JP7422322B2 - 姿勢角処理装置、画像表示システム、姿勢角処理方法及びプログラム - Google Patents

姿勢角処理装置、画像表示システム、姿勢角処理方法及びプログラム Download PDF

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Description

本開示は、姿勢角処理装置、移動体、姿勢角処理方法及びプログラムに関する。
従来、車両の基準面と路面とが成す姿勢角を用いて車両の制御を行う制御装置が知られている。例えば、車両の傾斜角度に応じて車両用前照灯の照射方向を自動的に調節するオートレベリング制御を行う車両用灯具の制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、車両停止中の姿勢角の変化、及び車両走行中の姿勢角の変化に基づき、車両用灯具の光軸角度の調節を行うことが開示されている。
国際公開第2016/114159号
特許文献1に記載された姿勢角の導出については、改善の余地がある。
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、移動体の姿勢角の導出精度を改善できる姿勢角処理装置、移動体、姿勢角処理方法及びプログラムを提供する。
本開示の一態様は、移動体の姿勢角を導出する姿勢角処理装置であって、前記移動体の走行時における複数の時点において検出された、前記移動体に作用する加速度の検出値を取得するとともに、取得した前記加速度の検出値の変化量を用いて、前記移動体の姿勢角を導出する処理部を備え、前記処理部は、前記移動体が走行する路面の勾配の情報を用いて前記加速度の検出値を処理したのち、処理された前記加速度の検出値の変化量に基づいて前記移動体の姿勢角を導出するか、または、取得した前記加速度の検出値の変化量に基づいて算出した姿勢角を、前記路面の勾配の情報を用いて補正することで前記移動体の姿勢角として導出し、前記処理部は、前記加速度の検出値の処理として、前記複数の時点に含まれる第1の時点で取得した前記路面の勾配の絶対値が第1閾値より大きく、且つ、前記路面の勾配の変動量の絶対値が第2閾値より大きい場合、当該加速度の検出値を前記移動体の姿勢角の導出に用いるための値から除外する、姿勢角処理装置である。
本開示の一態様は、上記の姿勢角処理装置を備える画像表示システム、である。
本開示の一態様は、移動体の姿勢角を導出する姿勢角処理方法であって、処理部が、前記移動体の走行時における複数の時点において検出された、前記移動体に作用する加速度の検出値を取得するとともに、取得した前記加速度の検出値の変化量を用いて、前記移動体の姿勢角を導出するステップを含み、前記移動体の姿勢角を導出するステップでは、前記処理部が、前記移動体が走行する路面の勾配の情報を用いて前記加速度の検出値を処理したのち、処理された前記加速度の検出値の変化量に基づいて前記移動体の姿勢角を導出するか、または、前記処理部が、取得した前記加速度の検出値の変化量に基づいて算出した姿勢角を、前記路面の勾配の情報を用いて補正することで前記移動体の姿勢角として導出し、前記移動体の姿勢角を導出するステップでは、前記処理部が、前記加速度の検出値の処理として、前記複数の時点に含まれる第1の時点で取得した前記路面の勾配の絶対値が第1閾値より大きく、且つ、前記路面の勾配の変動量の絶対値が第2閾値より大きい場合、当該加速度の検出値を前記移動体の姿勢角の導出に用いるための値から除外する、姿勢角処理方法である。
本開示の一態様は、コンピュータに、上記の姿勢角処理方法の各ステップを実行させるためのプログラムを提供する。
本開示によれば、移動体の姿勢角の導出精度を改善できる。
実施形態に係る姿勢角処理装置の構成の一例を示すブロック図 路面が坂道でなく、停止時において車両が路面に対して傾いていない場合に作用する重力加速度を説明する説明図 路面が坂道でなく、停止時において車両が路面に対して傾いている場合に作用する重力加速度を説明する説明図 路面が坂道であり、停止時において車両が路面に対して傾いていない場合に作用する重力加速度を説明する説明図 路面が坂道でなく、走行時において車両が路面に対して傾いていない場合に作用する運動加速度を説明する説明図 路面が坂道でなく、走行時において車両が路面に対して傾いている場合に作用する運動加速度を説明する説明図 路面が坂道であり、走行時において車両が路面に対して傾いていない場合に作用する合成加速度を説明する説明図 路面が坂道であり、走行時において車両が路面に対して傾いている場合に作用する合成加速度を説明する説明図 路面の勾配を加味した加速度検出値の一部の除外例を説明する図 路面の勾配を加味した加速度検出値の補正例を説明する図 路面の勾配を加味した姿勢角算出値の補正例を説明する図 加速度検出値の除外前後における車両座標系を加味した加速度検出値の分布例を示す図 姿勢角処理装置を備える画像表示システムを備える車両の概念図
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る姿勢角処理装置、移動体、姿勢角処理方法及びプログラムを具体的に開示した実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(本開示に至った経緯)
従来の姿勢角の導出では、車両が坂道を走行する場合について十分に考慮されていない。具体的には、車両が坂道を走行する場合には、車両が坂道に沿った運動加速度に加えて重力加速度による影響を受けることで、姿勢角の導出精度が低下し得る。
以下の実施形態では、移動体の姿勢角の導出精度を改善できる姿勢角処理装置、移動体、姿勢角処理方法及びプログラムについて説明する。
図1は、本開示の実施形態における姿勢角処理装置5の構成例を示すブロック図である。姿勢角処理装置5は、姿勢角に関する処理を行う。姿勢角処理装置5は、例えば車両100(図2A等参照)に搭載される。姿勢角は、例えば、路面600(図2A等参照)に対する車両100の基準面の角度である。車両100の基準面は、例えば路面600と平行である。車両100は、路面600を走行可能であり停車可能である。姿勢角処理装置5は、処理部50、センサ部60、記憶部70、及び出力部80を備える。
センサ部60は、姿勢角処理装置5の内部又は外部の状態を検知するセンサを1つ以上含む。センサ部60は、例えば、加速度センサ61、角速度センサ62、及び速度センサ63を含む。
加速度センサ61は、車両100に作用する加速度を検出する。この加速度は、例えば、重力加速度、運動加速度、又は重力加速度と運動加速度とを合成した合成加速度でよい。加速度センサ61は、例えば互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を有する3軸加速度センサを含む。加速度センサ61は、任意の姿勢で車両100に取り付けられ、車両100に生じる加速度ベクトルを検出する。運動加速度とは、車両100の走行による加速又は減速によって車両100に発生する加速度である。即ち、運動加速度は、車両100に作用する加速度(合成加速度)のうち、重力加速度を除いた加速度である。運動加速度は、例えば、車両100の加速の向きと反対向きに発生する。車両100に作用する加速度、及び加速度に基づく姿勢角の算出については後述する。
角速度センサ62は、車両100の左右軸の軸周りの角速度(すなわちピッチ角)を検出する。
速度センサ63は、車両100が走行する速度を検出する。例えば、速度センサ63による検出値(速度検出値)が閾値th1以下の値(例えば値0)である場合、車両100が停止中であると判定する。速度検出値が閾値th1より大きい値である場合、車両100が走行中であると判定する。車両100の停止中に加速度センサ61により検出される加速度の値が、停止中の加速度検出値となる。車両100の走行中に加速度センサ61により検出される加速度の値が、走行中の加速度検出値となる。
記憶部70は、メモリにより構成される。メモリは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含んでよい。記憶部70は、各種情報、データ、プログラム等を記憶する。プログラムは、ここでは記憶部70に予め記録されている場合を示すが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
出力部80は、出力デバイスにより構成される。出力デバイスは、例えば、通信デバイス、通信ポート、外部装置接続ポート、メモリ接続ポート、等であってよい。出力部80は、例えば、各種情報(例えば導出された姿勢角の情報)を外部装置に出力する。なお、出力は、例えば、表示、投影、通信、記録のための出力を含んでよい。なお、出力部80は、入力機能を有し、入出力部として動作してもよい。
処理部50は、1つ以上のプロセッサにより構成され、例えば、プロセッサがメモリに保持された所定のプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)等を含んでよい。処理部50は、姿勢角処理装置5が搭載される車両100の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)等の制御ユニットに設けられてもよい。処理部50は、移動体の姿勢角の導出に関する処理を行う。処理部50は、出力制御部51及び姿勢角導出部52としての機能を有する。
出力制御部51は、出力部80による各種情報の出力を制御する。各種情報は、姿勢角の情報、その他の情報を含んでよい。
姿勢角導出部52は、センサ部60により検出された各種情報を取得してよい。姿勢角導出部52は、記憶部70に記憶された各種情報を取得してよい。姿勢角導出部52により処理された各種情報は、記憶部70に保持されてよい。
姿勢角導出部52は、車両100における座標系(車両座標系)として、上下軸Az方向(上下方向)、前後軸Ax方向(前後方向)及び左右軸Ay方向(左右方向)を定義する(図2A等参照)。なお、この3軸の車両座標系は、車両100に固定された仮想の軸である。前後軸Ax及び左右軸Ayを含むAx-Ay平面が車両100の基準面となる。
姿勢角導出部52は、路面600の勾配を導出する。例えば、姿勢角導出部52は、車両100の停止中に、センサ部60の加速度センサ61により得られた加速度に基づいて、路面600の勾配を算出してよい。車両100の停止中に得られる加速度検出値Gは、運動加速度が値0であるので、重力加速度のみである。この場合、姿勢角導出部52は、路面600に対する車両100の傾きが一定と仮定すると、路面600の勾配を、停止中の加速度検出値Gについての前後軸Ax方向の加速度成分Gxと上下軸Az方向の加速度成分Gzとのベクトル比によって算出してよい。また、姿勢角導出部52は、路面600に対する車両100の傾きが一定と仮定すると、路面600の勾配を、勾配が一定の路面600を走行中に得られる加速度検出値Gの前後軸Ax方向の加速度成分Gxと上下軸Az方向の加速度成分Gzとのベクトル比によって算出してよい。なお、これらのベクトル比の算出では、加速度成分Gxとともに又は加速度成分Gxの代わりに、加速度検出値Gの左右軸Ay方向の加速度成分Gyが加味されてもよい。また、例えば、姿勢角導出部52は、車両100の停止中又は走行中に、角速度センサ62により得られた角速度の積分値に基づいて、路面600の勾配を算出してよい。
路面600の勾配が閾値th2(例えば1度)未満である場合、姿勢角導出部52は、路面600が坂道でなく、水平であると判定する。路面600の勾配が閾値th2以上である場合、姿勢角導出部52は、路面600が水平でなく、坂道であると判定する。
姿勢角導出部52は、複数の時点で検出された加速度センサ61の検出値(加速度検出値)を取得する。複数の時点で検出された加速度検出値は、時系列に並ぶデータであり、時系列データを形成する。姿勢角導出部52は、加速度検出値に基づいて、車両100の姿勢角を算出する。この場合、姿勢角導出部52は、停止中の加速度検出値Gに基づいて、車両100の姿勢角を算出してよい。姿勢角導出部52は、走行中の加速度検出値ΔGに基づいて、車両100の姿勢角を算出してよい。なお、加速度検出値ΔGは、複数の時点で検出された加速度検出値の差分つまり変化量を示す。姿勢角導出部52は、複数の時点で検出された複数の加速度検出値Gから加速度検出値ΔGを算出してよい。
また、姿勢角導出部52は、複数の時点で検出された加速度検出値を含む時系列データに基づいて、車両100の姿勢角を算出してよい。この場合、姿勢角導出部52は、各時点で検出された加速度検出値に基づいて、各時点での姿勢角を算出してよい。また、姿勢角導出部52は、所定期間における各時点で検出された加速度検出値の統計値(例えば平均値)を算出し、加速度検出値の統計値に基づいて、所定期間における姿勢角を算出してよい。車両100の姿勢角は、停止中には、荷物の積み下ろし、乗車人員の乗り降りなどに応じて変化し得る。車両100の姿勢角は、走行中には、ガソリン等の燃料の減少、或いは走行中の乗車人員の移動などの荷重変化に応じて変化し得る。
姿勢角導出部52は、路面600の勾配に基づいて、加速度検出値を処理する。例えば、路面600が坂道である(水平でない)場合、姿勢角導出部52は、加速度検出値の処理において、路面600が坂道である期間(つまり坂道走行期間)に検出された加速度検出値Gを、車両100の姿勢角の算出に用いる時系列データから除外してよい。車両100の姿勢角の算出に用いる時系列データから除外するとは、各時点で加速度検出値を基に姿勢角を算出する場合に、その加速度検出値を姿勢角の算出を行うためのデータとしないこと、所定期間の加速度検出値の平均値を基に姿勢角を算出する場合に、その平均値を算出するためのデータとしないこと、等を含んでよい。この除外の処理の詳細については後述する。なお、加速度検出値の平均値を算出したり、所定期間における加速度検出値を取得したりする場合には、検出済みの加速度検出値が記憶部170に記憶されていてよい。
また、姿勢角導出部52は、加速度検出値の処理において、加速度検出値を補正してよい。また、路面600が坂道である場合、姿勢角導出部52は、姿勢角が算出された値(姿勢角算出値)を補正してよい。この加速度検出値又は姿勢角算出値の補正は、坂道走行期間における加速度検出値を除外する代わりに行われてよい。この補正では、加速度検出値又は姿勢角算出値に対して、所定の値が加算又は減算されたり、路面600の勾配に応じた値を加算又は減算されたりしてよい。加速度検出値又は姿勢角算出値の補正の詳細については、後述する。
次に、車両100に作用する加速度及びこの加速度に基づき算出される姿勢角の例について詳述する。
図2Aは、路面600が坂道でなく、停止時において車両100が路面600に対して傾いていない場合に作用する重力加速度を説明する説明図である。図2Bは、路面600が坂道でなく、停止時において車両100が路面600に対して傾いている場合に作用する重力加速度を説明する説明図である。図2Cは、路面600が坂道であり、停止時において車両100が路面600に対して傾いていない場合に作用する重力加速度を説明する説明図である。
姿勢角導出部52は、加速度検出値に基づいて姿勢角を算出することにより、又は姿勢角を算出且つ補正することにより、姿勢角の導出を行う。なお、図2等の車両座標系において紙面に対して垂直方向の左右軸Ayについては図示していないが、車両100の進行方向に対して左右方向に傾いている場合は左右軸Ay方向にも加速度成分が生じる。加速度センサ61は、上下軸Az方向、前後軸Ax方向及び左右軸Ay方向の加速度を検出する。
図2Aでは、車両100の基準面が路面600に対して平行である場合、姿勢角の算出値はゼロとなる。姿勢角は、路面600に対する車両100の基準面の傾き、或いは地球の重力方向の鉛直線からの車両100の上下軸Azの傾きとして算出される。なお、左右軸Ay方向の加速度成分を用いずに、上下軸Az方向と前後軸Ax方向の2方向、すなわち上下方向とこれに直交する直交方向の加速度成分によって姿勢角を算出してもよい。
車両100の停止時には、図2A~図2Cに示すように、停止中の車両100における上下軸Az方向、前後軸Ax方向、及び左右軸Ay方向の3軸の重力加速度の比によって姿勢角を算出する。以降、車両100の停止中の姿勢角を算出するアルゴリズムを「停止中アルゴリズム」と称することにする。
図2Aに示すように、停止中の車両100の姿勢が路面600に対して前後方向に傾いていない場合、車両100に作用する重力加速度は、車両100の上下軸Az方向のみに作用する。このため、加速度センサ61の加速度検出値G(すなわち重力加速度の検出値)は、上下軸Az方向の加速度成分Gzのみを有する。
また、図2Bに示すように、停止中の車両100の姿勢が路面600に対して例えば前後方向に傾斜している場合、車両100に作用する重力加速度は、車両100の上下軸Az方向及び前後軸Ax方向の両方向に作用する。図2Bでは、後部荷室に荷物を搭載した場合など、車両100が後方に傾いている(車両前部が斜め上に向いている)状態を示している。このため、加速度センサ61の加速度検出値Gは、上下軸Az方向の加速度成分Gzと前後軸Ax方向の加速度成分Gxを有する。姿勢角導出部52において、停止中アルゴリズムにより算出する姿勢角βは、例えば以下の数式(1)によって求められる。
Figure 0007422322000001
このように、姿勢角処理装置5は、上述した停止中アルゴリズムによって、車両100の停止中の姿勢角をリアルタイムで算出して観測可能である。
また、路面600が坂道である場合、車両100に作用する重力加速度は、図2Bと同様に、車両100の上下軸Az方向及び前後軸Ax方向の両方向に作用する。図2Bでは、坂道である路面600に車両100が沿って停車しているが、重力加速度の作用については、坂道である路面600に対して車両100が傾いて停車している場合も同様である。このため、加速度センサ61の加速度検出値Gは、上下軸Az方向の加速度成分Gzと前後軸Ax方向の加速度成分Gxを有する(図2C参照)。姿勢角導出部52において、停止中アルゴリズムにより算出する姿勢角βは、上述の数式(1)によって求められる。
したがって、車両100の加速度として停止中の重力加速度のみを用いると、図2Bのような路面600が坂道でなく路面600に対して車両100が傾いている場合と、図2Cのような路面600自体が坂道である場合と、を区別することが困難である。図2Cの場合には、路面600に対して車両100は傾いておらず、姿勢角βが0となることが好ましい。
図3Aは、路面600が坂道でなく、走行時において車両100が傾いていない場合に作用する運動加速度を説明する説明図である。図3Bは、路面600が坂道でなく、走行時において車両100が傾いている場合に作用する運動加速度を説明する説明図である。図3Cは、路面600が坂道であり、走行時において車両100が傾いていない場合に作用する合成加速度を説明する説明図である。図3Dは、路面600が坂道であり、走行時において車両100が傾いている場合に作用する合成加速度を説明する説明図である。
車両100の走行時には、図3A~図3Dに示すように、走行中の車両100における上下軸Az方向、前後軸Ax方向、及び左右軸Ay方向の3軸の運動加速度等の変化量の比によって姿勢角を算出する。以降、車両100の走行中の姿勢角を算出するアルゴリズムを「走行中アルゴリズム」と称することにする。
図3Aに示すように、路面600が坂道でなく、前方に向かって走行中の車両100の姿勢が路面600に対して前後方向に傾いていない場合、車両100に作用する運動加速度は、車両100の前後軸Ax方向のみに作用する。このため、加速度センサ61の加速度検出値ΔG(ここでは運動加速度の検出値の変化量)は、前後軸Ax方向の加速度成分ΔGxのみを有する。走行中アルゴリズムでは、所定時点又は所定期間毎の加速度検出値の差分によって加速度を算出するため、加速度の変化量をΔG、ΔGx等として表している。なお、図3Aでは、路面600が坂道でなく水平であるため、重力加速度の変化量は値0となり、無視できる。
なお、加速度検出値の変化量としてのΔGは、複数の時点で検出された複数の加速度検出値の差分の算出により得られてよい。本実施形態では、加速度検出値の変化量のことを、単に加速度検出値ΔGとも記載する。これらのことは、ΔGの各方向の成分であるΔGx、ΔGy、ΔGzについても同様である。
また、図3Bに示すように、路面600が坂道でなく、前方に向かって走行中の車両100の姿勢が路面600に対して例えば前後方向に傾斜している場合、車両100に作用する運動加速度は、車両100の上下軸Az方向及び前後軸Ax方向の両方向に作用する。図3Bでは、後部荷室に荷物を搭載している場合など、車両100が後方に傾いている(車両前部が斜め上に向いている)状態を示している。このため、加速度センサ61の加速度検出値ΔGは、前後軸Ax方向の加速度成分ΔGxと上下軸Az方向の加速度成分ΔGzを有する(図3B参照)。姿勢角導出部52において、走行中アルゴリズムにより算出する姿勢角βは、例えば以下の数式(2)によって求められる。
Figure 0007422322000002
なお、図3Bでは、路面600が坂道でなく水平であるため、重力加速度の変化量は値0となり、無視できる。
また、図3Cに示すように、路面600が坂道であり路面600に沿って車両100が走行する場合、車両100に作用する運動加速度G1は、車両100の前後軸Ax方向に作用する。路面600が坂道である場合、車両100の前後軸Ax方向の運動加速度G1とともに、重力加速度が車両100の前後軸Ax方向に分解された加速度成分Gx11と上下軸Az方向に分解された加速度成分Gz11とが、加速度センサ61により検出される。加速度成分Gx11は、坂道の路面600を下る方向に向かう加速度である。加速度成分Gz11は、路面600に垂直に向かう方向に向かう加速度である。
したがって、坂道でない路面600に対して車両100が傾斜して走行する図3Bの場合と比較すると、車両100が坂道の路面600を上って走行する場合、車両100には、車両100の走行方向とは逆方向に、運動加速度G1に加えて重力加速度に起因する加速度成分Gx11が作用し、路面600に垂直に向かう方向に、重力加速度に起因する加速度成分Gz11が新たに作用する。したがって、車両100が前傾するように、車両100に加速度検出値Gとしての合成加速度が作用する。合成加速度は、重力加速度と運動加速度とを加算した加速度である。
したがって、加速度センサ61により検出される合成加速度の加速度検出値ΔGは、前後軸Ax方向の加速度成分ΔGx(ΔG1+ΔGx11)と、上下軸Az方向の加速度成分ΔGz(ΔGz11)を有する。姿勢角導出部52において、走行中アルゴリズムにより算出する姿勢角βは、例えば上記の数式(2)によって求められる。よって、図3Cでは、姿勢角βとして、路面600に対する車両100の傾きを示す実際の姿勢角(図3Cでは値0)とともに、重力加速度の成分に起因する姿勢角が合成されて算出される。
なお、図3Cでは、車両100が路面600を上って走行することを例示したが、後方に車両100が走行する場合、以下のようになる。即ち、車両100が路面600を下って走行する場合には、坂道でない路面600に対して傾斜して走行する図3Bの場合と比較すると、車両100には、下り方向へ向かう走行方向とは逆方向に、運動加速度G1から重力加速度に起因する加速度成分Gx11が減少した加速度が作用し、路面600に垂直に向かう方向に、重力加速度に起因する加速度成分Gz11が新たに作用する。したがって、車両100が後傾するように、車両100に加速度検出値Gとしての合成加速度が作用する。
したがって、加速度センサ61により検出される合成加速度の加速度検出値ΔGは、前後軸Ax方向の加速度成分ΔGx(ΔG1-ΔGx11)と、上下軸Az方向の加速度成分ΔGz(ΔGz11)を有する。姿勢角導出部52において、走行中アルゴリズムにより算出する姿勢角βは、例えば上記の数式(2)によって求められる。よって、図3Cでは、姿勢角βとして、路面600に対する車両100の傾きを示す実際の姿勢角(図3Cでは値0)とともに、重力加速度の成分に起因する姿勢角が合成されて算出される。
また、図3Dに示すように、路面600が坂道であり路面600に対して傾斜して車両100が走行する場合、車両100に作用する運動加速度は、図3Bと同様に、車両100の上下軸Az方向及び前後軸Ax方向の両方向に作用する。また、路面600が坂道であるので、車両100の前後軸Ax方向及び上下軸Azの運動加速度とともに、図3Cと同様に、重力加速度が作用する。具体的には、運動加速度は、前後軸Ax方向に分解された運動加速度の加速度成分Gx2と、上下軸Az方向に分解された運動加速度の加速度成分Gz2と、を有する。また、重力加速度は、前後軸Ax方向に分解された重力加速度の加速度成分Gx21と、上下軸Az方向に分解された重力加速度の加速度成分Gz22と、を有する。よって、加速度センサ61により検出される合成加速度の加速度検出値ΔGは、運動加速度及び重力加速度が前後軸Ax方向に分解された加速度成分ΔGx(ΔGx2+ΔGx21)と、運動加速度及び重力加速度が上下軸Az方向に分解された加速度成分ΔGz(ΔGz2+ΔGz21)と、を有する。姿勢角導出部52において、走行中アルゴリズムにより算出する姿勢角βは、例えば上記の数式(2)によって求められる。したがって、図3Dでは、姿勢角βとして、路面600に対する車両100の傾きを示す実際の姿勢角とともに、重力加速度の成分に起因する姿勢角が合成されて算出される。図3Dにおいても、車両100が路面600を上って走行する場合も下って走行する場合も考慮可能である。
このように、姿勢角処理装置5は、上述した走行中アルゴリズムによって、路面600が坂道でも坂道でなくても、車両100の走行中の姿勢角βを算出可能である。また、走行中アルゴリズムによって算出された加速度検出値ΔGを観察することで、図3B~図3Dの状態を区別可能である。つまり、路面600が坂道でなく車両100が路面600に対して傾いている状態と、路面600が坂道であり車両100が路面600に対して傾いていない状態と、路面600が坂道であり車両100が路面600に対して傾いている状態とで、それぞれ異なる加速度成分ΔGx,ΔGz等を含むので、区別可能である。
ここで、路面600が坂道である場合、路面600の勾配は一定でないことが多く、車両100に作用する重力加速度の前後軸Ax方向の加速度成分及び上下軸Az方向の加速度成分の大きさは、時間経過とともに変化し得る。この場合、走行中の姿勢角βの算出では、加速度検出値ΔG(加速度検出値の変化量)を用いるため、重力加速度の加速度成分が相殺されず、重力加速度の成分が姿勢角の導出誤差として表れ、姿勢角の導出精度が低下し得る。これに対し、本実施形態では、姿勢角処理装置5は、加速度検出値に対して様々な処理を行い、姿勢角の導出精度を向上している。
次に、加速度検出値に対する様々な処理について説明する。加速度検出値の処理は、例えば、時系列データに含まれる一部の加速度検出値の除外、加速度検出値の補正、姿勢角算出値の補正を含んでよい。
まず、一部の加速度検出値の除外について説明する。姿勢角導出部52は、路面600の勾配に基づいて、加速度検出値Gの時系列データのうち、車両100が坂道走行期間に検出された加速度検出値Gを、姿勢角を算出するための時系列データから除外して、車両100の姿勢角を算出してよい。
図4は、加速度検出値の一部の除外例を説明する図である。図4は、路面600の勾配イメージ、路面600の勾配の導出結果、及び加速度検出値の一例を時系列で示す。
勾配イメージは、実空間での路面600の勾配の状態を示している。路面600の勾配の情報は、各時点で姿勢角導出部52により導出された路面600の勾配である。加速度の検出値は、各時点で加速度センサ61により検出された加速度検出値Gである。
図4では、閾値th2が±1度とされている。路面600の勾配が-1度以上且つ+1度以下の場合に閾値範囲S1の範囲内とされ、路面600が坂道でないと判定される。一方、路面600の勾配が-1度より小さい又は+1度より大きい場合に、閾値範囲S1の範囲外とされ、路面600が坂道であると判定される。なお、路面600の勾配が0度であることは、路面600が水平であることを示す。路面600の勾配が負の値である場合には、車両100の走行方向を加味して、路面600が下り坂であることを示す。路面600の勾配が正の値である場合には、車両100の走行方向を加味して、路面600が上り坂であることを示す。
図4では、横軸方向に時間を示しており、加速度センサ61の動作期間が示されている。加速度センサ61の動作開始時から時点taの期間は、路面600の勾配が閾値範囲S1内であり、非坂道走行期間K2である。時点taから時点tbの期間は、路面600の勾配が閾値範囲S1外であり、坂道走行期間K1である。時点tb以降の期間は、路面600の勾配が閾値範囲S1内であり、非坂道走行期間K2である。時点tcは、坂道走行期間K1に含まれる。
加速度センサ61の動作期間は、加速度センサ61が車両100に作用する加速度(例えば重力加速度、運動加速度、合成加速度)を検出するために動作している期間である。ここでの加速度センサ61の動作期間は、加速度センサ61の動作中の全期間であってもよいし、動作中の一部の期間であってもよい。ここでの動作期間は、例えば、5分や15分の期間でよい。
閾値範囲S1は、任意に決定されてもよいし、何らかの基準(例えば路面600の勾配の状態)に応じて決定されてよい。例えば、路面600の勾配の変化が小さく比較的平坦である場合、閾値範囲S1を小さく設定してもよい。例えば、路面600の勾配の変化が大きい場合、閾値範囲S1を大きく設定してもよい。
姿勢角導出部52は、図4に示すように、加速度センサ61の動作期間のうち、坂道走行期間K1(除外期間)において検出された加速度検出値Gを、車両100の姿勢角の算出で用いる加速度検出値Gの時系列データから除外する。即ち、姿勢角導出部52は、非坂道走行期間K2において検出された加速度検出値Gの時系列データに基づいて、車両100の姿勢角を算出する。これにより、姿勢角処理装置5は、検出精度の低い加速度検出値を除外して姿勢角の算出に用いることを抑制でき、姿勢角の導出精度を向上できる。
姿勢角導出部52は、加速度センサ61から一定の期間(例えば動作期間)分の加速度検出値Gの時系列データをまとめて取得してよい。姿勢角導出部52は、一定の期間毎に、坂道走行期間K1に含まれる加速度検出値Gを除外してよい。また、姿勢角導出部52は、加速度センサ61から加速度検出値Gのデータを逐次取得してよい。姿勢角導出部52は、各時点で、加速度検出値Gが坂道走行期間K1に含まれるか否かを判定し、加速度検出値Gが坂道走行期間K1に含まれる場合に、この加速度検出値Gを除外してよい。
また、勾配が閾値範囲S1外であっても、勾配の変動が一定範囲内の場合は、重力加速度が相殺され得る。そのため、加速度検出値Gの除外対象は、勾配が閾値範囲S1外、且つ、勾配の変動が閾値変動量範囲S2外としてもよい。つまり、姿勢角導出部52は、勾配が閾値範囲S1の範囲外、且つ、勾配の変動が閾値変動量範囲S2の範囲外の場合に、この勾配の時点で検出された加速度検出値Gを除外してよい。この場合、姿勢角導出部52は、勾配が閾値範囲S1の範囲内である場合、この勾配の時点で検出された加速度検出値Gを除外しなくてよい。また、勾配が閾値範囲S1の範囲外、且つ、勾配の変動が閾値変動量範囲S2の範囲内の場合、この勾配の時点で検出された加速度検出値Gを除外しなくてよい。
次に、加速度検出値Gの補正について説明する。
図5は、路面600の勾配を加味した加速度検出値の補正例を説明する図である。図5は、各時点における路面600の勾配イメージ、路面600の勾配の導出結果、及び加速度検出値、及び加速度検出値の補正値の一例を時系列で示す。図5において、各時点における路面600の勾配イメージ、路面600の勾配の導出結果、及び加速度検出値は、図4と同様である。図5では、図4において説明した事項と同様の事項については、その説明を省略又は簡略化する。図5では、加速度検出値を示すグラフにおいて、補正前の加速度検出値Gを黒丸及び点線で示し、加速度検出値の補正値(補正後の値)を白丸及び実線で示している。
姿勢角導出部52は、導出された路面600の勾配に基づいて、加速度検出値Gを補正する。この場合、姿勢角導出部52は、検出された加速度検出値Gにおいて、坂道である路面600に対する車両100の重力加速度に起因する加速度検出値Gの成分が小さくなるように、好ましくはこの加速度検出値の成分が値0となるように、加速度検出値Gを補正する。具体的には、車両100が坂道の路面600を走行する場合、姿勢角導出部52は、車両100の前後軸Axの走行方向とは逆方向の加速度成分Gxを、重力加速度に起因する加速度検出値の成分に応じて小さくし、上下軸Azの路面600に向かう方向の加速度成分Gzを、重力加速度に起因する加速度検出値の成分に応じて小さくする。
姿勢角導出部52は、各時点で各時点における加速度検出値Gを補正してもよいし、所定期間における加速度検出値Gの統計値(例えば平均値)を補正してもよい。
図5に示す路面600の勾配が正の値、つまり車両100が坂道の路面600を上って走行する場合、前後軸Axの走行方向とは逆方向の加速度に重力加速度に起因する加速度の成分が加算されて合成されるので、運動加速度と比較すると合成加速度が大きくなる。そのため、姿勢角導出部52は、合成加速度の加速度検出値Gが小さくなるように、加速度検出値Gを補正する。
一方、図5に示す路面600の勾配が負の値、つまり車両100が坂道の路面600を下って走行する場合、前後軸Axの走行方向とは逆方向の加速度から重力加速度に起因する加速度の成分が減算されて合成されるので、運動加速度と比較すると合成加速度が小さくなる。そのため、姿勢角導出部52は、合成加速度の加速度検出値Gが大きくなるように、加速度検出値Gを補正する。
言い換えると、車両100が坂道の路面600を上って走行する場合、上下軸Azに沿う加速度成分Gzが路面600の方向に向かって大きくなる。そのため、車両100の姿勢角βは、路面600に対する車両100の実際の姿勢角よりも、前傾するような誤差を含む。これに対し、姿勢角導出部52は、上下軸Azに沿う加速度成分Gzの値を小さくなるよう補正することで、前傾の誤差を抑制できる。
また、車両100が坂道の路面600を下って走行する場合、上下軸Azに沿う加速度成分Gzが路面600の方向に向かって小さくなる。そのため、車両100の姿勢角βは、路面600に対する車両100の実際の姿勢角よりも、後傾するような誤差を含む。これに対し、姿勢角導出部52は、上下軸Azに沿う加速度成分Gzの値を大きくなるよう補正することで、後傾の誤差を抑制できる。
このように、姿勢角処理装置5は、車両100が坂道の路面600を走行する場合でも、検出精度の低い加速度検出値Gを補正して加速度検出値Gを改善でき、姿勢角の導出精度を向上できる。また、検出済みの加速度検出値Gを有効活用できる。
なお、姿勢角導出部52は、坂道走行期間において、加速度検出値を補正し、非坂道走行期間において、加速度検出値を補正しなくてよい。これにより、姿勢角処理装置5は、効率良く坂道による姿勢角の導出精度の低下を抑制できる。
なお、図5に示す加速度検出値が、合成加速度ではなく、車両100の上下軸Azに沿う加速度成分Gzであってもよい。車両100の上下軸Az方向に作用する加速度成分Gzが、姿勢角の導出誤差への影響が大きく、車両100の前後軸Ax方向に作用する加速度成分Gxは、姿勢角の導出誤差への影響が小さいためである。
次に、車両100の姿勢角算出値(姿勢角β)の補正例について説明する。
図6は、路面600の勾配を加味した姿勢角算出値の補正例を説明する図である。図6は、各時点における路面600の勾配イメージ、路面600の勾配の導出結果、姿勢角算出値、及び姿勢角算出値の補正値の一例を時系列で示す。図6において、各時点における路面600の勾配イメージ及び路面600の勾配の導出結果は、図4及び図5と同様である。図6では、図4又は図5において説明した事項と同様の事項については、その説明を省略又は簡略化する。図6では、姿勢角算出値を示すグラフにおいて、補正前の姿勢角算出値を黒丸及び点線で示し、姿勢角算出値の補正値(補正後の値)を白丸及び実線で示している。
姿勢角導出部52は、導出された路面600の勾配に基づいて、姿勢角算出値を補正する。この場合、姿勢角導出部52は、姿勢角算出値において、坂道である路面600に対する車両100の重力加速度の影響が小さくなるように、好ましくは重力加速度の影響が無くなるように、姿勢角算出値を補正する。
例えば、姿勢角導出部52は、路面600の勾配と、この路面600の勾配に起因する姿勢角の成分β2を予め算出等により導出しておいてよい。路面600の勾配に起因する姿勢角の成分β2は、例えば、路面600の勾配が大きい程、路面600の勾配に起因する姿勢角の成分β2が大きくなり、路面600の勾配が小さい程、路面600の勾配に起因する姿勢角の成分β2が小さくなる。姿勢角導出部52は、路面600の勾配と、この路面600の勾配に起因する姿勢角の成分β2と、を関連付けて記憶部70に保持されておいてよい。これにより、姿勢角導出部52は、路面600の勾配に基づいて、この路面600の勾配に起因する姿勢角の成分β2を導出可能となる。姿勢角導出部52は、姿勢角算出値から路面600の勾配に起因する姿勢角の成分β2を減算することで、姿勢角算出値を補正してよい。
また、例えば、姿勢角導出部52は、路面600の勾配と、この路面600の勾配に起因する姿勢角の成分β2を抑制(例えば除外)するための姿勢角算出値の補正値を、予め算出等により導出しておいてよい。例えば、路面600の勾配の絶対値が大きい程、姿勢角算出値の補正値が大きくなり、路面600の勾配の絶対値が小さい程、姿勢角算出値の補正値が小さくなる。姿勢角導出部52は、路面600の勾配と、姿勢角算出値の補正値と、を関連付けて記憶部70に保持されておいてよい。これにより、姿勢角導出部52は、路面600の勾配に対応する姿勢角算出値の補正値を取得し、姿勢角算出値を補正できる。
また、例えば、姿勢角導出部52は、路面600の勾配に基づいて、路面600の勾配に起因する加速度成分を算出してよい。姿勢角導出部52は、路面600の勾配に起因する加速度成分に基づく姿勢角の成分β2を算出してよい。姿勢角導出部52は、姿勢角算出値から、路面600の勾配に起因する加速度成分に基づく姿勢角の成分β2を減算することで、姿勢角算出値を補正してよい。なお、路面600の勾配に起因する加速度成分に基づく姿勢角の姿勢角の成分β2は、上述した路面600の勾配に起因する姿勢角の成分β2と同じでよい。
姿勢角導出部52は、各時点で各時点における姿勢角算出値を補正してもよいし、所定期間における姿勢角算出値の統計値(例えば平均値)を補正してもよい。
図6に示す路面600の勾配が正の値、つまり車両100が坂道の路面600を上って走行する場合、姿勢角算出値と比較すると、路面600に対する車両100の実際の姿勢角よりも前傾するように姿勢角が変化する。つまり、実際の姿勢角よりも小さくなるように姿勢角が変化する。よって、姿勢角導出部52は、姿勢角算出値が大きくなるように補正することで、前傾の誤差を抑制できる。
図6に示す路面600の勾配が負の値、つまり車両100が坂道の路面600を下って走行する場合、姿勢角算出値と比較すると、路面600に対する車両100の実際の姿勢角よりも後傾するように姿勢角が変化する。つまり、実際の姿勢角よりも大きくなるように姿勢角が変化する。よって、姿勢角導出部52は、姿勢角算出値が小さくなるように補正することで、後傾の誤差を抑制できる。
このように、姿勢角処理装置5は、車両100が坂道の路面600を走行する場合でも、精度の低い姿勢角算出値を補正して姿勢角算出値を改善でき、姿勢角の導出精度を向上できる。
なお、姿勢角導出部52は、坂道走行期間において、姿勢角算出値を補正し、非坂道走行期間において、姿勢角算出値を補正しなくてよい。これにより、姿勢角処理装置5は、効率良く坂道による姿勢角の導出精度の低下を抑制できる。
図7は、加速度検出値の除外前後における車両座標系を加味した加速度検出値の分布例を示す図である。図7は、加速度センサ61の一定期間分の加速度検出値Gの時系列データを、xy座標系上の点として図示している。図7では、図4に示した加速度検出値Gの除外前後の分布を示している。加速度検出値Gは、(Gx,Gz)により示されている。図7において、横軸が車両100の前後軸Axであり、縦軸が車両100の上下軸Azである。
図7に示すように、路面600に対する車両100の姿勢角を一定にして、坂道でない路面600を車両100が走行する場合、加速度検出値Gを表す各点は、xz座標上において所定の傾きを有する直線上に分布する。走行中には路面600に対する車両100の姿勢角が一定であると仮定すると、この直線の傾きは、路面600の勾配に応じて異なる。したがって、路面600が坂道である場合と路面600が坂道でない場合とでは、直線の傾きが異なり、判別可能である。図7では、直線L1は、坂道でない路面上で検出された各加速度検出値Gに基づいて算出されたものである。坂道の路面600を車両100が走行する場合、加速度検出値Gを表す各点は、直線L1付近ではなく直線L1からずれた位置や領域(例えば領域R1,R2)に分布する。
姿勢角導出部52は、車両100の姿勢角を算出するとき、姿勢角を算出するデータから領域R1,R2の内部に位置する加速度検出値Gを除外してよい(図7の「除外後」参照)。領域R1,R2の内部に位置する加速度検出値Gを除外されることで、その他の加速度検出値Gの点が直線L1付近に配置される。姿勢角導出部52は、直線L1付近に分布した加速度検出値Gの時系列データを用いることで、車両100の姿勢角を高精度に導出可能である。なお、直線L1付近に分布する加速度検出値Gは、図4における非坂道走行期間K2において検出された加速度検出値Gに相当する。領域R1,R2の内部に分布する加速度検出値Gは、図4における坂道走行期間K1において検出された加速度検出値Gに相当する。
以上、姿勢角処理装置5によれば、姿勢角導出部52は、加速度センサ61の動作期間のうち、坂道走行期間K1に検出された加速度検出値Gを、車両100の姿勢角の算出で用いる加速度検出値Gの時系列データから除外する。このため、姿勢角処理装置5は、導出される車両100の姿勢角の精度を向上できる。
なお、図7Bでは、坂道走行期間K1内の加速度検出値Gを、姿勢角を算出するための時系列データから除外することを例示したが、図5に示したように、坂道走行期間K1内の加速度検出値Gを補正してもよい。この場合、路面600の勾配での重力加速度に起因する加速度成分が抑制される。この結果、例えば領域R1,R2内に位置していた加速度検出値Gは、補正されることで、水平な路面600で検出された加速度検出値Gが分布する直線L1に近づいて分布することになる。
(ユースケース)
以下のユースケースでは、自動車等の車両100に搭載された姿勢角処理装置5を有する画像表示システム10について説明する。
図8は、画像表示システム10を備える車両100の概念図である。画像表示システム10は、例えば、移動体の一例としての車両100に備えられるヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)を含むものである。すなわち、車両100は、移動体本体と、移動体本体に備えられた画像表示システム10とを備える。
画像表示システム10は、車両100のフロントシールド101(ウィンドウシールドの一例)に下方から画像を投影するように、車両100の車室内に設置されている。図8の例では、フロントシールド101の下方のダッシュボード102内に、画像表示システム10が配置されている。
図8に示すように、画像表示システム10の表示によって、ユーザ200は、車両100の前方(車外)に設定された対象空間400に投影された虚像300を、フロントシールド101越しに視認する。ここでいう「虚像」は、画像表示システム10から出射される光がフロントシールド101等の表示対象物にて発散するとき、その発散光線によって、実際に物体があるように結ばれる像を意味する。そのため、車両100を運転しているユーザ200は、車両100の前方に広がる実空間に重ねて、画像表示システム10にて投影される画像に対応する虚像300を見ることができる。したがって、画像表示システム10によれば、例えば、車速情報、ナビゲーション情報、歩行者情報、前方車両情報、車線逸脱情報、及び車両コンディション情報等の、種々の運転支援情報を、虚像300としてユーザ200に視認させることができる。これにより、ユーザ200は、フロントシールド101の前方に視線を向けた状態から僅かな視線移動だけで、運転支援情報を視覚的に取得することができる。虚像300は、拡張現実(AR:Augmented Reality)技術を用いて表示される画像に対応する。
画像表示システム10において、対象空間400に形成される虚像300は、画像表示システム10の光軸500に交差する仮想面501上に形成される。仮想面501における虚像300が形成される位置は、車両100の姿勢角に応じて決定される。つまり、車両100の姿勢角に従って、フロントシールド101に投影される画像の表示位置が調整されることで、虚像300の表示位置が調整される。
ここで使用される車両100の姿勢角は、上述のように、加速度検出値の処理(例えば一部の加速度検出値の除外、補正)又は姿勢角の補正に基づいて導出されたものので、導出精度の高い姿勢角である。したがって、画像表示システム10は、フロントシールド101での画像の表示位置をより正確に調整できる。
以上のように、本実施形態では、姿勢角処理装置5は、移動体(例えば車両100)の姿勢角を導出する。姿勢角処理装置5は、移動体の走行時における複数の時点において検出された、移動体に作用する複数の加速度の検出値(例えば加速度検出値G)を取得するとともに、加速度の検出値の変化量を用いて、移動体の姿勢角(例えば姿勢角β、姿勢角算出値)を導出する処理部50を備える。処理部50は、移動体が走行する路面600の勾配の情報を用いて加速度の検出値を処理したのち、処理された加速度の検出値の変化量に基づいて移動体の姿勢角を導出するか、または、取得した加速度の検出値の変化量に基づいて算出した姿勢角を、路面600の勾配の情報を用いて補正することで移動体の姿勢角として導出する。
路面600が坂道である場合、加速度の検出値には、走行による運動加速度と、移動体に作用する重力加速度と、が含まれる。坂道走行中には、路面600に沿った加速度成分だけでなく、路面600に垂直な方向の加速度分も変化し得る。そのため、走行中アルゴリズムによる姿勢角の補正精度が悪化し得る。これに対し、姿勢角処理装置5は、路面600の勾配が存在する場合に、少なくとも一部の加速度の検出値を姿勢角の算出対象から除外したり補正したりして適宜処理を行うことで、重力加速度による姿勢角の導出誤差を抑制できる。よって、姿勢角処理装置5は、姿勢角の導出精度を向上できる。
また、処理部50は、加速度の検出値の処理として、複数の時点に含まれる第1の時点(例えば時点tc)で取得した路面600の勾配の絶対値が第1閾値(例えば閾値th2)より大きい場合(例えば閾値範囲S1の範囲外である場合)、当該加速度の検出値を移動体の導出に用いるための値から除外してよい。
これにより、姿勢角処理装置5は、坂道走行期間K1における加速度検出値を時系列データから除外し、非坂道走行期間K2における加速度検出値を含む時系列データに基づいて、姿勢角を算出できる。よって、姿勢角処理装置5は、坂道での重力加速度の成分による誤差を抑制して、姿勢角の導出精度を向上できる。
また、処理部50は、加速度の検出値の処理として、複数の時点に含まれる第1の時点で取得した路面600の勾配の絶対値が第1閾値より大きく、且つ、路面600の勾配の変動量の絶対値が第2閾値より大きい場合(例えば閾値変動量範囲S2の範囲外である場合)、当該加速度の検出値を移動体の姿勢角の導出に用いるための値から除外してよい。
これにより、姿勢角処理装置5は、勾配が閾値範囲S1外であっても、勾配の変動が一定範囲内の場合には、加速度の検出値を除外しなくても、重力加速度が相殺され易くなり、姿勢角の導出誤差を小さく維持して、姿勢角の導出に係る処理負荷を低減できる。
また、処理部50は、加速度の検出値の処理として、路面600の勾配の情報に基づいて、取得した加速度の検出値を補正してよい。
これにより、姿勢角処理装置5は、補正された加速度の検出値を基に姿勢角を算出できるので、取得された加速度の検出値を無駄にせずに、坂道での重力加速度の成分による姿勢角の導出誤差を抑制できる。よって、姿勢角処理装置5は、加速度の検出値の利用効率を向上できる。
また、処理部50は、路面600の勾配の情報に基づいて、加速度の検出値のうち、移動体に作用する重力加速度の成分が小さくなるように、加速度の検出値を補正してよい。
これにより、姿勢角処理装置5は、路面600の勾配に応じた重力加速度の成分が抑制された加速度を得ることができる。よって、姿勢角処理装置5は、重力加速度の成分による姿勢角の導出誤差を抑制できる。
また、処理部50は、移動体に作用する重力加速度の情報を用いて路面600の勾配の情報を算出するものでよい。路面600の勾配の情報は、重力加速度のうち移動体の基準面に垂直な第1成分と前記移動体の基準面に垂直な第2成分とに基づいて算出されてよい。
これにより、姿勢角処理装置5は、加速度以外を検出するためのセンサを設けることなく、走行中又は停止中の重力加速度を検出することで、路面600の勾配を導出できる。
また、処理部50は、移動体に作用する角速度の情報を用いて路面600の勾配の情報を算出するものでよい。路面600の勾配の情報は、角速度の積分に基づいて算出されてよい。
これにより、姿勢角処理装置5は、例えば角速度を検出するセンサを設けて、路面600の勾配を容易に導出できる。
また、処理部50は、補正において、路面600の勾配の情報に基づいて、路面600の勾配に起因する姿勢角の成分を導出し、導出した成分に基づいて、算出した姿勢角を補正することで移動体の姿勢角として導出してよい。
これにより、姿勢角処理装置5は、加速度検出値の処理を行わずに、坂道の路面600を走行する移動体の姿勢角を直接補正できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
上記実施形態では、姿勢角処理装置5のユースケースとして、ヘッドアップディスプレイを有する画像表示システムに適用することを例示したが、他のシステムに適用してもよい。例えば、ヘッドライトや電子ミラー等、車両100の傾きを用いて処理するシステムに適用可能である。
上記実施形態では、移動体として車両100を例示したが、その他の移動体でもよい。例えば、移動体は船舶であり、路面600は船舶が航行する水面でもよい。
本開示は、移動体の姿勢角の導出精度を改善できる姿勢角処理装置、移動体、姿勢角処理方法及びプログラム等に有用である。
5 姿勢角処理装置
10 画像表示システム
50 処理部
51 出力制御部
52 姿勢角導出部
60 センサ部
61 加速度センサ
62 角速度センサ
70 記憶部
80 出力部
100 車両
101 フロントシールド
300 虚像
400 対象空間
401 表示領域
500 光軸
501 仮想面
600 路面
Ax 前後軸
Az 上下軸
Ay 左右軸
G、ΔG 加速度検出値
Gx、Gy、Gz、ΔGx、ΔGy、ΔGz 加速度成分
β 姿勢角

Claims (9)

  1. 移動体の姿勢角を導出する姿勢角処理装置であって、
    前記移動体の走行時における複数の時点において検出された、前記移動体に作用する加速度の検出値を取得するとともに、取得した前記加速度の検出値の変化量を用いて、前記移動体の姿勢角を導出する処理部を備え、
    前記処理部は、
    前記移動体が走行する路面の勾配の情報を用いて前記加速度の検出値を処理したのち、処理された前記加速度の検出値の変化量に基づいて前記移動体の姿勢角を導出するか、
    または、
    取得した前記加速度の検出値の変化量に基づいて算出した姿勢角を、前記路面の勾配の情報を用いて補正することで前記移動体の姿勢角として導出し、
    前記処理部は、
    前記加速度の検出値の処理として、前記複数の時点に含まれる第1の時点で取得した前記路面の勾配の絶対値が第1閾値より大きく、且つ、前記路面の勾配の変動量の絶対値が第2閾値より大きい場合、当該加速度の検出値を前記移動体の姿勢角の導出に用いるための値から除外する、
    姿勢角処理装置。
  2. 前記処理部は、前記加速度の検出値の処理として、前記路面の勾配の情報に基づいて、取得した前記加速度の検出値を補正する、
    請求項1に記載の姿勢角処理装置。
  3. 前記処理部は、前記路面の勾配の情報に基づいて、前記加速度の検出値のうち、前記移動体に作用する重力加速度の成分が小さくなるように、前記加速度の検出値を補正する、
    請求項2に記載の姿勢角処理装置。
  4. 前記処理部は、前記移動体に作用する重力加速度の情報を用いて前記路面の勾配の情報を算出するものであり、
    前記路面の勾配の情報は、前記重力加速度のうち前記移動体の基準面に垂直な第1成分と前記移動体の基準面に垂直な第2成分とに基づいて算出される、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の姿勢角処理装置。
  5. 前記処理部は、前記移動体に作用する角速度の情報を用いて前記路面の勾配の情報を算出するものであり、
    前記路面の勾配の情報は、前記角速度の積分に基づいて算出される、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の姿勢角処理装置。
  6. 前記処理部は、
    前記補正において、
    前記路面の勾配の情報に基づいて、前記路面の勾配に起因する姿勢角の成分を導出し、
    導出した前記成分に基づいて、前記算出した姿勢角を補正することで前記移動体の姿勢角として導出する、
    請求項1に記載の姿勢角処理装置。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の姿勢角処理装置を備える画像表示システム。
  8. 移動体の姿勢角を導出する姿勢角処理方法であって、
    処理部が、前記移動体の走行時における複数の時点において検出された、前記移動体に作用する加速度の検出値を取得するとともに、取得した前記加速度の検出値の変化量を用いて、前記移動体の姿勢角を導出するステップを含み、
    前記移動体の姿勢角を導出するステップでは、
    前記処理部が、前記移動体が走行する路面の勾配の情報を用いて前記加速度の検出値を処理したのち、処理された前記加速度の検出値の変化量に基づいて前記移動体の姿勢角を導出するか、または、
    前記処理部が、取得した前記加速度の検出値の変化量に基づいて算出した姿勢角を、前記路面の勾配の情報を用いて補正することで前記移動体の姿勢角として導出し、
    前記移動体の姿勢角を導出するステップでは、
    前記処理部が、前記加速度の検出値の処理として、前記複数の時点に含まれる第1の時点で取得した前記路面の勾配の絶対値が第1閾値より大きく、且つ、前記路面の勾配の変動量の絶対値が第2閾値より大きい場合、当該加速度の検出値を前記移動体の姿勢角の導出に用いるための値から除外する、
    姿勢角処理方法。
  9. 請求項8に記載の姿勢角処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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