JP2014099520A - 基板製造方法及び基板製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄膜の表面に段差が発生しにくい基板製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上の第1の領域内に分布する複数の第1の着弾点に、薄膜材料の液滴を着弾させた後、第1の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させる。第1の着弾点に着弾した薄膜材料を硬化させた後、第2の領域内に分布する第2の着弾点に、薄膜材料の液滴を着弾させた後、第2の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させる。第1の領域と第2の領域とが、重なり領域において部分的に重なっており、重なり領域内の第1の着弾点の密度が、重なり領域以外の第1の領域内の第1の着弾点の密度より低く、重なり領域内の第2の着弾点の密度が、重なり領域以外の第2の領域内の第2の着弾点の密度より低い
【選択図】 図9

Description

本発明は、基板に液状の薄膜材料を塗布した後、薄膜材料を硬化させることにより、所定形状の薄膜を形成する基板製造方法及び基板製造装置に関する。
ノズルヘッドから薄膜パターン形成用の材料を含んだ液滴を吐出して、基板の表面に薄膜パターンを形成する技術が知られている(例えば特許文献1)。
このような薄膜形成技術において、例えば、基板にはプリント基板が用いられ、薄膜材料にはソルダーレジストが用いられる。プリント基板は、基材及び配線を含み、所定の位置に電子部品等がはんだ付けされる。ソルダーレジストは、電子部品等をはんだ付けする導体部分を露出させ、はんだ付けが不要な部分を覆う。全面にソルダーレジストを塗布した後、フォトリソグラフィ技術を用いて開口を形成する方法に比べて、製造コストの低減を図ることが可能である。
特開2004−104104号公報
ノズルヘッドから基板に向けて薄膜材料の液滴を吐出する方法では、ノズルヘッド及び基板の一方を他方に対して移動させながら、ノズルヘッドから薄膜材料の液滴を吐出する。ノズルヘッドまたは基板を移動させながら、薄膜材料の液滴を吐出する処理を「走査」ということとする。ノズルヘッドの寸法が基板の寸法に比べて小さい場合には、基板の全域に薄膜を形成するために、複数回の走査が行われる。ある走査で形成された薄膜と、次の走査で形成された薄膜とが滑らかに繋がらず、両者の境界に沿って、薄膜の表面に段差が形成される場合がある。
本発明の目的は、薄膜の表面に段差が発生しにくい基板製造方法及び基板製造装置を提供することである。
本発明の一観点によると、
基板上の第1の領域内に分布する複数の第1の着弾点に、薄膜材料の液滴を着弾させた後、前記第1の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させる工程と、
前記第1の着弾点に着弾した薄膜材料を硬化させた後、前記基板上の第2の領域内に分布する複数の第2の着弾点に、薄膜材料の液滴を着弾させた後、前記第2の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させる工程と
を有し、
前記第1の領域と前記第2の領域とが、重なり領域において部分的に重なっており、前記重なり領域内の前記第1の着弾点の密度が、前記重なり領域以外の前記第1の領域内の前記第1の着弾点の密度より低く、前記重なり領域内の前記第2の着弾点の密度が、前記重なり領域以外の前記第2の領域内の前記第2の着弾点の密度より低い基板製造方法が提供される。
本発明の他の観点によると、
基板を保持するステージと、
前記ステージに保持された基板に向けて薄膜材料の液滴を吐出する複数のノズル孔が設けられているノズルヘッドと、
前記基板に付着した前記薄膜材料に硬化用の光を照射する硬化用光源と、
前記ステージ及び前記ノズルヘッドの一方を他方に対して移動させる移動機構と、
形成すべき薄膜の平面形状を定義する画像データを記憶する記憶部を含み、前記ノズルヘッド、前記移動機構、及び前記硬化用光源を制御する制御装置と
を有し、
前記制御装置は、
前記ノズルヘッド及び前記ステージの一方を第1の方向に移動させながら、基板上の第1の領域内に分布する複数の第1の着弾点に、薄膜材料の液滴を着弾させた後、前記第1の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させ、
前記第1の着弾点に着弾した薄膜材料を硬化させた後、前記基板上の第2の領域内に分布する第2の着弾点に、薄膜材料の液滴を着弾させた後、前記第2の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させ、
前記第1の領域と前記第2の領域とが、重なり領域において部分的に重なっており、前記重なり領域内の前記第1の着弾点の密度が、前記重なり領域以外の前記第1の領域内の前記第1の着弾点の密度より低く、前記重なり領域内の前記第2の着弾点の密度が、前記重なり領域以外の前記第2の領域内の前記第2の着弾点の密度より低くなるように前記ノズルヘッドを制御する基板製造装置が提供される。
重なり領域を配置することにより、第1の領域と第2の領域との境界に沿う溝(段差)の発生を抑制することができる。
図1は、実施例1による基板製造装置の概略図である。 図2Aは、ノズルユニットの斜視図であり、図2Bは、ノズルヘッド及び硬化用光源の底面図である。 図3は、薄膜パターンが形成された基板、及びノズルユニットの平面図である。 図4Aは、1回目の走査の前後における基板及びノズルユニットの平面図であり、図4Bは、図4Aの一点鎖線4B−4Bにおける断面図であり、図4Cは、エッジパターンの断面図である。 図5Aは、2回目の走査の前後における基板及びノズルユニットの平面図であり、図5Bは、図5Aの一点鎖線5B−5Bにおける断面図である。 図6Aは、3回目の走査の前後における基板及びノズルユニットの平面図であり、図6Bは、図6Aの一点鎖線6B−6Bにおける断面図である。 図7Aは、薄膜パターンの平面形状を定義する画像データを構成するピクセルの配置、及び3回目の走査のときに着弾対象となるピクセルを示す線図であり、図7Bは、1つのピクセルと、そのピクセルに着弾した薄膜材料の平面形状との関係を示す平面図であり、図7Cは、3回目の走査が終了した時点における境界線の近傍の断面図である。 図8Aは、4回目の走査の前後における基板、及びノズルユニットの平面図であり、図8Bは、図8Aの一点鎖線8B−8Bにおける断面図である。 図9Aは、4回目の走査のときに着弾対象となるピクセルを示す線図であり、図9Bは、4回目の走査が終了した時点における第1の薄膜及び第2の薄膜の断面図である。 図10Aは、比較例による方法の3回目の走査のときの第1の着弾点、及び4回目の走査のときの第2の着弾点の分布を示す線図であり、図10Bは、比較例による方法の4回目の走査が終了した時点における第1の薄膜及び第2の薄膜の断面図である。 図11Aは、実施例2による基板製造方法で採用される第1の着弾点と第2の着弾点との分布を示す線図であり、図11Bは、実施例3による基板製造方法で採用される第1の着弾点と第2の着弾点との分布を示す線図である。 図12は、実施例4による基板製造方法で採用される第1の着弾点と第2の着弾点との分布を示す線図である。 図13は、実施例5による基板製造方法で採用される第1の着弾点と第2の着弾点との分布を示す線図である。 図14Aは、実施例6による方法の3回目の走査が終了した時点における重なり領域の近傍の断面図であり、図14Bは、実施例6による方法の4回目の走査が終了した時点における重なり領域の近傍の断面図である。 図15Aは、実施例7による方法の3回目の走査が終了した時点における重なり領域の近傍の断面図であり、図15Bは、実施例7による方法の4回目の走査が終了した時点における重なり領域の近傍の断面図である。 図16Aは、実施例8による方法の3回目の走査が終了した時点における重なり領域の近傍の断面図であり、図16Bは、実施例8による方法の4回目の走査が終了した時点における重なり領域の近傍の断面図である。
[実施例1]
図1に、実施例1による基板製造装置の概略図を示す。定盤20の上に、移動機構21によりステージ22が支持されている。ステージ22の上面(保持面)に、プリント配線板等の基板50が保持される。ステージ22の保持面に平行な方向をx方向及びy方向とし、保持面の法線方向をz方向とするxyz直交座標系を定義する。移動機構21は、ステージ22をx方向及びy方向に移動させる。
定盤20の上方に、ノズルユニット23及び撮像装置30が支持されている。ノズルユニット23及び撮像装置30は、ステージ22に保持された基板50に対向する。撮像装置30は、基板50の表面に形成されている配線パターン、アライメントマーク、基板50に形成された薄膜パターン等を撮像する。撮像されて得られた画像データが、制御装置40に入力される。ノズルユニット23は、複数のノズル孔から基板50に向けて、光硬化性(例えば紫外線硬化性)の薄膜材料の液滴(例えばソルダーレジスト等の液滴)を吐出する。吐出された薄膜材料が、基板50の表面に付着する。
ノズルユニット23を定盤20に固定して、ステージ22を移動させる代わりに、ステージ22及び定盤20に対してノズルユニット23を移動させてもよい。
制御装置40が、移動機構21、ノズルユニット23、及び撮像装置30を制御する。制御装置40は、基板50に形成すべき薄膜パターンの形状を定義するラスタフォーマットの画像データ46またはその圧縮データ等を記憶する記憶部45を含む。オペレータが、入力装置41を通して制御装置40に、種々の指令(コマンド)や、制御に必要な数値データを入力する。制御装置40は、出力装置42からオペレータに対して各種情報を出力する。
図2Aに、ノズルユニット23の斜視図を示す。ノズルホルダ26に、複数、例えば4個のノズルヘッド24が取り付けられている。ノズルヘッド24の各々に、複数のノズル孔24aが形成されている。ノズル孔24aはx方向に配列し、4個のノズルヘッド24は、y方向に並んでノズルホルダ26に固定されている。
ノズルヘッド24の間、両端のノズルヘッド24よりも外側に、それぞれ硬化用光源25が配置されている。硬化用光源25は、基板50(図1)に、薄膜材料を硬化させる光、例えば紫外線を照射する。
図2Bに、ノズルヘッド24及び硬化用光源25の底面図を示す。ノズルヘッド24の各々の底面(基板50に対向する表面)に、2列のノズル列24bが配置されている。ノズル列24bの各々は、x方向にピッチ(周期)8Pnで並ぶ複数のノズル孔24aで構成される。一方のノズル列24bは、他方のノズル列24bに対して、y方向にずれており、さらに、y方向にピッチ4Pnだけずれている。すなわち、1つのノズルヘッド24に着目すると、ノズル孔24aは、x方向に関してピッチ4Pnで等間隔に分布することになる。ピッチ4Pnは、例えば300dpiの解像度に相当する。
4個のノズルヘッド24は、y方向に配列し、かつ相互にx方向にずらされてノズルホルダ26(図2A)に取り付けられている。図2Bにおいて、最も左側のノズルヘッド24を基準にすると、2、3、4番目のノズルヘッド24は、それぞれx軸の負の方向に2Pn、Pn、及び3Pnだけずらされている。このため、4個のノズルヘッド24に着目すると(ノズルヘッド全体として)、ノズル孔24aは、x方向にピッチPn(1200dpiに相当するピッチ)で等間隔に配列することになる。
ノズルヘッド24の間、及びy方向に関して最も外側のノズルヘッド24よりもさらに外側に、それぞれ硬化用光源25が配置されている。1つのノズルヘッド24に着目すると、その両側に硬化用光源25が配置されている。
基板50(図1)をy方向に移動させながら、形成すべき薄膜パターンの画像データ46(図1)に基づいて、ノズルユニット23の各ノズル孔24aから薄膜材料の液滴を吐出させることにより、x方向に関して1200dpiの解像度で薄膜パターンを形成することができる。基板50をy方向に移動させながら、ノズル孔24aから薄膜材料の液滴を吐出させて、基板50に薄膜材料を塗布する動作を、「走査」ということとする。1回の走査を行った後、x方向にPn/2だけずらして次の走査を行うことにより、x方向の解像度を2倍の2400dpiまで高めることができる。2回の走査は、1回目の走査と2回目の走査との方向を反転させた往復走査により実現することができる。y方向の解像度は、基板50の移動速度と、ノズル孔24aからの液滴の吐出周期で決定される。
図3に、薄膜パターンが形成された基板50、及びノズルユニット23の平面図を示す。基板50の表面に、薄膜パターン55が形成されている。図3において、薄膜材料が付着している領域にハッチングが付されている。基板50は、その面内に複数のプリント配線板が配置された多面取り基板である。一例として、基板50の面内に、プリント配線板が4行2列の行列状に配置されている。プリント配線板に対応して、薄膜パターン55が定義されている。薄膜パターン55は、例えばソルダーレジストで形成される。
1回の走査により、薄膜材料を塗布することができる領域を、単位走査領域56という。単位走査領域56のx方向の寸法(幅)をWuで表す。単位走査領域56の幅Wuは、4個のノズルヘッド24に形成されているノズル孔24a(図2B)が分布する領域の、x方向の寸法と等しい。一例として、単位走査領域56の幅Wuは、基板50のx方向の寸法の約1/4である。
図4A〜図9Bを参照して、実施例1による基板製造方法について説明する。図4A、図5A、図6A、及び図8Aでは、図3に示した基板50の1枚のプリント配線板に対応する領域のみを示している。また、説明の都合上、薄膜パターン55(図3)内に2つの正方形と4つの円形の開口部が配置された例を示しているが、実際には、より微細な多数
の開口部が配置される。
図4Aに、1回目の走査の前後における基板50、及びノズルユニット23の平面図を示す。図4Bに、図4Aの一点鎖線4B−4Bにおける断面図を示す。
図4Aに示すように、1回目の走査では、基板50をy軸の負の方向に移動させながら、ノズルヘッド24から薄膜材料の液滴を吐出させる。このとき、薄膜パターン55の最外周の縁、及び開口部の縁に、薄膜材料を塗布する。1回目の走査中は、4個のノズルヘッド24の各々に対して、y軸の負の側(基板50の移動方向の前方の側)に位置する硬化用光源25を点灯させておく。図4Aにおいて、点灯状態の硬化用光源25を太い実線で表し、消灯状態の硬化用光源25を細い実線で表している。薄膜材料の液滴が基板50(図3)に着弾した直後に、薄膜材料の表層部が硬化する。
硬化用光源25から放射される光の基板表面における光エネルギ密度は、薄膜材料の内部まで硬化させるために必要な光エネルギ密度よりも低い。このため、薄膜材料の内部は未硬化の状態である。薄膜材料の表層部のみが硬化する反応を「仮硬化」ということとする。1回目の走査により、1つの単位走査領域56(図3)内の、薄膜パターン55(図3)の最外周の縁、及び開口部の縁に、仮硬化した薄膜材料からなる線状のエッジパターン60が形成される。エッジパターン60の幅は、例えばラスタフォーマットの画像データ46(図1)を構成するピクセルのピッチの3〜5倍に相当する。すなわち、エッジパターン60の幅方向に、3〜5個のピクセルが含まれる。
図4Cに、エッジパターン60の断面図を示す。エッジパターン60は、複数の薄膜材料の粒60aで構成される。エッジパターン60の形成時には、図4Aに示した、1つのノズルヘッド24から吐出された薄膜材料は、そのノズルヘッド24に対してy軸の負の側に隣接して配置された硬化用光源25からの光照射によって仮硬化される。1つのノズルヘッド24に着目すると、ノズル孔24aのx方向のピッチ4Pが、例えば300dpiに対応する。薄膜材料の複数の液滴が、ピッチ4Pで等間隔に並ぶ位置に着弾する。着弾後、液滴は面内方向に広がるが、相互に隣り合う液滴同士が連続する前に、液滴が仮硬化される。
4個のノズルヘッド24のノズル孔24a(図2B)から液滴が吐出されると、x方向にピッチPn(1200dpi相当)で並ぶ点に、それぞれ液滴が着弾する。ピッチPnで隣り合う2つの液滴は、面内方向に関して部分的に重なる。仮硬化した液滴の上に、次の液滴が着弾するため、相互に重なった2つの液滴は、相互に混ざり合わない。このため、4個のノズルヘッド24を動作させて形成されたエッジパターン60は、積み重なった複数の薄膜材料の粒60aで構成される。
基板50に薄膜材料が着弾した直後に、薄膜材料を仮硬化させることにより、液状の薄膜材料の面内方向への広がりによるエッジパターン60の解像度の低下を防止することができる。十分な解像度でエッジパターン60を形成するために、薄膜材料が基板50に着弾した後、0.2秒以内に硬化用の光を照射することが好ましい。
図5Aに、2回目の走査の前後における基板50、及びノズルユニット23の平面図を示す。図5Bに、図5Aの一点鎖線5B−5Bにおける断面図を示す。図4Aに示した状態から、図5Aに示すように、基板50をx軸の負の方向に、単位走査領域56(図3)の幅Wuに等しい距離だけ移動させる。その後、基板50をy軸の正の方向に移動させることにより、2回目の走査を行う。2回目の走査においても、薄膜パターン55(図3)の最外周の縁及び開口部の縁に薄膜材料を塗布し、薄膜材料を仮硬化させる。2回目の走査では、基板50がy軸の正の方向に移動するため、ノズルヘッド24の各々に対して、
y軸の正の側(基板50の移動方向の前方の側)に位置する硬化用光源25を点灯させておく。
1回目の走査でエッジパターン60が形成された単位走査領域56(図3)に隣接する単位走査領域56内の、薄膜パターン55の最外周の縁、及び開口部の縁に、仮硬化したエッジパターン61が形成される。
図6Aに、3回目の走査の前後における基板50、及びノズルユニット23の平面図を示す。図6Bに、図6Aの一点鎖線6B−6Bにおける断面図を示す。2回目の走査の終了後、基板50をy軸の負の方向に移動させることにより、3回目の走査を行う。3回目の走査では、薄膜パターン55(図3)を形成する領域の内部(ベタの領域)のうち一部の領域67に、薄膜材料を塗布する。2回目の走査で形成されたエッジパターン61を縁とする第1の薄膜62が形成される。3回目の走査で第1の薄膜62を形成すべきベタ領域67を「第1の領域」ということとする。薄膜パターン55(図3)を形成する領域のうち、第1の領域67に隣接するベタ領域68を「第2の領域」ということとする。後に詳細に説明するように、第1の領域67と第2の領域68とは、両者の境界部分において部分的に重なっている。
3回目の走査では、図6Aに示すように、y軸の最も負の側の硬化用光源25のみを点灯させ、その他の硬化用光源25は消灯状態にしておく。
図7Aに、薄膜パターン55(図3)の平面形状を定義する画像データを構成するピクセル70の配置、及び3回目の走査のときに着弾対象となるピクセルを示す。複数のピクセル70が、x方向を行方向とし、y方向を列方向とする行列状に配置されている。第1の領域67内のピクセル70から抽出された一部のピクセルが、3回目の走査(図6A)のときの着弾対象となる。3回目の走査のときに着弾対象となるピクセル70を第1の着弾点70Aということとする。第1の着弾点70Aにハッチングが付されている。本明細書において、あるピクセル70に対応する基板50上の位置を、単に「ピクセル」という場合がある。
第1の領域67と第2の領域68とが、部分的に重なっている。両者が重なっている領域72を「重なり領域」ということとする。実施例1では、重なり領域72のx方向の寸法(幅)が、ピクセル2個分に等しい。すなわち、重なり領域72は、2列のピクセル70で構成される。
重なり領域72内の2列のピクセル70のうち、第2の領域68の内部側の列のピクセル70が、3回目の走査(図6A)のときの着弾対象(第1の着弾点70A)となる。さらに、第1の領域67内のうち、重なり領域72よりも内側に配置された全てのピクセル70に、第1の着弾点70Aが配置される。重なり領域72の2列のピクセル70のうち、第1の領域67の内部側の列のピクセル70には、3回目の走査のときに薄膜材料が着弾しない。
図7Bに、1つのピクセル70と、そのピクセル70に着弾した薄膜材料の平面形状73との関係を示す。ピクセル70に着弾した薄膜材料は、面内方向に広がり、着弾したピクセル70の近傍のピクセルと重なる。例えば、薄膜材料の平面形状73はほぼ円形であり、その直径は、ピクセル70のピッチの3〜5倍である。
図7Cに、3回目の走査が終了した時点における第1の薄膜62の縁の近傍の断面図を示す。第1の領域67内のピクセル70(図7A)に、y軸の最も正の側のノズルヘッド24(図6A)から吐出された液滴が着弾した後、硬化用の光に照射されることなく、2
番目、3番目、4番目のノズルヘッド24から吐出された薄膜材料が順番に着弾する。このため、薄膜材料が仮硬化される前に、第1の領域67内の複数の薄膜材料の液滴が液体状態のままで相互に連続する。複数の液滴が液体状態のままで相互に連続した後、y軸の最も負の側の硬化用光源25(図6A)から、薄膜材料に硬化用の光が照射される。これにより、第1の薄膜62の表層部に、硬化した層62Fが形成される。複数の液滴が相互に連続した後に、薄膜材料が仮硬化されるため、第1の薄膜62の表面がほぼ平坦になる。
重なり領域72内のピクセル70のうち、第1の領域67の内部側の列のピクセル70(図7A)には、薄膜材料が着弾しないが、その両側のピクセル70に着弾した薄膜材料が広がって、相互に連続する。さらに、第1の領域67内に着弾した薄膜材料が、横方向に広がって第2の領域68の内部に向かって広がる。このため、第2の領域68内に位置する第1の薄膜62の縁に、斜面62Sが形成される。重なり領域72(図7A)のピクセル70のうち第1の領域67の内部側の列のピクセル70に薄膜材料が着弾しないため、第1の領域67内の全てのピクセル70に薄膜材料を着弾させる場合に比べて、斜面62Sの傾斜が緩やかになる。または、縁の近傍の上面が、ほぼ平坦になる場合もある。
図8Aに、4回目の走査の前後における基板50、及びノズルユニット23の平面図を示す。図8Bに、図8Aの一点鎖線8B−8Bにおける断面図を示す。3回目の走査の後、基板50をx軸の正の方向に、単位走査領域56(図3)の幅Wuにほぼ等しい距離だけ移動させる。この状態で、基板50をy軸の正の方向に移動させることにより、4回目の走査を行う。
4回目の走査では、薄膜パターン55(図3)を形成する第2の領域68に、薄膜材料を塗布する。これにより、1回目の走査で形成されたエッジパターン60を縁とする第2の薄膜64が形成される。4回目の走査では、y軸の最も正の側の硬化用光源25のみを点灯させ、他の硬化用光源25は消灯状態とする。
図9Aに、4回目の走査(図8A)のときに着弾対象となるピクセルを示す。4回目の走査のときには、重なり領域72内のピクセル70のうち3回目の走査(図6A)のときに着弾対象とならなかったピクセル70、すなわち、重なり領域72内の2列のピクセル70のうち第2の領域68の外周線側の列のピクセル70、及び重なり領域72以外の第2の領域68内のピクセル70が着弾対象となる。4回目の走査(図8A)のときに着弾対象となるピクセルを第2の着弾点70Bということとする。第2の着弾点70Bに、第1の着弾点70Aよりも薄いハッチングを示す。
図9Bに、4回目の走査(図8A)が終了した時点における第1の薄膜62及び第2の薄膜64の断面図を示す。4回目の走査のときに、第2の領域68内に露出した基板50の上のみならず、斜面62Sの上にも薄膜材料が着弾する。3回目の走査(図6A)のときと同様に、第2の着弾点70Bに着弾した薄膜材料が相互に連続した後に、仮硬化が行われる。このため、第2の薄膜64の表層部に硬化した層64Fが形成され、その表面がほぼ平坦になる。
図10A及び図10Bを参照して、比較例による基板製造方法について説明する。図10Aに、比較例による方法の3回目の走査のときの着弾対象である第1の着弾点70A、及び4回目の走査のときの着弾対象である第2の着弾点70Bの分布を示す。比較例では、第1の領域67と第2の領域68とが重なっていない。すなわち、比較例では、重なり領域72(図9A)に相当する領域が存在しない。
図10Bに示すように、比較例では、第1の薄膜62の斜面62Sが、実施例1の場合
の方法で形成される第1の薄膜62の斜面62S(図7C)より急峻になる。薄膜材料を塗布する前に、基板50の表面に親液化処理が施される。第2の領域68に薄膜材料を塗布する前の状態では、基板50の露出した表面の親液性が、第1の薄膜62の表面の親液性よりも高い。このため、斜面62Sの上の薄膜材料が、第2の領域68の方に引き寄せられる。その結果、第1の領域67と第2の領域68との境界線の位置に溝(段差)65が発生する。第2の薄膜64を仮硬化させた後にも、溝65が残存する。
実施例1の場合には、重なり領域72を設けたため、斜面62S(図7A)が緩やかになる。斜面62Sのx方向に関する寸法が、比較例による斜面62S(図10B)のx方向に関する寸法より大きい。さらに、実施例1の場合には、比較例に比べて、4回目の走査(図8A)のときに、第1の薄膜62の縁から内部に向かってより深い位置に薄膜材料が着弾する。第1の領域67の深い位置に着弾した薄膜材料は、基板50の表面と第1の薄膜62の表面との親液性の違いの影響を受けにくい。重なり領域72(図9A)のうち、第1の領域67の内部に向かって深い位置に付着した薄膜材料が、第2の領域68の内部に向かう方向に引き寄せられにくいため、溝65(図10B)の発生を抑制することができる。
実施例1では、重なり領域72(図9A)の幅をピクセル70のx方向のピッチの2倍としたが、ピッチの3倍以上としてもよい。重なり領域72の幅が異なっても、重なり領域72内の第1の着弾点70Aの密度が、重なり領域72以外の第1の領域67内の第1の着弾点70Aの密度より低く、重なり領域72内の第2の着弾点70Bの密度が、重なり領域72以外の第2の領域68内の第2の着弾点70Bの密度より低い。このように、重なり領域72を設けることにより、溝65(図10B)の発生を抑制することができる。
実施例1では、重なり領域72(図9A)内の第1の着弾点70Aと、重なり領域72以外の第1の領域67との間に、第2の着弾点70Bが存在する。第1の着弾点70A及び第2の着弾点70Bを、このように分布させると、第2の薄膜64(図9B)が第1の領域67内に、より深く進入する。これにより、基板50の表面と第1の薄膜62の表面との親液性の違いの影響を受け難くすることができる。または、第1の領域67の内部に向かって深い位置に配置された第2の着弾点70Bに着弾した薄膜材料が、第2の領域68の内部に向かって引き寄せられる途中に、仮硬化させることができる。このため、溝65(図10B)の発生を抑制する効果を高めることができる。
重なり領域72(図9A)内の第1の着弾点70Aの密度と第2の着弾点70Bの密度との合計は、重なり領域72以外の第1の領域67内の第1の着弾点70Aの密度と等しく、重なり領域72以外の第2の領域68内の第2の着弾点70Bの密度とも等しい。このため、基板50のベタ領域の単位面積あたりに付着する薄膜材料の合計の体積が、面内に関して均一になる。これにより、ベタ領域の薄膜の膜厚を、均一に近付けることができる。
実施例1では、重なり領域72(図9A)内の、第1の領域67の外周線63側のピクセル70に、第1の着弾点70Aのみを配置し、第1の領域67の外周線63から遠い方のピクセル70に、第2の着弾点70Bのみを配置した。変形例として、重なり領域72内の、外周線63側のピクセル70に、第1の着弾点70Aと第2の着弾点70Bとを混在させ、外周線63から遠い方のピクセル70にも、第1の着弾点70Aと第2の着弾点70Bとを混在させてもよい。この場合、重なり領域72を幅方向に関して二等分したとき、外周線63側の部分(第2の領域68側の部分)における第1の着弾点70Aの密度を、外周線63から遠い方の部分(第1の領域67側の部分)における第1の着弾点70Aの密度より高くすることが好ましい。第1の着弾点70Aを、このように分布させるこ
とにより、溝65(図10B)の発生を抑制することができる。
[実施例2]
図11Aを参照して、実施例2による基板製造方法について説明する。以下、実施例1との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。
図11Aに、実施例2による基板製造方法で採用される第1の着弾点70Aと第2の着弾点70Bとの分布を示す。実施例2では、重なり領域72の幅が、ピクセル70のピッチの6倍である。すなわち、重なり領域72内に、6列分のピクセル70が含まれる。第2の領域68内に位置する第1の領域67の外周線63から第1の領域67の内部に向かって2番目、4番目、及び6番目の列のピクセル70に、第2の着弾点70Bが配置される。重なり領域72内の他のピクセル70には、第1の着弾点70Aが配置される。このように、実施例2では、重なり領域72内において、第1の着弾点70Aと第2の着弾点70Bとが、重なり領域72の幅方向に交互に配置される。
実施例2では、実施例1に比べて、斜面62S(図7C)を、より緩やかにし、斜面62Sのx方向の寸法を大きくすることができる。これにより、溝65(図10B)の発生を抑制する効果が高くなる。
[実施例3]
図11Bを参照して、実施例3による基板製造方法について説明する。以下、実施例1との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。
図11Bに、実施例3による基板製造方法で採用される第1の着弾点70Aと第2の着弾点70Bとの分布を示す。実施例3では、重なり領域72の幅が、ピクセル70のピッチの4倍である。すなわち、重なり領域72内に、4列分のピクセル70が含まれる。第2の領域68内に位置する第1の領域67の外周線63から第1の領域67の内部に向かって3番目及び4番目の列のピクセル70に、第2の着弾点70Bが配置される。重なり領域72内の他のピクセル70には、第1の着弾点70Aが配置される。このように、実施例3では、第1の着弾点70Aと第2の着弾点70Bとが、重なり領域72の幅方向に関して、2ピクセルを単位として交互に配置される。
実施例3においても、実施例1に比べて、斜面62S(図7C)を、より緩やかにし、斜面62Sのx方向の寸法を大きくすることができる。これにより、溝65(図10B)の発生を抑制する効果が高くなる。
[実施例4]
図12を参照して、実施例4による基板製造方法について説明する。以下、実施例1との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。
図12に、実施例4による基板製造方法で採用される第1の着弾点70Aと第2の着弾点70Bとの分布を示す。実施例4では、重なり領域72の幅が、ピクセル70のピッチの12倍である。すなわち、重なり領域72内に、12列分のピクセル70が含まれる。第2の領域68内に位置する第1の領域67の外周線63から第1の領域67の内部に向かって2〜4番目、7〜8番目、及び12番目の列のピクセル70に、第2の着弾点70Bが配置される。重なり領域72内の他のピクセル70には、第1の着弾点70Aが配置される。
4列分のピクセル70を1つのピクセル群75と定義したとき、重なり領域72に3つのピクセル群75が配置される。ピクセル群75を単位として、第2の着弾点70Bの密
度を算出すると、第2の領域68内に位置する第1の領域67の外周線63から第1の領域67の内部に向かって、第2の着弾点70Bの密度が低くなる。逆に、第1の着弾点70Aの密度は、外周線63から第1の領域67の内部に向かって高くなる。
重なり領域72内において、外周線63から第1の領域67の内部に向かって第1の着弾点70Aの密度が高くなるように、第1の着弾点70Aを配置することにより、斜面62Sの傾斜を、より緩やかにすることができる。
[実施例5]
図13を参照して、実施例5による基板製造方法について説明する。以下、実施例1との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。
図13に、実施例5による基板製造方法で採用される第1の着弾点70Aと第2の着弾点70Bとの分布を示す。実施例5では、実施例1と同様に、重なり領域72の幅が、ピクセル70のピッチの2倍である。ただし、重なり領域72内の2列のピクセル70のいずれにも、第1の着弾点70A及び第2の着弾点70Bが配置される。一例として、重なり領域72内において、第1の着弾点70Aと第2の着弾点70Bとが、y方向に交互に配置される。
重なり領域72内の第1の着弾点70Aの密度が、重なり領域72以外の第1の領域67内に分布する第1の着弾点70Aの密度より低い。さらに、重なり領域72内の第2の着弾点70Bの密度が、重なり領域72以外の第2の領域68内に分布する第2の着弾点70Bの密度より低い。このため、実施例1の場合と同様に、斜面62S(図7C)の傾斜を緩やかにすることができる。
[実施例6]
図14A及び図14Bを参照して、実施例6による基板製造方法について説明する。以下、実施例1との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。
図14Aに、3回目の走査(図6A)が終了した時点における重なり領域72の近傍の基板50の断面図を示す。実施例6では、重なり領域72内に着弾した薄膜材料が、x方向に連続しない状態で仮硬化が行われる。このため、第1の薄膜62が、重なり領域72内でx方向に離散的に分布する。第1の薄膜62の表層部には、硬化した層62Fが形成されている。例えば、3回目の走査(図6A)のときに薄膜材料を着弾させる位置(第1の着弾点70A)のx方向の間隔を広くすることにより、重なり領域72において、第1の薄膜62をx方向に離散的に分布させることができる。
図14Bに、4回目の走査(図8A)が終了した時点における重なり領域72の近傍の基板50の断面図を示す。重なり領域72内に離散的に分布する第1の薄膜62の間に、薄膜材料が着弾し、離散的に分布している第1の薄膜62の上にも、薄膜材料が着弾する。このため、離散的に分布する第1の薄膜62が第2の薄膜64で埋め込まれる。第2の薄膜64の表層部に、硬化した層64Fが形成される。
実施例6では、3回目の走査(図6A)が終了した時点で、重なり領域72内に、親液性の高い領域(基板50が露出した領域)と、親液性の低い領域(第1の薄膜62の表面)とが、x方向に交互に現れる。このため、親液性の違いによる影響を軽減することができる。これにより、溝65(図10B)の発生を抑制することができる。
[実施例7]
図15A及び図15Bを参照して、実施例7による基板製造方法について説明する。以
下、実施例1との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。
図15Aに、3回目の走査(図6A)が終了した時点における重なり領域72の近傍の基板50の断面図を示す。重なり領域72に形成された第1の薄膜62が、重なり領域72以外の第1の領域67に形成された第1の薄膜62よりも薄い。第1の薄膜62は、その縁に、盛り上がった堰き止め部62Bを含む。堰き止め部62Bが形成される領域の第1の着弾点70A(図7A)の密度を、重なり領域72の内部の第1の着弾点70Aの密度より高くすることにより、堰き止め部62Bを形成することができる。
図15Bに、4回目の走査(図8A)が終了した時点における重なり領域72の近傍の断面図を示す。第2の領域68に、第2の薄膜64が形成される。堰き止め部62Bが形成されているため、重なり領域72の第1の薄膜62の上に着弾した薄膜材料が、第2の領域68の内部に向かって引き寄せられ難い。このため、第1の領域67と第2の領域68との境界に沿う溝65(図10B)の発生を抑制することができる。
[実施例8]
図16A及び図16Bを参照して、実施例8による基板製造方法について説明する。以下、実施例7との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。
図16Aに、3回目の走査(図6A)が終了した時点における重なり領域72の近傍の基板50の断面図を示す。実施例8では、第1の薄膜62の縁に、盛り上がった堰き止め部62B(図15A)が形成されていない。
図16Bに、4回目の走査(図8A)が終了した時点における重なり領域72の近傍の断面図を示す。実施例8では、堰き止め部62B(図15A)が形成されていないが、重なり領域72の第1の薄膜62の上面が、基板50の表面とほぼ平行になる。重なり領域72の幅が、実施例1の重なり領域72(図7A)の幅より広い。このため、重なり領域72のうち、第1の領域67の外周線63から遠い領域に付着した薄膜材料が、親液性の高い基板50の表面からの影響を受け難い。4回目の走査(図8A)のときに、重なり領域72に付着した薄膜材料が、第2の領域68の内部に向かって引き寄せられにくくなる。これにより、溝65(図10B)の発生を抑制することができる。
図7Aに示した実施例1、図11Aに示した実施例2、図11Bに示した実施例3、図12に示した実施例4の方法で、粘度が高い薄膜材料を用いると、重なり領域72内の第1の着弾点70Aに着弾した薄膜材料がx方向に連続せず、図14Aに示したように離散的に分布する状態が実現される。粘度の低い薄膜材料を用いると、図15Aに示したように、離散的に分布していた液滴が連続し、第1の領域67の内部と、縁との間に、相対的に膜厚の薄い領域が生じる。粘度がより低い薄膜材料を用いると、図7Cに示したように、緩やかな斜面62Sが形成される。第1の着弾点70Aの分布によっては、図16Aに示したように、明確な堰き止め部62Bが現れない場合もある。
図7Cに示した斜面62Sを含む構造、図14Aに示した薄膜材料が離散的に分布する構造、図15Aに示した堰き止め部62Bを含む構造、図16Aに示した平坦な上面を有する構造のいずれの構造が現れるかは、重なり領域72内の第1の着弾点70Aのx方向の間隔、薄膜材料の粘度、及び薄膜材料が基板50に着弾してから仮硬化されるまでの時間等に依存する。いずれの構造を採用しても、図10Bに示した比較例に比べて、溝65の発生を抑制することができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
20 定盤
21 移動機構
22 ステージ
23 ノズルユニット
24 ノズルヘッド
24a ノズル孔
24b ノズル列
25 硬化用光源
26 ノズルホルダ
30 撮像装置
40 制御装置
41 入力装置
42 出力装置
45 記憶部
46 画像データ
50 基板
55 薄膜パターン
56 単位走査領域
60 エッジパターン
60a 薄膜材料の粒
61 エッジパターン
62 第1の薄膜
62B 堰き止め部
62F 硬化した層
62S 斜面
63 第2の領域内に位置する第1の領域の外周線
64 第2の薄膜
64F 硬化した層
65 溝
67 第1の領域
68 第2の領域
70 ピクセル
70A 第1の着弾点
70B 第2の着弾点
72 重なり領域
73 基板に着弾した薄膜材料の平面形状
75 ピクセル群

Claims (12)

  1. 基板上の第1の領域内に分布する複数の第1の着弾点に、薄膜材料の液滴を着弾させた後、前記第1の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させる工程と、
    前記第1の着弾点に着弾した薄膜材料を硬化させた後、前記基板上の第2の領域内に分布する複数の第2の着弾点に、薄膜材料の液滴を着弾させた後、前記第2の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させる工程と
    を有し、
    前記第1の領域と前記第2の領域とが、重なり領域において部分的に重なっており、前記重なり領域内の前記第1の着弾点の密度が、前記重なり領域以外の前記第1の領域内の前記第1の着弾点の密度より低く、前記重なり領域内の前記第2の着弾点の密度が、前記重なり領域以外の前記第2の領域内の前記第2の着弾点の密度より低い基板製造方法。
  2. 前記第1の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させた時点で、前記重なり領域内に、硬化した薄膜材料が、前記重なり領域の幅方向に関して離散的に分布している請求項1に記載の基板製造方法。
  3. 前記第1の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させた時点で、前記重なり領域内の薄膜材料の厚さが、前記重なり領域以外の前記第1の領域内の薄膜材料の厚さより薄く、かつ前記第2の領域内に位置する前記第1の領域の外周線に沿う縁に、盛り上がった堰き止め部が形成されている請求項1に記載の基板製造方法。
  4. 前記重なり領域内の少なくとも1つの前記第1の着弾点と、前記重なり領域以外の前記第1の領域内の前記第1の着弾点との間に、少なくとも1つの前記第2の着弾点が存在する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  5. 前記重なり領域内の前記第1の着弾点の密度と前記第2の着弾点の密度との合計は、前記重なり領域以外の前記第1の領域内の前記第1の着弾点の密度、及び前記重なり領域以外の前記第2の領域内の前記第2の着弾点の密度と等しい請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  6. 前記重なり領域を幅方向に関して二等分したとき、前記第2の領域側の部分の前記第1の着弾点の密度が、前記第1の領域側の部分の前記第1の着弾点の密度より高い請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  7. 前記重なり領域内において、前記第1の着弾点と前記第2の着弾点とが、前記重なり領域の幅方向に交互に配置されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板製造方法。
  8. 基板を保持するステージと、
    前記ステージに保持された基板に向けて薄膜材料の液滴を吐出する複数のノズル孔が設けられているノズルヘッドと、
    前記基板に付着した前記薄膜材料に硬化用の光を照射する硬化用光源と、
    前記ステージ及び前記ノズルヘッドの一方を他方に対して移動させる移動機構と、
    形成すべき薄膜の平面形状を定義する画像データを記憶する記憶部を含み、前記ノズルヘッド、前記移動機構、及び前記硬化用光源を制御する制御装置と
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記ノズルヘッド及び前記ステージの一方を第1の方向に移動させながら、基板上の第1の領域内に分布する複数の第1の着弾点に、薄膜材料の液滴を着弾させた後、前記第1
    の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させ、
    前記第1の着弾点に着弾した薄膜材料を硬化させた後、前記基板上の第2の領域内に分布する第2の着弾点に、薄膜材料の液滴を着弾させた後、前記第2の着弾点に着弾した薄膜材料の少なくとも表層部を硬化させ、
    前記第1の領域と前記第2の領域とが、重なり領域において部分的に重なっており、前記重なり領域内の前記第1の着弾点の密度が、前記重なり領域以外の前記第1の領域内の前記第1の着弾点の密度より低く、前記重なり領域内の前記第2の着弾点の密度が、前記重なり領域以外の前記第2の領域内の前記第2の着弾点の密度より低くなるように前記ノズルヘッドを制御する基板製造装置。
  9. 前記制御装置は、前記重なり領域内の少なくとも1つの前記第1の着弾点と、前記重なり領域以外の前記第1の領域内の前記第1の着弾点との間に、少なくとも1つの前記第2の着弾点が存在するように、前記ノズルヘッドを制御する請求項8に記載の基板製造装置。
  10. 前記制御装置は、前記重なり領域以外の前記第1の領域内の前記第1の着弾点の密度、及び前記重なり領域以外の前記第2の領域内の前記第2の着弾点の密度が、前記重なり領域内の前記第1の着弾点の密度と前記第2の着弾点の密度との合計と等しくなるように前記ノズルヘッドを制御する請求項8または9に記載の基板製造装置。
  11. 前記制御装置は、前記重なり領域を幅方向に関して二等分したとき、前記第2の領域側の部分の前記第1の着弾点の密度が、前記第1の領域側の部分の前記第1の着弾点の密度より高くなるように前記ノズルヘッドを制御する請求項8乃至10のいずれか1項に記載の基板製造装置。
  12. 前記制御装置は、前記重なり領域内において、前記第1の着弾点と前記第2の着弾点とが、前記重なり領域の幅方向に交互に配置されるように前記ノズルヘッドを制御する請求項8乃至10のいずれか1項に記載の基板製造装置。
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