JP2014103366A - セラミック多層基板の製造方法 - Google Patents
セラミック多層基板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014103366A JP2014103366A JP2012256397A JP2012256397A JP2014103366A JP 2014103366 A JP2014103366 A JP 2014103366A JP 2012256397 A JP2012256397 A JP 2012256397A JP 2012256397 A JP2012256397 A JP 2012256397A JP 2014103366 A JP2014103366 A JP 2014103366A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ceramic green
- ceramic
- wax component
- green sheet
- multilayer substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
Abstract
【課題】 上下の絶縁層間の密着性が高いセラミック多層基板を製作することが可能な製造方法を提供すること。
【解決手段】 第1の複数のセラミックグリーンシート1の間にワックス成分を含む第2の複数のセラミックグリーンシート2を設けた状態で加熱および加圧することによって積層体を得る工程と、積層体3を焼成する工程とを有しており、ワックス成分の融点を、積層体3の積層方向の中央部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2において、積層体3の積層方向の上端部分および下端部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2よりも低くする製造方法である。加熱されにくい部分においてワックス成分の融点が比較的低く、ワックス成分を容易に融解させることができるため、第2の複数のセラミックグリーンシート2の全部において柔軟性および粘着性を高めることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 第1の複数のセラミックグリーンシート1の間にワックス成分を含む第2の複数のセラミックグリーンシート2を設けた状態で加熱および加圧することによって積層体を得る工程と、積層体3を焼成する工程とを有しており、ワックス成分の融点を、積層体3の積層方向の中央部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2において、積層体3の積層方向の上端部分および下端部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2よりも低くする製造方法である。加熱されにくい部分においてワックス成分の融点が比較的低く、ワックス成分を容易に融解させることができるため、第2の複数のセラミックグリーンシート2の全部において柔軟性および粘着性を高めることができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電子部品搭載用の配線基板やチップ状の電子部品等において用いられるセラミック多層基板を製造する方法に関するものである。
従来、例えば半導体素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板や、セラミック積層型のチップインダクタ等のチップ状の電子部品を形成する基板として、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック焼結体からなる複数の絶縁層が積層されてなるセラミック多層基板が多用されている。セラミック多層基板は、酸化アルミニウム等のセラミック粉末が有機バインダで結合されてなる複数のセラミックグリーンシートが積層され、焼成されることによって製作されている。
上記積層の工程においては、上下のセラミックグリーンシート間の密着性を高めるために積層方向に圧力が加えられる。すなわち、加圧工程も含まれる。また、上下のセラミックグリーンシート間の密着性等の向上のため、ワックス成分を含有するセラミックグリーンシートを用いた製造方法が提案されている。この場合、セラミックグリーンシートの主面にワックス成分を含む層を設けて、このワックス成分を含む層を加熱して変形しやすくすることにより、上下のセラミックグリーンシート間の密着性を高める。
ワックス成分は、例えば加圧工程で用いる金型にヒーターを設けて、このヒーターを用いて積層体を上下から加熱することによって融解させる。ワックス成分を含む層は、セラミックグリーンシートの主面に金属ペーストを印刷した時に、その金属ペーストの厚みを吸収する変形しやすい層としても機能し得る。
しかしながら、上記従来の技術では、ワックス成分を含む層が設けられた複数のセラミックグリーンシートを積層して加熱したとき、そのセラミックグリーンシートの積層方向の中央部分に位置するワックス成分を含む層が加熱されにくいという問題点があった。この場合、例えば積層方向の中央部において、ワックスの融解が不十分になって上下のセラミックグリーンシート間の密着性が低下する可能性がある。また、積層方向の上下端部においてワックスの融解が進んで粘度が小さくなり過ぎ、融解したワックスが積層体の側面等に流れ出てしまう可能性がある。
特に近年、半導体素子等が搭載される配線基板における高機能化および高密度化等に伴い、セラミックグリーンシートの積層数が増える傾向にあるため、上記のような問題点が顕著になってきている。
本発明の一つの態様のセラミック多層基板の製造方法は、第1の複数のセラミックグリーンシートの間にワックス成分を含む第2の複数のセラミックグリーンシートを設けた状態で加熱および加圧することによって積層体を得る工程と、前記積層体を焼成する工程とを有しており、前記ワックス成分の融点を、前記積層体の積層方向の中央部分に位置する
前記第2のセラミックグリーンシートにおいて、前記積層体の前記積層方向の上端部分および下端部分に位置する前記第2のセラミックグリーンシートよりも低くすることを特徴とする。
前記第2のセラミックグリーンシートにおいて、前記積層体の前記積層方向の上端部分および下端部分に位置する前記第2のセラミックグリーンシートよりも低くすることを特徴とする。
本発明の一つの態様のセラミック多層基板の製造方法によれば、上記各工程を含み、ワックス成分の融点を、積層体における積層方向の中央部分に位置する第2のセラミックグリーンシートにおいて、上端部分および下端部分に位置する第2のセラミックグリーンシートよりも低くしたことから、積層体の積層方向においてワックス成分を同じ程度に融解させることができる。
すなわち、加熱されにくい積層方向の中央部分に位置する第2のセラミックグリーンシートに含有させたワックス成分は、その融点が比較的低いため、加熱の温度が比較的低くても、上下端部に位置する第2のセラミックグリーンシートに含有させたワックス成分と同じ程度に融解できる。言い換えれば、積層した複数の第2のセラミックグリーンシートを、互いに同じ程度に変形させやすくすることができる。そのため、複数の第1および第2のセラミックグリーンシート間の密着性を高く確保することが可能な、セラミック多層基板の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態のセラミック多層基板の製造方法について、添付の図面を参照して説明する。
上記実施形態の製造方法について、以下に詳しく説明する。なお、以下に示す製造方法においては、第1のセラミックグリーンシート1の一枚と、第2のセラミックグリーンシート2の一枚とを互いに上下に貼り合せて作製した二層シート1Aを複数枚準備し、この二層シート1Aを上下に積層することによって積層体3を作製する例を挙げている。複数の第1のセラミックグリーンシート1と複数の第2セラミックグリーンシート2とは、互いに別個に積層されても構わない。
図1は、本発明のセラミック多層基板の製造方法を示す。図2(a)〜(c)は、本発明の実施形態のセラミック多層基板の製造方法を工程順に示す断面図である。図3は、図2(c)に示す工程の斜視図である。図4は、本発明の実施形態のセラミック多層基板の製造方法における一工程(図2の後の工程)を示す断面図である。
本発明の実施形態のセラミック多層基板の製造方法は、第1の複数のセラミックグリーンシート1の間に、ワックス成分を含む第2の複数のセラミックグリーンシート2を設けた状態で加熱および加圧することによって積層体3を得る工程と、この積層体3を焼成す
る工程とを有している。
る工程とを有している。
また、これらの工程において、ワックス成分の融点を、積層体3の積層方向の中央部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2において、積層体3の積層方向の上端部分および下端部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2よりも低くしている。
このようなセラミック多層基板の製造方法によれば、上記各工程を含み、ワックス成分の融点を、積層体3における積層方向の中央部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2において、上端部分および下端部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2よりも低くしたことから、積層体3の積層方向においてワックス成分を同じ程度に融解させることができる。
すなわち、加熱されにくい積層方向の中央部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2に含有させたワックス成分は、融点が比較的低いため、加熱の温度が比較的低くても、上下端部に位置する第2のセラミックグリーンシート2に含有させたワックス成分と同じ程度に融解できる。言い換えれば、積層した複数の第2のセラミックグリーンシート2を、互いに同じ程度に変形させやすくすることができる。そのため、上下の第1および第2のセラミックグリーンシート1、2間の密着性を高く確保することが可能な、セラミック多層基板の製造方法を提供することができる。
なお、第2のセラミックグリーンシート2は、上下のセラミックグリーンシート1の間に介在して、両者間の密着性を高めるためのものである。積層体3を作製する工程において、加熱によって上記のようにワックス成分が融解する。これにより第2のセラミックグリーンシート2の柔軟性および粘着性が高まり、上下のセラミックグリーンシート1同士の間の密着性が向上する。
また、図2に示す例においては、各二層シート1A上(主面)に金属ペースト4を印刷して被着させている。金属ペースト4は、セラミック多層基板における配線導体等の導体となるものである。金属ペーストの詳細については後述する。このような金属ペースト4が印刷されている場合にも、柔軟性が高められた第2のセラミックグリーンシート2の変形によって金属ペースト4の厚みを吸収することができる。そのため、上下の第1のセラミックグリーンシート1間の密着性を高く確保するなどして、導体を有するセラミック多層基板を製作することができる。
まず、図2(a)に示すように、第1のセラミックグリーンシート1の一枚と、第2のセラミックグリーンシート2の一枚とを互いに上下に貼り合せて作製した二層シート1Aを複数枚準備する。なお、図2(a)においては、見やすくするために一枚の二層シートのみを示している。
第1のセラミックグリーンシート1は、例えば酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等のセラミック粉末を適宜選択して使用するとともに、これを有機バインダで結合させてシート状に成形することによって作製する。
有機バインダとしては、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラ−ル系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系およびセルロース系等の重合体が挙げられる。重合体は、単独重合体および共重合体のいずれでも構わない。
第1の樹脂材料は、後述する焼成工程での分解、揮発性を考慮すると、アクリル系バインダがより好ましい。
例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素および酸化カルシウム等の粉末をトルエン等の有機溶剤およびアクリルポリマー等のバインダ(第1の樹脂材料)と混練して作製したスラリーを、例えば図5に示すドクターブレード法等によってシート状に成形することによって、第1のセラミックグリーンシート1を作製することができる。この場合、上記セラミック粉末および有機バインダ等を有機溶剤とともに混練して作製したセラミックスラリーを、成形装置のホッパー内に溜めておき、一定の速度で走行するキャリア(いわゆる塗工紙等)上にシート状に成形し、この成形したセラミックスラリーから有機溶剤を除去する(乾燥させる)ことによって、第1のセラミックグリーンシート1を作製することができる。なお、実際には、細長いシート状(帯状)に成形した第1のセラミックグリーンシート1を所定の寸法に切断する必要がある。
第2のセラミックグリーンシート2も、例えば第1のセラミックグリーンシート1と同様のセラミック粉末(酸化アルミニウム)等を有機バインダで結合させてシート状に成形することによって作製する。この第2のセラミックグリーンシート2における有機バインダも、第1のセラミックグリーンシート1の有機バインダと同様のものを用いることができる。
第2のセラミックグリーンシート2も、第1のセラミックグリーンシート1と同様に、ドクターブレード法によって作製することができる。
第2のセラミックグリーンシート2には、上記セラミック粉末および有機バインダに加えて、ワックス成分を添加する必要がある。ワックス成分は、例えば高級アルコール、高級カルボン酸またはパラフィン等である。第2のセラミックグリーンシート2となるセラミックスラリーには、上記固体状(粉末状等)のワックス成分を混合しておく必要がある。
ワックス成分としては、いわゆる室温程度の温度(約10〜35℃)においては固体状であり、約40〜50℃程度の、室温よりも少し高い程度の温度において融解するものであることが好ましい。この場合、例えば、第1および第2のセラミックグリーンシート1、2に後述する金属ペーストの印刷および積層等の加工を施す時に、第2のセラミックグリーンシート2の弾性率が小さくなり過ぎること(つまり変形しやすくなり過ぎること)等を抑制する上で有利である。
なお、第2のセラミックグリーンシート2も、第1のセラミックグリーンシート1と同様に切断加工等の所定の加工を施してから、積層体3、つまりセラミック多層基板の製作に用いる。
第1および第2のセラミックグリーンシート1、2の貼り合せは、例えば、あらかじめ作製しておいた第1のセラミックグリーンシート1上に積層して貼り合せて、加熱接着させることによって行なう。また、第1および第2のセラミックグリーンシート1、2の間に樹脂接着剤を介在させて接着するようにしてもよい。また、切断前の帯状の第1のセラミックグリーンシート1の上面に、第2のセラミックグリーンシート2となるセラミックスラリーを所定の厚みで塗工するようにして二層シート1Aを作製するようにしてもよい。この場合には、第1のセラミックグリーンシート1がキャリアの一部になるとみなすこともできる。
第2のセラミックグリーンシート2に含有させるワックス成分は、前述したように、そ
の融点を、積層体3の積層方向の中央部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2において、積層体3の積層方向の上端部分および下端部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2よりも低くする。
の融点を、積層体3の積層方向の中央部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2において、積層体3の積層方向の上端部分および下端部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2よりも低くする。
これにより、図4に示すような積層体3における積層方向の中央部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2と、上端部分および下端部分に位置する第2のセラミックグリーンシート2とを同じ程度に融解させることができる。言い換えれば、積層体3の積層方向の全域において、第2のセラミックグリーンシート2におけるワックス成分を同じ程度の粘度を有する融解物とすることができる。そのため、複数の第2のセラミックグリーンシート2を、互いに同じ程度に変形させやすくすることができる。したがって、複数の第1および第2のセラミックグリーンシート1、2間の密着性を高く確保することができる。
ワックス成分の融点を上記のように異ならせるためには、例えば、異なる種類の有機材料を適宜選択して、複数の第2のセラミックグリーンシート2のそれぞれのワックス成分として用いればよい。
第2のセラミックグリーンシート2に添加するワックス成分の添加量は、製作しようとするセラミック多層基板における絶縁層(第1のセラミックグリーンシート1の厚み)の厚み、積層数、金属ペースト4の厚み等の条件に応じて、適宜設定すればよい。
例えば、第1のセラミックグリーンシート1の厚みが約20〜300μm程度であり、積層
数が約5〜20層程度であり、金属ペースト4の厚みが約10〜30μm程度の場合であれば、第2のセラミックグリーンシート2におけるワックス成分の含有量は、約5〜30質量%程
度に設定すればよい。ワックス成分について、この程度の含有量であれば、ワックス成分が融解したときに、第2のセラミックグリーンシート2の弾性率をより効果的に小さくすることができる。また、第2のセラミックグリーンシート2の機械的な強度を確保する上で、より有利である。
数が約5〜20層程度であり、金属ペースト4の厚みが約10〜30μm程度の場合であれば、第2のセラミックグリーンシート2におけるワックス成分の含有量は、約5〜30質量%程
度に設定すればよい。ワックス成分について、この程度の含有量であれば、ワックス成分が融解したときに、第2のセラミックグリーンシート2の弾性率をより効果的に小さくすることができる。また、第2のセラミックグリーンシート2の機械的な強度を確保する上で、より有利である。
このようにして作製した積層体3を、例えば還元雰囲気中、約1300〜1600℃程度の温度で焼成することによって、図6に示すようなセラミック多層基板13を製作することができる。セラミック多層基板は、複数の第1のセラミックグリーンシート1が焼成されてなる複数の絶縁層11の間に、複数の第2のセラミックグリーンシート2が焼成されてなる複数の絶縁層12が積層されてなる絶縁基体13を有する。絶縁基体13の内部および表面には、配線導体等の導体14が設けられている。導体14は、例えば、絶縁基体13の上面に搭載される電子部品15との電気的な接続、および外部電気回路(図示せず)との電気的な接続等のための部位である。
導体14を形成する金属材料としては、例えばタングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金および白金等の金属材料、ならびにこれらの金属材料を主成分とする合金材料等が挙げられる。これらの金属材料から、セラミック多層基板の用途、求められる特性および経済性等の条件に応じて、適宜選択して用いる。
また、ワックス成分である有機材料として高級アルコールを用い、その高級アルコールの分子量を互いに異ならせることにより、ワックス成分の前記融点を互いに異ならせるようにしてもよい。
高級アルコールとしては、ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコールおよびステアリルアルコール等の、融点が約40〜60℃程度のものが挙げられる。
この場合、焼成時の高級アルコールの熱分解性が良好であるため、焼成時のワックス成分の除去が容易かつ確実である。また、高級アルコールの分子量の増減にほぼ比例して熱分解温度が増減するため、ワックス成分としての選定が容易である。また、高級アルコールは、上記有機バインダおよび有機溶剤に対する高級アルコールの溶解性および親和性等が高く、第2のセラミックグリーンシート2に添加されるものとして良好な化学的性質を有する。また、生産性およびコスト等の点でも有利である。
また、高級アルコールの一つして、ステアリルアルコールを用いるようにしてもよい。ステアリルアルコールは、融点が約55〜60℃であり、前述したワックス成分となる有機材料として適した融点を有している。また、上記有機バインダおよび有機溶剤に対する溶解性および親和性等が特に高い。また、生産性およびコスト等の点でも有利である。
第2のセラミックグリーンシート2に含まれるワックス成分の融点は、積層体3における積層方向の上端部分および下端部分のそれぞれから中央部分にかけて、次第に低くするようにしてもよい。
この場合、積層体3における熱伝導によって伝わる熱量が小さい部分ほど、よりワックス成分の融点が低い。そのため、積層体3における複数の第2のセラミックグリーンシート2のワックス成分の溶融状態、具体的には粘度を同じ程度に揃える上でより有利である。
また、複数の第2のセラミックグリーンシート2を作製する工程において、前記第2のセラミックグリーンシート2のそれぞれに、ワックス成分の種類に対応した着色材を添加するようにしてもよい。
この場合、着色材の色、つまりは第2のセラミックグリーンシート2の色によって、その第2のセラミックグリーンシート2に用いられているワックス成分の識別が容易である。そのため、例えば積層時に用いる第2のセラミックグリーンシート2を間違えるようなミスがより効果的に低減され得る。したがって、より生産性の高いセラミック多層基板の製造方法とすることができる。
着色材としては、例えばアゾ系、キノリン系等の有機系の染料、酸化クロム、酸化モリブデン等の顔料を用いることができる。また、着色材は、必ずしも、第2のセラミックグリーンシート2の全体に含有させる必要はなく、第2のセラミックグリーンシート2の端部分(帯状に成形したものの両端部分等)、または端部分の表面の一部等の、一部のみに添加されていてもよい。
また、複数の第2のセラミックグリーンシート2のそれぞれにおいて用いられているワックス成分の識別は、他の手段で行なうようにしてもよい。例えば、ワックス成分の種類に応じて、第2のセラミックグリーンシート2の露出した表面(主面)に識別用の符号をインクジェット等の方法で印刷するようにしてもよい。印刷するものとしては、例えば上記のような有機系の染料等を用いることができる。
また、積層体を得る工程において、上記実施の形態の例のように、それぞれ第1の複数のセラミックグリーンシート1のうち一枚と、第2の複数のセラミックグリーンシート2のうち一枚とを含む複数の二層シート1Aを積層して加熱および加圧を行なうようにしてもよい。また、二層シート1Aは、第1のセラミックグリーンシート1の主面に印刷された金属ペースト4をさらに含んでいてもよい。
言い換えれば、第2のセラミックグリーンシート2ではなく第1のセラミックグリーン
シート1の主面に金属ペースト4を印刷して、積層体を作製するようにしてもよい。第1のセラミックグリーンシート1は、金属ペースト4の印刷性等の点において、第2のセラミックグリーンシート2よりも良好であるため、金属ペースト4の印刷がより容易である。また、印刷した金属ペースト4におけるにじみ、広がり等の不具合が発生しにくい。
シート1の主面に金属ペースト4を印刷して、積層体を作製するようにしてもよい。第1のセラミックグリーンシート1は、金属ペースト4の印刷性等の点において、第2のセラミックグリーンシート2よりも良好であるため、金属ペースト4の印刷がより容易である。また、印刷した金属ペースト4におけるにじみ、広がり等の不具合が発生しにくい。
金属ペースト4は、例えば前述した配線導体等の導体14となるものである。金属ペースト4が積層体3と同時焼成されて、例えばタングステン等の金属材料(メタライズ層)からなる導体14が形成される。
このような金属ペースト4が印刷される場合でも、前述したように、積層時の加熱より柔軟性が向上する複数の第2のセラミックグリーンシート2が、複数の第1のセラミックグリーンシート1の間に設けられているため、金属ペースト4の厚みが第2のセラミックグリーンシート2によって吸収され得る。そのため、第1および第2のセラミックグリーンシート1、2(複数の二層シート1A)同士の上下の密着性が高い。
なお、前述したように、以上の例では複数の二層シート1Aを上下に積層することによって積層体3を作製している。この例のような場合には、あらかじめ作製しておいた複数の二層シート1Aを、それぞれ、従来技術の一枚のセラミックグリーンシート(図示せず)と同様に扱い、切断および金属ペースト4の印刷等の加工を施すことができる。そのため、例えば複数の第1および第2のセラミックグリーンシート1、2をそれぞれ、加工し積層するような場合に比べて、積層体3およびセラミック多層基板の生産性等の点で有利である。
1・・・・第1のセラミックグリーンシート
1A・・・二層シート
2・・・・第2のセラミックグリーンシート
3・・・・積層体
4・・・・金属ペースト
11・・・・絶縁層
12・・・・絶縁層
13・・・・絶縁基体
14・・・・導体
15・・・・電子部品
1A・・・二層シート
2・・・・第2のセラミックグリーンシート
3・・・・積層体
4・・・・金属ペースト
11・・・・絶縁層
12・・・・絶縁層
13・・・・絶縁基体
14・・・・導体
15・・・・電子部品
Claims (6)
- 第1の複数のセラミックグリーンシートの間にワックス成分を含む第2の複数のセラミックグリーンシートを設けた状態で加熱および加圧することによって積層体を得る工程と、前記積層体を焼成する工程とを有しており、
前記ワックス成分の融点を、前記積層体の積層方向の中央部分に位置する前記第2のセラミックグリーンシートにおいて、前記積層体の前記積層方向の上端部分および下端部分に位置する前記第2のセラミックグリーンシートよりも低くすることを特徴とするセラミック多層基板の製造方法。 - 前記第2のセラミックグリーンシートに含まれる前記ワックス成分の融点を、前記積層体における前記積層方向の前記上端部分および前記下端部分のそれぞれから前記中央部分にかけて、次第に低くすることを特徴とする請求項1記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 前記ワックス成分である前記有機材料として高級アルコールを用い、該高級アルコールの分子量を互いに異ならせることにより、前記ワックス成分の前記融点を互いに異ならせることを特徴とする請求項1または請求項2記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 前記高級アルコールの一つして、ステアリルアルコールを用いることを特徴とする請求項3記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 前記複数の第2のセラミックグリーンシートを作製する工程において、前記複数の第2のセラミックグリーンシートのそれぞれに、前記ワックス成分の種類に対応した着色材を添加することを特徴とする請求項1記載のセラミック多層基板の製造方法。
- 前記積層体を得る工程において、それぞれ前記第1の複数のセラミックグリーンシートのうち一枚と、前記第2の複数のセラミックグリーンシートのうち一枚とを含む複数の二層シートを積層して加熱および加圧を行なっており、前記二層シートは、前記第1のセラミックグリーンシートの主面に印刷された金属ペーストをさらに含むことを特徴とする請求項1記載のセラミック多層基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012256397A JP2014103366A (ja) | 2012-11-22 | 2012-11-22 | セラミック多層基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012256397A JP2014103366A (ja) | 2012-11-22 | 2012-11-22 | セラミック多層基板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014103366A true JP2014103366A (ja) | 2014-06-05 |
Family
ID=51025588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012256397A Pending JP2014103366A (ja) | 2012-11-22 | 2012-11-22 | セラミック多層基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014103366A (ja) |
-
2012
- 2012-11-22 JP JP2012256397A patent/JP2014103366A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4991158B2 (ja) | 電子部品の製造方法 | |
JP2006237266A (ja) | 電子部品の製造方法 | |
JP2011096754A (ja) | 支持フィルムおよびこれを用いた配線基板の製造方法、ならびに配線基板 | |
JP2014103366A (ja) | セラミック多層基板の製造方法 | |
JP2007266042A (ja) | 積層構造体の製造方法 | |
JP4721742B2 (ja) | 電子部品の製造方法 | |
JP4471924B2 (ja) | 電子部品の製造方法 | |
JP4493158B2 (ja) | セラミック回路基板 | |
JP4095468B2 (ja) | ガラスセラミック基板の製造方法 | |
JP2006310805A (ja) | 電子部品の製造方法 | |
JP4726566B2 (ja) | 電子部品の製造方法 | |
JP4003011B2 (ja) | キャビティ付き多層セラミック基板およびその製造方法 | |
JP5526818B2 (ja) | プリント配線板 | |
JP4336164B2 (ja) | 複合シートの製造方法、複合積層体の製造方法及びセラミック基板の製造方法 | |
JP4610185B2 (ja) | 配線基板並びにその製造方法 | |
JP2009099600A (ja) | 受動素子シート、これを実装した回路配線基板及びその製造方法 | |
JP4404366B2 (ja) | 多層セラミック基板の製造方法および多層セラミック基板 | |
TW200911072A (en) | Multi-layer ceramic substrate with embedded cavity and manufacturing method thereof | |
JP6005942B2 (ja) | セラミック多層基板の製造方法 | |
JP2013168630A (ja) | セラミック多層基板の製造方法、接着用セラミックシート、接着用セラミックシート付き未焼成セラミックシート | |
JP3811381B2 (ja) | ガラスセラミック基板の製造方法 | |
JP4804110B2 (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP5409334B2 (ja) | 配線基板の製造方法 | |
JP2006100499A (ja) | 導体形成用シートおよび導体の形成方法ならびに電子部品の製造方法 | |
JP5451365B2 (ja) | 配線基板の製造方法 |