JP2014101559A - アルミニウム合金箔、成形包装体材料、電池、医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金箔、成形包装体材料、電池、医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014101559A
JP2014101559A JP2012255362A JP2012255362A JP2014101559A JP 2014101559 A JP2014101559 A JP 2014101559A JP 2012255362 A JP2012255362 A JP 2012255362A JP 2012255362 A JP2012255362 A JP 2012255362A JP 2014101559 A JP2014101559 A JP 2014101559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum alloy
alloy foil
mass
degree
molded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012255362A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6058363B2 (ja
Inventor
Masakazu Ishi
雅和 石
Satoru Suzuki
覚 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UACJ Corp
Original Assignee
UACJ Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UACJ Corp filed Critical UACJ Corp
Priority to JP2012255362A priority Critical patent/JP6058363B2/ja
Publication of JP2014101559A publication Critical patent/JP2014101559A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6058363B2 publication Critical patent/JP6058363B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Abstract

【課題】良好な成形性を有するアルミニウム合金箔、成形包装体材料、電池、医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のアルミニウム合金箔は、Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.2〜0.5mass%を含有し、平均結晶粒径が7〜20μmである。本発明のアルミニウム合金箔には、不可避的不純物が含まれていてもよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、高い成形性を有したアルミニウム合金箔及びその製造方法に関するものである。
医薬品の包装形態として、例えば、PTP(プレススルーパッケージ)包装やストリップ包装が知られている。PTP包装では、容器と蓋材との組み合わせにより包装する形態をとる場合が多い。通常、容器としてはプラスティックフィルム、例えば、ポリプロピレンなどの樹脂フィルムを成形したものが用いられる。また、保管する際に水蒸気バリヤー性が要求される内容物(錠剤、カプセル等)を包装する場合には、バリヤー性の高いアルミニウム箔と樹脂フィルムを片面もしくは両面に貼合した複合体が容器として使用される場合も多い。近年、医薬品には様々な形態や大きさのものがあるため、これを包装する成形包装体もそれらの形態に合わせ、今までより深く成形されたものである必要が出てきた。
また、二次電池をはじめとする電池を包装する成形包装体、すなわち外装材にも、水蒸気バリヤー性を付与させるために、アルミニウム合金箔の両面に樹脂フィルムを貼合した複合体が用いられる。近年、シート状で薄型のリチウムイオン二次電池等の二次電池は、移動体通信機器、ノートブック型パソコン、ヘッドフォンステレオ、カムコーダー等のエレクトロニクス機器の小型軽量化に伴い、その駆動源として重宝されている。二次電池には、長時間の使用に耐える充電容量あるいは高出力が要求されている。そのため、電池の電極、セパレータで構成される素子の構造が、複雑化かつ多層化したものとなり、より深い深絞り成形等の苛酷な条件での成形が要求されるようになってきた。
特に、シート状で薄型のリチウムイオン二次電池の外装材には、より深い凹部を形成し、当該凹部の四隅における肩部とコーナー部の半径Rをより小さくする角筒絞り成形が行われている。その結果、凹部内に収納できる電池材料の充填量が増えて、より電池容量を高めることができる。現在、リチウムイオン二次電池の外装材にはより高い成形性が求められ、外装材を構成するアルミニウム合金箔にも高い成形性が要求されている。
例えば、包装材本体として、厚さが20〜60μmで、圧延方向に対する0度、45度、90度方向の伸びが全て11%以上であるアルミニウム箔が提案されている(特許文献1)。また、同じく包装材本体として、Feを0.8〜2.0%、Cuを0.02〜0.2%、Siを0.03〜0.1%を含有した耐食性に優れたアルミニウム合金箔が提案されている。(特許文献2)。
特開2005−163077号公報 特開2006−312768号公報
しかしながら、上記文献記載の従来技術では、最近のリチウムイオン二次電池等に使用される外装材のように高い成形性が要求される用途を十分に満足させることは困難であった。
特許文献1のアルミニウム合金箔では、深い凹部を形成させるような苛酷な角筒絞り成形を行うと、凹部の肩部周辺に亀裂やピンホールが生じるということがあった。つまり、アルミニウム合金箔に比較的浅い凹部の成形加工を施す場合には問題がないが、内容物の容量を増加させるために成形包装体材料の中央部に深い凹部の成形加工を施すと、成形包装体の特にコーナー部で亀裂等が生じやすくなる。その結果、水分や空気等が成形包装体を透過しやすくなり、内容物の品質に悪影響を与えてしまうという欠点があった。特に、二次電池外装材用途として使用する場合では、水分や空気により、電池材料と電解液との反応で弗化水素酸が生成され、電池材料が腐食され易い環境となってしまう。さらに、特許文献1のアルミニウム合金箔では、成形性を向上させるために圧延方向に対する0度、45度、90度方向の伸び値の向上を図るものであるが、上記各圧延方向に対する引張強さに対して耐力の値が大きい。これにより、角筒絞り成形時にフランジ部から成形用ダイスの穴部へ材料が流入する際に、材料の流入抵抗が増大するため、成形高さを向上させることができない。
また、特許文献2のアルミニウム合金箔では、耐食性と強度向上のために合金成分や金属間化合物の個数を制御しているが、これらを制御するだけでは成形高さを向上させるのに十分ではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、良好な成形性を有するアルミニウム合金箔、PTPや電池用外装材として医薬品や電池材料を包装するための成形包装体材料、電池、医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、成形包装体材料に使用されるアルミニウム合金箔について検討したところ、Fe、Si、Cuを含む合金系において、各金属成分を最適な量で混合させること、平均結晶粒径を所定の範囲にすること、更に好ましくはその製造工程において鋳塊の均質化処理温度及び中間焼鈍温度を制御することで、アルミニウム合金箔の圧延方向に対する0度、45度、90度方向の強度バランスを最適化することが出来、成形性を大きく向上させることを見出し、本発明に至った。
すなわち、請求項1に係る発明は、Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.2〜0.5mass%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、平均結晶粒径が7〜20μm以下であることを特徴とするアルミニウム合金箔である。
請求項2に係る発明は、圧延方向に対する0度、45度、90度方向の引張強さが90MPa以上であり、かつ圧延方向に対する0度、45度、90度方向の引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が200MPa以上である請求項1に記載のアルミニウム合金箔である。
以上の態様では、絞り成形、特に角筒絞り成形において、側壁強度が高い上に、フランジ部から成形用ダイスの穴部へ材料が流入する際に、材料の流入抵抗が減少するので、成形高さを向上させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1にまたは請求項2に係るアルミニウム合金箔を備える成形包装体材料である。
以上の態様では、上記の良好な成形性を有したアルミニウム合金箔を用いるため、成形包装体材料により深い凹部の成形加工を施し、成形高さを高くすることが可能となる。その結果、成形包装体の凹部内に収納できる量を増加させることができる。
請求項4に係る発明は、前記アルミニウム合金箔の一方の側に積層されてなる合成樹脂製フィルムと、前記アルミニウム合金箔の他方の側に積層されてなる熱封緘層と、をさらに備える、請求項3に記載の成形包装体材料である。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の成形包装体材料を備える電池である。
以上の態様では、絞り成形、特に角筒絞り成形において成形高さを高くすることが可能な成形包装体材料を用いるため、電池外装材の凹部内に収納できる電池材料の充填量が増えて、より電池容量を高めることができる。
請求項6に係る発明は、請求項4に記載の成形包装体材料を備える医薬品包装容器である。
以上の態様では、絞り成形、特に角筒絞り成形において成形高さを高くすることが可能な成形包装体材料を用いるため、医薬品包装容器の凹部内に収納できる医薬品の充填量を増加させることができる。
請求項7に係る発明は、Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.2〜0.5mass%、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を550℃以上、620℃以下で1時間以上の熱処理をする工程と、該熱処理後に、熱間圧延および冷間圧延を施す工程と、該冷間圧延の前あるいは途中で、300〜450℃で保持する中間焼鈍を施す工程と、冷間圧延率93〜99%で冷間圧延を実施する工程と、焼鈍を施して前記アルミニウム合金箔を得る工程と、を含むことを特徴とするアルミニウム合金箔の製造方法である。
本発明は、アルミニウム合金成分、平均結晶粒径が最適に制御されているために、リチウムイオン二次電池等のように高い成形性が要求される成形包装体材料用に適したアルミニウム合金箔、成形包装体材料、成形包装体材料を備える電池、成形包装体材料を備える医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法を提供することができる。
成形包装体材料の一般例を示した模式的断面図である。 シート状で薄型のリチウムイオン二次電池の内部構造の一例を示した模式的断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について、具体的に説明する。
(1)アルミニウム合金箔の組成
本実施形態のアルミニウム合金箔におけるFeの含有量は、0.8〜2.0mass%である。Feの含有量が0.8mass%未満になると、引張強さTS及び耐力YSが共に低下するので、上記圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が小さくなり、成形性が低下する。また、Feの含有量が2.0mass%を超えると、鋳造時に巨大な金属間化合物が形成され易くなり、角筒絞り成形時における割れの起点となり易くなるので成形性が低下する。これらの数値範囲の中でも、特に1.1mass%以上、1.7mass%以下が強度向上の観点からより好ましい。
本実施形態のアルミニウム合金箔におけるSiの含有量は、0.05〜0.2mass%である。Siの含有量が0.05mass%未満になると、引張強さTS及び耐力YSが低下するために、上記圧延方向に対する45度、90度方向のTS×(TS/YS)の値が小さくなり、成形性が低下する。また、高純度のアルミニウム地金を使用することにもなり経済的にも好ましくない。一方、Siの含有量が0.2mass%を超えると、アルミニウム合金箔中の晶出物サイズが大きくなり、晶出物の個数が減少する。その結果、最終焼鈍後の平均結晶粒径が大きくなるために、成形時に不均一な成形が起こり易くなり、成形性が低下する。これらの数値範囲の中でも、特に0.06mass%以上、0.1mass%以下が強度向上と結晶粒径の適正化の観点から好ましい。
本実施形態のアルミニウム合金箔におけるCuの含有量は、0.2〜0.5mass%である。Cuをアルミニウム合金箔中に含有させることで強度を向上させる。上記範囲内でCuの含有量を増加させても、アルミニウム母相にCuの大部分が固溶しているために、再結晶時に核生成サイトと成り得る金属間化合物の個数は殆ど変化しない。そのために、上記範囲内の含有量においては、結晶粒径を微細に維持しつつ、アルミニウム母相へ固溶したCuの影響によって、高い強度を得ることが可能になる。Cuの含有量が0.2mass%未満になると、強度が低下するために、上記圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が小さくなり、成形性が低下する。Cuの含有量が0.5mass%を超えると、冷間圧延中の加工硬化が大きくなり、圧延性が低下する。これらの数値範囲の中でも、特に0.2mass%以上、0.4mass%以下が強度向上と圧延性の観点から好ましい。
本実施形態のアルミニウム合金箔におけるFe、Si、Cuの含有量は、上記のとおり、それぞれ最適な数値範囲に調整され、後述する平均結晶粒径の適正化と相俟って、成形性が向上する。また、本実施形態のアルミニウム合金箔では、これらの金属が組み合わされることにより相乗効果が発揮され、高い成形性が得られる。
本実施形態のアルミニウム合金箔には、Ti、Mn、Mg、Zn等の不可避的不純物が含まれていてもよい。本実施形態のアルミニウム合金箔に含まれる不可避的不純物は、個々に0.05mass%以下、合計で0.15mass%以下であることが好ましい。特に不可避的不純物が、個々に0.05mass%未満、及び合計で0.15mass%を超えると、冷間圧延中の加工硬化が大きく、切れが生じ易くなる場合がある。
(2)アルミニウム合金箔の物性
本実施形態のアルミニウム合金箔における最終焼鈍後の平均結晶粒径は7μm以上、20μm以下である。好ましくは、10μm以上、18μm以下である。本発明の平均結晶粒径は、切断法を用いて測定した値のことである。切断法は、ある線分内に何個の結晶粒があるかを数え、線分をその個数で除することにより、平均結晶粒径を算出する方法である。最終焼鈍後におけるアルミニウム合金箔の平均結晶粒径は、金属の含有量や製造条件の影響を大きく受ける。特に、FeとSiの含有量の影響を大きく受ける。したがって、本実施形態の平均結晶粒径を得るためには、金属の含有量及び製造条件を適宜調整する必要がある。7μm未満では平均結晶粒径が細かすぎるために、引張強さTSに対して、0.2%耐力YSが大きくなる。そのため、圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が小さくなり、成形性が低下する。一方、平均結晶粒径が20μmを超えると、板厚断面方向に占める結晶粒の個数が少なくなる。これにより、特定の結晶粒のみに変形が集中するために、成形性が低下する。
本実施形態のアルミニウム合金箔は、圧延方向に対する0度、45度、90度方向の引張強さTSの値が全て90MPa以上であることが好ましい。角筒絞り成形でより高い成形高さを得るためには、成形包装体材料と成形用ダイスから発生する摩擦力と、コーナーフランジ部に発生する材料の流入抵抗を合わせたポンチの成形荷重よりも、成形包装体材料の側壁強度が大きいことが要求される。すなわち、成形包装体材料の引張強さを向上させることが、角筒絞り成形における成形高さを向上させることになる。よって、成形包装体材料を構成するアルミニウム合金箔の引張強さは高ければ高いほど好ましい。圧延方向に対する0度、45度、90度方向の引張強さTSの値が90MPa未満では、角筒絞り成形時に側壁部で破断し易くなるので、より高い成形高さを得ることができない場合がある。
ここでTS×(TS/YS)の式の意義について述べる。(TS/YS)の値は、0.2%耐力に対する引張強さの比である。この値が大きいほど均一な変形が得られる領域が多く、角筒絞り成形時にはフランジ部から成形用ダイスの穴部へ材料が流入し易いことを表す。また、引張強さTSは高ければ高いほど、耐破断性が向上するので好ましい。すなわち、本実施形態に使用されるアルミニウム合金箔は、引張強さTSが高く、0.2%耐力YSが低い材料であることが好ましい。この(TS/YS)の値に耐破断力に対応する引張強さTSを掛け合わせた式であるTS×(TS/YS)は、本実施形態における成形高さとの相関関係が非常に高く、角筒絞り成形における成形性を示す指標の一つとして用いることが出来る。
本実施形態のアルミニウム合金箔は、圧延方向に対する0度、45度、90度方向の引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、TS×(TS/YS)の値が200MPa以上であることが推奨される。圧延方向に対する0度、45度、90度方向のTS×(TS/YS)の値が200MPa未満では、成形性を向上させることが難しい。本実施形態のように板厚が薄い成形包装体材料の角筒絞り成形においては、成形高さが高くなるにつれて、四隅のコーナーフランジ部が、縮みフランジ変形となる。そのため、コーナーフランジ部では、材料の流入抵抗が大きくなり、材料が流入しにくくなる。角筒絞り成形時におけるコーナーフランジ部では、直辺方向や短辺方向に当たる圧延方向に対する0度方向や90度方向に対して、45度方向の材料が流入しにくくなるので、特に、45度方向の材料流入量を増加させることが有効である。圧延方向に対する0度、45度、90度方向の中でも、角筒絞り成形時におけるコーナーフランジ部において、材料の流入がしにくい圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)が高ければ高いほど成形高さが良好となる。
アルミニウム合金箔の伸びは、平均結晶粒径や強度等を変化させることで、適宜調整でき、高い値であるほど成形性も良好となる。具体的には、圧延方向に対する0度、45度、90度方向の伸び値がそれぞれ10%以上、特に12%以上であると成形性が良好になるので好ましい。
アルミニウム合金箔の厚さは任意であり、用途や成形条件等に応じて適宜調整し得るが、一般的には10〜100μmであることが好ましい。厚さが10μm未満のアルミニウム合金箔を製造する場合、ピンホールの発生や冷間圧延中の切れ等が発生し易くなり、生産効率が低下し易くなる。また、厚さが100μmを超えると、成形包装体材料とした場合に全体の厚さが厚くなりすぎて、得られる成形包装体材料の小型化が図りにくくなるため、好ましくない。
(3)アルミニウム合金箔の製造方法
本実施形態のアルミニウム合金箔は、Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.2〜0.5mass%、残部がAl及び不可避的不純物から成るアルミニウム合金鋳塊を550℃以上、620℃以下で1時間以上の熱処理をする工程と、該熱処理後に、熱間圧延および冷間圧延を施す工程と、該冷間圧延の前あるいは途中で、300〜450℃で保持する中間焼鈍を施す工程と、中間焼鈍後から最終箔厚にするまでの冷間圧延率を93〜99%で冷間圧延を実施する工程と、該冷間圧延後に最終焼鈍を施して製造される。以下、本実施形態のアルミニウム合金箔の製造方法について詳細に説明する。
本実施形態の製造方法では、上記組成を有するアルミニウム合金を溶解後、半連続鋳造法によりアルミニウム合金鋳塊を得る。その後、アルミニウム合金鋳塊を550〜620℃で1時間以上保持する均質化処理を行う。熱処理による均質化処理では、Fe系析出物のサイズを大きくし、さらに疎に分布させて、Fe固溶量を低下させる。熱処理による均質化処理温度が550℃未満で、かつ、保持時間が1時間未満であると、Fe系析出物が十分に粗大化しないため、Fe固溶量が高く、微細なFe系析出物も多い。そのため、耐力が高くなり、圧延方向に対する45度方向の引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、TS×(TS/YS)の値が200MPa未満となり、成形性が低下する。また、鋳造の際に形成され鋳塊内に存在している偏析を十分に解消できない場合がある。熱処理による均質化処理温度が620℃を超えると、局部的に鋳塊が溶融することがあり、製造上好ましくない場合がある。また、鋳造時に混入した極僅かの水素ガスが表面に出て材料表面に膨れを生じさせ易くなるため好ましくない場合がある。Fe系析出物のサイズを大きくさせて疎に分布させるため、熱処理による均質化処理温度については、580℃以上、615℃以下が好ましい。
上記熱処理による均質化処理後は、鋳塊を400℃以上、500℃以下まで冷却してから熱間圧延を開始しても良い。この冷却の実施により、Al−Fe系析出物のサイズを成長させながらFe固溶量を低下させることができる。これにより、アルミニウム合金箔の耐力を低下させることができる。熱間圧延の開始温度が400℃未満では、微細なAl−Fe系析出物の析出量が多くなりすぎて耐力が向上する。そのため、上記圧延方向に対する45度方向の引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、TS×(TS/YS)の値が200MPa未満となり、成形性が低下する。熱間圧延の開始温度が500℃を超えると、アルミニウム合金箔に固溶しているFe量が増加するために、耐力が向上する。そのため、上記圧延方向に対する45度方向の引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、TS×(TS/YS)の値が200MPa未満となり、成形性が低下する場合がある。
上記熱処理による均質化処理及び冷却終了後に、熱間圧延を実施する。熱間圧延の終了温度は、アルミニウム合金板をできるだけ再結晶させるために、250〜400℃が好ましい。熱間圧延後のアルミニウム合金板の再結晶率を高めるためには、300℃以上で終了させることがより好ましい。さらに、上記熱間圧延後に冷間圧延を実施する。この冷間圧延は公知の方法で行うことができ、特に制限されない。
また、本実施形態の製造方法では、上記冷間圧延の開始前または途中において、中間焼鈍を300℃〜450℃で行うことが必要である。中間焼鈍を実施することにより、アルミニウム合金板を再結晶させることで、圧延性を向上させる。特に、アルミニウム合金板は、FeとSi以外にCuを含有しているために、冷間圧延中の変形抵抗が大きくなる。そのため、熱間圧延後から最終箔厚にするまでの冷間圧延の途中に中間焼鈍を一回実施することが、冷間圧延中の板切れを防止するために必要である。中間焼鈍の実施時間は特に限定されないが、アルミニウム合金板を再結晶させるためには1時間以上が好ましい。また、中間焼鈍を実施しないと、最終箔厚にするまでの冷間圧延率が大きくなるので、冷間圧延中に蓄積されるひずみ量が多くなり、板切れや割れが発生し易くなる。中間焼鈍の温度が300℃未満では、最終焼鈍時に結晶粒が粗大化し易くなり、変形の均一性が阻害され、成形性を低下させることがある。また、中間焼鈍の温度が450℃を超えるとFeが再固溶するために、耐力YSの値が増加する。これにより、圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が小さくなるために、成形性が低下する場合がある。
本実施形態の製造方法では、中間焼鈍後から最終箔厚にするまでの冷間圧延を、冷間圧延率93〜99%で実施することが推奨される。本実施形態のアルミニウム合金箔は、FeとSi以外にCuを含有しているため、アルミニウム合金箔に固溶したCuの影響で、最終焼鈍時の再結晶がし難くなる。最終焼鈍時において、アルミニウム合金箔を微細に再結晶させるためには、冷間圧延率を調整することで、結晶粒径と0.2%耐力の値を制御することが重要である。上記冷間圧延率が93%未満では、冷間圧延中に蓄積されるひずみ量が少なくなり、最終焼鈍後の結晶粒が大きくなるために、強度が低下し成形性が低下する。また、上記冷間圧延率が99%を超えると、蓄積されるひずみ量が大きくなり、結晶粒径が7μm未満となることがあり、0.2%耐力YSの値が大きく増加する。その結果、上記圧延方向に対する45度方向のTS×(TS/YS)の値が200MPa未満となり成形性が低下する。
冷間圧延の終了後には、最終焼鈍を実施しアルミニウム合金箔を完全な軟質箔とする。最終焼鈍はアルミニウム合金箔を完全に再結晶させつつ、圧延油を完全に揮発させる観点から250〜400℃で5時間以上実施することが好ましい。最終焼鈍の温度が250℃未満では、アルミニウム合金箔が完全に再結晶しないために軟質箔を得ることができない場合がある。また、最終焼鈍の温度が400℃を超えると、焼鈍中に結晶粒が粗大化するために成形性が低下する場合がある。最終焼鈍時における保持時間が5時間未満では、箔圧延の際に用いる圧延油が十分に揮発しないために、箔の表面の濡れ性が低下し、アルミニウム合金箔とラミネートする樹脂フィルムとの密着性が低下し易くなる。最終焼鈍時の昇温速度は、50℃/hr以下で実施することが望ましい。昇温速度が50℃/hrを超えると、結晶粒の一部が粗大化するために、角筒絞り成形時に不均一な変形が起こり易くなり、成形性が低下する。
<成形包装体材料>
本実施形態のアルミニウム合金箔は、成形包装体材料の一部又は全部として用いることができる。本実施形態でいう成形包装体とは、本実施形態の成形包装体材料を電池用、PTP用等の各種製品を包装用に成形加工したものをいい、包装されるものとしては、医薬品、リチウムイオン電池材料(電極、セパレータ、電解液等を含む。)等が挙げられる。
本実施形態の成形包装体材料は、アルミニウム合金箔単体又はアルミニウム合金箔層を含む複数層からなるものであってもよい。複数層とする場合には、特に制限されるものではないが、少なくとも構成要素としてアルミニウム合金箔を構成として備えていることが必要である。具体的には、図1に示すように、成形包装体材料1は、アルミニウム合金箔2に、熱封緘層3、合成樹脂製フィルム4、を積層したものを例示することができる。合成樹脂製フィルム4は、成形包装体材料の成形性をより高めるため、或いは成形包装体材料の主要材料であるアルミニウム合金箔2を保護するため、或いは印刷を可能ならしめるために、アルミニウム合金箔2の片面に貼着されるものである。このような合成樹脂製フィルム4としては、ポリエステルフィルムやナイロンフィルム等を用いることができる。本実施形態の成形包装体材料は、二次電池の外装材や医薬品包装容器に用いることができる。特に、二次電池の外装材に用いる場合は、外装材内に収容する種々の電池部材の発熱や放熱処理等を行う必要があることから、合成樹脂製フィルム4として耐熱性ポリエステルフィルムを用いるのが好ましい。
熱封緘層3は、図2に示すように、成形包装体20の端部21を封緘するためのものである。熱封緘層3としては、従来公知の熱融着性合成樹脂を用いることができる。特に、本実施形態で用いるアルミニウム合金箔2との貼着性に優れており、内容物を保護できるものであれば如何なるものでも良く、例えば、無延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムやマレイン酸変性ポリオレフィンを用いるのが好ましい。
本実施形態の成形包装体材料を複数層とする場合には、合成樹脂製フィルム4、本実施形態で用いるアルミニウム合金箔2、熱封緘層3の順に積層形成すればよく、成形性、接着性等、内容物の適性を満足するものであれば特に限定するものではない。例えば、アルミニウム合金箔の片面に、無延伸ポリプロピレンフィルムを、接着性皮膜を介して載せ、圧着して、該アルミニウム合金箔と該フィルムとを貼着した後、該アルミニウム合金箔の他面に、接着剤塗布し、この上に合成樹脂製フィルムを貼着することができる。
上記のアルミニウム合金箔とポリプロピレンフィルムとの圧着は、一般的に加熱下で行われる。加熱条件は、160〜240℃程度である。また、圧着条件は、圧力0.05〜0.2MPaであり、時間0.5〜3秒程度であるが、これら条件は適宜調整することができる。また、合成樹脂製フィルム4の接着剤としては、従来公知のものが用いられ、例えば、ウレタン系接着剤等が用いられる。
本実施形態の成形包装体材料は、公知の方法で成形することができ、成形方法は特に制限されるものではないが、特に深絞り成形を好適に使用することができる。ここで、本実施形態に係る成形包装体材料を用いて成形包装体20を得る方法の一例を示す。まず、成形包装体材料を所望の大きさに裁断して所望の形状にした包装材を得る。この包装材に、中央部が凹部、周辺部が平坦部となり、且つ、熱封緘層側が内面となるように、深絞り成形を施す。深絞り成形を施した包装材と略平坦状の包装材を用いて、周辺部の熱封緘層同士が当接するようにして接着する。そして、周辺部の一部を残し、他の周辺部を熱封緘して、成形包装体20を得る。成形包装体20を二次電池外装材として用いれば、図2に示すように、成形包装体20の凹部内に正極集電体5、正極6、隔離材7、負極8、および負極集電体9からなるユニットを複数収納し、更に電解質溶液に含浸させることで二次電池を製造することができる。さらに、二次電池本体から延びているリード線を外部に出すようにして、袋の口を再度、熱封緘する等、公知の方法に従って二次電池を製造することができる。
本実施形態の二次電池によれば、上記の良好な成形性を有したアルミニウム合金箔を備える成形包装体材料を用いるため、凹部を従来より深い深絞り成形が可能になる。これにより、電池材料の収容量の多い二次電池を形成できるので、長時間の使用に耐える充電容量あるいは高出力化が達成された二次電池を得ることができる。
本実施形態の成形包装体材料を用いて医薬品包装容器を得る場合にも、成形方法は、上述した方法を採用できる。例えば、PTP用であれば、薬(錠剤、カプセルなど)を収納して医薬品包装容器として用いることができる。本実施形態の医薬品包装容器は公知の方法で製造でき、製造方法は特に制限されるものではない。
本実施形態の医薬品包装容器によれば、上記の良好な成形性を有したアルミニウム合金箔を備える成形包装体材料を用いるため、深絞り成形が可能となる。これにより、成形包装体材料の低減化が図れる医薬品包装容器を得ることができる。また、本実施形態の医薬品包装容器によれば、アルミニウム合金箔の平均結晶粒径が小さいので、深絞り成形時に不均一な変形が起こり難く、成形包装体のコーナー部での割れも少ない。そのため、外部からの水蒸気が成形包装体内に侵入しにくくなり、保管する際に水蒸気バリヤー性が要求される錠剤状の内容物の長期の品質管理性にも優れている。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、上記実施の形態では二次電池用又は医薬品包装用の成形包装体材料としたが、特に限定する趣旨ではなく、他の包装用途に用いてもよい。たとえば、二次電池ではなく、一次電池の成形包装体材料に用いることもできる。このようにすれば、凹部を従来より深い深絞り成形が可能になり、電池材料の収容量の多い一次電池用外装材を形成できるので、長時間の使用に耐える容量と高出力化が達成された一次電池を得ることができる。
以下、本発明の実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲で拡張し得る。
表1に記載した組成を持つアルミニウム鋳塊を準備し、表1に記載した均質化処理、冷却、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延及び最終焼鈍を施して、厚さ40μmのアルミニウム合金箔を得た。得られたアルミニウム合金箔の圧延方向に対する0度、45度、90度における引張強さ、0.2%耐力及び伸びを測定し、表2に示した。最終箔厚にするまでの冷間圧延中におけるワレの発生有無及び平均結晶粒径の測定値も表2に示した。また、実際の電池外装材用ラミネート複合材を試作し、後述する角筒絞り成形試験を行った。結果を表2に示す。
アルミニウム合金箔の引張強さは、巾10mmの短冊状試料片を用い、チャック間距離50mm、引張速度10mm/min.で引張試験を行うことにより測定した。短冊状試料片にかかる最大荷重を、試験前の試料片の断面積で除した応力を引張強さとして、計算した。また、0.2%耐力は、荷重−伸び曲線図の初期の立ち上がりのほぼ直線で示される弾性域内のこの直線に対して、伸び軸上における0.2%の永久歪みの点から平行線を引き、当該平行線と上記荷重−伸び曲線とが交わった点、すなわち鋼材料などの降伏点に相当する点における荷重を、試験前の試料片の断面積で除することにより求めた。また、伸びは、引張強さの場合と同様の測定方法で、短冊状試料片が破断したときのチャック間距離をL(mm)としたとき、〔(L−50)/50〕×100で算出されるものである。
次に、実施例に係るアルミニウム合金箔を用いた成形包装体材料の深絞り性がどの程度であるかを試験するために、以下の実験を行った。即ち、実施例で得られた各アルミニウム合金箔の片面に、平均粒径6〜8μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレン15重量部とトルエン85重量部よりなるオルガノゾルを塗布し、200℃で20秒間の条件で乾燥し、厚さ2μmの接着性皮膜を得た。次に、厚さ40μmのポリプロピレンフィルムを、温度200℃、圧力0.2MPa、時間1秒間の圧着条件で、接着性皮膜表面に圧着して貼着した。最後に、アルミニウム合金箔の他面(ポリプロピレンフィルムが貼着されていない面)に、厚さ25μmの2軸延伸ナイロンを、ウレタン系接着剤を介して貼着して成形包装体材料を得た。
上記成形包装体材料を、120mm×100mmの大きさに切断し、角筒絞り成形試験のサンプルとした。長さ60mm、幅40mm、肩R及びコーナーRが1.5mmのポンチを用い、しわ抑え力を3.92kNにて、角筒絞り成形試験を実施した。成形高さは1.0mmから0.5mm刻みで高くし、各成形高さにて5回の上記角筒絞り成形試験を行い、5回全てでピンホールやワレが発生しなかった最大成形高さを、表2に示した。
アルミニウム合金箔の平均結晶粒径を以下のようにして切断法で測定した。まず、得られた各アルミニウム合金箔を、5℃以下の20容量%過塩素酸+80容量%エタノール混合溶液を用い、電圧20Vで電解研磨を行った。そして、水洗、乾燥した後、25℃以下の50容量%燐酸+47容量%メタノール+3容量%弗化水素酸の混合溶液中で、電圧20Vで陽極酸化皮膜を形成させた。その後、光学顕微鏡で偏光をかけて、結晶粒を観察し、写真に撮影した。撮影された写真から、切断法にて、平均結晶粒径を測定した。切断法は、ある線分内に何個の結晶粒があるかを数え、線分をその個数で除することにより、平均結晶粒径を算出する方法である。
Figure 2014101559
Figure 2014101559
以上の結果から明らかなように、実施例1〜19に係るアルミニウム合金箔は、比較例20〜37に係るアルミニウム合金箔に比べて、角筒絞り成形時の成形高さが大きく、成形性に優れていることを示している。従って、実施例1〜19に係るアルミニウム合金箔を用いて得られた成形包装体材料は、深絞り成形が良好に行え、厚さの比較的厚い内容物を包装するのに適していることが分かる。一方、比較例20〜37に係るアルミニウム合金箔は、角筒絞り成形時の成形高さが低く、成形性が良好でないことが明らかである。
比較例20では、45度方向と90度方向の引張強度が低く、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、角筒絞り成形時にフランジ部から材料が流入しにくいために、成形高さが向上しなかった。
比較例21では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径も大きくなり、成形高さが向上しなかった。
比較例22では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径も大きくなり、成形高さが向上しなかった。
比較例23では、結晶粒径が微細になり過ぎ、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低くなり、成形高さが向上しなかった。また、鋳造時に粗大な金属間化合物が晶出され、冷間圧延中に割れが発生した。
比較例24では、45度方向の引張強度が低く、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低いために、成形高さが向上しなかった。
比較例25では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低くなり、成形高さが向上しなかった。
比較例26では、冷間圧延中に割れが発生した。
比較例27では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、角筒絞り成形時にフランジ部から材料が流入しにくいために、成形高さが向上しなかった。
比較例28では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、角筒絞り成形時にフランジ部から材料が流入しにくいために、成形高さが向上しなかった。
比較例29では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径も大きくなり、成形高さが向上しなかった。
比較例30では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、角筒絞り成形時にフランジ部から材料が流入しにくいために、成形高さが向上しなかった。
比較例31では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、角筒絞り成形時にフランジ部から材料が流入しにくいために、成形高さが向上しなかった。さらに、冷間圧延中には割れが発生した。
比較例32では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径も大きくなり、成形高さが向上しなかった。
比較例33では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低く、角筒絞り成形時にフランジ部から材料が流入しにくいために、成形高さが向上しなかった。
比較例34では、アルミニウム合金箔が再結晶しないために、成形高さが向上しなかった。
比較例35では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径が大きくなり、成形高さが向上しなかった。
比較例36では、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が低い上に、平均結晶粒径が大きくなり、成形高さが向上しなかった。
比較例37では、アルミニウム合金箔が再結晶しないために、成形高さが低下した。
1 成形包装体材料
2 アルミニウム合金箔
3 熱封緘層
4 合成樹脂製フィルム
5 正極集電体
6 正極
7 隔離材
8 負極
9 負極集電体
20 成形包装体
21 端部

Claims (7)

  1. Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.2〜0.5mass%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなり、平均結晶粒径が7〜20μmであることを特徴とするアルミニウム合金箔。
  2. 圧延方向に対する0度、45度、90度方向の引張強さがそれぞれ90MPa以上であり、かつ引張強さTSと0.2%耐力YSにおいて、45度方向におけるTS×(TS/YS)の値が200MPa以上である請求項1記載のアルミニウム合金箔。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金箔を備える成形包装体材料。
  4. 前記アルミニウム合金箔の一方の側に積層されてなる合成樹脂製フィルムと、
    前記アルミニウム合金箔の他方の側に積層されてなる熱封緘層と、
    を備える請求項3に記載の成形包装体材料。
  5. 請求項3または請求項4に記載の成形包装体材料を備える電池。
  6. 請求項3または請求項4に記載の成形包装体材料を備える医薬品包装容器。
  7. Fe:0.8〜2.0mass%、Si:0.05〜0.2mass%、Cu:0.2〜0.5mass%、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を550℃以上、620℃以下で1時間以上の熱処理をする工程と、
    該熱処理後に、熱間圧延および冷間圧延を施す工程と、
    該冷間圧延の前あるいは途中で、300〜450℃で保持する中間焼鈍を施す工程と、
    冷間圧延率93〜99%で冷間圧延を実施する工程と、
    焼鈍を施して前記アルミニウム合金箔を得る工程と、を含むことを特徴とするアルミニウム合金箔の製造方法。
JP2012255362A 2012-11-21 2012-11-21 アルミニウム合金箔、成形包装体材料、電池、医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法 Expired - Fee Related JP6058363B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012255362A JP6058363B2 (ja) 2012-11-21 2012-11-21 アルミニウム合金箔、成形包装体材料、電池、医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012255362A JP6058363B2 (ja) 2012-11-21 2012-11-21 アルミニウム合金箔、成形包装体材料、電池、医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014101559A true JP2014101559A (ja) 2014-06-05
JP6058363B2 JP6058363B2 (ja) 2017-01-11

Family

ID=51024321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012255362A Expired - Fee Related JP6058363B2 (ja) 2012-11-21 2012-11-21 アルミニウム合金箔、成形包装体材料、電池、医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6058363B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015106528A (ja) * 2013-12-02 2015-06-08 大日本印刷株式会社 電池用包装材料
CN106233490A (zh) * 2013-12-11 2016-12-14 大日本印刷株式会社 电池用包装材料
US10128471B2 (en) 2013-12-02 2018-11-13 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Battery-packaging material
CN110157957A (zh) * 2019-05-16 2019-08-23 昆山铝业有限公司 用于深冷绝热纸的铝箔及其制备方法
JP2020007629A (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 東洋アルミニウム株式会社 アルミニウム合金箔及びその製造方法
CN114843666A (zh) * 2016-12-28 2022-08-02 大日本印刷株式会社 电池用包装材料用铝合金箔、电池用包装材料和电池
CN115094275A (zh) * 2022-06-23 2022-09-23 江苏鼎胜新能源材料股份有限公司 一种新能源电池用低针孔超宽电池箔及其制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60161142A (ja) * 1984-02-01 1985-08-22 三菱アルミニウム株式会社 容器成形用積層体
JPH0250932A (ja) * 1988-08-15 1990-02-20 Nippon Foil Mfg Co Ltd アルミニウム合金箔
JP2001176459A (ja) * 1999-12-14 2001-06-29 Nippon Foil Mfg Co Ltd 二次電池用外装材料及びその製造方法
JP2005163097A (ja) * 2003-12-02 2005-06-23 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 高強度Al−Fe合金箔
JP2012021205A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Kobe Steel Ltd 電池集電体用アルミニウム硬質箔
WO2012036181A1 (ja) * 2010-09-16 2012-03-22 古河スカイ株式会社 成形包装体材料

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60161142A (ja) * 1984-02-01 1985-08-22 三菱アルミニウム株式会社 容器成形用積層体
JPH0250932A (ja) * 1988-08-15 1990-02-20 Nippon Foil Mfg Co Ltd アルミニウム合金箔
JP2001176459A (ja) * 1999-12-14 2001-06-29 Nippon Foil Mfg Co Ltd 二次電池用外装材料及びその製造方法
JP2005163097A (ja) * 2003-12-02 2005-06-23 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 高強度Al−Fe合金箔
JP2012021205A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Kobe Steel Ltd 電池集電体用アルミニウム硬質箔
WO2012036181A1 (ja) * 2010-09-16 2012-03-22 古河スカイ株式会社 成形包装体材料

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015106528A (ja) * 2013-12-02 2015-06-08 大日本印刷株式会社 電池用包装材料
US10128471B2 (en) 2013-12-02 2018-11-13 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Battery-packaging material
CN106233490A (zh) * 2013-12-11 2016-12-14 大日本印刷株式会社 电池用包装材料
JPWO2015087901A1 (ja) * 2013-12-11 2017-03-16 大日本印刷株式会社 電池用包装材料
US9899639B2 (en) 2013-12-11 2018-02-20 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Packaging material for cell
CN114843666A (zh) * 2016-12-28 2022-08-02 大日本印刷株式会社 电池用包装材料用铝合金箔、电池用包装材料和电池
JP2020007629A (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 東洋アルミニウム株式会社 アルミニウム合金箔及びその製造方法
JP7128676B2 (ja) 2018-07-12 2022-08-31 東洋アルミニウム株式会社 アルミニウム合金箔及びその製造方法
CN110157957A (zh) * 2019-05-16 2019-08-23 昆山铝业有限公司 用于深冷绝热纸的铝箔及其制备方法
CN115094275A (zh) * 2022-06-23 2022-09-23 江苏鼎胜新能源材料股份有限公司 一种新能源电池用低针孔超宽电池箔及其制备方法
CN115094275B (zh) * 2022-06-23 2023-10-24 江苏鼎胜新能源材料股份有限公司 一种新能源电池用低针孔超宽电池箔及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6058363B2 (ja) 2017-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6322577B2 (ja) アルミニウム合金箔及びその製造方法
JP6381441B2 (ja) アルミニウム合金箔及びその製造方法、成形包装体材料、二次電池、医薬品包装容器
JP5841537B2 (ja) 成形包装体材料
JP6058363B2 (ja) アルミニウム合金箔、成形包装体材料、電池、医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法
CN103223753B (zh) 成形用包装材料和锂二次电池
JP3867989B2 (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP4936357B2 (ja) レーザー溶接性に優れた電池ケースフタ用アルミニウム合金板
CN103270182A (zh) 电极集电体用铝合金箔及其制造方法
JP2008127656A (ja) 電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP6719880B2 (ja) 蓄電デバイスの外装材用シーラントフィルム、蓄電デバイス用外装材、蓄電デバイス及び蓄電デバイス外装材のシーラントフィルム用樹脂組成物の製造方法
CN103262317A (zh) 电极集电体用铝合金箔及其制造方法
WO2013018162A1 (ja) 電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法
WO2013125565A1 (ja) 電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法
JP5830100B2 (ja) 電極集電体用アルミニウム合金箔及びその製造方法
JP2023137528A (ja) アルミニウム合金箔、構成体及び包装材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6058363

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees