JP2015106528A - 電池用包装材料 - Google Patents

電池用包装材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2015106528A
JP2015106528A JP2013249217A JP2013249217A JP2015106528A JP 2015106528 A JP2015106528 A JP 2015106528A JP 2013249217 A JP2013249217 A JP 2013249217A JP 2013249217 A JP2013249217 A JP 2013249217A JP 2015106528 A JP2015106528 A JP 2015106528A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
packaging material
battery
film
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013249217A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6326788B2 (ja
Inventor
高萩 敦子
Atsuko Takahagi
敦子 高萩
秋田 裕久
Hirohisa Akita
裕久 秋田
澄人 西田
Sumuto Nishida
澄人 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2013249217A priority Critical patent/JP6326788B2/ja
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to US15/100,888 priority patent/US10128471B2/en
Priority to KR1020167015739A priority patent/KR102281543B1/ko
Priority to PCT/JP2014/081718 priority patent/WO2015083657A1/ja
Priority to CN201480065933.7A priority patent/CN105794012B/zh
Priority to CN201910125809.XA priority patent/CN109986855B/zh
Priority to CN201910444356.7A priority patent/CN110216952B/zh
Publication of JP2015106528A publication Critical patent/JP2015106528A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6326788B2 publication Critical patent/JP6326788B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Abstract

【課題】少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体からなる電池用包装材料において、基材層にポリエステルフィルムを含むことにより耐電解液性をさらに向上させつつ、ポリエステルフィルムを含む基材層の成形時にクラックやピンホールが生じ難く、優れた成形性を有する技術を提供する。
【解決手段】
少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
前記基材層がポリエステルフィルムを含み、
前記金属層が、圧延方向に対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力が55〜140N/mm2であるアルミニウム箔である、電池用包装材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形時にピンホールやクラックが生じ難く、優れた成形性を有し、さらに、優れた耐電解液性を備える電池用包装材料に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質等の電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていた。
一方、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の電池用包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、近年、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材/金属層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている。しかしながら、このようなフィルム状の包装材料は、金属製の包装材料に比べて薄く、成形時にピンホールやクラックが生じ易いという欠点がある。電池用包装材料にピンホールやクラックが生じた場合には、電解液が金属層にまで浸透して金属析出物を形成し、その結果、短絡を生じさせることになりかねないため、フィルム状の電池用包装材料には、成形時にピンホールが生じ難い特性、即ち優れた成形性を備えさせることは不可欠となっている。
従来、フィルム状の電池用包装材料の成形性を高めるために、金属層を接着させるための接着層に着目した検討が種々行われている。例えば、特許文献1には、樹脂フィルムからなる内層、第1接着剤層、金属層、第2接着剤層、及び樹脂フィルムからなる外層を備えた積層型包装材料において、前記第1接着剤層及び第2接着剤層の少なくとも一方を、側鎖に活性水素基を有する樹脂、多官能イソシアネート類、及び多官能アミン化合物を含む接着剤組成物で形成することにより、より深い成形に対して信頼性が高い包装材料が得られることが開示されている。
特許文献1に代表されるように、従来、フィルム状の積層体からなる電池用包装材料において、金属層と他の層を接着させる接着層の配合成分に着目して、成形性を高める技術については多くの検討がなされているが、金属層の物性に着目して成形性を高める技術に関しては殆ど報告されていない。
また、一般に、耐力が低く、引張強度が大きい金属材料は、変形し易いことに加え、深絞りではしわが発生し難く、優れた加工性を備えていることが知られており(非特許文献1参照)、従来、フィルム状の積層体からなる電池用包装材料でも、金属層として耐力が低い金属素材が一般的に採用されている。
さらに、電池用包装材料には、高い耐電解液性が求められており、例えば、電池用包装材料の基材層としてポリエステルフィルムを用いることにより、耐電解液性をより向上し得る。しかしながら、ポリエステルフィルムはポリアミドフィルムなどに比して成形性が低く、ポリエステルフィルムを基材層に用いると成形時にピンホールが生じ易いという問題を有する。従って、耐電解液性を高めるためにポリエステルフィルムを基材層に用いる場合においては、電池用包装材料の成形性を高めることは特に困難である。
特開2008−287971号公報
太田哲 著、プレス加工技術マニュアル、日刊工業新聞社発行、昭和56年7月30日発行、1−3頁
本発明は、少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体からなる電池用包装材料において、基材層にポリエステルフィルムを含むことにより耐電解液性をさらに向上させつつ、ポリエステルフィルムを含む基材層の成形時にクラックやピンホールが生じ難く、優れた成形性を有する技術を提供することを主な目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、従来技術では、金属層に使用するアルミニウム箔は、耐力が低い程、優れた加工性を備えると考えられているにも拘らず、圧延方向に対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力が55〜140N/mm2という高い耐力を備えるアルミニウム箔を金属層に使用した電池用包装材料では、意外にも、基材層がポリエステルフィルムを含む場合においても、電池用包装材料に対して格段に優れた成形性を備えさせることができ、成形時のピンホールやクラックの発生率を大幅に低減できることを見出した。さらに、前記アルミニウム箔を積層させる基材層がポリエステルフィルムを含んでいることにより、耐電解液性にも優れる。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の電池用包装材料及び電池を提供する。
項1. 少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
前記基材層がポリエステルフィルムを含み、
前記金属層が、圧延方向に対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力が55〜140N/mm2であるアルミニウム箔である、電池用包装材料。
項2. 前記基材層が、ポリエステルフィルムとポリアミドフィルムとの積層体を含む、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記積層体が、2軸延伸ポリエステルフィルムと2軸延伸ポリアミドフィルムとの積層体である、項2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記積層体が、ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂との共押出積層体である、項2に記載の電池用包装材料。
項5. 前記アルミニウム箔が、圧延方向に対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力が65〜90N/mm2である、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記アルミニウム箔の厚みが、20〜55μmである、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 前記金属層の少なくとも一方の面に化成処理が施されている、項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 二次電池用の包装材料である、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
項9. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
本発明の電池用包装材料によれば、成形時に金型の形状に応じて、金属層が適度に追従できるので、ピンホールやクラック等の発生を抑制できる。このように、本発明の電池用包装材料は、優れた成形性を備えているので、生産性の向上にも寄与することができる。さらに、金属層を積層させる基材層がポリエステルフィルムを含んでいることにより、耐電解液性にも優れる。
本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、基材層がポリエステルフィルムを含み、金属層が、圧延方向に対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力が55〜140N/mm2であるアルミニウム箔であることを特徴とする。以下、本発明の電池用包装材料について詳述する。
1.電池用包装材料の積層構造
電池用包装材料は、図1に示すように、少なくとも、基材層1、接着層2、金属層3、及びシーラント層4が順次積層された積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、基材層1が最外層になり、シーラント層4は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士が熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
また、本発明の電池用包装材料は、図2に示すように、金属層3とシーラント層4との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。
2.電池用包装材料を形成する各層の組成
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は最外層を形成する層であり、絶縁性を備える。本発明において、基材層1は、ポリエステルフィルムを含む。ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。電池用包装材料に対して、優れた成形性及び耐電解液性を付与する観点からは、ポリエステルフィルムは、2軸延伸ポリエステルフィルムであることが好ましく、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることがより好ましい。2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの2軸延伸ポリエステルフィルムは公知であり、その製造方法についても公知である。具体的には、2軸延伸ポリエステルフィルムは、例えば、ポリエステルを含む原料からなる未延伸原反フィルムに対して、流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)のそれぞれの延伸倍率が2.0〜6.0倍となる条件で二軸延伸した後、210〜230℃で熱処理することによって得ることができる。二軸延伸方法としては、チューブラー方式やテンター方式による同時二軸延伸又は逐次二軸延伸を採用できる。
電池用包装材料の成形性及び耐電解液性をより向上させる観点から、基材層1は、ポリエステルフィルムとポリアミドフィルムとの積層体を含むことがより好ましい。当該積層体において、ポリエステルフィルムとしては、上記と同様のものが用いられる。また、ポリアミドフィルムを構成するポリアミド樹脂としては、好ましくはナイロン樹脂が挙げられる。ナイロン樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXDナイロン)等が挙げられる。電池用包装材料に対して、優れた成形性及び優れた耐電解液性を付与する観点からは、ポリアミドフィルムは、2軸延伸ポリアミドフィルムであることが好ましく、2軸延伸ナイロンフィルムであることがより好ましい。2軸延伸ナイロンフィルムなどの2軸延伸ポリアミドフィルムは公知であり、その製造方法についても公知である。具体的には、このような物性を備える2軸延伸ポリアミドフィルムは、例えば、ポリアミドを含む原料からなる未延伸原反フィルムに対して、流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)のそれぞれの延伸倍率が3.0〜3.5倍となる条件で二軸延伸した後、150〜200℃で熱処理することによって得ることができる。二軸延伸方法としては、チューブラー方式やテンター方式による同時二軸延伸又は逐次二軸延伸を採用できるが、好ましくはチューブラー法による同時二軸延伸が挙げられる。
電池用包装材料の成形性及び耐電解液性をより向上させる観点から、ポリエステルフィルムとポリアミドフィルムとの積層体として特に好ましい形態としては、2軸延伸ポリエステルフィルムと2軸延伸ポリアミドフィルムとの積層体、ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂との共押出積層体などが挙げられる。例えば、2軸延伸ポリエステルフィルムと2軸延伸ナイロンフィルムとは、接着剤を介して、ドライラミネーション法、サンドイッチラミネーション法などの公知の方法で積層することができる。また、ポリエステル樹脂とナイロン樹脂との共押出積層体についても、ポリエステル樹脂とナイロン樹脂とは接着層を介して共押出しで積層することができる。使用される接着層の種類や量等については、後述する接着層2又は接着層5の場合と同様である。
基材層1は、上記のポリエステルフィルム及び上記の積層体の少なくとも一方のみから形成されていてもよいし、さらに他の樹脂フィルム層を有していてもよい。また、基材層1において、上記のポリエステルフィルム及び上記の積層体は、それぞれ、1層のみであってよいし、複数層であってもよい。なお、他の樹脂フィルム層を構成する他の樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。また、他の樹脂フィルム層を構成する樹脂としては、これらの他の樹脂と、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂の少なくとも一方との混合物や共重合物等も挙げられる。
基材層1において、ポリエステルフィルムの厚みとしては、電池用包装材料の成形性及び耐電解液性をより向上させる観点から、好ましくは5〜20μm程度、より好ましくは9〜12μm程度が挙げられる。また、ポリアミドフィルムの厚みとしては、同様の観点から、好ましくは10〜30μm程度、より好ましくは12〜25μm程度が挙げられる。さらに、同様の観点から、基材層1がポリエステルフィルムとポリアミドフィルムとの積層体を含む場合には、ポリエステルフィルムとポリアミドフィルムの厚みの比(ポリエステルフィルム/ポリアミドフィルム)は、1/3〜1/1程度であることが好ましい。基材層1の総厚みとしては、好ましくは10〜50μm程度、より好ましくは15〜30μm程度が挙げられる。
[接着層2]
本発明の電池用包装材料において、接着層2は、基材層1と金属層3を強固に接着させために、これらの間に設けられる層である。
接着層2は、基材層1と金属層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着層2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着層2の形成に使用できる接着剤成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの接着剤成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着剤成分の中でも、好ましくはポリウレタン系接着剤が挙げられる。
接着層2の厚さについては、例えば、1〜10μm、好ましくは2〜5μmが挙げられる。
[金属層3]
本発明の電池用包装材料において、金属層3は、包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止するためのバリア層として機能する層である。本発明の電池用包装材料において、金属層3は、圧延方向に対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力が55〜140N/mm2であるアルミニウム箔によって形成される。このように耐力が高いアルミニウム箔を金属層3として使用することによって、本発明の電池用包装材料に優れた成形性を備えさえることができる。
金属層3として使用されるアルミニウム箔は、圧延方向に対して平行方向(MD)の引張試験を行った時の0.2%耐力が55〜140N/mm2を充足すればよいが、より一層優れた成形性を備えさせるという観点から、当該0.2%耐力として、好ましくは65〜90N/mm2が挙げられる。
また、当該アルミニウム箔において、圧延方向に対して垂直方向(TD)及び45°方向の引張試験を行った時の0.2%耐力については、特に制限されないが、好ましくは55〜140N/mm2程度、さらに好ましくは65〜90N/mm2程度が挙げられる。
当該アルミニウム箔において、圧延方向に対して平行方向(MD)の引張試験を行った時の引張破断強度としては、例えば90〜130N/mm2程度、好ましくは95〜125N/mm2程度、さらに好ましくは100〜110N/mm2程度が挙げられる。このような引張破断強度を備えることによって、より一層効果的に優れた成形性を備えさせることが可能になる。
また、当該アルミニウム箔において、圧延方向に対して垂直方向(TD)及び45°方向の引張試験を行った時の引張破断強度としては、特に制限されないが、例えば90〜124N/mm2程度、好ましくは94〜122N/mm2程度、さらに好ましくは96〜105N/mm2程度が挙げられる。
上記0.2%耐力、引張破断強度、及び引張破断伸度は、JIS Z 2241に規定する引張試験によって測定される値である。
金属層3として使用されるアルミニウム箔は、前述する0.2%耐力を備える限り、純アルミニウム単独であってもよいが、アルミニウム合金が好ましい。当該アルミニウム箔に使用されるアルミニウム合金としては、例えば、アルミニウム−Fe系合金、アルミニウム−Mn系合金等が挙げられ、好ましくはアルミニウム−Fe系合金が挙げられる。金属層3として使用されるアルミニウム箔の好適な例として、軟質アルミニウム、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021H−O)又は(JIS A8079H−O)等が挙げられる。
上記特性を備えるアルミニウム箔は公知であり、その製造方法についても公知である。具体的には、このような特性を備えるアルミニウム箔は、例えば、アルミニウム金属又はアルミニウム合金を500〜600℃程度で1〜2時間程度の条件で均質化処理する工程、400〜500℃程度で熱間圧延処理する工程、冷間圧延する工程、300〜450℃程度で1〜10時間程度の条件で中間焼鈍する工程、冷間圧延する工程、及び250〜400℃程度で30〜100時間程度の条件で最終焼鈍する工程を経て製造することができる。
金属層3(アルミニウム箔)の厚さとしては、好ましくは20〜55μm程度、より好ましくは30〜40μm程度が挙げられる。
また、金属層3は、接着の安定化、溶解や腐食の防止等のために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、金属層の表面に耐酸性皮膜を形成する処理である。化成処理は、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロム等のクロム酸化合物を用いたクロム酸クロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸等のリン酸化合物を用いたリン酸クロメート処理;下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位からなるアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理等が挙げられる。
一般式(1)〜(4)中、Xは水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基又はベンジル基を示す。また、R1及びR2は、同一又は異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、又はヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1、R2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1、R2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等のヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、及び、ドロキシアルキル基のいずれかであることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位からなるアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、約500〜約100万、好ましくは約1000〜約2万が挙げられる。
また、金属層3に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズ等の金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属層3の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、前記耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層を形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノール等が挙げられる。これらのカチオン性ポリマーは1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤等が挙げられる。これらの架橋剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの化成処理は、1種の化成処理を単独で行ってもよく、2種以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。更に、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。これらの中でも、好ましくはクロム酸クロメート処理、更に好ましくはクロム酸化合物、リン酸化合物、及び前記アミノ化フェノール重合体を組み合わせたクロメート処理が挙げられる。
化成処理において金属層3の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えばクロム酸化合物、リン酸化合物、及び前記アミノ化フェノール重合体を組み合わせてクロメート処理を行う場合であれば、金属層の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5〜約50mg、好ましくは約1.0〜約40mg、リン化合物がリン換算で約0.5〜約50mg、好ましくは約1.0〜約40mg、及び前記アミノ化フェノール重合体が約1〜約200mg、好ましくは約5.0〜150mgの割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法等によって、金属層の表面に塗布した後に、金属層の温度が70〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、金属層に化成処理を施す前に、予め金属層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法等による脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属層の表面の化成処理を一層効率的に行うことが可能になる。
[シーラント層4]
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
シーラント層4に使用される樹脂成分については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、更に好ましくはノルボルネンが挙げられる。
前記カルボン酸変性ポリオレフィンとは、前記ポリオレフィンをカルボン酸でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β―不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記酸変性シクロオレフィンコポリマーの変性に使用されるものと同様である。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン;更に好ましくはカルボン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
シーラント層4は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。更に、シーラント層4は、1層のみで成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上で形成されていてもよい。
また、シーラント層4の厚みとしては、適宜選定することができるが、10〜100μm、好ましくは15〜50μmが挙げられる。
[接着層5]
本発明の電池用包装材料において、接着層5は、金属層3とシーラント層4を強固に接着させために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層5は、金属層3とシーラント層4とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層5の形成に使用される接着剤について、その接着機構、接着剤成分の種類等は、前記接着層2の場合と同様である。接着層5に使用される接着剤成分として、好ましくはポリオレフィン系樹脂、更に好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン、特に好ましくはカルボン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
接着層5の厚さについては、例えば、2〜50μm、好ましくは20〜30μmが挙げられる。
3.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法が例示される。
まず、基材層1、接着層2、金属層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成は、具体的には、基材層1上又は必要に応じて表面が化成処理された金属層3に接着層2の形成に使用される接着剤を、押出し法、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該金属層3又は基材層1を積層させて接着層2を硬化させるドライラミネーション法によって行うことができる。また、基材層1がポリエステル樹脂とポリアミド樹脂との共押出積層体である場合には、金属層3の上に接着剤を塗布した後、接着剤の上にポリエステル樹脂とポリアミド樹脂とを共押出しすることによって、積層体Aを形成することができる。予めポリエステル樹脂とポリアミド樹脂を共押出したフィルムで積層体Aを形成してもよい。ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂を共押出する際、ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂との接着をより強固にするために、ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂の間に接着性樹脂を配してもよい。
次いで、積層体Aの金属層3上に、シーラント層4を積層させる。金属層3上にシーラント層4を直接積層させる場合には、積層体Aの金属層3上に、シーラント層4を構成する樹脂成分をグラビアコート法、ロールコート法等の方法により塗布すればよい。また、金属層3とシーラント層4の間に接着層5を設ける場合には、例えば、(1)積層体Aの金属層3上に、接着層5及びシーラント層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネーション法)、(2)別途、接着層5とシーラント層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aの金属層3上に熱ラミネーション法により積層する方法、(3)積層体Aの金属層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングした高温で乾燥さらには焼き付ける方法等により積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜したシーラント層4をサーマルラミネーション法により積層する方法、(4)積層体Aの金属層3と、予めシート状に製膜したシーラント層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aとシーラント層4を貼り合せる方法(サンドラミネーション法)等が挙げられる。
上記のようにして、基材層1/接着層2/必要に応じて表面が化成処理された金属層3/必要に応じて設けられる接着層5/シーラント層4からなる積層体が形成されるが、接着層2及び必要に応じて設けられる接着層5の接着性を強固にするために、更に、熱ロール接触式、熱風式、近又は遠赤外線式等の加熱処理に供してもよい。このような加熱処理の条件としては、例えば150〜250℃で1〜5分間が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
4.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(シーラント層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部のシーラント層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料のシーラント部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
<電池用包装材料の製造>
基材層1/接着層2/金属層3が順に積層された積層体に対して、サーマルラミネート法で接着層5及びシーラント層4を積層させることにより、基材層1/接着層2/金属層3/接着層5/シーラント層4が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を製造した。電池用包装材料の製造条件の詳細は、以下に示す通りである。
実施例1〜4及び比較例1〜2
実施例1〜4及び比較例1〜2では、基材層1を構成する樹脂フィルムとして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)を用いた。2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、ポリエチレンテレフタレートを含む原料からなる未延伸原反フィルムに対して、流れ方向(MD)及び幅方向(TD)のそれぞれの延伸倍率が2.0〜6.0倍となる条件でテンター法による逐次二軸延伸した後、210〜230℃で熱処理することで製造したものである。
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、ポリエステル系の主剤とイソシア系の硬化剤の2液型ウレタン接着剤からなる接着層2を3μmとなるように形成し、金属層として後述のアルミニウム箔を用い、金属層の化成処理面と加圧加熱貼合して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着層/アルミニウム箔が順に積層された積層体を作製した。
また、別途、接着層5を構成する酸変性ポリプロピレン樹脂(不飽和カルボン酸でグラフト変性した不飽和カルボン酸グラフト変性ランダムポリプロピレン(以下、PPaという))とシーラント層4を構成するポリプロピレン(ランダムコポリマー(以下、PPという))とを共押出しすることにより、厚さ20μmの接着層5と20μmのシーラント層4からなる2層共押出フィルムを作製した。
次に、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着層/アルミニウム箔からなる積層体の金属層(アルミニウム箔)に、前記で作製した2層共押出フィルムの接着層5が接するように重ね合わせ、金属層3が120℃となるように加熱してサーマルラミネーションを行うことにより、基材層1(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)/接着層2/金属層3/接着層5/シーラント層4が順に積層された積層体を得た。得られた積層体を一旦冷却した後に、180℃になるまで加熱し、1分間その温度を保持して熱処理を施すことにより、電池用包装材料を得た。
実施例5〜8及び比較例3〜4
実施例1〜4及び比較例1〜2で用いた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)のコロナ処理面にポリエステル系の主剤とイソシア系の硬化剤の2液型ウレタン接着剤からなる接着層を厚み3μmとなるようにして形成し、接着層を2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)と加圧加熱貼合して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと2軸延伸ナイロンフィルムの積層体を得た。次に、得られた積層体の2軸延伸ナイロンフィルム側に同様の2液型ウレタン接着剤からなる接着層を厚み3μmとなるようにして形成し、金属層として後述のアルミニウム箔を用い、金属層の化成処理面と加圧加熱貼合して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着層/2軸延伸ナイロンフィルム/接着層/アルミニウム箔が順に積層された積層体を作製した。
なお、実施例5〜8及び比較例3〜4で用いた2軸延伸ナイロンフィルムは、ナイロンを含む原料からなる未延伸原反フィルムに対して、流れ方向(MD)及び幅方向(TD)のそれぞれの延伸倍率が3.0〜3.5倍となる条件でチューブラー法による同時二軸延伸した後、150〜200℃で熱処理することで製造したものである。
また、別途、接着層5を構成するPPaとシーラント層4を構成するPPとを共押出しすることにより、厚さ20μmの接着層5と20μmのシーラント層4からなる2層共押出フィルムを作製した。
次に、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着層/2軸延伸ナイロンフィルム/接着層/アルミニウム箔からなる積層体の金属層(アルミニウム箔)に、前記で作製した2層共押出フィルムの接着層5が接するように重ね合わせ、金属層が120℃となるように加熱してサーマルラミネーションを行うことにより、基材層1(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着層/2軸延伸ナイロンフィルム)/接着層2/金属層3/接着層5/シーラント層4が順に積層された積層体を得た。得られた積層体を一旦冷却した後に、180℃になるまで加熱し、1分間その温度を保持して熱処理を施すことにより、電池用包装材料を得た。
比較例5
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、2軸延伸ナイロンフィルムを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、基材層1(2軸延伸ナイロンフィルム)/接着層2/金属層3/接着層5/シーラント層4が順に積層された積層体を得た。得られた積層体を一旦冷却した後に、180℃になるまで加熱し、1分間その温度を保持して熱処理を施すことにより、電池用包装材料を得た。
実施例1〜8及び比較例1〜5において、金属層3を構成するアルミニウム箔として、表1に示す物性の軟質アルミニウム((JIS H4160 A8021H−O)からなるAL箔1〜6(厚さ40μm)の両面を化成処理したものを用いた。AL箔1〜6の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をロールコート法により金属層の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより行った。
なお、表1において、AL箔1〜6は、アルミニウム合金を500〜600℃程度で1〜2時間程度の条件で均質化処理する工程、400〜500℃程度で熱間圧延処理する工程、冷間圧延する工程、300〜450℃程度で1〜10時間程度の条件で中間焼鈍する工程、冷間圧延する工程、及び250〜400℃程度で30〜100時間程度の条件で最終焼鈍する工程を経て製造したものである。
実施例1〜8及び比較例1〜5において、AL箔1〜6の0.2%耐力、引張破断強度、及び引張破断伸度は、JIS Z 2241に規定する引張試験によって測定した。実施例1〜8及び比較例1〜5における基材層と金属層との組み合わせを表2に示す。
<成形性の評価>
実施例1〜8及び比較例1〜5で得られた電池用包装材料を裁断し、120mm×80mmの短冊片を作製して、これを試験サンプルとした。30×50mmの成形金型を用い、成形深さ5mmまたは6mmとなるように冷間成形した。なお、深さ5mmの試験は、実施例1〜4及び比較例1、2、5で実施し、深さ6mmの試験は、実施例5〜8及び比較例3〜5で実施した。成形された電池包装材料における金属層のピンホール及びクラック発生の有無を確認し、発生率(%)を算出した。ピンホール及びクラックの発生率は、1か所でも発生が認められるものを不良と判断し、30個のサンプルにて実施した。結果を表3及び表4に示す。
<耐電解液性の評価>
実施例1〜8及び比較例1〜5で得られた電池用包装材料の基材層表面に電解液(電解液の組成:1MのLiPF6を含む、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート(容積比で1:1:1)の混合液)を滴下し、5分後、30分後、1時間後において、それぞれ電解液を拭き取った後の表面状態を観察した。評価基準は以下の通りである。
◎…1時間後に白化なし
○…30分後に白化なし
△…5分後に白化なし
×…5分後に白化あり
表3から明らかなように、成形深さ5mmで成形した場合、基材層として2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、かつ、圧延方向に対して平行方向の0.2%耐力が55〜140N/mm2という高い耐力を備えるアルミニウム箔を金属層として使用した電池包装材料では、ピンホール及びクラックの発生を顕著に抑制できており、かつ、耐電解液性にも優れていた(実施例1〜4)。一方、圧延方向に対して平行方向の0.2%耐力が55N/mm2未満、及び140N/mm2超のアルミニウム箔を使用した比較例1及び2では、基材層として2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたため耐電解液性には優れていたが、成形深さ5mmで成形すると、ピンホール及びクラックの発生率が高く、実施例1−4に比して成形性の点で劣っていた。また、基材層として2軸延伸ナイロンフィルムのみを用いた比較例5では、耐電解液性が劣っていた。
また、表4から明らかなように、成形深さ6mmというより過酷な条件で成形した場合、基材層として2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと2軸延伸ナイロンフィルムの積層体を用い、かつ、圧延方向に対して平行方向の0.2%耐力が55〜140N/mm2という高い耐力を備えるアルミニウム箔を金属層として使用した電池包装材料では、ピンホール及びクラックの発生を顕著に抑制できており、かつ、耐電解液性にも優れていた(実施例5〜8)。一方、圧延方向に対して平行方向の0.2%耐力が55N/mm2未満、及び140N/mm2超のアルミニウム箔を使用した比較例3及び4では、基材層として2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたため耐電解液性には優れていたが、成形深さ6mmで成形すると、ピンホール及びクラックの発生率が高く、実施例5〜8に比して成形性の点で劣っていた。また、基材層として2軸延伸ナイロンフィルムのみを用いた比較例5では、耐電解液性が劣っていた。
1 基材層
2 接着層
3 金属層
4 シーラント層
5 接着層

Claims (9)

  1. 少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
    前記基材層がポリエステルフィルムを含み、
    前記金属層が、圧延方向に対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力が55〜140N/mm2であるアルミニウム箔である、電池用包装材料。
  2. 前記基材層が、ポリエステルフィルムとポリアミドフィルムとの積層体を含む、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記積層体が、2軸延伸ポリエステルフィルムと2軸延伸ポリアミドフィルムとの積層体である、請求項2に記載の電池用包装材料。
  4. 前記積層体が、ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂との共押出積層体である、請求項2に記載の電池用包装材料。
  5. 前記アルミニウム箔が、圧延方向に対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力が65〜90N/mm2である、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
  6. 前記アルミニウム箔の厚みが、20〜55μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
  7. 前記金属層の少なくとも一方の面に化成処理が施されている、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
  8. 二次電池用の包装材料である、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
  9. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
JP2013249217A 2013-12-02 2013-12-02 電池用包装材料 Active JP6326788B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013249217A JP6326788B2 (ja) 2013-12-02 2013-12-02 電池用包装材料
KR1020167015739A KR102281543B1 (ko) 2013-12-02 2014-12-01 전지용 포장 재료
PCT/JP2014/081718 WO2015083657A1 (ja) 2013-12-02 2014-12-01 電池用包装材料
CN201480065933.7A CN105794012B (zh) 2013-12-02 2014-12-01 电池用包装材料
US15/100,888 US10128471B2 (en) 2013-12-02 2014-12-01 Battery-packaging material
CN201910125809.XA CN109986855B (zh) 2013-12-02 2014-12-01 电池用包装材料
CN201910444356.7A CN110216952B (zh) 2013-12-02 2014-12-01 电池用包装材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013249217A JP6326788B2 (ja) 2013-12-02 2013-12-02 電池用包装材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015106528A true JP2015106528A (ja) 2015-06-08
JP6326788B2 JP6326788B2 (ja) 2018-05-23

Family

ID=53436523

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013249217A Active JP6326788B2 (ja) 2013-12-02 2013-12-02 電池用包装材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6326788B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017143055A (ja) * 2016-02-09 2017-08-17 大日本印刷株式会社 電池用包装材料、電池、電池用包装材料の製造方法、及びアルミニウム合金箔
WO2018026007A1 (ja) * 2016-08-05 2018-02-08 大日本印刷株式会社 電池用包装材料及び電池
KR102391814B1 (ko) * 2021-02-26 2022-04-29 동우 화인켐 주식회사 이차전지용 파우치 필름

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002056824A (ja) * 2000-08-10 2002-02-22 Dainippon Printing Co Ltd 電池用積層フィルムおよびそれを用いた電池用容器
JP2008053133A (ja) * 2006-08-28 2008-03-06 Dainippon Printing Co Ltd 電池用包装材
JP2011101559A (ja) * 2009-11-09 2011-05-19 Nikon Corp 振動アクチュエータ駆動装置、レンズ鏡筒、及び、電子カメラ
JP2011108450A (ja) * 2009-11-16 2011-06-02 Toppan Printing Co Ltd リチウムイオン電池用包装材
WO2011132545A1 (ja) * 2010-04-23 2011-10-27 大倉工業株式会社 電池又はキャパシタ用外包材、およびその製造方法
WO2012036181A1 (ja) * 2010-09-16 2012-03-22 古河スカイ株式会社 成形包装体材料
JP2014101559A (ja) * 2012-11-21 2014-06-05 Uacj Corp アルミニウム合金箔、成形包装体材料、電池、医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002056824A (ja) * 2000-08-10 2002-02-22 Dainippon Printing Co Ltd 電池用積層フィルムおよびそれを用いた電池用容器
JP2008053133A (ja) * 2006-08-28 2008-03-06 Dainippon Printing Co Ltd 電池用包装材
JP2011101559A (ja) * 2009-11-09 2011-05-19 Nikon Corp 振動アクチュエータ駆動装置、レンズ鏡筒、及び、電子カメラ
JP2011108450A (ja) * 2009-11-16 2011-06-02 Toppan Printing Co Ltd リチウムイオン電池用包装材
WO2011132545A1 (ja) * 2010-04-23 2011-10-27 大倉工業株式会社 電池又はキャパシタ用外包材、およびその製造方法
WO2012036181A1 (ja) * 2010-09-16 2012-03-22 古河スカイ株式会社 成形包装体材料
JP2014101559A (ja) * 2012-11-21 2014-06-05 Uacj Corp アルミニウム合金箔、成形包装体材料、電池、医薬品包装容器、及びアルミニウム合金箔の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017143055A (ja) * 2016-02-09 2017-08-17 大日本印刷株式会社 電池用包装材料、電池、電池用包装材料の製造方法、及びアルミニウム合金箔
WO2018026007A1 (ja) * 2016-08-05 2018-02-08 大日本印刷株式会社 電池用包装材料及び電池
JPWO2018026007A1 (ja) * 2016-08-05 2019-06-06 大日本印刷株式会社 電池用包装材料及び電池
US10985419B2 (en) 2016-08-05 2021-04-20 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Battery packaging material and battery
KR102391814B1 (ko) * 2021-02-26 2022-04-29 동우 화인켐 주식회사 이차전지용 파우치 필름

Also Published As

Publication number Publication date
JP6326788B2 (ja) 2018-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5447742B1 (ja) 電池用包装材料
JP6673396B2 (ja) 電池用包装材料
JP6319323B2 (ja) 電池用包装材料
CN109986855B (zh) 电池用包装材料
JP6331482B2 (ja) 電池用包装材料
JP6614038B2 (ja) 電池用包装材料
JP6326788B2 (ja) 電池用包装材料
JP6003953B2 (ja) 電池用包装材料
JP6673394B2 (ja) 電池用包装材料
JP6476679B2 (ja) 電池用包装材料
JP6245328B2 (ja) 電池用包装材料
JP2019117799A (ja) 電池用包装材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180402

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6326788

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150