JP2014107019A - リチウムイオン二次電池用負極およびその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サイクル特性の高いリチウムイオン二次電池用負極及びその高速・低コストな製造方法を提供する。
【解決手段】銅あるいはアルミニウムの集電体表面にCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層が形成されたリチウムイオン二次電池用負極であって、CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層は、NiあるいはCoを3at%以上25at%以下含むCuSn粒子からなり、CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層の局部山頂の平均間隔Sが1.25μm以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、比較的簡易な方法で製造できる高性能なリチウムイオン二次電池用負極を提供するものである。
近年、携帯端末機器の小型軽量化および高機能化のため、リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化が要求されている。リチウムイオン二次電池の負極としては、銅箔あるいは銅合金箔からなる集電体上に、炭素系活物質をバインダーと溶剤で溶いたものを塗布、乾燥し、熱ロールプレスにより加圧することにより、活物質の層を形成したものが一般的に使用されている。しかし炭素系活物質の容量は理論値(372mAh/g)にほぼ到達しており、より容量の大きいSn系活物質(Li4.4Snで約1000mAh/g)やSi系活物質(Li4.4Siで約4000mAh/g)を実用化する検討が活発に行われている。
Sn系あるいはSi系活物質において、大きな問題となっているのは、充放電時の大きな体積変化に起因するサイクル特性の低さである。一般に、Sn系あるいはSi系活物質を用いた負極材では数10サイクルで集電体との間の電子伝導パスが失われ、容量が急激に減少する(非特許文献1)。
このような課題に対応するため、CuSnの薄膜を活物質として利用した負極が提案されている(特許文献1、非特許文献2)。
特許文献1では、CuSn薄膜の形成方法として、Cu集電体上にSnをめっきした後100〜200℃で2〜12時間の熱処理を施す方法、およびシアン系のめっき浴を用いたCuSn合金めっきが挙げられる。非特許文献2では、塩酸錫、硫酸銅、ポリリン酸カリウムなどからなる浴からCuSn合金めっきし、80度の真空中で24時間乾燥したものを電極として使用している。また、非特許文献2では、集電体である銅箔が粗であるほど、CuSn層の表面が粗くなり、充放電時の体積変化が緩和されるため、サイクル特性が向上すると報告している。
特開2004−87232号公報
M.Winter and J. O. Besenhard, Electrochimica Acta, 450 (1999) 31−50. X−Y. Fan et al., J. Appl. Electrochem., 39 (2009) 1323−1330.
前述のように、炭素系活物質を用いた負極は、ほぼ理論最高容量に達しており、Sn系活物質を用いた容量の高い負極の開発が活発となっている。このSn系活物質の最大の課題は、充放電時の体積変化(完全充電時の体積膨張は、炭素系活物質では約1.5倍であるのに、純Snでは約3.5倍)による銅集電体からの剥離(集電体との間における電子伝導パスの消失)である。
上記の課題を解決するため、特許文献1や非特許文献2では、合金めっきにより形成したCuSn薄膜を活物質として利用することが報告されている。CuSnは、炭素系材料より高い容量密度を有するとともに(584mAh/g)、完全充電時における理論体積膨張が約1.9倍であり、純Snに比べると体積変化が小さい。前述の方法によって(特に非特許文献2では粗い銅箔上に合金めっきすることで)、サイクル特性をある程度向上できるものの、その性能は実用に際し、未だ十分とは言えなかった。
このため、CuSn活物質を用いたより一層サイクル特性の高いリチウムイオン二次電池用負極と、その高速・低コストな製造方法が要望されている。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであって、サイクル特性の高いリチウムイオン二次電池用負極及びその高速・低コストな製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、Sn系活物質を用いた容量の高い負極材について鋭意研究した結果、集電体(銅又は銅合金箔あるいはアルミニウム又はアルミニウム合金箔)上に、NiあるいはCoのフラッシュめっき(厚みが5nm以上60nm以下)を行った後、錫めっき、リフロー処理、未反応の錫剥離処理を行って作製した電極は、表面に形成された急峻な凹凸形状を有するCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層(NiあるいはCoが固溶したCuSn粒子からなる層)が、高サイクル特性を示す活物質として働くため、リチウムイオン二次電池の負極として良好な特性を示すことを見出した。
通常、溶融SnとCuの界面で成長するCuSnは、図3に示すように粒子間間隙の小さい粗大な粒子である。これに対して、CuSn合金が成長する際にNiあるいはCoを固溶させることによって、CuSnの粒子形状を粒子間間隙が大きく微細なものへと変化させることができる。また、このような手法で作製したCuSn層(NiあるいはCoが固溶)を活物質とする薄膜電極は、粒子間間隙が充放電時の体積変化を緩和するため、非常に良好なサイクル特性を示すことが分かった。
このような知見の下、以下の解決手段とした。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、銅又は銅合金あるいはアルミニウム又はアルミニウム合金の集電体表面にCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層が形成されたリチウムイオン二次電池用負極であって、前記CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層は、NiあるいはCoを3at%以上25at%以下含むCuSn粒子からなり、前記CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層の局部山頂の平均間隔Sが1.25μm以下であることを特徴とする。
このNiあるいはCoを3at%以上25at%以下含むCuSn粒子からなるCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層は、急峻な凹凸形状を有するため粒子間の間隙が大きく、その間隙の存在により、充放電時の体積膨張及び収縮を吸収してサイクル特性を向上させ、歪みの発生を緩和して集電体からの剥離を防止することができる。NiあるいはCoの濃度が3at%未満では、急峻な凹凸形状のCuSn粒子からなる層を形成することができず、25at%を超える濃度ではCuSnとは異なる結晶構造を有する粒子が大部分を占めるため、所望のCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層が得られない。
表面局部山頂の平均間隔Sが1.25μmを超えると、活物質の粒子間間隙が不十分であり、高いサイクル特性が得られない。ただし、局部山頂の平均間隔Sを0.7μm未満とするのは製造技術上困難である。
なお、前記CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層の平均厚みが0.4μm以上4μm以下であるとよい。
CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層の平均厚みは、薄いほど生産性が良いが、単位面積当たりの容量が小さくなるため、0.4μm以上とするのが好ましい。一方、CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層が厚いと電池容量は大きくなるが、熱処理に時間がかかるため生産性が悪く、またサイクル特性も低下する傾向があるため、4μmまでの厚みが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法は、銅又は銅合金からなる集電体上に、厚み5nm以上60nm以下のNi層あるいはCo層を成膜するとともに、このNi層あるいはCo層の上にSn層を成膜した後、リフロー処理、未反応Snの剥離除去処理を順に行うことにより、前記集電体の上にCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層を形成することを特徴とする。
Ni層あるいはCo層の厚みが5nm未満では、NiまたはCoの固溶によるCuSn粒子の組織変化が不十分であり、また、製造上においても、5nm未満における膜厚制御は困難である。一方、Ni層あるいはCo層の厚みが60nmを超えると、リフローによりNiSnやCoSnなどが生成・成長し、NiまたはCoが固溶したCuSnの適切な成長が阻害される。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法において、前記Ni層あるいはCo層を成膜する前に、前記集電体の表面に厚み0.3μm以上5μm以下のCu層を形成しておくとよい。
集電体が純銅からなる場合には、Cu層を形成していなくても良いが、集電体が銅合金であり、かつZnやMgなどのリフロー時に錫皮膜表面まで拡散しやすい元素が多量に添加されている場合には、NiあるいはCoの成膜前にCu層を形成して、拡散を防止する。また、集電体がアルミニウムあるいはアルミニウム合金である場合には、CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層の形成のために、NiあるいはCoの成膜に先立ち、Cu層を形成する。
すなわち、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる集電体上に、厚み0.3μm以上5μm以下のCu層を形成し、このCu層の上に厚み5nm以上60nm以下のNi層あるいはCo層を成膜し、このNi層あるいはCo層の上にSn層を成膜した後、リフロー処理、未反応Snの剥離除去処理を順に行うことにより、前記集電体の上にCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層を形成する。
アルミニウムあるいはアルミニウム合金の集電体上にCu層を電析法で形成する場合は、予めジンケート処理した後にCuめっきするのが一般的である。
Cu層は、バリア層及びアルミニウムあるいはアルミニウム合金の集電体の場合のCu供給源として機能させるために0.3μm以上必要であるが、厚くなればなるほど生産性が悪くなるため、上限値を5μmとする。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法において、前記Ni層あるいはCo層、およびSn層の成膜方法が水溶液からの電析であるとよい。
均一なCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層を安定して形成することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極によれば、(1)CuSn粒子からなるCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層の大きな粒子間間隙が充放電時の体積変化を緩和するため、(2)活物質から集電体まで強固な電気伝導パスが維持されるため、従来の材料では実現できない高いサイクル特性が得られる。また、提供する製造方法により負極の高速、低コスト製造が可能となる。
実施例1の表面状態を示すSEM観察写真である。 実施例5の表面状態を示すSEM観察写真である。 比較例1の表面状態を示すSEM観察写真である。 比較例3の表面状態を示すSEM観察写真である。 比較例4の表面状態を示すSEM観察写真である。 比較例5の表面状態を示すSEM観察写真である。
本発明の一実施形態のリチウムイオン二次電池用負極を説明する。
本実施形態の負極は、銅あるいはアルミニウムからなる集電体の上に、CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層が形成されたものである。
集電体の銅あるいはアルミニウムは、純銅あるいは純アルミニウムだけでなく、銅合金あるいはアルミニウム合金も含むものとする。
CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層は、後述するように集電体の上に、NiあるいはCo層、Sn層を順に形成してリフロー処理した後に、未反応のSn皮膜を除去することにより形成されたものであり、NiあるいはCoを3at%以上25at%以下含むCuSn粒子からなる層である。
CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層の表面は、局部山頂の平均間隔Sが1.25μm以下である形状を有しており、粒子間の間隙が大きく、その間隙の存在により、充放電時の体積膨張及び収縮を吸収してサイクル特性を向上させ、歪みの発生を緩和して集電体からの剥離を防止することができる。
具体的には、図1や図2に示すような表面形状を有しており、CuSn粒子が細長く成長して層(活物質層)を構成している。そして、このCuSn粒子により構成される活物質は、内部に大きな粒子間間隙が存在し、その間隙により充放電時の体積変化が緩和される。したがって、活物質と集電体との間の良好な化学結合により強固な電気伝導パスが維持され、従来の材料では実現できない高いサイクル特性が得られる。
この場合、CuSn粒子中のNiあるいはCoの濃度が3at%未満では、急峻な凹凸形状の層を形成することができず、25at%を超える濃度ではCuSnとは異なる結晶構造を有する粒子が層の大部分を占めるため、所望のCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層が得られない。
CuSn粒子の層が、図3や図6に示すような粗大で粒子間間隙の小さい粒子で占められ、層の局部山頂の平均間隔Sが1.25μmを超える場合は、充放電時の体積膨張及び収縮を緩和する効果に乏しい。
この局部山頂の平均間隔Sは、JIS B0601:1994に規定され、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、隣り合う局部山頂間に対応する平均線の長さを求め、この多数の局部山頂間の平均値を表わしたものである。この局部山頂の平均間隔Sを0.7μm未満とするのは製造技術上困難である。
CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層の平均厚みは0.4μm以上4μm以下である。CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層の平均厚みは、薄いほど生産性が良いが、単位面積当たりの容量が小さくなるため、0.4μm以上とするのが好ましい。一方、厚いと電池容量は大きくなるが、熱処理に時間がかかるため生産性が悪く、またサイクル特性の向上を担う粒子間間隙も減少する傾向が大きいので、4μmまでの厚みが好ましい。
なお、CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層は、すべてがCuSn粒子からなる場合だけでなく、活物質層としての機能を損なわない範囲でCuSn粒子以外のものをわずかに含む場合もあるものとする。
次に、この負極の製造方法について説明する。
集電体としては、銅またはアルミニウムの集電体を用意し、これに脱脂、酸洗等の処理をすることによって表面を清浄にした後、NiまたはCoのフラッシュめっき(薄いめっき)を施す。なお、フラッシュめっきに先立ち、集電体の粗化処理や、前述した集電体上へのCuめっきを実施しても良い。集電体にアルミニウムあるいはアルミニウム合金を使用する場合には、脱脂、酸洗後にジンケート処理とCuめっきを行う必要がある。
Cuめっきは一般的なCuめっき浴を用いればよく、例えば硫酸銅(CuSO)及び硫酸(HSO)を主成分とした硫酸銅浴等を用いることができる。めっき浴の温度は20℃以上50℃以下、電流密度は1A/dm以上20A/dm以下とされる。
Ni層形成のためのめっき浴としては、一般的なNiめっき浴を用いればよく、例えば塩酸(HCl)と塩化ニッケル(NiCl)を主成分とした塩化浴や硫酸(HSO)と硫酸ニッケル(NiSO)を主成分とした硫酸浴を用いることができる。めっき浴の温度は20℃以上50℃以下、電流密度は0.5A/dm以上〜30A/dm以下とされる。このNiフラッシュめっき層の平均膜厚は5nm以上60nm以下である。
Co層形成のためのめっき浴としては、一般的なCoめっき浴を用いればよく、例えば硫酸コバルト(CoSO)、ホウ酸(HBO)、および硫酸ナトリウム(NaSO)を主成分とした硫酸コバルト浴等を用いることができる。めっき浴の温度は10℃以上35℃以下、電流密度は0.1A/dm以上〜20A/dm以下とされる。このCoめっき層の膜厚は5nm以上60nm以下である。
Sn層形成のためのめっき浴としては、一般的なSnめっき浴を用いればよく、例えば硫酸(HSO)と硫酸第一錫(SnSO)を主成分とした硫酸浴を用いることができる。めっき浴の温度は15〜35℃、電流密度は1〜10A/dmである。
なお、Ni層、Co層、およびSn層は、湿式めっきに限らず、蒸着法やスパッタ法で形成しても良いが、電析による方法は均一なCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層を安定して形成することができ、生産性がよい。
このCu層、Ni層あるいはCo層、Sn層のめっきを形成した後、加熱してリフロー処理する。
リフロー処理条件としては、特に制限されるものではないが、望ましくは還元雰囲気中、基材表面温度が240〜350℃となる条件で1〜40秒加熱後急冷である。
集電体上のめっきの厚みが小さいほど保持時間は少なく、大きくなると保持時間を長くする。240℃未満の温度、あるいは保持時間が短すぎる加熱ではSnの溶解が進みにくく、350℃を超える温度、あるいは保持時間が長すぎる加熱ではCuSn粒子が粗大化してしまい、所望の形状を得ることが難しくなる。
リフロー処理後、未反応で残るSnを剥離する。この未反応Snの剥離の方法については、特に制限されるものではないが、薬液浸漬剥離と電解剥離が一般的である。薬液による剥離に関しては、アルキルスルホン酸などからなる酸性浴の使用がエッチング速度の点から好ましい。
銅集電体に、脱脂と酸洗後、Cuめっき、NiまたはCoのフラッシュめっき、Snめっきを順に行った。また、アルミニウム集電体に対しては、脱脂と酸洗後、ジンケート処理、Cuめっき、NiまたはCoのフラッシュめっき、Snめっきを順に行った。めっきの浴組成および電流密度は実施例、比較例とも同じで、表1に示す通りとした。表中、Dkはカソードの電流密度、ASDはA/dmの略である。
めっき処理後、リフロー処理として、還元雰囲気中で、基材表面温度が270℃となる条件で3〜30秒加熱後、水冷した。未反応Snはアルキルスルホン酸などからなる酸性浴に浸漬して剥離した。
比較例として、NiあるいはCoフラッシュめっき厚を変量してCuSn粒子形状を規定外とした電極、CuSnを直接合金めっきした電極(Snめっき、リフロー、残留Sn剥離は実施せず;比較例5)を作製した。
作製した負極について、レーザー顕微鏡による表面粗さ測定(局部山頂の平均間隔Sの算出)、エネルギー分散型X線分析によるNiあるいはCoの濃度の測定、表面SEM観察を実施するとともに、半電池を組んでサイクル試験を実施した。
(レーザー顕微鏡観察)
CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層の局部山頂の平均間隔Sは、JIS B0601:1994に準拠して算出した。株式会社キーエンス製レーザー顕微鏡(VK−9700)を用いて対物レンズ150倍(測定視野94μm×70μm)の条件で計10点測定した平均値を、各試料の局部山頂の平均間隔S(μm)とした。
(NiあるいはCoの濃度の測定)
エネルギー分散型X線分析検出器が付属した日本電子社製の走査型透過電子顕微鏡(JEM−2010F)を使用して測定。面内方向2.5μmの負極断面(1.25μm×2)について、組成マッピングを行い、CuNiSn合金層中の平均Ni濃度(at%)あるいはCuCoSn合金層中の平均Co濃度(at%)を算出して、これをNi濃度あるいはCo濃度とした。
(充放電サイクル試験)
作製した負極を用いて半電池を組み、充放電サイクル試験を行った。対極および参照極にはリチウム金属を用い、電解液には0.9M濃度で六フッ化リン酸リチウム(LiPF)と0.1M濃度でホウフッ化リチウム(LiBF)を溶解した、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)を体積比30:60:5:5で混合した溶媒を用いた。充電は電圧が5mVとなるまで0.5mA/cmの定電流条件で実施し、その後、電流が0.01mA/cmになるまで5mVの定電圧条件で実施した。
放電は電圧が2Vになるまで0.5mA/cmの定電流条件とした。充電と放電を各1回実施した状態を1サイクルとし、最大50サイクルまでの充放電試験を実施した。5サイクル目の放電容量に対する10サイクル目と50サイクル目のそれぞれの放電容量の比(容量維持率)を求めた。
表2に、集電体、Cu、Ni、Co、およびSnのめっき厚と、形成されたCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層に関するNiあるいはCoの濃度と合金層の局部山頂の平均間隔Sを示す。
表3に実施例1〜6、比較例1、2、および5についてサイクル試験を実施した結果を示す。
表3に示す結果より、実施例のものは、比較例に比べて充放電を繰り返しても容量低下が少なく、高いサイクル特性を示していることがわかる。
また、図1は実施例1の表面SEM像、図2は実施例5の表面SEM像、図3は比較例1の表面SEM像、図4は比較例3の表面SEM像、図5は比較例4の表面SEM像、図6は比較例5の表面SEM像である。実施例では、集電体表面に大きな粒子間間隙を有する合金層が形成されていることが分かる。合金層中にNiあるいはCoを固溶させていない比較例1と5では、CuSn層が粒子間間隙の乏しい粗大な粒子で占められていることが分かる。比較例3と4では、Ni層あるいはCo層が厚いため、NiあるいはCoが固溶したCuSn粒子は適切に成長せず、NiSn合金やCoSn合金が電極表面に形成されている。

Claims (5)

  1. 銅又は銅合金あるいはアルミニウム又はアルミニウム合金の集電体表面にCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層が形成されたリチウムイオン二次電池用負極であって、前記CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層は、NiあるいはCoを3at%以上25at%以下含むCuSn粒子からなり、前記CuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層の局部山頂の平均間隔Sが1.25μm以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  2. 銅又は銅合金からなる集電体上に、厚み5nm以上60nm以下のNi層あるいはCo層を成膜するとともに、このNi層あるいはCo層の上にSn層を成膜した後、リフロー処理、未反応Snの剥離除去処理を順に行うことにより、前記集電体の上にCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層を形成することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  3. 前記Ni層あるいはCo層を成膜する前に、前記集電体の表面に厚み0.3μm以上5μm以下のCu層を形成しておくことを特徴とする請求項2記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  4. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる集電体上に、厚み0.3μm以上5μm以下のCu層を形成し、このCu層の上に厚み5nm以上60nm以下のNi層あるいはCo層を成膜し、このNi層あるいはCo層の上にSn層を成膜した後、リフロー処理、未反応Snの剥離除去処理を順に行うことにより、前記集電体の上にCuNiSn合金層あるいはCuCoSn合金層を形成することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
  5. 前記Ni層あるいはCo層、およびSn層の成膜方法が水溶液からの電析であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項記載のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。




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