JP2014101514A - ハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂および成形品 - Google Patents

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峰銘 謝
Toshihiko Chin
俊彦 陳
Yi-Lun Hsu
怡倫 許
Kokusei Ji
國誠 時
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Abstract

【課題】 ハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂と成形品を提供する。
【解決手段】 本発明は、アクリレート単量体(I)とリン含有単量体(II)の共重合体とを含むハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂を提供し、R1は、Hまたはメチル;R2は、H、アルキル、エステル、アルキルエステル、アリール、または、ヘテロアリール、R3は、H、または、メチル、および、Xは(CH、xは整数1−11,(CHCHO),yは整数1−5,または(CHO,zは、整数2−10、および、nは、整数または非整数1−2である。ハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂の成形品も提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アクリル樹脂に関するものであって、特に、リン含有ハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂共重合体に関するものである。
一般に、アクリル樹脂は、高透過率、高耐候性、高硬度、および、加工成型が容易である等のその他の樹脂より優れた特性があるので、建築材料、電子製品、家具、乗り物、装飾等、幅広く各種領域に用いられている。しかし、アクリル樹脂は高可燃性で、発火して、急に燃え上がりやすく、火が急速に広がって、大きな損害を生じる。このほか、アクリル樹脂の燃焼は、毒性単量体を排出する。上述の欠点は、防火安全性の領域中で、アクリル樹脂の発展を制限する。
上述の問題を考慮し、難燃性アクリル樹脂が、一般に、難燃剤に加えられる。難燃剤(flame retardant)は、有機と無機との二つに分類される。無機タイプは、通常、難燃効果を達成するためには、多くの量が必要である。しかし、添加量が多すぎると、物理的性質を低下させる。有機タイプは、主に、ハロゲンベースとリンベース化合物とを含み、ハロゲンベースは、燃焼時に、ダイオキシン、ハロゲン水素化物と大量の煙を生じて、環境と人体に悪影響があるので、世界各国で、ハロゲン含有難燃剤の使用が禁じられている。よって、現在、有機タイプの難燃剤は、リンベース化合物を主軸として発展している。しかし、リンベース難燃剤の異質性、柔軟な長い炭素鎖のため、リンベース難燃剤の組み込み、または、共重合は、アクリル樹脂の機械的強度、透過率、および、熱抵抗を低下させる。たとえば、Price Dennis et al.(Polymer Degradation and Stability, 77, 227-233(2002))(非特許文献1)は、リン含有化合物で改質されたポリ(メチルメタクリレート)の難燃剤を開示している。Ebdon, J. R. et al.(Polymer Degradation and Stability, 70, 425-436(2000))(非特許文献2)は、メチルメタクリレートとジエチル(メタクリロイルオキシメチル)ホスホン酸塩の共重合体における熱劣化と難燃性とを開示している。しかし、これらのポリマーは、低熱抵抗を有する。TW 201000546(2010)(特許文献1)は、アクリル樹脂とアンモニウム塩とを含む環境難燃性アクリル樹脂合成物を開示している。しかし、開示された合成物は透明性がない。CN 101899125 B(2011)(特許文献2)は、難燃透過PMMAとその調製法、および、難燃剤の生成方法を開示している。開示された難燃透過PMMAは透明度が88−90%である;しかし、熱抵抗が低い。Daimatsu, Kazuki et al.(Polymer Degradation and Stability, 92, 1433-1438(2007))(非特許文献3)は、ナノサイズの水酸化アルミニウムを含む難燃性アクリル樹脂の調合と物理的性質を開示している。開示された難燃透過PMMAは透明度が≧90%である;しかし、熱抵抗および難燃性が低い。
或いは、上述の問題を考慮し、難燃性アクリル樹脂は、一般に、難燃性単量体と共重合される。たとえば、US 20110160400 A1(2011)(特許文献3)は、透明度が86−90%リン酸とアクリル共重合体樹脂、それらを含む難燃剤と樹脂合成物を開示している。Guo-An Wang et al.(Polymer Degradation and Stability, 91, 2683-2690(2006))(非特許文献4)は、メチルメタクリレートと2−メタクリロキシエチルフェニルリン酸塩とのリン含有共重合体を開示している。しかし、開示された共重合体は低熱抵抗を有する。
したがって、機械的強度、透過率、および、熱抵抗、可用性を妥協しない改善された難燃性を有するアクリル樹脂が必要である。
台湾特許出願公開第201000546号明細書 中国特許出願公開第101899125号明細書 米国特許出願公開第2011/0160400号明細書
Price Dennis et al.,Polymer Degradation and Stability,77,227-233(2002) Ebdon, J. R. et al.,Polymer Degradation and Stability,70,425-436(2000) Daimatsu, Kazuki et al.,Polymer Degradation and Stability,92,1433-1438(2007) Guo-An Wang et al.,Polymer Degradation and Stability,91,2683-2690(2006)
本発明は、ハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂を提供することを目的とする。
本発明は、ハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂の成形品を提供することをもうひとつの目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、アクリレート単量体(I)とリン含有単量体(II)との共重合体を含むハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂を提供する:
Figure 2014101514
Figure 2014101514
式中、R1は、Hまたはメチル;R2は、H、アルキル、エステル、アルキルエステル、アリール、または、ヘテロアリール、R3は、Hまたはメチル、Xは(CH、xは整数1−11、(CHCHO)、yは整数1−5、または、(CHO、zは整数2−10、nは、整数または非整数1−2である。
本発明は、ハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂から成形される物品も提供する。
本発明のリン含有アクリル樹脂は、アクリル樹脂とリン含有単量体とを共重合することにより形成されて、高透過率を維持しつつ、難燃性と熱抵抗とを改善する。
本発明の実施態様について詳細に述べる。その例は添付図面に示されている。他の実施の形態および利点が以下の詳細な説明に述べられる。この概要は、本発明を定めるものではない。本発明は請求項によって定められる。
本明細書中の“一具体例”は、本実施例中の特定の特徴、構造、または、特色は、本発明の少なくともひとつの具体例中に含まれることを意味する。よって、本明細書中の各所にある“一実施例中”というのが、全て、同一の具体例として示されるのではない。さらに、特定の特徴、構造、または、特色は、適当な方式で、ひとつ以上の具体例で結合する。
一般のアクリル樹脂は、温度が熱分解温度に近づく、または、燃焼時、各種遊離基(たとえば、H・またはOH・)を生成する。これらの遊離基はアクリル樹脂を攻撃し、熱分解の連鎖反応を引き起こし、持続的な燃焼が、アクリル樹脂の構造的完全性を破壊する。よって、アクリル樹脂の一特徴が低難燃性である。アクリル樹脂またはそれらの組成物が改質されて、難燃性を改善しても、それらの構造は、加熱時に軟化するので、優れた熱抵抗と透過率とを提供することができない。上述の問題を解決するため、本発明のリン含有アクリル樹脂は、アクリル樹脂とリン含有単量体とを共重合することにより形成されて、高透過率を維持しつつ、難燃性と熱抵抗とを改善する。
本発明のアクリル樹脂は、式(I)のアクリレート単量体と式(II)のリン含有単量体との共重合により形成される。
Figure 2014101514
式(I)中の官能基R1は、水素またはメチルを含み、官能基R2は、水素、アルキル、エステル、アルキルエステル、アリールまたはヘテロアリールを含む。上述のアルキル基は、1から6の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基、および、3から8の炭素原子を有する環状アルキル基、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−フェニル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル基、シクロブチル、シクロヘキシル基、シクロヘプチル、シクロオクチル、または、別の適当なアルキル基を含む。上述のエステル基は、1−6炭素原子を有するエステル基、たとえば、硫酸エステル、チオールエステル、リン酸塩、炭酸エステル、ヒドロキシエステル、カルボン酸エステル、ポリウレタン基、ビニルエステル、カルバミン酸塩、または、別の適当なエステル基を含む。上述のアルキルエステル基は、1−6炭素原子を有するアルキルエステル基、たとえば、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、t−ブチルエステル、または、別の適当なアルキルエステル基を含む。上述のアリール基は、6−14炭素原子を有するアリール基、たとえば、フェニル、ベンジル、ナフチル、または、別の適当なアリール基を含む。上述のヘテロアリール基は、4−15ヘテロ原子を有するヘテロアリール基、たとえば、C、N、OまたはS、たとえば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、または、別の適当なヘテロアリール基を含む。アクリレート単量体の説明例は、メタクリレート、エチルアクリレート、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、シクロアルキルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリール、メタクリル酸ベンジル、2−エチルヘキシルアクリレート、2−メタクリル酸エトキシエチル、エチル2−シアノプロペン酸、または、別の適当なアクリレート単量体を含む。
本発明に適するリン含有単量体は、エチレン性二重結合、および、その分子で、水素結合を形成することができるリン酸塩基を有し、以下の式(II)に示される。
Figure 2014101514
一具体例において、nは、1−2の整数または非整数で、非整数は、少なくとも二種類のリン含有単量体の混合物である。表(1)は、いくつかのリン含有単量体を列挙し、R3基は、水素またはメチルで、X基は、1−11、たとえば、xが1−3の(CH、yが1−5、たとえば、1−2の(CHCHO)、および、zが2−11、たとえば、2−5の(CHO等を含む。幾つかの具体例において、Xは(CHO、zは、2−5間の整数で、以下の式(III)に示される。
Figure 2014101514
Figure 2014101514
リン含有単量体の二重結合は、遊離基反応により、アクリル単量体の二重結合と共重合して、リン含有アクリル樹脂を形成することができる。リン酸塩構造は、燃焼時、凝縮および脱水し、かつ、アクリル樹脂のカルボン酸基の脱水を促進して、燃焼温度を低下させ、さらに、アクリル樹脂を炭化して、不燃性の炭化層を形成し、可燃性ガスと熱の伝送を妨げる。一方、リン含有化合物は、HPO・またはHPO・を生成し、遊離基を捕捉して、連鎖反応を抑制し、よって、難燃性を改善する。さらに、リン含有単量体の水素結合は物理架橋結合二機能性(たとえば、n>1のとき)、および、化学架橋結合を形成することができ、共に、構造を安定させる。よって、難燃性および熱抵抗が改善される。
幾つかの具体例において、リン含有アクリル共重合体樹脂の透過率は、約70%から約99%、好ましくは、約90%から約99%である。リン含有アクリル共重合体樹脂のガラス転移温度は、95℃−125℃、好ましくは、110℃以上である。UL−94テストの結果は、少なくともV2クラス、さらにはV1またはV0クラスに達する。
一具体例において、ハロゲンフリー難燃性アクリル共重合体樹脂の組成比は、約40wt%−95wt%のアクリレート単量体、たとえば、50wt%−85wt%、および、約5wt%−60wt%のリン含有単量体、たとえば、15wt%−50wt%を含む。このほか、約0.1wt%−5wt%の遊離基開始剤、たとえば、0.1wt%−2wt%も含む。上述の組成比のアクリレート単量体およびリン含有単量体は、従来の方法:溶液重合、沈殿重合、懸濁重合、バルク重合、エマルション重合などにより共重合される。好ましくは、遊離基開始剤を用いた溶液重合方法を使用し、遊離基開始剤は、これに限定されないが、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ホスフィンオキシド、ケタール、アントラキノン、チオキサントン、アゾ化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン化合物、ジスルフィド化合物、フルオロアミン化合物、および、芳香性スルホニウム化合物、たとえば、アゾ化合物、過酸化物、および、アセトフェノンを含み、アゾジイソブチロニトリル(AIBN)が特に好ましい。溶液重合に用いられる溶剤は、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、n,n−ジメチルホルムアミド、n,n−ジメチルトキシドローム、ベンゼン、トルエン、アセチル化トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、または、それらの混合物である。
幾つかの具体例において、ハロゲンフリー難燃性アクリル共重合体樹脂は、従来の処理ステップ、たとえば、注入成形、射出成形、押し出し成形等により、所望の各種物品、たとえば、フィルム、シート、射出成形体、熱成形体、発泡体、繊維、モノフィラメント、不織布、糸、ラミネート、コンテナ、および/または、別の適当な物品形状を形成する。幾つかの具体例において、ハロゲンフリー難燃性アクリル共重合体樹脂は、建築材料、家具、電子製品、交通手段、精密機械、電子通信装置、布製品、食材パッキング、農業、林業、漁業、医療用品等に応用される。従来のアクリル樹脂と比較して、高透過率、高耐候性、高硬度、加工成型が容易である等の長所が提供できる。
具体例のリン含有単量体は、アクリル単量体と高い相溶性および反応性があり、共重合後、90%以上の高透過率を維持することができる。単量体間の相溶性がよいので、水素結合およびエチレン性二重結合は、アクリル樹脂の熱抵抗を改善することができる。幾つかの具体例において、たとえば、40wt%の高いリン含有量を有する処理の間も高透過率を維持することができよって、その熱抵抗を増加し、難燃性をUL−94テストの少なくともV2クラスに改善することができる。
[実施例1]
30gのリン含有単量体混合物(式(III),n=1.5;即ち、化合物CAS No. 24599-21-1と化合物CAS No. 32435-46-4.との等モル混合物)を、120gのメチルアクリレート(MMA)プレポリマーに添加して、MMAを80wt%にし、リン含有単量体を20wt%にすると共に、0.45gのアゾジイソブチロニトリル(AIBN)を遊離基開始剤として添加した。完全に混合した後、混合物をガラス鋳型に注ぎ、シールした。鋳型を、60℃の定温で4時間、水浴に浸し、その後、鋳型を110℃で2時間、オーブンで焼いた。冷却後、アクリルプレートが得られ、ASTM D1003-00にしたがって透過率を測定し、ASTM D7426-08により、ガラス転移温度を測定し、UL−94垂直フレームテストにより難燃性をテストした。得られたアクリルプレートの特性は表(2)に示される。
[実施例2]
105g(70wt%)のMMA、および、45g(30wt%)のリン含有単量体(式(III),n=1.5;即ち、化合物CAS No. 24599-21-1と化合物CAS No. 32435-46-4.との等モル混合物)を用いることを除いて、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られたアクリルプレートの特性が、表(2)に示される。
[実施例3]
90g(60wt%)のMMA、および、60g(40wt%)のリン含有単量体(式(III),n=1.5;即ち、化合物CAS No. 24599-21-1と化合物CAS No. 32435-46-4.との等モル混合物)を用いることを除いて、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られたアクリルプレートの特性が、表(2)に示される。
[実施例4]
112g(75wt%)のMMA、および、37.5g(25wt%)のリン含有単量体(式(III),n=1;化合物CAS No. 24599-21-1.)を用いることを除いて、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られたアクリルプレートの特性が、表(2)に示される。
[実施例5]
97.5g(65wt%)のMMA、および、52.5g(35wt%)のリン含有単量体(式(III),n=1;化合物CAS No. 24599-21-1.)を用いることを除いて、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られたアクリルプレートの特性が、表(2)に示される。
[実施例6]
112.5g(75wt%)のMMA、および、37.5g(25wt%)のリン含有単量体(式(II),R3=CH,X=CH、および、n=1.)を用いることを除いて、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られたアクリルプレートの特性が、表(2)に示される。
[比較例1]
150g(100wt%)のMMAを用いることを除いて、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られたアクリルプレートの特性が、表(2)に示される。
[比較例2]
135g(90wt%)のMMA、および、15g(10wt%)のリン含有単量体(式(III),n=1.5;即ち、化合物CAS No. 24599-21-1と化合物CAS No. 32435-46-4.との等モル混合物)を用いることを除いて、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られたアクリルプレートの特性が、表(2)に示される。
[比較例3]
40g(80wt%)のMMA、および、10g(30wt%)のリン含有単量体(式(IV))を用い、0.15gのAIBNを添加することを除いて、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られたアクリルプレートの特性が、表(2)に示される。
Figure 2014101514
[比較例4]
32.5g(65wt%)のMMA、および、17.5g(35wt%)のリン含有単量体(式(V),化合物CAS No. 682-30-4)を用い、0.15gのAIBNを添加することを除いて、実施例1と同じ工程を繰り返した。得られたアクリルプレートの特性が、表(2)に示される。
Figure 2014101514
Figure 2014101514
表(2)から分かるように、本発明の構造透過度は、一般レベルのアクリル樹脂の透過率を維持し、かつ、リン含有単量体を加えないPMMA(比較例1)、または、10wt%のリン含有単量体だけを含むPMMA(比較例2)と比べて、好ましい熱抵抗を有していた。実施例の共重合体のガラス転移温度は、一般のPMMAより少なくとも5.5℃高かった。比較例3および4から分かるように、リン含有単量体の水素結合と二機能性の架橋結合の欠乏のため、共重合反応性が本具体例より低く、相当な量の単量体がポリマーに残留し、熱抵抗を低下させ、熱変形しやすかった。比較例1および2がUL−94垂直フレームテストをパスしなかったが、実施例は、UL−94垂直フレームテストの少なくともV2クラスに達していた。
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。

Claims (12)

  1. アクリレート単量体(I)とリン含有単量体(II)の共重合体とを含むハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂であって、
    Figure 2014101514

    Figure 2014101514

    式中、R1は、Hまたはメチル;
    R2は、H、アルキル、エステル、アルキルエステル、アリール、または、ヘテロアリール;および
    R3は、Hまたはメチル、
    Xは(CH、xは整数1−11,(CHCHO),yは、整数1−5、または、(CHO,zは整数2−10、および、
    nは、整数または非整数1−2であることを特徴とするハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂。
  2. 前記アクリレート単量体は、メタクリレート、エチルアクリレート、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、シクロアルキルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリール、メタクリル酸ベンジル、2−エチルヘキシルアクリレート、2−メタクリル酸エトキシエチル、または、エチル2−シアノプロペン酸を含むことを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂。
  3. Xは(CHO、zは整数2−5であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂。
  4. 前記リン含有単量体は式(III)の前記単量体で、
    Figure 2014101514

    nは、整数または非整数1−2であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂。
  5. 50wt%−85wt%のアクリレート単量体、および、15wt%−50wt%のリン含有単量体を含むことを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂。
  6. さらに、総単量体量に基づいて、0.1wt%−2wt%の遊離基開始剤を含むことを特徴とする請求項5に記載のハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂。
  7. 前記遊離基開始剤は、アゾ化合物、過酸化物、アセトフェノン、または、それらの混合物を含むことを特徴とする請求項6に記載のハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂。
  8. 透過率が70%−99%であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂。
  9. 前記共重合体のガラス転移温度は、95℃−125℃であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂。
  10. 前記共重合体は、UL−94垂直フレームテストをパスする十分な難燃性を有することを特徴とする請求項1に記載のハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂。
  11. 請求項1に記載の前記ハロゲンフリー難燃性アクリル樹脂から成型されることを特徴とする物品。
  12. フィルム、シート、射出成形体、熱成形体、発泡体、繊維、モノフィラメント、不織布、糸、ラミネート、または、コンテナを含むことを特徴とする請求項11に記載の物品。
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