JP2014101069A - 車両用前照灯の点灯制御装置、車両用前照灯システム - Google Patents

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Abstract

【課題】曲路通過時にも前方車両へのグレアを抑制し、かつ前方視認性も向上させること。
【解決手段】車両用前照灯による光照射状態を制御するための点灯制御装置であって、カメラ10により撮影される自車両の前方の画像に基づいて前方車両を検出する車両検出部11と、自車両のハンドルの操舵角を検出する操舵角検出部13と、操舵角の大きさに基づいて減光制御を行うか否かを判定する減光判定部15と、車両検出部11によって検出される前方車両の位置に対応して光照射範囲及び光量を設定するとともに、減光判定部15により減光制御を行うと判定された場合には光照射範囲の少なくとも一部領域の光量を相対的に低く設定する光照射範囲設定部16と、照射範囲設定部16によって設定される光照射範囲及び光量に対応した制御信号を生成して車両用前照灯へ出力する配光制御部17を備える、車両用前照灯の点灯制御装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の前照灯による照射状態を制御する技術に関する。
夜間に車両を走行させる際に、運転者は、基本的に前照灯によりハイビームを照射させることにより車両の前方を確認し、必要に応じてロービームに切り換えるが、切り替えの煩わしさや道路環境によりロービームを用いる場合も多い。このとき、いわゆるカットオフラインより上側に光を照射すると、対向車両や先行車両(以下、これらを「前方車両」という。)にグレアを与えるおそれがある。このため近年では、自車両に搭載されたカメラによって前方車両を撮影して得られる画像を用いて前方車両のランプ(テールランプまたはヘッドランプ)の位置を検出し、前方車両の位置が遮光範囲となるようにしてハイビームの照射パターンを制御する配光制御技術が種々提案されている(例えば、特開2010−232081号公報参照)。この技術によれば、前方車両へのグレアを抑制するとともに歩行者の早期発見や遠方視認性の向上を図ることができる。
また、特開2011−255826号公報には、急カーブ道路の走行中においても対向車等にグレアを与えない配光パターンを自動で選択できる車両用灯具システムが開示されている。この先行例の車両用灯具システムは、ロービーム用配光パターンとハイビーム用配光パターンを切替形成可能な車両用灯具と、自車の前方状況を示す情報に基づいて配光パターンを切替制御する制御部を備え、制御部は、情報が前方車両の存在を示す内容である場合、前方車両の位置情報にしたがって配光パターンを切替制御する一方、情報が基準曲路より急な曲路状態を示す内容である場合、前方車両の有無に拘わらずロービーム用配光パターンへの切り替えを優先する。しかし、この先行例においては、基準曲路よりも急な曲路では前方車両の有無に拘わらずロービーム用配向パターンが選択されてしまうので、曲路を通過する際に自車両前方の視認性が低下する。
特開2010−232081号公報 特開2006−159928号公報
本発明に係る具体的態様は、曲路通過時にも前方車両へのグレアを抑制し、かつ前方視認性も向上させることが可能な配光制御技術を提供することを目的の1つとする。
本発明に係る一態様の車両用前照灯の点灯制御装置は、車両用前照灯による光照射状態を制御するための点灯制御装置であって、(a)カメラにより撮影される自車両の前方の画像に基づいて前方車両を検出する車両検出部と、(b)自車両のハンドルの操舵角を検出する操舵角検出部と、(c)操舵角の大きさに基づいて減光制御を行うか否かを判定する減光判定部と、(d)車両検出部によって検出される前方車両の位置に対応して光照射範囲及び光量を設定するとともに、減光判定部により減光制御を行うと判定された場合には光照射範囲の少なくとも一部領域の光量を相対的に低く設定する光照射範囲設定部と、(e)照射範囲設定部によって設定される光照射範囲及び光量に対応した制御信号を生成して車両用前照灯へ出力する配光制御部を含む、車両用前照灯の点灯制御装置である。
上記構成によれば、前方車両の位置に応じて光照射範囲を設定する通常の配光制御を行いつつ、自車両が急カーブにさしかかった場合にはそれを操舵角に基づいて判断して減光制御が行われるので、通常の配光制御によって対応した場合の急カーブにおける制御遅れ(タイムラグ)の影響を回避することができる。したがって、曲路通過時にも前方車両へのグレアを抑制し、かつ前方視認性も向上させることが可能になる。
上記の点灯制御装置において、減光判定部は、操舵角が右方向と左方向のいずれのハンドル操作に対応するかを判定しており、光照射範囲は、操舵角が右方向に対応する場合には光照射範囲の相対的に右側にある一部領域の光量を相対的に低く設定し、操舵角が左方向に対応する場合には光照射範囲の相対的に左側にある一部領域の光量を相対的に低く設定する、ことも好ましい。
これによれば、急カーブの方向(右方向、左方向)に対応して、減光の必要性がより高い領域を減光し、かつそれ以外の領域は相対的に光量を相対的に高い状態として視認性を確保することができる。
上記の点灯制御装置において、光照射範囲は、減光判定部により減光制御を行うと判定された場合には光照射範囲の全領域の光量を相対的に低く設定する、ことも好ましい。
これによれば、比較的簡単な判定により急カーブ時の前方車両へのグレアを抑制することができる。
上記の点灯制御装置は、自車両の車速を検出する車速検出部を更に含み、減光判定部は、車速が所定値以上である場合にのみ減光制御を行うか否かの判定を実行する、ことも好ましい。
比較的低速でハンドルを大きく切っている場合には急カーブ以外の場面(例えば駐車中など)が考えられるのでその場合には減光制御を行わないようにすることで、必要性の低い場面での減光制御を減らすことができる。また、仮に急カーブの場面であったとしても、比較的低速であるから通常の配光制御におけるタイムラグが問題とはなり難く、前方車両にグレアを与えることがない。
本発明に係る一態様の車両用前照灯システムは、上記した車両用前照灯の点灯制御装置と、この点灯制御装置によって制御される車両用前照灯を含んで構成される。
これにより、曲路通過時にも前方車両へのグレアを抑制し、かつ前方視認性も向上させることが可能な車両用前照灯システムが提供される。
図1は、一実施形態の車両用前照灯システムの構成を示すブロック図である。 図2(A)は、各ランプユニットの構成例を示す模式図である。図2(B)は、各ランプユニットの光学的な構成を示す模式図である。 図3(A)および図3(B)は、車両用前照灯システムの動作の概略を説明するための図である。 図4は、車両用前照灯システムの動作手順を説明するためのフローチャートである。 図5は、ハンドル操舵角の時間変化の一例を示す図である。 図6(A)は、通常の配光制御における光照射状態について概略的に示した図である。図6(B)は、急カーブに対応した配光制御における光照射状態の一例を概略的に示した図である。図6(C)および図6(D)は、急カーブに対応した配光制御における光照射状態の他の一例を概略的に示した図である。 図7は、操舵角に関する所定値(制御切り換え閾値)についてのバリエーションを詳細に説明するための図である。 図8(A)〜図8(C)は、操舵角に関する所定値(制御切り換え閾値)についてのバリエーションを詳細に説明するための図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の車両用前照灯システムの構成を示すブロック図である。図1に示す車両用前照灯システムは、自車両の前方の空間(対象空間)を撮像して得られる画像に基づいて配光パターンを設定して光照射を行うものであり、カメラ10、車両検出部11、制御部12、一対のランプユニット20R、20Lを含んで構成されている。なお、カメラ10、車両検出部11および制御部12が点灯制御装置に相当し、各ランプユニット20R、20Lが車両用前照灯に相当する。
カメラ10は、自車両の所定位置(例えば室内バックミラー付近)に設置されており、自車両の前方の空間を撮影し、その画像(画像データ)を出力する。
車両検出部11は、カメラ10から出力される画像データを用いて所定の画像処理を行うことにより、前方車両の位置を検出してその位置情報を制御部12へ出力する。ここでいう「前方車両」とは、先行車両または対向車両である。この車両検出部11は、例えばCPU、ROM、RAM等を有するコンピュータシステムにおいて所定の動作プログラムを実行させることにより実現される。この車両検出部11は、例えばカメラ10と一体に構成されている。なお、車両検出部11の機能は制御部12において実現されてもよい。
制御部12は、例えばCPU、ROM、RAM等を有するコンピュータシステムにおいて所定の動作プログラムを実行させることにより実現されるものであり、機能ブロックとしての操舵角検出部13、車速検出部14、減光判定部15、光照射範囲設定部16および配光制御部17を備える。
操舵角検出部13は、自車両から得られるハンドルの操舵角情報に基づいて自車両のハンドルの操舵角を検出する。ここでは、操舵角は、例えばプラスの値がハンドルの左方向への操作に対応し、マイナスの値がハンドルの右方向への操作に対応するものとする。
車速検出部14は、自車両から得られる車速情報に基づいて自車両の現在の車速を検出する。
減光判定部15は、操舵角検出部13によって検出されるハンドルの操舵角の大きさに基づいて減光制御を行うか否かを判定する。
光照射範囲設定部16は、車両検出部11によって検出される前方車両の位置に対応して光照射範囲および光量を設定するとともに、減光判定部15により減光制御を行うと判定された場合には光照射範囲の少なくとも一部領域の光量を相対的に低く設定する。
配光制御部17は、照射範囲設定部16によって設定された光照射範囲および光量に基づいてその配光パターンに応じた制御信号(配光制御信号)を生成し、各ランプユニット20R、20Lへ出力する。
ランプユニット20Rは、自車両の前方右側に設置され、自車両の前方を照らす光を照射するために用いられるものであり、LED点灯回路21およびマトリクスLED22を有する。同様に、ランプユニット20Lは、自車両の前方左側に設置され、自車両の前方を照らす光を照射するために用いられるものであり、LED点灯回路21およびマトリクスLED22を有する。
LED点灯回路21は、配光制御部17から出力される制御信号に基づいて、マトリクスLED22に含まれる複数のLED(発光ダイオード)に対して駆動信号を供給することにより、各LEDを選択的に点灯させる。
マトリクスLED22は、マトリクス状に配列された複数のLEDを備えており、LED点灯回路21から供給される駆動信号に基づいて複数のLEDが選択的に点灯する。このマトリクスLED22は、複数のLEDをそれぞれ独立に点灯させ、かつその照射強度(明るさ)を制御することが可能である。
図2(A)は、各ランプユニットの構成例を示す模式図である。また、図2(B)は、各ランプユニットの光学的な構成を示す模式図である。図2(A)および図2(B)に示すように、ランプユニット20R(または20L)は、マトリクスLED22とその前面に配置されたレンズ23を備えており、マトリクスLED22の複数のLEDが選択的に点灯されることによって出射する光がレンズ23によって前方へ投影されることでハイビーム、ロービーム等が形成される。
本実施形態の車両用前照灯システムは上記の構成を備えており、次にその動作について詳細に説明する。
図3(A)および図3(B)は、車両用前照灯システムの動作の概略を説明するための図である。図3(A)に示すように、自車両100が道路を走行中に比較的急なカーブ(曲路)へ進入しつつあり、その先に他車両101が走行中であるとする。このとき、自車両100は、進行方向に他車両101が存在しないことから、例えば特段の遮光範囲を設定せずに光照射範囲の全体にハイビームを設定する。このハイビームとロービームを合成した照射光102が自車両100からその前方に照射される。その後、図3(B)に示すように、自車両100が急なカーブに進入すると、その斜め前方に他車両101が現れる。このとき、自車両100に搭載された本実施形態の車両用前照灯システムは、自車両100の操舵角に基づいて自車両100が急なカーブへ進入したと判定すると、照射光102の光量(例えばハイビームの光量)を下げる減光配光制御を行う。それにより、カーブの先に存在する他車両101へグレアを与えることを防止する。
図4は、車両用前照灯システムの動作手順を説明するためのフローチャートである。以下ではこのフローチャートを参照しながら車両用前照灯システムの動作について詳細に説明する。
自車両から得られる車速信号に基づいて車速検出部14により車速が検出される。減光判定部15は、自車両の車速が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS11)。自車両の車速が所定値以上である場合に(ステップS11;YES)、操舵角検出部13によってハンドル操舵角が検出される(ステップS12)。ここでは、例えばハンドル操舵角がプラスの数値を示す場合にはハンドル操作が「左方向」であり、マイナスの数値を示す場合にはハンドル操作が「右方向」であるものとする。
減光判定部15は、ハンドル操舵角が「左方向」に対応した所定値(例えば+120°)以上であるか否かを判定する(ステップS13)。ハンドル操舵角が所定値以上である場合、すなわち左急カーブに対応して自車両が左方向に大きく進路を変えている場合に(ステップS13;YES)、減光判定部15は、急カーブに対応した減光処理が必要であると判定する。
図5は、ハンドル操舵角の時間変化の一例を示す図である。例えば、0秒〜25秒くらいまでの間はハンドル操舵角がほぼ0で推移し、25秒を過ぎたあたりでプラス方向に数値が大きくなり、30秒前後の時点で所定値(一例として120°)を超え、60秒前後の時点で所定値を下回る。この場合、ハンドル操舵角が所定値を超えない間は通常制御(詳細は後述)が行われ、所定値以上となっている間は急カーブに対応した制御が行われる。
光照射範囲設定部16は、左急カーブに対応した光照射範囲ならびに光強度を設定する。この光照射範囲設定部16によって設定された光照射範囲ならびに光強度に対応して、配光制御部17は所定の配光制御信号を生成して各ランプユニット20R、20Lへ出力する(ステップS14)。
その後、さらに操舵角検出部13によってハンドル操舵角が検出され(ステップS15)、減光判定部15は、ハンドル操舵角が「左方向」に対応した所定値(例えば+120°)以下になったか否かを判定する(ステップS16)。ハンドル操舵角が所定値以下とならない場合には(ステップS16;NO)、ステップS15に戻り、ハンドル操舵角が所定値以下となった場合には(ステップS16;YES)、一連の処理が終了し、ステップS11以降の処理が繰り返される。
一方、ハンドル操舵角が「左方向」に対応した所定値以上ではない場合に(ステップS13;NO)、減光判定部15は、ハンドル操舵角が「右方向」に対応した所定値(例えば−120°)以上であるか否かを判定する(ステップS17)。ハンドル操舵角が所定値以上である場合、すなわち右急カーブに対応して自車両が左方向に大きく進路を変えている場合に(ステップS17;YES)、減光判定部15は、急カーブに対応した減光処理が必要であると判定する。
この場合に、光照射範囲設定部16は、右急カーブに対応した光照射範囲ならびに光強度を設定する。この光照射範囲設定部16によって設定された光照射範囲ならびに光強度に対応して、配光制御部17は所定の配光制御信号を生成して各ランプユニット20R、20Lへ出力する(ステップS18)。
その後、さらに操舵角検出部13によってハンドル操舵角が検出され(ステップS19)、減光判定部15は、ハンドル操舵角が「右方向」に対応した所定値(例えば−120°)以下になったか否かを判定する(ステップS20)。ハンドル操舵角が所定値以下とならない場合には(ステップS20;NO)、ステップS19に戻り、ハンドル操舵角が所定値以下となった場合には(ステップS20;YES)、一連の処理が終了し、ステップS11以降の処理が繰り返される。
また、上記したステップS11において、自車両の車速が所定値以上ではないと判定された場合(ステップS11;NO)、あるいは上記したステップS17においてハンドル操舵角が所定値以上ではないと判定された場合(ステップS17;NO)、カメラ10により撮影される自車両の前方の画像に基づいて、車両検出部11により前方車両の位置が検出される(ステップS21)。
この場合に、光照射範囲設定部16は、前方車両の存在する領域に対応した遮光範囲を含んだ光照射範囲ならびに光強度を設定する。この光照射範囲設定部16によって設定された光照射範囲ならびに光強度に対応して、配光制御部17は所定の配光制御信号を生成して各ランプユニット20R、20Lへ出力する(ステップS22)。ここでの配光制御は、急カーブに対応したものではないもの、すなわち通常制御である。その後、一連の処理が終了し、ステップS11以降の処理が繰り返される。ここで、車速が所定値以上ではない場合、すなわち比較的低速の場合に通常の配光制御とするのは、例えば所定場所へ自車両を駐車しようとしている場合のように急カーブではないシチュエーションで自車両がハンドルを大きく切っていると想定され、そのような場合には減光処理が不要と考えられるからである。
図6(A)は、通常の配光制御における光照射状態について概略的に示した図である。通常の配光制御においては、前方車両が存在しなければ基本的に全ての光照射範囲を同じ光強度に設定して光照射を行う。例えば、図示のように全ての光照射範囲において光量を100%に設定する。なお、前方車両が存在する場合にはその領域に対応して遮光範囲が設定される。
図6(B)は、急カーブに対応した配光制御における光照射状態の一例を概略的に示した図である。急カーブに対応した配光制御においては、例えば図示のように全ての光照射範囲(ここではハイビームの全照射範囲)において一律に光量を下げる減光処理を行う。例えば、図示の例では全ての光照射範囲において光量を10%に設定されている。
図6(C)および図6(D)は、急カーブに対応した配光制御における光照射状態の他の一例を概略的に示した図である。図6(C)に示すように、左急カーブに対応した配光制御においては、例えば図示のように全ての光照射範囲(ここでもハイビームの全照射範囲)のうち、相対的に左側の領域ほど光量を下げる減光処理を行うことも好ましい。これにより、左急カーブの先に存在する前方車両に対してグレアを抑制する一方で自車両の正面方向や右側方向については光量を大きくすることでそれらの方向の視認性をより向上することができる。なお、この場合に光照射範囲の最も左側の領域では光量を10%としているがこれを0%としてもよい。
同様に、図6(D)に示すように、右急カーブに対応した配光制御においては、例えば図示のように全ての光照射範囲(ここでもハイビームの全照射範囲)のうち、相対的に右側の領域ほど光量を下げる減光処理を行うことも好ましい。これにより、右急カーブの先に存在する前方車両に対してグレアを抑制する一方で自車両の正面方向や左側方向については光量を大きくすることでそれらの方向の視認性をより向上することができる。なお、この場合に光照射範囲の最も右側の領域では光量を10%としているがこれを0%としてもよい。
ここで、図7および図8を参照しながら、上記した操舵角に関する所定値(制御切り換え閾値)についてのバリエーションを詳細に説明する。図7に示すように、制御切り替え閾値には、(1)通常の配光制御から左急カーブに対応した配光制御へ切り替える場合のON、(2)通常の配光制御から右急カーブに対応した配光制御へ切り替える場合のON、(3)左急カーブに対応した配光制御から通常の配光制御へ切り替える場合のOFF、(4)左急カーブに対応した配光制御から通常の配光制御へ切り替える場合のOFF、の4つがある。上記したフローチャートを参照しながらの説明では、各制御切り替え閾値ON、ON、OFF、OFFをすべて絶対値において等しい値に設定していた(設定値1)。しかし、各制御切り替え閾値ON、ON、OFF、OFFをすべて絶対値において異なる値に設定してもよいし(設定値2)、各制御切り替え閾値ONとONを絶対値において等しくし、かつOFFとOFFを絶対値において等しくしてもよい(設定値3)。
また、図8(A)に示すように各制御切り替え閾値を自車両の車速に応じて可変に設定してもよいし(図示の例では車速に比例)、図8(B)に示すように各制御切り替え閾値を自車両の車速に応じて段階的に設定してもよい。この場合には、例えば図8(C)に示すように、ある車速1に対応する制御切り替え閾値をON(1)およびOFF(1)、車速2に対応する制御切り替え閾値をON(2)およびOFF(2)、車速3に対応する制御切り替え閾値をON(3)およびOFF(3)、とすることができる(なお、いずれも絶対値)。
このような実施形態によれば、前方車両の位置に応じた通常の配光制御を行いつつ、自車両が急カーブにさしかかった場合にはそれを操舵角に基づいて判断して減光制御が行われるので、通常の配光制御にて対応した場合の急カーブにおける制御遅れの影響を回避することができる。したがって、曲路通過時にも前方車両へのグレアを抑制し、かつ前方視認性も向上させることが可能になる。
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態では光照射範囲を水平方向に対して3つの領域に分割した例を示していたが(図6(A)〜図6(D)参照)、領域の数はこれに限定されない。また、上記した実施形態ではマトリクスLEDを備えたランプユニットを例示していたが、他の構造のランプユニット、例えば光源とその光照射方向に配置されて適宜光を部分的に遮る可動シェードを備えたランプユニットを用いてもよい。
10:カメラ
11:車両検出部
12:制御部
13:操舵角検出部
14:車速検出部
15:減光判定部
16:照射範囲記憶部
17:配光制御部
20R、20L:ランプユニット
21:LEDドライバ
22:マトリクスLED
23:レンズ

Claims (5)

  1. 車両用前照灯による光照射状態を制御するための点灯制御装置であって、
    カメラにより撮影される自車両の前方の画像に基づいて前方車両を検出する車両検出部と、
    自車両のハンドルの操舵角を検出する操舵角検出部と、
    前記操舵角の大きさに基づいて減光制御を行うか否かを判定する減光判定部と、
    前記車両検出部によって検出される前記前方車両の位置に対応して光照射範囲及び光量を設定するとともに、前記減光判定部により前記減光制御を行うと判定された場合には前記光照射範囲の少なくとも一部領域の光量を相対的に低く設定する光照射範囲設定部と、
    前記照射範囲設定部によって設定される前記光照射範囲及び前記光量に対応した制御信号を生成して前記車両用前照灯へ出力する配光制御部と、
    を含む、車両用前照灯の点灯制御装置。
  2. 前記減光判定部は、前記操舵角が右方向と左方向のいずれのハンドル操作に対応するかを判定しており、
    前記光照射範囲は、前記操舵角が右方向に対応する場合には前記光照射範囲の相対的に右側にある一部領域の光量を相対的に低く設定し、前記操舵角が左方向に対応する場合には前記光照射範囲の相対的に左側にある一部領域の光量を相対的に低く設定する、
    請求項1に記載の車両用前照灯の点灯制御装置。
  3. 前記光照射範囲は、前記減光判定部により前記減光制御を行うと判定された場合には前記光照射範囲の全領域の光量を相対的に低く設定する、
    請求項1に記載の車両用前照灯の点灯制御装置。
  4. 前記自車両の車速を検出する車速検出部を更に含み、
    前記減光判定部は、前記車速が所定値以上である場合にのみ前記減光制御を行うか否かの判定を実行する、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用前照灯の点灯制御装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用前照灯の点灯制御装置と、
    前記点灯制御装置によって制御される車両用前照灯、
    を含む、車両用前照灯システム。
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