JP6719444B2 - 車両用灯具の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用灯具の制御装置に関し、特に自動車などに用いられる車両用灯具の制御装置に関する。
従来、車両の傾斜角度に応じて車両用前照灯の光軸位置を自動的に調節して、前照灯の照射方向を変化させるオートレベリング制御が知られている。一般にオートレベリング制御では、車高センサの出力値から導出される車両のピッチ角度に基づいて前照灯の光軸位置が調節される。これに対し、特許文献1及び2には、加速度センサ等の傾斜センサを用いてオートレベリング制御を実施する車両用灯具の制御装置が開示されている。
特開2012−030782号公報 特開2012−030783号公報
加速度センサ、ジャイロセンサ(角速度センサ、角加速度センサ)や地磁気センサ等の傾斜センサを用いた場合、車高センサを用いた場合に比べてオートレベリングシステムをより安価にすることができ、また軽量化を図ることもできる。その結果、車両の低コスト化及び軽量化を図ることができる。一方で、加速度センサ等の傾斜センサを用いた場合であっても、オートレベリング制御の性能をより高めたいという要求はある。
本発明者らは、オートレベリング制御の高性能化を実現すべく鋭意検討した結果、従来の車両用灯具の制御装置には、オートレベリング制御のさらなる高性能化を図る余地があることを認識するに至った。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両用灯具のオートレベリング制御の性能を高める技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は車両用灯具の制御装置である。当該制御装置は、車両前後方向及び車両上下方向の加速度を導出可能な、加速度センサの検出値を受信するための受信部と、車両前後方向の加速度を第1軸に設定し車両上下方向の加速度を第2軸に設定した座標に、車両の加速時及び減速時の少なくとも一方における前記検出値をプロットし、プロットした複数点から直線を導出し、前記直線の傾きを用いて車両用灯具の光軸調節を指示する調節信号を出力するための制御部と、を備える。前記直線の傾きから、路面に対する車両の傾斜角度である車両姿勢角度を推定可能である。前記制御部は、前記直線の傾きからの前記車両姿勢角度の推定精度を低下せしめる所定の走行状態に車両があったときの前記検出値が、前記直線の導出に用いようとする検出値に含まれる場合、この検出値を除外して前記直線を導出し、当該直線の傾きを用いて前記調節信号を出力するか、前記調節信号の出力を回避するか、光軸位置の維持を指示する維持信号を出力する。この態様の制御装置によれば、車両用灯具のオートレベリング制御の性能を高めることができる。
上記態様において、前記所定の走行状態は、所定の曲進状態、所定の凹凸路走行状態、及び所定の坂道走行状態の少なくとも1つであってもよい。また、上記いずれかの態様において、前記制御部は、前記検出値における車両左右方向の加速度と、複数の検出値における車両左右方向の加速度から導出される曲進判定基準値との差が、所定の曲進判定しきい値を上回る場合、前記検出値における車両上下方向の加速度と、複数の検出値における車両上下方向の加速度から導出される凹凸路走行判定基準値との差が、所定の凹凸路走行判定しきい値を上回る場合、又は、前記検出値における車両前後方向の加速度と、車速から算出された車両前後方向の加速度との加速度差が、所定の坂道走行判定しきい値を上回る場合に、この検出値を除外して前記直線を導出し、当該直線の傾きを用いて前記調節信号を出力するか、前記調節信号の出力を回避するか、光軸位置の維持を指示する維持信号を出力してもよい。
また、上記態様において、前記制御部は、基準値更新部を備え、前記基準値更新部は、前記曲進判定基準値及び前記凹凸路走行判定基準値の少なくとも一方を、所定のタイミングで繰り返し更新してもよい。また、前記制御部は、しきい値調整部を備え、前記しきい値調整部は、前記曲進判定しきい値及び前記凹凸路走行判定しきい値の少なくとも一方の大きさを、車速又は車両の加速度に応じて調整してもよい。また、前記制御部は、車両前後方向の加速度のしきい値を設定する坂道用加速度しきい値設定部を備え、前記加速度差が前記坂道走行判定しきい値以下であり、且つ前記坂道走行判定しきい値よりも小さい第2の坂道走行判定しきい値を上回る場合、前記坂道用加速度しきい値設定部は車両前後方向の第1の加速度しきい値を設定し、前記制御部は車両前後方向の加速度が当該第1の加速度しきい値以下の検出値を用いて前記直線を導出し、前記加速度差が前記第2の坂道走行判定しきい値以下の場合、前記坂道用加速度しきい値設定部は前記第1の加速度しきい値よりも大きい車両前後方向の第2の加速度しきい値を設定し、前記制御部は車両前後方向の加速度が当該第2の加速度しきい値以下の検出値を用いて前記直線を導出してもよい。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、車両用灯具のオートレベリング制御の性能を高める技術を提供することができる。
実施形態1に係る制御装置の制御対象である車両用灯具を含む前照灯ユニットの概略鉛直断面図である。 前照灯ユニット、車両制御ECU及びレベリングECUの動作連携を説明する機能ブロック図である。 車両に生じる加速度ベクトルと、加速度センサで検出可能な車両の傾斜角度を説明するための模式図である。 図4(A)及び図4(B)は、車両の運動加速度ベクトルの方向と車両姿勢角度との関係を説明するための模式図である。 車両前後方向の加速度と車両上下方向の加速度の関係を示すグラフである。 図6(A)及び図6(B)は、車両が曲進状態にあるとき検出される加速度センサの検出値を説明するための図である。 図7(A)及び図7(B)は、車両が曲進状態にあるときの検出値が直線導出に用いようとする検出値に含まれる場合のオートレベリング制御を説明するための図である。 車両が凹凸路走行状態にあるとき検出される加速度センサの検出値を説明するための図である。 図9(A)及び図9(B)は、車両が凹凸路走行状態にあるときの検出値が直線導出に用いようとする検出値に含まれる場合のオートレベリング制御を説明するための図である。 路面角度の傾きに応じた加速度センサの検出値の変化を説明するための図である。 図11(A)〜図11(C)は、路面角度の傾きによる、加速度センサの検出値と車速から求まる加速度とのオフセットを説明するための図である。 図12(A)及び図12(B)は、車両が坂道走行状態にあるときの検出値が直線導出に用いようとする検出値に含まれる場合のオートレベリング制御を説明するための図である。 実施形態1に係る車両用灯具の制御装置により実行されるオートレベリング制御のフローチャートである。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る制御装置の制御対象である車両用灯具を含む前照灯ユニットの概略鉛直断面図である。前照灯ユニット210は、左右対称に形成された一対の前照灯ユニットが車両の車幅方向の左右に1つずつ配置された構造である。右側の前照灯ユニット210R及び左側の前照灯ユニット210Lは実質的に同一の構成であるため、以下では、右側の前照灯ユニット210Rの構造を説明する。前照灯ユニット210Rは、車両前方側に開口部を有するランプボディ212と、この開口部を覆う透光カバー214とを有する。ランプボディ212は、車両後方側に着脱カバー212aを有する。ランプボディ212と透光カバー214とによって灯室216が形成されている。灯室216には車両用灯具としての灯具ユニット10が収納されている。
灯具ユニット10には、灯具ユニット10の上下左右方向の揺動中心となるピボット機構218aを有するランプブラケット218が形成されている。ランプブラケット218は、ランプボディ212に支持されたエイミング調整ネジ220と螺合している。灯具ユニット10の下面には、スイブルアクチュエータ222の回転軸222aが固定されている。スイブルアクチュエータ222は、ユニットブラケット224に固定されている。ユニットブラケット224には、レベリングアクチュエータ226が接続されている。レベリングアクチュエータ226は、例えばロッド226aを矢印M,N方向に伸縮させるモータなどで構成されている。灯具ユニット10は、ロッド226aが矢印M,N方向に伸縮することで後傾姿勢、前傾姿勢となり、これにより光軸Oのピッチ角度を下方、上方に向けるレベリング調整ができる。
灯具ユニット10は、回転シェード12を含むシェード機構18、光源14、リフレクタ16を内壁に支持する灯具ハウジング17、及び投影レンズ20を備える。光源14は、白熱球やハロゲンランプ、放電球、LEDなどが使用可能である。リフレクタ16は、少なくとも一部が楕円球面状であり、光源14から放射された光を反射する。光源14からの光及びリフレクタ16で反射した光は、一部が回転シェード12を経て投影レンズ20へと導かれる。回転シェード12は、回転軸12aを中心に回転可能な円筒部材であり、切欠部と複数のシェードプレート(図示せず)とを備える。切欠部又はシェードプレートのいずれかが光軸O上に移動されて、所定の配光パターンが形成される。投影レンズ20は、平凸非球面レンズからなり、後方焦点面上に形成される光源像を反転像として灯具前方の仮想鉛直スクリーン上に投影する。
図2は、前照灯ユニット、車両制御ECU及びレベリングECUの動作連携を説明する機能ブロック図である。なお、図2では前照灯ユニット210R及び前照灯ユニット210Lをまとめて前照灯ユニット210としている。また、レベリングECU100は、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、図2ではそれらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
車両用灯具の制御装置としてのレベリングECU100は、受信部102、制御部104、送信部106、メモリ108及び加速度センサ110を備える。レベリングECU100は、例えば車両300のダッシュボード付近に設置される。なお、レベリングECU100の設置位置は特に限定されず、例えば前照灯ユニット210内に設けられてもよい。また、加速度センサ110は、レベリングECU100の外に設けられていてもよい。レベリングECU100には、車両制御ECU302やライトスイッチ304が接続されている。車両制御ECU302やライトスイッチ304から出力される信号は、受信部102によって受信される。また、受信部102は、加速度センサ110の検出値を受信する。
車両制御ECU302には、ステアリングセンサ310、車速センサ312、ナビゲーションシステム314等が接続されている。これらのセンサから出力された信号は、車両制御ECU302を介してレベリングECU100の受信部102によって受信される。ライトスイッチ304は、運転者の操作内容に応じて、前照灯ユニット210の点消灯を指示する信号やオートレベリング制御の実行を指示する信号等を、電源306、車両制御ECU302、レベリングECU100等に送信する。
受信部102が受信した信号は、制御部104に送信される。制御部104は、加速度センサ110の検出値を用いて、灯具ユニット10の光軸Oを制御する。制御部104は、角度演算部1041、調節指示部1042、検出値判定部1043、基準値更新部1044、しきい値調整部1045、及び坂道用加速度しきい値設定部1046を有する。角度演算部1041は、加速度センサ110の検出値と必要に応じてメモリ108が保持する情報を用いて車両300のピッチ角度情報を生成する。調節指示部1042は、角度演算部1041で生成されたピッチ角度情報を用いて灯具ユニット10の光軸調節を指示する調節信号を生成する。
制御部104は、調節指示部1042で生成した調節信号を送信部106を介してレベリングアクチュエータ226に出力する。レベリングアクチュエータ226は、受信した調節信号をもとに駆動し、灯具ユニット10の光軸Oがピッチ角度方向について調整される。制御部104が行うオートレベリング制御の内容、及び検出値判定部1043、基準値更新部1044、しきい値調整部1045、坂道用加速度しきい値設定部1046の動作については、後に詳細に説明する。
車両300には、レベリングECU100、車両制御ECU302及び前照灯ユニット210に電力を供給する電源306が搭載されている。ライトスイッチ304の操作により前照灯ユニット210の点灯が指示されると、電源306から電源回路230を介して光源14に電力が供給される。
続いて、上述の構成を備えるレベリングECU100によるオートレベリング制御について詳細に説明する。図3は、車両に生じる加速度ベクトルと、加速度センサで検出可能な車両の傾斜角度を説明するための模式図である。図4(A)及び図4(B)は、車両の運動加速度ベクトルの方向と車両姿勢角度との関係を説明するための模式図である。図4(A)は、車両姿勢角度θvが変化していない状態を示し、図4(B)は、車両姿勢角度θvが変化している状態を示している。また、図4(A)及び図4(B)において、車両300が前進したときに生じる運動加速度ベクトルα及び合成加速度ベクトルβを実線矢印で示し、車両300が減速若しくは後進したときに生じる運動加速度ベクトルα及び合成加速度ベクトルβを破線矢印で示している。図5は、車両前後方向の加速度と車両上下方向の加速度の関係を示すグラフである。
例えば、車両後部の荷室に荷物が載せられたり後部座席に乗員がいる場合、車両姿勢は後傾姿勢となり、荷室から荷物が下ろされたり後部座席の乗員が下車した場合、車両姿勢は後傾姿勢の状態から前傾する。車両が後傾姿勢あるいは前傾姿勢になると、灯具ユニット10の照射方向も上下に変動し、前方照射距離が長くなったり短くなったりする。そこで、レベリングECU100は、加速度センサ110の検出値から車両のピッチ方向の傾斜角度又はその変化を導出し、光軸Oのピッチ角度(以下では適宜、この角度を光軸角度θoという)を車両姿勢に応じた角度とする。車両姿勢に基づき灯具ユニット10のレベリング調整をリアルタイムで行うオートレベリング制御を実施することで、車両姿勢が変化しても前方照射の到達距離を最適に調節することができる。
加速度センサ110は、例えば互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を有する3軸加速度センサである。加速度センサ110は、任意の姿勢で車両300に取り付けられ、車両300に生じる加速度ベクトルを検出する。走行中の車両300には、重力加速度と車両300の移動により生じる運動加速度とが生じる。そのため、加速度センサ110は、図3に示すように、重力加速度ベクトルGと運動加速度ベクトルαとが合成された合成加速度ベクトルβを検出することができる。また、車両300の停止中、加速度センサ110は、重力加速度ベクトルGを検出することができる。加速度センサ110は、検出した加速度ベクトルの各軸成分の数値を出力する。加速度センサ110から出力されるX軸、Y軸、Z軸の各成分の数値は、制御部104によって車両の前後軸、左右軸、上下軸の成分に変換される。したがって、加速度センサ110の検出値からは、車両前後方向、車両左右方向及び車両上下方向の加速度を導出可能である。
車両停止中の加速度センサ110の検出値からは、重力加速度ベクトルGに対する車両300の傾きを導出することができる。すなわち、加速度センサ110の検出値から、水平面に対する路面の傾斜角度である路面角度θrと、路面に対する車両の傾斜角度である車両姿勢角度θvとを含む、水平面に対する車両の傾斜角度である合計角度θを導出可能である。なお、路面角度θr、車両姿勢角度θv及び合計角度θは、車両300のピッチ方向の角度である。
これに対し、オートレベリング制御は、車両のピッチ方向の傾斜角度の変化にともなう車両用灯具の前方照射距離の変化を吸収して、照射光の前方到達距離を最適に保つことを目的とするものである。したがって、オートレベリング制御に必要とされる車両の傾斜角度は、車両姿勢角度θvである。すなわち、オートレベリング制御では、車両姿勢角度θvが変化した場合に灯具ユニット10の光軸位置が調節され、路面角度θrが変化した場合に灯具ユニット10の光軸位置が維持されることが望まれる。これを実現するためには、加速度センサ110から得られる合計角度θから、車両姿勢角度θvについての情報を抽出する必要がある。
ここで、車両300は路面に対して平行に移動する。よって、運動加速度ベクトルαは、車両姿勢角度θvによらず路面に対して平行なベクトルとなる。また、図4(A)に示すように、車両300の車両姿勢角度θvが0°であった場合、理論上は加速度センサ110のX軸(あるいは車両300の前後軸L)は路面に対して平行となるため、運動加速度ベクトルαは、加速度センサ110のX軸に平行なベクトルとなる。よって、車両300の加減速によって運動加速度ベクトルαの大きさが変化した際に、加速度センサ110によって検出される合成加速度ベクトルβの先端の軌跡は、X軸に対して平行な直線となる。
一方、図4(B)に示すように、車両姿勢角度θvが0°でない場合、加速度センサ110のX軸は路面に対して斜めにずれるため、運動加速度ベクトルαは、加速度センサ110のX軸に対して斜めに延びるベクトルとなる。よって、車両300の加減速によって運動加速度ベクトルαの大きさが変化した際の合成加速度ベクトルβの先端の軌跡は、X軸に対して傾いた直線となる。
そこで、角度演算部1041は、車両300の加速時及び減速時の少なくとも一方における、車両前後方向の加速度の変化量と車両上下方向の加速度の変化量との比率を算出する。すなわち、角度演算部1041は、図5に示すように車両前後方向の加速度を第1軸(X軸)に設定し、車両上下方向の加速度を第2軸(Z軸)に設定した座標に、車両300の加速時及び減速時の少なくとも一方における加速度センサ110の検出値をプロットする。この検出値のプロットには、加速度センサ110の検出値から得られる車両座標系の加速度値をプロットすることが含まれる。
点tA1〜tAnは、図4(A)に示す状態での時間t〜tにおける検出値である。点tB1〜tBnは、図4(B)に示す状態での時間t〜tにおける検出値である。そして、プロットした複数点(少なくとも2点)から直線を導出し、得られる直線の傾きを上述した比率として算出する。角度演算部1041は、プロットされた複数点tA1〜tAn,tB1〜tBnに対して最小二乗法や移動平均法等を用いて直線近似式A,Bを求め、当該直線近似式A,Bの傾きを比率として算出する。
車両姿勢角度θvが0°の場合、加速度センサ110の検出値から、x軸に平行な直線近似式Aが得られる。すなわち、直線近似式Aの傾きは0となる。これに対し、車両姿勢角度θvが0°でない場合、加速度センサ110の検出値から、車両姿勢角度θvに応じた傾きを有する直線近似式Bが得られる。直線近似式Aと直線近似式Bとがなす角度(図5におけるθAB)が、車両姿勢角度θvとなる。したがって、車両300の加減速時における車両前後方向及び車両上下方向の加速度の変化量の比率(直線の傾き)又はその変化を計測することで、加速度センサ110の検出値から車両姿勢角度θv又はその変化を知ることができる。すなわち、上述した直線の傾きから、車両姿勢角度θvを推定可能である。そして、得られた車両姿勢角度θvの情報を利用することで、より高精度なオートレベリング制御を実現することができる。
本実施形態に係る車両用灯具システム200は、上述した直線の傾きから得られる車両姿勢角度θvについての情報を利用して、次のようなオートレベリング制御を実行する。すなわち、まず、車両メーカの製造工場等で、車両300が水平面に置かれて基準状態とされる。そして、初期化処理装置のスイッチ操作やCAN(Controller Area Network)システムの通信等により、レベリングECU100に初期化信号が送信される。制御部104は、初期化信号を受けると初期エイミング調整を開始し、灯具ユニット10の光軸Oを初期設定位置に合わせる。また、制御部104は、基準状態における加速度センサ110の出力値を、路面角度θrの基準値(θr=0°)、車両姿勢角度θvの基準値(θv=0°)としてメモリ108に記録する。
また、車両300が基準状態を保ったまま走行させられる。そして、角度演算部1041は、上述した座標に加速度センサ110の検出値をプロットし、このプロットから直線近似式を求める。この直線近似式は、図5における直線近似式Aに相当する。制御部104は、この直線近似式Aの傾きを傾きの基準値としてメモリ108に記録する。
車両300が実際に使用される状況において、車両走行中は積載荷量や乗車人数が増減して車両姿勢角度θvが変化することは稀である。そのため、走行中の合計角度θの変化を路面角度θrの変化と推定することができる。そこで、調節指示部1042は、車両走行中の合計角度θの変化に対して光軸調節を回避する。調節指示部1042は、光軸調節を指示する調節信号の出力を回避するか光軸位置の維持を指示する維持信号を生成して出力することで光軸調節を回避する。なお、調節信号を生成しないことで調節信号の出力を回避してもよいし、調節信号を生成した上で生成した調節信号の出力を回避してもよい。
そして車両停止時に、角度演算部1041が現在(車両停止時)の合計角度θから車両姿勢角度θvの基準値を減算して路面角度θrを得る。そして、得られた路面角度θrを新たな基準値としてメモリ108に保持する。これにより、路面角度θrの変化と推定される車両走行中の合計角度θの変化が、路面角度θrの基準値に取り込まれる。なお、角度演算部1041は、車両停止時に走行前後での合計角度θの差分を算出し、この差分を路面角度θrの基準値に算入して新たな路面角度θrの基準値を算出してもよい。
前記「車両走行中」は、例えば車速センサ312の検出値が0を越えたときから、車速センサ312の検出値が0となるまでの間である。前記「車両停止時」は、例えば車速センサ312の検出値が0となった後、加速度センサ110の出力値が安定したときである。この「安定したとき」は、加速度センサ110の検出値の単位時間あたりの変化量が所定量以下となったときとしてもよいし、車速センサ312の検出値が0になってから所定時間経過後としてもよい。前記「車両停止時」、「所定量」、及び「所定時間」は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。
一方、車両停止中は、車両300が移動して路面角度θrが変化することは稀である。そのため、車両停止中の合計角度θの変化を車両姿勢角度θvの変化と推定することができる。そこで、調節指示部1042は、車両停止中の合計角度θの変化に対して、光軸を調節する。具体的には、車両停止中、角度演算部1041は加速度センサ110の検出値から得られる現在の合計角度θから路面角度θrの基準値を減算して、車両姿勢角度θvを得る。得られた車両姿勢角度θvは、新たな基準値としてメモリ108に保持される。車両姿勢角度θvの計算は、例えば所定のタイミングで繰り返し実行される。なお、角度演算部1041は、例えば前回検出した合計角度θと現在の合計角度θとの差分を算出し、この差分を車両姿勢角度θvの基準値に算入して新たな車両姿勢角度θvの基準値を算出してもよい。
そして、調節指示部1042は、得られた車両姿勢角度θv、すなわち更新した車両姿勢角度θvの基準値を用いて光軸調節を指示する調節信号を生成する。例えば、調節指示部1042は、予めメモリ108に記録されている車両姿勢角度θvと光軸角度θoとを対応付けた変換テーブルを用いて光軸角度θoを決定し、この光軸角度θoとなるように光軸Oを調節する。前記「車両停止中」は、例えば加速度センサ110の出力値が安定したときから車速センサ312の検出値が0を越えるまでの期間である。前記「車両停止中」は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。
車両300の加速時及び/又は減速時、例えば車両の発進時あるいは停止時の所定時間、角度演算部1041は、加速度センサ110の検出値を記録する。角度演算部1041は、車両前後方向の加速度を第1軸とし車両上下方向の加速度を第2軸とした座標に、記録した検出値を例えば経時的にプロットし、直線近似式を連続的若しくは所定時間毎に算出する。そして、角度演算部1041は、得られた直線近似式の傾きとメモリ108に保持されている傾きの基準値とから、車両姿勢角度θvを算出する。例えば、加速度センサ110の検出値は、所定の時間間隔で繰り返しメモリ108に記憶される。そして、メモリ108に記憶された検出値の数が、直線の算出に用いる予め定められたプロット数に達したとき、角度演算部1041は直線を算出する。なお、加速度センサ110の検出値は、後述する検出値判定部1043の判定結果を示す情報と共にメモリ108に記憶される。
調節指示部1042は、得られた車両姿勢角度θvに基づいて光軸角度θoを補正する。また、メモリ108に保持されている車両姿勢角度θvの基準値を補正する。例えば、調節指示部1042は、直線近似式の傾きから得られた車両姿勢角度θvに対応する光軸角度θoとなるように光軸角度θoを補正する。また、メモリ108に保持されている車両姿勢角度θvの基準値を、直線近似式の傾きから得られた車両姿勢角度θvに書き換える。
これにより、路面角度θrの基準値及び車両姿勢角度θvの基準値を繰り返し書き換えることで加速度センサ110の検出誤差等が基準値に積み重なって、オートレベリング制御の精度が低下してしまうことを抑制することができる。制御部104は、車両300の1回の発進から停止までの間における加減速時の加速度センサ110の出力値を記録しておき、車両停止時等に直線近似式を算出して、補正処理を実行してもよい。
なお、制御部104は、現在の直線の傾きと前回の直線の傾きとの差を計算し、この差を基準値へ積算していき、初回計算からの積算値を用いて補正処理を実行してもよい。また、制御部104は、得られた直線近似式の傾きと前回の計算で得られた直線近似式の傾きとを比較し、直線近似式の傾きの変化が検出された場合、当該傾きの変化に基づいて補正処理を実行してもよい。
例えば、メモリ108に保持されている車両姿勢角度θvの基準値がp°であり、直線近似式の傾きの変化の初回計算からの積算値がq°であったとする。あるいは、直近の車両停止時に保持していた車両姿勢角度θvの基準値とその後の発進時、すなわち今回の発進時に保持していた車両姿勢角度θvの基準値との差がp°であり、前回の発進時に算出した直線近似式と今回の発進時に算出した直線近似式の傾きの差がq°であったとする。この場合、調節指示部1042は、車両姿勢角度θvの誤差(p−q)°だけ光軸角度θo及び車両姿勢角度θvの基準値を補正する。
また、調節指示部1042は、上述した直線近似式の傾きの変化を検出した場合に、光軸角度θoを水平方向若しくは初期設定位置に近づけ、車両姿勢角度θvの基準値を0°若しくは初期値に近づけるように補正してもよい。
また、本実施形態に係るレベリングECU100は、上述した直線近似式の傾きからの車両姿勢角度θvの推定精度を高めるべく、以下に示す制御を実施する。すなわち、本実施形態に係る制御部104の検出値判定部1043は、上述した直線の傾きからの車両姿勢角度θvの推定精度を低下せしめる所定の走行状態に車両300があったときの加速度センサ110の検出値(以下では適宜、この検出値を誤差要因検出値と称する)が、直線の導出に用いようとする検出値に含まれるか否かを判定する。
検出値判定部1043によって誤差要因検出値が含まれると判定された場合、角度演算部1041は、誤差要因検出値を除外して直線を導出する。そして、調節指示部1042は、この直線の傾きを用いて調節信号を出力する。これにより、検出値をプロットして得られる直線からの車両姿勢角度θvの推定精度が高まる。そのため、オートレベリング制御の精度を高めることができ、したがってオートレベリング制御の高性能化を図ることができる。
車両姿勢角度θvの推定精度を低下せしめる所定の走行状態としては、車両300がカーブ路を走行している状態などを含む、所定の曲進状態を挙げることができる。図6(A)及び図6(B)は、車両が曲進状態にあるとき検出される加速度センサの検出値を説明するための図である。図7(A)及び図7(B)は、車両が曲進状態にあるときの検出値が直線導出に用いようとする検出値に含まれる場合のオートレベリング制御を説明するための図である。図6(A)、図7(A)及び図7(B)は、車両前後方向の加速度と車両左右方向の加速度の関係を示し、図6(B)は、車両前後方向の加速度と車両上下方向の加速度の関係を示している。図6(A)〜図7(B)において、黒丸は直線近似式の導出に用いられる加速度センサ110の検出値であり、白丸は直線近似式の導出に用いられない加速度センサ110の検出値である。
図6(A)に示すように、車両300が直進状態にあるときは、車両の左右軸(Y軸)に対して直交する平面からの距離がほぼ等しい検出値(黒丸)が得られる。すなわち、車両300が直進状態にあるときは、検出値をXY平面に射影して得られる点は、車両の前後軸(X軸)からの距離がほぼ等しい。また、図6(B)に示すように、これらの検出値は、車両の上下軸(Z軸)に対して直交する平面からもほぼ等しい距離に位置する。すなわち、車両300が直進状態にあるときは、これらの検出値をXZ平面に射影して得られる点は、車両の前後軸(X軸)からの距離がほぼ等しい。これに対し、車両300が所定の曲進状態にあると、破線で囲まれた領域中の検出値のように、直進状態で得られる検出値群から左右軸方向に大きく離れた検出値(白丸)が得られる。これらの検出値は、車両の上下軸に対しても、直進状態で得られる検出値群から上下軸方向に大きく離れる。そのため、これらの検出値は誤差要因検出値となる。
そこで、図7(A)及び図7(B)に示すように、基準値更新部1044は、複数の検出値における車両左右方向の加速度から曲進判定基準値Eを導出する。例えば、上述した初期化処理において基準値更新部1044は、基準状態で車両300を走行させた際に得られる複数の加速度センサ110の検出値から、初期の曲進判定基準値E(Y=0)を導出する。この曲路判定基準値Eは、メモリ108に記録される。
また、基準値更新部1044は、実際の車両300の使用状況において、車両前後方向の加速度を第1軸(X軸)に設定し、車両左右方向の加速度を第2軸(Y軸)に設定した座標に、加速度センサ110の検出値をプロットする。そして、最小二乗法や移動平均法を用いて、得られた検出値群から曲線判定基準値Eを算出する。実際の車両300の使用状況において、車両300は直進状態を取ることが最も多い。そのため、ある程度の数の検出値群を用いれば、車両300の直進状態で得られる車両左右方向の加速度、すなわち曲路判定基準値Eを得ることができる。曲路判定基準値Eの算出に最小二乗法を用いる場合、例えば最小二乗法で得られる直線のY軸切片が曲路判定基準値Eとされる。
そして、検出値判定部1043は、加速度センサ110の検出値における車両左右方向の加速度と曲進判定基準値Eとの差が所定の曲進判定しきい値E1を上回る場合、車両300が所定の曲進状態にあると判断し、このときの検出値を誤差要因検出値と判定する。
基準値更新部1044は、曲進判定基準値Eを所定のタイミングで繰り返し更新する。例えば、曲進判定基準値Eの算出に用いる検出値のプロット数が予め定められており、基準値更新部1044は、プロット数が算出に必要な数に達したら曲進判定基準値Eを算出し、更新する。曲進判定基準値Eの算出後、基準値更新部1044は用いたプロットの全部又は一部を消去して、再び検出値をプロットする。この動作を繰り返すことで、曲進判定基準値Eが繰り返し更新される。このように、実際の車両300の走行状態に合わせて、曲進判定基準値Eが補正されるため、車両300の使用状況に適したオートレベリング制御の実行が可能となる。そのため、オートレベリング制御の性能を向上させることができる。
また、しきい値調整部1045は、曲進判定しきい値の大きさを、車速又は車両300の加速度に応じて調整する。通常、車速や車両300の加速度が大きいほど、車両300の曲進状態において検出される加速度センサ110の検出値は誤差が大きくなりやすい。制御部104は、車両300の車速を車速センサ312から受信することができ、加速度を得られた車速から算出することができる。
そこで、図7(A)に示すように、しきい値調整部1045は、車速が所定値未満である場合に曲進判定しきい値E1を設定し、所定値以上となったときに曲進判定しきい値E1よりも小さい曲進判定しきい値E2を設定する。
または、図7(B)に示すように、しきい値調整部1045は、車両300の加速度(正の加速度及び負の加速度)が所定値未満である場合に曲進判定しきい値E1を設定し、所定値以上となったときに曲進判定しきい値E1よりも小さい曲進判定しきい値E3を設定する。なお、車速から求まる車両300の加速度(運動加速度ベクトルα)は、加速度センサ110の検出値の車両前後方向の加速度に反映される。そのため、曲進判定しきい値は、検出値の車両前後方向の成分が所定値x1未満で曲進判定しきい値E1となり、所定値x1以上で曲進判定しきい値E3となる。
このように、車速又は加速度に応じて曲進判定しきい値を調整することで、加速度センサ110の検出値のプロットで得られる直線からの車両姿勢角度θvの推定精度をより高めることができ、よってオートレベリング制御の精度をより高めることができる。なお、曲進判定しきい値E1,E2,E3、所定値x1は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。
また、車両姿勢角度θvの推定精度を低下せしめる所定の走行状態としては、車両300が未舗装路等の悪路を走行している状態などを含む、所定の凹凸路走行状態を挙げることができる。図8は、車両が凹凸路走行状態にあるとき検出される加速度センサの検出値を説明するための図である。図9(A)及び図9(B)は、車両が凹凸路走行状態にあるときの検出値が直線導出に用いようとする検出値に含まれる場合のオートレベリング制御を説明するための図である。図8、図9(A)及び図9(B)は、車両前後方向の加速度と車両上下方向の加速度の関係を示している。図8、図9(A)及び図9(B)において、黒丸は直線近似式の導出に用いられる加速度センサ110の検出値であり、白丸は直線近似式の導出に用いられない加速度センサ110の検出値である。
図8に示すように、車両300が直進状態にあるときは、車両の上下軸(Z軸)に対して直交する平面からの距離がほぼ等しい検出値(黒丸)が得られる。すなわち、車両300が直進状態にあるときは、検出値をXZ平面に射影して得られる点は、車両の前後軸(X軸)からの距離がほぼ等しい。これに対し、車両300が所定の凹凸路走行状態にあると、破線で囲まれた領域中の検出値のように、直進状態で得られる検出値群から上下軸方向に大きく離れた検出値(白丸)が得られる。これらの検出値は誤差要因検出値となる。
そこで、図9(A)及び図9(B)に示すように、基準値更新部1044は、複数の検出値における車両上下方向の加速度から凹凸路走行判定基準値Fを導出する。例えば、上述した初期化処理において基準値更新部1044は、基準状態で車両300を走行させた際に得られる複数の加速度センサ110の検出値から、初期の凹凸路走行判定基準値F(Z=0)を導出する。この凹凸路走行判定基準値Fは、メモリ108に記録される。
また、基準値更新部1044は、実際の車両300の使用状況において、車両前後方向の加速度を第1軸(X軸)に設定し、車両上下方向の加速度を第2軸(Z軸)に設定した座標に、加速度センサ110の検出値をプロットする。そして、最小二乗法や移動平均法を用いて、得られた検出値群から凹凸路走行判定基準値Fを算出する。実際の車両300の使用状況において、車両300は直進状態を取ることが最も多い。そのため、ある程度の数の検出値群を用いれば、車両300の直進状態で得られる車両上下方向の加速度、すなわち凹凸路走行判定基準値Fを得ることができる。凹凸路走行判定基準値Fの算出に最小二乗法を用いる場合、例えば最小二乗法で得られる直線のZ軸切片が凹凸路走行判定基準値Fとされる。
そして、検出値判定部1043は、加速度センサ110の検出値における車両上下方向の加速度と凹凸路走行判定基準値Fとの差が所定の凹凸路走行判定しきい値F1を上回る場合、車両300が所定の凹凸路走行状態にあると判断し、このときのこの検出値を誤差要因検出値と判定する。
基準値更新部1044は、凹凸路走行判定基準値Fを所定のタイミングで繰り返し更新する。凹凸路走行判定基準値Fの更新方法は、例えば上述した曲進判定基準値Eの更新方法と同様である。このように、実際の車両300の走行状態に合わせて、凹凸路走行判定基準値Fが補正されるため、車両300の使用状況に適したオートレベリング制御の実行が可能となる。そのため、オートレベリング制御の性能を向上させることができる。
また、しきい値調整部1045は、凹凸路走行判定しきい値の大きさを、車速又は車両300の加速度に応じて調整する。通常、車速や車両300の加速度が大きいほど、車両300の凹凸路走行状態において検出される加速度センサ110の検出値は誤差が大きくなりやすい。制御部104は、車速センサ312から車両300の車速を受信することができ、得られた車速から加速度を算出することができる。
そこで、図9(A)に示すように、しきい値調整部1045は、車速が所定値未満である場合に凹凸路走行判定しきい値F1を設定し、所定値以上となったときに凹凸路走行判定しきい値F1よりも小さい凹凸路走行判定しきい値F2を設定する。
または、図9(B)に示すように、しきい値調整部1045は、車両300の加速度(正の加速度及び負の加速度)が所定値未満である場合に凹凸路走行判定しきい値F1を設定し、所定値以上となったときに凹凸路走行判定しきい値F1よりも小さい凹凸路走行判定しきい値F3を設定する。なお、車速から求まる車両300の加速度(運動加速度ベクトルα)は、加速度センサ110の検出値の車両前後方向の加速度に反映される。そのため、凹凸路走行判定しきい値は、検出値の車両前後方向の成分が所定値x2未満で凹凸路走行判定しきい値F1となり、所定値x2以上で凹凸路走行判定しきい値F3となる。
このように、車速又は加速度に応じて凹凸路走行判定しきい値を調整することで、加速度センサ110の検出値のプロットで得られる直線からの車両姿勢角度θvの推定精度をより高めることができ、よってオートレベリング制御の精度をより高めることができる。なお、凹凸路走行判定しきい値F1,F2,F3、所定値x2は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。
なお、凹凸路走行判定基準値Fは、加速度センサ110の各検出値におけるZ値の平均値としてもよい。また、凹凸路走行判定基準値Fとして、第1の基準値Faと、第2の基準値Fbとを算出し、第1の基準値Faと第2の基準値Fbとを組み合わせて、誤差要因検出値を判定してもよい。例えば、まず上述した凹凸路走行判定基準値Fの算出方法と同じ方法で第1の基準値Faを算出する。また、第1の基準値Faの基準値に対応するしきい値Fa1を設定する。しきい値Fa1は、例えば車両300の使用中に取り得る車両姿勢角度θvに基づいて定められる。具体的には車高の最大値、最小値、サスペンションの可動範囲、ホイールベースの長さ等を含む車両300の設計値に基づいて定められる。すなわち、しきい値Fa1は、車両300の機械的構造によって決まる車両300の可動範囲に基づいて定められる。そして、第1の基準値Faとしきい値Fa1に基づいて、加速度センサ110の検出値から第1の誤差要因検出値を除外する。
続いて、この第1の誤差要因検出値の除外で残った各検出値におけるZ値の平均値から、第2の基準値Fbを算出する。また、上述した凹凸路走行判定しきい値F1,F2,F3に相当する、第2の基準値Fbの基準値に対応する凹凸路走行判定しきい値Fb1,Fb2,Fb3を設定する。そして、第2の基準値Fbと凹凸路走行判定しきい値Fb1,Fb2を用いて、あるいは第2の基準値Fbと凹凸路走行判定しきい値Fb2,Fb3を用いて第2の誤差要因検出値を除外し、残った検出値を用いて直線を求める。このように、時定数の異なる複数のフィルタを組み合わせて加速度センサ110の検出値を選別することで、加速度センサ110の検出値のプロットで得られる直線からの車両姿勢角度θvの推定精度をより高めることができる。
さらに、加速度センサ110は、使用環境の温度変化によって出力値が変化することがある。そこで、この温度変化に起因する出力値の変化を考慮して、車両姿勢角度θvを推定するための直線を導出してもよい。加速度センサ110は、重力加速度(1G)を検出する。重力加速度の大きさは、通常、路面や車両300の傾きによらず一定である。そこで、制御部104は、加速度センサ110の検出値の大きさの変化に基づいて、温度変化に起因する出力値の変化を把握し、この変化分だけ加速度センサ110の検出値、あるいは加速度センサ110の軸位置を補正する。例えば、制御部104は、車両300の停止毎に、加速度センサ110の検出値の大きさを算出する。そして、その大きさ又は大きさの変化に基づいて、加速度センサ110の検出値又は加速度センサ110の軸位置を補正する。これにより、加速度センサ110の検出値のプロットで得られる直線からの車両姿勢角度θvの推定精度をより高めることができる。
また、車両姿勢角度θvの推定精度を低下せしめる所定の走行状態としては、所定の坂道走行状態を挙げることができる。図10は、路面角度の傾きに応じた加速度センサの検出値の変化を説明するための図である。図11(A)〜図11(C)は、路面角度の傾きによる、加速度センサの検出値と車速から求まる加速度とのオフセットを説明するための図である。
図11(A)は車速Vの時間変化を示すタイムチャートである。図11(B)は、車両300の水平路面走行状態における、加速度センサ110の検出値の車両前後方向の成分(x成分)、及び車速から計算で求めた車両前後方向の加速度aの時間変化を示すタイムチャートである。図11(C)は、車両300の所定の坂道走行状態における、x成分及び加速度aの時間変化を示すタイムチャートである。図11(A)の縦軸は車速Vを示し、図11(B)及び図11(C)の縦軸はx成分又は加速度aを示す。図11(A)〜図11(C)の横軸は時間tを示す。
図12(A)及び図12(B)は、車両が坂道走行状態にあるときの検出値が直線導出に用いようとする検出値に含まれる場合のオートレベリング制御を説明するための図である。図10、図12(A)及び図12(B)は、車両前後方向の加速度と車両上下方向の加速度の関係を示している。図12(A)及び図12(B)において、黒丸は直線近似式の導出に用いられる加速度センサ110の検出値であり、白丸は直線近似式の導出に用いられない加速度センサ110の検出値である。
図10に示すように、水平路面上での加速度センサ110の検出値をh、路面角度θr1だけ傾いた路面上での加速度センサ110の検出値をh1とすると、検出値h1は検出値hに対して、車両前後軸方向にGsinθr1だけオフセットする。また、車両上下軸方向にG(1−cosθr1)だけオフセットする。
一方、上述したように車両300は路面に対して平行に移動するため、車両300の加減速時に生じる運動加速度ベクトルαは路面に対して平行なベクトルとなる。よって、車速から計算で求まる車両前後方向の加速度aは、路面角度θrに応じて変化することはない。したがって、路面角度θrが変化した場合、加速度aは変化しないのに対してx成分は変化する。そのため、路面角度θrが変化するとx成分と加速度aとの間にオフセットが生じる。オフセット量は、路面角度θrが大きくなるほど、すなわち急な坂道ほど大きくなる。
例えば、図11(A)に示すように車両300の車速Vが変化した場合、車両300が水平路面を走行している場合は、図11(B)に示すようにx成分と加速度aとがほぼ一致する。一方、車両300が所定の坂道走行状態にある場合は、図11(C)に示すようにx成分と加速度aとにオフセットが生じる。このように、加速度aとの間にオフセットが生じたx成分を含む検出値は、誤差要因検出値となる。
そこで、検出値判定部1043は、加速度センサ110の検出値における車両前後方向の加速度xと車速から算出された車両前後方向の加速度aとの加速度差Hが、所定の坂道走行判定しきい値H1を上回る場合、車両300が所定の坂道走行状態にあると判断する。そして、検出値判定部1043は、車両300が所定の坂道走行状態にあると判断されている間の検出値を、誤差要因検出値と判定する。例えば、検出値判定部1043は、車両300の走行中の任意のタイミングでの加速度差H、若しくは所定期間における加速度差Hの平均値を、坂道走行判定しきい値H1と比較する対象とすることができる。また、検出値判定部1043は、坂道走行判定の結果を次回の判定までの間維持することができる。すなわち、例えば、車両300が坂道走行状態にあると判定された場合、検出値判定部1043は、次回の判定まで車両300が坂道走行状態にあると判断する。
また、制御部104は、坂道走行判定で所定の坂道走行状態にないと判定された状況で得られる検出値についても、車両前後方向の加速度の大きさによって直線の導出に用いるか否かを選別する。また、制御部104は、路面角度θrの大きさに応じて異なる選別基準を設ける。すなわち、坂道用加速度しきい値設定部1046は、路面角度θrの大きさに応じて、異なる車両前後方向の加速度のしきい値を設定する。
具体的には、坂道用加速度しきい値設定部1046は、加速度差Hが坂道走行判定しきい値H1以下であり、且つ坂道走行判定しきい値H1よりも小さい第2の坂道走行判定しきい値H2を上回る場合、すなわち比較的傾斜した路面状態である場合、図12(A)に示すように、車両前後方向の第1の加速度しきい値J1を設定する。そして、角度演算部1041は、加速度センサ110の検出値における車両前後方向の加速度が当該第1の加速度しきい値J1以下の検出値を用いて直線を導出する。また、坂道用加速度しきい値設定部1046は、加速度差Hが第2の坂道走行判定しきい値H2以下の場合、すなわちより水平な路面状態である場合、図12(B)に示すように、第1の加速度しきい値J1よりも大きい車両前後方向の第2の加速度しきい値J2を設定する。そして、角度演算部1041は、車両前後方向の加速度が当該第2の加速度しきい値J2以下の検出値を用いて直線を導出する。
すなわち、検出値判定部1043は、車両300が所定の坂道走行状態にあるときの検出値を、車両前後方向の加速度の大きさによらず直線導出から除外する。また、検出値判定部1043は、路面角度θrが所定の坂道走行状態にあると判定される程の大きさでない場合であっても、その範囲内で路面角度θrが比較的大きい状況にあるときの検出値については、車両前後方向の加速度が比較的小さい検出値を直線導出に用いる。一方、検出値判定部1043は、路面角度θrがより水平に近い状況にあるときの検出値については、上述した車両前後方向の加速度が比較的小さい検出値に加えて、車両前後方向の加速度がより大きい検出値も直線導出に用いる。すなわち、路面角度θrが大きい場合は、小さい場合に比べて直線導出に用いる検出値の取得範囲が制限される。
これにより、検出値をプロットして得られる直線からの車両姿勢角度θvの推定精度をより高めることができる。なお、坂道走行判定しきい値H1、第2の坂道走行判定しきい値H2、第1の加速度しきい値J1、第2の加速度しきい値J2は、設計者による実験やシミュレーションに基づき適宜設定することが可能である。また、これらの値は、予め設定されてメモリ108に記録されている。
図13は、実施形態1に係る車両用灯具の制御装置により実行されるオートレベリング制御のフローチャートである。このフローは、たとえばライトスイッチ304によってオートレベリング制御モードの実行指示がなされている状態において、イグニッションがオンにされた場合に制御部104により所定のタイミングで繰り返し実行され、イグニッションがオフにされた場合に終了する。
まず、制御部104は、車両走行中であるか判断する(S101)。車両走行中である場合(S101のY)、制御部104は、車両が加減速中であるか判断する(S102)。車両の加減速は、加速度センサ110や車速センサ312の検出値、アクセルペダルやブレーキペダル(ともに図示せず)の踏み込みの有無等から検知することができる。車両が加減速中でない場合(S102のN)、制御部104は本ルーチンを終了する。車両が加減速中である場合(S102のY)、制御部104は、上述した誤差要因検出値の有無判定を行い(S103)、続いて加速度センサ110の複数の検出値から直線近似式を算出する(S104)。制御部104は、誤差要因検出値があると判定された場合は誤差要因検出値を除外して直線近似式を算出する。そして、制御部104は、直線近似式の傾きを用いて光軸角度θo及び車両姿勢角度θvの基準値を補正し(S105)、本ルーチンを終了する。
車両走行中でない場合(S101のN)、制御部104は、車両停止時であるか判断する(S106)。車両停止時である場合(S106のY)、制御部104は、現在の合計角度θから車両姿勢角度θvの基準値を減じて路面角度θrを算出する(S107)。そして、路面角度θrの基準値を算出された路面角度θrに更新し(S108)、本ルーチンを終了する。
車両停止時でない場合(S106のN)、この場合は車両停止中であることを意味するため、制御部104は、現在の合計角度θから路面角度θrの基準値を減じて車両姿勢角度θvを算出する(S109)。続いて、制御部104は、算出された車両姿勢角度θvを用いて光軸角度θoを調節する(S110)。そして、制御部104は、車両姿勢角度θvの基準値を算出された車両姿勢角度θvに更新し(S111)、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用灯具の制御装置としてのレベリングECU100において、制御部104は、車両前後方向の加速度を第1軸に設定し車両上下方向の加速度を第2軸に設定した座標に、加速度センサ110の検出値をプロットし、プロットした複数点から直線を導出する。そして、この直線の傾きを用いて車両用灯具の光軸調節を指示する調節信号を出力する。また、制御部104は、直線の傾きからの車両姿勢角度θvの推定精度を低下せしめる所定の走行状態に車両300があったときの検出値が、直線の導出に用いようとする検出値に含まれる場合、この検出値を除外して直線を導出する。
すなわち、制御部104は、車両300が平坦な水平路面を直進している状態において検出された加速度センサ110の検出値を用いて、車両姿勢角度θvを推定するための直線を導出している。これにより、検出値をプロットして得られる直線からの車両姿勢角度θvの推定精度を高めることができる。そのため、加速度センサ110を用いたオートレベリング制御の精度を高めることができ、したがってオートレベリング制御の高性能化を図ることができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれる。上述の実施形態と変形との組合せによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態及び変形それぞれの効果をあわせもつ。
実施形態1では、制御部104は、直線の導出に用いようとする検出値群に誤差要因検出値が含まれる場合、誤差要因検出値を除外して直線を導出している。しかしながら、特にこれに限定されず、制御部104は、誤差要因検出値が含まれる場合、調節信号の出力を回避するか、光軸位置の維持を指示する維持信号を出力してもよい。これらの場合、精度が低いと予想される補正処理の実行を回避することができる。したがって、オートレベリング制御の高性能化を図ることができる。なお、調節信号の出力を回避する場合、制御部104は、角度演算部1041が直線を導出しないことにより回避してもよいし、調節指示部1042が調節信号を生成しないことにより回避してもよいし、調節指示部1042が調節信号を生成した上で生成した調節信号を出力しないことにより回避してもよい。
実施形態1では、直線の傾きからの車両姿勢角度θvの推定精度を低下せしめる車両300の所定の走行状態として、曲進状態、凹凸路走行状態、及び坂道走行状態を挙げている。そして、検出値判定部1043は、この3つの走行状態を判定している。しかしながら、車両300の走行状態の判定は、上記3つの走行状態の少なくとも1つであればよい。すなわち、検出値判定部1043が判定する走行状態は、いずれか1つのみであってもよいし、任意の2つの組み合わせであってもよい。
基準値更新部1044は、曲進判定基準値E及び凹凸路走行判定基準値Fのいずれか一方のみを所定のタイミングで繰り返し更新してもよい。また、しきい値調整部1045は、曲進判定しきい値及び凹凸路走行判定しきい値のいずれか一方のみの大きさを、車速または加速度に応じて調整してもよい。
実施形態1では、検出値判定部1043が、直線導出に用いる検出値に誤差要因検出値が含まれるか否かの判定している。しかしながら、特にこれに限定されず、制御部104が検出値判定部1043を備えず、検出値と曲進判定基準値Eとの差が曲進判定しきい値を上回る場合、検出値と凹凸路走行判定基準値Fとの差が凹凸路走行判定しきい値を上回る場合、及び加速度差Hが坂道走行判定しきい値を上回る場合の少なくとも1つが満たされたときに、当該検出値を含めずに直線が導出されて光軸調節が実施されるか、光軸調節が回避(調節信号の出力回避、維持信号の出力など)される構成であってもよい。
凹凸路走行判定において説明した検出値の平均値に基づく基準値の設定、複数の基準値の使用、温度変化に応じた検出値の補正は、曲進判定及び/又は坂道走行判定に対しても適宜採用することができる。
なお、上述の実施形態に係る発明は、以下に記載する項目によって特定されてもよい。
[項目1]
車両前後方向及び車両上下方向の加速度を導出可能な、加速度センサの検出値を受信するための受信部と、
車両前後方向の加速度を第1軸に設定し車両上下方向の加速度を第2軸に設定した座標に、車両の加速時及び減速時の少なくとも一方における前記検出値をプロットし、プロットした複数点から直線を導出し、当該直線の傾きを用いて車両用灯具の光軸調節を指示する調節信号を出力するための制御部と、を備え、
前記制御部は、車両が所定の曲進状態、所定の凹凸路走行状態、及び所定の坂道走行状態の少なくとも一つにあったときの前記検出値が、前記直線の導出に用いようとする検出値に含まれる場合、この検出値を含めずに前記直線を導出し、当該直線の傾きを用いて前記調節信号を出力するか、前記調節信号の出力を回避するか、光軸位置の維持を指示する維持信号を出力することを特徴とする車両用灯具の制御装置。
[項目2]
光軸を調節可能な車両用灯具と、
加速度センサと、
前記車両用灯具の光軸調節を制御するための制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
車両前後方向及び車両上下方向の加速度を導出可能な、加速度センサの検出値を受信するための受信部と、
車両前後方向の加速度を第1軸に設定し車両上下方向の加速度を第2軸に設定した座標に、車両の加速時及び減速時の少なくとも一方における前記検出値をプロットし、プロットした複数点から直線を導出し、前記直線の傾きを用いて車両用灯具の光軸調節を指示する調節信号を出力するための制御部と、を備え、
前記直線の傾きから、路面に対する車両の傾斜角度である車両姿勢角度を推定可能であり、
前記制御部は、前記直線の傾きからの前記車両姿勢角度の推定精度を低下せしめる所定の走行状態に車両があったときの前記検出値が、前記直線の導出に用いようとする検出値に含まれる場合、この検出値を除外して前記直線を導出し、当該直線の傾きを用いて前記調節信号を出力するか、前記調節信号の出力を回避するか、光軸位置の維持を指示する維持信号を出力することを特徴とする車両用灯具システム。
E 曲進判定基準値、 E1,E2,E3 曲進判定しきい値、 F 凹凸路走行判定基準値、 F1,F2,F3 凹凸路走行判定しきい値、 H1 坂道走行判定しきい値、 H2 第2の坂道走行判定しきい値、 J1 第1の加速度しきい値、 J2 第2の加速度しきい値、 10 灯具ユニット、 100 レベリングECU、 102 受信部、 104 制御部、 110 加速度センサ、 300 車両、 1041 角度演算部、 1042 調節指示部、 1043 検出値判定部、 1044 基準値更新部、 1045 しきい値調整部、 1046 坂道用加速度しきい値設定部。

Claims (2)

  1. 車両前後方向及び車両上下方向の加速度を導出可能な、加速度センサの検出値を受信する受信部と、
    車両走行中に検出される複数の前記検出値から車両前後方向の加速度の変化量と車両上下方向の加速度の変化量との比率を算出し、当該比率に基づいて車両用灯具の光軸を調節する制御部と、を備え、
    前記制御部は、複数の前記検出値に基づいて基準値を設定し、当該基準に基づいて前記比率の算出に用いない検出値を決定することを特徴とする車両用灯具の制御装置。
  2. 車両前後方向及び車両上下方向の加速度を導出可能な、加速度センサの検出値を受信する受信部と、
    車両走行中に検出される複数の前記検出値から、車両前後方向の加速度を第1軸に設定し車両上下方向の加速度を第2軸に設定した座標における直線の傾きを算出し、当該直線の傾きを用いて車両用灯具の光軸を調節する制御部と、を備え、
    前記制御部は、複数の前記検出値に基づいて基準値を設定し、当該基準に基づいて前記傾きの算出に用いない検出値を決定することを特徴とする車両用灯具の制御装置。
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