JP2014104631A - 新聞印刷用平版印刷版原版及びその製造方法、並びに平版印刷版の製版方法 - Google Patents

新聞印刷用平版印刷版原版及びその製造方法、並びに平版印刷版の製版方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 エッジ部の機上現像性が良好であり、かつ多数枚印刷してもエッジ汚れの生じにくい新聞印刷用の機上現像型平版印刷版原版、その製造方法および該平版印刷版原版を用いる製版方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に赤外線吸収染料、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合性化合物、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物、及びアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有し、印刷機のシリンダー上で印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像可能な画像記録層を有する新聞印刷用平版印刷版原版であって、
画像記録層側の端部に、ダレ量(X)が35〜150μmであり、ダレ幅(Y)が50〜300μmであるダレを有し、かつ、前記ダレを包含する、前記平版印刷版原版の端面から1cm以内の領域が、アニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有する処理液で処理されてなる新聞印刷用平版印刷版原版、その製造方法および該平版印刷版原版を用いる製版方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新聞印刷用平版印刷版原版に関する。詳しくは、レーザーによる画像露光および機上現像が可能な新聞印刷用平版印刷版原版、その製造方法、および前記平版印刷版原版を機上現像する製版方法に関する。
一般に平版印刷版は、印刷過程でインキを受容する親油性の画像部と湿し水を受容する親水性の非画像部とからなる。平版印刷は、水と油性インキが互いに反発する性質を利用して、平版印刷版の親油性の画像部をインキ受容部、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)として、平版印刷版の表面にインキの付着性の差異を生じさせ、画像部のみにインキを着肉させた後、紙等の被印刷体にインキを転写して印刷する方法である。
この平版印刷版を作製するため、従来は、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)を用い、PS版にリスフィルムなどのマスクを通した露光を行った後、アルカリ性現像液などによる現像処理を行い、画像部に対応する画像記録層を残存させ、非画像部に対応する不要な画像記録層を溶解除去して、平版印刷版を得ていた。
この分野の最近の進歩によって、現在、平版印刷版は、CTP(コンピュータ・トゥ・プレート)技術によって得られるようになっている。すなわち、レーザーやレーザーダイオードを用いて、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版原版を走査露光し、現像して平版印刷版が得られる。
上記進歩に伴って、平版印刷版原版に関わる課題は、CTP技術に対応した画像形成特性、印刷特性、物理特性などの改良へと変化してきている。また、地球環境への関心の高まりから、平版印刷版原版に関わるもう一つの課題として、現像処理などの湿式処理に伴う廃液に関する環境課題がクローズアップされている。
上記の環境課題に対して、現像あるいは製版の簡易化や無処理化が指向されている。簡易な製版方法の一つとしては、「機上現像」と呼ばれる方法が行われている。すなわち、平版印刷版原版を露光後、従来の現像は行わず、そのまま印刷機に装着して、画像記録層の不要部分の除去を通常の印刷工程の初期段階で行う方法である。
また、簡易現像の方法としては、画像記録層の不要部分の除去を、従来の高アルカリ性現像液ではなく、pHが中性に近いフィニッシャーまたはガム液によって行う「ガム現像」と呼ばれる方法も行われている。
上述のような製版作業の簡易化においては、作業のしやすさの点から明室または黄色灯下で取り扱い可能な平版印刷版原版および光源を用いるシステムが好ましいので、光源としては、波長760〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザーおよびYAGレーザー等の固体レーザーが用いられる。また、UVレーザーを用いることができる。
機上現像可能な平版印刷版原版としては、例えば特許文献1および2には、親水性支持体上に、重合性化合物を内包するマイクロカプセルを含む画像記録層(感熱層)を有する平版印刷版原版が記載されている。また、特許文献3には、支持体上に、赤外線吸収剤とラジカル重合開始剤と重合性化合物とを含有する画像記録層(感光層)を設けた平版印刷版原版が記載されている。さらに、特許文献4には、支持体上に、重合性化合物と、ポリエチレンオキシド鎖を側鎖に有するグラフトポリマーまたはポリエチレンオキシドブロックを有するブロックポリマーを含有する画像記録層を設けた機上現像可能な平版印刷版原版が記載されている。
平版印刷版を用いて印刷する場合、通常の枚葉印刷機のように印刷版のサイズよりも小さい紙への印刷においては、印刷版の端部は紙面外の位置にあるので端部が印刷品質に影響することはない。しかし、新聞印刷のような輪転機を用いてロール状の紙に連続して印刷する場合には、印刷版の端部はロール紙面内なので、端部に付着したインキは紙に転写されて線状の汚れ(エッジ汚れ)となり、印刷物の商品価値を著しく損ねることになる。
新聞印刷におけるかかる端部の汚れを防止する方法として、アルミニウム支持体の端面をアルミニウム表面に対して10度〜45度となるように切削する方法が知られている(特許文献5参照)。また、平版印刷版端部を下方に曲げて端部にインキが蓄積されないようにする方法が提案されている(特許文献6参照)。これらはいずれも、端部が平版印刷版表面より下側になるように加工することにより端部へのインキの付着を軽減すると共に、端部とブランケットとの接触を軽減し、端部に付着したインキが転写してエッジ汚れとなるのを防ごうとするものである。
さらに、端部を上記の特定形状にすることに加えて、親水性有機高分子化合物、例えばアラビアガム、大豆多糖類、リン酸類などを含有する不感脂化液で端部を処理し、インキを付きにくくすることが提案されている(特許文献7および8参照)。
特開2001−277740号公報 特開2001−277742号公報 特開2002−287334号公報 米国特許出願公開第2003/0064318号明細書 特公昭57−46754号公報 特開平10−35130号公報 特開平11−52579号公報 特開2001−75268号公報 特開2011−177983号公報
新聞印刷におけるエッジ汚れを防止する上記先行技術は、平版印刷版原版を露光し、自動現像機などで現像して得た印刷版を印刷機にかけるシステムで開発されたものである。ところが、新聞印刷で機上現像を試みると新たな課題があることが分かった。エッジ汚れ防止のため端部を先行技術のように平版印刷版表面より下側になるように加工すると端部が機上現像されず、逆にエッジ汚れが悪化した。これは、端部が平版印刷版表面より下側であるため、機上現像時、ローラー類やブランケットとの機械的接触が不十分で、画像記録層が除去しきれずに残膜が生じてしまうためである。このように、新聞印刷で機上現像を行い、さらにエッジ汚れを防止するには、新たな工夫が必要であった。
これに対し、有機溶剤及び親水性有機高分子化合物、例えばアラビアガム、セルロース類、リン酸類などを含有する液で平版印刷版原版の端部を処理し、かつ端部のダレ量が25μm以下である特定形状をもたせることにより機上現像時にもインキを付きにくくすることが提案されている(特許文献9参照)。しかし、大量印刷を行った場合に、端部のダレ量が25μm以下である場合にはエッジ汚れを防止することが不十分であることが判明した。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、エッジ部の機上現像性が良好であり、かつ多数枚印刷してもエッジ汚れの生じにくい新聞印刷用の機上現像型平版印刷版原版、その製造方法および該平版印刷版原版を用いる製版方法を提供することにある。
本発明は、下記の構成であり、これにより本発明の上記課題が解決される。
〔1〕
支持体上に赤外線吸収染料、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合性化合物、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物、及びアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有し、印刷機のシリンダー上で印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像可能な画像記録層を有する新聞印刷用平版印刷版原版であって、
画像記録層側の端部に、ダレ量(X)が35〜150μmであり、ダレ幅(Y)が50〜300μmであるダレを有し、かつ、
前記ダレを包含する、前記平版印刷版原版の端面から1cm以内の領域が、アニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有する処理液で処理されてなる新聞印刷用平版印刷版原版。
〔2〕
前記処理液が、更に水溶性樹脂を含有する上記〔1〕記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
〔3〕
前記水溶性樹脂が、多糖類である上記〔2〕に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
〔4〕
前記処理液が、更に有機溶剤を含有する上記〔2〕または〔3〕に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
〔5〕
前記処理液が、更にリン酸化合物を含有する上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
〔6〕
前記高分子化合物のポリオキシアルキレン鎖がポリオキシエチレン鎖であり、オキシエチレンの繰返し単位数が2〜50である上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
〔7〕
前記高分子化合物が星型形状の高分子化合物である上記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
〔8〕
前記新聞印刷用平版印刷版原版が、画像記録層上に保護層を有する平版印刷版原版である上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
〔9〕
支持体上に赤外線吸収染料、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合性化合物、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物、及びアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有し、印刷機のシリンダー上で印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像可能な画像記録層を有する新聞印刷用平版印刷版原版の端面から1cm以内の領域をアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有する液で処理する新聞印刷用平版印刷版原版の製造方法。
〔10〕
支持体上に赤外線吸収染料、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合性化合物、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物及びアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有し、印刷機のシリンダー上で印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像可能な画像記録層を有する新聞印刷用平版印刷版原版を赤外線レーザーで画像露光した後に、平版印刷版原版の端面から1cm以内をアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有する液による処理を行い、その後に印刷機シリンダーに取り付け、印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像する平版印刷版の製版方法。
〔11〕
前記湿し水が、含有量が前記湿し水の全量に対して0.001〜1質量%の水溶性樹脂と、(i)含有量が前記湿し水の全量に対して0.01〜1.0質量%の有機溶剤及び(ii)含有量が前記湿し水の全量に対して0.001〜0.1質量%の界面活性剤の少なくとも一方とを含有する上記〔10〕に記載の平版印刷版の製版方法。
本発明によれば、エッジ部の機上現像性が良好であり、かつ多数枚印刷してもエッジ汚れの生じにくい新聞印刷用の機上現像型平版印刷版原版、その製造方法および該平版印刷版原版を用いる製版方法を提供できる。
裁断装置により裁断された平版印刷版原版端部の断面形状の1例である。 スリッター装置の裁断部を示す断面図である。
本発明の新聞印刷用平版印刷版原版は、支持体上に赤外線吸収染料、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合性化合物、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物、及びアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有し、印刷機のシリンダー上で印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像可能な画像記録層を有する新聞印刷用平版印刷版原版であって、画像記録層側の端部に、ダレ量(X)が35〜150μmであり、ダレ幅(Y)が50〜300μmであるダレを有し、かつ、前記ダレを包含する、前記平版印刷版原版の端面から1cm以内の領域がアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有する処理液で処理されてなる新聞印刷用平版印刷版原版である。
本発明の新聞印刷用平版印刷版原版によれば、エッジ部の機上現像性が良好であり、かつ多数枚印刷してもエッジ汚れが生じにくい。その理由は、以下のように推定される。
エッジ部の機上現像性を高めることは、端部のダレ量を小さくすることでブランケットと強く接触させることで可能となるが、端部のダレ量が小さいと多数枚印刷した場合に、エッジ部に印刷インキが堆積し易くなり、エッジ汚れを引き起こす。
ダレ量を大きくすることにより、エッジ部に印刷インキが堆積し難くなりエッジ汚れが良化するが、一方でエッジ部の機上現像性が劣化する。有機溶剤および水溶性樹脂を含む液で機上現像型平版印刷版原版の端部を処理することにより、若干機上現像性を改良することができるが不十分である。
本発明者らが、詳細に検討を行った結果、ダレ量が35〜150μmの範囲であれば、予め画像記録層にアニオン界面活性剤又は非イオン性界面活性剤を含有させるとともに、アニオン界面活性剤又は非イオン性界面活性剤を含有した処理液を機上現像型平版印刷版原版の端部に塗布することにより、機上現像性が改良され、エッジ部の汚れと両立することが判明した。
このことは、界面活性剤が画像記録層に浸透し易くなり機上現像性が促進され、かつ支持体表面の親水化に同時に寄与することでエッジ汚れもさらに良化したと考えられる。
以下では、本発明の処理液、次いで平版印刷版原版について説明する。
〔処理液〕
本発明の処理液の必須成分は(1)アニオン性又は非イオン性界面活性剤である。好ましい任意成分として、水溶性樹脂、有機溶剤、可塑剤、画像記録層を膨潤するための有機溶剤、放置汚れを抑止するためのリン酸化合物などがある。その他の任意成分としては無機塩、防腐剤、消泡剤などがある。
これらの処理液は水溶液であってもよいし、油相成分と水相成分を乳化した液体であってもよい。
<界面活性剤>
本発明に使用できる界面活性剤は、アニオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤である。なお、フッ素系、シリコン系等のアニオン性、非イオン性界面活性剤(典型的には、フッ素系又はシリコン系のアニオン性又は非イオン性界面活性剤)は、本発明のアニオン性又は非イオン性界面活性剤としては好ましくない。これらの界面活性剤を使用すると処理液の塗布性が劣り好ましくない。
アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩類、およびアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
具体的には、一般式(I−A)、一般式(I−B)及び一般式(I−C)で表されるアニオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも一種のアニオン性界面活性剤をあげることができる。
(前記一般式(I−A)中、Rは、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Rは直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜20のアルキル基を表し;pは0,1又は2を表し;Yは単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し;mは1〜100の整数を表す。mが2以上の場合には、複数存在するRは互いに同じでも異なっていてもよい;Mは、Na、K、LiまたはNH を表す。
前記一般式(I−B)中、Rは、直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し;Rは直鎖または分岐鎖の炭素原子数1〜20のアルキル基を表し;qは0,1又は2を表し;Yは単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し;nは1〜100の整数を表す。nが2以上の場合には、複数存在するRは互いに同じでも異なっていてもよい;Mは、Na、K、LiまたはNHを表す。
前記一般式(I−C)中、Rは直鎖または分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基を表し;rは0、1又は2を表す。rが2の場合には、互いに同じでも異なっていってもよい。;Mは、Na、K、LiまたはNH を表す。)
本発明の好ましい実施態様において、上記一般式(I−A)及び一般式(I−B)中、R及びRの好ましい例としては、それぞれ−CH−、−CHCH−、または−CHCHCH−が挙げられ、より好ましい例としては−CHCH−が挙げられる。また、R及びRの好ましい例としては、CH、C、C、またはCが挙げられる。また、p及びqは0または1であることが好ましい。Y及びYはそれぞれ単結合であることが好ましい。また、n、及びmはそれぞれ1〜20の整数であることが好ましい。
一般式(I−A)、または一般式(I−B)で表される化合物の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
一般式(I−C)で表される化合物の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
また、非イオン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどが挙げられる。その中でもポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体類等が好ましく用いられる。
本発明に係る現像液に使用されるその他の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等の非ニオン界面活性剤が好ましく挙げられる。
非イオン界面活性剤としては好ましくは、下記一般式(II−A)で表される界面活性剤、及び一般式(II−B)で表される界面活性剤が挙げられる。
(前記一般式(II−A)中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜100のアルキル基を表し、n及びmはそれぞれ0〜100の整数を表し、n及びmの双方が0であることはない。
前記一般式(II−B)中、Rは、水素原子または炭素原子数1〜100のアルキル基を表し、n及びmはそれぞれ0〜100の整数を表し、n及びmの双方が0であることはない。)
一般式(II−A)で表される化合物としては、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。一般式(II−B)で表される化合物としては、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルナフチルエーテル、ホリオキシエチレンノニルナフチルエーテル等が挙げられる。
前記一般式(II−A)および一般式(II−B)で表される化合物において、ポリオキシエチレン鎖の繰り返し単位数(n)は、好ましくは3〜50、より好ましくは5〜30である。ポリオキシプロピレン鎖の繰り返し単位数(m)は、好ましくは0〜10、より好ましくは0〜5である。ポリオキシエチレン部とポリオキシプロピレン部はランダムでもブロックの共重合体でもよい。
前記一般式(II−A)および一般式(II−B)で表される非イオン芳香族エーテル系界面活性剤は、単独または2種類以上を組み合わせて使用される。
下記に一般式(II−A)および一般式(II−B)で表される化合物の具体例を示す。なお、下記例示化合物「Y−5」におけるオキシエチレン繰り返し単位及びオキシプロピレン繰り返し単位は、ランダム結合、ブロック連結のいずれの態様をもとりうる。
上記界面活性剤のうち、機上現像の促進効果が高いアニオン性界面活性剤が特に好ましく使用されるが、これら界面活性剤は2種以上併用することもできる。例えば、互いに異なる2種以上のアニオン界面活性剤の併用やアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の併用が好ましい。
上記の界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、好ましくは処理液の全質量に基づいて0.01〜20質量%であり、機上現像性が促進される。
そのほか、カチオン性界面活性剤や両性界面活性剤の従来公知のものを併用することができる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類、ポリオキシアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などが挙げられる。本発明に用いられる両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などが挙げられる。
<水溶性樹脂>
本発明の処理液は、更に水溶性樹脂を含有することが好ましい。水溶性樹脂としては、多糖類として分類される水溶性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびその共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体等をあげることができる。
多糖類としては、澱粉誘導体(例えばデキストリン、酵素分解デキストリン、ヒドロキシプロピル化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、ポリオキシアルキレングラフト化澱粉、サイクロデキストリン)、セルロース類(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルプロピルセルロース等)、その他、カラギーナン、アルギン酸、グァーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム、大豆多糖類などを挙げることができる。
なかでもデキストリン、ポリオキシアルキレングラフト化澱粉といった澱粉誘導体、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、大豆多糖類などが好ましく用いられる。
これらの水溶性樹脂は2種以上組み合わせても使用でき、処理液の全質量に基づいて好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%の範囲で含有させることができる。この範囲内で、処理液が高粘性のため塗布しにくくなることなく、良好な親水化保護膜が得られる。
<有機溶剤>
また、本発明の処理液は、更に有機溶剤を含有することが好ましい。
本発明で用いられる有機溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤、および炭化水素系溶剤を挙げることができる。なかでもアルコール系溶剤および炭化水素系溶剤が好ましい。
アルコール系溶剤としては、1価のアルコールであっても、多価アルコールであってもよい。1価のアルコールとしては、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−ドデカノール、トリメチルノニルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテルなどを挙げることができる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどを挙げることができる。
これらの中で特に好ましいのはベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フルフリルアルコール、グリセリンである。
炭化水素系溶剤としては、石油留分の芳香族、脂肪族化合物(ミネラルスピリット)、スクワラン等が挙げられる。
有機溶剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。有機溶剤の使用量は処理液の全質量に基づいて、0.5〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。この範囲内で、処理液塗布部分がべたつくことなく、良好な画像記録層への浸透性に優れる。
<可塑剤>
本発明の処理剤には可塑剤を含有させることができる。可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸ジエステル類、例えばジオクチルアジペート、ブチルグリコールアジペート、ジオクチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルセバケートなどの脂肪族二塩基酸エステル類、例えばエポキシ化大豆油などのエポキシ化トリグリセリド類、例えばトリクレジルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリスクロルエチルフォスフェートなどの燐酸エステル類、例えば安息香酸ベンジルなどの安息香酸エステル類などの凝固点が15℃以下の可塑剤が含まれる。
可塑剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。可塑剤の使用量は処理液の全質量に基づいて、0.5〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。
<リン酸化合物>
本発明の処理剤にはリン酸化合物を含有させることができる。リン酸化合物としては、リン酸、メタリン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが挙げられる。なかでも、リン酸/リン酸アンモニウム、メタリン酸/リン酸アンモニウムといった酸と塩の組み合わせが好ましく使用できる。
本発明に使用する処理液におけるリン酸化合物の含有量は、処理液の全質量に基づいて、0.5〜3.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜2.5質量%である。この範囲内で放置汚れと塗布後の結晶析出抑制により優れる。
<その他の任意成分>
本発明に用いる平版印刷版原版の端部を処理する処理液は、上記成分の他に、硝酸塩、硫酸塩などの無機塩、防腐剤、消泡剤等を含有できる。無機塩としては、例えば硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケル等が挙げられる。
防腐剤としては、フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール等が挙げられる。
消泡剤としては一般的なシリコン系の自己乳化タイプ、乳化タイプ、界面活性剤ノニオン系のHLB5以下等の化合物を使用することができる。
<乳化タイプの製造方法>
乳化タイプとして調製する場合、常法に従って調製することができる。例えば、本発明で使用する処理液を製造する際の乳化分散は、水相を温度40℃±5℃に調製し、高速攪拌し、水相の中に調製した油相をゆっくり滴下し充分攪拌後、圧力式のホモジナイザーを通して乳化液を作製する。処理液は、先ず濃縮した形態で調製し、使用時に適宜希釈する場合もある。
〔機上現像型平版印刷版原版〕
本発明に用いる平版印刷版原版は、支持体、画像記録層、必要により支持体と画像記録層との間に存在する下塗り層、画像記録層上に存在する保護層を有する。
(画像記録層)
本発明の画像記録層は、赤外線吸収染料、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合性化合物、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物、及びアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有し、印刷機のシリンダー上で印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像可能な画像記録層である。
以下、画像記録層の構成成分について説明する。
<ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物>
ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物(以下では、特定高分子化合物とも称する。)を含有することにより、処理液の浸透性が促進され、機上現像性が向上する。
特定高分子化合物としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられるが、特にアクリル樹脂が好ましい。
特定高分子化合物は、パーフルオロアルキル基を実質的に含まないものである。「パーフルオロアルキル基を実質的に含まない」とは、高分子化合物中のパーフルオロアルキル基として存在するフッ素原子の質量比が0.5質量%より少ないものであり、含まないものが好ましい。フッ素原子の質量比は元素分析法により測定される。
また、「パーフルオロアルキル基」とは、アルキル基の全ての水素原子がフッ素原子で置換されたものである。
ポリオキシアルキレン鎖におけるアルキレンオキサイド(オキシアルキレン)としては炭素原子数が2〜6のアルキレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイド(オキシエチレン)又はプロピレンオキサイド(オキシプロピレン)がより好ましく、エチレンオキサイドが更に好ましい。
ポリオキシアルキレン鎖、すなわち、ポリ(アルキレンオキサイド)部位におけるアルキレンオキサイドの繰返し数は2〜50が好ましく、4〜25の範囲がより好ましい。
アルキレンオキサイドの繰り返し数が2以上であれば処理液の浸透性が十分向上し、また、繰り返し数が50以下であれば摩耗による耐刷性が低下することがなく、好ましい。
ポリ(アルキレンオキサイド)部位は、高分子化合物の側鎖として、下記一般式(1)で表される構造で含有されることが好ましい。より好ましくは、アクリル樹脂の側鎖として、下記一般式(1)で表される構造で含有される。
一般式(1)中、yは2〜50が好ましく、4〜25の範囲がより好ましい。Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rは水素原子又は有機基を表す。有機基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1, 1-ジメチルブチル基、2, 2−ジメチルブチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が挙げられる。
上記の中でも、Rは水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
は水素原子又はメチル基が最も好ましい。
上記特定高分子化合物は、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していてもよい。上記高分子化合物に架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合などの架橋性官能基を高分子の主鎖中又は側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物の例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレンなどが挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物の例としては、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル若しくはアミドの高分子化合物であって、エステル又はアミドの残基(−COOR又はCONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物を挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CH2 n CR1 =CR2 3 、−(CH2 O)n CH2 CR1 =CR2 3 、−(CH2 CH2 O)n CH2 CR1 =CR2 3 、−(CH2 n NH−CO−O−CH2 CR1 =CR2 3 、−(CH2 n −O−CO−CR1 =CR2 3 及び(CH2 CH2 O)2 −X(式中、R1 〜R3 はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基若しくはアリールオキシ基を表し、R1 とR2 又はR3 とは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 (特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CH2 CH2 O−CH2 CH=CH2 、−CH2 C(CH3 )=CH2 、−CH2 CH=CH−C6 5 、−CH2 CH2 OCOCH=CH−C6 5、−CH2 CH2 −NHCOO−CH2 CH=CH2 及びCH2 CH2 O−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 、−CH2 CH2 −Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2 CH2 −OCO−CH=CH2 が挙げられる。
架橋性を有する特定高分子化合物は、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカル又は重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、高分子化合物間で直接に又は重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、高分子化合物分子間に架橋が形成されて硬化する。又は、高分子化合物中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれて高分子化合物ラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、高分子化合物分子間に架橋が形成されて硬化する。
特定高分子化合物中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、高分子化合物1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と良好な保存安定性が得られる。
本発明の特定高分子化合物は、画像強度などの諸性能を向上させる目的で、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に、共重合成分を含んでいてもよい。好ましい共重合成分の構造としては、下記一般式(2)で表されるものを挙げることができる。
一般式(2)において、R21は水素原子又はメチル基を表す。R22は置換基を表す。
22の好ましい例としては、エステル基、アミド基、シアノ基、ヒドロキシ基、又はアリール基が挙げられる。なかでも、エステル基、アミド基、又は置換基を有してよいフェニル基が好ましい。フェニル基の置換基としては、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アセトキシメチル基などが挙げられる。
一般式(2)で表される共重合成分としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、N−置換アクリルアミド類、N−置換メタクリルアミド類、N,N−2置換アクリルアミド類、N,N−2置換メタクリルアミド類、スチレン類、アクリロニトリル類、メタクリロニトリル類などが挙げられる。好ましくは、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、N−置換アクリルアミド類、N−置換メタクリルアミド類、N,N−2置換アクリルアミド類、N,N−2置換メタクリルアミド類、スチレン類、などが挙げられる。
具体的には、例えば、アルキルアクリレート(該アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましい)等のアクリル酸エステル類、(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレートなど)、アリールアクリレート(例えば、フェニルアクリレートなど)、アルキルメタクリレート(該アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましい)等のメタクリル酸エステル類(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレートなど)、スチレン、アルキルスチレン等のスチレン類(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、クロルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、カルボン酸を含有するラジカル重合性化合物(アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの酸基の塩等)が挙げられる。アクリロニトリルが耐刷性の観点より好ましい。
該特定高分子化合物を構成する全繰り返し単位に対する、該ポリ(アルキレンオキサイド)部位を有する繰り返し単位の比率は、特に限定されないが、0.5〜80モル%が好ましく、より好ましくは0.5〜50モル%である。
以下に本発明に用いられる特定高分子化合物の具体例A−1〜A−19を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお繰り返し単位の比はモル比である。
なお、本発明における特定高分子化合物は質量平均モル質量(Mw)が2000以上であることが好ましく、5000以上であるのがより好ましく、1万〜30万であるのが更に好ましい。
本発明では必要に応じて、特開2008−195018号公報に記載のポリアクリル酸、ポリビニルアルコールなどの親水性高分子化合物を併用することができる。また、親油的な高分子化合物と親水的な高分子化合物を併用することもできる。
本発明の特定高分子化合物の形態は、画像記録層中で、各素材のつなぎの機能を果たすバインダーとして存在してもよいし、微粒子の形状で存在してもよい。微粒子形状で存在する場合には、平均粒径は10〜1000nmの範囲であり、好ましくは20〜300nmの範囲であり、特に好ましくは30〜120nmの範囲である。
本発明の特定高分子化合物の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、10〜80質量%が好ましく、より好ましくは15〜70質量%である。10〜80質量%の範囲で、処理液浸透性と画像形成性を確実に両立させることができ、好ましい。
<赤外線吸収染料>
赤外線吸収染料は、吸収した赤外線を熱に変換する機能と赤外線により励起して後述のラジカル重合開始剤に電子移動及び/又はエネルギー移動する機能を有する。本発明において使用される赤外線吸収染料は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料である。
染料としては、市販の染料及び例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。更に、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい例として下記一般式(a)で示されるシアニン色素が挙げられる。
一般式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−N(R9)(R10)、−X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、R9及びR10は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数1〜8のアルキル基、水素原子を表し、またR9とR10とが互いに結合して環を形成してもよい。なかでもフェニル基が好ましい(-NPh2)。X2は酸素原子又は硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロアリール基、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。以下に示す基において、Xa-は後述するZa-と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。画像記録層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましい。またR1とR2は互いに連結し環を形成してもよく、環を形成する際は5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアリール基を示す。好ましいアリール基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za-は、対アニオンを示す。ただし、一般式(a)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa-は必要ない。好ましいZa-は、画像記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
好適に用いることのできる一般式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号[0017]〜[0019]に記載の化合物、特開2002−023360号公報の段落番号[0016]〜[0021]、特開2002−040638号公報の段落番号[0012]〜[0037]に記載の化合物、好ましくは特開2002−278057号公報の段落番号[0034]〜[0041]、特開2008−195018号公報の段落番号[0080]〜[0086]に記載の化合物、最も好ましくは特開2007−90850号公報の段落番号[0035]〜[0043]に記載の化合物が挙げられる。
また特開平5−5005号公報の段落番号[0008]〜[0009]、特開2001−222101号公報の段落番号[0022]〜[0025]に記載の化合物も好ましく使用することが出来る。
また、これらの赤外線吸収染料は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、赤外線吸収染料以外の赤外線吸収顔料を併用してもよい。顔料としては、特開2008−195018号公報[0072]〜[0076]に記載の化合物が好ましい。
本発明における画像記録層中の赤外線吸収染料の含有量は、画像記録層の全固形分の0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。
<ラジカル重合開始剤>
本発明に用いられるラジカル重合開始剤としては、ラジカル重合性化合物の重合を開始、促進する化合物を示す。本発明において使用しうるラジカル重合開始剤としては、公知の熱重合開始剤、結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを使用することができる。
本発明におけるラジカル重合開始剤としては、例えば、(a)有機ハロゲン化物、(b)カルボニル化合物、(c)アゾ化合物、(d)有機過酸化物、(e)メタロセン化合物、(f)アジド化合物、(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(h)有機ホウ酸塩化合物、(i)ジスルホン化合物、(j)オキシムエステル化合物、(k)オニウム塩化合物、が挙げられる。
(a)有機ハロゲン化物としては、特開2008−195018号公報の段落番号[0022]〜[0023]に記載の化合物が好ましい。
(b)カルボニル化合物としては、特開2008−195018号公報の段落番号[0024]に記載の化合物が好ましい。
(c)アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を使用することができる。
(d)有機過酸化物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落番号[0025]に記載の化合物が好ましい。
(e)メタロセン化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落番号[0026]に記載の化合物が好ましい。
(f)アジド化合物としては、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン等の化合物を挙げることができる。
(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落番号[0027]に記載の化合物が好ましい。
(h)有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落番号[0028]に記載の化合物が好ましい。
(i)ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号に記載の化合物が挙げられる。
(j)オキシムエステル化合物としては、例えば、特開2008−195018号公報の段落番号[0028]〜[0030]に記載の化合物が好ましい。
(k)オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)、特開平5-158230号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許出願公開第2008/0311520号の各明細書、特開平2−150848号、特開2008−195018号の各公報、又はJ.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)に記載のヨードニウム塩、欧州特許第370,693号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩、特開2008−195018号公報に記載のアジニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
上記の中でもより好ましいものとして、オニウム塩、なかでもヨードニウム塩、スルホニウム塩及びアジニウム塩が挙げられる。以下に、これらの化合物の具体例を示すが、これに限定されない。
ヨードニウム塩の例としては、ジフェニルヨードニウム塩が好ましく、特に電子供与性基、例えばアルキル基又はアルコキシル基で置換されたジフェニルヨードニウム塩が好ましく、更に好ましくは非対称のジフェニルヨードニウム塩が好ましい。具体例としては、ジフェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−メトキシフェニル−4−(2−メチルプロピル)フェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−(2−メチルプロピル)フェニル−p−トリルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−ヘキシルオキシフェニル−2,4,6−トリメトキシフェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−ヘキシルオキシフェニル−2,4−ジエトキシフェニルヨードニウム=テトラフルオロボラート、4−オクチルオキシフェニル−2,4,6−トリメトキシフェニルヨードニウム=1−ペルフルオロブタンスルホナート、4−オクチルオキシフェニル−2,4,6−トリメトキシフェニルヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム=テトラフェニルボラートが挙げられる。
スルホニウム塩の例としては、トリフェニルスルホニウム=ヘキサフルオロホスファート、トリフェニルスルホニウム=ベンゾイルホルマート、ビス(4−クロロフェニル)フェニルスルホニウム=ベンゾイルホルマート、ビス(4−クロロフェニル)−4−メチルフェニルスルホニウム=テトラフルオロボラート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウム=3,5−ビス(メトキシカルボニル)ベンゼンスルホナート、トリス(4−クロロフェニル)スルホニウム=ヘキサフルオロホスファートが挙げられる。
アジニウム塩の例としては、1−シクロヘキシルメチルオキシピリジニウム=ヘキサフルオロホスファート、1−シクロヘキシルオキシ−4−フェニルピリジニウム=ヘキサフルオロホスファート、1−エトキシ−4−フェニルピリジニウム=ヘキサフルオロホスファート、1−(2−エチルヘキシルオキシ)−4−フェニルピリジニウム=ヘキサフルオロホスファート、4−クロロ−1−シクロヘキシルメチルオキシピリジニウム=ヘキサフルオロホスファート、1−エトキシ−4−シアノピリジニウム=ヘキサフルオロホスファート、3,4−ジクロロ−1−(2−エチルヘキシルオキシ)ピリジニウム=ヘキサフルオロホスファート、1−ベンジルオキシ−4−フェニルピリジニウム=ヘキサフルオロホスファート、1−フェネチルオキシ−4−フェニルピリジニウム=ヘキサフルオロホスファート、1−(2−エチルヘキシルオキシ)−4−フェニルピリジニウム=p−トルエンスルホナート、1−(2−エチルヘキシルオキシ)−4−フェニルピリジニウム=ペルフルオロブタンスルホナート、1−(2−エチルヘキシルオキシ)−4−フェニルピリジニウム=ブロミド、1−(2−エチルヘキシルオキシ)−4−フェニルピリジニウム=テトラフルオロボラートが挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、画像記録層の全固形分に対し0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは0.8〜20質量%の割合で添加することができる。この範囲でより良好な感度と印刷時の非画像部のより良好な汚れ難さが得られる。
<ラジカル重合性化合物>
本発明に用いられるラジカル重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物などの化学的形態をもつ。
モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシ基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。これらは、特表2006−508380号公報、特開2002−287344号公報、特開2008−256850号公報、特開2001−342222号公報、特開平9−179296号公報、特開平9−179297号公報、特開平9−179298号公報、特開2004−294935号公報、特開2006−243493号公報、特開2002−275129号公報、特開2003−64130号公報、特開2003−280187号公報、特開平10−333321号公報、を含む参照文献に記載されている。
多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド(EO)変性トリアクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
また、イソシアネートとヒドロキシ基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(b)で示されるヒドロキシ基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (b)
(ただし、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報、特開2003−344997号公報、特開2006−65210号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報、特開2000−250211号公報、特開2007−94138号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類や、US7153632号公報、特表平8−505958号公報、特開2007−293221号公報、特開2007−293223号公報記載の親水基を有するウレタン化合物類も好適である。
上記の中でも、機上現像性に関与する親水性と耐刷性に関与する重合能のバランスに優れる点から、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビス(アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどのイソシアヌル酸エチレンオキシド変性アクリレート類が特に好ましい。
これらのラジカル重合性化合物の構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。上記の重合性化合物は、画像記録層の全固形分に対して、好ましくは5〜75質量%、更に好ましくは10〜70質量%、特に好ましくは15〜60質量%の範囲で使用される。
<アニオン性又は非イオン性界面活性剤>
本発明の画像記録層に含有することができる界面活性剤は、アニオン界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の少なくとも一方である。
アニオン界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤の内容は前記処理液に使用できるものと同じである。
上記界面活性剤のうち、処理液中に含有される界面活性剤と同じ種類の界面活性剤を使用することが好ましく、同じ構造の化合物を使用することがより好ましい。すなわち、処理液でアニオン性界面活性剤が使用される場合には、画像記録層中にアニオン性界面活性剤を含有させることが好ましく、また処理液でノニオン性界面活性剤が使用される場合には、画像記録層中にノニオン性界面活性剤を含有させることが好ましい。
機上現像の促進効果が高いアニオン性界面活性剤が特に好ましく使用されるが、これら界面活性剤は2種以上併用することもできる。例えば、互いに異なる2種以上のアニオン界面活性剤の併用やアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の併用が好ましい。
<星型形状の高分子化合物(星型高分子化合物)>
また、画像記録層は、6官能以上10官能以下の多官能チオールを核として、この核に対しスルフィド結合により結合したポリマー鎖を有し、該ポリマー鎖が重合性基を有する高分子化合物(本明細書において、星型形状の高分子化合物、又は、星型高分子化合物とも言う)を含有することができる。
上記星型高分子化合物において、核として用いられる、6官能以上10官能以下の多官能チオールは、1分子内に6個以上10個以下のチオール基を有する化合物であれば何れも好適に使用することができる。かかる多官能チオール化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
(化合物A)
ハロゲン化物、アルコールのスルホン酸エステル等の求電子剤にチオ尿素、チオシアン酸カリ、チオ酢酸等の硫黄化剤を反応させた後種々の処理を行う方法により得られる化合物。
化合物Aの具体例としては、以下の化合物が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
(化合物B)
アルコールと、チオール基を有するカルボン酸との脱水縮合反応により得られる化合物。
中でも、3官能以上10官能以下の多官能アルコールと、チオール基を1つ有するカルボン酸との縮合反応により得られる化合物が好ましい。多官能アルコールと、保護されたチオール基を有するカルボン酸とを脱水縮合した後、脱保護する方法も使用することができる。
多官能アルコールの具体例としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、デュルシトール、イノシトールが挙げられ、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトールが好ましく、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールが特に好ましい。
チオール基を有するカルボン酸の具体例としては、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、チオサリチル酸が挙げられ、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシンが好ましく、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシンがより好ましく、3−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシンが特に好ましい。
化合物Bの具体例としては、以下の表1の化合物が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
具体例の中で好ましいのは、SB−1〜SB−23、SB−25〜SB−29、SB−31〜SB−35、SB−37〜SB−41であり、より好ましいのはSB−2〜SB−5、SB−8〜SB−11、SB−14〜SB−17であり、特に好ましいのはSB−2、SB−4、SB−5、SB−8、SB−10、SB−11である。これらの化合物により合成される多官能チオールは、チオール基間の距離が長く立体障害が小さいため、所望の星形構造を形成することができる。
(化合物C)
アミンと、チオール基を有するカルボン酸との脱水縮合反応により得られる化合物。
中でも、6官能以上10官能以下の多官能アミンと、チオール基を1つ有するカルボン酸との縮合反応により得られる化合物が好ましい。多官能アミンと、保護されたチオール基を有するカルボン酸とを脱水縮合した後、脱保護する方法も使用することができる。
多官能アミンの具体例としてはペンタエチレンヘキサミンが挙げられる。チオール基を有するカルボン酸の具体例としては、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、チオサリチル酸が挙げられ、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシンが好ましく、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシンがより好ましく、3−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシンが特に好ましい。
化合物Cの具体例としては、以下の表2の化合物が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
具体例の中で好ましいのは、SC−1〜SC−5であり、より好ましいのはSC−2〜SC−5であり、特に好ましいのはSC−2、SC−4、SC−5である。これらの化合物により合成される多官能チオールは、チオール基間の距離が長く立体障害が小さいため、所望の星形構造を形成することができる。
(化合物D)
アルコールとアミンを有する化合物と、チオール基を有するカルボン酸との脱水縮合反応により得られる化合物。
中でも、6官能以上10官能以下の多官能アルコールアミンと、チオール基を1つ有するカルボン酸との縮合反応により得られる化合物が好ましい。多官能アルコールアミンと、保護されたチオール基を有するカルボン酸とを脱水縮合した後、脱保護する方法も使用することができる。
多官能アルコールアミンの具体例としては、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン、1−アミノ−1−デオキシ−D−ソルビトール、N−メチル−D−グルカミンが挙げられ、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン、1−アミノ−1−デオキシ−D−ソルビトールが好ましく、1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパンが特に好ましい。チオール基を有するカルボン酸の具体例としては、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、チオサリチル酸が挙げられ、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシンが好ましく、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシンがより好ましく、3−メルカプトプロピオン酸、N−アセチルシステイン、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシンが特に好ましい。
化合物Dの具体例としては、以下の表3の化合物が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
具体例の中で好ましいのは、SD−1〜SD−17であり、より好ましいのはSD−2〜SD−5、SD−8〜SD−11であり、特に好ましいのは、SD−2、SD−4、SD−5である。これらの化合物により合成される多官能チオールは、チオール基間の距離が長く立体障害が小さいため、所望の星形構造を形成することができる。
(化合物E)
カルボン酸と、チオール基を有するアルコールとの脱水縮合反応により得られる化合物。
中でも、3官能以上10官能以下の多官能カルボン酸と、チオール基を1つ以上有するアルコールとの縮合反応により得られる化合物が好ましい。多官能カルボン酸と、保護されたチオール基を有するアルコールとを脱水縮合した後、脱保護する方法も使用することができる。
多官能カルボン酸の具体例としては、アコニチン酸、クエン酸、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、2,2’,2”,2’”−[1,2−エタンジイリデンテトラキス(チオ)]テトラキス酢酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサカルボン酸が挙げられ、クエン酸、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサカルボン酸が好ましく、クエン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサカルボン酸が特に好ましい。チオール基を有するアルコールの具体例としては、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−1−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールが挙げられ、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールが好ましく、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1−プロパノールがより好ましく、3−メルカプト−1−プロパノールが特に好ましい。
化合物Eの具体例としては、以下の表4の化合物が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
具体例の中で好ましいのは、SE−2、SE−3、SE−5、SE−6〜SE−10であり、より好ましいのは、SE−7、SE−9であり、特に好ましいのはSE−9である。これらの化合物により合成される多官能チオールは、チオール基間の距離が長く立体障害が小さいため、所望の星形構造を形成することができる。
(化合物F)
カルボン酸と、チオール基を有するアミンとの脱水縮合反応により得られる化合物。
中でも、3官能以上10官能以下の多官能カルボン酸と、チオール基を1つ以上有するアミンとの縮合反応により得られる化合物が好ましい。多官能カルボン酸と、保護されたチオール基を有するアミンとを脱水縮合した後、脱保護する方法も使用することができる。
具体例としては、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサカルボン酸と2−アミノエタンチオールの縮合反応物(SF−1)が挙げられる。
例えば、多官能アルコール、多官能アミン、多官能アルコールアミン又は多官能カルボン酸から同じ官能基数のチオール基を有する化合物B〜Fを得るためには、多官能アルコール、多官能アミン、多官能アルコールアミン又は多官能カルボン酸の反応に関与するヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基の当量αに対して、チオール基とカルボキシル基を1つずつ有するカルボン酸、チオール基とヒドロキシル基を1つずつ有するアルコール又はチオール基とアミノ基を1つずつ有するアミンの上記反応に関与するカルボキシル基、ヒドロキシル基又はアミノ基の当量βがα同じかそれ以上になるように仕込み、反応させることが好ましい。
例えば、上記化合物SB−1は、ジペンタエリスリトール(ヒドロキシル基の当量は6当量)1モルに対して、メルカプト酢酸6モル以上、好ましくは7モル以上(カルボキシル基の当量としては6当量以上好ましくは7当量以上)を仕込み反応させることにより得ることができる。
これらの多官能チオールの中でも、耐刷性と現像性の観点で化合物A〜化合物Eが好ましく、化合物A、化合物B、化合物D、化合物Eがより好ましく、化合物A、化合物B、化合物Dが特に好ましい。
本発明に用いられる星型高分子化合物は、上記のような多官能チオールを核として、この核に対しスルフィド結合により結合したポリマー鎖を有し、該ポリマー鎖が重合性基を有する高分子化合物である。本発明の星型高分子化合物におけるポリマー鎖としては、ビニル系モノマー、(メタ)アクリル酸系モノマー、スチレン系モノマーから、それぞれラジカル重合により製造可能な公知のビニル系ポリマー、(メタ)アクリル酸系ポリマー、スチレン系ポリマーが挙げられ、(メタ)アクリル酸系ポリマーが特に好ましい。
本発明に用いられる星型高分子化合物は、特開2008−195018号公報に記載のような画像部の皮膜強度を向上するためのエチレン性不飽和結合等の重合性基を、主鎖又は側鎖、好ましくは側鎖に有しているものが挙げられる。重合性基によってポリマー分子間に架橋が形成され、硬化が促進する。
重合性基としては、(メタ)アクリル基、ビニル基、アリル基、スチリル基などのエチレン性不飽和基やエポキシ基等が好ましく、(メタ)アクリル基、ビニル基、スチリル基が重合反応性の観点でより好ましく、(メタ)アクリル基が特に好ましい。これらの基は高分子反応や共重合によってポリマーに導入することができる。例えば、カルボキシ基を側鎖に有するポリマーとグリシジルメタクリレートとの反応、あるいはエポキシ基を有するポリマーとメタクリル酸などのエチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応を利用できる。これらの基は併用してもよい。
星型高分子化合物中の架橋性基の含有量は、星型高分子化合物1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは0.25〜7.0mmol、最も好ましくは0.5〜5.5mmolである。
また、本発明の星型高分子化合物は、更に親水性基を有することが好ましい。親水性基は画像記録層に機上現像性を付与するのに寄与する。特に、重合性基と親水性基を共存させることにより、耐刷性と現像性の両立が可能になる。
親水性基としては、−SO、−OH、−CONR(Mは水素、金属イオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、を表し、R、Rは各々独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基を表す。RとRは結合して環を形成してもよい。)、−N345(R〜Rは、各々独立して炭素数1〜8のアルキル基を表し、Xはカウンターアニオンを表す)、下記一般式(1)で表される基及び一般式(2)で表される基が挙げられる。
上式中、n及びmは、それぞれ独立に、1〜100の整数を表し、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。
ここで、星型高分子化合物が、ポリオキシアルキレン鎖(例えば、上記一般式(1)又は(2)で表される基)を側差に有している星型高分子化合物である場合、このような星型高分子化合物は、本発明における特定高分子化合物でもある。
これら親水性基の中でも、−CONR、一般式(1)で表される基及び一般式(2)で表される基が好ましく、−CONR及び一般式(1)で表される基がより好ましく、一般式(1)で表される基が特に好ましい。更に一般式(1)で表される基の中でも、nは1〜10がより好ましく、1〜4が特に好ましい。また、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。これら親水性基は2種以上を併用してもよい。
また、本発明の星型高分子化合物は、カルボン酸基、リン酸基、ホスホン酸基を実質的に持たないことが好ましい。具体的には0.1mmol/gより少ないことが好ましく、0.05mmol/gより少ないことがより好ましく、0.03mmol/g以下であることが特に好ましい。これらの酸基が0.1mmol/gより少ないと現像性がより向上する。
また、本発明の星型高分子化合物には、着肉性を制御するため、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などの親油性の基を導入できる。具体的には、メタクリル酸アルキルエステなどの親油性基含有モノマーを共重合すればよい。
以下に本発明の星型高分子化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。


本発明の星型高分子化合物は、前記の多官能チオール化合物の存在下で、ポリマー鎖を構成する前記モノマーをラジカル重合するなど、公知の方法によって合成可能である。
本発明の星型高分子化合物の質量平均モル質量(Mw)は、5000以上50万以下が好ましく、1万以上25万以下がより好ましく、2万以上15万以下が特に好ましい。この範囲において、現像性と耐刷性がより良好になる。
本発明の星型高分子化合物は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。また、通常の直鎖型バインダーと併用してもよい。
本発明の星型高分子化合物の画像記録層中の含有率は、画像記録層の全固形分に対し、5質量%以上95質量%以下が好ましく、10質量%以上90質量%以下がより好ましく、15質量%以上85質量%以下が特に好ましい。
特に、処理液の浸透性が促進され、機上現像性が向上することから、特開2012−148555号公報に記載の星型高分子化合物が好ましい。
<低分子親水性化合物>
本発明における画像記録層は、耐刷性を低下させることなく機上現像性を向上させるために、低分子親水性化合物を含有してもよい。
低分子親水性化合物としては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のポリオール類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩、ベタイン類、等が挙げられる。
本発明においてはこれらの中でも、ベタイン類の群から選ばれる少なくとも一つを含有させることが好ましい。
ベタイン類としては、窒素原子への炭化水素置換基の炭素原子数が1〜5である化合物が好ましく、具体例としては、トリメチルアンモニウムアセタート、ジメチルプロピルアンモニウムアセタート、3−ヒドロキシ−4−トリメチルアンモニオブチラート、4−(1−ピリジニオ)ブチラート、1−ヒドロキシエチル−1−イミダゾリオアセタート、トリメチルアンモニウムメタンスルホナート、ジメチルプロピルアンモニウムメタンスルホナート、3−トリメチルアンモニオ−1−プロパンスルホナート、3−(1−ピリジニオ)−1−プロパンスルホナートなどが挙げられる。
上記の低分子親水性化合物は、疎水性部分の構造が小さくて界面活性作用がほとんどないため、湿し水が画像記録層露光部(画像部)へ浸透して画像部の疎水性や皮膜強度を低下させることがなく、画像記録層のインキ受容性や耐刷性を良好に維持できる。
これら低分子親水性化合物の画像記録層への添加量は、画像記録層全固形分量の0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは1質量%以上15質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以上10質量%以下である。この範囲で良好な機上現像性と耐刷性が得られる。
これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
有機微粒子
本発明においては、機上現像性を向上させるため、画像記録層に有機微粒子を含有することができる。本発明における有機微粒子は、疎水性熱可塑性ポリマー微粒子、熱反応性ポリマー微粒子、重合性基を有するポリマー微粒子、疎水性化合物を内包しているマイクロカプセル、及びミクロゲル(架橋ポリマー微粒子)から選ばれる少なくともひとつであることが好ましい。なかでも、重合性基を有するポリマー微粒子及びミクロゲルが好ましい。本発明における有機微粒子は、上記本発明の高分子化合物の離散粒子であってもよく、特に好ましい実施形態では、この有機微粒子は少なくとも1つのエチレン性不飽和重合性基を含む。このような有機微粒子の存在により、露光部の耐刷性及び未露光部の機上現像性を高める効果が得られる。
疎水性熱可塑性ポリマー微粒子としては、1992年1月のResearch Disclosure No.333003、特開平9−123387号公報、同9−131850号公報、同9−171249号公報、同9−171250号公報及び欧州特許第931647号明細書などに記載の疎水性熱可塑性ポリマー微粒子を好適なものとして挙げることができる。
このようなポリマー微粒子を構成するポリマーの具体例としては、エチレン、スチレン、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルカルバゾール、ポリアルキレン構造を有するアクリレート又はメタクリレートなどのモノマーのホモポリマー若しくはコポリマー又はそれらの混合物を挙げることができる。その中で、より好適なものとして、ポリスチレン、スチレン及びアクリロニトリルを含む共重合体、ポリメタクリル酸メチルを挙げることができる。
本発明に用いられる疎水性熱可塑性ポリマー微粒子の平均粒径は0.01〜3.0μmが好ましい。
本発明に用いられる熱反応性ポリマー微粒子としては、熱反応性基を有するポリマー微粒子が挙げられ、これらは、熱反応による架橋、及びその際の官能基変化により疎水化領域を形成する。
本発明に用いる熱反応性基を有するポリマー微粒子における熱反応性基としては、化学結合が形成されるならば、どのような反応を行う官能基でもよいが、重合性基であることが好ましく、その例として、ラジカル重合反応を行うエチレン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基など)、カチオン重合性基(例えば、ビニル基、ビニルオキシ基、エポキシ基、オキセタニル基など)、付加反応を行うイソシアナート基又はそのブロック体、エポキシ基、ビニルオキシ基及びこれらの反応相手である活性水素原子を有する官能基(例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基など)、縮合反応を行うカルボキシ基及び反応相手であるヒドロキシ基又はアミノ基、開環付加反応を行う酸無水物及び反応相手であるアミノ基又はヒドロキシ基などを好適なものとして挙げることができる。
本発明で用いられるマイクロカプセルとしては、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、画像記録層の構成成分の全て又は一部をマイクロカプセルに内包させたものである。なお、画像記録層の構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。更に、マイクロカプセルを含有する画像記録層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性の構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。
本発明においては、架橋樹脂粒子、すなわちミクロゲルを含有する態様であってもよい。このミクロゲルは、その中又は表面の少なくとも一方に、画像記録層の構成成分の一部を含有することができ、特に、ラジカル重合性基をその表面に有することによって反応性ミクロゲルとした態様が、画像形成感度や耐刷性の観点から特に好ましい。
画像記録層の構成成分をマイクロカプセル化、若しくはミクロゲル化する方法としては、公知の方法が適用できる。
上記のマイクロカプセルやミクロゲルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましい。0.05〜2.0μmが更に好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
有機微粒子の含有量としては、画像記録層全固形分の5〜90質量%の範囲であることが好ましい。
その他の成分
本発明における画像記録層には、必要に応じて、更に他の成分を含有することができる。
(1)低分子親水性化合物
本発明における画像記録層は、耐刷性を低下させることなく機上現像性を向上させるために、低分子親水性化合物を含有してもよい。
低分子親水性化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類及びそのエーテル又はエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のポリオール類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等の有機アミン類及びその塩、アルキルスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類及びその塩、アルキルスルファミン酸等の有機スルファミン酸類及びその塩、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸等の有機硫酸類及びその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類及びその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類及びその塩、ベタイン類、等が挙げられる。
本発明においてはこれらの中でも、ポリオール類、有機硫酸塩類、有機スルホン酸塩類、ベタイン類の群から選ばれる少なくとも一つを含有させることが好ましい。
有機スルホン酸塩の具体的な化合物としては、n−ブチルスルホン酸ナトリウム、n−ヘキシルスルホン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルスルホン酸ナトリウム、シクロヘキシルスルホン酸ナトリウム、n−オクチルスルホン酸ナトリウムなどのアルキルスルホン酸塩;5,8,11−トリオキサペンタデカン−1−スルホン酸ナトリウム、5,8,11−トリオキサヘプタデカン−1−スルホン酸ナトリウム、13−エチル−5,8,11−トリオキサヘプタデカン−1−スルホン酸ナトリウム、5,8,11,14−テトラオキサテトラデコサン−1−スルホン酸ナトリウムなどのエチレンオキシド鎖を含むアルキルスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム、1−ナフチルスルホン酸ナトリウム、4−ヒドロキシナフチルスルホン酸ナトリウム、1,5−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸トリナトリウムなどのアリールスルホン酸塩、特開2007−276454号公報の段落番号[0026]〜[0031]、特開2009−154525号公報の段落番号[0020]〜[0047]に記載の化合物などが挙げられる。塩は、カリウム塩、リチウム塩でもよい。
有機硫酸塩としては、ポリエチレンオキシドのアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又は複素環モノエーテルの硫酸塩が挙げられる。エチレンオキシド単位は1〜4であるのが好ましく、塩は、ナトリウム塩、カリウム塩又はリチウム塩が好ましい。これらの具体例としては、特開2007−276454号公報の段落番号[0034]〜[0038]に記載の化合物が挙げられる。
ベタイン類としては、窒素原子への炭化水素置換基の炭素原子数が1〜5である化合物が好ましく、具体例としては、トリメチルアンモニウムアセタート、ジメチルプロピルアンモニウムアセタート、3−ヒドロキシ−4−トリメチルアンモニオブチラート、4−(1−ピリジニオ)ブチラート、1−ヒドロキシエチル−1−イミダゾリオアセタート、トリメチルアンモニウムメタンスルホナート、ジメチルプロピルアンモニウムメタンスルホナート、3−トリメチルアンモニオ−1−プロパンスルホナート、3−(1−ピリジニオ)−1−プロパンスルホナートなどが挙げられる。
上記の低分子親水性化合物は、疎水性部分の構造が小さくて界面活性作用がほとんどないため、湿し水が画像記録層露光部(画像部)へ浸透して画像部の疎水性や皮膜強度を低下させることがなく、画像記録層のインキ受容性や耐刷性を良好に維持できる。
これら低分子親水性化合物の画像記録層への添加量は、画像記録層全固形分量の0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。より好ましくは1質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは2質量%以上10質量%以下である。この範囲で良好な機上現像性と耐刷性が得られる。
これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(2)感脂化剤
本発明の画像記録層には、着肉性を向上させるために、画像記録層にホスホニウム化合物、含窒素低分子化合物、アンモニウム基含有ポリマーなどの感脂化剤を用いることができる。特に、保護層に無機質の層状化合物を含有させる場合、これらの化合物は、無機質の層状化合物の表面被覆剤として機能し、無機質の層状化合物による印刷途中の着肉性低下を防止する。
好適なホスホニウム化合物としては、特開2006−297907号公報及び特開2007−50660号公報に記載のホスホニウム化合物を挙げることができる。具体例としては、テトラブチルホスホニウムヨージド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、1,4−ビス(トリフェニルホスホニオ)ブタン=ジ(ヘキサフルオロホスファート)、1,7−ビス(トリフェニルホスホニオ)ヘプタン=スルファート、1,9−ビス(トリフェニルホスホニオ)ノナン=ナフタレン−2,7−ジスルホナートなどが挙げられる。
上記含窒素低分子化合物としては、アミン塩類、第4級アンモニウム塩類が挙げられる。またイミダゾリニウム塩類、ベンゾイミダゾリニウム塩類、ピリジニウム塩類、キノリニウム塩類も挙げられる。なかでも、第4級アンモニウム塩類、及びピリジニウム塩類が好ましい。具体例としては、テトラメチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、テトラブチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、ドデシルトリメチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、ベンジルトリエチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、ベンジルジメチルオクチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、ベンジルジメチルドデシルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、特開2008−284858号公報の段落番号[0021]〜[0037]、特開2009−90645号公報の段落番号[0030]〜[0057]に記載の化合物などが挙げられる。
上記アンモニウム基含有ポリマーとしては、その構造中にアンモニウム基を有すれば如何なるものでもよいが、側鎖にアンモニウム基を有する(メタ)アクリレートを共重合成分として5〜80モル%含有するポリマーが好ましい。具体例としては、特開2009−208458号公報の段落番号[0089]〜[0105]に記載のポリマーが挙げられる。
上記アンモニウム塩含有ポリマーは、下記の測定方法で求められる還元比粘度(単位:ml/g)の値で、5〜120の範囲のものが好ましく、10〜110の範囲のものがより好ましく、15〜100の範囲のものが特に好ましい。上記還元比粘度を質量平均モル質量(Mw)に換算すると、10000〜150000が好ましく、17000〜140000がより好ましく、20000〜130000が特に好ましい。
<還元比粘度の測定方法>
30質量%ポリマー溶液3.33g(固形分として1g)を、20mlのメスフラスコに秤量し、N−メチルピロリドンでメスアップする。この溶液を30℃の恒温槽で30分間静置し、ウベローデ還元粘度管(粘度計定数=0.010cSt/s)に入れて30℃にて流れ落ちる時間を測定する。なお測定は同一サンプルで2回測定し、その平均値を算出する。同様にブランク(N−メチルピロリドンのみ)の場合も測定し、下記式から還元比粘度(ml/g)を算出した。
以下に、アンモニウム基含有ポリマーの具体例を示す。
(1)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=p−トルエンスルホナート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比10/90 Mw4.5万)
(2)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80 Mw6.0万)
(3)2−(エチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=p−トルエンスルホナート/ヘキシルメタクリレート共重合体(モル比30/70 Mw4.5万)
(4)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/2−エチルヘキシルメタクリレート共重合体(モル比20/80 Mw6.0万)
(5)2−(トリメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=メチルスルファート/ヘキシルメタクリレート共重合体(モル比40/60 Mw7.0万)
(6)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比 25/75 Mw6.5万)
(7)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルアクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80 Mw6.5万)
(8)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=13−エチル−5,8,11−トリオキサ−1−ヘプタデカンスルホナート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート共重合体(モル比20/80 Mw7.5万)
(9)2−(ブチルジメチルアンモニオ)エチルメタクリレート=ヘキサフルオロホスファート/3,6−ジオキサヘプチルメタクリレート/2−ヒドロキシ−3−メタクロイルオキシプロピルメタクリレート共重合体(モル比15/80/5 Mw6.5万)
上記感脂化剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して0.01〜30.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15.0質量%、1〜10質量%が更に好ましい。
(3)その他
更にその他の成分として、界面活性剤、着色剤、焼き出し剤、重合禁止剤、高級脂肪酸誘導体、可塑剤、無機微粒子、無機質層状化合物、及び共増感剤若しくは連鎖移動剤などを添加することができる。具体的には、特開2008−284817号公報の段落番号[0114]〜[0159]、特開2006−091479号公報の段落番号[0023]〜[0027]、米国特許公開2008/0311520号明細書の段落番号[0060]に記載の化合物及び添加量が好ましい。
画像記録層の形成
本発明における画像記録層は、例えば、特開2008−195018号公報の段落番号[0142]〜[0143]に記載のように、必要な上記各成分を公知の溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、これを支持体上にバーコーター塗布など公知の方法で塗布し、乾燥することで形成される。塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/mが好ましい。この範囲で、良好な感度と画像記録層の良好な皮膜特性が得られる。
画像記録層の膜厚は、0.25〜3.0μmの範囲であることが好ましく、0.5〜1.5μmの範囲がより好ましい。
(下塗り層)
本発明の平版印刷版原版は、画像記録層と支持体との間に下塗り層(中間層と呼ばれることもある)を設けることが好ましい。下塗り層は、露光部においては支持体と画像記録層との密着を強化し、未露光部においては画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、耐刷性を損なわず現像性を向上させるのに寄与する。また、赤外線レーザー露光の場合は、下塗り層が断熱層として機能することにより、露光により発生した熱が支持体に拡散して感度が低下するのを防ぐ。
下塗り層に用いる化合物としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物が挙げられる。より好ましいものとして、特開2005−125749号及び特開2006−188038号公報に記載のごとき、支持体表面に吸着可能な吸着性基、親水性基、及び架橋性基を有する高分子樹脂が挙げられる。この高分子樹脂は、吸着性基を有するモノマー、親水性基を有するモノマー、及び架橋性基を有するモノマーの共重合体が好ましい。より具体的には、フェノール性ヒドロキシ基、カルボキシ基、−PO、−OPO、−CONHSO−、−SONHSO−、−COCHCOCHなどの吸着性基を有するモノマーと、親水性のスルホ基を有するモノマーと、更にメタクリル基、アリル基などの重合性の架橋性基を有するモノマーとの共重合体である高分子樹脂が挙げられる。この高分子樹脂は、高分子樹脂の極性置換基と、対荷電を有する置換基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物との塩形成で導入された架橋性基を有してもよいし、上記以外のモノマー、好ましくは親水性モノマーが更に共重合されていてもよい。
下塗り層用高分子樹脂中の不飽和二重結合の含有量は、高分子樹脂1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。
下塗り層用の高分子樹脂は、質量平均モル質量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましい。
本発明の下塗り層は、上記下塗り層用化合物の他に、経時における汚れ防止のため、キレート剤、第2級又は第3級アミン、重合禁止剤、アミノ基又は重合禁止能を有する官能基とアルミニウム支持体表面と相互作用する基とを有する化合物等(例えば、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、2,3,5,6−テトラヒドロキシ−p−キノン、クロラニル、スルホフタル酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸など)を含有することができる。
下塗り層は、公知の方法で塗布される。下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/mであるのが好ましく、1〜30mg/mであるのがより好ましい。
(支持体)
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体としては、公知の支持体が用いられる。なかでも、公知の方法で粗面化処理され、陽極酸化処理されたアルミニウム板が好ましい。
また、上記アルミニウム板は必要に応じて、特開2001−253181号公報や特開2001−322365号公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理や封孔処理、及び米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケートあるいは米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号及び同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸などによる表面親水化処理を適宜選択して行うことができる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。
本発明の支持体には必要に応じて、裏面に、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されているケイ素のアルコキシ化合物を含むバックコート層を設けることができる。
(保護層)
本発明の平版印刷版原版は、画像記録層の上に保護層(オーバーコート層)を設けることが好ましい。保護層は酸素遮断によって画像形成阻害反応を抑制する機能の他、画像記録層における傷の発生防止、及び高照度レーザー露光時のアブレーション防止の機能を有する。
このような特性の保護層については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書及び特公昭55−49729号公報に記載されている。保護層に用いられる酸素低透過性のポリマーとしては、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマーのいずれをも適宜選択して使用することができ、必要に応じて2種類以上を混合して使用することもできる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
変性ポリビニルアルコールとしては、カルボキシ基又はスルホ基を有する酸変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。具体的には、特開2005−250216号、特開2006−259137号の公報に記載の変性ポリビニルアルコールが好適である。
また、保護層には酸素遮断性を高めるため、特開2005−119273号公報に記載のように天然雲母、合成雲母等の無機質の層状化合物を含有することが好ましい。
また、保護層には多糖類を含有させることも好ましい。多糖類としては、澱粉誘導体(例えばデキストリン、酵素分解デキストリン、ヒドロキシプロピル化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、ポリオキシアルキレングラフト化澱粉、サイクロデキストリン)、セルロース類(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルプロピルセルロース等)、その他、カラギーナン、アルギン酸、グァーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム、大豆多糖類などを挙げることができる。
なかでもデキストリン、ポリオキシアルキレングラフト化澱粉といった澱粉誘導体、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、大豆多糖類などが好ましく用いられる。
多糖類は、保護層の固形分に対して、1〜20質量%の範囲で添加することが好ましい。
また、保護層には、可撓性付与のための可塑剤、塗布性を向上させための界面活性剤、表面の滑り性を制御する無機微粒子など公知の添加物を含むことができる。また、画像記録層の説明に記載した感脂化剤を保護層に含有させることもできる。
保護層は、公知の方法で塗布される。保護層の塗布量としては、乾燥後の塗布量で、0.01〜10g/mの範囲であることが好ましく、0.02〜3g/mの範囲がより好ましく、最も好ましくは0.02〜1g/mの範囲である。
保護層の膜厚は、0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、0.02〜3μmの範囲がより好ましく、最も好ましくは0.05〜1.0μmの範囲である。
平版印刷版原版が画像記録層の上に更なる層(例えば保護層)を有しない場合、ダレは、通常、支持体、及び、画像記録層に形成される。
平版印刷版原版が画像記録層の上に保護層を有する場合、ダレは、通常、支持体、画像記録層、及び、保護層に形成される。
上記のダレは、平版印刷版原版の裁断することにより形成できる。
〔平版印刷版原版の裁断条件と端部の形状〕
本発明の平版印刷版原版の裁断条件は、ダレ量(X)が35〜150μmであり、ダレ幅(Y)が50〜300μmのダレが形成されれば特に限定されないが、特開平8−58257号公報、特開平9−211843号公報、特開平10−100556号公報、特開平11−52579号公報に記載の方法が使用できる。
図1は、裁断装置により裁断された、端部にダレ2を有する平版印刷版原版の断面形状例である。より具体的には、平版印刷版原版1は、その上面図においては、長方形状を有しており、図1は、その長方形状の一辺に沿った断面図である。
この断面図において、平版印刷版原版1の端面1cの上端(ダレ2と端面1cとの境界点)と、画像記録層面(保護層が形成されている場合には保護層面)1aの延長線との距離Xを「ダレ量」といい、平版印刷版原版1の画像記録層面1aがダレ始める点と端面1cの延長線上との距離Yを「ダレ幅」という。平版印刷版原版におけるエッジ汚れは、非画像部から端部に追いやられた印刷インキ成分が、ブランケットに転写して起こるため、端部とブランケットとの接触を避けるため、端部のダレ量を大きくする必要がある。インキ成分の転写されにくいダレ量は、35μm以上である。ダレ量が150μmを超えると、端部基板表面状態が著しく悪化し、機上現像性が劣化する。また、ダレ幅が50μmより小さいと、ダレ量を35〜150μmにした時に端部にクラックが入り、そこに印刷インキがたまり汚れが発生しやすくなる。クラックの発生を減らすため、ダレ幅は、50〜300μmの範囲であり、好ましくは、70〜250μmの範囲である。なお、上記ダレ量とダレ幅の好ましい範囲は、平版印刷版原版1の支持体面1bのエッジ形状には関わらない。
なお、通常、平版印刷版原版1の端部において、画像記録層と支持体との境界B、及び、支持体面1bも、画像記録層面1aと同様に、ダレが発生している。
(図1の形状とするための手段)
上記形状は、上側裁断刃と下側裁断刃の隙間、噛み込み量および刃先角度の調整により作製される。
例えば、図1の形状を作製する詳細な方法を説明する。図2は、スリッター装置の裁断部を示す断面図である。スリッター装置には、上下一対の裁断刃10、20が左右に配置されている。これらの裁断刃10、20は円板上の丸刃からなり、上側裁断刃10aおよび10bは回転軸11に、下側裁断刃20aおよび20bは回転軸21に、それぞれ同軸上に支持されている。そして、上側裁断刃10aおよび10bと下側裁断刃20aおよび20bとは、相反する方向に回転される。アルミニウムのシート30は、上側裁断刃10a、10bと下側裁断刃20a,20bとの間を通されて所定の幅に裁断される。さらに具体的には、図2のスリッター装置の裁断部の上側裁断刃10aと下側裁断刃20aとの隙間および上側裁断刃10bと下側裁断刃20bとの隙間を、調整することにより図1に示すような形状の端部を形成させることができる。
〔処理方法〕
本発明は、上記の新聞印刷用平版印刷版原版の端面から1cm以内の領域をアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有する液で処理する新聞印刷用平版印刷版原版の製造方法に関する。
処理液を本発明の平版印刷版原版に適用する態様としては、シート状の平版印刷版原版の端部へ処理液を1枚ずつ塗布していくこともできるし、コイル状の平版印刷版原版の端部に連続的に塗布していくこともできる。また、多数枚(例えば1000枚)の平版印刷版原版を積み重ねた状態でその側面へ塗布してもよい。この場合、例えば特公昭57−23259号、特開昭57−99647号の各公報に記載されているような合紙を挟んだ状態で塗布することも勿論可能である。また、スリッター、束裁断機で連続して裁断した後、直ちに本発明で使用する処理液を含ませたモルトンロール等により塗布する方法も好ましい。塗布後に、セッターのストッカーに束状態に積載され、露光される。
またセッターによる赤外線レーザーを画像様に露光した後に、1枚ごとに処理液を塗布してもよい。画像露光後に塗布した方が、塗布後の版を積み重ねることがなく、べたつきによる版毎のくっつきが起こらない。処理液の塗布は、平版印刷版原版の端面から1cm以内の領域(図1における領域A)を塗布するものであり、好ましくは上記端面から0.5cm以内の領域、最も好ましくは上記端面から0.2cm以内の領域である。端面から1cm以内には画像はないことが通常である。
ここで、「平版印刷版原版の端面から1cm以内の領域」とは、平版印刷版原版の端面から1cm以内に位置する任意の領域を指し、例えば、「平版印刷版原版の端面のみ」であっても、「平版印刷版原版の端面を含む、端面から1cm以内の領域」であっても、「平版印刷版原版の端面を含まない、端面から1cm以内の領域」であってもよい。
上記領域に塗布された、処理液による層の厚さは、処理液の乾燥後に0.1〜50μmが好ましく、より好ましくは1〜25μmである。この範囲内で版と塗布部分がべたつくことなく、良好な機上現像性が得られる。
アニオン性又は非イオン性界面活性剤と、水溶性樹脂とを用いて処理する場合、アニオン性又は非イオン性界面活性剤と水溶性樹脂とを共に含む液を一度に塗布する方法が好ましいが、アニオン性又は非イオン性界面活性剤を含む液と水溶性樹脂を含む液を逐次に塗布してもよい。アニオン性又は非イオン性界面活性剤を含む液を塗布した後に、水溶性樹脂を含む液を塗布する逐次塗布を用いることが好ましい。それぞれの液は、何度でも重ね塗りが可能である。また、それぞれ塗布工程の後に乾燥工程を施してもよい。なお、処理液を塗布する前に高出力炭酸ガスレーザーなどによりエッジ部の画像記録層を除去、また切削することにより画像記録層を除去した後に、処理液を塗布してもよい。
〔製版〕
本発明の平版印刷版原版の製版は機上現像方法で行う。機上現像方法は、平版印刷版原版を画像露光する工程と、露光後の平版印刷版原版になんらの現像処理を施すことなく、油性インキと水性成分とを供給して、印刷する印刷工程とを有し、該印刷工程の途上において平版印刷版原版の画像記録層未露光部分が除去されることを特徴とする。画像様の露光は平版印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上で行ってもよいし、プレートセッターなどで別途行ってもよい。後者の場合は、露光済み平版印刷版原版は現像処理工程を経ないでそのまま印刷機に装着される。その後、該印刷機を用い、油性インキと水性成分とを供給してそのまま印刷することにより、印刷途上の初期の段階で機上現像処理、すなわち、未露光領域の画像記録層が除去され、それに伴って親水性支持体表面が露出され非画像部が形成される。油性インキおよび水性成分としては、新聞平版印刷用の印刷インキと湿し水が用いられる。
本発明の好適な実施形態の一つに係る平版印刷版の製版方法は、上記の新聞印刷用平版印刷版原版を赤外線レーザーで画像露光した後に、上記のようにして、平版印刷版原版の端面から1cm以内をアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有する液による処理を行い、その後に印刷機シリンダーに取り付け、印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像する平版印刷版の製版方法である。
本発明において画像露光に用いられる光源としては、レーザーが好ましい。本発明に用いられるレーザーは、特に限定されないが、波長760〜1200nmの赤外線を照射する固体レーザーおよび半導体レーザーなどが好適に挙げられる。
赤外線レーザーに関しては、出力は100mW以上であることが好ましく、1画素当たりの露光時間は20マイクロ秒以内であるのが好ましく、また照射エネルギー量は10〜300mJ/cmであるのが好ましい。レーザーにおいては、露光時間を短縮するためマルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。
露光された平版印刷版原版は、印刷機の版胴に装着される。レーザー露光装置付きの印刷機の場合は、平版印刷版原版を印刷機の版胴に装着したのち画像露光される。
画像様に露光した平版印刷版原版に湿し水と印刷インキとを供給して印刷すると、画像記録層の露光部においては、露光により硬化した画像記録層が、親油性表面を有する印刷インキ受容部を形成する。一方、未露光部においては、供給された湿し水および/または印刷インキによって、未硬化の画像記録層が溶解または分散して除去され、その部分に親水性の表面が露出する。その結果、湿し水は露出した親水性の表面に付着し、印刷インキは露光領域の画像記録層に着肉して印刷が開始される。
ここで、最初に版面に供給されるのは、湿し水でもよく、印刷インキでもよいが、湿し水を浸透させ機上現像性を促進するために、最初に湿し水を供給するのが好ましい。
〔湿し水〕
本発明で用いる湿し水には、下記組成に湿し水を用いることが好ましい。
(1)水溶性樹脂
(2)濡れ性向上のための助剤((2−1)界面活性剤及び/又は(2−2)溶剤)
(3)pH調整剤
(4)その他((i)防腐剤、(ii)キレート化剤、(iii)着色剤、(iv)防錆剤、(v)消泡剤、(vi)マスキング剤等)
本発明で使用される湿し水は、調整後の濃度において、含有量が前記湿し水の全量に対して0.001〜1質量%の(1)水溶性樹脂と、(i)含有量が前記湿し水の全量に対して0.01〜1.0質量%の(2―1)有機溶剤及び(ii)含有量が前記湿し水の全量に対して0.001〜0.1質量%の(2−2)界面活性剤の少なくとも一方とを含有することが好ましい。
また、湿し水は、pHが7〜11であることが好ましい。
(1)水溶性樹脂
本発明で用いる湿し水に使用する水溶性樹脂としては、例えばアラビアガム、澱粉誘導体(例えば、デキストリン、酵素分解デキストリン、ヒドロキシプロピル化酵素分解デキストリン、カルボキシメチル化澱粉、リン酸澱粉、オクテニルコハク化澱粉)、アルギン酸塩、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)等の天然物及びその変性体、ポリエチレングリコール及びその共重合体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリアクリルアミド及びその共重合体、ポリアクリル酸及びその共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸及びその共重合体の合成物、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらの中でもカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースは特に好ましい。水溶性高分子化合物の含有量は、湿し水に対して0.001〜1質量%が適しており、より好ましくは、0.005〜0.2質量%である。
(2−1)有機溶剤
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングルコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングルコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングルコールモノイソプロピルエーテル、テトラエチレングルコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、トリエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノターシャリブチルエーテル、分子量200〜1000のポリプロピレングリコール及びそれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノイソプロピルエーテル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール及びペンタプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、1−位が炭素原子数1〜8のアルキル基で置換された2−ピロリドン誘導体などが挙げられる。これらの中でも特にエチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール及び1−ブトキシ−2−プロパノールが好ましい。これらの溶剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。一般にこれらの溶剤は、湿し水の全質量に基づいて0.01〜1.0質量%の範囲で使用するのが適当である。
(2−2)界面活性剤
界面活性剤のうち、例えばアニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩類、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ひまし油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホ琥珀酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
非イオン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、蔗糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、トリエタノールアミン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類、トリアルキルアミンオキシド類などが挙げられる。その他、弗素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤も使用することができる。界面活性剤を使用する場合、その含有量は発泡の点を考慮すると、好ましくは0.001〜0.1質量%、より好ましくは0.002〜0.05質量%が適当である。また、2種以上併用することもできる。
本発明に使用される湿し水に用いられる(c)pH調整剤としては、アルカリ金属水酸化物、リン酸、アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、ケイ酸塩などを含有したpH7〜10のアルカリ性領域で用いることもできる。
(3)pH調整剤
また、水溶性の有機酸、無機酸及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1種が使用できる。これらの化合物は湿し水のpH調整あるいはpH緩衝、平版印刷版支持体の適度なエッチング又は防腐食に効果がある。好ましい有機酸としては、例えばクエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、酢酸、グルコン酸、ヒドロキシ酢酸、蓚酸、マロン酸、レブリン酸、スルファニル酸、p−トルエンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸等が挙げられる。無機酸としては例えばリン酸、硝酸、硫酸、ポリリン酸が挙げられる。更にこれら有機酸及び/又は無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアンモニウム塩、有機アミン塩も好適に用いられる。これらの有機酸、無機酸及びこれらの塩類から1種を単独で使用しても、あるいは2種以上の混合物として使用してもよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、高分子化合物の分子量は質量平均分子量であり、繰り返し単位の比はモル比である。
[実施例1〜27および比較例1〜8]
〔平版印刷版原版(1)〜(14)の作製〕
(1)支持体の作製(その1)
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質JIS A 1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/mであった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dmであった。その後、スプレーによる水洗を行った。
続いて、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dmの条件で、硝酸電解と同様の方法で電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、この板に15質量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dmで2.5g/mの直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥して支持体(1)を作製した。
その後、非画像部の親水性を確保するため、支持体(1)に2.5質量%3号ケイ酸ソーダ水溶液を用いて60℃で10秒間、シリケート処理を施し、その後、水洗して支持体(2)を得た。Siの付着量は10mg/mであった。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
(2)下塗り層の形成
次に、上記支持体(2)上に、下記下塗り層用塗布液(1)を乾燥塗布量が20mg/mになるよう塗布して、以下の実験に用いる下塗り層を有する支持体を作製した。
<下塗り層用塗布液(1)>
・下記構造の下塗り層用化合物(1) 0.18g
・ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 0.10g
・メタノール 55.24g
・水 6.15g
(3)画像記録層の形成
上記のようにして形成された下塗り層上に、下記組成の画像記録層塗布液(1)をバー塗布した後、100℃60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/mの画像記録層を形成した。
画像記録層塗布液(1)は下記感光液(1)およびミクロゲル液(1)を塗布直前に混合し攪拌することにより得た。
<感光液(1)>
・特定高分子化合物(バインダーポリマー(1)〔下記構造、Mw:50000、n:下記表10に記載のEO単位数〕)
0.240g
・赤外線吸収染料(1)〔下記構造〕 0.030g
・ラジカル重合開始剤(1)〔下記構造〕 0.162g
・ラジカル重合性化合物 0.192g
トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
(NKエステルA−9300、新中村化学(株)製)
・アニオン性/非イオン性界面活性剤〔後記構造、下記表10に記載〕
0.050g
・感脂化剤 ホスホニウム化合物(1)〔下記構造〕 0.055g
・フッ素系界面活性剤(1)〔下記構造〕 0.008g
・2−ブタノン 1.091g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609g
<ミクロゲル液(1)>
・ミクロゲル(1) 2.640g
・蒸留水 2.425g
上記のミクロゲル(1)の合成法は、以下に示す通りである。
−ミクロゲル(1)の合成−
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井化学ポリウレタン(株)製、タケネートD−110N)10g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3.15g、およびパイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを酢酸エチル17gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、50℃で3時間攪拌した。このようにして得られたミクロゲル液の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈し、これを前記ミクロゲル(1)とした。ミクロゲルの平均粒径を光散乱法により測定したところ、平均粒径は0.2μmであった。
(4)保護層の形成
上記画像記録層上に、さらに下記組成の保護層塗布液(1)をバー塗布した後、120℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.15g/mの保護層を形成して平版印刷版原版(1)〜(14)を得た。
<保護層用塗布液(1)>
・無機質層状化合物分散液(1)(下記で得たもの) 1.5g
・親水性ポリマー(1)(固形分)〔下記構造、Mw:3万〕 0.55g
・ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製CKS50、
スルホン酸変性、けん化度99モル%以上、重合度300)
6質量%水溶液 0.10g
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA−405、
けん化度81.5モル%、重合度500)6質量%水溶液 0.03g
・界面活性剤(エマレックス710、商品名:日本エマルジョン(株)製)
1質量%水溶液 0.86g
・イオン交換水 6.0g
(無機質層状化合物分散液(1)の調製)
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた分散粒子のアスペクト比は100以上であった。
〔平版印刷版原版の裁断〕
図2に示したような回転刃を用いて、上側裁断刃と下側裁断刃の隙間、噛み込み量および刃先角度を調整して、表13および表15に記載した所望のダレ量およびダレ幅を有する端部の形状となるように連続的してスリットした。
サンプルの形状測定には、東京精密(株)製の表面粗さ計(サーフコム)で測定した。型番480Aを使用し、触針は直径2μmのものを使用した。触針を端部の内側約1mm
から端部に向かって、3mm/secのスピードで移動させ、形状の測定を行った。
〔裁断済平版印刷版原版の処理〕
(処理液の調製)
表11に従って処理液1〜10を調製した。
<処理方法>
裁断したサンプルを、露光前または露光後に処理液を含ませた布により、平版印刷版原版の端面から1cm以内の領域(ダレを包含する領域)に塗布を行った。表13中の、処理液No.(1回目)は、1回目に塗布した処理液No.を示す。処理液No.(2回目)は、処理液No.(1回目)を塗布したあと、室温にて1時間乾燥後に、2回目に塗布した処理液No.を示している。
塗布後の、処理液による層の厚さは30μmであった。処理液による層の厚さについては、処理液による層が設けられたサンプルの厚さと、処理液が塗布される前のサンプルの厚さとを、前記のサンプルの形状測定に基づいて測定し、これらの厚さの差を算出することにより求めた。
〔湿し水の調製〕
下記処方に従って、湿し水A〜Dを調整した。
〔平版印刷版原版の評価〕
(1)機上現像性(エッジ残膜の観察)
得られた平版印刷版原版を赤外線半導体レーザー搭載の富士フイルム(株)製Luxel PLATESETTER T−6000IIIにて、外面ドラム回転数1000rpm、レーザー出力70%、解像度2400dpiの条件で露光した。
露光後、オフセット輪転印刷機にて、新聞用インキとして、インクテック(株)製 ソイビーKKST−S(紅)と表12記載の湿し水を用いて、100,000枚/時のスピードで20、000枚印刷した。印刷後版のインキをクリンサーで除去し版端部(エッジ部)をSEM観察して残膜の有無を調べ、下記の基準で評価した。
A: 全く残膜していない。
B: AとCの中間のレベル。
C: 薄っすらと残膜しているが許容レベル。
D: CとEの中間のレベル。
E: はっきり残膜しており非許容レベル。
(2)エッジ汚れ
上記印刷の1000枚目の印刷物をサンプリングし、エッジ部による線状汚れの程度を下記の基準で評価した。
A: 全く汚れていない。
B: AとCの中間のレベル。
C: 薄っすらと汚れているが許容レベル。
D: CとEの中間のレベル。
E: はっきり汚れており非許容レベル。
(3)3万枚印刷時のエッジ汚れ
上記耐刷試験において、3万枚目の印刷物をサンプリングし、エッジ部による線状汚れの程度を下記の基準で評価した。
A: 全く汚れていない。
B: AとCの中間のレベル。
C: 薄っすらと汚れているが許容レベル。
D: CとEの中間のレベル。
E: はっきり汚れており非許容レベル。
(4)画像磨耗による耐刷性
上述した機上現像性の評価を行った後、さらに印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に、画像記録層が磨耗するため印刷物上のインキ濃度が低下した。印刷物におけるFMスクリーン50%網点の網点面積率をグレタグ濃度計で計測した値が印刷100枚目の計測値よりも5%低下したときの印刷部数を刷了枚数として耐刷性を評価した。耐刷性は3万枚以上であれば許容レベルである。
結果を表13および表15に示す。
比較例の機上現像型平版印刷版原版と比較して、実施例の機上現像型平版印刷版原版によれば、エッジ部の機上現像性が良好であり、かつ多数枚印刷してもエッジ汚れの生じにくいという効果が得られた。
[実施例28〜51および比較例9〜16]
〔平版印刷版原版(15)〜(26)の作製〕
(1)画像記録層の形成
下塗り層を有する上記の支持体に、下記の画像記録層塗布液(2)をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.6g/mの画像記録層を形成した。
<画像記録層塗布液(2)>
・特定高分子化合物(微粒子形状)[下記表14参照〕の微粒子水分散液
画像記録層の全固形分に対して40質量%となる量
・赤外線吸収染料(2)[下記構造] 0.2g
・ラジカル重合開始剤 Irgacure250(チバスペシャリティケミカルズ製)
0.5g
・ラジカル重合性化合物 SR−399(サートマー社製) 1.50g
・メルカプト−3−トリアゾール 0.2g
・Byk336(Byk Chimie社製) 0.4g
・Klucel M(Hercules社製) 4.8g
・ELVACITE 4026(Ineos Acrylica社製) 2.5g
・アニオン性/非イオン性界面活性剤〔上記構造、下記表14に記載〕0.15g
・n−プロパノール 55.0g
・2−ブタノン 17.0g
なお、上記組成中の商品名で記載の化合物は下記の通りである。
・IRGACURE 250:(4−メトキシフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウム=ヘキサフルオロホスファート(75質量%プロピレンカーボナート溶液)
・SR−399:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
・Byk 336:変性ジメチルポリシロキサン共重合体(25質量%キシレン/メトキシプロピルアセテート溶液)
・Klucel M:ヒドロキシプロピルセルロース(2質量%水溶液)
・ELVACITE 4026:高分岐ポリメチルメタクリレート(10質量%2−ブタノン溶液)
(高分子化合物微粒子水分散液(1)の製造)
1000mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入して脱酸素を行いつつ、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は20)10g、蒸留水200gおよびn−プロパノール200gを加えて内温が70℃となるまで加熱した。次に予め混合されたスチレン(St)10g、アクリロニトリル(AN)80gおよび2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8gの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後5時間そのまま反応を続けた後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを添加し、内温を80℃まで上昇させた。続いて、0.5gの2,2‘−アゾビスイソブチロニトリルを6時間かけて添加した。合計で20時間反応させた段階で高分子化合物化は98%以上進行しており、質量比でPEGMA/St/AN=10/10/80の高分子化合物微粒子水分散液(1)が得られた。この高分子化合物微粒子の粒径分布は、粒子径150nmに極大値を有していた。
ここで、粒径分布は、高分子化合物微粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、写真上で微粒子の粒径を総計で5000個測定し、得られた粒径測定値の最大値から0の間を対数目盛で50分割して各粒径の出現頻度をプロットして求めた。なお非球形粒子については写真上の粒子面積と同一の粒子面積を持つ球形粒子の粒径値を粒径とした。
(高分子化合物微粒子水分散液(2)の製造)
高分子化合物微粒子水分散液(1)の製造におけるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は20)をポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は40)に置き換えて同様に製造した。
(高分子化合物微粒子水分散液(3)の製造)
高分子化合物微粒子水分散液(1)の製造におけるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は20)をポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は4)に置き換えて同様に製造した。
(高分子化合物微粒子水分散液(4)の製造)
高分子化合物微粒子水分散液(1)の製造におけるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は20)をポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は2)に置き換えて同様に製造した。
(高分子化合物微粒子水分散液(5)の製造)
高分子化合物微粒子水分散液(1)の製造におけるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は20)をポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は90)に置き換えて同様に製造した。
(高分子化合物微粒子水分散液(6)の製造)
高分子化合物微粒子水分散液(1)の製造におけるポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(PEGMA エチレングリコールの平均の繰返し単位は20)をエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)に置き換えて同様に製造した。
(高分子化合物微粒子水分散液(7)の製造)
1000mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入して脱酸素を行いつつ蒸留水350mLを加えて内温が80℃となるまで加熱した。分散剤としてドデシル硫酸ナトリウム1.5gを添加し、さらに開始剤として過硫化アンモニウム0.45gを添加し、次いでスチレン5.0g、アクリロニトリル40.0gを滴下ロートから約1時間かけて滴下した。滴下終了後5時間そのまま反応を続けた後、水蒸気蒸留で未反応単量体を除去した。その後冷却しアンモニア水でpH6に調整し、最後に不揮発分が15質量%となるように純水を添加して高分子化合物微粒子水分散液(7)を得た。高分子化合物微粒子水分散液(1)の場合と同様に測定したこの高分子化合物微粒子の粒径分布は、粒子径60nmに極大値を有していた。
〔平版印刷版原版の裁断、処理及び評価〕
前記平版印刷版原版(1)〜(14)の場合と同様に行った。評価結果を下記表15に示す。
比較例の機上現像型平版印刷版原版と比較して、実施例の機上現像型平版印刷版原版によれば、エッジ部の機上現像性が良好であり、かつ多数枚印刷してもエッジ汚れの生じにくいという効果が得られた。
1 平版印刷版原版
1a 画像記録層面
1b 支持体面
1c 端面
2 ダレ
10 裁断刃
10a 上側裁断刃
10b 上側裁断刃
11 回転軸
20 裁断刃
20a 下側裁断刃
20b 下側裁断刃
21 回転軸
30 シート
X ダレ量
Y ダレ幅
B 画像記録層と支持体との境界

Claims (11)

  1. 支持体上に赤外線吸収染料、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合性化合物、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物、及びアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有し、印刷機のシリンダー上で印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像可能な画像記録層を有する新聞印刷用平版印刷版原版であって、
    画像記録層側の端部に、ダレ量(X)が35〜150μmであり、ダレ幅(Y)が50〜300μmであるダレを有し、かつ、
    前記ダレを包含する、前記平版印刷版原版の端面から1cm以内の領域が、アニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有する処理液で処理されてなる新聞印刷用平版印刷版原版。
  2. 前記処理液が、更に水溶性樹脂を含有する請求項1記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
  3. 前記水溶性樹脂が、多糖類である請求項2に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
  4. 前記処理液が、更に有機溶剤を含有する請求項2または3に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
  5. 前記処理液が、更にリン酸化合物を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
  6. 前記高分子化合物のポリオキシアルキレン鎖がポリオキシエチレン鎖であり、オキシエチレンの繰返し単位数が2〜50である請求項1〜5のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
  7. 前記高分子化合物が星型形状の高分子化合物である請求項1〜6のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
  8. 前記新聞印刷用平版印刷版原版が、画像記録層上に保護層を有する平版印刷版原版である請求項1〜7のいずれか一項に記載の新聞印刷用平版印刷版原版。
  9. 支持体上に赤外線吸収染料、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合性化合物、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物、及びアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有し、印刷機のシリンダー上で印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像可能な画像記録層を有する新聞印刷用平版印刷版原版の端面から1cm以内の領域をアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有する液で処理する新聞印刷用平版印刷版原版の製造方法。
  10. 支持体上に赤外線吸収染料、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合性化合物、ポリオキシアルキレン鎖を側鎖に有する高分子化合物及びアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有し、印刷機のシリンダー上で印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像可能な画像記録層を有する新聞印刷用平版印刷版原版を赤外線レーザーで画像露光した後に、平版印刷版原版の端面から1cm以内をアニオン性又は非イオン性界面活性剤を含有する液による処理を行い、その後に印刷機シリンダーに取り付け、印刷インキ及び湿し水の少なくとも一方により現像する平版印刷版の製版方法。
  11. 前記湿し水が、含有量が前記湿し水の全量に対して0.001〜1質量%の水溶性樹脂と、(i)含有量が前記湿し水の全量に対して0.01〜1.0質量%の有機溶剤及び(ii)含有量が前記湿し水の全量に対して0.001〜0.1質量%の界面活性剤の少なくとも一方とを含有する請求項10に記載の平版印刷版の製版方法。
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