JP2014105404A - コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】高弾性率かつ高強度のコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を提供する。
【解決手段】コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の製造にあたり、凝固工程で得られた可塑状態にある凝固糸に対して、特定範囲の倍率で延伸するとともに、得られた繊維に対して、特定範囲の張力および温度で高張力熱延伸を実施する。
【選択図】なし
【解決手段】コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の製造にあたり、凝固工程で得られた可塑状態にある凝固糸に対して、特定範囲の倍率で延伸するとともに、得られた繊維に対して、特定範囲の張力および温度で高張力熱延伸を実施する。
【選択図】なし
Description
本発明は、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維に関する。さらに詳しくは、高弾性率かつ高強度のコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維に関する。
パラ型全芳香族ポリアミド繊維を代表とする全芳香族ポリアミド繊維は、高強力、高弾性率、高耐熱性、屈曲疲労性等に優れた繊維である。このため、その高機能性を活かして、産業用繊維として様々な分野で使用されている。
例えば、パラ型全芳香族ポリアミド繊維は、光ファイバーケーブルやROV(Remote Operation Vehicle)用ロープの補強材として使用されており、ケーブルやロープの破断を抑制する目的で高強度が、変形による心材の破損を抑制する目的で高弾性率の性能が必要とされる。
例えば、パラ型全芳香族ポリアミド繊維は、光ファイバーケーブルやROV(Remote Operation Vehicle)用ロープの補強材として使用されており、ケーブルやロープの破断を抑制する目的で高強度が、変形による心材の破損を抑制する目的で高弾性率の性能が必要とされる。
ここで、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法としては、例えば、全芳香族ポリアミドと溶媒とを含む等方性溶液を、口金から不活性気体中へ紡出し、さらに凝固液と接触させて未延伸糸となし、引き続き加熱延伸して繊維を得る半乾半湿式紡糸法が知られている(特許文献1参照)。
そして、高強度のパラ型全芳香族ポリアミド繊維を得るためには、乾燥状態の糸に対して高倍率で加熱延伸する必要がある。例えば、ヘテロ環含有芳香族コポリアミド繊維においては、3.0〜6.0倍の範囲で可塑延伸することにより、高強度の繊維が得られることが知られている(特許文献2参照)。
そして、高強度のパラ型全芳香族ポリアミド繊維を得るためには、乾燥状態の糸に対して高倍率で加熱延伸する必要がある。例えば、ヘテロ環含有芳香族コポリアミド繊維においては、3.0〜6.0倍の範囲で可塑延伸することにより、高強度の繊維が得られることが知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、高倍率の加熱延伸は、引張弾性率および強度を向上させる一方で伸度を低下させるという問題があった。また、高い倍率による延伸は、その後の加熱延伸工程において単糸切れが発生し、工程通過性が悪化するという問題があった。
また、一般的に、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維は、パラフェニレンテレフタルア掲載ミド繊維と比較すると、破断強度には優れるものの、引張弾性率にやや劣っている。
また、一般的に、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維は、パラフェニレンテレフタルア掲載ミド繊維と比較すると、破断強度には優れるものの、引張弾性率にやや劣っている。
そこで、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の引張弾性率を向上させるために、様々な検討がなされている。例えば、特許文献3〜5においては、「湿式紡糸法」あるいは「半乾半湿式紡糸法」によって製造したコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を、特定の条件で緊張熱処理する方法が報告されている(特許文献3〜5参照)。
しかしながら、これらの方法は、非常に高い張力を掛けて熱処理するため、繊維を構成する単糸の一部が破断して繊維の品位が低下する場合があった。また、低伸度の繊維に非常に高い張力を掛けて熱処理した場合には、さらにいっそう繊維の品位が低下していた。一般的に、単糸の一部が破断すると、引張弾性率を発現させるために有効な単糸数が減少するため、結果として、繊維束としての引張弾性率はそれ程向上することができない。また、有効単糸数が減少する結果、強度の低下も見られていた。そこで、現時点では、十分に満足できる引張弾性率を有しつつ強度の高いコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維は、実現できていなかった。
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、引張弾性率および破断強度に優れたコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行い、可塑状態にある繊維の延伸によって繊維の機械的物性が向上することに着目した。そして、凝固工程で得られた可塑状態にある凝固糸に対して、特定範囲の倍率で延伸を実施し、さらに得られた繊維に対して、特定範囲の張力および温度で高張力熱延伸することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、引張弾性率が700cN/dtex以上であり、かつ破断強度が27.5cN/dtex以上であるコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維である。
本発明のコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維は、引張弾性率および破断強度の両者に優れた繊維となる。したがって、各種ケーブルやロープの補強材として好適に用いることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維>
本発明におけるコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維とは、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドを主成分とするものである。繊維中に含まれるポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドは、繊維質量全体に対して、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、100%であることが最も好ましい。
<コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維>
本発明におけるコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維とは、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドを主成分とするものである。繊維中に含まれるポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドは、繊維質量全体に対して、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、100%であることが最も好ましい。
<コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの製造方法>
本発明の繊維の材料となるコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドは、従来公知の方法にしたがって製造することができる。例えば、アミド系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸クロライド成分と、芳香族ジアミン成分とを反応せしめることにより、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドのポリマー溶液を得ることができる。
本発明の繊維の材料となるコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドは、従来公知の方法にしたがって製造することができる。例えば、アミド系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸クロライド成分と、芳香族ジアミン成分とを反応せしめることにより、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドのポリマー溶液を得ることができる。
[原料]
(芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分)
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの原料となる芳香族ジカルボン酸クロライド成分としては、テレフタル酸ジクロライドを用いる。本発明においては、芳香族環に置換基が存在していても差し支えない。また、テレフタル酸ジクロライド以外の少量のジカルボン酸ジクロライド成分を、テレフタル酸ジクロライドとともに併用してもよい。
(芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分)
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの原料となる芳香族ジカルボン酸クロライド成分としては、テレフタル酸ジクロライドを用いる。本発明においては、芳香族環に置換基が存在していても差し支えない。また、テレフタル酸ジクロライド以外の少量のジカルボン酸ジクロライド成分を、テレフタル酸ジクロライドとともに併用してもよい。
(芳香族ジアミン成分)
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの原料となる芳香族ジアミン成分としては、パラフェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを組み合わせて用いる。なお、本発明においては、芳香族環に置換基が存在していても差し支えない。また、パラフェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテル以外の少量のジアミン成分を、これらとともに併用してもよい。
その組成比は特に限定されるものではないが、芳香族ジアミンの全量に対して、パラフェニレンジアミンの組成、および、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルの組成を、それぞれ30〜70モル%、70〜30モル%とすることが好ましく、さらに好ましくは、それぞれ40〜60モル%、60〜40モル%、最も好ましくは、それぞれ45〜55モル%、55〜45モル%の範囲とする。
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの原料となる芳香族ジアミン成分としては、パラフェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを組み合わせて用いる。なお、本発明においては、芳香族環に置換基が存在していても差し支えない。また、パラフェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテル以外の少量のジアミン成分を、これらとともに併用してもよい。
その組成比は特に限定されるものではないが、芳香族ジアミンの全量に対して、パラフェニレンジアミンの組成、および、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルの組成を、それぞれ30〜70モル%、70〜30モル%とすることが好ましく、さらに好ましくは、それぞれ40〜60モル%、60〜40モル%、最も好ましくは、それぞれ45〜55モル%、55〜45モル%の範囲とする。
[原料組成比]
芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との比は、芳香族ジアミン成分に対する芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比として、0.90〜1.10の範囲とすることが好ましく、0.95〜1.05の範囲とすることがより好ましい。芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比が0.90未満または1.10を超える場合には、芳香族ジアミン成分との反応が十分に進まず、高い重合度が得られないため好ましくない。
芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との比は、芳香族ジアミン成分に対する芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比として、0.90〜1.10の範囲とすることが好ましく、0.95〜1.05の範囲とすることがより好ましい。芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比が0.90未満または1.10を超える場合には、芳香族ジアミン成分との反応が十分に進まず、高い重合度が得られないため好ましくない。
[反応条件]
芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との反応条件は、特に限定されるものではない。酸クロライドとジアミンとの反応は一般に急速であり、反応温度としては、例えば、−25℃〜100℃の範囲とすることが好ましく、−10℃〜80℃の範囲とすることがさらに好ましい。
芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との反応条件は、特に限定されるものではない。酸クロライドとジアミンとの反応は一般に急速であり、反応温度としては、例えば、−25℃〜100℃の範囲とすることが好ましく、−10℃〜80℃の範囲とすることがさらに好ましい。
[重合溶媒]
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの製造に用いるアミド系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPともいう)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独であっても、また、2種以上の混合溶媒として用いることも可能である。なお、用いる溶媒は、脱水されていることが望ましい。
本発明に用いられるコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの製造においては、汎用性、有害性、取り扱い性、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドに対する溶解性等の観点から、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることが最も好ましい。
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの製造に用いるアミド系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPともいう)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独であっても、また、2種以上の混合溶媒として用いることも可能である。なお、用いる溶媒は、脱水されていることが望ましい。
本発明に用いられるコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの製造においては、汎用性、有害性、取り扱い性、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドに対する溶解性等の観点から、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることが最も好ましい。
[中和反応]
反応終了後には、必要に応じて、塩基性の無機化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等を添加して、中和反応を実施することが好ましい。
反応終了後には、必要に応じて、塩基性の無機化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等を添加して、中和反応を実施することが好ましい。
[重合後処理等]
重合して得られるココポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドは、アルコール、水などの非溶媒に投入して沈殿せしめ、パルプ状にして取り出すことができる。取り出されたコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドを再度他の溶媒に溶解し、その後に繊維の成形に供することもできるが、重合反応によって得られたポリマー溶液を、そのまま紡糸用溶液(ドープ)に調製して用いることも可能である。
一度取り出してから再度溶解させる際に用いる溶媒としては、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドを溶解するものであれば特に限定されるものではないが、上記したコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの重合に用いられる溶媒とすることが好ましい。
重合して得られるココポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドは、アルコール、水などの非溶媒に投入して沈殿せしめ、パルプ状にして取り出すことができる。取り出されたコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドを再度他の溶媒に溶解し、その後に繊維の成形に供することもできるが、重合反応によって得られたポリマー溶液を、そのまま紡糸用溶液(ドープ)に調製して用いることも可能である。
一度取り出してから再度溶解させる際に用いる溶媒としては、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドを溶解するものであれば特に限定されるものではないが、上記したコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの重合に用いられる溶媒とすることが好ましい。
<コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の製造方法>
本発明のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得る方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、以下に記載するような半乾半湿式紡糸法を採用することができる。本発明の引張弾性率と破断強度の両者が高い繊維を得るためには、凝固工程で得られた凝固糸に対して、特定範囲の倍率で可塑化延伸を実施することが重要である。
本発明のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得る方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、以下に記載するような半乾半湿式紡糸法を採用することができる。本発明の引張弾性率と破断強度の両者が高い繊維を得るためには、凝固工程で得られた凝固糸に対して、特定範囲の倍率で可塑化延伸を実施することが重要である。
[紡糸用溶液(ドープ)の調製工程]
繊維を得るにあたっては、先ず、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドおよび溶媒を含む紡糸用溶液(ドープ)を調製する。紡糸用溶液(ドープ)を調製する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により調製することができる。
ここで、紡糸用溶液(ドープ)の調製に用いる溶媒としては、上記したコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの重合に用いられる溶媒であって、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドおよびその他の任意成分を溶解または分散させることのできる溶媒であることが好ましい。なお、用いられる溶媒は、1種単独であっても、2種以上の溶媒を混合した混合溶媒であってもよい。
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの製造によって得られたポリマー溶液から当該ポリマーを単離することなく、そのまま紡糸用溶液(ドープ)として用いることも可能である。
繊維を得るにあたっては、先ず、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドおよび溶媒を含む紡糸用溶液(ドープ)を調製する。紡糸用溶液(ドープ)を調製する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により調製することができる。
ここで、紡糸用溶液(ドープ)の調製に用いる溶媒としては、上記したコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの重合に用いられる溶媒であって、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドおよびその他の任意成分を溶解または分散させることのできる溶媒であることが好ましい。なお、用いられる溶媒は、1種単独であっても、2種以上の溶媒を混合した混合溶媒であってもよい。
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの製造によって得られたポリマー溶液から当該ポリマーを単離することなく、そのまま紡糸用溶液(ドープ)として用いることも可能である。
さらに、繊維に機能性等を付与する目的で、本発明の要旨を超えない範囲において添加剤等のその他の任意成分を配合してもよい。任意成分を配合する場合には、紡糸用溶液(ドープ)の調製において導入することができる。その他の任意成分としては、無機塩、繊維状または粉末状等の充填剤、酸化防止剤、耐候剤、染料、帯電防止剤、難燃剤、導電性ポリマー、その他の重合体等を挙げることができる。導入の方法は特に限定されるものではなく、例えば、ルーダーやミキサ等を使用して導入することも可能である。
紡糸用溶液(ドープ)におけるポリマー濃度、すなわちコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの濃度は、0.5質量%〜30質量%の範囲とすることが好ましく、1質量%〜25質量%の範囲とすることがより好ましい。紡糸用溶液(ドープ)におけるポリマー濃度が0.5質量%未満の場合には、ポリマーの絡み合いが少ないことから紡糸に必要な粘度が得られない。一方で、ポリマー濃度が30質量%を超える場合には、口金の吐出孔から吐出する際に不安定流動が起こりやすくなり、安定的に紡糸することが困難となる。
紡糸用溶液(ドープ)におけるポリマー濃度、すなわちコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの濃度は、0.5質量%〜30質量%の範囲とすることが好ましく、1質量%〜25質量%の範囲とすることがより好ましい。紡糸用溶液(ドープ)におけるポリマー濃度が0.5質量%未満の場合には、ポリマーの絡み合いが少ないことから紡糸に必要な粘度が得られない。一方で、ポリマー濃度が30質量%を超える場合には、口金の吐出孔から吐出する際に不安定流動が起こりやすくなり、安定的に紡糸することが困難となる。
[紡糸・凝固工程]
本発明の繊維の製造においては、上述の如く調製された紡糸用溶液(ドープ)を用いて、エアギャップを設けた半乾半湿式紡糸法によって繊維を成形する。すなわち、先ず、上記で得られた紡糸用溶液(ドープ)をノズルから吐出し、続いて、凝固浴中の凝固液に接触させて、可塑化状態にある凝固糸を形成する。
凝固浴としては、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの貧溶媒が用いられるが、紡糸用溶液(ポリマードープ)の溶媒が急速に抜け出して、得られる凝固糸に欠陥ができないように、通常は良溶媒を添加して凝固速度を調節する。貧溶媒としては水、良溶媒としてはコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド用の溶媒を用いるとが好ましい。良溶媒/貧溶媒の質量比は、ココポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの溶解性や凝固性にもよるが、15/85〜40/60の範囲とすることが好ましい。
本発明の繊維の製造においては、上述の如く調製された紡糸用溶液(ドープ)を用いて、エアギャップを設けた半乾半湿式紡糸法によって繊維を成形する。すなわち、先ず、上記で得られた紡糸用溶液(ドープ)をノズルから吐出し、続いて、凝固浴中の凝固液に接触させて、可塑化状態にある凝固糸を形成する。
凝固浴としては、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの貧溶媒が用いられるが、紡糸用溶液(ポリマードープ)の溶媒が急速に抜け出して、得られる凝固糸に欠陥ができないように、通常は良溶媒を添加して凝固速度を調節する。貧溶媒としては水、良溶媒としてはコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド用の溶媒を用いるとが好ましい。良溶媒/貧溶媒の質量比は、ココポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの溶解性や凝固性にもよるが、15/85〜40/60の範囲とすることが好ましい。
[可塑延伸工程]
本発明においては、凝固工程で得られた可塑状態にある凝固糸を、1.2〜1.5倍範囲にて延伸することが必須である。延伸倍率は、1.3〜1.5倍の範囲とすることが好ましく、1.4〜1.5倍の範囲とすることが最も好ましい。
可塑状態にある凝固糸束の延伸倍率が1.2倍未満の場合には、凝固糸束を十分に延伸できていないため、その後の延伸工程において十分な延伸を付与しても高強度の繊維を得ることが困難となる。一方、可塑状態にある凝固糸束の延伸倍率が1.5倍を超える場合には、延伸時において単糸切れが発生し、切れた単糸を含む繊維束の強度は結果として低下し、また、工程通過性が非常に悪化する。
本発明においては、凝固工程で得られた可塑状態にある凝固糸を、1.2〜1.5倍範囲にて延伸することが必須である。延伸倍率は、1.3〜1.5倍の範囲とすることが好ましく、1.4〜1.5倍の範囲とすることが最も好ましい。
可塑状態にある凝固糸束の延伸倍率が1.2倍未満の場合には、凝固糸束を十分に延伸できていないため、その後の延伸工程において十分な延伸を付与しても高強度の繊維を得ることが困難となる。一方、可塑状態にある凝固糸束の延伸倍率が1.5倍を超える場合には、延伸時において単糸切れが発生し、切れた単糸を含む繊維束の強度は結果として低下し、また、工程通過性が非常に悪化する。
[加熱延伸工程]
凝固糸条を可塑延伸した後は、公知の方法によって、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得ることができる。例えば、形成した可塑延伸糸から溶媒を除去するための水洗工程を実施し、乾燥工程等を経て、必要に応じてさらに延伸することにより、繊維を得ることができる。得られた繊維にさらに延伸を実施する場合には、乾燥糸状態での加熱延伸等を行うことができる。
延伸倍率については特に制限はないが、5倍以上であることが好ましく、8倍以上であることがさらに好ましい。延伸倍率を制御することにより、得られるコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の伸度および強度を制御することができる。
凝固糸条を可塑延伸した後は、公知の方法によって、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得ることができる。例えば、形成した可塑延伸糸から溶媒を除去するための水洗工程を実施し、乾燥工程等を経て、必要に応じてさらに延伸することにより、繊維を得ることができる。得られた繊維にさらに延伸を実施する場合には、乾燥糸状態での加熱延伸等を行うことができる。
延伸倍率については特に制限はないが、5倍以上であることが好ましく、8倍以上であることがさらに好ましい。延伸倍率を制御することにより、得られるコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の伸度および強度を制御することができる。
[高張力熱延伸工程]
本発明のコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の製造方法においては、高張力熱延伸工程を必須の工程とする。高張力熱延伸工程においては、特定範囲の高い張力を付与しつつ、特定温度範囲に加熱して延伸を実施する。
本発明のコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の製造方法においては、高張力熱延伸工程を必須の工程とする。高張力熱延伸工程においては、特定範囲の高い張力を付与しつつ、特定温度範囲に加熱して延伸を実施する。
(張力)
高張力熱延伸工程における張力は、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して、1%以上20%未満の範囲とすることが必須である。なおここで言う「破断張力」とは、高張力熱延伸工程前のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維が、室温状態で完全に破断する最大張力を指す。
張力が破断張力に対して1%未満の場合には、張力が低すぎるために、分子配向が全く変化せず、その結果、高張力熱延伸を行っても引張弾性率はほとんど向上しない。一方、張力が破断張力の20%以上の場合には、繊維を構成する単糸の一部が破断して品位が低下するばかりでなく、引張弾性率の向上に寄与する有効な単糸数が減少するため、結果として、繊維束としての引張弾性率はそれ程向上しない。
高張力熱延伸工程における張力は、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して、1%以上20%未満の範囲とすることが必須である。なおここで言う「破断張力」とは、高張力熱延伸工程前のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維が、室温状態で完全に破断する最大張力を指す。
張力が破断張力に対して1%未満の場合には、張力が低すぎるために、分子配向が全く変化せず、その結果、高張力熱延伸を行っても引張弾性率はほとんど向上しない。一方、張力が破断張力の20%以上の場合には、繊維を構成する単糸の一部が破断して品位が低下するばかりでなく、引張弾性率の向上に寄与する有効な単糸数が減少するため、結果として、繊維束としての引張弾性率はそれ程向上しない。
高張力熱延伸工程における張力は、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して、5%以上20%未満の範囲とすることが好ましく、10%以上20%未満の範囲とすることが最も好ましい。
高張力熱延伸工程における張力を上記範囲内にする方法としては、高張力熱延伸工程の延伸倍率を調整する方法等が挙げられる。このため、高張力熱延伸工程における延伸倍率は、高張力熱延伸工程における張力を上記範囲内にできる範囲であれば、特に限定されるものではない。
高張力熱延伸工程における張力を上記範囲内にする方法としては、高張力熱延伸工程の延伸倍率を調整する方法等が挙げられる。このため、高張力熱延伸工程における延伸倍率は、高張力熱延伸工程における張力を上記範囲内にできる範囲であれば、特に限定されるものではない。
(温度)
高張力熱延伸工程における温度は、50〜450℃の範囲とすることが必須である。温度が50℃未満の場合には、張力によっても単なる弾性変形しか起こらず、張力を除くと直ちに延伸前の形態に戻るため、引張弾性率は全く変化しない。一方、450℃を超える温度の場合には、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの熱分解が起こるばかりでなく、擬似的な熱可塑状態となって延伸時に高い張力を掛けることが困難となり、その結果、機械的物性が向上しなくなる。
高張力熱延伸工程における温度を上記範囲内にする方法としては、高張力熱延伸工程での雰囲気温度や、加熱ローラーを用いる場合においてはその表面温度を調整する方法等が挙げられる。
高張力熱延伸工程における温度は、100〜425℃の範囲とすることが好ましく、150〜400℃の範囲とすることが最も好ましい。
高張力熱延伸工程における温度は、50〜450℃の範囲とすることが必須である。温度が50℃未満の場合には、張力によっても単なる弾性変形しか起こらず、張力を除くと直ちに延伸前の形態に戻るため、引張弾性率は全く変化しない。一方、450℃を超える温度の場合には、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドの熱分解が起こるばかりでなく、擬似的な熱可塑状態となって延伸時に高い張力を掛けることが困難となり、その結果、機械的物性が向上しなくなる。
高張力熱延伸工程における温度を上記範囲内にする方法としては、高張力熱延伸工程での雰囲気温度や、加熱ローラーを用いる場合においてはその表面温度を調整する方法等が挙げられる。
高張力熱延伸工程における温度は、100〜425℃の範囲とすることが好ましく、150〜400℃の範囲とすることが最も好ましい。
(延伸設備)
高張力熱延伸工程においては、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維が金属に擦過しない設備を用いることが好ましい。
ここで言う「繊維が金属に擦過しない設備」とは、熱延伸中にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維と設備を構成する金属とが一切接触しない設備、または、走行するコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維と同速度で可動する金属ローラー等を備える設備を指す。例えば、非接触型熱処理炉や、速度可変加熱ローラーを備える設備等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
高張力熱延伸工程においては、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維が金属に擦過しない設備を用いることが好ましい。
ここで言う「繊維が金属に擦過しない設備」とは、熱延伸中にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維と設備を構成する金属とが一切接触しない設備、または、走行するコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維と同速度で可動する金属ローラー等を備える設備を指す。例えば、非接触型熱処理炉や、速度可変加熱ローラーを備える設備等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維が金属に擦過する設備、例えば接触型熱板等を用いた場合には、繊維が金属に擦過するため容易に単糸が切れ、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の強度が著しく低下する。また、繊維が金属に擦過するため張力に大きなムラが発生し、均一に張力を掛けることが困難となり、その結果、引張弾性率をそれ程向上させることができない。
なお、繊維が金属に擦過しない設備であれば、他の要素は特に限定させるものではなく、必要に応じて、熱処理前に開繊させたり、繊維を構成する単糸を引き揃えたり、張力を調整するテンショナー等を用いても、特に差し支えない。
なお、繊維が金属に擦過しない設備であれば、他の要素は特に限定させるものではなく、必要に応じて、熱処理前に開繊させたり、繊維を構成する単糸を引き揃えたり、張力を調整するテンショナー等を用いても、特に差し支えない。
(その他の条件)
高張力熱延伸工程においては、他の条件、例えば、速度や時間等については特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜調整することができる。
高張力熱延伸工程においては、他の条件、例えば、速度や時間等については特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜調整することができる。
<コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の物性>
(引張弾性率)
本発明のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維は、引張弾性率が700cN/dtex以上である。引張弾性率は、710cN/dtex以上であることが好ましい。
(引張弾性率)
本発明のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維は、引張弾性率が700cN/dtex以上である。引張弾性率は、710cN/dtex以上であることが好ましい。
(破断強度)
本発明のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維は、破断強度が27.5cN/dtex以上である。破断強度は、27.8cN/dtex以上であることが好ましく、28.0cN/dtex以上であることが最も好ましい。
本発明のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維は、破断強度が27.5cN/dtex以上である。破断強度は、27.8cN/dtex以上であることが好ましく、28.0cN/dtex以上であることが最も好ましい。
以下、本発明を実施例等によりさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これに何等限定されるものではない。
<測定・評価方法>
実施例および比較例においては、下記の項目について、下記の方法によって測定・評価を行った。
実施例および比較例においては、下記の項目について、下記の方法によって測定・評価を行った。
(1)繊維の繊度
得られた繊維を、公知の検尺機を用いて100m巻き取り、その質量を測定した。得られた質量に100を乗じた値を10000mあたりの質量、即ち繊度(dtex)として算出した。
得られた繊維を、公知の検尺機を用いて100m巻き取り、その質量を測定した。得られた質量に100を乗じた値を10000mあたりの質量、即ち繊度(dtex)として算出した。
(2)繊維の破断強度、破断伸度、引張弾性率
引張試験機(INSTRON社製、商品名:INSTRON、型式:5565型)により、糸試験用チャックを用いて、ASTM D885の手順に基づき、以下の条件で測定を実施した。
[測定条件]
温度 :室温
試験片 :75cm
試験速度 :250mm/分
チャック間距離 :500mm
引張試験機(INSTRON社製、商品名:INSTRON、型式:5565型)により、糸試験用チャックを用いて、ASTM D885の手順に基づき、以下の条件で測定を実施した。
[測定条件]
温度 :室温
試験片 :75cm
試験速度 :250mm/分
チャック間距離 :500mm
<実施例1>
[紡糸用溶液の調製工程]
紡糸用溶液(ドープ)として、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド(共重合モル比が1:1の全芳香族ポリアミド)の濃度6質量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液を準備した。
[紡糸用溶液の調製工程]
紡糸用溶液(ドープ)として、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド(共重合モル比が1:1の全芳香族ポリアミド)の濃度6質量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液を準備した。
[紡糸・凝固工程]
紡糸用溶液(ドープ)を、紡糸口金から吐出し、エアギャップを介して、NMP濃度30質量%の50℃の水溶液で満たされた凝固浴中に紡出し、凝固糸を得た(半乾半湿式紡糸法)。
紡糸用溶液(ドープ)を、紡糸口金から吐出し、エアギャップを介して、NMP濃度30質量%の50℃の水溶液で満たされた凝固浴中に紡出し、凝固糸を得た(半乾半湿式紡糸法)。
[可塑延伸工程]
次いで、可塑状態にある凝固糸を、1.2倍に延伸して可塑延伸糸を得た。
次いで、可塑状態にある凝固糸を、1.2倍に延伸して可塑延伸糸を得た。
[加熱延伸工程]
得られた可塑延伸糸を水浴にて水洗し、乾燥を実施した。最後に、温度520℃下で11倍に延伸し、巻き取りを実施することにより、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
得られた可塑延伸糸を水浴にて水洗し、乾燥を実施した。最後に、温度520℃下で11倍に延伸し、巻き取りを実施することにより、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
[高張力熱延伸工程]
次いで、得られたコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維に対して、非接触熱処理炉を用いて高張力熱延伸を行った。このときの張力は500cN(コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して13%)、温度は340℃、延伸倍率は1.020倍とした。
高張力熱延伸の後、繊維をワインダーで紙管に巻き取って、最終的なコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
次いで、得られたコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維に対して、非接触熱処理炉を用いて高張力熱延伸を行った。このときの張力は500cN(コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して13%)、温度は340℃、延伸倍率は1.020倍とした。
高張力熱延伸の後、繊維をワインダーで紙管に巻き取って、最終的なコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
<実施例2>
高張力熱延伸工程において、延伸倍率を1.022倍とし、張力を610cN(コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して16%)とした以外は、実施例1と同様に高弾性率のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
高張力熱延伸工程において、延伸倍率を1.022倍とし、張力を610cN(コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して16%)とした以外は、実施例1と同様に高弾性率のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
<実施例3>
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を1.5倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を1.5倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
<実施例4>
高張力熱延伸工程において、温度を370℃、延伸倍率を1.023倍とし、張力を615cN(コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して16%)とした以外は、実施例3と同様に高弾性率のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
高張力熱延伸工程において、温度を370℃、延伸倍率を1.023倍とし、張力を615cN(コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して16%)とした以外は、実施例3と同様に高弾性率のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
<比較例1>
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を1.0倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を1.0倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
<比較例2>
高張力熱延伸工程において、温度を470℃、延伸倍率を1.021倍とし、張力を50cN(コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して2%)とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
高張力熱延伸工程において、温度を470℃、延伸倍率を1.021倍とし、張力を50cN(コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して2%)とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
<比較例3>
高張力熱延伸工程において、温度を25℃、延伸倍率を1.010倍とし、張力を700cN(コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して18%)とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
高張力熱延伸工程において、温度を25℃、延伸倍率を1.010倍とし、張力を700cN(コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の破断張力に対して18%)とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
Claims (2)
- 引張弾性率が700cN/dtex以上であり、かつ破断強度が27.5cN/dtex以上であるコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維。
- 請求項1に記載したコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の製造方法であって、
凝固工程で得られた可塑化状態にある凝固糸を、1.2〜1.5倍に延伸する可塑延伸工程と、
繊維の破断張力に対して1%以上20%未満の張力下で、50〜450℃の温度で熱延伸する高張力熱延伸工程と、を含むコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012258820A JP2014105404A (ja) | 2012-11-27 | 2012-11-27 | コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維 |
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019216385A1 (ja) * | 2018-05-10 | 2019-11-14 | 帝人株式会社 | 全芳香族ポリアミド繊維 |
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JP2006213813A (ja) * | 2005-02-03 | 2006-08-17 | Teijin Techno Products Ltd | 芳香族ポリアミド及びそれからなる繊維 |
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-
2012
- 2012-11-27 JP JP2012258820A patent/JP2014105404A/ja active Pending
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