JP2014103160A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ出力の低下を防ぐことができ、レーザ特性への悪影響の懸念を低減できる半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】半導体レーザ装置は、搭載部と、搭載部上に搭載されたサブマウント(20)と、サブマウント(20)に接合材(22,23)を介して実装された半導体レーザ素子とを備え、半導体レーザ素子は、半導体基板と、半導体基板の一表面に接続されていると共に、レーザ光を出射するレーザ光出射端面が形成されたレーザ発光部とを有し、接合材(22,23)のレーザ光出射端面側の幅(Wf1,Wf2)は、接合材(22,23)のレーザ光出射端面とは反対側の幅(Wb1,Wb2)よりも広くなっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、光ディスクへの情報の記録、または、光ディスクに記録された情報の再生を行う光情報処理機器などに用いられる半導体レーザ装置に関する。
近年、CD(コンパクトディスク)とDVD(デジタル万能ディスク)の2種類の光ディスクに対して情報の記録および再生が可能な光ピックアップ装置や、CD、DVDおよびBD(ブルレイディスク(登録商標))の3種類の光ディスクに対して情報の記録および再生が可能な光ピックアップ装置が広く普及している。
従来から、このような複数種類の光ディスクに対応した光ピックアップ装置では、各光ディスクに対応した波長のレーザ光を出射可能な半導体レーザ装置が搭載されている。
近年の光ピックアップ装置では、高速記録を可能とするために、半導体レーザ装置の高出力化が求められており、そのためにも、半導体レーザ装置の放熱特性をいかに改善するかが課題となっている。
このような課題を解決するために、例えば特許文献1(特開2005−311147号公報)では、放熱性に優れたフレームタイプの半導体レーザ装置が開示されている。
図5(a)は上記半導体レーザ装置を上方から見た図であり、図5(b)は上記半導体レーザ装置を側方から見た図であり、図5(c)は上記半導体レーザ装置を下方から見た図である。
上記半導体レーザ装置は、図5(a)〜図5(c)に示すように、金属製のリードフレーム70と、電極となる複数のリード71と、リードフレーム70および複数のリード71を一体的に保持する樹脂製の保持部72とを備えている。
上記リードフレーム70は、素子搭載部70a、リード部70bおよびタイバー部70cを有している。この素子搭載部70aには、ダイボンドペースト(図示せず)およびサブマウント74を介して半導体レーザ素子75が搭載されている。
上記半導体レーザ素子75は、Au(金)線からなるワイヤ(図示せず)によって、リード部70bおよびリード71と電気的に接続されている。
このような半導体レーザ装置は、素子搭載部70aの裏面が保持部72から露出するように構成されると共に、素子搭載部70aの裏面に沿って素子搭載部70aから突出するようにタイバー部70cが設けられている。これにより、半導体レーザ素子75の動作時に、素子搭載部70aおよびタイバー部70cが放熱部として機能し、半導体レーザ装置の放熱特性が向上している。
特開2005−311147号公報
従来の半導体レーザ装置の実装工程において、半導体レーザ素子とサブマウントは、サブマウント上面に配置されたAuSn(金錫)から成る接合材によって接続されると共に、サブマウントとリードフレームとは、リードフレームに塗布された、Ag(銀)を主成分とするダイボンドペーストによって接着される場合がある。
上記半導体レーザ装置の高出力化を行う場合、半導体レーザ素子とサブマウント、サブマウントとリードフレームが、それぞれ放熱性を損なうことなく接続されていることが好ましい。
放熱性が低い半導体レーザ装置を駆動させた場合、発熱による発光効率の減少によって、レーザ出力の低下が引き起こされ、このような状態の半導体レーザ装置を備えた電子機器では、機能が低下したり、誤作動が発生したりするといった不具合が発生する恐れがあるという問題があった。
また、上記半導体レーザ素子とサブマウントの接合材には熱膨張係数の違いがあり、実装後は発光部および共振器方向に伸びた導波路に応力が加わっている。この応力が、レーザ光の偏光特性および放射特性や、半導体レーザ素子の寿命特性に悪影響を及ぼすことが懸念されるという問題もあった。
そこで、本発明の課題は、レーザ出力の低下を防ぐことができ、レーザ特性への悪影響の懸念を低減できる半導体レーザ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の半導体レーザ装置は、
搭載部と、
上記搭載部上に搭載されたサブマウントと、
上記サブマウントに接合材を介して実装された半導体レーザ素子と
を備え、
上記半導体レーザ素子は、
上記半導体基板と、
上記半導体基板の一表面に接続されていると共に、レーザ光を出射するレーザ光出射端面が形成されたレーザ発光部と
を有し、
上記接合材の上記レーザ光出射端面側の幅は、上記接合材の上記レーザ光出射端面とは反対側の幅よりも広くなっていることを特徴としている。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記半導体レーザ素子は、上記接合材に接触する電極を上記レーザ発光部の上記サブマウント側に有し、
上記接合材の上記レーザ光出射端面側の幅は、上記電極の上記レーザ光出射端面側の幅に対して−10μm〜10μmの範囲内に入る。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記半導体レーザ素子は、上記接合材に接触する電極を上記レーザ発光部の上記サブマウント側に有し、
上記電極の形状は上記接合材の形状の相似形状である。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記サブマウントの上記半導体レーザ素子側の表面において、上記半導体レーザ素子を実装するための領域以外には、上記半導体レーザ素子の共振器長方向に垂直な面に関して非対称形状となるパターンが設けられている。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記レーザ光出射端面近傍に設けられた上記パターンの形状は矩形状である。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記レーザ発光部は、発振波長が異なるまたは同一の複数のレーザ光が照射可能に構成されている。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記サブマウントの上記半導体レーザ素子側の表面には、上記接合材の幅方向において隣り合う溝が設けられている。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記サブマウントは、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、炭化シリコンまたは銅が主材料である。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記接合材は、金錫半田、錫銀銅半田または銀半田である。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記接合材の厚さが1μm〜3μmの範囲内である。
本発明の半導体レーザ装置は、搭載部と、この搭載部上に搭載されたサブマウントと、上記サブマウントに接合材を介して実装された半導体レーザ素子とを備え、半導体レーザ素子は、半導体基板と、この半導体基板の一表面に接続されていると共に、レーザ光を出射するレーザ光出射端面が形成されたレーザ発光部とを有し、接合材のレーザ光出射端面側の幅は、接合材の上記レーザ光出射端面とは反対側の幅よりも広くなっていることによって、レーザ光出射端面の放熱性を向上させることができるので、レーザ出力の低下を防ぐことができる。
また、上記接合材のレーザ光出射端面側の幅よりも、接合材の上記レーザ光出射端面とは反対側の幅が狭いことによって、レーザ発光部に加わる応力が大きくなるのを防ぐことができるので、レーザ特性への悪影響の懸念を低減できる。
図1は本発明の一実施形態の半導体レーザ装置の模式斜視図である。 図2は上記実施形態の半導体レーザ素子の模式斜視図である。 図3は上記実施形態のサブマウントの模式斜視図である。 図4は上記実施形態の接合材の模式上面図である。 図5(a)は従来の半導体レーザ装置の上面図であり、図5(b)は上記半導体レーザ装置の側面図であり、図5(c)は上記半導体レーザ装置の下面図である。
以下、本発明の半導体レーザ装置を図示の実施形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の半導体レーザ装置を斜め上方から見た模式図である。
上記半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子10、サブマウント20および保持台31を備えている。このサブマウント20は保持台31に搭載されている。また、半導体レーザ素子10は接合材22,23(図3に示す)を介してサブマウント20に実装されている。なお、保持台31は搭載部の一例である。
図2は、上記半導体レーザ素子10を斜め上方から見た模式図である。
上記半導体レーザ素子10は、略直方体形状に形成された半導体基板11と、この半導体基板11の厚み方向Z1の一表面(図2中の下面)に接続されたレーザ発光部12,13とを有している。
上記半導体基板11は、N型のGaAsによって略直方体形状に形成され、本実施形態では、幅方向X1の寸法が250μm、出射方向Y1の寸法が1500μm、厚み方向Z1の寸法が85μmとなるように形成されている。
上記第1のレーザ発光部12には、出射方向Y1に沿うようにレーザ光を出射する第1のレーザ光出射端面12aが形成されている。一方、レーザ発光部13には、出射方向Y1に沿うようにレーザ光を出射するレーザ光出射端面13aが形成されている。このレーザ発光部12,13は、出射方向Y1に平行に延設され、溝底が半導体基板11に形成される分離溝15によって互いに分離されて、ストライプ状に設けられている。
また、上記レーザ発光部12,13は、その形状および大きさが互いに略等しくなるように形成され、本実施形態では、互いに発振波長の異なるレーザ光を出射するように構成されている。より詳しくは、レーザ発光部12はAlGaInP系の半導体層で構成され、レーザ光出射端面12aから発振波長785nmのレーザ光が出射されるようになっている。一方、レーザ発光部13はAlGaInP系の半導体層で構成され、レーザ光出射端面13aから発振波長が660nmのレーザ光が出射されるようになっている。すなわち、半導体レーザ素子10は2波長型のレーザチップである。また、レーザ発光部12,13は、それぞれ、リッジ導波路型に形成されている。
また、上記半導体レーザ素子10は、半導体基板11のレーザ発光部12,13とは反対側(図2中の上側)に金属電極14を有する一方、レーザ発光部12,13の半導体基板11とは反対側(図2中の下側)に金属電極15,16を有する。なお、金属電極15,16は電極の一例である。
上記金属電極14は、半導体基板11の厚み方向Z1の他表面(図2中の上面)の表面全体に形成されている。
上記金属電極15,16は、互いに電気的に接続されないように形成されている。この金属電極15,16は、それぞれ、Au(金)から成るめっき電極を含んでいる。また、金属電極15,16は、誘電体層16を覆うように形成されて、リッジ部12b,13bの一部であって誘電体層16で覆われないコンタクト層に電気的に接続されている。
また、上記レーザ発光部12,13は、半導体基板11の厚み方向Z1の一表面に収まる範囲内で、レーザ発光部12の発光点とレーザ発光部13の発光点との間隔が200μm以下となるように形成されるのがよい。本実施形態では、上記間隔が110μmとなるように、レーザ発光部12,13が形成されている。このように、上記間隔を200μm以下にすることにより、レーザ発光部12,13で発生した熱を、効率よくサブマウント20へ逃がすことができる。
図3は、上記サブマウント20を斜め上方から見た模式図である。
上記サブマウント20は、直方体形状に形成される基体21を備え、基体21の厚み方向Z2の一方の表面(図3中の上面)は、半導体レーザ素子10が実装される実装面21aとなっている。また、実装面21a上には、2つの接合材22,23と、2つのボンディングパッド24,25とが設けられている。
上記基体21は、例えば、幅方向X2の寸法が600μm、長手方向Y2の寸法が1500μm、厚み方向Z2の寸法が300μmとなるように形成されている。この基体21は、AlN(窒化アルミニウム)、C(ダイヤモンド)、SiC(炭化シリコン)またはCu(銅)のうちのいずれか1つから成っている。
上記AlN、C、SiCおよびCuは、熱伝導性に優れているので、これらの材料から成るサブマウント20は、実装される半導体レーザ素子10において発生する熱を、効率良く放散させることができる。
上記接合材22,23は半導体レーザ素子10の金属電極15,16が接合される。この2つの接合材22,23は、実装面21aの幅方向X2の中間部分において、長手方向Y2に平行に延び、互いに所定の間隔を空けて形成されている。また、接合材22,23の厚さは1μm〜3μmの範囲内である。
上記接合材22,23は、それぞれ、ろう材として使用するAuSn(金錫)半田から成り、幅方向X2の寸法が200μm、長手方向Y2の寸法が1500μmとなるように形成されている。また、接合材22,23は、それぞれ、自身の幅方向X2の中央を通って長手方向Y2に平行な直線に関して対称な形状、かつ、実装面21aの長手方向Y2の中央を通って幅方向X2に平行な面に関して非対称な形状となっている。より詳しくは、接合材22,23は、前側(レーザ光出射端面12a,13a側)の幅Wf1,Wf2の寸法が100μm、後側(レーザ光出射端面12a,13aとは反対側)の幅Wb1,Wb2の寸法が80μmの台形状を呈している。この寸法は半導体レーザ素子10に形成される金属電極15,16と対応させている。
また、上記接合材22と接合材23との間隔は、半導体レーザ素子10に形成される分離溝15の溝幅に応じて決定される。各接合材22,23は、この間隔が最も狭くなるところで80μm以下となるように形成されるのが好ましく、本実施形態では、間隔が最も狭くなるところで20μmとなっている。このように、上記間隔が最も狭くなるところで80μm以下とすることにより、レーザ発光部12,13で発生した熱を、効率よくサブマウント20へ逃がすことができる。
上記ボンディングパッド24,25の表面には、3つの矩形状のマーカ26,27,28が設けられている。このマーカ26,27,28は、半導体レーザ素子10を実装するための領域以外に設けられている。別の言い方をすれば、マーカ26,27,28は、厚み方向Z2において半導体レーザ素子10と重ならないようになっている。また、マーカ26,27,28は、実装面21aの長手方向Y2の中央を通って幅方向X2および厚み方向Z2に平行な面に関して非対称な形状を呈している。すなわち、マーカ26,27,28は、半導体レーザ素子10の共振器長方向に垂直な面に関して非対称形状を呈している。なお、マーカ26,27,28はパターンの一例である。
また、上記実装面21aには、接合材22,23の幅方向X2において隣り合う溝29が設けられている。すなわち、上記接合材22と接合材23との間には溝29が設けられている。この溝29は、基体21の長手方向Y2の一端から他端まで延びており、ボンディングパッド24,25で覆われてない。
また、上記ボンディングパッド24,25は、接合材22,23に対応するように設けられている。すなわち、ボンディングパッド24は接合材22と電気的に接続されている一方、ボンディングパッド25は接合材25と電気的に接続されている。また、ボンディングパッド24,25は、接合材22,23の長手方向Y2の一端部から他端部に亘って、接合材22,23に接触するように設けられている。また、図1に示すように、ボンディングパッド24,25は、金線からなるボンディングワイヤ32,33の一端部が固着されている。
上記保持台31は、サブマウント20が搭載される平坦な搭載面31aを有する。この搭載面31a上には、ボンディングワイヤ32の他端部が固着される端子36と、ボンディングワイヤ33の他端部が固着される端子37とが設けられている。また、搭載面31aには、ダイボンドペースト35を介してサブマウント20がダイボンディングされている。また、搭載面31aは、金線からなるボンディングワイヤ34を介して半導体レーザ素子10と電気的に接続されている。すなわち、搭載面31aは、ワイヤボンディングされる領域(以下、「ワイヤボンディング領域」と称する)を含んでいる。
図4は、上記接合材22,23を上方から見た模式図である。なお、図4では、接合材22,23と金属電極15,16との関係を説明するため、金属電極15,16の外形を二点鎖線で示している。
上記金属電極15,16の形状は接合材22,23の形状の相似形状である。より詳しくは、金属電極15,16の平面形状は接合材22,23の平面形状を縮小したものに相当する。より詳しくは、金属電極15,16は、前側の幅Wf11,Wf12の寸法が90μmとなっている一方、後側の幅Wb11,Wb12の寸法が80μmの台形状を呈している。
上記構成の半導体レーザ装置では、半導体レーザ素子10のレーザ発光部12,13がサブマウント20に対向するような姿勢で、すなわち、ジャンクションダウン方式で、半導体レーザ素子10がサブマウント20の実装面21aに実装されている。また、ダイボンドペースト35を使って、サブマウント20の実装面21aとは反対側の表面が保持台31の搭載面31aにダイボンディングされている。その結果、レーザ発光部12,13で発生する熱は、サブマウント20によって効率よく放散され、レーザ発光部12,13の温度上昇が抑制される。したがって、上記半導体レーザ装置は、OA(Office Automation)機器(例えばレーザプリンタ)および光情報処理機器(例えば光ファイバ通信システム、光計測システムおよび光ディスク装置)などの電子機器に好適に用いることができる。
また、上記接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13a側の幅Wf1,Wf2が、接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13aとは反対側の幅Wb1,Wb2よりも広くなっているので、レーザ光出射端面12a,13aの放熱性を向上させることができる。したがって、レーザ出力の低下を防ぐことができる。
また、上記接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13a側の幅Wf1,Wf2よりも、接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13aとは反対側の幅Wb1,Wb2が狭いので、レーザ発光部12,13に加わる応力が大きくなるのを防ぐことができる。その結果、レーザ特性への悪影響の懸念を低減できる。
また、上記接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13a側の幅Wf1,Wf2は、金属電極15,16のレーザ光出射端面12a,13a側の幅Wf11,Wf12に対して−10μm〜10μmの範囲内に入るので、実装精度内であれば、金属電極15,16のレーザ光出射端面12a,13a側の端部と接合材22,23との良好な接触を確実に得ることができる。
また、上記金属電極15,16の形状は接合材22,23の形状の相似形状であるので、放熱性を低下させることなく、また、接合材22,23からの歪が共振器方向に均等に加わるため、特性のばらつきを抑えることができる。
また、上記実装面21a上において、半導体レーザ素子10が実装される領域以外には、半導体レーザ素子10の共振器長方向に垂直な面に関して非対称形状となるパターン26,27,28が設けられているので、サブマウント20の前部および後部を確認しながら、半導体レーザ素子10の実装を行える。
また、上記レーザ光出射端面12a,13a近傍に設けられたパターン26,27の形状は矩形状であるので、このパターン26,27を実装時に画像認識することができる。したがって、上記画像認識の結果に基づいて、サブマウント20に対する半導体レーザ素子10の位置を調整した場合、サブマウント20に対する半導体レーザ素子10の幅方向X1および出射方向Y1の実装精度を向上させることができる。
また、上記レーザ発光部12,13は、互いに発振波長の異なるレーザ光を出射するように構成されているので、2種類の光ディスクに対応できる。
また、上記接合材22と接合材23との間に溝29が設けられているので、接合材22,23の幅方向(サブマウント20の幅方向X2)への接合材22,23の拡がりを防ぐことができる。したがって、上記半導体レーザ装置を複数製造した場合、複数の半導体レーザ装置のレーザ特性を均一化することができると共に、金属電極15,16の短絡を防ぐことができる。
また、上記基体21は、AlN、C、SiCまたはCuのうちのいずれか1つから成っているので、放熱度の高いサブマウント20を用いることで高温特性が優れた半導体レーザ装置を提供できる。
また、上記接合材22,23は金錫半田から成っているので、特殊な接合技術は必要とせず、比較的簡単に実装することができる。
また、上記接合材22,23の厚さが1μm〜3μmの範囲内であるので、接合強度を保ち、放熱性が優れた半導体レーザ装置の製造が可能となる。厚さ3μm以上になると、各チャンネルが接合材22,23の拡がりにより短絡することが懸念される。
以下、上記半導体レーザ装置の製造工程について詳細に説明する。
まず、上記実装面21aが鉛直上方に臨むような姿勢で、サブマウント20の幅方向X2の両側を一対のヒータブロックによって保持する。一方、半導体レーザ素子10は、図示しないロボットによって、各金属電極15,16が鉛直下方に臨むような姿勢で吸着把持され、サブマウント20の上方まで搬送される。そして、半導体レーザ素子10は、金属電極15,16が接合材22,23にそれぞれ対向するように位置合わせされる。この位置合わせは、一対のヒータブロックによって保持されたサブマウント20の鉛直上方および鉛直下方、並びに、半導体レーザ素子10の出射方向Y1にそれぞれ設置されたCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)カメラによって、接合材22,23および半導体レーザ素子10を撮像し、この撮像画像を画面上で視認しながら作業者によって行われる。
具体的には、作業者は、まず、サブマウント20の鉛直上方に設置されたCCDカメラによる撮像画像に基づいて、半導体レーザ素子10の出射方向Y1とサブマウント20の長手方向Y2とが平行になるように、上記ロボットを操作して、半導体レーザ素子10を鉛直軸線まわりに回転させる。このとき、半導体レーザ素子10の出射方向Y1とサブマウント20の長手方向Y2とが平行になっているか否かは、半導体レーザ素子10の金属電極13表面における出射方向Y1に平行な一縁辺と、接続電極22の延びる方向とが平行になっているかによって判断する。
上記サブマウント20の半導体レーザ素子10側には、図3に示されるように、矩形状のマーカ26,27,28が形成されている。サブマウント20の鉛直上方に設置したCCDカメラによる撮像画像に基づいて、マーカ形状を上記ロボットに認識させることで、半導体レーザ素子10とサブマウント20との平行度の精度を向上させて位置合わせを行うことができる。
上記レーザ光出射端面12a,13a側において、マーカ26と実装前(溶融前)の接合材22の間隔、および、マーカ27と実装前(溶融前)の接合材23の間隔は、実装前の接合材22と実装前の接合材23の間隔の半分に設定されている。これと同様に、レーザ光出射端面12a,13aとは反対側においても、マーカ28と実装前の接合材22の間隔は、実装前の接合材22と実装前の接合材23の間隔の略半分に設定されている。その結果、実装後の接合材22,23がマーカ26,27,28まで拡がっていれば、接合材22,23が短絡していること、すなわち、2つのレーザ発光部12,13が短絡していることが容易に判定できる。
また、上記マーカ26,27はレーザ光出射端面12a,13a側に設けられている一方、マーカ28はレーザ光出射端面12a,13aとは反対側に設けられていることにより、マーカ数でサブマウント20の前後方向を容易に識別することができる。
また、上記実装前の接合材22,23の厚さは、実装後の接合材22,23の厚さが1μm〜3μmの範囲内に入るように設定されている。
このようにして平行度についての位置合わせが行われると、次に、作業者は、半導体レーザ素子10の出射方向Y1に設置されたCCDカメラによる撮像画像に基づいて、接合材22,23の位置と金属電極15,16の位置とが、半導体レーザ装置の幅方向X1において一致するように、上記ロボットを操作して、半導体レーザ素子10を水平移動させる。
上記半導体レーザ素子10を搬送および位置合わせしている間に、一対のヒータブロックを、ろう材から成る接合材22,23を溶融するための予め定める温度に加熱しておく。予め定める温度とは、例えば300℃である。接合材22,23が溶融したところで、位置合わせされた半導体レーザ素子10を鉛直下方に降下させて、溶融した接合材22,23に金属電極15,16を押し付け、接合材22,23と金属電極15,16におけるめっき電極とを合金化させて、急冷固着させる。急冷に際しては、一対のヒータブロックの加熱を停止すると共に、エアー噴出装置によってめっき電極と接合材22,23との接合部分に、局所的にエアーを当てて空冷する。
次に、上記半導体レーザ素子10が実装されたサブマウント20を一対のヒータブロックから取り出して、ロボットなどの搬送装置によって、半導体レーザ素子10が実装されたサブマウント20を搭載すべき保持台31まで搬送し、この保持台31の搭載面31a上に、銀ペーストから成るダイボンドペースト35を用いて固着する。この保持台31は銅や鉄などの材料によって構成され、特に、熱伝導性に優れかつ絶縁性を有する材料である銅によって形成されることが好ましい。
次に、上記サブマウント20のボンディングパッド24,25と保持台31の端子36,37とを、ボンディングワイヤ(金線)32,33によってワイヤボンディングすると共に、半導体レーザ素子10の金属電極14と搭載面31aに規定したワイヤボンディング領域とを、ボンディングワイヤ34によってワイヤボンディングする。
以上の工程を経て半導体レーザ装置の製造工程が終了し、独立駆動の可能な発光点の間隔が110μmである2波長型の半導体レーザ素子10を備える半導体レーザ装置を製造することができる。
なお、上記ボンディングワイヤ32,33,34のワイヤボンディングの終了後に、サブマウント20および半導体レーザ素子10を、透光性を有する合成樹脂材料などによって封止しても構わない。
上記半導体レーザ装置は、実装面21a上に接合材22,23が形成されており、接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13a近傍の部分の幅Wf1,Wf2が広いので、放熱性に優れ、また、接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13aとは反対側の端部の幅Wb1,Wb2が狭いので、導波路部に加わる歪みが小さく、レーザ特性が良好な半導体レーザ装置を提供することができる。
上記実施形態では、互いに発振波長が異なるレーザ光を出射するように構成された2波長型の半導体レーザ素子10を備えた半導体レーザ装置について説明したが、本発明の半導体レーザ装置は、発振波長が同一の複数のレーザ光を出射する半導体レーザ素子を備えてもよい。
上記実施形態では、半導体レーザ装置は、リッジ構造を有する半導体レーザ素子10を備えていたが、いわゆる埋め込み型半導体レーザ素子を備えてもよい。
上記実施形態では、半導体レーザ素子10は、2つのレーザ発光部12,13を有していたが、1つまたは3つ以上のレーザ発光部を有してもよい。
また、上記半導体レーザ素子10を構成する各層の厚さ、材料、発光点の間隔などについても上述の構成に限定されるものではなく、必要とする半導体レーザ素子の特性に応じて適宜設計変更してもよい。例えば、半導体レーザ素子10としては、特定の材料系に限定されるものではなく、GaAs系、AlGaAs系、GaInAs系、GaInAsP系、AlGaInP系、GaN系のいずれの材料系であっても適用可能である。
上記実施形態では、接合材22,23は、金錫半田から成っていたが、錫銀銅半田または銀半田から成ってもよい。
上記実施形態では、基体21は、AlN、C、SiCまたはCuのうちのいずれか1つから成っていたが、電気絶縁性を有し、かつ、熱伝導性の良好な他の材料(例えばSi(シリコン))から成ってもよい。
上記実施形態では、金属電極15,16の平面形状は、接合材22,23の平面形状を縮小したものに相当するようにしていたが、接合材22,23の平面形状を拡大したものに相当するようにしてもよい。
上記実施形態では、金属電極15,16の前側の幅Wf11,Wf12の寸法を、90μmにしていたが、90μmを越え、かつ、110μm以下の寸法としていもよい。
上記実施形態では、金属電極15,16の後側の幅Wb11,Wb12の寸法を、80μmにしていたが、80μmを越え、かつ、100μm以下の寸法としてもよい。
上記実施形態において、接合材22の接合材23とは反対側に、溝29と同様の溝を設けてもよい。
上記実施形態において、接合材23の接合材22とは反対側に、溝29と同様の溝を設けてもよい。
上記実施形態では、レーザ光出射端面12a,13a側に2つのマーカ26,27を設けると共に、レーザ光出射端面12a,13aとは反対側に1つのマーカ28を設けていたが、例えば、レーザ光出射端面12a,13a側に1つのマーカを設けると共に、レーザ光出射端面12a,13aとは反対側に2つのマーカ28を設けてもよい。あるいは、レーザ光出射端面12a,13a側に設けるマーカの数は、レーザ光出射端面12a,13aとは反対側に設けるマーカの数と同じにすると共に、レーザ光出射端面12a,13a側に設けるマーカの形状は、レーザ光出射端面12a,13aとは反対側に設けるマーカの形状と異なるようにしてもよい。
本発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記実施形態と上述の変形例とを適宜組み合わせたものを、本発明の一実施形態としてもよい。また、特開2005−311147号公報のフレームタイプの半導体レーザ装置に本発明を適用できる。
すなわち、本発明の半導体レーザ装置は、
搭載部31と、
上記搭載部31上に搭載されたサブマウント20と、
上記サブマウント20に接合材22,23を介して実装された半導体レーザ素子10と
を備え、
上記半導体レーザ素子10は、
上記半導体基板11と、
上記半導体基板11の一表面に接続されていると共に、レーザ光を出射するレーザ光出射端面12a,13aが形成されたレーザ発光部12,13と
を有し、
上記接合材22,23の上記レーザ光出射端面12a,13a側の幅Wf1,Wf2は、上記接合材22,23の上記レーザ光出射端面12a,13aとは反対側の幅Wb1,Wb2よりも広くなっていることを特徴としている。
上記構成によれば、上記レーザ発光部12,13内の光強度分布は、レーザ光出射端面12a,13aが最も高く、より高い放熱性を必要とする。ここで、上記接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13a側の幅Wf1,Wf2が、接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13aとは反対側の幅Wb1,Wb2よりも広くなっているので、レーザ光出射端面12a,13aの放熱性を向上させることができる。したがって、レーザ出力の低下を防ぐことができる。
また、上記接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13a側の幅Wf1,Wf2よりも、接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13a側とは反対側の幅Wb1,Wb2が狭いので、レーザ発光部12,13に加わる応力が大きくなるのを防ぐことができる。その結果、レーザ特性への悪影響の懸念を低減できる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記半導体レーザ素子10は、上記接合材22,23に接触する電極15,16を上記レーザ発光部12,13の上記サブマウント20側に有し、
上記接合材22,23の上記レーザ光出射端面12a,13a側の幅Wf1,Wf2は、上記電極15,16の上記レーザ光出射端面12a,13a側の幅Wf11,Wf12に対して−10μm〜10μmの範囲内に入る。
上記実施形態によれば、上記接合材22,23のレーザ光出射端面12a,13a側の幅Wf1,Wf2は、電極15,16のレーザ光出射端面12a,13a側の幅Wf11,Wf12に対して−10μm〜10μmの範囲内に入るので、実装精度内であれば、電極15,16のレーザ光出射端面12a,13a側の端部と接合材22,23との良好な接触を確実に得ることができる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記半導体レーザ素子10は、上記接合材22,23に接触する電極15,16を上記レーザ発光部12,13の上記サブマウント20側に有し、
上記電極15,16の形状は上記接合材22,23の形状の相似形状である。
上記実施形態によれば、上記電極15,16の形状は接合材22,23の形状の相似形状であるので、放熱性を低下させることなく、また、接合材22,23からの歪が共振器方向に均等に加わるため、特性のばらつきを抑えることができる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記サブマウント20の上記半導体レーザ素子10側の表面において、上記半導体レーザ素子10を実装するための領域以外には、上記半導体レーザ素子10の共振器長方向に垂直な面に関して非対称形状となるパターン26,27,28が設けられている。
上記実施形態によれば、上記サブマウント20の半導体レーザ素子10側の表面において、半導体レーザ素子10が実装される領域以外には、半導体レーザ素子10の共振器長方向に垂直な面に関して非対称形状となるパターン26,27,28が設けられているので、サブマウント20の前部および後部を確認しながら、半導体レーザ素子10の実装を行うことができる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記レーザ光出射端面12a,13a近傍に設けられた上記パターン26,27の形状は矩形状である。
上記実施形態によれば、上記レーザ発光部12,13近傍に設けられたパターン26,27の形状は矩形状であるので、このパターン26,27を実装時に画像認識することができる。したがって、上記画像認識の結果に基づいて、サブマウント20に対する半導体レーザ素子10の位置を調整した場合、サブマウント20に対する半導体レーザ素子10の前後左右方向の実装精度を向上させることができる。
なお、上記前後左右方向は、サブマウント20の半導体レーザ素子10側の表面に平行な方向である。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記レーザ発光部12,13は、発振波長が異なるまたは同一の複数のレーザ光が照射可能に構成されている。
上記実施形態によれば、上記レーザ発光部12,13は、発振波長が異なるまたは同一の複数のレーザ光が照射可能に構成されているので、マルチレーザ構造が得られる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記サブマウント20の上記半導体レーザ素子10側の表面には、上記接合材22,23の幅方向において隣り合う溝29が設けられている。
上記実施形態によれば、上記サブマウント20の半導体レーザ素子10側の表面には、接合材22,23の幅方向において隣り合う溝29が設けられているので、接合材22,23の幅方向への接合材22,23の拡がりを防ぐことができる。したがって、上記半導体レーザ装置を複数製造した場合、複数の半導体レーザ装置のレーザ特性を均一化することができる。
また、上記マルチレーザ構造が得られる場合、各チャンネルに備えられた電極15,16の短絡の確認を容易に行える効果もある。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記サブマウント20は、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、炭化シリコンまたは銅が主材料である。
上記実施形態によれば、上記サブマウント20が、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、炭化シリコンまたは銅が主材料であるので、放熱度の高いサブマウント20を用いることで高温特性が優れた半導体レーザ装置を提供できる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記接合材22,23は、金錫半田、錫銀銅半田または銀半田である。
上記実施形態によれば、上記接合材22,23は、金錫半田、錫銀銅半田または銀半田であるので、特殊な接合技術は必要とせず、比較的簡単に実装することができる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記接合材22,23の厚さが1μm〜3μmの範囲内である。
上記実施形態によれば、上記接合材22,23の厚さが1μm〜3μmの範囲内であるので、接合強度を保ち、放熱性が優れた半導体レーザ装置の製造が可能となる。厚さ3μm以上になると、各チャンネルが接合材22,23の拡がりにより短絡することが懸念される。
10 半導体レーザ素子
12,13 レーザ発光部
12a,13a レーザ光出射端面
14,15,16 金属電極
20 サブマウント
21 基体
22,23 接合材
24,25 ボンディングパッド
26,27,28 マーカ
29 溝
31 保持台
Wf1,Wf2,Wf11,Wf12,Wb1,Wb2,Wb11,Wb12 幅

Claims (5)

  1. 搭載部と、
    上記搭載部上に搭載されたサブマウントと、
    上記サブマウントに接合材を介して実装された半導体レーザ素子と
    を備え、
    上記半導体レーザ素子は、
    上記半導体基板と、
    上記半導体基板の一表面に接続されていると共に、レーザ光を出射するレーザ光出射端面が形成されたレーザ発光部と
    を有し、
    上記接合材の上記レーザ光出射端面側の幅は、上記接合材の上記レーザ光出射端面とは反対側の幅よりも広くなっていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
    上記半導体レーザ素子は、上記接合材に接触する電極を上記レーザ発光部の上記サブマウント側に有し、
    上記電極の形状は上記接合材の形状の相似形状であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 請求項1または2に記載の半導体レーザ装置において、
    上記サブマウントの上記半導体レーザ素子側の表面において、上記半導体レーザ素子を実装するための領域以外には、上記半導体レーザ素子の共振器長方向に垂直な面に関して非対称形状となるパターンが設けられていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  4. 請求項3に記載の半導体レーザ装置において、
    上記レーザ光出射端面近傍に設けられた上記パターンの形状は矩形状であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載の半導体レーザ装置において、
    上記サブマウントの上記半導体レーザ素子側の表面には、上記接合材の幅方向において隣り合う溝が設けられていることを特徴とする半導体レーザ装置。
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