中間制限値Tlim_mまで低下させたときに発生する踏力変動量を算出できる。この踏力変動量を許容できる時間を、車両に応じて設定された踏力変動速度許容値から逆算し、この時間をかけて回生制動トルクを高制限値Tlim_hから中間制限値Tlim_mまで落とすこととする。本実施の形態1では、高制限値Tlim_hを、0.2前後〜0.3G相当の回生トルクとして設定し、この領域における踏力変動を許容できるよう、第4設定車速Vをドライバ要求総制動トルクTreqの関数としている。具体的には、第4設定車速Vは、図6に示す第4設定車速マップを用いて、ドライバ要求総制動トルクTreqに応じて、ドライバ要求総制動トルクTreqが大きいほど、高い値に設定する。また、ドライバ要求総制動トルクTreqが所定値以下の領域では、第4設定車速Vを一定値とする。
なお、車速Vrefが第4設定車速Vよりも大きい車速領域では、低車速域回生トルク制限値TVELは高制限値Tlim_hに設定する。
以上が、ステップS103における低車速域回生トルク制限値TVELの設定処理であって、車速Vrefに応じて、低車速域回生トルク制限値TVELを演算する。
ステップS103に続くステップS104では、最終回生制動トルク制限値Tlimを設定する。すなわち、回生制動トルクの制限値としては、上述のステップS103にて演算された低車速域回生トルク制限値TVEL以外にも、従来から周知のように、ドライバ要求総制動トルクTreqの大きさに応じた制限値や、ドライバ要求総制動トルクTreqの増加勾配に対して回生制動トルクの増加勾配に制限をかけた制限値などが存在する。そこで、このステップS104では、これらの回生制動トルクの制限値をセレクトロー(回生制動トルク制限値は正とする)することにより、最も制限要求の強いものを最終回生制動トルク制限値Tlimとして選択する。
ステップS104に続くステップS105では、ステップS104にて得られた最終回生制動トルク制限値Tlimと、現在の回生制動トルク実行値、ドライバ要求総制動トルクTreqのセレクトロー値を、モータ1に回生制動トルク指令値として決定して、その制御信号を出力する。
次に、図7、図8のタイムチャートに基づいて実施の形態1の作用を説明する。
<比較例>
ここで、本実施の形態1と比較するために、本願発明を適用しない従来技術の場合の動作の一例を図7に示し説明する。
この動作例は、t01の時点でドライバが制動操作を行ってt05の時点で停車した場合を示している。このとき、踏力の変化度合いが相対的に大きい場合、点線により示す相対的に踏力の変化度合いが小さい場合と比較して、高車速から回生制動トルクと摩擦制動トルクとのすり替えを実施する。このため、回生制動トルクは、相対的に踏力の変化度合いが小さい場合のすり替えの開始時点(t02b)よりも早い時点ですり替えを行い、回生制動トルクは、実線で示すように、t02の時点から減少している。
したがって、図において点線で示す相対的に踏力の変化度合いが小さい場合と比べて、図において斜線により示す領域の分だけ、回生エネルギを回収できないことになる。なお、このように、すり替え開始車速を高速側に変更することにより、ブレーキペダル反力変動である踏力変動速度を遅くできるため、ドライバに与える違和感を低減できる。
<実施の形態1の動作例>
図8は、実施の形態1の動作例を示すタイムチャートであり、t1の時点から、図7に示す比較例と同様の制動操作を行っている。
この実施の形態1では、ステップS103において低車速域回生トルク制限値TVELを図5に示すすり替え車速線に基づいて演算している。なお、以下の説明は、ステップS104にて決定される最終回生制動トルク制限値Tlimが低車速域回生トルク制限値TVELであるものとして説明する。
したがって、車速Vrefが第4設定車速V4となるまでは、低車速域回生トルク制限値TVELは高制限値Tlim_hに設定される。
そして、車速Vrefが、第4設定車速V以下となってすり替え車速線の傾斜部分を横切った時点(t2)から、すり替え制御を開始し、回生制動トルクを減少させるとともに、液圧制動トルク(摩擦制動トルク)を上昇させる(図4参照)。この回生制動トルクの減少時に、本実施の形態1では、車速Vrefが第3設定車速Vとなるまでの第2車速領域IIでは、低車速域回生トルク制限値TVELに基づいて回生制動トルクは第2減少勾配K2により減少する。
また、このすり替え制御の開始を規定するとともに、第2減少勾配K2を規定する第4設定車速Vは、ドライバ要求総制動トルクTreqに応じ、ドライバ要求総制動トルクTreqが大きいほど、高車速に設定される。また、第4設定車速Vと共に第2減少勾配K2を規定する第3設定車速Vも、ドライバ要求総制動トルクTreqに応じ、ドライバ要求総制動トルクTreqが大きいほど第3車速領域IIIの時間が長くなるように高車速側に設定される。
なお、第4設定車速Vから第3設定車速Vまでの第2車速領域IIでは、回生制動トルクを減少させることに伴って液圧制動トルクを立ち上げることにより、インプットシャフト13がマスタシリンダ圧Pmcの変動を受圧することにより踏力変動が生じる。そこで、このとき生じる踏力変動が、設定された踏力変動速度以下となるように、両設定車速V,Vおよび両制限値Tlim_h,Tlim_mの設定を行っている。すなわち、回生制動トルクを高制限値Tlim_hから中間制限値Tlim_mまで落としたときに発生する踏力変動量を算出し、この踏力変動量を許容できる時間を、踏力変動速度許容値から逆算し、この時間をかけて回生制動トルクを高制限値Tlim_hから中間制限値Tlim_mまで落とすことができるように設定している。
したがって、この第2車速領域IIでは、ドライバに踏力変動を意識させ無い範囲で、回生制動トルクを、時間をかけて低下させるように、第2減少勾配K2が形成される。よって、比較例と比べ、回生エネルギを相対的に大きく回収できる。
その後、車速Vrefが第3設定車速Vまで低下した時点(t3)から、第2設定車速Vに低下する時点(t4)までの第3車速領域IIIでは、図5に示すすり替え車速線に基づいて、回生制動トルクを中間制限値Tlim_mから低制限値Tlim_lまで低下させる。この制御に基づいて、第1車速領域Iと第2車速領域IIとの間に第3車速領域IIIが形成される。また、この第3車速領域IIIでは、設定時間(数百msec)を要するように制御する。これに伴い、回生制動トルクの減少勾配として、第3減少勾配K3が得られる。
そして、前述のように、中間制限値Tlim_mは、低制限値Tlim_lよりも大きい値で、かつ、ドライバがブレーキペダル反力変化を感じなくなるよう、低制限値Tlim_lとの差を低く抑えて設定されている。
よって、この第3減少勾配K3は、図示のように、非常に緩やかとなり、このときの踏力変動が、ドライバが変化を感じない設定となっている。
その後、車速Vrefが第2設定車速Vに低下した時点(t4)から、第1設定車速Vに低下する時点(t5)までの間である第1車速領域Iでは、回生制動トルクは第1減少勾配K1で低下される。この第1減少勾配K1は、図示のように、他の減少勾配K2,K3と比較して急に設定されている。この第1車速領域Iでは、回生制動トルクの相対的に急な減少に応じて、液圧制動トルク(摩擦制動トルク)が急に立ち上げられる。
したがって、踏力変動は、相対的に大きな変動となる。しかし、この車両停止間際の第1車速領域Iでは、車両にピッチ挙動が生じるため、踏力変動が相対的に大きくなっても、この車両ピッチ挙動に紛れて、ドライバにそれを実感させないようにできる。
以上のように、本実施の形態1では、踏力変動が車両ピッチ挙動に紛れ込ませることができる第1車速領域Iまでは、車速Vrefに対する低車速域回生トルク制限値TVELを相対的に高く設定し、図7に示した比較例と比べて、回生制動トルクを確保し、回生エネルギを効率的に回収することができる。
(実施の形態1の効果)
以下に、実施の形態1の車両用制動制御装置の効果を説明する。
(1)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
車両におけるドライバの制動操作時に、ドライバ要求総制動トルクを検出する要求総制動トルク検出装置(ステップS101の処理を実行する部分)と、
車両の車輪WHに加えられる回生制動トルクを制御する回生制動装置Bと、
制動操作に伴って制動液圧を発生させるとともに、アクチュエータとしての駆動モータ21の駆動により制動液圧を上昇可能な液圧制動装置Aと、
ドライバの制動操作時に、回生制動装置Bと液圧制動装置Aとの駆動を制御し回生制動トルクと液圧制動トルクとを制御する制動トルク制御部としての統合制御装置5、ブレーキコントロールユニット2およびモータコントロールユニット4と、
この制動トルク制御部に含まれ、車速Vrefの低下に対応し回生制動トルクを予め設定された減少勾配で減少させつつ駆動モータ21を作動させて液圧制動トルクを増加させるすり替え制御を実行するすり替え制御部(統合制御装置5において図3のフローチャートの処理を実行する部分)と、
を備え、
すり替え制御部(統合制御装置5において図3のフローチャートの処理を実行する部分)は、車両停止間際に設定された第1車速領域Iにおいて、回生制動トルクを、第1減少勾配K1により減少させ、第1車速領域Iよりも高車速域に設定された第2車速領域IIにおいて、回生制動トルクを、ブレーキペダル反力変化である踏力変動を設定された許容値以下に抑えることが可能な減少勾配であって第1減少勾配K1よりも緩やかな第2減少勾配K2で減少させるすり替え車速特性(図5に示す特性)に設定されていることを特徴とする。
制動時に、車速Vrefが高速側の第2車速領域IIであるときは、回生制動トルクを、第1減少勾配K1よりも緩やかであり踏力変動を設定された許容値以下に抑えることが可能な第2減少勾配K2で減少させる。したがって、踏力変動を抑えてドライバに違和感を与えないようにしつつ、相対的に回生制動トルクを抑えて、回生エネルギを高効率で回収可能である。
また、車速Vrefが車両停止間際に設定された第1車速領域Iまで低下すると、第2減少勾配K2よりも急な第1減少勾配K1により回生制動トルクを減少させる。この車両停止間際では、車両にピッチ挙動が生じ、踏力変動がこのピッチ挙動に紛れるため、回生制動トルクの急減少が可能である。
したがって、実施の形態1では、すり替え制御時に、踏力変動を抑えつつ、回生制動トルクを高く保って回生エネルギの高効率の回収が可能となる。
(2)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
すり替え制御部(統合制御装置5において図3のフローチャートの処理を実行する部分)におけるすり替え車速特性(図5に示す特性)は、第1車速領域Iにおける回生制動トルクの第1減少勾配K1を、車両減速度に応じ、車両減速度が小さいほど緩やかにするよう設定されていることを特徴とする。
すなわち、車両減速度が大きい場合は、車両停止間際には、車両ピッチ挙動が、車両減速度が小さい場合よりも大きくなり、ドライバは、相対的に踏力変動を感じにくい。したがって、回生制動トルクを急減少勾配で短時間に減少させても、ドライバに踏力変動による違和感を与えにくい。
それに対し、相対的に車両減速度が小さい場合は、車両減速度が大きい場合と比較して車両ピッチ挙動が抑えられ、ドライバは踏力変動を感じやすくなる。そこで、本実施の形態1では、車両減速度が小さいほど、第1減少勾配K1を緩やかにすることにより、踏力変動を抑え、ドライバに踏力変動による違和感を与えることを抑制できる。
(3)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
すり替え制御部(統合制御装置5において図3のフローチャートの処理を実行する部分)におけるすり替え車速特性(図5に示す特性)は、第1車速領域Iは、予め設定された低速側の第1設定車速V1および高速側の第2設定車速Vの間に設定されているとともに、第1減少勾配K1を、第1設定車速Vにて回生制動トルクが0となるよう設定されていることを特徴とする。
すなわち、第1設定車速V1および第2設定車速V2を予め設定された値に固定することにより、第1減少勾配K1を、車両減速度に応じ、車両減速度が大きい場合には相対的に急に設定し、車両減速度が小さい場合には相対的に緩やかに設定可能となる。これにより、上記(2)に述べた第1減少勾配K1の設定が可能となる。
このように、第1減少勾配K1を車両減速度に応じて変更するのにあたり、単に、すり替え車速特性の第1設定車速Vおよび高速側の第2設定車速Vの設定により可能となる。したがって、車両減速度を検出し、これに応じてその都度、第1減少勾配K1を変更する制御を実施するものと比較して、単純な制御により、上記(2)の制御およびそれにより得られる効果を達成することが可能である。
(4)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
すり替え制御部(統合制御装置5において図3のフローチャートの処理を実行する部分)におけるすり替え車速特性(図5に示す特性)は、第1車速領域Iと第2車速領域IIとの間に第3車速領域IIIが設定され、この第3車速領域IIIにおける第3減少勾配K3を、第1減少勾配K1および第2減少勾配K2よりも緩やかな勾配とするよう設定されていることを特徴とする。
第2車速領域IIから第1車速領域Iへ連続的に移行した場合、第2減少勾配K2による回生制動トルク減少による踏力変動と、第1減少勾配K1による回生制動トルク減少による踏力変動とを積算したトータル踏力変動量がドライバに感知される可能性がある。
それに対し、第2車速領域IIから第1車速領域Iへ移行する間に、緩やかな第3減少勾配K3の第3車速領域IIIを設定して、両車速領域I,IIを切り分けることで、ドライバが体感する踏力変動を、第2車速領域IIにおける踏力変動のみとすることが可能である。これにより、第1車速領域Iにおける第1減少勾配K1による回生制動トルク減少に伴う踏力変動は、車両ピッチ挙動に紛れこませ、ドライバに感じさせないようにすることが可能である。
(5)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
すり替え制御部(統合制御装置5において図3のフローチャートの処理を実行する部分)におけるすり替え車速特性(図5に示す特性)は、第3減少勾配K3を、水平よりも減少側とするよう設定されていることを特徴とする。
第3車速領域IIIにおいては、回生制動トルクおよび液圧制動トルクの変動量を低く抑えることにより第2車速領域IIと第1車速領域Iとを切り分けることが可能である。しかしながら、第3減少勾配K3を、変化速度が0の水平にした場合には、電動倍力装置20の駆動モータ21が一旦停止し、その後、再駆動するという動作となり、駆動モータ21の動き始めに踏力変動(踏力とストロークの不連続感)が発生するおそれがある。それに対し、第3減少勾配K3は、水平よりも減少側に傾けて、回生制動トルクの減少および液圧制動トルクの増加を続けることにより、上記の踏力変動を軽減することが可能となる。
(6)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
第3車速領域IIIは、第2設定車速Vと、この第2設定車速Vよりも高速側の第3設定車速Vとの間に設定され、
第3設定車速Vは、車速Vrefが第2設定車速Vに低下するまでの間に、予め設定された設定時間を確保可能に設定されていることを特徴とする。
このように、第3車速領域IIIを設定時間以上確保することにより、上記(5)の効果を確実に奏することができる。
(7)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
第3設定車速Vは、ドライバ要求総制動トルクTreqに応じ、ドライバ要求総制動トルクTreqが大きいほど予め設定された範囲内で高速側に設定されることを特徴とする。
これにより、ドライバ要求総制動トルクTreqが大きいほど、第3車速領域IIIの速度幅を確保し、上記(5)で述べた効果を、ドライバ要求総制動トルクTreqの大きさに関わらず、より確実に得ることが可能となる。
(8)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
すり替え制御部(統合制御装置5において図3のフローチャートの処理を実行する部分)におけるすり替え車速特性(図5に示す特性)は、第2車速領域IIは、低速側の第2車速領域高速側車速としての第4設定車速Vおよび第2車速領域低速側車速としての第3設定車速Vの間に設定されているとともに、第2車速領域高速側車速としての第4設定車速Vは、ドライバ要求総制動トルクTreqに応じ、ドライバ要求総制動トルクTreqが大きいほど高速側に設定されることを特徴とする。
これにより、第4設定車速Vが固定値の場合には、ドライバ要求総制動トルクTreqが大きいほど第2減少勾配K2が急になるが、このように第2減少勾配K2が急になるのを抑え、より確実に第2車速領域IIにおける踏力変動の発生を抑えることができる。
(9)実施の形態1の車両用制動制御装置は、
液圧制動装置Aは、ブレーキペダルBPの操作により進退移動する入力部材としてのインプットシャフト13と、このインプットシャフト13に相対移動可能に配置されたアシスト部材としてのプライマリピストン15と、前記入力部材を前記アシスト部材に対して、中立位置に付勢する付勢手段と、インプットシャフト13を進退移動させるアクチュエータとしての駆動モータ21と、プライマリピストン15の移動により容積変動することにより制動液圧を発生し、かつ、この制動液圧を受圧可能にインプットシャフト13が配置されたプライマリ液圧室16aと、を備え、ブレーキペダルBPによるインプットシャフト13の移動に応じてプライマリピストン15に付与されるアシスト推力によりマスタシリンダMC内に倍力されたブレーキ液圧としてのマスタシリンダ圧Pmcを発生させる電動倍力装置20を備えていることを特徴とする。
このような電動倍力装置20を用いてすり替え制御を実施した場合、すり替えによる回生制動トルクの減少に応じて、液圧制動トルクを立ち上げた場合、インプットシャフト13がプライマリ液圧室16aの液圧上昇の反力を受ける。この反力の変動が大きい場合に、ドライバに対して踏力変動による違和感を与えるおそれがある。
これに対して、上記(1)などで述べたように、車両停止間際の第1車速領域I以前の車速領域では、回生制動トルクの減少を抑え、踏力変動を抑えるとともに、回生エネルギ回収を図ることができる。また、第1車速領域Iでは、回生制動トルクの減少を相対的に大きくすることにより、踏力変動が大きくなるが、この第1車速領域Iでは、踏力変動を車両ピッチ挙動に紛れ込ませて、ドライバに違和感を与えないようにすることが可能となる。
(他の実施の形態)
次に、他の実施の形態の電力変換装置について説明する。
なお、他の実施の形態は、実施の形態1の変形例であるため、実施の形態1と共通する構成には実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点のみ説明する。
(実施の形態2)
実施の形態2では、すり替え制御部(統合制御装置5において図3のフローチャートの処理を実行する部分)におけるすり替え車速特性の変形例を示している。
すなわち、図9は、実施の形態2のすり替え車速特性を示しており、この実施の形態2では、すり替え車速特性において、第1車速領域I、第2車速領域II、第3車速領域IIIの切り換わりを曲線により形成している。
これにより、実施の形態1において説明した各減少勾配K1,K2,K3が連続的に変化するようになる。
よって、各減少勾配K1,K2,K3が不連続に変化する場合と比較して、各減少勾配K1,K2,K3の連続部分が、非線形特性となり、踏力変動を軽減できる。
(実施の形態2の効果)
(2−1)実施の形態2の車両用制動制御装置は、
すり替え制御部(統合制御装置5において図3のフローチャートの処理を実行する部分)におけるすり替え車速特性(図9に示す特性)が、各速領域I,II,IIIの切り換わり部分において、曲線的に変化するように設定した。
このため、各減少勾配K1,K2,K3の連続部分が、非線形特性となり、踏力変動を軽減できる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、すり替え制御部(統合制御装置5において図3のフローチャートの処理を実行する部分)におけるすり替え車速特性の他の変形例を示している。
すなわち、図10は、実施の形態3のすり替え車速特性を示しており、この実施の形態3では、すり替え車速特性において、第1車速領域Iと第2車速領域IIとの間に第3車速領域III を設定していない。
なお、実施の形態3では、実施の形態1と同様に、第1車速領域Iを規定する第1設定車速Vおよび第2設定車速Vは、予め設定された固定値である。
また、第2車速領域IIは、実施の形態3では、第2車速領域低速側車速として前述の第2設定車速Vを用い、第2設定車速Vと第4設定車速Vとの間に設定されている。そして、第4設定車速V4は、実施の形態1と同様にドライバ要求総制動トルクTreqに応じて、可変であるとする。
次に、実施の形態3の作用を、ドライバ要求総制動トルクTreqの大小に違いに応じて説明する。
図11(a)は、ドライバ要求総制動トルクTreqが相対的に小さな場合の回生制動トルク変化を示し、図11(b)は、ドライバ要求総制動トルクTreqが相対的に大きな場合の回生制動トルク変化を示している。
両図を比較すると分かるように、図11(b)に示すドライバ要求総制動トルクTreqが相対的に大きい場合、第4設定車速Vが、図11(a)のドライバ要求総制動トルクTreqが相対的に小さい場合に比べ、高く設定される。
これにより、図11(b)において点線により示すように、第4設定車速Vが図11(a)の例と同値である場合(図において点線で示している)と比較して、第2減少勾配K2を緩やかに設定して、踏力変動を抑えることができる。
一方、第2設定車速Vが固定値であることから、第1車速領域Iでは、第1減少勾配K1が、図11(b)に示すドライバ要求総制動トルクTreqが相対的に大きい場合は、ドライバ要求総制動トルクTreqが相対的に小さい場合と比較して急に設定される。
この第1車速領域Iは、回生制動トルクの減少勾配を急にしても、車両ピッチ挙動によりドライバが踏力変動を感じにくいため、このような設定とすることにより、回生エネルギの回収効率を確保することができる。
以上説明したように、本実施の形態3では、上記(1)において述べたように、
すり替え制御部(統合制御装置5において図3のフローチャートの処理を実行する部分)は、車両停止間際に設定された第1車速領域Iにおいて、回生制動トルクを、第1減少勾配K1により0となるまで減少させ、第1車速領域Iよりも高車速域に設定された第2車速領域IIにおいて、回生制動トルクを、ブレーキペダル反力変化である踏力変動を設定された許容値以下に抑えることが可能な減少勾配であって第1減少勾配K1よりも緩やかな第2減少勾配K2で減少させるすり替え車速特性(図5に示す特性)に設定されていることを特徴とする。
したがって、制動時に、車速Vrefが高速側の第2車速領域IIであるときは、回生制動トルクを、第1減少勾配K1よりも緩やかであり踏力変動を設定された許容値以下に抑えることが可能な第2減少勾配K2で減少させる。したがって、踏力変動を抑えてドライバに違和感を与えないようにしつつ、相対的に回生制動トルクを抑えて、回生エネルギを高効率で回収可能である。
また、車速Vrefが車両停止間際に設定された第1車速領域Iまで低下すると、第2減少勾配K2よりも急な第1減少勾配K1により回生制動トルクを減少させる。この車両停止間際では、車両にピッチ挙動が生じ、踏力変動がこのピッチ挙動に紛れるため、回生制動トルクの急減少が可能である。
したがって、実施の形態1では、すり替え制御時に、踏力変動を抑えつつ、回生制動トルクを高く保って回生エネルギの高効率の回収が可能となる。
以上、本発明の車両用制動制御装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施の形態では、本発明の車両用制動制御装置を、電動車両に適用した例を示したが、本発明の適用対象としては、液圧制動装置と回生制動装置とを備えた車両であれば、電動車両に限定されない。例えば、駆動輪の駆動源として、エンジンとモータ/ジェネレータとを搭載した、いわゆるハイブリッド車両や、駆動輪の駆動はエンジンの駆動力のみにより行うが、回生制動を行うことができるようにした車両にも適用することができる。
また、実施の形態では、すり替え制御部におけるすり替え車速特性として、第3設定車速V3および第4設定車速V4を可変とした例を示したが、いずれか一方、あるいは両方を固定値としてもよい。
2 ブレーキコントロールユニット(制動トルク制御部)
3 VDCコントロールユニット(制動トルク制御部)
5 統合制御装置(制動トルク制御部)
10 ブレーキ装置
13 インプットシャフト(入力部材)
15 プライマリピストン(アシスト部材)
16a プライマリ液圧室(液室)
19a バネ(付勢手段)
19b バネ(付勢手段)
20 電動倍力装置
21 駆動モータ(アクチュエータ)
A 液圧制動装置
B 回生制動装置
BP ブレーキペダル
I 第1車速領域
II 第2車速領域
III 第3車速領域
K1 第1減少勾配
K2 第2減少勾配
K3 第3減少勾配
MC マスタシリンダ
Treq ドライバ要求総制動トルク
第1設定車速
第2設定車速
第3設定車速
第4設定車速
WH 車輪

Claims (9)

  1. 車両におけるドライバの制動操作時に、ドライバ要求総制動トルクを検出する要求総制動トルク検出装置と、
    前記車両の車輪に加えられる回生制動トルクを制御する回生制動装置と、
    前記制動操作に伴って制動液圧を発生させるとともに、アクチュエータの駆動により制動液圧を上昇可能な液圧制動装置と、
    前記ドライバの制動操作時に、前記回生制動装置と前記液圧制動装置との駆動を制御し前記回生制動トルクと前記液圧制動トルクとを制御する制動トルク制御部と、
    この制動トルク制御部に含まれ、前記車速の低下に対応し前記回生制動トルクを予め設定された減少勾配で減少させつつ前記アクチュエータを作動させて前記液圧制動トルクを増加させるすり替え制御を実行するすり替え制御部と、
    を備え、
    前記すり替え制御部は、車両停止間際に設定された第1車速領域において、前記回生制動トルクを、第1減少勾配により減少させ、前記第1車速領域よりも高車速域に設定された第2車速領域において、前記回生制動トルクを、ブレーキペダル反力変化である踏力変動を設定された許容値以下に抑えることが可能な減少勾配であって前記第1勾配よりも緩やかな第2減少勾配で減少させるすり替え車速特性に設定されていることを特徴とする車両用制動制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制動制御装置において、
    前記すり替え制御部における前記すり替え車速特性は、前記第1車速領域における前記回生制動トルクの前記第1減少勾配を、車両減速度に応じ、前記車両減速度が小さいほど緩やかにするよう設定されていることを特徴とする車両用制動制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両用制動制御装置において、
    前記すり替え制御部における前記すり替え車速特性は、前記第1車速領域は、予め設定された低速側の第1設定車速および高速側の第2設定車速の間に設定されているとともに、前記第1減少勾配を、前記第1設定車速にて前記回生制動トルクが0となるよう設定されていることを特徴とする車両用制動制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用制動制御装置において、
    前記すり替え制御部における前記すり替え車速特性は、前記第1車速領域と前記第2車速領域との間に第3車速領域が設定され、この第3車速領域における第3減少勾配を、前記第1減少勾配および前記第2減少勾配よりも緩やかな勾配とするよう設定されている
    ことを特徴とする車両用制動制御装置。
  5. 請求項4に記載の車両用制動制御装置において、
    前記すり替え制御部における前記すり替え車速特性は、前記第3減少勾配を、水平よりも減少側とするよう設定されていることを特徴とする車両用制動制御装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の車両用制動制御装置において、
    前記第3車速領域は、前記第2設定車速と、この第2設定車速よりも高速側の第3設定車速との間に設定され、
    前記第3設定車速は、車速が前記第2設定車速に低下するまでの間に、予め設定された設定時間を確保可能に設定されていることを特徴とする車両用制動制御装置。
  7. 請求項6に記載の車両用制動制御装置において、
    前記第3設定車速は、ドライバ要求総制動トルクに応じ、前記ドライバ要求総制動トルクが大きいほど予め設定された範囲内で高速側に設定されることを特徴とする車両用制動制御装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の車両用制動制御装置において、
    前記すり替え制御部における前記すり替え車速特性は、前記第2車速領域は、低速側の第2車速領域高速側車速および第2車速領域低速側車速の間に設定されているとともに、前記第2車速領域高速側車速は、前記ドライバ要求総制動トルクに応じ、前記ドライバ要求総制動トルクが大きいほど高速側に設定されることを特徴とする車両用制動制御装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の車両用制動制御装置において、
    前記液圧制動装置は、前記ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材と、この入力部材に相対移動可能に配置されたアシスト部材と、前記入力部材を前記アシスト部材に対して、中立位置に付勢する付勢手段と、前記アシスト部材を進退移動させる前記アクチュエータと、前記アシスト部材の移動により容積変動することにより制動液圧を発生し、かつ、この制動液圧を受圧可能に前記入力部材が配置された液室と、を備え、前記ブレーキペダルによる前記入力部材の移動に応じて前記アシスト部材に付与されるアシスト推力によりマスタシリンダ内に倍力されたブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置を備えていることを特徴とする車両用制動制御装置。
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