JP2004146722A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つの半導体レーザチップの厚みに差があっても信頼性良く実装できる構造の半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】第一のサブマウント1と断面形状が凹型の第二のサブマウント8とによって、二種類の半導体レーザ(半導体レーザチップ)2,3を挟み込んだ構造となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】第一のサブマウント1と断面形状が凹型の第二のサブマウント8とによって、二種類の半導体レーザ(半導体レーザチップ)2,3を挟み込んだ構造となっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、次世代の記録メディアとしてDVDが注目されている。一般に、一台のDVDプレーヤーでは、DVDとCDとの両者を互換再生できることが望まれる。そのためには、DVD再生用に波長の短い635nmあるいは650nmの赤色半導体レーザとCD再生用に780nmの近赤外半導体レーザとを搭載する光ピックアップが必要とされている。さらに、装置の小型化のためには、2種類の半導体レーザチップを一つのパッケージの中に組み込んだ集積型光ピックアップの実現が期待されている。しかし、2つの光源を一つのパッケージに組み込んで光学系を共通化するためには、2つの半導体レーザチップの発光点間隔をできるだけ接近させる必要があり、その間隔としては100μm以下が望ましい。
【0003】
従来、発光点間隔を狭くする方法としては、半導体レーザ素子の発光点位置を端部に偏らせた半導体レーザを用いて発光点間隔を狭くする方法が提案されている。
【0004】
しかし、同一のサブマウントに二つの半導体レーザを極めて接近させて実装することは容易ではなかった。
【0005】
一般に、半導体レーザはAlN(窒化アルミ)やシリコンなどのサブマウント材にAu−Sn共晶ハンダでダイボンディングされる。Au−Sn(20wt%)共晶ハンダは、比較的低温の280℃で溶解し、接合強度も強いことから、ダイボンド用のボンド材として広く使用されている。
【0006】
複数の半導体レーザをサブマウントにダイボンディングするのに次の3つの方法が考えられる。すなわち、第1の方法として、融点の異なるハンダ材を用いて、複数の半導体レーザを個別に接着する方法がある。また、第2の方法として、同じ融点のハンダ材を用いて、複数の半導体レーザを同時に接着する方法がある。また、第3の方法として、半導体レーザチップ側にハンダ材を形成して、複数の半導体レーザを個別に接着する方法がある。
【0007】
上記第1の方法に関する従来技術として、例えば特許文献1が知られている。この特許文献1には、図6(a),(b),(c1),(c2)に示すように、二つの半導体レーザ22,23を一つのサブマウント21に実装するにあたり、第一の半導体レーザ22を第一のハンダ材24で接着し、続いて、第一のハンダ材24の融点よりも低い第二のハンダ材25で第二の半導体レーザ23を接着する方法が開示されている。具体的なハンダ材の例としては、低融点ハンダとして、182℃の融点をもつ鉛37%、錫63%の共晶ハンダを用い、また、高融点ハンダとして、低融点ハンダよりも錫の量を63%からずらして融点を高くしたものを用いている。また、低融点ハンダとして、融点が156℃のインジュウムを用いることも示されている。この特許文献1の方法では、第一の半導体レーザ22を高融点ハンダでダイボンドすることで、第一の半導体レーザ22のチップ位置ずれなしに、第二の半導体レーザ23を高精度に接着できると記載されている。しかし、この従来技術では、種類の異なる二種類のハンダ材を使用するために実装工程が煩雑になるという欠点がある。また、3個以上の半導体レーザチップのダイボンディングでは適切なハンダ材を選択することが難しいという欠点もある。また、低融点のハンダは密着強度が弱いという欠点がある。
【0008】
また、上述した第2の方法は、低融点ハンダを使用する必要がないため、その密着性は良好で、また、一回のハンダ付け工程で済むため処理時間が短く、理想的な実装方法であるが、従来の実装装置ではコレットが一本しかないため、複数の半導体レーザを同時に加圧して熱処理することは事実上不可能であった。
【0009】
また、上述した第3の方法は、半導体レーザチップ側にハンダ材が予め形成されているので、コレットも一本で済むため従来の装置を流用できるという利点がある。しかし、Au−Sn共晶ハンダを使ってダイボンディングする場合、それぞれの半導体レーザ毎に加熱・急冷の熱処理を行う必要があり、全体の処理時間が長くなるという欠点がある。また、予め半導体レーザ裏面にハンダを付ける必要があり、半導体レーザの製造コストが高くなるという欠点がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−268387号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、2つの半導体レーザチップの厚みに差があっても信頼性良く実装できる構造の半導体レーザ装置を提供し、また、一回のハンダ付け工程で複数の半導体レーザチップをダイボンドすることの可能な半導体レーザ装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、第一のサブマウントと断面形状が凹型の第二のサブマウントとによって、発光波長が互いに異なる二種類の半導体レーザチップが挟み込まれた構造となっていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、第一のサブマウントよりも第二のサブマウントの方が外形が小さいことを特徴としている。
【0014】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、第一のサブマウントと第二のサブマウントとは、同一材料で形成されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、第二のサブマウントの表面および裏面電極が第二のサブマウントの側面を介して電気的に接続されていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、第二のサブマウントの表面と裏面電極が金属ビアにより電気的に接続されていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項6記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、第二のサブマウントの一方の面に溝が形成されていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項7記載の発明は、発光波長が互いに異なる第一の半導体レーザチップと第二の半導体レーザチップを第一のサブマウント表面の各個別電極上に配置する工程と、第一の半導体レーザチップと第二の半導体レーザチップとにまたがるように断面形状が凹型の導電性の第二のサブマウントを配置する工程と、前記第二のサブマウント上から加圧・熱処理することにより半導体レーザチップと第一のサブマウントとの間にある第一のハンダ層と半導体レーザチップと第二のサブマウントとの間にある第二のハンダ層とを溶融・硬化させて接合する工程とを有していることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1(a),(b)は本発明に係る半導体レーザ装置の第1の構成例を説明するための図である。図1(a),(b)を参照すると、第1の構成例の半導体レーザ装置は、第一のサブマウント1と断面形状が凹型の第二のサブマウント8とによって、二種類の半導体レーザ(半導体レーザチップ)2,3を挟み込んだ構造となっている。
【0021】
そして、第一のサブマウント1の表面には、第一の半導体レーザ2および第二の半導体レーザ3に対応した金を用いた電極パターン4が形成されており、その電極パターン4の一部にハンダ層5が形成されている。
【0022】
ここで、第一のサブマウント1には、半導体レーザチップの主材料であるGaAsと熱膨張係数が近く、熱伝導率の高いシリコン,窒化アルミ,SiCなどの絶縁性サブマウントを使用することができる。また、ハンダ層5の材料(すなわちハンダ材)としては、融点が280℃と比較的低温で溶解し、接合強度も強いAu−Sn(20wt%)などが使用される。また、第二のサブマウント8には、導電性の銅とタングステンの合金、たとえばW−Cu(11wt%)などが用いられ、第二のサブマウント8の半導体レーザ側には第一のサブマウント1と同様のハンダ材が形成されている。
【0023】
一般に、半導体レーザの厚さは約100μm程度が一般的であるが、そのバラツキは±20μm程度ある。したがって、使用する半導体レーザの厚さに差があった場合、押え治具が平板であると、半導体レーザチップが傾いて接合する恐れがある。したがって、本発明では、半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)の厚みに差があっても、確実に押さえるために第二のサブマウント8の断面形状を凹型としている。
【0024】
次に、この第1の構成例の半導体レーザ装置の製造方法について説明する。図1(a)に示すように、第一の半導体レーザ2および第二の半導体レーザ3を、コレット6を用いて、アノード電極を下にして第一のサブマウント1表面のハンダ層5領域に配置する。その後、二つの半導体レーザ2,3をまたいで、断面形状が凹型の第二のサブマウント8をコレット6で吸引しながら二つの半導体レーザ素子2,3上に配置し、10g程度の加重で両方の半導体レーザ2,3を加圧する(図1(a)参照)。第二のサブマウント8の凹部はそれぞれ二つの半導体レーザチップ2,3のほぼ中央を加圧できる形状に形成されている。その後、サブマウント1を300℃まで加熱し、所定時間保持した後、急冷して、ハンダ付け工程を終了する。
【0025】
図2には、本発明の半導体レーザ装置の完成図が示されている。従来では、二種類の半導体レーザチップからのボンディングワイヤーは4本必要であったが、図2からわかるように本発明の半導体レーザ装置では、カソード電極が第二のサブマウント8で共通化されているので、ワイヤー本数を一本減らすことができる。なお、図2において、12はステム,13はヒートシンク,14はワイヤー,15はリードピンである。
【0026】
本発明の半導体レーザ装置の製造方法では、凹型の押え治具を兼ねた第二のサブマウント8を半導体レーザ2,3上にダイボンディングすることで、二つの半導体レーザチップ2,3を同時に加圧して、ハンダ付け処理を行うことができる。従って、従来のように融点の異なるハンダ層を配置した製造コストの高い専用サブマウントを用いたり、あるいは、複雑な工程を用いて半導体レーザチップ側に予めハンダ層を形成する必要も無く、二つの半導体レーザチップ2,3を一回のハンダ付け工程で接合することができる。
【0027】
また、半導体レーザチップ2,3の上面に熱伝導の良好なサブマウント材を接合すれば、半導体レーザチップ発光部の温度上昇を抑えることができ、信頼性を向上させることができる。さらに、機械的,電気的に破損し易い半導体レーザを丈夫なサブマウントで挟み込んだ本発明の光源モジュールは、従来の構造よりも破損しにくく、製品製造時の歩留まりを向上させることができる。
【0028】
図3(a),(b)は本発明に係る半導体レーザ装置の第2の構成例を説明するための図である。なお、図3(a)は斜視図、図3(b)は正面図である。この第2の構成例(図3(a),(b))の半導体レーザ装置も、第1の構成例(図1)の半導体レーザ装置と同様に、発光波長が互いに異なる二つの半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)2,3が、上下から二つのサブマウント1,8で挟み込まれた構造となっている。そして、第一のサブマウント1の表面には、二つの半導体レーザ2,3に対応した金を用いた電極パターン4が形成されており、その電極パターン4の一部にハンダ層5が形成されている。
【0029】
ここで、第一のサブマウント1には、半導体レーザチップの主材料であるGaAsと熱膨張係数が近く、熱伝導率の高いシリコン,窒化アルミ,SiCなどの絶縁性材料が使用される。また、ハンダ層5の材料(すなわちハンダ材)としては、融点が280℃と比較的低温で溶解し、接合強度の強いAu−Sn(20wt%)などが使用される。また、第二のサブマウント8には、第一のサブマウント1と同じ材質のものが使用され、第二のサブマウント8の表裏電極が電気的に接続されるように側面に金属膜9が形成されており、半導体レーザチップ側の面には第二のハンダ層10が形成されている。なお、第二のサブマウント8の大きさは、各半導体レーザのアノード電極からリードを取出す必要性から、第一のサブマウント1よりも小さく設定されている。
【0030】
次に、この第2の構成例の半導体レーザ装置の製造方法について説明する。図3(a)に示すように、第一の半導体レーザ2および第二の半導体レーザ3をコレット6を用いて第一のサブマウント1の表面のハンダ層5領域に、アノード電極を下にして配置する。その後、第二のサブマウント8をコレット6で吸引しながら第二のハンダ層10を下にして二つの半導体レーザ素子2,3上、つまりカソード電極上に配置し、10g程度の加重で半導体レーザ2,3を加圧する。その後、サブマウントを300℃まで加熱し、所定時間保持してハンダ層を溶融した後、急冷してハンダ付け工程を終了する。
【0031】
第1の構成例の半導体レーザ装置が第二のサブマウントとして導電性サブマウントを採用したのに対して、第2の構成例では、第二のサブマウントとして第一のサブマウント1と同じ材質の絶縁性サブマウントを用いている。この第2の構成例のように、第二のサブマウント8として、第一のサブマウント1と同じ材質の絶縁性サブマウントを用いても、第二のサブマウント8の表裏および側面に金属膜を形成することで、第二のサブマウント8を導電性サブマウントとして機能させることが可能となり、また、第一および第二のサブマウント1,8に同じ材質のものを使うことで、熱膨張係数の差を無くし、熱応力を抑えることが可能になる。
【0032】
この第2の構成例においても、第二のサブマウント8は共通カソード電極として機能するため、半導体レーザのカソードからのリード引き出しは、一回のワイヤーボンディングで済むという利点がある。
【0033】
また、第1の構成例と同様に熱伝導率の良好なサブマウント材料を半導体レーザのカソード側にも接合したことで、従来よりも放熱特性が改善され、素子寿命が伸びるという利点もある。さらに、機械的,電気的に破損し易い半導体レーザを、丈夫なサブマウントで挟み込んだ本発明の半導体レーザ装置(例えば光源モジュール)は、従来構造よりも破損しにくく、製品製造時の歩留まりを向上させることができる。
【0034】
図4は本発明に係る半導体レーザ装置の第3の構成例を説明するための図である。この第3の構成例では、図4に示すように、第二のサブマウント8の表面と裏面の金属電極が金属ビア16で電気的に接続されている。
【0035】
このように、第二のサブマウント8の表裏電極を金属ビア16で接続しても、第1,第2の構成例と同じ効果を得ることができる。
【0036】
本発明の半導体レーザ装置は、第二のサブマウント8を半導体レーザチップ2,3上にダイボンディングしたことで、従来よりも放熱効果が高い。
【0037】
図5には、放熱効果をより一層向上させる構造の半導体レーザ装置が示されている。図5の半導体レーザ装置は、第二のサブマウント8の上面に溝17を形成することで、表面積を増大させ、放熱効果を向上させることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1乃至請求項6記載の発明によれば、第一のサブマウントと断面形状が凹型の第二のサブマウントとによって、発光波長が互いに異なる二種類の半導体レーザチップが挟み込まれた構造となっているので、半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)の厚みに差があっても、半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)を確実に押さえることができる。
【0039】
特に、請求項2記載の発明では、第一のサブマウントよりも第二のサブマウントの方が外形が小さくなっており、第二のサブマウントを第一のサブマウントよりもその外形を小さくすることで、第一のサブマウントからのワイヤーボンディングを容易することができる。
【0040】
また、請求項3記載の発明では、第一のサブマウントと第二のサブマウントとは、同一材料で形成されており、第一と第二のサブマウントを同一材料とすることで、ハンダ付け工程で発生する熱膨張係数の差に起因する熱応力を無くすことができる。
【0041】
また、請求項4記載の発明では、第二のサブマウントの表面および裏面電極が第二のサブマウントの側面を介して電気的に接続されているので、第二のサブマウントに絶縁性サブマウントを用いても、第二のサブマウントの表面および裏面電極を側面メタライズすることで、第二のサブマウントを導電性のサブマウントとして機能させることができる。
【0042】
また、請求項5記載の発明では、第二のサブマウントの表面と裏面電極が金属ビアにより電気的に接続されているので、第二のサブマウントに絶縁性サブマウントを用いても、第二のサブマウントの表面および裏面電極を金属ビアにより電気的に接続することで、第二のサブマウントを導電性のサブマウントとして機能させることができる。
【0043】
また、請求項6記載の発明では、第二のサブマウントの一方の面に溝が形成されているので(より具体的には、第二のサブマウントの半導体レーザチップとは反対の面に溝を形成することで)、表面積を増大させ、放熱効果を向上させることができる。
【0044】
また、請求項7記載の発明によれば、発光波長が互いに異なる第一の半導体レーザチップと第二の半導体レーザチップを第一のサブマウント表面の各個別電極上に配置する工程と、第一の半導体レーザチップと第二の半導体レーザチップとにまたがるように断面形状が凹型の導電性の第二のサブマウントを配置する工程と、前記第二のサブマウント上から加圧・熱処理することにより半導体レーザチップと第一のサブマウントとの間にある第一のハンダ層と半導体レーザチップと第二のサブマウントとの間にある第二のハンダ層とを溶融・硬化させて接合する工程とを有しているので、複数の半導体レーザチップを一括して(一回のハンダ付け工程で)接合することができる。すなわち、請求項7記載の発明では、二つの半導体レーザチップにまたがるように形成された断面形状が凹型の第二のサブマウントを用いることで、二つの半導体レーザを一括して加圧・熱処理してサブマウントにダイボンディングすることができる。さらには、導電性の第二のサブマウントを半導体レーザの他方の電極にダイボンディングして共通電極として機能させることで、半導体レーザチップからのワイヤーボンディングのワイヤー本数を一本に減らすことができる。
【0045】
このように、本発明では、断面凹型の第二のサブマウントで波長の異なる二つの半導体レーザチップを同時に押さえ加圧・熱処理することで二つの半導体レーザチップをハンダ付けすることができるので、複雑で高価な実装装置は必要でなく、従来のように融点の異なるハンダ層を配置した製造コストの高い専用サブマウントを用いたり、あるいは、複雑な工程を用いて半導体レーザチップ側にハンダ層を形成すること無く、二つの半導体レーザチップを一回のハンダ付け工程で接合することができて、半導体レーザ装置の製造コストを低減することができる。
【0046】
さらに、二つの半導体レーザチップの押え治具と共通電極を兼用する第二のサブマウントで半導体レーザチップを挟み込んだ本発明の半導体レーザ装置は、第二のサブマウントを共通カソード電極として機能させるので、ボンディングワイヤーを1本減らす効果があり、さらに放熱特性が改善されるので、半導体レーザチップの長寿命化を図ることができる。また、強固なサブマウントで半導体を挟み込んだ構造であるため、破損しにくく取り扱いが容易であり、歩留まりの高い製品を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体レーザ装置の第1の構成例を説明するための図である。
【図2】本発明の半導体レーザ装置の完成図である。
【図3】本発明に係る半導体レーザ装置の第2の構成例を説明するための図である。
【図4】本発明に係る半導体レーザ装置の第3の構成例を説明するための図である。
【図5】放熱効果を一層向上させる構造の半導体レーザ装置を示す図である。
【図6】従来の半導体レーザ装置の製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 第一のサブマウント
2 第一の半導体レーザ
3 第二の半導体レーザ
4 電極パターン
5 第一のハンダ層
6 コレット
7 吸引孔
8 第二のサブマウント
9 金属膜
10 第二のハンダ層
12 ステム
13 ヒートシンク
14 ワイヤー
15 リードピン
16 金属ビア
17 放熱用溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、次世代の記録メディアとしてDVDが注目されている。一般に、一台のDVDプレーヤーでは、DVDとCDとの両者を互換再生できることが望まれる。そのためには、DVD再生用に波長の短い635nmあるいは650nmの赤色半導体レーザとCD再生用に780nmの近赤外半導体レーザとを搭載する光ピックアップが必要とされている。さらに、装置の小型化のためには、2種類の半導体レーザチップを一つのパッケージの中に組み込んだ集積型光ピックアップの実現が期待されている。しかし、2つの光源を一つのパッケージに組み込んで光学系を共通化するためには、2つの半導体レーザチップの発光点間隔をできるだけ接近させる必要があり、その間隔としては100μm以下が望ましい。
【0003】
従来、発光点間隔を狭くする方法としては、半導体レーザ素子の発光点位置を端部に偏らせた半導体レーザを用いて発光点間隔を狭くする方法が提案されている。
【0004】
しかし、同一のサブマウントに二つの半導体レーザを極めて接近させて実装することは容易ではなかった。
【0005】
一般に、半導体レーザはAlN(窒化アルミ)やシリコンなどのサブマウント材にAu−Sn共晶ハンダでダイボンディングされる。Au−Sn(20wt%)共晶ハンダは、比較的低温の280℃で溶解し、接合強度も強いことから、ダイボンド用のボンド材として広く使用されている。
【0006】
複数の半導体レーザをサブマウントにダイボンディングするのに次の3つの方法が考えられる。すなわち、第1の方法として、融点の異なるハンダ材を用いて、複数の半導体レーザを個別に接着する方法がある。また、第2の方法として、同じ融点のハンダ材を用いて、複数の半導体レーザを同時に接着する方法がある。また、第3の方法として、半導体レーザチップ側にハンダ材を形成して、複数の半導体レーザを個別に接着する方法がある。
【0007】
上記第1の方法に関する従来技術として、例えば特許文献1が知られている。この特許文献1には、図6(a),(b),(c1),(c2)に示すように、二つの半導体レーザ22,23を一つのサブマウント21に実装するにあたり、第一の半導体レーザ22を第一のハンダ材24で接着し、続いて、第一のハンダ材24の融点よりも低い第二のハンダ材25で第二の半導体レーザ23を接着する方法が開示されている。具体的なハンダ材の例としては、低融点ハンダとして、182℃の融点をもつ鉛37%、錫63%の共晶ハンダを用い、また、高融点ハンダとして、低融点ハンダよりも錫の量を63%からずらして融点を高くしたものを用いている。また、低融点ハンダとして、融点が156℃のインジュウムを用いることも示されている。この特許文献1の方法では、第一の半導体レーザ22を高融点ハンダでダイボンドすることで、第一の半導体レーザ22のチップ位置ずれなしに、第二の半導体レーザ23を高精度に接着できると記載されている。しかし、この従来技術では、種類の異なる二種類のハンダ材を使用するために実装工程が煩雑になるという欠点がある。また、3個以上の半導体レーザチップのダイボンディングでは適切なハンダ材を選択することが難しいという欠点もある。また、低融点のハンダは密着強度が弱いという欠点がある。
【0008】
また、上述した第2の方法は、低融点ハンダを使用する必要がないため、その密着性は良好で、また、一回のハンダ付け工程で済むため処理時間が短く、理想的な実装方法であるが、従来の実装装置ではコレットが一本しかないため、複数の半導体レーザを同時に加圧して熱処理することは事実上不可能であった。
【0009】
また、上述した第3の方法は、半導体レーザチップ側にハンダ材が予め形成されているので、コレットも一本で済むため従来の装置を流用できるという利点がある。しかし、Au−Sn共晶ハンダを使ってダイボンディングする場合、それぞれの半導体レーザ毎に加熱・急冷の熱処理を行う必要があり、全体の処理時間が長くなるという欠点がある。また、予め半導体レーザ裏面にハンダを付ける必要があり、半導体レーザの製造コストが高くなるという欠点がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−268387号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、2つの半導体レーザチップの厚みに差があっても信頼性良く実装できる構造の半導体レーザ装置を提供し、また、一回のハンダ付け工程で複数の半導体レーザチップをダイボンドすることの可能な半導体レーザ装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、第一のサブマウントと断面形状が凹型の第二のサブマウントとによって、発光波長が互いに異なる二種類の半導体レーザチップが挟み込まれた構造となっていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、第一のサブマウントよりも第二のサブマウントの方が外形が小さいことを特徴としている。
【0014】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、第一のサブマウントと第二のサブマウントとは、同一材料で形成されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、第二のサブマウントの表面および裏面電極が第二のサブマウントの側面を介して電気的に接続されていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、第二のサブマウントの表面と裏面電極が金属ビアにより電気的に接続されていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項6記載の発明は、請求項1記載の半導体レーザ装置において、第二のサブマウントの一方の面に溝が形成されていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項7記載の発明は、発光波長が互いに異なる第一の半導体レーザチップと第二の半導体レーザチップを第一のサブマウント表面の各個別電極上に配置する工程と、第一の半導体レーザチップと第二の半導体レーザチップとにまたがるように断面形状が凹型の導電性の第二のサブマウントを配置する工程と、前記第二のサブマウント上から加圧・熱処理することにより半導体レーザチップと第一のサブマウントとの間にある第一のハンダ層と半導体レーザチップと第二のサブマウントとの間にある第二のハンダ層とを溶融・硬化させて接合する工程とを有していることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1(a),(b)は本発明に係る半導体レーザ装置の第1の構成例を説明するための図である。図1(a),(b)を参照すると、第1の構成例の半導体レーザ装置は、第一のサブマウント1と断面形状が凹型の第二のサブマウント8とによって、二種類の半導体レーザ(半導体レーザチップ)2,3を挟み込んだ構造となっている。
【0021】
そして、第一のサブマウント1の表面には、第一の半導体レーザ2および第二の半導体レーザ3に対応した金を用いた電極パターン4が形成されており、その電極パターン4の一部にハンダ層5が形成されている。
【0022】
ここで、第一のサブマウント1には、半導体レーザチップの主材料であるGaAsと熱膨張係数が近く、熱伝導率の高いシリコン,窒化アルミ,SiCなどの絶縁性サブマウントを使用することができる。また、ハンダ層5の材料(すなわちハンダ材)としては、融点が280℃と比較的低温で溶解し、接合強度も強いAu−Sn(20wt%)などが使用される。また、第二のサブマウント8には、導電性の銅とタングステンの合金、たとえばW−Cu(11wt%)などが用いられ、第二のサブマウント8の半導体レーザ側には第一のサブマウント1と同様のハンダ材が形成されている。
【0023】
一般に、半導体レーザの厚さは約100μm程度が一般的であるが、そのバラツキは±20μm程度ある。したがって、使用する半導体レーザの厚さに差があった場合、押え治具が平板であると、半導体レーザチップが傾いて接合する恐れがある。したがって、本発明では、半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)の厚みに差があっても、確実に押さえるために第二のサブマウント8の断面形状を凹型としている。
【0024】
次に、この第1の構成例の半導体レーザ装置の製造方法について説明する。図1(a)に示すように、第一の半導体レーザ2および第二の半導体レーザ3を、コレット6を用いて、アノード電極を下にして第一のサブマウント1表面のハンダ層5領域に配置する。その後、二つの半導体レーザ2,3をまたいで、断面形状が凹型の第二のサブマウント8をコレット6で吸引しながら二つの半導体レーザ素子2,3上に配置し、10g程度の加重で両方の半導体レーザ2,3を加圧する(図1(a)参照)。第二のサブマウント8の凹部はそれぞれ二つの半導体レーザチップ2,3のほぼ中央を加圧できる形状に形成されている。その後、サブマウント1を300℃まで加熱し、所定時間保持した後、急冷して、ハンダ付け工程を終了する。
【0025】
図2には、本発明の半導体レーザ装置の完成図が示されている。従来では、二種類の半導体レーザチップからのボンディングワイヤーは4本必要であったが、図2からわかるように本発明の半導体レーザ装置では、カソード電極が第二のサブマウント8で共通化されているので、ワイヤー本数を一本減らすことができる。なお、図2において、12はステム,13はヒートシンク,14はワイヤー,15はリードピンである。
【0026】
本発明の半導体レーザ装置の製造方法では、凹型の押え治具を兼ねた第二のサブマウント8を半導体レーザ2,3上にダイボンディングすることで、二つの半導体レーザチップ2,3を同時に加圧して、ハンダ付け処理を行うことができる。従って、従来のように融点の異なるハンダ層を配置した製造コストの高い専用サブマウントを用いたり、あるいは、複雑な工程を用いて半導体レーザチップ側に予めハンダ層を形成する必要も無く、二つの半導体レーザチップ2,3を一回のハンダ付け工程で接合することができる。
【0027】
また、半導体レーザチップ2,3の上面に熱伝導の良好なサブマウント材を接合すれば、半導体レーザチップ発光部の温度上昇を抑えることができ、信頼性を向上させることができる。さらに、機械的,電気的に破損し易い半導体レーザを丈夫なサブマウントで挟み込んだ本発明の光源モジュールは、従来の構造よりも破損しにくく、製品製造時の歩留まりを向上させることができる。
【0028】
図3(a),(b)は本発明に係る半導体レーザ装置の第2の構成例を説明するための図である。なお、図3(a)は斜視図、図3(b)は正面図である。この第2の構成例(図3(a),(b))の半導体レーザ装置も、第1の構成例(図1)の半導体レーザ装置と同様に、発光波長が互いに異なる二つの半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)2,3が、上下から二つのサブマウント1,8で挟み込まれた構造となっている。そして、第一のサブマウント1の表面には、二つの半導体レーザ2,3に対応した金を用いた電極パターン4が形成されており、その電極パターン4の一部にハンダ層5が形成されている。
【0029】
ここで、第一のサブマウント1には、半導体レーザチップの主材料であるGaAsと熱膨張係数が近く、熱伝導率の高いシリコン,窒化アルミ,SiCなどの絶縁性材料が使用される。また、ハンダ層5の材料(すなわちハンダ材)としては、融点が280℃と比較的低温で溶解し、接合強度の強いAu−Sn(20wt%)などが使用される。また、第二のサブマウント8には、第一のサブマウント1と同じ材質のものが使用され、第二のサブマウント8の表裏電極が電気的に接続されるように側面に金属膜9が形成されており、半導体レーザチップ側の面には第二のハンダ層10が形成されている。なお、第二のサブマウント8の大きさは、各半導体レーザのアノード電極からリードを取出す必要性から、第一のサブマウント1よりも小さく設定されている。
【0030】
次に、この第2の構成例の半導体レーザ装置の製造方法について説明する。図3(a)に示すように、第一の半導体レーザ2および第二の半導体レーザ3をコレット6を用いて第一のサブマウント1の表面のハンダ層5領域に、アノード電極を下にして配置する。その後、第二のサブマウント8をコレット6で吸引しながら第二のハンダ層10を下にして二つの半導体レーザ素子2,3上、つまりカソード電極上に配置し、10g程度の加重で半導体レーザ2,3を加圧する。その後、サブマウントを300℃まで加熱し、所定時間保持してハンダ層を溶融した後、急冷してハンダ付け工程を終了する。
【0031】
第1の構成例の半導体レーザ装置が第二のサブマウントとして導電性サブマウントを採用したのに対して、第2の構成例では、第二のサブマウントとして第一のサブマウント1と同じ材質の絶縁性サブマウントを用いている。この第2の構成例のように、第二のサブマウント8として、第一のサブマウント1と同じ材質の絶縁性サブマウントを用いても、第二のサブマウント8の表裏および側面に金属膜を形成することで、第二のサブマウント8を導電性サブマウントとして機能させることが可能となり、また、第一および第二のサブマウント1,8に同じ材質のものを使うことで、熱膨張係数の差を無くし、熱応力を抑えることが可能になる。
【0032】
この第2の構成例においても、第二のサブマウント8は共通カソード電極として機能するため、半導体レーザのカソードからのリード引き出しは、一回のワイヤーボンディングで済むという利点がある。
【0033】
また、第1の構成例と同様に熱伝導率の良好なサブマウント材料を半導体レーザのカソード側にも接合したことで、従来よりも放熱特性が改善され、素子寿命が伸びるという利点もある。さらに、機械的,電気的に破損し易い半導体レーザを、丈夫なサブマウントで挟み込んだ本発明の半導体レーザ装置(例えば光源モジュール)は、従来構造よりも破損しにくく、製品製造時の歩留まりを向上させることができる。
【0034】
図4は本発明に係る半導体レーザ装置の第3の構成例を説明するための図である。この第3の構成例では、図4に示すように、第二のサブマウント8の表面と裏面の金属電極が金属ビア16で電気的に接続されている。
【0035】
このように、第二のサブマウント8の表裏電極を金属ビア16で接続しても、第1,第2の構成例と同じ効果を得ることができる。
【0036】
本発明の半導体レーザ装置は、第二のサブマウント8を半導体レーザチップ2,3上にダイボンディングしたことで、従来よりも放熱効果が高い。
【0037】
図5には、放熱効果をより一層向上させる構造の半導体レーザ装置が示されている。図5の半導体レーザ装置は、第二のサブマウント8の上面に溝17を形成することで、表面積を増大させ、放熱効果を向上させることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1乃至請求項6記載の発明によれば、第一のサブマウントと断面形状が凹型の第二のサブマウントとによって、発光波長が互いに異なる二種類の半導体レーザチップが挟み込まれた構造となっているので、半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)の厚みに差があっても、半導体レーザ素子(半導体レーザチップ)を確実に押さえることができる。
【0039】
特に、請求項2記載の発明では、第一のサブマウントよりも第二のサブマウントの方が外形が小さくなっており、第二のサブマウントを第一のサブマウントよりもその外形を小さくすることで、第一のサブマウントからのワイヤーボンディングを容易することができる。
【0040】
また、請求項3記載の発明では、第一のサブマウントと第二のサブマウントとは、同一材料で形成されており、第一と第二のサブマウントを同一材料とすることで、ハンダ付け工程で発生する熱膨張係数の差に起因する熱応力を無くすことができる。
【0041】
また、請求項4記載の発明では、第二のサブマウントの表面および裏面電極が第二のサブマウントの側面を介して電気的に接続されているので、第二のサブマウントに絶縁性サブマウントを用いても、第二のサブマウントの表面および裏面電極を側面メタライズすることで、第二のサブマウントを導電性のサブマウントとして機能させることができる。
【0042】
また、請求項5記載の発明では、第二のサブマウントの表面と裏面電極が金属ビアにより電気的に接続されているので、第二のサブマウントに絶縁性サブマウントを用いても、第二のサブマウントの表面および裏面電極を金属ビアにより電気的に接続することで、第二のサブマウントを導電性のサブマウントとして機能させることができる。
【0043】
また、請求項6記載の発明では、第二のサブマウントの一方の面に溝が形成されているので(より具体的には、第二のサブマウントの半導体レーザチップとは反対の面に溝を形成することで)、表面積を増大させ、放熱効果を向上させることができる。
【0044】
また、請求項7記載の発明によれば、発光波長が互いに異なる第一の半導体レーザチップと第二の半導体レーザチップを第一のサブマウント表面の各個別電極上に配置する工程と、第一の半導体レーザチップと第二の半導体レーザチップとにまたがるように断面形状が凹型の導電性の第二のサブマウントを配置する工程と、前記第二のサブマウント上から加圧・熱処理することにより半導体レーザチップと第一のサブマウントとの間にある第一のハンダ層と半導体レーザチップと第二のサブマウントとの間にある第二のハンダ層とを溶融・硬化させて接合する工程とを有しているので、複数の半導体レーザチップを一括して(一回のハンダ付け工程で)接合することができる。すなわち、請求項7記載の発明では、二つの半導体レーザチップにまたがるように形成された断面形状が凹型の第二のサブマウントを用いることで、二つの半導体レーザを一括して加圧・熱処理してサブマウントにダイボンディングすることができる。さらには、導電性の第二のサブマウントを半導体レーザの他方の電極にダイボンディングして共通電極として機能させることで、半導体レーザチップからのワイヤーボンディングのワイヤー本数を一本に減らすことができる。
【0045】
このように、本発明では、断面凹型の第二のサブマウントで波長の異なる二つの半導体レーザチップを同時に押さえ加圧・熱処理することで二つの半導体レーザチップをハンダ付けすることができるので、複雑で高価な実装装置は必要でなく、従来のように融点の異なるハンダ層を配置した製造コストの高い専用サブマウントを用いたり、あるいは、複雑な工程を用いて半導体レーザチップ側にハンダ層を形成すること無く、二つの半導体レーザチップを一回のハンダ付け工程で接合することができて、半導体レーザ装置の製造コストを低減することができる。
【0046】
さらに、二つの半導体レーザチップの押え治具と共通電極を兼用する第二のサブマウントで半導体レーザチップを挟み込んだ本発明の半導体レーザ装置は、第二のサブマウントを共通カソード電極として機能させるので、ボンディングワイヤーを1本減らす効果があり、さらに放熱特性が改善されるので、半導体レーザチップの長寿命化を図ることができる。また、強固なサブマウントで半導体を挟み込んだ構造であるため、破損しにくく取り扱いが容易であり、歩留まりの高い製品を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体レーザ装置の第1の構成例を説明するための図である。
【図2】本発明の半導体レーザ装置の完成図である。
【図3】本発明に係る半導体レーザ装置の第2の構成例を説明するための図である。
【図4】本発明に係る半導体レーザ装置の第3の構成例を説明するための図である。
【図5】放熱効果を一層向上させる構造の半導体レーザ装置を示す図である。
【図6】従来の半導体レーザ装置の製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 第一のサブマウント
2 第一の半導体レーザ
3 第二の半導体レーザ
4 電極パターン
5 第一のハンダ層
6 コレット
7 吸引孔
8 第二のサブマウント
9 金属膜
10 第二のハンダ層
12 ステム
13 ヒートシンク
14 ワイヤー
15 リードピン
16 金属ビア
17 放熱用溝
Claims (7)
- 第一のサブマウントと断面形状が凹型の第二のサブマウントとによって、発光波長が互いに異なる二種類の半導体レーザチップが挟み込まれた構造となっていることを特徴とする半導体レーザ装置。
- 請求項1記載の半導体レーザ装置において、第一のサブマウントよりも第二のサブマウントの方が外形が小さいことを特徴とする半導体レーザ装置。
- 請求項1記載の半導体レーザ装置において、第一のサブマウントと第二のサブマウントとは、同一材料で形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
- 請求項1記載の半導体レーザ装置において、第二のサブマウントの表面および裏面電極が第二のサブマウントの側面を介して電気的に接続されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
- 請求項1記載の半導体レーザ装置において、第二のサブマウントの表面と裏面電極が金属ビアにより電気的に接続されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
- 請求項1記載の半導体レーザ装置において、第二のサブマウントの一方の面に溝が形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
- 発光波長が互いに異なる第一の半導体レーザチップと第二の半導体レーザチップを第一のサブマウント表面の各個別電極上に配置する工程と、第一の半導体レーザチップと第二の半導体レーザチップとにまたがるように断面形状が凹型の導電性の第二のサブマウントを配置する工程と、前記第二のサブマウント上から加圧・熱処理することにより半導体レーザチップと第一のサブマウントとの間にある第一のハンダ層と半導体レーザチップと第二のサブマウントとの間にある第二のハンダ層とを溶融・硬化させて接合する工程とを有していることを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
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JP2006294805A (ja) * | 2005-04-08 | 2006-10-26 | Sony Corp | 半導体レーザ装置 |
JP2010166096A (ja) * | 2004-03-30 | 2010-07-29 | Sanyo Electric Co Ltd | 半導体レーザ装置および光装置 |
US9859681B2 (en) | 2015-05-13 | 2018-01-02 | Ricoh Company, Ltd. | Optical device and light irradiation apparatus |
JP2021100062A (ja) * | 2019-12-23 | 2021-07-01 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | レーザ装置 |
-
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- 2002-10-28 JP JP2002312404A patent/JP2004146722A/ja active Pending
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