JP2014100979A - 車両用灯具の制御装置及び車両用灯具システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用灯具のレベリングアクチュエータの寿命短縮を軽減させる技術を提供する。
【解決手段】本発明のある態様の車両用灯具の制御装置は、水平面に対する車両300の傾斜角度を導出可能な加速度センサ110の検出値を受信するための受信部102と、車両停止中の傾斜角度の変化に対して車両用灯具の光軸位置の調節を指示する調節信号を出力し、車両走行中の傾斜角度の変化に対して調節信号の出力を回避するか光軸位置の維持を指示する維持信号を出力し、走行中の車両300の加速時及び減速時の少なくとも一方における、車両前後方向の加速度の変化量と車両上下方向の加速度の変化量との比率を用いて光軸位置を補正する調節信号を生成するための制御部104と、補正の回数増加を抑制する補正制限部112とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用灯具の制御装置及び車両用灯具システムに関し、特に自動車などに用いられる車両用灯具の制御装置及び車両用灯具システムに関する。
従来、車両の傾斜角度に応じて車両用前照灯の光軸位置を自動的に調節して、前照灯の照射方向を変化させるオートレベリング制御が知られている。一般にオートレベリング制御では、車高センサの出力値から導出される車両のピッチ角度に基づいて前照灯の光軸位置が調節される。これに対し、特許文献1及び2には、加速度センサ等の傾斜センサを用いてオートレベリング制御を実施する車両用灯具の制御装置が開示されている。
特開2012−030782号公報 特開2012−030783号公報
加速度センサ、ジャイロセンサ(角速度センサ、角加速度センサ)や地磁気センサ等の傾斜センサを用いた場合、車高センサを用いた場合に比べてオートレベリングシステムをより安価にすることができ、また軽量化を図ることもできる。その結果、車両の低コスト化及び軽量化を図ることができる。
本発明者らは、加速度センサ等の傾斜センサを用いたオートレベリングシステムについて鋭意研究を重ねた結果、オートレベリング制御の実施によりレベリングアクチュエータの寿命が著しく短くなるおそれがあることを見出した。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両用灯具のレベリングアクチュエータの寿命短縮を軽減させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は車両用灯具の制御装置である。当該制御装置は、水平面に対する車両の傾斜角度を導出可能な加速度センサの検出値を受信するための受信部と、車両停止中の前記傾斜角度の変化に対して車両用灯具の光軸位置の調節を指示する調節信号を出力し、車両走行中の前記傾斜角度の変化に対して前記調節信号の出力を回避するか光軸位置の維持を指示する維持信号を出力し、走行中の車両の加速時及び減速時の少なくとも一方における、車両前後方向の加速度の変化量と車両上下方向の加速度の変化量との比率を用いて光軸位置を補正する調節信号を生成するための制御部と、前記補正の回数増加を抑制する補正制限部と、を備えることを特徴とする。この態様の制御装置によれば、車両用灯具のレベリングアクチュエータの寿命短縮を軽減させることができる。
上記態様において、前記補正制限部は、車両の走行時間が所定の補正禁止時間を経過するまで前記補正を禁止してもよい。また、上記態様において、前記補正制限部は、補正回数の増加に応じて前記補正禁止時間の長さを延ばしてもよい。これによれば、レベリングアクチュエータの寿命短縮をより軽減させることができる。
また、上記いずれかの態様において、水平面に対する車両の傾斜角度を合計角度と呼ぶとき、この合計角度には水平面に対する路面の傾斜角度である路面角度と、路面に対する車両の傾斜角度である車両姿勢角度とが含まれ、前記制御部は、前記路面角度の基準値と前記車両姿勢角度の基準値とを保持し、車両停止中の前記合計角度の変化に対して、加速度センサの検出値と前記路面角度の基準値とから得られる車両姿勢角度を用いて前記調節信号を生成し、得られる車両姿勢角度を基準値として保持し、車両走行中の前記合計角度の変化に対して、前記調節信号の出力を回避するか前記維持信号を出力し、加速度センサの検出値と前記車両姿勢角度の基準値とから得られる路面角度を基準値として保持し、車両前後方向の加速度を第1軸に設定し車両上下方向の加速度を第2軸に設定した座標に、車両の加速時及び減速時の少なくとも一方における加速度センサの検出値をプロットし、少なくとも2点から得られる直線又はベクトルの傾きを前記比率として、前記補正を実行してもよい。
また、上記態様において、前記補正制限部は、プロットされる前記検出値の数が所定の補正許可数になるまで前記補正を禁止してもよい。また、上記態様において、前記補正制限部は、補正回数の増加に応じて前記補正許可数を増加させてもよい。これによれば、レベリングアクチュエータの寿命短縮をより軽減させることができる。また、上記態様において、前記補正制限部は、前記検出値の数が前記補正許可数になっても前記補正を回避する補正回避制御を実行し、前記補正回避制御は、前回の前記補正の実行後から前記検出値の数が前記補正許可数になった回数が、所定の解除回数になるまで実行され、前記補正制限部は、補正回数の増加に応じて前記解除回数を増加させてもよい。これによれば、レベリングアクチュエータの寿命短縮をより軽減させることができる。
本発明の他の態様は車両用灯具システムである。当該車両用灯具システムは、光軸を調節可能な車両用灯具と、加速度センサと、前記車両用灯具の光軸調節を制御するための制御装置と、を備える。そして、前記制御装置は、水平面に対する車両の傾斜角度を導出可能な加速度センサの検出値を受信するための受信部と、車両停止中の前記傾斜角度の変化に対して車両用灯具の光軸位置の調節を指示する調節信号を出力し、車両走行中の前記傾斜角度の変化に対して前記調節信号の出力を回避するか光軸位置の維持を指示する維持信号を出力し、走行中の車両の加速時及び減速時の少なくとも一方における、車両前後方向の加速度の変化量と車両上下方向の加速度の変化量との比率を用いて光軸位置を補正する調節信号を生成するための制御部と、前記補正の回数増加を抑制する補正制限部と、を備える。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、車両用灯具のレベリングアクチュエータの寿命短縮を軽減させる技術を提供することができる。
実施形態1に係る制御装置の制御対象である車両用灯具を含む前照灯ユニットの概略鉛直断面図である。 前照灯ユニット、車両制御ECU及びレベリングECUの動作連携を説明する機能ブロック図である。 車両に生じる加速度ベクトルと、傾斜センサで検出可能な車両の傾斜角度を説明するための模式図である。 図4(A)及び図4(B)は、車両の運動加速度ベクトルの方向と車両姿勢角度との関係を説明するための模式図である。 車両前後方向の加速度と車両上下方向の加速度の関係を示すグラフである。 図6(A)は、車両走行中の車速の時間変化を模式的に示すタイミングチャートである。図6(B)は、図6(A)の車速の変化に対応する、座標へプロットされる検出値数の時間変化を模式的に示すタイミングチャートである。 実施形態1に係る車両用灯具の制御装置により実行されるオートレベリング制御のフローチャートである。 図8(A)は、実施形態2に係る車両用灯具の制御装置における、車両走行中の車速の時間変化を模式的に示すタイミングチャートである。図8(B)は、図8(A)の車速の変化に対応する、座標へプロットされる検出値数の時間変化を模式的に示すタイミングチャートである。図8(C)は、実施形態2の変形例に係る車両用灯具の制御装置における、図8(A)の車速の変化に対応する、座標へプロットされる検出値数の時間変化を模式的に示すタイミングチャートである。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る制御装置の制御対象である車両用灯具を含む前照灯ユニットの概略鉛直断面図である。前照灯ユニット210は、左右対称に形成された一対の前照灯ユニットが車両の車幅方向の左右に1つずつ配置された構造である。右側の前照灯ユニット210R及び左側の前照灯ユニット210Lは実質的に同一の構成であるため、以下では、右側の前照灯ユニット210Rの構造を説明する。前照灯ユニット210Rは、車両前方側に開口部を有するランプボディ212と、この開口部を覆う透光カバー214とを有する。ランプボディ212は、車両後方側に着脱カバー212aを有する。ランプボディ212と透光カバー214とによって灯室216が形成されている。灯室216には車両用灯具としての灯具ユニット10が収納されている。
灯具ユニット10には、灯具ユニット10の上下左右方向の揺動中心となるピボット機構218aを有するランプブラケット218が形成されている。ランプブラケット218は、ランプボディ212に支持されたエイミング調整ネジ220と螺合している。灯具ユニット10の下面には、スイブルアクチュエータ222の回転軸222aが固定されている。スイブルアクチュエータ222は、ユニットブラケット224に固定されている。ユニットブラケット224には、レベリングアクチュエータ226が接続されている。レベリングアクチュエータ226は、例えばロッド226aを矢印M,N方向に伸縮させるモータなどで構成されている。灯具ユニット10は、ロッド226aが矢印M,N方向に伸縮することで後傾姿勢、前傾姿勢となり、これにより光軸Oのピッチ角度を下方、上方に向けるレベリング調整ができる。
灯具ユニット10は、回転シェード12を含むシェード機構18、光源14、リフレクタ16を内壁に支持する灯具ハウジング17、及び投影レンズ20を備える。光源14は、白熱球やハロゲンランプ、放電球、LEDなどが使用可能である。リフレクタ16は、少なくとも一部が楕円球面状であり、光源14から放射された光を反射する。光源14からの光及びリフレクタ16で反射した光は、一部が回転シェード12を経て投影レンズ20へと導かれる。回転シェード12は、回転軸12aを中心に回転可能な円筒部材であり、切欠部と複数のシェードプレート(図示せず)とを備える。切欠部又はシェードプレートのいずれかが光軸O上に移動されて、所定の配光パターンが形成される。投影レンズ20は、平凸非球面レンズからなり、後方焦点面上に形成される光源像を反転像として灯具前方の仮想鉛直スクリーン上に投影する。
図2は、前照灯ユニット、車両制御ECU及びレベリングECUの動作連携を説明する機能ブロック図である。なお、図2では前照灯ユニット210R及び前照灯ユニット210Lをまとめて前照灯ユニット210としている。また、レベリングECU100は、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、図2ではそれらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
車両用灯具の制御装置としてのレベリングECU100は、受信部102、制御部104、送信部106、メモリ108、加速度センサ110及び補正制限部112を備える。レベリングECU100は、例えば車両300のダッシュボード付近に設置される。なお、レベリングECU100の設置位置は特に限定されず、例えば前照灯ユニット210内に設けられてもよい。また、加速度センサ110は、レベリングECU100の外に設けられてもよい。レベリングECU100には、車両制御ECU302やライトスイッチ304が接続されている。車両制御ECU302やライトスイッチ304から出力される信号は、受信部102によって受信される。また、受信部102は、加速度センサ110の検出値を受信する。
車両制御ECU302には、ステアリングセンサ310、車速センサ312、ナビゲーションシステム314等が接続されている。これらのセンサから出力された信号は、車両制御ECU302を介してレベリングECU100の受信部102によって受信される。ライトスイッチ304は、運転者の操作内容に応じて、前照灯ユニット210の点消灯を指示する信号やオートレベリング制御の実行を指示する信号等を、電源306、車両制御ECU302、レベリングECU100等に送信する。
受信部102が受信した信号は、制御部104に送信される。制御部104は、加速度センサ110の検出値を用いて、灯具ユニット10の光軸Oを制御する。制御部104は、角度演算部1041及び調節指示部1042を有する。角度演算部1041は、加速度センサ110の検出値と必要に応じてメモリ108が保持する情報を用いて車両300のピッチ角度情報を生成する。調節指示部1042は、角度演算部1041で生成されたピッチ角度情報を用いて灯具ユニット10の光軸位置の調節を指示する調節信号を生成する。
制御部104は、調節指示部1042で生成した調節信号を送信部106を介してレベリングアクチュエータ226に出力する。レベリングアクチュエータ226は、受信した調節信号をもとに駆動し、灯具ユニット10の光軸Oがピッチ角度方向について調整される。制御部104が行うオートレベリング制御の内容、及び補正制限部112の動作については、後に詳細に説明する。
車両300には、レベリングECU100、車両制御ECU302及び前照灯ユニット210に電力を供給する電源306が搭載されている。ライトスイッチ304の操作により前照灯ユニット210の点灯が指示されると、電源306から電源回路230を介して光源14に電力が供給される。
続いて、上述の構成を備えるレベリングECU100によるオートレベリング制御について詳細に説明する。図3は、車両に生じる加速度ベクトルと、傾斜センサで検出可能な車両の傾斜角度を説明するための模式図である。図4(A)及び図4(B)は、車両の運動加速度ベクトルの方向と車両姿勢角度との関係を説明するための模式図である。図4(A)は、車両姿勢角度θvが変化していない状態を示し、図4(B)は、車両姿勢角度θvが変化している状態を示している。また、図4(A)及び図4(B)において、車両300が前進したときに生じる運動加速度ベクトルα及び合成加速度ベクトルβを実線矢印で示し、車両300が減速若しくは後進したときに生じる運動加速度ベクトルα及び合成加速度ベクトルβを破線矢印で示している。図5は、車両前後方向の加速度と車両上下方向の加速度の関係を示すグラフである。
例えば、車両後部の荷室に荷物が載せられたり後部座席に乗員がいる場合、車両姿勢は後傾姿勢となり、荷室から荷物が下ろされたり後部座席の乗員が下車した場合、車両姿勢は後傾姿勢の状態から前傾する。車両が後傾姿勢あるいは前傾姿勢になると、灯具ユニット10の照射方向も上下に変動し、前方照射距離が長くなったり短くなったりする。そこで、レベリングECU100は、加速度センサ110の検出値から車両のピッチ方向の傾斜角度又はその変化を導出し、光軸Oのピッチ角度(以下では適宜、この角度を光軸角度θoという)を車両姿勢に応じた角度とする。車両姿勢に基づき灯具ユニット10のレベリング調整をリアルタイムで行うオートレベリング制御を実施することで、車両姿勢が変化しても前方照射の到達距離を最適に調節することができる。
加速度センサ110は、例えば互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を有する3軸加速度センサである。加速度センサ110は、任意の姿勢で車両300に取り付けられ、車両300に生じる加速度ベクトルを検出する。走行中の車両300には、重力加速度と車両300の移動により生じる運動加速度とが生じる。そのため、加速度センサ110は、図3に示すように、重力加速度ベクトルGと運動加速度ベクトルαとが合成された合成加速度ベクトルβを検出することができる。また、車両300の停止中、加速度センサ110は、重力加速度ベクトルGを検出することができる。加速度センサ110は、検出した加速度ベクトルの各軸成分の数値を出力する。加速度センサ110から出力されるX軸、Y軸、Z軸の各成分の数値は、制御部104によって車両の前後軸、左右軸、上下軸の成分に変換される。したがって、加速度センサ110の検出値からは、車両前後方向、車両左右方向及び車両上下方向の加速度を導出可能である。
車両停止中の加速度センサ110の検出値からは、重力加速度ベクトルGに対する車両300の傾きを導出することができる。すなわち、加速度センサ110の検出値から、水平面に対する路面の傾斜角度である路面角度θrと、路面に対する車両の傾斜角度である車両姿勢角度θvとが含まれる、水平面に対する車両の傾斜角度である合計角度θを導出可能である。なお、路面角度θr、車両姿勢角度θv及び合計角度θは、車両300のピッチ方向の角度である。
これに対し、オートレベリング制御は、車両のピッチ方向の傾斜角度の変化にともなう車両用灯具の前方照射距離の変化を吸収して、照射光の前方到達距離を最適に保つことを目的とするものである。したがって、オートレベリング制御に必要とされる車両の傾斜角度は、車両姿勢角度θvである。すなわち、オートレベリング制御では、車両姿勢角度θvが変化した場合に灯具ユニット10の光軸位置が調節され、路面角度θrが変化した場合に灯具ユニット10の光軸位置が維持されることが望まれる。これを実現するためには、加速度センサ110から得られる合計角度θから、車両姿勢角度θvについての情報を抽出する必要がある。
ここで、車両300は路面に対して平行に移動する。よって、運動加速度ベクトルαは、車両姿勢角度θvによらず路面に対して平行なベクトルとなる。また、図4(A)に示すように、車両300の車両姿勢角度θvが0°であった場合、理論上は加速度センサ110のX軸(あるいは車両300の前後軸L)は路面に対して平行となるため、運動加速度ベクトルαは、加速度センサ110のX軸に平行なベクトルとなる。よって、車両300の加減速によって運動加速度ベクトルαの大きさが変化した際に、加速度センサ110によって検出される合成加速度ベクトルβの先端の軌跡は、X軸に対して平行な直線となる。
一方、図4(B)に示すように、車両姿勢角度θvが0°でない場合、加速度センサ110のX軸は路面に対して斜めにずれるため、運動加速度ベクトルαは、加速度センサ110のX軸に対して斜めに延びるベクトルとなる。よって、車両300の加減速によって運動加速度ベクトルαの大きさが変化した際の合成加速度ベクトルβの先端の軌跡は、X軸に対して傾いた直線となる。
そこで、角度演算部1041は、走行中の車両300の加速時及び減速時の少なくとも一方における、車両前後方向の加速度の変化量と車両上下方向の加速度の変化量との比率を算出する。すなわち、角度演算部1041は、図5に示すように車両前後方向の加速度を第1軸(X軸)に設定し、車両上下方向の加速度を第2軸(Z軸)に設定した座標に、車両300の加速時及び減速時の少なくとも一方における加速度センサ110の検出値をプロットする。この検出値のプロットは、センサ座標系の加速度値のプロットであってもよいし、車両座標系の加速度値のプロットであってもよい。
点tA1〜tAnは、図4(A)に示す状態での時間t〜tにおける検出値である。点tB1〜tBnは、図4(B)に示す状態での時間t〜tにおける検出値である。そして、プロットした複数点(少なくとも2点)から直線を導出し、得られる直線の傾きを上述した比率として算出する。なお、当該直線はベクトルであってもよい。角度演算部1041は、プロットされた複数点tA1〜tAn,tB1〜tBnに対して最小二乗法や移動平均法等を用いて直線近似式A,Bを求め、当該直線近似式A,Bの傾きを上述した比率として算出する。
車両姿勢角度θvが0°の場合、加速度センサ110の検出値から、x軸に平行な直線近似式Aが得られる。すなわち、直線近似式Aの傾きは0となる。これに対し、車両姿勢角度θvが0°でない場合、加速度センサ110の検出値から、車両姿勢角度θvに応じた傾きを有する直線近似式Bが得られる。直線近似式Aと直線近似式Bとがなす角度(図5におけるθAB)が、車両姿勢角度θvとなる。したがって、車両300の加減速時における車両前後方向及び車両上下方向の加速度の変化量の比率(直線の傾き)又はその変化を計測することで、加速度センサ110の検出値から車両姿勢角度θv又はその変化を知ることができる。すなわち、上述した直線の傾きから、車両姿勢角度θvを推定可能である。そして、得られた車両姿勢角度θvの情報を利用することで、より高精度なオートレベリング制御を実現することができる。
本実施形態に係るレベリングECU100は、上述した直線の傾きから得られる車両姿勢角度θvについての情報を利用して、次のようなオートレベリング制御を実行する。すなわち、まず、車両メーカの製造工場等で、車両300が水平面に置かれて基準状態とされる。そして、初期化処理装置のスイッチ操作やCAN(Controller Area Network)システムの通信等により、レベリングECU100に初期化信号が送信される。制御部104は、初期化信号を受けると初期エイミング調整を開始し、灯具ユニット10の光軸Oを初期設定位置に合わせる。また、制御部104は、基準状態における加速度センサ110の出力値を、路面角度θrの基準値(θr=0°)、車両姿勢角度θvの基準値(θv=0°)としてメモリ108に記録する。
また、車両300が基準状態を保ったまま走行させられる。そして、角度演算部1041は、上述した座標に加速度センサ110の検出値をプロットし、このプロットから直線近似式を求める。この直線近似式は、図5における直線近似式Aに相当する。制御部104は、この直線近似式Aの傾きを傾きの基準値としてメモリ108に記録する。
車両300が実際に使用される状況において、車両走行中は積載荷量や乗車人数が増減して車両姿勢角度θvが変化することは稀である。そのため、走行中の合計角度θの変化を路面角度θrの変化と推定することができる。そこで、調節指示部1042は、車両走行中の合計角度θの変化に対して調節信号の出力を回避するか光軸位置の維持を指示する維持信号を生成して出力する。これにより、車両走行中の合計角度θの変化に対する光軸角度θoの変位を回避する。なお、調節指示部1042は、調節信号を生成しないことで調節信号の出力を回避してもよいし、調節信号を生成した上で生成した調節信号の出力を回避してもよい。
そして車両停止時に、角度演算部1041が現在(車両停止時)の合計角度θから車両姿勢角度θvの基準値を減算して路面角度θrを得る。そして、得られた路面角度θrを新たな基準値としてメモリ108に保持する。これにより、路面角度θrの変化と推定される車両走行中の合計角度θの変化が、路面角度θrの基準値に取り込まれる。なお、角度演算部1041は、車両停止時に走行前後での合計角度θの差分を算出し、この差分を路面角度θrの基準値に算入して新たな路面角度θrの基準値を算出してもよい。
前記「車両走行中」は、例えば車速センサ312の検出値が0を越えたときから、車速センサ312の検出値が0となるまでの間である。前記「車両停止時」は、例えば車速センサ312の検出値が0となった後、加速度センサ110の出力値が安定したときである。この「安定したとき」は、加速度センサ110の検出値の単位時間あたりの変化量が所定量以下となったときとしてもよいし、車速センサ312の検出値が0になってから所定時間経過後としてもよい。前記「車両停止時」、「所定量」、及び「所定時間」は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。
一方、車両停止中は、車両300が移動して路面角度θrが変化することは稀である。そのため、車両停止中の合計角度θの変化を車両姿勢角度θvの変化と推定することができる。そこで、調節指示部1042は、車両停止中の合計角度θの変化に対して調節信号を生成し、出力する。具体的には、車両停止中、角度演算部1041は加速度センサ110の検出値から得られる現在の合計角度θから路面角度θrの基準値を減算して、車両姿勢角度θvを得る。得られた車両姿勢角度θvは、新たな基準値としてメモリ108に保持される。車両姿勢角度θvの計算は、例えば所定のタイミングで繰り返し実行される。なお、角度演算部1041は、例えば前回検出した合計角度θと現在の合計角度θとの差分を算出し、この差分を車両姿勢角度θvの基準値に算入して新たな車両姿勢角度θvの基準値を算出してもよい。
そして、調節指示部1042は、得られた車両姿勢角度θv(更新した車両姿勢角度θvの基準値であってもよい)を用いて調節信号を生成する。例えば、調節指示部1042は、予めメモリ108に記録されている車両姿勢角度θvと光軸角度θoとを対応付けた変換テーブルを用いて光軸角度θoを決定し、この光軸角度θoとなるよう光軸Oの調節を指示する調節信号を生成する。そして、送信部106を介してレベリングアクチュエータ226に調節信号を出力する。前記「車両停止中」は、例えば加速度センサ110の出力値が安定したとき(車両停止時)から車速センサ312の検出値が0を越えるまでの期間である。前記「車両停止中」は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。
また、車両300の加速時及び/又は減速時、例えば車両の発進時あるいは停止時を含む所定時間、角度演算部1041は、車両上下方向の加速度を第1軸とし車両上下方向の加速度を第2軸とした座標に、記録した検出値を例えば経時的にプロットする。そして、得られたプロットから、直線近似式を連続的若しくは所定時間毎に算出する。その後、角度演算部1041は、得られた直線近似式の傾きとメモリ108に保持されている傾きの基準値とから、車両姿勢角度θvを算出する。
調節指示部1042は、得られた車両姿勢角度θvに基づいて光軸位置を補正する調節信号を生成し、レベリングアクチュエータ226に光軸角度θoの補正を指示する。また、メモリ108に保持されている車両姿勢角度θvの基準値を補正する。例えば、調節指示部1042は、直線近似式の傾きから得られた車両姿勢角度θvに対応する光軸角度θoとなるように、レベリングアクチュエータ226に光軸角度θoの調節を指示する。また、メモリ108に保持されている車両姿勢角度θvの基準値を、直線近似式の傾きから得られた車両姿勢角度θvに書き換える。
これにより、路面角度θrの基準値及び車両姿勢角度θvの基準値を繰り返し書き換えることで加速度センサ110の検出誤差等が基準値に積み重なって、オートレベリング制御の精度が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、制御部104は、現在の直線の傾きと前回の直線の傾きとの差を計算し、この差を基準値へ積算していき、初回計算からの積算値を用いて補正処理を実行してもよい。また、制御部104は、得られた直線近似式の傾きと前回の計算で得られた直線近似式の傾きとを比較し、直線近似式の傾きの変化が検出された場合、当該傾きの変化に基づいて補正処理を実行してもよい。
例えば、メモリ108に保持されている車両姿勢角度θvの基準値がp°であり、直線近似式の傾きの変化の初回計算からの積算値がq°であったとする。あるいは、直近の車両停止時に保持していた車両姿勢角度θvの基準値とその後の発進時、すなわち今回の発進時に保持していた車両姿勢角度θvの基準値との差がp°であり、前回の発進時に算出した直線近似式と今回の発進時に算出した直線近似式の傾きの差がq°であったとする。この場合、調節指示部1042は、車両姿勢角度θvの誤差(p−q)°だけ光軸角度θo及び車両姿勢角度θvの基準値を補正する。
また、調節指示部1042は、上述した光軸位置の補正において、光軸角度θoを水平方向若しくは初期設定位置に近づけ、車両姿勢角度θvの基準値を0°若しくは初期値に近づけるように補正してもよい。
(補正制限制御)
続いて、上述した補正処理を制限する制御について説明する。図6(A)は、車両走行中の車速の時間変化を模式的に示すタイミングチャートである。図6(B)は、図6(A)の車速の変化に対応する、座標へプロットされる検出値数の時間変化を模式的に示すタイミングチャートである。図6(A)の縦軸は車速Vを示す。図6(B)の縦軸は座標へプロットされる検出値数Pを示す。図6(A)及び図6(B)の横軸は時間tを示す。図6(B)における黒点は、補正処理が実行されるタイミングを示す。
例えば車両300の発進から、その後の最初の停止までを1回の走行とした場合に、各走行における走行時間に関係なく走行毎に上述した補正処理を実施すると、レベリングアクチュエータ226の駆動回数が著しく増加し、レベリングアクチュエータ226の寿命が極端に短くなってしまうおそれがある。そこで、補正制限部112は、補正の回数増加を抑制する。
より詳細には、図6(A)及び図6(B)に示すように、補正制限部112は、上述した座標へプロットされる加速度センサ110の検出値の数が所定の補正許可数P1になるまで補正を禁止する。例えば、加速度センサ110の検出値は、所定の時間間隔で繰り返しメモリ108に記憶される。これにより、レベリングECU100は、車両走行中の加速度センサ110の検出値を保持し続ける。また、補正制限部112は、ライトスイッチ304の操作等によりオートレベリング制御の実行指示がなされると、制御部104に対し補正禁止を指示する補正禁止信号を送信する。角度演算部1041は、補正制限部112から補正禁止信号が送信されている間は直線近似式の算出を停止する。また、調節指示部1042は、補正禁止信号を受信している間は上述した補正処理の実行を回避する。
補正制限部112は、メモリ108に記憶された検出値の数を監視し、メモリ108に記憶された検出値の数が補正許可数P1に達すると補正禁止信号の送信を停止する。角度演算部1041及び調節指示部1042は、補正禁止信号の受信が停止すると、直線近似式の算出及び補正処理をそれぞれ実行する。前記「補正禁止数Pa」は、例えば、所望の直線近似式の導出精度が得られる最小数であり、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。なお、補正制限部112は、座標上の検出値数を監視してもよい。すなわち、前記「プロットされる加速度センサ110の検出値の数」は、メモリ108内の検出値数であってもよいし、座標上の検出値数であってもよい。
このように、検出値数が補正許可数P1に達するまで補正処理の実行が禁止されることで、走行毎に補正処理が実行されることを抑制できる。そのため、レベリングアクチュエータ226の駆動回数がいたずらに増加することを回避できる。なお、本実施形態は、走行毎の補正処理そのものを除外するものではなく、1回の走行時間が比較的長く、そのため一回の走行で検出値数が補正許可数P1に達する場合は、走行毎に補正処理が実行される状況も起こり得る。本実施形態は、このような状況も含めることができる。
補正制限部112は、補正禁止信号の送信を停止した後、メモリ108内に保持している加速度センサ110の検出値をリフレッシュする。メモリ108のリフレッシュにおいて、加速度センサ110の検出値が全て消去されてもよいが、補正処理の精度向上を図る上で、所定数の検出値が残され、残りの検出値データが消去されることが好ましい。また、メモリ108内の検出値から得られる直線上に位置する所定数の検出値が新たに生成され、この新たに生成された検出値以外の検出値が全て消去されることがより好ましい。新たに生成される検出値の数は、補正許可数P1未満である。メモリ108がリフレッシュされた後、補正制限部112は、検出値数の監視と、補正許可数P1を基準とした補正禁止信号の送信/停止の切替とを繰り返す。
補正制限部112は、車両300の走行時間が所定の補正禁止時間T1を経過するまで補正を禁止してもよい。例えば、補正制限部112は、レベリングECU100内に設けられたタイマー(図示せず)を用いて、車両300の走行時間を計測する(計測開始時間をt0とする)。そして、走行時間が予め定められた補正禁止時間T1を経過すると(時間t1のタイミング)、補正禁止信号の送信を停止する。補正制限部112は、補正禁止信号の送信を停止した後、計測した走行時間をリセットして走行時間の計測を再び開始する。補正制限部112により補正禁止信号が送信されている間、加速度センサ110の検出値はメモリ108に記憶される。なお、補正制限部112により補正禁止信号が送信されている間、直線近似式の計算が繰り返し実行されてもよい。すなわち、補正処理の実施、非実施にかかわらず、加速度センサ110の検出値の保存、及び直線近似式の計算が車両走行中、常に実行されてもよい。
前記「走行時間」は、オートレベリング制御の開始後、あるいは前回の補正処理の実行後からの各走行における走行時間の積算値である。したがって、本実施形態によれば、走行毎に補正処理が実行されることを抑制できる。そのため、レベリングアクチュエータ226の駆動回数がいたずらに増加することを回避できる。なお、本実施形態は、走行毎の補正処理そのものを除外するものではなく、1回の走行で走行時間(走行継続時間)が補正禁止時間T1を経過する場合は、走行毎に補正処理が実行される状況も起こり得る。本実施形態は、このような状況も含めることができる。前記「補正禁止時間T1」は、例えば、座標へプロットされる加速度センサ110の検出値数が補正許可数P1に達するまでに要する時間に設定される。補正禁止時間T1は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。
補正制限部112が、走行時間が補正禁止時間T1を経過するまで補正を禁止する場合、メモリ108のリフレッシュの実行タイミングは、走行時間が補正禁止時間T1を経過したときでもよいし、イグニッションのオン/オフが切り替えられたときでもよいし、車両姿勢角度θv及び/又はその基準値が調整、変更されたときでもよい。
図7は、実施形態1に係る車両用灯具の制御装置により実行されるオートレベリング制御のフローチャートである。このフローは、たとえばライトスイッチ304によってオートレベリング制御モードの実行指示がなされ、且つイグニッションがオンにされた場合に制御部104により所定のタイミングで繰り返し実行され、イグニッションがオフにされた場合に終了する。なお、ここでは、補正制限部112が車両走行時間に基づいて補正処理を制限する場合を例に挙げて説明する。
まず、制御部104は、車両走行中であるか判断する(S101)。車両走行中である場合(S101のY)、補正制限部112は、車両300の走行時間が補正禁止時間T1を経過したか判断する(S102)。走行時間が補正禁止時間T1を経過していない場合(S102のN)、制御部104は、加速度センサ110の検出値をメモリ108に保存し(S103)、本ルーチンを終了する。走行時間が補正禁止時間T1を経過した場合(S102のY)、補正制限部112は補正禁止信号の送信を停止し、計測時間をリセットする(S104)。これを受けて、制御部104は、加速度センサ110の複数の検出値から直線近似式を算出する(S105)。そして、直線近似式の傾きを用いて光軸角度θo及び車両姿勢角度θvの基準値を補正し(S106)、本ルーチンを終了する。
車両走行中でない場合(S101のN)、制御部104は、車両停止時であるか判断する(S107)。車両停止時である場合(S107のY)、制御部104は、現在の合計角度θから車両姿勢角度θvの基準値を減じて路面角度θrを算出する(S108)。そして、路面角度θrの基準値を算出された路面角度θrに更新し(S109)、本ルーチンを終了する。
車両停止時でない場合(S107のN)、この場合は車両停止中であることを意味するため、制御部104は、現在の合計角度θから路面角度θrの基準値を減じて車両姿勢角度θvを算出する(S110)。続いて、制御部104は、算出された車両姿勢角度θvを用いて光軸角度θoを調節する(S111)。そして、制御部104は、車両姿勢角度θvの基準値を算出された車両姿勢角度θvに更新し(S112)、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用灯具の制御装置としてのレベリングECU100において、補正制限部112は、車両前後方向の加速度の変化量と車両上下方向の加速度の変化量との比率を用いた光軸位置の補正処理の回数増加を抑制している。これにより、レベリングアクチュエータ226の駆動回数の増加を抑制して、レベリングアクチュエータ226の寿命短縮を軽減させることができる。
(実施形態2)
実施形態2に係る車両用灯具の制御装置は、補正回数の増加に応じて補正許可数あるいは補正禁止時間を変更する点が異なることを除き、実施形態1の構成と共通する。以下、実施形態2に係る車両用灯具の制御装置について、実施形態1と異なる構成を中心に説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明及び図示は適宜省略する。
図8(A)は、実施形態2に係る車両用灯具の制御装置における、車両走行中の車速の時間変化を模式的に示すタイミングチャートである。図8(B)は、図8(A)の車速の変化に対応する、座標へプロットされる検出値数の時間変化を模式的に示すタイミングチャートである。図8(A)の縦軸は車速Vを示す。図8(B)の縦軸は座標へプロットされる検出値数Pを示す。図8(A)及び図8(B)の横軸は時間tを示す。図8(B)における黒点は、補正処理が実行されるタイミングを示す。
本実施形態に係るレベリングECU100において、補正制限部112は、補正回数の増加に応じて補正許可数を増加させる。例えば、補正制限部112は、1回目の補正処理については、メモリ108に記憶された検出値の数が補正許可数P1に達すると補正禁止信号の送信を停止して補正を許可する。なお、補正制限部112は、座標上の検出値数を監視してもよい。しかしながら、2回目の補正処理については、検出値が補正許可数P1に達しても(時間t2のタイミング)補正を許可せず、補正許可数P1よりも大きい補正許可数P2に達すると補正を許可する。以後、補正処理の実行回数の増加に合わせて補正許可数が増加していく。
このように、補正回数の増加に応じて補正許可数を増加させることで、レベリングアクチュエータ226の駆動回数の増加をより抑制することができる。したがって、レベリングアクチュエータ226の寿命短縮をより軽減させることができる。なお、補正制限部112は、例えばイグニッションのオン/オフが切り替えられたときに、補正許可数を初期値(すなわち補正許可数P1)にリセットする。
補正制限部112は、補正回数の増加に応じて補正禁止時間の長さを延ばしてもよい。例えば、補正制限部112は、1回目の補正処理については、走行時間が計測開始(時間t0のタイミング)から補正禁止時間T1を経過すると(時間t1のタイミング)補正を許可する。しかしながら、2回目の補正処理については、走行時間が計測開始(時間t1のタイミング)から補正禁止時間T1を経過しても(時間t3のタイミング)補正を許可せず、補正禁止時間T1よりも長い補正禁止時間T2を経過すると(時間t4のタイミング)補正を許可する。以後、補正処理の実行回数の増加に合わせて補正禁止時間を延長していく。
このように、補正回数の増加に応じて補正禁止時間を延ばすことでも、レベリングアクチュエータ226の駆動回数の増加をより抑制することができる。したがって、レベリングアクチュエータ226の寿命短縮をより軽減させることができる。なお、補正制限部112は、例えばイグニッションのオン/オフが切り替えられたときに、補正禁止時間を初期値(すなわち補正禁止時間T1)にリセットする。
(変形例)
上述した実施形態2に係るレベリングECU100には、以下の変形例を挙げることができる。図8(C)は、実施形態2の変形例に係る車両用灯具の制御装置における、図8(A)の車速の変化に対応する、座標へプロットされる検出値数の時間変化を模式的に示すタイミングチャートである。図8(C)の縦軸は座標へプロットされる検出値数Pを示す。図8(C)の横軸は時間tを示す。図8(C)における黒点は、補正処理が実行されるタイミングを示す。
本変形例に係るレベリングECU100において、補正制限部112は、加速度センサ110の検出値の数が補正許可数になっても補正処理の実行を回避する補正回避制御を実行する。この補正回避制御は、前回の補正処理の実行後から検出値の数が補正許可数P1になった回数が、所定の解除回数になるまで実行される。また、補正制限部112は、補正回数の増加に応じて解除回数を増加させる。例えば、補正制限部112は、補正処理の実行が未実施の状態では解除回数を1回に設定し(時間t0のタイミング)、補正回避制御の実行と加速度センサ110の検出値数の監視とを開始する。そして、メモリ108に記憶された検出値数が補正許可数P1に達すると(時間t1のタイミング)、検出値数が補正許可数P1になった回数が解除回数1回を満たすため、補正制限部112は補正回避制御の実行を停止し、補正禁止信号の送信を停止して補正を許可する。補正制限部112は、補正禁止信号の送信を停止した後、メモリ108内に保持している加速度センサ110の検出値を検出値数P1’まで減じるリフレッシュを実施する。なお、補正制限部112は、検出値数を0(P0)まで減じてもよい。
メモリ108がリフレッシュされた後、補正制限部112は、解除回数を2回に増加させて、補正回避制御と検出値数の監視とを再開する。その後、検出値数が補正許可数P1に達すると(時間t2のタイミング)、前回の補正処理後から検出値数が補正許可数P1になった回数が解除回数2回を満たさないため、補正制限部112は補正回避制御を停止せず、補正禁止信号の送信を継続する。これにより補正処理の実行が回避される。そして、メモリ108がリフレッシュされ、検出値数の監視が再開される。その後、検出値数が補正許可数P1に達すると(時間t4のタイミング)、前回の補正処理後から検出値数が補正許可数P1になった回数が解除回数2回を満たすため、補正制限部112は補正回避制御の実行を停止し、補正禁止信号の送信を停止して補正を許可する。以後、補正処理の実行回数の増加に合わせて解除回数が増加していく。
このように、補正回数の増加に応じて解除回数を増加させることで、レベリングアクチュエータ226の駆動回数の増加をより抑制することができる。したがって、レベリングアクチュエータ226の寿命短縮をより軽減させることができる。なお、補正制限部112は、例えばイグニッションのオン/オフが切り替えられたときに、解除回数を初期値にリセットする。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能であり、そのような組み合わせられ、もしくは変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれる。上述の各実施形態同士、及び上述の各実施形態と変形との組合せによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態及び変形それぞれの効果をあわせもつ。
なお、上述の実施形態に係る発明は、以下に記載する項目によって特定されてもよい。
[項目1]
光軸を調節可能な車両用灯具と、
加速度センサと、
前記車両用灯具の光軸調節を制御するための制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
水平面に対する車両の傾斜角度を導出可能な加速度センサの検出値を受信するための受信部と、
車両停止中の前記傾斜角度の変化に対して車両用灯具の光軸位置の調節を指示する調節信号を出力し、車両走行中の前記傾斜角度の変化に対して前記調節信号の出力を回避するか光軸位置の維持を指示する維持信号を出力し、走行中の車両の加速時及び減速時の少なくとも一方における、車両前後方向の加速度の変化量と車両上下方向の加速度の変化量との比率を用いて光軸位置を補正する調節信号を生成するための制御部と、
前記補正の回数増加を抑制する補正制限部と、
を備えることを特徴とする車両用灯具システム。
P1,P2 補正許可数、 T1,T2 補正禁止時間、 10 灯具ユニット、 100 レベリングECU、 102 受信部、 104 制御部、 110 加速度センサ、 112 補正制限部、 226 レベリングアクチュエータ、 300 車両。

Claims (8)

  1. 水平面に対する車両の傾斜角度を導出可能な加速度センサの検出値を受信するための受信部と、
    車両停止中の前記傾斜角度の変化に対して車両用灯具の光軸位置の調節を指示する調節信号を出力し、車両走行中の前記傾斜角度の変化に対して前記調節信号の出力を回避するか光軸位置の維持を指示する維持信号を出力し、走行中の車両の加速時及び減速時の少なくとも一方における、車両前後方向の加速度の変化量と車両上下方向の加速度の変化量との比率を用いて光軸位置を補正する調節信号を生成するための制御部と、
    前記補正の回数増加を抑制する補正制限部と、
    を備えることを特徴とする車両用灯具の制御装置。
  2. 前記補正制限部は、車両の走行時間が所定の補正禁止時間を経過するまで前記補正を禁止する請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記補正制限部は、補正回数の増加に応じて前記補正禁止時間の長さを延ばす請求項2に記載の制御装置。
  4. 水平面に対する車両の傾斜角度を合計角度と呼ぶとき、この合計角度には水平面に対する路面の傾斜角度である路面角度と、路面に対する車両の傾斜角度である車両姿勢角度とが含まれ、
    前記制御部は、前記路面角度の基準値と前記車両姿勢角度の基準値とを保持し、
    車両停止中の前記合計角度の変化に対して、加速度センサの検出値と前記路面角度の基準値とから得られる車両姿勢角度を用いて前記調節信号を生成し、得られる車両姿勢角度を基準値として保持し、
    車両走行中の前記合計角度の変化に対して、前記調節信号の出力を回避するか前記維持信号を出力し、加速度センサの検出値と前記車両姿勢角度の基準値とから得られる路面角度を基準値として保持し、
    車両前後方向の加速度を第1軸に設定し車両上下方向の加速度を第2軸に設定した座標に、車両の加速時及び減速時の少なくとも一方における加速度センサの検出値をプロットし、少なくとも2点から得られる直線又はベクトルの傾きを前記比率として、前記補正を実行する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 前記補正制限部は、プロットされる前記検出値の数が所定の補正許可数になるまで前記補正を禁止する請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記補正制限部は、補正回数の増加に応じて前記補正許可数を増加させる請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記補正制限部は、前記検出値の数が前記補正許可数になっても前記補正を回避する補正回避制御を実行し、
    前記補正回避制御は、前回の前記補正の実行後から前記検出値の数が前記補正許可数になった回数が、所定の解除回数になるまで実行され、
    前記補正制限部は、補正回数の増加に応じて前記解除回数を増加させる請求項5に記載の制御装置。
  8. 光軸を調節可能な車両用灯具と、
    加速度センサと、
    前記車両用灯具の光軸調節を制御するための制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    水平面に対する車両の傾斜角度を導出可能な加速度センサの検出値を受信するための受信部と、
    車両停止中の前記傾斜角度の変化に対して車両用灯具の光軸位置の調節を指示する調節信号を出力し、車両走行中の前記傾斜角度の変化に対して前記調節信号の出力を回避するか光軸位置の維持を指示する維持信号を出力し、走行中の車両の加速時及び減速時の少なくとも一方における、車両前後方向の加速度の変化量と車両上下方向の加速度の変化量との比率を用いて光軸位置を補正する調節信号を生成するための制御部と、
    前記補正の回数増加を抑制する補正制限部と、
    を備えることを特徴とする車両用灯具システム。
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