JP2014104823A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアバッグのガス導入部をインフレータのガス供給部に、簡単で確実に、しかも強固に取り付けることができるエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】インフレータ5のガス供給部6には、環状の凹溝6bがガス供給部6の周方向に沿って形成されている。凹溝6bに対向したガス導入部3の部位には、糸状体10が複数回巻き付けられて巻装本体部11を形成している。巻装本体部11における始端部及び後端部は、巻装本体部11内、又は巻装本体部11とガス導入部3を構成している基布パネル2aとの間に差し込ませており、巻装本体部11が巻き解けないように構成されている。
【選択図】図3
【解決手段】インフレータ5のガス供給部6には、環状の凹溝6bがガス供給部6の周方向に沿って形成されている。凹溝6bに対向したガス導入部3の部位には、糸状体10が複数回巻き付けられて巻装本体部11を形成している。巻装本体部11における始端部及び後端部は、巻装本体部11内、又は巻装本体部11とガス導入部3を構成している基布パネル2aとの間に差し込ませており、巻装本体部11が巻き解けないように構成されている。
【選択図】図3
Description
本願発明は、衝突等により膨張展開して乗員や歩行者を保護するエアバッグに関するものである。
近年においては、車両の側面衝突やそれに続いて起こる横転(ロールオーバ)事故などにおいて、乗員の頭部等を保護するために車室の側面に沿って膨張展開するエアバッグや、ステアリングホイールの内側やダッシュボード内に収納したエアバッグなどが、種々の車両に搭載されている。また、歩行者の受ける衝撃を緩和するエアバッグなども開発されており、例えば、車両外側のフロントガラスとボンネットとの間のカウル部分にエアバッグを設置して、歩行者の保護を図るエアバッグなどが種々の車両に搭載されたり、搭載されようとしている。
この種のエアバッグ装置としては、サイドカーテンエアバッグ、後席用エアバッグ、フロントカーテンエアバッグ、室外用エアバッグ、運転席用エアバッグ、助手席用エアバッグなどがある。
車両に対する追突事故やロールオーバ等の事故の発生が検知されると、あるいはこれらの事故の発生が予測されると、エアバッグ装置のインフレータにおいて膨張ガスが発生する。発生した膨張ガスは、エアバッグのガス導入部を介して袋状をなす気室部に供給され、エアバッグを膨張展開させる。そして、膨張展開したエアバッグによって、乗員や歩行者の保護を図ることができる。
一般的な構成として、インフレータで発生した膨張ガスは、筒状のガス供給部から噴出する構成になっている。そして、ガス供給部から噴出した膨張ガスをエアバッグ内に導入するため、ガス供給部がエアバッグのガス導入部によって外装された配置構成になっている。また、挿入したガス供給部に対してガス導入部を固定する固定構造としては、締め付けバンドを用いてガス導入部を締め付ける構造が採用されている。
締め付けバンドを用いた固定構造としては、例えば、サイドエアバッグ装置(特許文献1参照)、エアバッグ装置とインフレータとの連結構造(特許文献2参照)などが提案されている。
特許文献1、2におけるガス導入部の固定構造では、締め付けバンドとして構成された略円筒状でベルト状の金属板が用いられている。このベルト状の金属板は、所謂加締めリングとして構成されている。
特許文献1、2におけるガス導入部の固定構造では、締め付けバンドとして構成された略円筒状でベルト状の金属板が用いられている。このベルト状の金属板は、所謂加締めリングとして構成されている。
そして、ガス供給部を外装したガス導入部の外周面側に、更にベルト状の金属板が外装されており、ベルト状の金属板における外周面を加締めることによって、ベルト状の金属板における内周面形状を縮径させることができる。ベルト状の金属板における内周面形状が縮径することによって、ガス導入部はベルト状の金属板によって締め付けられることになり、ガス導入部をガス供給部に固定することができる。
初等力学、森口繁一著、培風館、昭和45年8月20日初版20刷発行、173頁〜174頁(9.1.4 索やベルトの摩擦、173〜174頁)
特許文献1及び2に記載された発明では、ベルト状の金属板を加締めるため、ドライバーや加締め工具を使用して加締め作業を行うことになる。そのため、加締め作業の作業性に関して更なる改善が求められている。
また、加締め作業が施されたベルト状の金属板での加締め部を、外方に突出した形状に変形させることで、ガス導入部がガス供給部に締め付け固定されることになる。しかし、外方側に突出することになる加締め部の突出方向としては、エアバッグを収納するエアバッグ装置内において他の部材と干渉しない方向に形成しておかなければならず、しかも、膨張展開したエアバッグと干渉しない方向に形成しておかなければならない。そのため、加締め部の処理をどのように行えば干渉を生じさせずにすみ、しかも効率よく加締め作業を行うことができるのかが、加締め部の処理に関する問題として生じている。
更に、ガス導入部をガス供給部に固定する固定手段として、加締め部を用いるためには、ベルト状の金属板のように塑性変形が可能な金属材を用いることになる。そのため、金属材を用いることに対して、エアバッグ装置の軽量化を図る上で更なる改善が求められている。
しかも、エアバッグモジュールの廃棄処理において、資源のリサイクル化を推進するためには、金属材を焼却処分にしないことが求められており、金属スクラップとして回収することが必要になる。ベルト状の金属板を金属スクラップとして回収するためには、廃棄処理の工程が増えることになり、廃棄処理に要する時間が延びてしまうことになる。
また、布製のエアバッグを金属パーツから容易に分別することができれば、布クズとしてクッション材や防音材などの用途に再利用し易くなる。
また、布製のエアバッグを金属パーツから容易に分別することができれば、布クズとしてクッション材や防音材などの用途に再利用し易くなる。
本願発明では、このような問題や改善点を解決することができ、しかも、簡単な構造であってエアバッグのガス導入部をインフレータのガス供給部に、簡単な作業で確実に、しかも強固に取り付けることができるエアバッグ装置の提供を目的にしている。
本願発明の課題は、請求項1〜5に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明に係わるエアバッグ装置では、筒状のガス供給部から噴出する膨張ガスを発生させるインフレータと、前記インフレータで発生した膨張ガスを導入するガス導入部を有するエアバッグと、前記ガス供給部を外装した前記ガス導入部に巻き付けられ、前記ガス導入部を前記ガス供給部に押圧保持する糸状体と、を備えたことを最も主要な特徴としている。
即ち、本願発明に係わるエアバッグ装置では、筒状のガス供給部から噴出する膨張ガスを発生させるインフレータと、前記インフレータで発生した膨張ガスを導入するガス導入部を有するエアバッグと、前記ガス供給部を外装した前記ガス導入部に巻き付けられ、前記ガス導入部を前記ガス供給部に押圧保持する糸状体と、を備えたことを最も主要な特徴としている。
また、本願発明では、巻き付けを行った前記糸状体の少なくとも一部が、引き続いて更に巻き付けを行った前記糸状体によって押え付けられ、ほつれないように保持されていることを主要な特徴としている。
更に、本願発明では、隣接して巻き付けられた前記糸状体の間、又は巻き付けを行った前記糸状体と前記糸状体が巻き付けられたガス導入部との間に、引き続いて更に巻き付けを行った前記糸状体の少なくとも一部を差し込んで、差し込んだ前記糸状体が、ほつれないように保持されていることを主要な特徴としている。
更にまた、本願発明では、前記糸状体は、前記ガス導入部の外表面を締め付けながら巻き付け、前記ガス導入部の長手方向に所望の寸法幅を有する巻装本体部を構成したことを主要な特徴としている。
また、本願発明では、前記巻装本体部の始端部と後端部とのうちで少なくとも一方が、巻き付け状態から解けないように固定されていることを主要な特徴としている。
また、本願発明では、前記巻装本体部の始端部と後端部とのうちで少なくとも一方が、巻き付け状態から解けないように固定されていることを主要な特徴としている。
本願発明に係わるエアバッグ装置では、糸状体を用いてガス導入部をガス供給部に固定することができる。しかも、従来技術のようなベルト状の金属板を用いることなく、ガス供給部を外装したガス導入部に糸状体を巻き付けることによって、ガス導入部をガス供給部に対して強固に押圧保持することができる。糸状体をガス導入部に巻き付けることによって、ガス導入部は糸状体によって巻き締められた状態になる。
そして、本願発明では、ベルト状の金属板の代わりに糸状体を巻き付けた構成にしているので、エアバッグ装置の軽量化を図ることができる。しかも、エアバッグモジュールの廃棄処理において、ベルト状の金属板を金属スクラップとして回収するための廃棄処理の工程が必要なくなり、廃棄作業の効率化を高めることができる。
また、金属の加締めリングが混入した状態での焼却処分が行われることがないので、環境に対する負荷を軽減することができる。更に、糸状体の巻き付け作業を自動化することができるので、エアバッグ装置を製造する上において、作業性を大幅に向上させることができる。
また、布製のエアバッグを金属パーツから容易に分別することができるようになり、しかも、糸状体が含まれていてもエアバッグの基布パネルを、布クズとしてクッション材や防音材などの用途に再利用することができる。
特に、本願発明では、ガス導入部をガス供給部に対して強固に押圧保持するための構成として、ガス導入部を構成する基布パネルの外表面に対して糸状体を複数回巻き付けた構成になっている。
このように構成されているので、例えば、摩擦係数(μ=0.35〜0.5)の丸棒に麻縄を巻いたときには、麻縄の一端側を引っ張って丸棒に巻き付けた麻縄を丸棒の上で滑らせるためには、麻縄の他端側に作用している力に対して、半巻きした状態でも、3倍から5倍程度の力を必要とすることになる。更に、数回巻かれた状態であれば、他端側に作用している力の1000倍から10000倍の力を必要とすることになる。
尚、この計算は、一般的な力学の教科書(例えば、非特許文献1参照。)に載っている、索やベルトの摩擦に関して、そのときの摩擦力を求める計算式から求めることができる。
尚、この計算は、一般的な力学の教科書(例えば、非特許文献1参照。)に載っている、索やベルトの摩擦に関して、そのときの摩擦力を求める計算式から求めることができる。
このように、糸状体を複数回巻き付けた構成になっているので、糸状体の巻き締めによるガス導入部への締め付け力としては、大きな力を作用させておくことができる。この締め付け力としては、金属製の加締めリングを用いた場合に比べても遜色のない締め付け力を得ることができる。
特に、糸状体は、ガス導入部の外周面に巻き付けられることになるので、インフレータで発生した膨張ガスとの直接的な接触はなく、耐熱性を高めた糸を糸状体として使用する必要性がない。そのため、糸状体として使用する糸を特別に選択する必要がなくなる。
そして、糸状体としては、ナイロン糸、ポリエステル糸、麻糸などのように広く入手可能な糸を使用することができる。また、糸状体の番手(糸の太さを示す単位で、糸の太さが細くなると番手数が大きくなる)としては、エアバッグの基布パネル同士を接合する縫製糸よりも大きな番手の糸を使用することが望ましい構成になる。
このように、糸状体を用いてガス導入部をガス供給部に対して固定することによって、金属の加締めリングを用いた場合に比べてエアバッグ装置の軽量化を図ることができる。しかも、加締め治具を用いた作業を廃止することができるので、エアバッグ装置を製造する上において作業性を向上させることができる。
本願発明では、巻き付けを行った糸状体の少なくとも一部が、引き続いて更に巻き付けを行った糸状体によって押え付けられ、ほつれないように保持された構成にしておくことができる。また、隣接して巻き付けられた糸状体の間、又は巻き付けを行った糸状体と糸状体が巻き付けられたガス導入部との間に、引き続いて更に巻き付けを行った糸状体の少なくとも一部を差し込んで、差し込んだ糸状体が、ほつれないように保持された構成にしておくことができる。
このように構成することによって、巻き付けを行った糸状体の一部が解けないように固定しておくことができる。そして、巻き付けを行った糸状体が、ほつれてしまうのを防止しておくことができる。解けないように固定された糸状体の一部としては、糸状体の長手方向における一部部位であることもできるし、巻き付けを行った糸状体の始端部、後端部であることもできる。
本願発明では、ガス導入部の外表面を糸状体で締め付けながら巻き付け、ガス導入部の長手方向に所望の寸法幅を有する巻装本体部を構成しておくことができる。
巻装本体部を構成することによって、所望の幅寸法からなる糸状体の巻上げ状態を構成することができる。そして、巻装本体部によって、所望の幅寸法でガス導入部の外表面を巻き締めておくことができる。これにより、ガス導入部をガス供給部に固定する固定力が、所望の固定力となるように構成しておくことができる。
巻装本体部を構成することによって、所望の幅寸法からなる糸状体の巻上げ状態を構成することができる。そして、巻装本体部によって、所望の幅寸法でガス導入部の外表面を巻き締めておくことができる。これにより、ガス導入部をガス供給部に固定する固定力が、所望の固定力となるように構成しておくことができる。
本願発明では、巻装本体部の始端部と後端部とのうちで少なくとも一方が、巻き付け状態から解けないように固定された構成にしておくことができる。
巻装本体部の始端部や後端部が、巻き付け状態から解けないようにする固定方法としては、始端部や後端部を、巻装本体部とガス導入部を構成する基布パネルの外表面との間に差し込んだ構成にしておいたり、何層かに巻き付けられて構成されている巻装本体における糸状体の層の間に差し込んだ構成にしておくことができる。
巻装本体部の始端部や後端部が、巻き付け状態から解けないようにする固定方法としては、始端部や後端部を、巻装本体部とガス導入部を構成する基布パネルの外表面との間に差し込んだ構成にしておいたり、何層かに巻き付けられて構成されている巻装本体における糸状体の層の間に差し込んだ構成にしておくことができる。
あるいは、巻装本体部を構成している巻き付けられた糸状体において、隣接した糸状体の列の間に、始端部や後端部を強制的に割り込ませることで差し込みを行い、割り込ませた始端部や後端部を隣接している糸状体の間で挟持する構成にしておくこともできる。
このように固定することによって、巻装本体部の始端部や後端部を巻装本体部によって圧接した状態で覆っておくことができる。そして、巻装本体部の始端部や後端部が、巻き付け状態からほつれてしまうのを防止しておくことができる。
また、巻装本体部の始端部や後端部が巻き付け状態から解けないようにする固定方法としては、例えば、ホットメルト接着剤を含浸させた糸状体を用いた構成にすることもできる。ホットメルト接着剤が含浸した糸状体を何巻きかに巻き付けた状態で、巻き付けた糸状体を加温することによって、ホットメルト接着剤は溶融して流動性を持つことができる。流動性を持ったホットメルト接着剤は、巻き付けられて巻き糸の塊となっている糸と糸
との間に入り込むことができ、糸同士を接着させることができる。
との間に入り込むことができ、糸同士を接着させることができる。
更に、巻装本体部の始端部や後端部が巻き付け状態からほつれてしまうのを防止する構成としては、接着により、あるいは接着パッチを用いたり、熱収縮チューブを用いたりして巻装本体部やガス導入部に固定しておくこともできる。更には、巻装本体部の始端部や後端部側を、布テープなどで巻き回した状態で固定しておくこともできる。
このようにして、ガス導入部の外表面に巻き付けた巻装本体部の始端部、後端部が、巻き付け状態から解けないように処理しておくことができる。
このようにして、ガス導入部の外表面に巻き付けた巻装本体部の始端部、後端部が、巻き付け状態から解けないように処理しておくことができる。
尚、エアバッグを製造する工程において、熱を加える製造工程を加えると、エアバッグの製造工程が長く延びた配置構成になる。しかも、エネルギーコストが増大することになる。ただし、ホットメルト接着剤が溶融すときの温度や熱収縮チューブが溶融する温度では、エアバッグを構成する基布パネルに対してダメージを与えることはない。
本願発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明に係わるエアバッグ装置としては、以下においてカーテンエアバッグを例に挙げて説明を行うが、カーテンエアバッグを用いたエアバッグ装置に限定されるものではない。
インフレータで発生した膨張ガスが、筒状のガス供給部から噴出する構成であれば、本願発明に係わるエアバッグ装置を他の構成のエアバッグ装置に対しても好適に適用することができる。
このため、本願発明の課題を解決することができる構成であれば、多様な変更が可能である。
このため、本願発明の課題を解決することができる構成であれば、多様な変更が可能である。
図1に示すように、カーテンエアバッグ装置1では、折り畳まれて長尺の折塊に形成されたエアバッグ2は、結束テープ35によって折畳まれた状態が保持されている。また、長尺で折塊状態のエアバッグ2は、結束テープ35によってブラケット30に縛り付けられてい
る。そして、エアバッグ2の上縁部に配した取付片31やブラケット30に形成した取付孔を介して、エアバッグ2は図示せぬ車体パネルに取り付けられている。
尚、図1、図2では、エアバッグ2をブラケット30に縛り付けている結束テープ35の図示は、省略している。また、ブラケット30には、インフレータ5をブラケット30に固定するための図示せぬスタッドボルト等が設けられている。
る。そして、エアバッグ2の上縁部に配した取付片31やブラケット30に形成した取付孔を介して、エアバッグ2は図示せぬ車体パネルに取り付けられている。
尚、図1、図2では、エアバッグ2をブラケット30に縛り付けている結束テープ35の図示は、省略している。また、ブラケット30には、インフレータ5をブラケット30に固定するための図示せぬスタッドボルト等が設けられている。
車両に対する側面衝突事故やロールオーバ等の事故の発生が検知されると、あるいはこれらの事故の発生が予測されると、カーテンエアバッグ装置1のインフレータ5で発生した膨張ガスが、ガス供給部6からガス導入部3を通って導入され、エアバッグ2内に流入する。
エアバッグ2内に膨張ガスが流入すると、エアバッグ2は膨張展開を行って、結束テープ35を破断する。そして、図1の仮想線で示すように下方に向かって膨張展開することができる。膨張展開したエアバッグ2の横方向における広がりを規制するため、エアバッグ2の前端縁にはストラップ32が設けられている。そして、膨張展開したエアバッグ2は、図示せぬサイドウィンドガラスを覆い、乗員の頭部を保護することができる。
尚、ストラップ32をエアバッグの前端縁に設けた構成について説明を行ったが、エアバッグ2の後端縁側にも、前端縁に設けたと同様のストラップを配した構成にしておくこともできる。
エアバッグ2のガス導入部3とインフレータ5のガス供給部6との取付構成を、図2を用いて説明する。図2では、取付構成における要部を拡大した斜視図として示している。また、図2では、長尺で折塊状態のエアバッグ2をブラケット30に縛り付けておく結束テープ35の図示、インフレータ5をブラケット30に取り付けておく構成の図示を省略している。図2では、部材の一部を破断した状態で示すことにより、ガス導入部3の内部の様子を示している。
エアバッグ2は、例えば315デニールのナイロン66糸を用いた目付200g/m2の二枚の基布パネル2aを重ね合わせ、重ね合わせた基布パネル2aの外周を縫製糸36により接合して袋状に構成されている。
尚、必要に応じて、エアバッグ2を構成する基布パネル2aの表面には、ゴムコーティング、シリコン系樹脂のコーティング等を施して、通気性を低下させ、あるいは不通気状態となるように構成しておくこともできる。また、基布パネル2aの構成材料として、ナイロン66に代えてナイロン6、ポリエステルの織布を利用することもできる。
尚、エアバッグ2の形態、材質や構造及びインフレータ5の形態や構造などは従来と格別に変わるところはない。従って、本願発明は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。
尚、エアバッグ2の形態、材質や構造及びインフレータ5の形態や構造などは従来と格別に変わるところはない。従って、本願発明は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。
図2に示すように、エアバッグ2の端部に形成したガス導入部3内にインフレータ5のガス供給部6が挿入されている。ガス供給部6は、インフレータ5と一体的に構成されており、ガス供給部6の先端部には、インフレータ5で発生した膨張ガスを噴出するガスポート6aが形成されている。
インフレータ5には、取り扱い等の注意書きが記載されたコーションラベル34が貼り付けられており、また、インフレータ5内でガスを発生させるためのハーネス33が、インフレータ5に接続している。ハーネス33の端部には、コネクタ33aが取り付けられている。
ガス導入部3を構成する基布パネル2aの端部3a側を、基布パネル2aの端縁から距離L以上
離れた部位を締め付けることによって、ガス導入部3をガス供給部6に固定することができる。糸状体10で締め付けられたガス導入部3の部位は、ガス導入部3をガス供給部6に固定する固定部7として構成されている。ガス導入部3をガス供給部6に固定した状態で、エアバッグ2及びインフレータ5をブラケット30で支持することができる。
離れた部位を締め付けることによって、ガス導入部3をガス供給部6に固定することができる。糸状体10で締め付けられたガス導入部3の部位は、ガス導入部3をガス供給部6に固定する固定部7として構成されている。ガス導入部3をガス供給部6に固定した状態で、エアバッグ2及びインフレータ5をブラケット30で支持することができる。
尚、図示例では、インフレータ5と一体的に形成されたガス供給部6の構成を例示しているが、ガス供給部6の外周面にディフューザーを嵌着させた構成にして、ガス導入部3をディフューザーの外周面に固定した構成にしておくこともできる。ディフューザーとしては、一般的なディフューザーとして用いられている構成の場合と同様に、ガスポート6aの周囲を離間した状態で覆う筒状の形状に構成しておくことができる。本願発明では、ディフューザーを備えた構成をも含めて、ガス供給部6としている。
ガス導入部3をガス供給部6に固定する取付構造について、図3〜図9を用いて説明する。図3では、二点鎖線の中心線より上方側ではガス導入部3を構成する基布パネル2aの一部を破断して示し、中心線よりも下方側ではガス導入部3の側面を示している。
図3に示すように、インフレータ5のガス供給部6には、環状の凹溝6bがガス供給部6の周方向に沿って形成されている。即ち、ガス供給部6の外周径D1よりも、環状の凹溝6bにおける底面部での外周径D2が小さな径として構成されている。
そして、凹溝6bに対向したガス導入部3の部位では、隙間なく糸状体10が複数回巻き付けられており、この部位の締め付けを行っている。ガス導入部3を構成する基布パネル2aの部位を締め付けながら糸状体10を複数回巻付けることによって、ガス導入部3とガス供給部6とを固定する固定部7としての巻装本体部11が形成される。巻装本体部11は、ガス導入部3の長手方向に沿った所望の幅寸法を有する形状に形成されている。このとき、ガス導入部3とガス供給部6との固定部7は凹溝6b内に配設されることになるので、固定部7がガス供給部6の軸方向に移動するのを防止できる。
このように、糸状体10を隙間なく複数回巻き付けることで、所望の幅寸法を有した巻装本体部11を形成することができるので、巻装本体部11によるガス導入部3に対する締め付け力としては、大きな力を作用させておくことができる。この締め付け力としては、金属製の加締めリングを用いた場合に比べても遜色のない締め付け力を得ることができる。
特に、糸状体10は、ガス導入部3の外周面に巻き付けた構成になるので、インフレータ5で発生した膨張ガスとの直接的な接触はなく、耐熱性を高めた糸を糸状体として使用する必要性がない。そのため、糸状体10として使用する糸を特別に選択する必要がない。
そして、糸状体10としては、ナイロン糸、ポリエステル糸、麻糸などのように広く入手可能な糸を使用することができる。ナイロン糸を例に挙げて説明を加えれば、糸状体10の太さとしては、エアバッグ2の基布パネル2a同士を接合する縫製糸36(図1参照)と同じ太さの糸である、太さ1400dtex(デシテックス)、あるいは1880dtexのナイロン糸を使用することができる。
更には、これよりも太い糸、例えば2000detxのナイロン糸を使用することもできる。このような太い糸を使用すれば、糸の強力が高くなるので強い張力を与えて少ない巻き数で十分な巻き締め力が得られる。また、縫製糸36(図1参照)よりも細い糸、例えば、1250dtexのナイロン糸を使用することもできる。細い糸を用いた場合には、より多くの巻き数とした構成にして、十分な巻き締め力を得ることができる。
次に、図4(a)〜図4(e)を用いて、巻装本体部11における始端部11aと後端部11b
とを巻装本体部11によって、圧接した状態で覆う構成について説明する。
図4(a)に示すように、糸状体10の一端部側を、即ち、巻装本体部11の始端部11aとなる糸状体10の部位を、ガス供給部6に形成した凹溝6bに対応する基布パネル2aの部位の所に載置する。
とを巻装本体部11によって、圧接した状態で覆う構成について説明する。
図4(a)に示すように、糸状体10の一端部側を、即ち、巻装本体部11の始端部11aとなる糸状体10の部位を、ガス供給部6に形成した凹溝6bに対応する基布パネル2aの部位の所に載置する。
図示例では、始端部11a側を正面視で、略「了」の字状に折り曲げた状態で基布パネル2a上に載置しているが、始端部11a側によって、少なくとも凹溝6bに対して交差する状態で始端部11aを載置しておくことができる。また、基布パネル2a上には、巻装本体部11を形成した後における後端部11bを、巻装本体部11とガス導入部3を構成する基布パネル2aとの間に差し込ませるための引き抜き具12が配設されている。
引き抜き具12は、U字状に屈曲したループワイヤ12bの両端部を固定しているプレート12aとを有する形状に構成されている。図4(b)に示すように、巻上げて巻装本体部11を完成させた糸状体10を切断して、巻装本体部11の後端部11bを形成する。そして、図4(c)に示すように、後端部11bをループワイヤ12b内に差し込ませる。
尚、巻装本体部11の後端部11b側となる糸状体10の部位を湾曲させて、湾曲させた糸状体10の部位をループワイヤ12b内に挿入することによっても、後端部11bをループワイヤ12b内に挿入させることができる。
そして、図4(d)の矢印Bで示すように、プレート12aを巻装本体部11から離れる方向に引っ張ることで、後端部11bを巻装本体部11とガス導入部3を構成する基布パネル2aとの間に差し込ませることができる。湾曲した巻装本体部11の後端部11bをループワイヤ12b内に挿入したときには、巻装本体部11とガス導入部3を構成する基布パネル2aとの間に差し込ませた湾曲した巻装本体部11の後端部11bを、糸状体10から切断することによって、巻装本体部11の後端部11bと巻き終わった糸状体10とを分離させることができる。
巻装本体部11の構成として、糸状体10を何層にも巻いた構成にしたときには、少なくとも糸状体10を一層巻いた上に引き抜き具12を配設するとともに、引き抜き具12の上から更に糸状体10を巻き付けていくこともできる。
そして、引き抜き具12のループワイヤ12b内に、巻装本体部11の後端部11bを挿入するとともに、ループワイヤ12b内に後端部11bを挿入した引き抜き具12を引き抜くことによって、巻装本体部11の後端部11bを何層かに巻かれた巻装本体部11内に差し込ませることができる。
このようにして、図4(e)に示すように、始端部11a及び後端部11bが巻装本体部11によって覆われて圧接された状態になり、巻装本体部11とガス導入部3との間に始端部11a及び後端部11bが固定された状態になる。
ループワイヤ12bとしては、糸状体10よりも細い太さの外径寸法を有しており、しかも滑り性のよいステンレス鋼製(例えば、SUS304)のワイヤ(単線又は撚り線、以下、ステンレスワイヤという)を用いて構成されている。
ループワイヤ12bとしては、糸状体10よりも細い太さの外径寸法を有しており、しかも滑り性のよいステンレス鋼製(例えば、SUS304)のワイヤ(単線又は撚り線、以下、ステンレスワイヤという)を用いて構成されている。
図4(a)〜図4(c)に示すように、ガス導入部3を構成している基布パネル2aの部位を糸状体10で締め付けて巻き付けを行うときには、ループワイヤ12bも糸状体10によって一緒に締め付けられて巻き付けられることになる。そこで、糸状体10を複数回巻き付けて形成した巻装本体部11から、後端部11bと共にループワイヤ12bを引き抜いた後において、巻装本体部11が弛んでしまうのを防止しておく必要がある。
そのため、ループワイヤ12bの構成としては、可撓性を持たせるため番手の大きなステ
ンレスワイヤを用いて構成しておくことが望ましい構成になる。即ち、ループワイヤ12bを構成するステンレスワイヤとしては、細い径のものが望ましい構成になる。引き抜き具12の引き抜き操作によって、ループワイヤ12bが何層かに巻かれた巻装本体部11の間から引き抜かれたり、巻装本体部11とガス導入部3を構成している基布パネル2aとの間から引き抜かれたりすると、細い径に形成されているステンレスワイヤの2本分が引き抜かれることになり、代わりに糸状体10の糸が一本挿入されることになる。
ンレスワイヤを用いて構成しておくことが望ましい構成になる。即ち、ループワイヤ12bを構成するステンレスワイヤとしては、細い径のものが望ましい構成になる。引き抜き具12の引き抜き操作によって、ループワイヤ12bが何層かに巻かれた巻装本体部11の間から引き抜かれたり、巻装本体部11とガス導入部3を構成している基布パネル2aとの間から引き抜かれたりすると、細い径に形成されているステンレスワイヤの2本分が引き抜かれることになり、代わりに糸状体10の糸が一本挿入されることになる。
このとき、ステンレスワイヤの径が、糸状体10における糸の径よりも非常に細く構成されていれば、ループワイヤ12bによってループワイヤ12bの上を巻き付けていた糸状体10が持ち上げられる持ち上げ量よりも、後端部11bによって持ち上げられる持ち上げ量の方が大きくなる。この結果、巻装本体部11による締め付け力が増大することになり、後端部11bに対する押えがより効果的に働くことになる。
ループワイヤ12bとしては、ステンレスワイヤを用いた構成の代わりに、糸の太さが細い糸(即ち、番手が大きな糸)であって可撓性を有し、滑り性の良い他の材質の部材を用いて構成しておくこともできる。
ループワイヤ12bとしては、ステンレスワイヤを用いた構成の代わりに、糸の太さが細い糸(即ち、番手が大きな糸)であって可撓性を有し、滑り性の良い他の材質の部材を用いて構成しておくこともできる。
また、引き抜き具12としては、図示例のようなプレート12aにループワイヤ12bの両端部を取り付けた構成にしておく代わりに、一端側がプレートによって取り付けられ、他端側が内向きの渦巻き状に形成された一本のワイヤを用いて構成しておくこともできる。巻装本体部11の後端部11b側を渦巻き状の端部に係合させた後で、このプレートを巻装本体部11から離れる方向に引っ張ることができる。
特に、一本のワイヤにおける他端部が内向きの渦巻き状に形成されているので、このワイヤを引き抜くときに当該ワイヤの他端部が、当該ワイヤの上に巻き付けていた糸状体10に引っ掛かってしまうのを防止できる。
これにより、他端側に形成した渦巻き状の他端部によって巻装本体部11の後端部11bを巻装本体部11内又は巻装本体部11とガス導入部3を構成している基布パネル2aとの間に差し込ませることができる。
そして、巻装本体部11の後端部11bに接続していた糸状体10を切断することによって、巻装本体部11の後端部11bを、巻装本体部11内又は巻装本体部11とガス導入部3を構成している基布パネル2aとの間に差し込ませた状態にすることができる。
そして、巻装本体部11の後端部11bに接続していた糸状体10を切断することによって、巻装本体部11の後端部11bを、巻装本体部11内又は巻装本体部11とガス導入部3を構成している基布パネル2aとの間に差し込ませた状態にすることができる。
後端部11bを巻装本体部11内又は巻装本体部11とガス導入部3を構成している基布パネル2aとの間に差し込ませるために、引き抜き具12を用いた構成について説明を行ったが、図5に示すように、引き抜き具12の代わりに針14を用いた構成にすることもできる。
そして、針14の針孔に糸状体10を通しておき、巻装本体部11が巻き上がった後において、針14を巻装本体部11内に差し入れて引き抜くことで、巻装本体部11の後端部11bを巻装本体部11内又は巻装本体部11とガス導入部3を構成している基布パネル2aとの間に差し込ませることができる。
また、針14に糸状体10を通した構成のときには、針14でガス導入部3を構成する基布パネル2aに刺し通すことによって、巻装本体部11の後端部11bを固定することもできる。更に、糸状体10の巻き付けを行う前に、糸状体10を通した針14をガス導入部3を構成する基布パネル2aに刺し通して、巻装本体部11の始端部11aを固定させておくこともできる。
針14の糸孔に糸状体10の端部を挿入させるのを容易に行うため、また、ガス導入部3に巻き始めた糸状体10の端部、即ち、巻装本体部11の始端部11aとなる糸状体10の端部が、ほつれたりするのを防止するため、糸状体10の端部にニス等の樹脂を浸み込ませて固め、
端部のほつれを防止しておくことができる。
端部のほつれを防止しておくことができる。
以上の説明では、巻装本体部11の始端部11a及び後端部11bを巻装本体部11に固定するため、始端部11a及び後端部11bが巻装本体部11によって圧接された状態で覆われている構成について説明を行った。
しかし、始端部11a及び後端部11bが巻き解けないようにするための構成としては、上述した構成に限定されるものではなく、例えば、ホットメルト接着剤が含浸した糸状体10を用いて巻装本体部11を形成し、形成した巻装本体部11を接触している始端部11a及び後端部11bとともに加温することで、巻装本体部11の始端部11aや後端部11bを巻装本体部11に接合固定させることができる。
また、巻装本体部11の始端部11aや後端部11bを接着によって、あるいは接着パッチを用いた構成によって、更には熱収縮チューブを用いた構成によって、巻装本体部11の始端部11aや後端部11bを巻装本体部11やガス導入部3を構成する基布パネル2aに固定しておくことができる。あるいは、巻装本体部11の始端部11aや後端部11bを、布テープなどを用いて巻き付けておくことによって、解けないように固定しておくこともできる。
図6、図7を用いて、糸状体10をガス供給部6に形成した環状の凹溝6b内に対して、上手に巻き付けるため、ガス導入部3を構成する基布パネル2aの部位において、凹溝6bによる窪んだ状態を強制的に露出させて、糸状体10の巻き始めを行い易くさせることができる。このための構成について、次に説明する。図6では、二点鎖線の中心線より下方側ではガス導入部3を構成する基布パネル2aの一部を破断して示し、中心線よりも上方側ではガス導入部3の側面を示している。
ガス供給部6を外装したガス導入部3に、メタルバンド16を更に外装して、メタルバンド16の内径を縮径させることにより、ガス導入部3を構成する基布パネル2aの部位に対して、凹溝6bによる窪んだ状態を強制的に露出させておくことができる。
環状な形状に形成できるメタルバンド16の構成としては、従来から公知の構成を採用することができ、環状における端部間を開放させることができる形状に構成しておくことも、無端状の形状に構成しておくこともできる。メタルバンド16としては、環状の内径を拡径及び縮径させることのできる形状であって、折り曲げ部16aを有した断面形状がL字状に形成されている。
メタルバンド16を無端状の形状に構成した場合には、メタルバンド16を拡径させたときのメタルバンド16の内径が、ガス導入部3を構成する基布パネル2aの外周径よりも大径となるように構成しておくことができる。
メタルバンド16を無端状の形状に構成した場合には、メタルバンド16を拡径させたときのメタルバンド16の内径が、ガス導入部3を構成する基布パネル2aの外周径よりも大径となるように構成しておくことができる。
図6(a)、図6(b)に示すように、メタルバンド16におけるL字状に折り曲げた折り曲げ部16aの部位によって、ガス導入部3を構成する基布パネル2aを凹溝6bの一方側に沿った形状に変形させることができる。そして、図6(c)に示すように、変形させた部位側から糸状体10の巻き始めを行うことができる。所定数巻き付けた糸状体10によって、巻装本体部11を凹溝6bが形成されていた部位に形成することができる。
このように、メタルバンド16を用いることによって、糸状体10の巻き付けを行っても、決められた凹溝6bの部分に糸状体10を巻き付けていくことができる。そして、ガス導入部3を構成する基布パネル2aに対して、弛みなく上手に糸状体10を巻き付けていくことができる。
図6(d)に示すように、メタルバンド16を巻装本体部11が形成されたガス導入部3か
ら取り外すことによって、ガス導入部3でガス供給部6を固定した状態に構成することができる。
尚、図示例では、巻装本体部11の始端部11a及び後端部11bがともに巻装本体部11によって固定されている構成の図示は、省略している。
ら取り外すことによって、ガス導入部3でガス供給部6を固定した状態に構成することができる。
尚、図示例では、巻装本体部11の始端部11a及び後端部11bがともに巻装本体部11によって固定されている構成の図示は、省略している。
メタルバンド16の配設部位を、エアバッグ2の本体側における凹溝6bの側面部に配した構成を説明したが、図7に示すように、折り曲げ部17aを有するメタルバンド17の配設部位として、メタルバンド16を配設した部位とは反対側における凹溝6bの側面部に配した構成にしておくこともできる。メタルバンド17の構成としては、凹溝6bの中心断面を鏡面対称としたメタルバンド16と同様の形状及び構成にしておくことができる。
尚、図6(d)に示すように、メタルバンド16を取り除いた状態では、巻装本体部11のエアバッグ2の本体側における端面と凹溝6bとの間にメタルバンド16の板厚分の隙間が形成されることになる。しかし、図7に示すメタルバンド17を用いた場合には、メタルバンド17を取り除いても、巻装本体部11のエアバッグ2の本体側における端面と凹溝6bとの間に板厚分の隙間は形成されない。
ところで、エアバッグ2が膨張展開した際には、ガス導入部3に対してエアバッグ2の本体側への引っ張り力が作用することになる。この影響によって、メタルバンド16を用いた場合には、上述した板厚の隙間分だけガス導入部3がエアバッグ2の本体側に移動してしまう可能性が生じる。しかし、メタルバンド17を用いた場合では、上述した板厚分の隙間が形成されていないので、エアバッグ2が膨張展開した際の引張り力によって、ガス導入部3がエアバッグ2の本体側に移動するのを確実に防止しておくことができる。
次に、図8(a)、図8(b)を用いて、糸状体10を上手に、しかも弛みなく巻き付けていくための凹溝6bの構成に代えて、ガス供給部6の外周面に形成した環状の凸条部18や間欠的に形成した環状の凸部20の構成について説明する。
図8(a)、図8(b)では、二点鎖線の中心線より上方側ではガス導入部3を構成する基布パネル2aの一部を破断して示し、中心線よりも下方側ではガス導入部3の側面を示している。
図8(a)、図8(b)では、二点鎖線の中心線より上方側ではガス導入部3を構成する基布パネル2aの一部を破断して示し、中心線よりも下方側ではガス導入部3の側面を示している。
図8(a)に示すように、ガス供給部6の外周面には、環状の凸条部18が形成されている。ガス導入部3を構成している基布パネル2aに対して、環状の凸条部18の両側に沿った部位に糸状体10を巻き付けていくことにより、環状の凸条部18の両側に沿った部位に一対の巻装本体部19a、19bを形成することができる。これによって、一対の巻装本体部19a、19bがガス供給部6の軸方向に沿って移動するのを、環状の凸条部18によって規制しておくことができる。
巻装本体部19aと巻装本体部19bとの間は、連続した糸状体10で接続した構成にしておくことも、それぞれ独立させた状態で糸状体10を個別に巻き付けた形状に構成しておくこともできる。巻装本体部19aと巻装本体部19bとの間を連続した糸状体10で接続した構成にしたときには、巻装本体部19a、19bにおける図示せぬ始端部及び後端部は、それぞれどちらかの巻装本体部19a、19b内、又は巻装本体部19a、19bとガス導入部3を構成している基布パネル2aとの間に差し込ませておくことができる。
また、巻装本体部19aと巻装本体部19bとが、それぞれ独立して巻き付けられた形状に構成されているときには、各巻装本体部における図示せぬ始端部と後端部とは、それぞれの巻装本体部19a内と巻装本体部19b内、又は巻装本体部19a、19bとガス導入部3を構成している基布パネル2aとの間に差し込ませておくことができる。
尚、始端部及び後端部を巻装本体部19a、19bに固定する構成や、巻装本体部19a、19bに固定されていない巻装本体部19a、19bの端部に対する固定構成としては、上述したホットメルト接着剤が含浸した糸状体10を用いた構成等を適宜採用することができる。
図8(b)に示すように、ガス供給部6の外周面には、間欠的な配置で環状に構成した凸部20を形成しておくことができる。そして、隣接した凸部20間に糸状体10をクロスさせながら、ガス導入部3の外周面を亀甲状に巻き付けていくことにより、巻装本体部21を形成することができる。
このように糸状体10をクロスさせた巻き付け方を行うことにより、凸部20の両側に沿って配された糸状体10が混ざり合った状態になり、混ざり合った糸状体10が相互に押え合った巻き付けの状態が得られる。しかも、クロスさせた糸状体10が隣接した凸部20間に配されることによって、ガス導入部3の周回り方向への移動と軸方向への移動とが同時に規制されることになる。
このように構成することによって、巻装本体部21は、ガス導入部3に対して周方向への移動も軸方向への移動も規制された状態でガス供給部6に固定することができる。
尚、始端部及び後端部を巻装本体部21に固定する構成や、巻装本体部21に固定されていない巻装本体部21の端部に対する固定構成としては、上述したホットメルト接着剤が含浸した糸状体10を用いた構成等を適宜採用することができる。
尚、始端部及び後端部を巻装本体部21に固定する構成や、巻装本体部21に固定されていない巻装本体部21の端部に対する固定構成としては、上述したホットメルト接着剤が含浸した糸状体10を用いた構成等を適宜採用することができる。
図9に示すように、ガス供給部6の外周面に滑り止めを形成しておくこともできる。滑り止めの構成としては、図9(a)に示すように、ガス供給部6の外周面にローレット加工を施してローレット加工面22を形成しておくことができる。また、図9(b)に示すように、ガス供給部6の外周面にサンドブラスト加工を施して、加工粗面23を形成しておくこともできる。
更には、図示を省略しているが、ガス供給部6の外周面に滑り止め用の薬剤等を塗布するなどを施しておくことも、粗面を有する布等をガス供給部6の外周面に貼り付けておくこともできる。また、図3に示したような環状の凹溝6bの内面に対して、ローレット加工やサンドブラスト加工を施しておいたり、滑り止め用の薬剤等を塗布したり、粗面を有する布等を貼り付けたりした構成にしておくこともできる。
このように、ガス供給部6の外周面を形成することによって、糸状体10を巻き付けてガス導入部3の外周面に巻装本体部19a、19b、21を形成したときは、ガス導入部3をガス供給部6に対して滑りを無くした状態で、しかも強固に固定することができる。
ディフューザーを用いた構成の場合には、ディフューザーの外周面に対して環状の凹溝や環状の凸部を形成しておくことや、滑り止めの加工処理を施しておくことができる。
ディフューザーを用いた構成の場合には、ディフューザーの外周面に対して環状の凹溝や環状の凸部を形成しておくことや、滑り止めの加工処理を施しておくことができる。
実施例1の構成では、ディフューザーを用いた構成を含めて、インフレータ5にガス供給部6を設けた構成について説明を行った。実施例2では、インフレータ5に供給パイプ24を接続した構成にして、供給パイプ24にガス導入部3を固定する構成について説明を行う。
図10では、供給パイプ24の開放側端部をガス導入部3内に挿入するとともに、供給パイプ24の外周面には、図8(a)で示したと同様の環状の凸条部25を形成している。図8(a)において巻装本体部19a、19bを形成した場合と同様の形成方法によって、供給パイプ24の外周面に形成した環状の凸条部25の両側面に沿って、一対の巻装本体部26a、26bを形成することができる。
供給パイプ24に環状の凸条部25を形成した構成を説明したが、供給パイプ24の外周面に対して、図3で示したような環状の凹溝を形成しておくことも、図8(b)に示したような周方向に沿って離間した配置構成になった複数の凸部を環状に配しておくこともできる。また、図9(a)、(b)に示すように、供給パイプ24の外周面に滑り止めを形成しておくこともできる。
本願発明の技術思想を他のエアバッグの構成においても適用することができる。
1・・・カーテンエアバッグ装置、2・・・エアバッグ、3・・・ガス導入部、5・・・インフレータ、6・・・ガス供給部、6b・・・環状の凹溝、10・・・糸状体、11・・・巻装本体部、12・・・引き抜き具、14・・・針、18・・・環状の凸条部、19a、19b・・・巻装本体部、20・・・間欠的に形成した環状の凸部、21・・・巻装本体部、22・・・ローレット加工面、23・・・加工粗面、24・・・供給パイプ、25・・・環状の凸条部、26a、26b・・・巻装本体部。
Claims (5)
- 筒状のガス供給部から噴出する膨張ガスを発生させるインフレータと、
前記インフレータで発生した膨張ガスを導入するガス導入部を有するエアバッグと、
前記ガス供給部を外装した前記ガス導入部に巻き付けられ、前記ガス導入部を前記ガス供給部に押圧保持する糸状体と、
を備えたことを特徴とするエアバッグ装置。 - 巻き付けを行った前記糸状体の少なくとも一部が、引き続いて更に巻き付けを行った前記糸状体によって押え付けられ、ほつれないように保持されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
- 隣接して巻き付けられた前記糸状体の間、又は巻き付けを行った前記糸状体と前記糸状体が巻き付けられたガス導入部との間に、引き続いて更に巻き付けを行った前記糸状体の少なくとも一部を差し込んで、差し込んだ前記糸状体が、ほつれないように保持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアバッグ装置。
- 前記糸状体は、前記ガス導入部の外表面を締め付けながら巻き付け、前記ガス導入部の長手方向に所望の寸法幅を有する巻装本体部を構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ装置。
- 前記巻装本体部の始端部と後端部とのうちで少なくとも一方が、巻き付け状態から解けないように固定されていることを特徴とする請求項4に記載のエアバッグ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012258368A JP2014104823A (ja) | 2012-11-27 | 2012-11-27 | エアバッグ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7049019B1 (ja) | 2021-09-10 | 2022-04-06 | 富士フィルター工業株式会社 | 中空筒状フィルタ、及び製造方法 |
WO2023037733A1 (ja) * | 2021-09-10 | 2023-03-16 | 富士フィルター工業株式会社 | 中空筒状フィルタ、及び製造方法 |
JP2023040987A (ja) * | 2021-09-10 | 2023-03-23 | 富士フィルター工業株式会社 | 中空筒状フィルタ、及び製造方法 |
-
2012
- 2012-11-27 JP JP2012258368A patent/JP2014104823A/ja active Pending
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