JP5917943B2 - コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維およびその製造方法 - Google Patents
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さらには、凝固工程で得られた可塑化状態にある凝固糸を、1.2〜1.5倍に延伸し、引張強度が27.5cN/dtexより大きく、引張伸度が4.00〜4.50%である繊維とするコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタラミド繊維の製造方法である。
本発明におけるコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維とは、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドを主成分とするものである。繊維中に含まれるポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドは、繊維質量全体に対して、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、100%であることが最も好ましい。
本発明の繊維の材料となるコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドは、従来公知の方法にしたがって製造することができる。例えば、アミド系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸クロライド成分と、芳香族ジアミン成分とを反応せしめることにより、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドのポリマー溶液を得ることができる。
(芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分)
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドの原料となる芳香族ジカルボン酸クロライド成分としては、テレフタル酸ジクロライドを用いる。本発明においては、芳香族環に置換基が存在していても差し支えない。また、テレフタル酸ジクロライド以外の少量のジカルボン酸ジクロライド成分を、テレフタル酸ジクロライドとともに併用してもよい。
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドの原料となる芳香族ジアミン成分としては、パラフェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを組み合わせて用いる。本発明においては、芳香族環に置換基が存在していても差し支えない。また、パラフェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテル以外の少量のジアミン成分を、これらとともに併用してもよい。
芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との比は、芳香族ジアミン成分に対する芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比として、0.90〜1.10の範囲とすることが好ましく、0.95〜1.05の範囲とすることがより好ましい。芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比が0.90未満または1.10を超える場合には、芳香族ジアミン成分との反応が十分に進まず、高い重合度が得られないため好ましくない。
芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との反応条件は、特に限定されるものではない。酸クロライドとジアミンとの反応は一般に急速であり、反応温度としては、例えば、−25℃〜100℃の範囲とすることが好ましく、−10℃〜80℃の範囲とすることがさらに好ましい。
コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドの製造に用いるアミド系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPともいう)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独であっても、また、2種以上の混合溶媒として用いることも可能である。なお、用いる溶媒は、脱水されていることが望ましい。
反応終了後には、必要に応じて、塩基性の無機化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等を添加して、中和反応を実施することが好ましい。
重合して得られるコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドは、アルコール、水などの非溶媒に投入して沈殿せしめ、パルプ状にして取り出すことができる。取り出されたコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドを再度他の溶媒に溶解し、その後に繊維の成形に供することもできるが、重合反応によって得られたポリマー溶液を、そのまま紡糸用溶液(ドープ)に調製して用いることも可能である。
本発明のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得る方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、以下に記載するような半乾半湿式紡糸法を採用することができる。本発明の引張伸度と引張強度の両者が高い繊維を得るためには、凝固工程で得られた凝固糸に対して、特定範囲の倍率で可塑化延伸を実施することが重要である。
繊維を得るにあたっては、先ず、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドおよび溶媒を含む紡糸用溶液(ドープ)を調製する。紡糸用溶液(ドープ)を調製する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により調製することができる。
本発明の繊維の製造においては、上述の如く調製された紡糸用溶液(ドープ)を用いて、エアギャップを設けた半乾半湿式紡糸法によって繊維を成形する。すなわち、先ず、上記で得られた紡糸用溶液(ドープ)をノズルから吐出し、続いて、凝固浴中の凝固液に接触させて、可塑化状態にある凝固糸を形成する。
本発明においては、凝固工程で得られた可塑状態にある凝固糸を、1.2〜1.5倍範囲にて延伸することが必須である。延伸倍率は、1.3〜1.5倍の範囲とすることが好ましく、1.4〜1.5倍の範囲とすることが最も好ましい。
凝固糸条を可塑延伸した後は、公知の方法によって、最終的なコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得ることができる。例えば、形成した可塑延伸糸から溶媒を除去するための水洗工程を実施し、乾燥工程等を経て、必要に応じてさらに延伸することにより、最終的な繊維を得ることができる。
(引張強度)
本発明のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維は、引張強度が27.5cN/dtexより大きい。引張強度は、27.8cN/dtex以上であることが好ましく、28.0cN/dtex以上であることが最も好ましい。
本発明のコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維は、引張伸度が4.00〜4.50%の範囲であることが好ましい。引張伸度は、4.10〜4.50%の範囲であることがより好ましく、4.20〜4.50%の範囲であることが最も好ましい。
実施例および比較例においては、下記の項目について、下記の方法によって測定・評価を行った。
得られた繊維を、公知の検尺機を用いて100m巻き取り、その質量を測定した。得られた質量に100を乗じた値を10000mあたりの質量、即ち繊度(dtex)として算出した。
引張試験機(INSTRON社製、商品名:INSTRON、型式:5565型)により、糸試験用チャックを用いて、ASTM D885の手順に基づき、以下の条件で測定を実施した。
[測定条件]
温度 :室温
試験片 :75cm
試験速度 :250mm/分
チャック間距離 :500mm
[紡糸用溶液の調製工程]
紡糸用溶液(ドープ)として、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド(共重合モル比が1:1の全芳香族ポリアミド)の濃度6質量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液を準備した。
[紡糸・凝固工程]
紡糸用溶液(ドープ)を、紡糸口金から吐出し、エアギャップを介して、NMP濃度30質量%の50℃の水溶液で満たされた凝固浴中に紡出し、凝固糸を得た(半乾半湿式紡糸法)。
[可塑延伸工程]
次いで、可塑状態にある凝固糸を、1.2倍に延伸して可塑延伸糸を得た。
[その他工程]
得られた可塑延伸糸を水浴にて水洗し、乾燥を実施した。最後に、温度520℃下で11倍に延伸し、巻き取りを実施することにより、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を1.3倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を1.4倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を1.5倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を1.0倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を1.1倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を1.6倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を2.0倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得ようと試みた。しかしながら、加熱延伸工程において断糸が多発して製糸できなかった。
可塑延伸工程において、可塑状態にある凝固糸の延伸倍率を1.0倍とし、加熱延伸工程において、乾燥糸の延伸倍率を16倍とした以外は、実施例1と同様にコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を、表1に示す。
Claims (2)
- 引張強度が27.5cN/dtexより大きく、引張伸度が4.00〜4.50%であるコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維。
- 凝固工程で得られた可塑化状態にある凝固糸を、1.2〜1.5倍に延伸し、引張強度が27.5cN/dtexより大きく、引張伸度が4.00〜4.50%である繊維とするコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタラミド繊維の製造方法。
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