JP2018020716A - 車両の制動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ABSの介入で車両の減速度抜けが生じたり制動力が不安定になることなく、また、効率良く回生が行われ燃費を向上させる。
【解決手段】制動中の制動力を制御して各輪毎に車輪のロック状態を防止するABSの機能を有し、各ABSが制御対象とする車輪の運動状態に基づいて各々のABSが作動するまでのABS介入余裕度PABSを算出し、各々のABSが作動するまでのABS介入余裕度PABSを比較して、ABS介入余裕度PABSが大きな車輪ほど緩やかな速度で該車輪に作用している回生ブレーキを低下させ、液圧ブレーキを増加させて回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替える。
【選択図】図2

Description

本発明は、回生ブレーキと液圧ブレーキとが可能で、制御対象とする車輪の制動力を各車輪毎に独立して制御可能なアンチロックブレーキ制御(Antilock Brake System:以下、ABSと略称)の機能を備えた車両の制動力制御装置に関する。
従来より、車輪のロック状態を防止するABSは、多くの車両において採用され、回生ブレーキと液圧ブレーキとが可能な電気自動車やハイブリッド車においても採用されている。例えば、特開2015−85792号公報(以下、特許文献1)では、回生ブレーキが作動されている前輪の制動スリップ量が基準値を越えると、当該時点を基準時点として基準時点における前輪の回生ブレーキによる制動力よりも所定値低い暫定の目標回生制動力になるように前輪の回生ブレーキを制御しつつ、前輪の液圧ブレーキが増大するように液圧ブレーキを制御し、基準時点以降の液圧ブレーキの増大量が所定値以上になったと判定されると、回生ブレーキを漸次低下させると共に液圧ブレーキを漸次増大させる車両の制動力制御方法の技術が開示されている。
特開2015−85792号公報
ところで、回生ブレーキは液圧ブレーキと比較して制御応答性に優れるが、回生制動力は状況によって変化し不安定であるという異なった特性を有している。このため、上述の特許文献1に開示される車両の制動力制御方法の技術のように、回生ブレーキと液圧ブレーキによる制動中にABSの作動等により、回生ブレーキから液圧ブレーキへのすり替えが起きる場合、たとえ4輪全ての車輪でABSが介入する場合では無くても、4輪全ての車輪で回生ブレーキと液圧ブレーキのすり替えを同時に行うと、回生ブレーキと液圧ブレーキの特性の違い等から減速度抜けが生じたり、制動力が不安定となったりする問題がある。また、4輪全ての車輪で回生ブレーキと液圧ブレーキのすり替えを同時に行うと、ABSの介入が不要で回生ブレーキと液圧ブレーキのすり替えが不要な車輪まで回生ブレーキが液圧ブレーキにすり替えられてしまうため、効率良く回生ができないという課題もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ABSの介入で車両の減速度抜けが生じたり制動力が不安定になることなく、また、効率良く回生が行われ燃費の良い車両の制動力制御装置を提供することを目的としている。
本発明の車両の制動力制御装置の一態様は、電動モータの回生ブレーキによる制動と液圧ブレーキによる制動とが自在な車両の制動力制御装置において、制御対象とする車輪の制動力を該車輪の運動状態に応じて制御する複数の車輪制動力制御手段と、前記複数の車輪制動力制御手段が制御するそれぞれの制御対象とする車輪の運動状態に基づいて各々の車輪制動力制御手段が作動するまでの作動余裕度を算出する作動余裕度算出手段と、前記各々の車輪制動力制御手段が作動するまでの作動余裕度を比較して前記作動余裕度が大きな車輪ほど緩やかな速度で該車輪に作用している回生ブレーキを低下させ、液圧ブレーキを増加させて前記回生ブレーキを前記液圧ブレーキにすり替える制動力すり替え手段とを備えた。
本発明による車両の制動力制御装置によれば、ABSの介入で車両の減速度抜けが生じたり制動力が不安定になることなく、また、効率良く回生が行われ燃費を向上させることが可能となる。
本発明の実施の一形態に係る車両の回生ブレーキ系統及び液圧ブレーキ系統の概略構成図である。 本発明の実施の一形態に係る制動力制御プログラムのフローチャートである。 本発明の実施の一形態に係るスリップ率補正ゲインの特性の一例を示す説明図である。 本発明の実施の一形態に係る回生ブレーキ低減割合の特性の一例を示す説明図である。 本発明の実施の一形態に係る4輪にABSが作動した場合の各輪の回生ブレーキによる回生制動力の変化の一例を示すタイムチャートである。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1において、符号1は車両を示し、この車両1の左前輪2fl、右前輪2fr、左後輪2rl、右後輪2rrは、それぞれ図示しないサスペンションを介して車体に支持されている。
左前輪2fl、右前輪2fr、左後輪2rl、右後輪2rrのホイール内部には、左前輪インホイールモータ3fl、右前輪インホイールモータ3fr、左後輪インホイールモータ3rl、右後輪インホイールモータ3rrが、それぞれの車輪に対して動力伝達自在に組み込まれている。
そして、本実施の形態では、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrのトルクをそれぞれ独立して制御することにより、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrに発生させる、後述する駆動力、および、回生制動力(回生ブレーキ)をそれぞれ独立して制御自在に構成されている。
各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrは、それぞれのモータに対応して設けられたインバータ4と接続されており、バッテリ5から供給される直流電力を交流電力に変換して、その交流電力を各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrに独立して供給する。これにより、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrは、駆動制御されて、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrに対して駆動力を付与する。
また、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrは、発電機としても機能し、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの回転エネルギにより発電し、発電電力をインバータ4を介してバッテリ5に回生することが自在になっており、この各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrの発電により発生する回生エネルギが、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrに対して回生制動力(回生ブレーキ)を付与する。
一方、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrには、それぞれ、摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrが設けられており、これら摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrは、例えば、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ等の公知のブレーキ装置である。
これらの摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrは、ブレーキ駆動部7と接続されており、ブレーキ駆動部7から供給される油圧によりホイールシリンダのピストンが作動して各車輪2fl、2fr、2rl、2rrに対して制動力(液圧ブレーキ)を付与する。
ブレーキ駆動部7は、昇圧ポンプ、アキュムレータ等からなる液圧発生装置、ブレーキ作動油の圧力を調整して摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrのホイールシリンダに供給する圧力調整制御弁、摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrにブレーキ作動油を供給する油圧回路の開閉を行う開閉制御弁等を備えるハイドロリックユニットである。
そして、上述のインバータ4、および、ブレーキ駆動部7は、制御ユニット10にそれぞれ接続されている。
制御ユニット10は、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータで構成され、各種プログラムを実行して各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rr、および、摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrの作動を独立して制御する。このため、制御ユニット10には、ドライバのアクセル操作量を検出するアクセルセンサ11、ドライバのブレーキ操作量を検出するブレーキセンサ12、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの車輪速度ωfl、ωfr、ωrl、ωrrを検出する車輪速センサ13fl、13fr、13rl、13rr、前後加速度Gxを検出する前後加速度センサ14、横加速度Gyを検出する横加速度センサ15が接続されている。また、制御ユニット10には、インバータ4から各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrに流れる電流値を表す信号、電圧値を表す信号等、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrの制御に必要なセンサ信号をインバータ4から入力する。
そして、制御ユニット10は、上述の各信号に基づき、ドライバのアクセル操作量に応じた要求駆動力(目標駆動力)や、ドライバのブレーキ操作量に応じた要求制動力(目標制動力)、すなわち、車両1を走行または制動させるために必要とされる要求制駆動力を、予め設定しておいたマップ、テーブル等を参照して、所定に算出し、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrで発生させる各輪要求制駆動力に配分する。尚、要求制駆動力の値が正の場合は、駆動力要求されている場合であり、要求制駆動力が負の場合は、制動力が要求されている場合である。
制御ユニット10は、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの要求制駆動力に応じた電流が各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrに流れるように制御信号(例えば、PWM制御信号)を生成してインバータ4に出力する。制御ユニット10は、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの要求制駆動力が負の場合には、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの要求制駆動力を、予め実験、計算等により設定しておいた比率に従って、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrで発生させる回生ブレーキと、摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrで発生させる液圧ブレーキとに配分する。この際、制御ユニット10は、回生ブレーキを発生させるための制御信号をインバータ4に出力し、液圧ブレーキを発生させるための制御信号をブレーキ駆動部7に出力する。これにより、各インホイールモータ3fl、3fr、3rl、3rrでは目標とする回生ブレーキを発生し、摩擦ブレーキ機構6fl、6fr、6rl、6rrでは目標とする液圧ブレーキを発生する。
また、制御ユニット10は、制動中の制動力を制御して各輪毎に車輪のロック状態を防止するABSの機能を有し(すなわち、4つに独立して作動自在な車輪制動力制御手段を有し)、各ABSが制御対象とする車輪の運動状態に基づいて各々のABSが作動するまでの作動余裕度(ABS介入余裕度)PABSを算出し、各々のABSが作動するまでのABS介入余裕度PABSを比較して、ABS介入余裕度PABSが大きな車輪ほど緩やかな速度で該車輪に作用している回生ブレーキを低下させ、液圧ブレーキを増加させて回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替える。本実施の形態のABSは、具体的には、例えば、予め設定しておいた車輪減速度に達したときに、ブレーキ液圧の上昇が抑制され、ブレーキ液圧の保持状態となり、その後、タイヤのスリップ率が予め設定しておいた設定値を超えると、ブレーキ液圧は減圧され、以後、ブレーキ液圧の保持とブレーキ液圧の上昇・・・が繰り返し行われる。このように、制御ユニット10は、車輪制動力制御手段、作動余裕度算出手段、制動力すり替え手段としての機能を有している。
次に、制御ユニット10で実行される本実施の形態の制動力制御を、図2のフローチャートで説明する。
まず、ステップ(以下、「S」と略称)101で、自車両1が制動中か否か判定され、制動中でない場合はプログラムを抜け、制動中の場合は、S102に進む。
S102では、実行されている制動が、回生ブレーキを含むか否か(回生ブレーキと液圧ブレーキによる制動か否か)を判定し、回生ブレーキを含まない場合、すなわち、液圧ブレーキのみの場合、S113にジャンプして制動制御を、そのまま継続し、必要に応じてABSが作動される。
また、S102で回生ブレーキを含む(回生ブレーキと液圧ブレーキによる制動)と判定された場合、S103に進み、ABSが介入した車輪が有るか否か判定する。尚、車輪にABSが介入するような条件が成立しているか否かが判定できれば良いため、本実施の形態のようにABSが直接介入していなくても、車両の制動中の横すべりを防止する横すべり防止装置が作動したか否かを、本S103の判定の替わりに設けても良い。
S103の判定の結果、ABSが介入した車輪が無い、或いは、車輪にABSが介入するような条件が成立していないと判定した場合は、S113にジャンプして制動制御を、そのまま継続し、必要に応じてABSが作動される。
また、ABSが介入した車輪がある場合はS104に進み、ABSが介入した車輪の回生ブレーキを直ちに0に低下させ、液圧ブレーキを予め実験、計算等により設定された値(制御圧)に増加させるように、インバータ4、ブレーキ駆動部7に信号を出力する。
次に、S105に進み、各輪のスリップ率λ(左前輪スリップ率λfl、右前輪スリップ率λfr、左後輪スリップ率λrl、右後輪スリップ率λrr)を、例えば、以下の(1)〜(4)式で算出する。
λfl=((車体速度−ωfl)/車体速度)・100 …(1)
λfr=((車体速度−ωfr)/車体速度)・100 …(2)
λrl=((車体速度−ωrl)/車体速度)・100 …(3)
λrr=((車体速度−ωrr)/車体速度)・100 …(4)
ここで、車体速度は、各車輪2fl、2fr、2rl、2rrの車輪速度ωfl、ωfr、ωrl、ωrr等を基に予め算出した値(例えば、最速値)である。
次いで、S106に進み、各輪の接地荷重Fz(左前輪接地荷重Fzfl、右前輪接地荷重Fzfr、左後輪接地荷重Fzrl、右後輪接地荷重Fzrr)を、例えば、以下の(8)〜(11)式により算出する。
すなわち、前輪接地荷重Fzfと後輪接地荷重Fzrは、例えば、以下の(5)、(6)式により、算出できる。
Fzf=Wf−((m・Gx・h)/L) …(5)
Fzr=W−Fzf …(6)
ここで、Wfは前輪静荷重、mは車両質量、hは重心高さ、Lはホイールベース、Wは車両重量(=m・g)である。
また、左輪側の荷重比率WRlは、以下の(7)式により、算出できる。
WRl=0.5−(Gy/g)・(h/Ltred) …(7)
ここで、Ltredは前輪と後輪のトレッド平均値である。
これら、(5)、(6)、(7)式により、Fzfl、Fzfr、Fzrl、Fzrrは、以下の(8)〜(11)式により、算出することができる。
Fzfl=Fzf・WRl …(8)
Fzfl=Fzf・(1−WRl) …(9)
Fzrl=Fzr・WRl …(10)
Fzrr=Fzr・(1−WRl) …(11)
次いで、S107に進み、各輪のスリップ率補正ゲインKABS(左前輪スリップ率補正ゲインKABSfl、右前輪スリップ率補正ゲインKABSfr、左後輪スリップ率補正ゲインKABSrl、右後輪スリップ率補正ゲインKABSrr)を、例えば、予め実験、計算等により設定しておいた、図3に示すようなマップを参照することにより設定する。
このスリップ率補正ゲインKABSは、各輪の接地荷重Fzに応じて設定されるもので、図3に示すように、各輪の接地荷重Fzが大きくなればなるほど小さい値に設定される。これは、接地荷重Fzが大きい車輪ほど路面をグリップしている力が大きいと判断でき、スリップが小さく、後述するABSが作動するまでのABS介入余裕度PABSが大きいと判断できることを反映するものである。
次に、S108に進み、各輪のABSが作動するまでのABS介入余裕度PABS(左前輪ABS介入余裕度PABSfl、右前輪ABS介入余裕度PABSfr、左後輪ABS介入余裕度PABSrl、右後輪ABS介入余裕度PABSrr)を、例えば、以下の(12)〜(15)式により算出する。
PABSfl=100−λfl・KABSfl …(12)
PABSfr=100−λfr・KABSfr …(13)
PABSrl=100−λrl・KABSrl …(14)
PABSrr=100−λrr・KABSrr …(15)
このように、ABS介入余裕度PABSは、スリップ率λが大きくなるほど、スリップ率補正ゲインKABSが大きくなるほど小さく設定される。
次いで、S109に進み、各輪の回生ブレーキ低減割合制限値αlim(左前輪回生ブレーキ低減割合制限値αlimfl、右前輪回生ブレーキ低減割合制限値αlimfr、左後輪回生ブレーキ低減割合制限値αlimrl、右後輪回生ブレーキ低減割合制限値αlimrr)を、例えば、以下の(20)〜(23)式により算出する。
すなわち、回生ブレーキは、回生制動力Fkを、傾きαで線形に減少させるものとすれば、以下の(16)、(17)式が成立する。
Fk=Fk0−α・t …(16)
ω=ω0−(Fk0・t−(1/2)・α・t) …(17)
ここで、ωは車輪速度、Fk0は初期回生制動力、ω0は初期車輪速度である(本実施の形態では、初期とはABSの介入が何れかの車輪で発生したときの値であることを指す)。
これら、(16)、(17)式からtを消去し、αについて解くと、以下の(18)式が得られる。
α=(Fk0−Fk)/(2・(ω0−ω)) …(18)
そして、エネルギの回生が可能な速度をωlim(予め実験、計算等により設定した値)とし、このときまでに回生ブレーキが0になるように減少させるものとαを制限し、この値をαlimとして算出すれば以下の(19)式が得られる。
αlim=Fk0/(2・(ω0−ωlim)) …(19)
従って、各輪について、それぞれエネルギの回生が可能な速度ωlimになるときに回生制動が0になる傾きを制限し、この傾きよりも緩やかな傾きにならないように制限して、この制限値を回生ブレーキ低減割合制限値αlimとして算出すると、以下の(20)〜(23)式となる。
αlimfl=Fk0fl/(2・(ω0fl−ωlim)) …(20)
αlimfr=Fk0fr/(2・(ω0fr−ωlim)) …(21)
αlimrl=Fk0rl/(2・(ω0rl−ωlim)) …(22)
αlimrr=Fk0rr/(2・(ω0rr−ωlim)) …(23)
ここで、Fk0fl、Fk0fr、Fk0rl、Fk0rrは、各輪の初期回生制動力、ω0fl、ω0fr、ω0rl、ω0rrは、各輪の初期車輪速度である。尚、上述した如く、本実施の形態では、初期とはABSの介入が何れかの車輪で発生したときの値であることを指す。
次に、S110に進み、各輪の回生ブレーキ低減割合α(左前輪回生ブレーキ低減割合αfl、右前輪回生ブレーキ低減割合αfr、左後輪回生ブレーキ低減割合αrl、右後輪回生ブレーキ低減割合αrr:本実施の形態では回生制動力Fkを線形に減少させる割合)を、例えば、予め実験、計算等により設定しておいた、図4に示すようなマップを参照することにより、各輪のABSが作動するまでのABS介入余裕度PABSに応じて設定する。
図4からも明らかなように、各輪のABSが作動するまでのABS介入余裕度PABSが大きな車輪ほど緩やかな速度で該車輪に作用している回生ブレーキを低下させ、液圧ブレーキを増加させて回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替えるようになっている。尚、この図4のマップで設定される各輪の回生ブレーキ低減割合αは、前述のS109で算出された回生ブレーキ低減割合制限値αlimで制限されて設定される。
次いで、S111に進み、ABS介入車輪以外の回生ブレーキの回生制動力Fkを、それぞれ前述の(16)式に基づき算出し、インバータ4に出力する。
次に、S112に進んで、ABS介入車輪以外の液圧ブレーキFbを、それぞれ、例えば、以下の(24)式に基づき算出し、ブレーキ駆動部7に出力する。
Fb=Fx0−Fk …(24)
ここで、Fx0は当該車輪の回生制動力を含む初期制動力である。尚、上述した如く、本実施の形態では、初期とはABSの介入が何れかの車輪で発生したときの値であることを指す。すなわち、回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替える際の回生ブレーキによる制動力と液圧ブレーキによる制動力の和は一定Fx0に維持される。また、この回生ブレーキの液圧ブレーキへのすり替えは、各輪一斉に行われるのでは無く、ABS介入余裕度PABSの小さい車輪から順に行われるため、制動力の変動を生じることが防止され、減速度抜けが生じたり制動力が不安定になることが有効に防止される。
次いで、S113に進み、制動制御を継続する。
すなわち、図5のタイムチャートに示すように、初期回生制動力Fk0のとき、所定の車輪に時刻t0でABSが介入すると、この車輪の回生ブレーキの回生制動力は、α0に示すように直ちに0に低下させられる(S104)。尚、α0の傾きは、回生制動力の発生の機構的な遅れを示すものである。次いで、他の車輪のABSが作動するまでのABS介入余裕度PABSが算出され(S108)、このABS介入余裕度PABSに応じて、他の車輪の回生制動力を減少させる傾き、すなわち、回生ブレーキ低減割合αが設定され(S110)、ABS介入余裕度PABSが小さいほど、早く回生制動力が減少される(α3→α2→α1となる)。また、図5には示さないが、回生ブレーキが低下した車輪は、低下した回生制動力と同等の液圧ブレーキの上昇が行われる。
このように本発明の実施の形態によれば、制動中の制動力を制御して各輪毎に車輪のロック状態を防止するABSの機能を有し(すなわち、4つに独立して作動自在な車輪制動力制御手段を有し)、各ABSが制御対象とする車輪の運動状態に基づいて各々のABSが作動するまでの作動余裕度(ABS介入余裕度)PABSを算出し、各々のABSが作動するまでのABS介入余裕度PABSを比較して、ABS介入余裕度PABSが大きな車輪ほど緩やかな速度で該車輪に作用している回生ブレーキを低下させ、液圧ブレーキを増加させて回生ブレーキを液圧ブレーキにすり替える。このため、ABS作動の際の回生ブレーキの液圧ブレーキへのすり替えは、各輪一斉に行われるのでは無く、ABS介入余裕度PABSの小さい車輪から順に行われるため、ABSの介入で車両の減速度抜けが大きく生じたり制動力が不安定になることがない。また、ABS介入余裕度PABSの大きな車輪では、回生ブレーキの液圧ブレーキへのすり替えは可能な限り長く行われるので、効率良く回生が行われ燃費を向上させることが可能となる。
尚、本実施の形態では、4輪にそれぞれインホイールモータを有する電気自動車を例に説明したが、2つのモータで走行する車両、3つのモータで走行する電気自動車やハイブリッド車においても、所定の車輪に対応した複数のABS機能を備えた車両にも適用できることは言うまでもない。
1 車両
2fl、2fr、2rl、2rr 車輪
3fl、3fr、3rl、3rr インホイールモータ
4 インバータ
5 バッテリ
6fl、6fr、6rl、6rr 摩擦ブレーキ機構
7 ブレーキ駆動部
10 制御ユニット(車輪制動力制御手段、作動余裕度算出手段、制動力すり替え手段)
11 アクセルセンサ
12 ブレーキセンサ
13fl、13fr、13rl、13rr 車輪速センサ
14 前後加速度センサ
15 横加速度センサ

Claims (7)

  1. 電動モータの回生ブレーキによる制動と液圧ブレーキによる制動とが自在な車両の制動力制御装置において、
    制御対象とする車輪の制動力を該車輪の運動状態に応じて制御する複数の車輪制動力制御手段と、
    前記複数の車輪制動力制御手段が制御するそれぞれの制御対象とする車輪の運動状態に基づいて各々の車輪制動力制御手段が作動するまでの作動余裕度を算出する作動余裕度算出手段と、
    前記各々の車輪制動力制御手段が作動するまでの作動余裕度を比較して前記作動余裕度が大きな車輪ほど緩やかな速度で該車輪に作用している回生ブレーキを低下させ、液圧ブレーキを増加させて前記回生ブレーキを前記液圧ブレーキにすり替える制動力すり替え手段と、
    を備えたことを特徴とする車両の制動力制御装置。
  2. 前記車輪制動力制御手段は、制動中の制動力を制御して車輪のロック状態を防止するアンチロックブレーキ制御装置であることを特徴とする請求項1記載の車両の制動力制御装置。
  3. 前記作動余裕度算出手段は、少なくとも車輪のスリップ率に応じて前記作動余裕度を算出するものであって、前記車輪のスリップ率が大きいほど前記作動余裕度を小さく設定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両の制動力制御装置。
  4. 前記作動余裕度算出手段は、前記車輪のスリップ率と接地荷重に応じて前記作動余裕度を算出するものであって、前記車輪のスリップ率が大きいほど前記作動余裕度を小さく設定する一方、前記車輪の接地荷重が大きいほど前記作動余裕度を大きく設定することを特徴とする請求項3記載の車両の制動力制御装置。
  5. 前記制動力すり替え手段は、前記車輪制動力制御手段による車輪の制動力制御が最初に作動した車輪は、前記回生ブレーキを前記液圧ブレーキにすり替える速度を考慮することなく直ちに前記回生ブレーキを0に低下させ、前記液圧ブレーキを予め設定された値に増加させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の車両の制動力制御装置。
  6. 前記制動力すり替え手段は、前記回生ブレーキを低下させ、前記液圧ブレーキを増加させて前記回生ブレーキを前記液圧ブレーキにすり替える際の前記回生ブレーキによる制動力と前記液圧ブレーキによる制動力の和を一定に維持することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の車両の制動力制御装置。
  7. 前記制動力すり替え手段は、予め設定した車輪が回生可能な車速を下回る前に前記回生ブレーキの前記液圧ブレーキへのすり替えを完了させることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一つに記載の車両の制動力制御装置。
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