JP2014101636A - コンクリート構造物のひび割れ防止構造 - Google Patents

コンクリート構造物のひび割れ防止構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2014101636A
JP2014101636A JP2012252622A JP2012252622A JP2014101636A JP 2014101636 A JP2014101636 A JP 2014101636A JP 2012252622 A JP2012252622 A JP 2012252622A JP 2012252622 A JP2012252622 A JP 2012252622A JP 2014101636 A JP2014101636 A JP 2014101636A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concrete
alkali
resistant fiber
crack prevention
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012252622A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6144896B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Saeki
俊之 佐伯
Takayuki Saeki
隆之 佐伯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Materials Corp
Original Assignee
Taiheiyo Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Materials Corp filed Critical Taiheiyo Materials Corp
Priority to JP2012252622A priority Critical patent/JP6144896B2/ja
Publication of JP2014101636A publication Critical patent/JP2014101636A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6144896B2 publication Critical patent/JP6144896B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)

Abstract

【課題】コンクリートとの付着性と曲げタフネスに優れ、優れたひび割れ防止効果を有するコンクリート構造物のひび割れ防止構造、及びひび割れ防止工法の提供。
【解決手段】躯体コンクリートA、耐アルカリ性繊維Bと軽量骨材と保水剤とポリマーを含有する下地モルタル、耐アルカリ性繊維ネットC及び仕上層Dを有してなり、BがAとCの間に介在するか、BがAとDの間に介在し且つCがDに内包される。
【選択図】図6

Description

本発明は、コンクリート構造物のひび割れ防止構造に関する。
集合住宅のようなコンクリート構造物の屋上や、ベランダ等の水が溜まりやすい部分は防水工事を行うとともに、雨水が溜まらないように排水勾配をとる。排水勾配をとるためモルタル施工を行うが、ひび割れが発生すると防水効果が失われるとともに躯体コンクリートとの付着力の低下を招く。ひび割れ防止方法としては、目の開きが2mm以下の繊維ネットを伏せ込む方法が考案されている(特許文献1)。また、ひび割れ防止用の繊維ネットとしては、躯体コンクリートとの付着力を向上させるため融点の違う2種類のポリオレフィン樹脂からなるシート状ネットが考案されている(特許文献2)。また、膨張材を混和したコンクリート表面に収縮低減剤を塗布する工法も提案されている(特許文献3)。
特開2011−73932号公報 特開2002−293588号公報 特開2007−84348号公報
目の開きが2mm以下の繊維ネットは、目の開きが小さすぎ伏せ込んだコンクリートのセメントペースト分が浸透し難く、施工性が低く付着力が得にくい。また、2種類のポリオレフィン樹脂からなるシート状ネットは、ポリオレフィン樹脂がコンクリートに付着しないため、コンクリート中に埋め込まれただけの状態であり、コンクリートとの付着性はコンクリートへの埋め込まれ方に依存することになるとともにポリオレフィン樹脂の引張強度が低いことからひび割れ低減効果が低い。また、特許文献3の工程では、モルタルに比べ乾燥収縮の小さいコンクリートの場合には、膨張材と収縮低減剤の効果が期待できるが、ベランダ、屋上のような直射日光を受ける箇所では蓄熱するため硬化収縮が大きくなり、効果的ではない。また、コンクリートに比べ単位セメント量の大きいモルタルの場合は効果が得られにくい。
従って、本発明の課題は、コンクリートとの付着性と曲げタフネスに優れ、優れたひび割れ防止効果を有するコンクリート構造物のひび割れ防止構造、及びひび割れ防止工法を提供することにある。
そこで本発明者は、コンクリートとの付着性と曲げタフネスの両者を満足する構造体を開発すべく種々検討したところ、下地モルタルとして耐アルカリ性繊維と軽量骨材を含有するモルタルを採用し、かつ耐アルカリ性繊維ネットをモルタル内部ではなくモルタル表層部に伏せ込み、仕上層を形成させれば、コンクリートとの付着性に優れ、かつ曲げタフネスが飛躍的に向上し、優れたコンクリート構造物のひび割れ防止構造が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下[1]〜[7]を提供するものである。
[1](A)躯体コンクリート、(B)耐アルカリ性繊維と軽量骨材と保水剤とポリマーを含有する下地モルタル、(C)耐アルカリ性繊維ネット及び(D)仕上層を有してなり、(B)が(A)と(C)の間に介在するか、(B)が(A)と(D)の間に介在し且つ(C)が(D)に内包されることを特徴とするコンクリート構造物のひび割れ防止構造。
[2](B)下地モルタルが、セメント100質量部に対し耐アルカリ性繊維を0.15〜0.34質量部、軽量骨材を1〜32.3質量部、保水剤を0.12〜0.31質量部、ポリマーを固形分換算で1〜30質量部含有する[1]記載のコンクリート構造物のひび割れ防止構造。
[3](C)耐アルカリ性繊維ネットが目の開き5〜15mmの耐アルカリガラス繊維ネットである[1]又は[2]記載のコンクリート構造物のひび割れ防止構造。
[4](B)下地モルタルの耐アルカリ性繊維が繊維長3〜30mmである[1]〜[3]のいずれかに記載のコンクリート構造物のひび割れ防止構造。
[5](D)仕上層が、FRP塗膜防水材、ウレタン塗膜防水材、シート防水材及びエポキシ樹脂系ライニング材から選ばれる1種以上である[1]〜[4]のいずれかに記載のコンクリート構造物のひび割れ防止構造。
[6]コンクリート構造物の屋上、ベランダのひび割れ防止構造である[1]〜[5]のいずれかに記載のひび割れ防止構造。
[7](A)躯体コンクリートに、(B)耐アルカリ性繊維と軽量骨材と保水剤とポリマーを含有する下地モルタル、(C)耐アルカリ性繊維ネット及び(D)仕上層を施工するコンクリート構造物のひび割れ防止工法であって、、(B)が(A)と(C)の間に介在するか、(B)が(A)と(D)の間に介在し且つ(C)が(D)に内包するように施工することを特徴とするコンクリート構造物のひび割れ防止工法。
本発明によれば、コンクリート構造物の防水性が必要な場所に、優れた防止性を付与し、かつコンクリートとの付着性が良好で曲げタフネスが優れるため、長期間ひび割れが防止できる。特にコンクリート構造物の防止性が必要な場所、例えばベランダ、屋上等のひび割れ防止構造として有用である。
曲げタフネス試験概要を示す。 曲げタフネス試験結果(実施例)の例を示す。 曲げタフネス試験結果の説明図である。 付着試験体の平面図である。 付着試験体の断面図である。 (B)下地モルタル、(C)耐アルカリ性繊維ネット及び(D)仕上層の設置例を示す。 (B)下地モルタル、(C)耐アルカリ性繊維ネット及び(D)仕上層の設置例を示す。 (B)下地モルタル、(C)耐アルカリ性繊維ネット及び(D)仕上層の設置例を示す。 (B)下地モルタル、(C)耐アルカリ性繊維ネット及び(D)仕上層の設置例を示す。
本発明のコンクリート構造物のひび割れ防止構造は、(A)躯体コンクリート、(B)耐アルカリ性繊維と軽量骨材と保水剤とポリマーを含有する下地モルタル、(C)耐アルカリ性繊維ネット及び(D)仕上層を有してなり、(B)が(A)と(C)の間に介在するか、(B)が(A)と(D)の間に介在し且つ(C)が(D)に内包されることを特徴とする。
本発明のひび割れ防止構造の(A)躯体コンクリートとしては、JISA5308に示すコンクリートが使用可能であり、さらに混和材料として膨張材、防水材等JIS規格で性能が規定されたものを混和したコンクリートも使用可能である。
(B)下地モルタルは、耐アルカリ性繊維と軽量骨材と保水剤とポリマーを含有する。下地モルタルに使用されるセメントとしては、市販のポルトランドセメント、特殊セメントが挙げられる。
下地モルタルに使用される繊維は、耐久性、強度維持の点から、耐アルカリ性繊維であることが必要であり、耐アルカリ性であれば有機繊維、無機繊維どちらでもよい。
有機繊維としては、アクリル繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、カーボン繊維が挙げられる。無機繊維としては、ガラス繊維、鉱物繊維が挙げられる。このうち、無機繊維としては、特に耐アルカリ性ガラス繊維がセメントモルタルに混和してもコテ作業性を低下させないため好ましい。耐アルカリ性繊維の繊維長は、曲げ強度の向上効果、コテ作業性の点から、3〜30mmが好ましく、5〜25mmがより好ましい。耐アルカリ性繊維の市販品としては、有機繊維としては、例えば、(株)クラレ製ビニロン繊維商品名「RMS」、東レ(株)製ナイロン繊維商品名「タフバインダー」などが使用可能である。無機繊維としては、例えば、日本電気硝子(株)製商品名「ARGファイバ25mm」、太平洋マテリアル(株)製商品名「アンチクラックHD」などが挙げられる。耐アルカリ性繊維は、曲げ強度の向上効果、コテ作業性の点から、セメント100質量部に対し、0.15〜0.34質量部使用するのが好ましく、0.16〜0.29質量部使用するのがより好ましい。
軽量骨材としては、嵩比重0.06〜0.23で粒子径0.15〜3.0mmのものであればよく、具体的には、エチレン酢酸ビニル発泡体、パーライト、石灰石骨材などが使用可能である。
軽量骨材の市販品としては、例えば三福工業(株)製商品名「EVA発泡体3mm」、太平洋マテリアル(株)製「太平洋パーライト4号B」などが挙げられる。軽量骨材の使用量は、強度及びコテ作業性の点から、セメント100質量部に対し、1〜32.3質量部が好ましく、2〜22.5質量部が好ましい。
保水剤は、水に溶解するセルロース誘導体が使用可能であり、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸エステル等の水溶性セルロース誘導体が挙げられる。これらのうち、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースが好ましい。市販品としては例えば、信越化学工業(株)製商品名「メトローズSBP30501」等が挙げられる。
保水剤の使用量は、保水効果、硬化性、コテ作業性等の点から、セメント100質量部に対し0.12〜0.31質量部が好ましく、0.13〜0.28質量部がより好ましい。
下地モルタルにおけるポリマーは、JIS A 6203に規定された、再乳化形粉末樹脂、ポリマーディスパージョンが使用可能である。すなわち、再乳化形粉末樹脂としては、ポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステルなどを主成分とする粉末状の樹脂を使用することができる。例えば、ニチゴー・モビニール(株)製商品名「LDM−7000P」等である。また、製造方法は限定されることなく、粉末化方法やブロッキング防止法などのいずれの製法によって製造されたものでもよい。ポリマーディスパージョンとしては、ポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエン、又はエチレン酢酸ビニルなどを主成分とする樹脂を使用することができる。例えば、太平洋マテリアル(株)製「太平洋モルヒットエマルション」等が挙げられる。
ポリマーの使用量は、曲げ強度、付着性、透水性、防火性及びコテ作業性の点から、セメント100質量部に対し、2〜31質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。
また、下地モルタルには、前記成分の他、メタカオリン、カルシウムアルミネート、無水石膏を配合してもよい。
本発明のひび割れ防止構造の(C)耐アルカリ性繊維ネットは、コンクリートとの付着性及び曲げタフネスを向上させるうえで重要であり、有機繊維ネットとしては、アクリル繊維ネット、ビニロン繊維ネット、ポリエステル繊維ネットが使用可能であるが、モルタルとの付着性を考慮すると無機繊維ネットとして耐アルカリ性ガラス繊維ネットが好ましい。例えば、日本電気硝子(株)製商品名「TD5×5」が挙げられる。(C)耐アルカリ性繊維ネットの目開きは、モルタルへの施工性、曲げタフネス向上効果、ひび割れ防止効果の点から、5〜10mmが好ましく、6〜10mmがより好ましい。ここで目開きは下地モルタルと耐アルカリ性繊維ネットとの付着性に影響を与えるため、細骨材が通過しやすい寸法が好ましい。
また、耐アルカリ性繊維ネットの厚みは、特に限定されないが、0.20〜0.50mmが好ましく、0.25〜0.45mmがより好ましい。
本発明のひび割れ防止構造の(D)仕上層としては、ベランダ、屋上等を主な対象とする点から、防水性仕上層が好ましく、例えばFRP塗膜防水材、ウレタン塗膜防水材、シート防水材が好ましく、エポキシ樹脂系ライニング材も使用可能である。塗膜防水とシート防水にはそれぞれ特徴があり、屋上、バルコニーにも防水加工が必要である。FRP塗膜防水材は、液状のポリエステル樹脂に所定の硬化剤を混合し、ガラスマットなどを補強材として塗布する防水材である。塗膜強度が大きく、さらに樹脂の硬化速度が速いため、1日ですべての工程を終了させることが可能である。
ウレタン塗膜防水材は、二液性のウレタン樹脂を混合し、合成繊維不織布などを補強材として下地に塗布する防水材であり、一液性の樹脂を使用する場合もある。ウレタン樹脂にはセルフレベリング性があるため、表面が平滑に仕上がる。また、塗膜は伸びが大きい。
その一方、樹脂の硬化に長時間を要するため、塗り重ねの場合は翌日施工になる場合が多い。
シート防水材は、加硫ゴムシートや塩化ビニル系シートを下地に張り付ける防水材であり、張り付け方には、接着剤を使用する方法と機械的に下地に固定する方法等がある。加硫ゴムシート、塩化ビニル系シートとも伸縮性に富んでいるのが特徴で、建物そのものの収縮に適応できる大きなメリットがある。加硫ゴムシートの場合は材料が軽量で柔軟性が高く、塩化ビニル系シートは耐磨耗性に優れ、絶縁工法に向いている。
エポキシ樹脂ライニング材は、主剤と硬化剤を所定割合で混合攪拌し、刷毛、パテべらコテ等で下地に塗布する防水材である。粘性は、フィラーとして添加される充填材の量で調整可能である。耐薬品性、耐水性、耐油性、耐摩耗性、耐衝撃性に優れる一方、低温時には硬化時間が遅れる。
本発明のひび割れ防止構造における(A)下地モルタル層の厚さは、排水勾配をつける点から、通常2〜50mmが好ましく、2〜40mmがより好ましくい。また、(D)仕上層は、防水材の種類により異なるが、1〜5mmが好ましく、1〜3mmがより好ましい。
本発明のひび割れ防止構造においては、(C)耐アルカリ性繊維ネットの設置位置が、優れたコンクリートとの付着性及び曲げタフネスを得るうえで重要であり、(B)が(A)と(C)の間に介在するか、又は(B)が(A)と(D)の間に介在し且つ(C)が(D)に内包していることが必要である。従来の典型的な工法により得られる構造、すなわち(C)耐アルカリ性繊維ネットが(B)の中に埋設されている構造(図9)では、十分なコンクリートとの付着性及び曲げタフネスは得られない。(B)が(A)と(C)の間に介在する構造としては、図6及び図7の構造が挙げられ、(B)が(A)と(D)の間に介在し且つ(C)が(D)に内包している構造としては、図8の構造が挙げられる。
本発明のコンクリート構造物のひび割れ防止工法は、(A)躯体コンクリートに、(B)耐アルカリ性繊維と軽量骨材と保水剤とポリマーを含有する下地モルタル、(C)耐アルカリ性繊維ネット及び(D)仕上層を施工するコンクリート構造物のひび割れ防止工法であって、(B)が(A)と(C)の間に介在するか、(B)が(A)と(D)の間に介在し且つ(C)が(D)に内包するように施工することを特徴とする。
具体的には、(A)躯体コンクリートの表面に下地モルタルを施工し、次いで(C)耐アルカリ性繊維ネットを設置し、下地モルタル硬化後(D)仕上層を施工するか、あるいは下地モルタルを施工し硬化後、(D)仕上層を下塗りし、(C)耐アルカリ性繊維ネットを伏せ込み(D)仕上層を上塗り施工する。
本発明のひび割れ防止構造は、コンクリート構造物の表面構造であればよく、例えばコンクリート構造物の防水性が必要な場所が挙げられ、屋上、ベランダ、玄関、門周辺、駐車場、プールサイド、側溝等が挙げられるが、屋上、ベランダが特に好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1〜12及び比較例1〜7
表1及び表2に示す下地モルタル材料及び仕上層材料を用い、表3〜表6に示す処方で、ひび割れ防止構造を製造した。
本発明の(B)下地モルタルのフレッシュ性状と硬化性状を測定した。
<フレッシュ性状の確認>
1−1.フロー試験
20℃の試験室でJISR5201により測定した。
1−2.単位容積質量の測定
20℃の試験室で500mLステンレス製容器を用い、JISA1171により測定した。
<硬化性状の確認>
2−1.強さ試験
JISA1171に従って、20℃の試験室で作製した4×4×16cmの下地モルタル供試体を用い、材齢7日で次のような試験を実施した。試験はn=3とし、平均値を試験値とした。
(1)曲げタフネス試験
図1のように供試体を設置し、たわみ量0.5mm/min一定で試験を実施し、図2及び図3のようにして、破断時の変位量、曲げ強さを測定した。
図2でモルタルが破断するまでの変位量を一次変位量とし、耐アルカリ繊維ネットが破断するまでの変位量を二次変位量とする。
図3において一次変位量が、1.3mmを超えると適正な曲げ強さと圧縮強さが得られない恐れがある。ベランダや屋上に施工した後、機械装置を設置すると下地モルタルが圧潰し、仕上層に穴があくとともに防水性能を失う可能性がある。0.7mm未満では、モルタル破断までのひずみ量が小さくひび割れが発生しやすくなる恐れがある。一次変位量としては、0.7〜1.0mmの範囲が適正な曲げ強さと圧縮強さが得られるとともに実現場で施工してもひび割れが発生する可能性が低く、耐アルカリ繊維ネットの施工効果が最も得やすい。また、一次変位量が、1.0〜1.3mmでも同様な効果が得られる。
(2)圧縮強さ試験
曲げタフネス試験終了後の供試体を用いてJISR5201により圧縮強さを測定した。
2−2.長さ変化試験
JISA1171に従って、20℃の試験室で14日後に下地モルタルの長さ変化率を測定した。
2−3.付着試験
仕上層と下地モルタルとの付着強さを次のような要領で測定した。
(1)試験板
300×300×60mmのコンクリート平板の表面をディスクサンダーで研磨し、清水で洗浄した後、20℃の試験室で乾燥した。その後、太平洋マテリアル(株)製商品名太平洋モルトップエマルションの8倍液を150g/m2塗布、乾燥した後、試験に用いた。
(2)付着試験体の作製
20℃の試験室で300×300×60mmのコンクリート平板に各試料を10mm厚さに金ゴテで塗り付け、20℃、60%RHの試験室で材齢7日まで乾燥養生を行った。その後、塗膜防水材、ライニング材等を塗布し、さらに20℃、60%RHの試験室で7日間乾燥養生を行った。
(3)付着試験方法
コンクリート平板に達する40×40mmの切れ目を入れ、40×40mm鋼鉄製アタッチメントをエポキシ樹脂接着剤で張り付け、建研式接着力試験機で付着強さを測定した。
長さ変化と付着強さの評価基準を表10に示す。
<施工性の確認>
打設後28日の1000×2000×60mmのコンクリート平板に太平洋モルヒットエマルションの8倍希釈液を0.15kg/m2塗布し試験下地とした。中央部の施工厚さが40mm、端部の厚さが2mm以下になるように0.75kWモルタルポンプで各モルタルを施工した後、600×2000mmの耐アルカリ繊維ネットを重ね幅が100mmになるように伏せ込み、耐アルカリ繊維ネットの設置位置で施工性の確認とひび割れの観察を行った。ひび割れの観察は4週間実施し、2週間目と4週間目に目視観察施工後、降雨の影響を受けないようにシート養生を翌日まで行った。
付着試験を表13及び表14に示す。
施工性の確認結果を表15及び表16に示す。
ひび割れ観察結果を表17及び表18に示す。
表4、表13〜表18中、比較例1は(C)耐アルカリ性繊維ネットがない例であり、比較例2及び3は(C)耐アルカリ性繊維ネットが(B)下地モルタル層内に存在する例(図9)、比較例4は(B)下地モルタル中に耐アルカリ性繊維がない例であり、比較例5は軽量骨材がない例、比較例6は保水剤がない例、比較例7はポリマーがない例である。

Claims (7)

  1. (A)躯体コンクリート、(B)耐アルカリ性繊維と軽量骨材と保水剤とポリマーを含有する下地モルタル、(C)耐アルカリ性繊維ネット及び(D)仕上層を有してなり、(B)が(A)と(C)の間に介在するか、(B)が(A)と(D)の間に介在し且つ(C)が(D)に内包されることを特徴とするコンクリート構造物のひび割れ防止構造。
  2. (B)下地モルタルが、セメント100質量部に対し耐アルカリ性繊維を0.15〜0.34質量部、軽量骨材を1〜32.3質量部、保水剤を0.12〜0.31質量部、ポリマーが固形分換算で1〜30質量部含有する請求項1記載のコンクリート構造物のひび割れ防止構造。
  3. (C)耐アルカリ性繊維ネットが目の開き5〜15mmの耐アルカリガラス繊維ネットである請求項1又は2記載のコンクリート構造物のひび割れ防止構造。
  4. (B)下地モルタルの耐アルカリ性繊維が繊維長3〜30mmである請求項1〜3のいずれかに記載のコンクリート構造物のひび割れ防止構造。
  5. (D)仕上層が、FRP塗膜防水材、ウレタン塗膜防水材、シート防水材及びエポキシ樹脂系ライニング材から選ばれる1種以上である請求項1〜4のいずれかに記載のコンクリート構造物のひび割れ防止構造。
  6. コンクリート構造物の屋上、ベランダのひび割れ防止構造である請求項1〜5のいずれかに記載のひび割れ防止構造。
  7. (A)躯体コンクリートに、(B)耐アルカリ性繊維と軽量骨材と保水剤とポリマーを含有する下地モルタル、(C)耐アルカリ性繊維ネット及び(D)仕上層を施工するコンクリート構造物のひび割れわれ防止工法であって、(B)が(A)と(C)の間に介在するか、(B)が(A)と(D)の間に介在し且つ(C)が(D)に内包するように施工することを特徴とするコンクリート構造物のひび割れ防止工法。
JP2012252622A 2012-11-16 2012-11-16 コンクリート構造物のひび割れ防止構造 Expired - Fee Related JP6144896B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012252622A JP6144896B2 (ja) 2012-11-16 2012-11-16 コンクリート構造物のひび割れ防止構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012252622A JP6144896B2 (ja) 2012-11-16 2012-11-16 コンクリート構造物のひび割れ防止構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014101636A true JP2014101636A (ja) 2014-06-05
JP6144896B2 JP6144896B2 (ja) 2017-06-07

Family

ID=51024381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012252622A Expired - Fee Related JP6144896B2 (ja) 2012-11-16 2012-11-16 コンクリート構造物のひび割れ防止構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6144896B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104631275A (zh) * 2015-01-14 2015-05-20 新乡市博鑫公路养护设备有限公司 一种处治沥青路面病害的创可贴
CN105971303A (zh) * 2016-07-05 2016-09-28 上海核工程研究设计院 一种冷却塔内壁混凝土表面裂纹修补结构

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107503266A (zh) * 2017-09-09 2017-12-22 泰州市好友体育设施科技有限公司 基础采用透水混凝土的塑胶跑道及其施工方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5393615A (en) * 1977-01-27 1978-08-16 Nippon Shiporetsukusu Kougiyou Method of executing waterrproof mortar
JPS615149A (ja) * 1984-06-16 1986-01-10 城埜 米夫 防水施工方法
JPS61242969A (ja) * 1985-04-16 1986-10-29 東亞合成株式会社 下地材組成物
JPH0913593A (ja) * 1995-06-29 1997-01-14 Sanraito:Kk 断熱防水用断熱材組成物と防水工法
JPH11152859A (ja) * 1997-11-20 1999-06-08 Nisshin Kogyo Co Ltd 防水施工法
US20060174585A1 (en) * 2003-07-03 2006-08-10 Barr Owen D Multi-layer covering
JP2011038246A (ja) * 2009-08-06 2011-02-24 Shu Company:Kk 塗膜防水層用補強布
JP2012215059A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 A & A Material Corp 漆喰壁の施工方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5393615A (en) * 1977-01-27 1978-08-16 Nippon Shiporetsukusu Kougiyou Method of executing waterrproof mortar
JPS615149A (ja) * 1984-06-16 1986-01-10 城埜 米夫 防水施工方法
JPS61242969A (ja) * 1985-04-16 1986-10-29 東亞合成株式会社 下地材組成物
JPH0913593A (ja) * 1995-06-29 1997-01-14 Sanraito:Kk 断熱防水用断熱材組成物と防水工法
JPH11152859A (ja) * 1997-11-20 1999-06-08 Nisshin Kogyo Co Ltd 防水施工法
US20060174585A1 (en) * 2003-07-03 2006-08-10 Barr Owen D Multi-layer covering
JP2011038246A (ja) * 2009-08-06 2011-02-24 Shu Company:Kk 塗膜防水層用補強布
JP2012215059A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 A & A Material Corp 漆喰壁の施工方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104631275A (zh) * 2015-01-14 2015-05-20 新乡市博鑫公路养护设备有限公司 一种处治沥青路面病害的创可贴
CN105971303A (zh) * 2016-07-05 2016-09-28 上海核工程研究设计院 一种冷却塔内壁混凝土表面裂纹修补结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP6144896B2 (ja) 2017-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9091072B2 (en) Exterior finish system
RU2687996C2 (ru) Дисперсная масса, штукатурная слоистая система, теплоизоляционная комбинированная система, применение дисперсной массы и применение теплоизоляционной комбинированной системы
TR201808681T4 (tr) Kuru yapı malzemesi karışımı ve bunun oluşturduğu ısı izolasyon sıvası.
WO2005110940A1 (en) Cement mortar composition and concrete composition
CN105756222A (zh) 一种抗风保温eps板外墙结构及其施工方法
CN104211354A (zh) 自闭修复涂膜增强防水材料
JP6144896B2 (ja) コンクリート構造物のひび割れ防止構造
JP6641083B2 (ja) タイル施工方法及び外壁タイル張り構造
CN1955388A (zh) 一种外墙用的保温隔音系统及其施工方法
CN103266676A (zh) 一种建筑幕墙用覆膜岩棉板保温系统的制备方法
CN102767246A (zh) 隔音保温材料、隔音保温层及其制备方法和应用
CN202081520U (zh) 一种复合保温系统
CN211369277U (zh) 建筑物防水结构以及建筑物屋面
JP5923399B2 (ja) 弾性接着材
JP2013245156A (ja) 戸建て住宅用下地構造物とその施工方法
CN110056116B (zh) 一种环保节能、耐严寒的大型墙板及其生产方法
GB2500744A (en) A pliable building material
CN208718119U (zh) 一种挤塑聚苯薄抹灰外墙外保温系统
JP5672110B2 (ja) コンクリートの劣化防止表面被覆工法
EP3368494B1 (en) Mineral sealing mortar
CN101691798A (zh) 一种加强型外墙保温复合材料及应用方法
JP6462476B2 (ja) 弾性タイル下地調整材
CN215563907U (zh) 一种屋面保温结构
CN102704581A (zh) 一种复合保温系统
CN105645885A (zh) 保温板外层包覆用水泥砂浆

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160726

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170407

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170512

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6144896

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees