JP2011147926A - 線の描画方法及びインクジェット描画装置 - Google Patents

線の描画方法及びインクジェット描画装置 Download PDF

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Abstract

【課題】線幅及び線ピッチ、並びに膜厚を独立して精度良く制御し得る線の描画方法及びインクジェット描画装置を提供する。
【解決手段】直線状に並んだ複数の吐出孔11を有するインクジェットヘッド10を用いて等間隔の線パターンを描画する。1回目の主走査にて線1の幅の一部を描画し、吐出孔11の位置を副走査方向に一定量移動させて、その後に、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画する。
【選択図】図1

Description

本発明は、直線状に並んだ複数の吐出孔を有するインクジェットヘッドを用いて等間隔の線パターンを描画する線の描画方法及びインクジェット描画装置に関するものである。
従来、直線状に並んだ複数の吐出孔であるノズルを有するインクジェットヘッドを用いて等間隔の線パターンを描画する場合には、例えば、図7に示すように、線101に対するインクジェットヘッド102の傾斜角度θを変更して、各ノズル103におけるノズルピッチの整数倍が線ピッチと等しくなるようなノズル列角度にて、一回の主走査にて各線101…を描画していた。尚、本明細書に添付の図面においては、各ノズルのうちインクを吐出するノズルについては、黒丸の周りに同心円を付して表現している。
また、例えば、特許文献1では、プラズマディスプレイパネルのパネル基板において、ストライプ状の隔壁が一定パターンに形成された複数の凹部に、赤色蛍光体層、青色蛍光体層及び緑色蛍光体層を形成すべく、蛍光体ペースト等の塗液を高精度にかつ簡便に形成できる塗液の塗布装置を開示している。
すなわち、特許文献1では、ペーストによる線幅を形成する場合には、図8に示すように、予め一定幅のバンク201…を設けて、その中にペースト202を流し込んでいる。これによって、少ない吐出回数にて高精度に線幅を制御できると共に、バンク201…によって線幅が固定されているため、吐出量による膜厚の調整が容易であるというメリットを有している。
特開平10−334805号公報(1998年12月18日公開) 特開2005−246248号公報(2005年9月15日公開)
しかしながら、上記従来の線の描画方法では、以下の問題点を有している。
すなわち、図7に示す描画方法では、線幅を制御するためには吐出周波数を増減するか、又は主走査方向の移動速度を変更せざるを得ないが、この方法では、膜厚と独立して線幅を制御するのが困難であった。すなわち、吐出量に基づく吐出液滴の濡れ広がりにて線幅を制御するのは困難である。
また、図8に示す特許文献1の描画方法では、バンク201の作成が必須であり、線幅と線ピッチとの変更には前工程からの変更が必要であり、手間がかかった。
尚、エッジを明確にするために、例えば、特許文献2に開示したインクジェットの塗布方法では、図9(a)に示す塗布画像を得るために、図9(c)〜(f)に示すように、全てのエッジを先に描画し、図9(b)に示すように、その後にその内部を埋めることによって、エッジを高い精度で位置決めして描画の精度を高めている。
しかしながら、特許文献2に開示したインクジェットの塗布方法は、屈曲部を含めた画像に対するエッジ画像とその内部画像とについて述べており、直線である線に対して両側のエッジを先に描くという思想はない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、線幅及び線ピッチ、並びに膜厚を独立して精度良く制御し得る線の描画方法及びインクジェット描画装置を提供することにある。
本発明の線の描画方法は、上記課題を解決するために、直線状に並んだ複数の吐出孔を有するインクジェットヘッドを用いて等間隔の線パターンを描画する線の描画方法において、1回目の主走査にて線の幅の一部を描画し、上記吐出孔の位置を副走査方向に一定量移動させて、その後に、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画することを特徴としている。
すなわち、等間隔の線パターンを描画する場合には、線幅及び線間隔が等しくなっていることが重要であるが、線ピッチと吐出孔ピッチとを一致させると、所望の線幅を描画するための位置に吐出孔が存在しないことになる。つまり、等ピッチの吐出孔配列では、線幅にも線ピッチにも吐出孔を対応させることが困難である。また、インクジェットヘッドにおける各吐出孔の取り付け位置誤差、各吐出孔の吐出方向の誤差、及び各吐出孔の吐出インク量誤差等の各吐出孔間における誤差によって、線幅及び線間隔の誤差が生じてしまう。さらに、吐出孔ピッチを最適化するためにインクジェットヘッドにおける吐出孔列を副走査方向に対して傾けた場合には、着弾の早い部分と遅い部分とによって、描画された同一線内で膜厚の差が生じてしまう。
このように、線幅及び線ピッチを任意に設定可能な線及び線間隔からなる線パターンを描画する場合に、吐出孔ピッチを線ピッチに一致させ、吐出周波数又は主走査方向の移動速度を制御して1回の主走査にて描画することは、線幅及び膜厚の制御が困難である。
そこで、本発明では、1回目の主走査にて線の幅の一部を描画し、上記吐出孔の位置を副走査方向に一定量移動させて、その後に、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画する。
この結果、2回の主走査にて1本の線を描画することによって、線幅と線ピッチとを任意に独立して設定することが可能となる。また、膜厚が均一な線を描画することが容易となる。
尚、吐出孔の位置を副走査方向に一定量移動させるときの機械的誤差は、上述した吐出孔間における誤差等に比べると無視し得る程度に小さい。
ところで、1回目の主走査にて線の一部の幅を描画した場合には、2回目の主走査では、本来であれば、残りの線幅を描画することで足りる。この場合、何の誤差も生じない場合には、1回目の主走査にて線の一部の幅と2回目の主走査にて残りの線幅を描画した場合には、両境界は一致するはずである。しかし、誤差が存在する場合には、線の中央に隙間ができる虞もある。
そこで、本発明では、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画するので、残りの幅を超えて描画することができる。これによって、1回目の主走査にて描画された線幅と2回目の主走査にて描画された残りの線幅とをオーバーラップさせることができる。したがって、線の中央に隙間ができることを防止することができる。
したがって、線幅及び線ピッチ、並びに膜厚を独立して精度良く制御し得る線の描画方法を提供することができる。
本発明の線の描画方法では、前記1回目の主走査では線の半分又はそれを超える幅を描画することが好ましい。
すなわち、1回目の主走査と2回目の主走査との描画の線幅は膜厚の均一性の観点からそれぞれ等量であることが好ましい。つまり、1回目の主走査にて描画するときの線幅は、多すぎても少なすぎても好ましくない。そこで、1回目の主走査と2回目の主走査との描画の線幅をそれぞれ半分又はそれを少し超える幅、つまり略半分とすることによって、膜厚が一方のエッジに偏らず、均一な線を描画することができる。
本発明の線の描画方法では、前記1回目の主走査にて線の半分又はそれを超える幅を描画して一方のエッジを形成し、上記吐出孔の位置を副走査方向に一定量移動させて、その後に、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画して他方のエッジを形成することが好ましい。
これにより、線の一方のエッジと他方のエッジとを精度良く描画することができるので、確実に、線幅及び線ピッチを精度良く制御することができると共に、1回の主走査描画にて線を完成させる場合に生じる膜厚の不均一性を低減することができる。
本発明の線の描画方法では、前記インクジェットヘッドにおける吐出孔列の方向を主走査方向の垂直方向に対して傾斜させると共に、前記1回目の主走査の方向と2回目の主走査の方向とを互いに逆向きにし、かつ各主走査においては、前記線の幅の一部を複数の吐出孔を用いて描画し、そのときに上記複数の吐出孔のうち進行方向先頭側の吐出孔にて線パターンのエッジを形成することが好ましい。
これにより、1回目及び2回目の両主走査において、線パターンのエッジを形成する部分の吐出孔からのインクはその隣接部分を形成する吐出孔からのインクよりも先に基板に着弾することになり、線パターンのエッジを形成する部分がその隣接部分に寄せられて線パターンのエッジの位置精度が低下するのを回避することができる。
本発明の線の描画方法では、前記2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画するときには、前記1回目の主走査にて線の半分又はそれを超える幅を描画して一方のエッジを形成した吐出孔と同一の吐出孔を用いて描画して他方のエッジを形成することが好ましい。
これにより、線パターンにおいて精度を求める部分を同一の吐出孔を用いて描画する。具体的には、線の両エッジを同一の吐出孔を用いて描画することによって、吐出孔固有の吐出バラつきを相殺して精度の高い線幅を形成することが可能となる。したがって、線幅を一定にすることができる。
本発明の線の描画方法では、前記線パターンの隣接する線における互いに対向するエッジを同一の吐出孔を用いて描画して形成することが好ましい。
これにより、線パターンの隣接する線における互いに対向するエッジの精度が向上する。したがって、線間隔を一定にすることができる。
本発明の線の描画方法では、前記等間隔の線パターンは、1種目線と2種目線との2種類の線からなっていると共に、上記各1種目線の線間隔に上記各2種目線を、該2種目線のエッジが該1種目線のエッジに一致するように描画するときには、隣接する1種目線の互いに対向する各エッジを1回目の主走査及びに2回目の主走査にて同一の吐出孔を用いて描画し、上記2種目線の一方のエッジと他方のエッジとを、1回目の主走査及びに2回目の主走査にて、上記1種目線の互いに対向するエッジを描画した吐出孔と同一の吐出孔を用いて描画することが好ましい。
すなわち、等間隔の1種目線からなる線パターンの線間隔に、等間隔の2種目線からなる線パターンを描画する場合がある。この場合には、1種目線の境界線と2種目線の境界線とを精度良く一致させる必要がある。
そこで、本発明では、この場合には、隣接する1種目線の互いに対向する各エッジを1回目の主走査及びに2回目の主走査にて同一の吐出孔を用いて描画し、2種目線の一方のエッジと他方のエッジとを、1回目の主走査及びに2回目の主走査にて、1種目線の互いに対向するエッジを描画した吐出孔と同一の吐出孔を用いて描画する。
これにより、各線の重ね合わせ部分である境界部分つまり4つの境界部分を同一の吐出孔を用いてエッジ形成するので、吐出孔固有の吐出バラつきを相殺して精度の高いエッジを形成することが可能となる。したがって、高精度に等間隔の1種目線からなる線パターンの線間隔に一致させて等間隔の2種目線からなる線パターンを描画することができる。
本発明の線の描画方法では、前記等間隔の線パターンは、1種目線と2種目線との2種類の線からなっていると共に、上記各1種目線と各2種目線とを重ね合わせて描画するときには、上記各1種目線及び各2種目線の一方の各エッジを1回目の各主走査にてそれぞれ同一の吐出孔を用いて描画すると共に、上記各1種目線及び各2種目線の他方の各エッジを2回目の各主走査にてそれぞれ同一の吐出孔を用いて描画することが好ましい。
すなわち、上記各1種目線と各2種目線とを重ね合わせて描画する場合がある。この場合には、1種目線の境界線と2種目線の境界線とを精度良く一致させる必要がある。
そこで、本発明では、この場合には、上記各1種目線及び各2種目線の一方の各エッジを1回目の各主走査にてそれぞれ同一の吐出孔を用いて描画すると共に、上記各1種目線及び各2種目線の他方の各エッジを2回目の各主走査にてそれぞれ同一の吐出孔を用いて描画する。
これにより、各線の重ね合わせ部分である境界部分つまり4つの境界部分を同一の吐出孔を用いてエッジ形成するので、吐出孔固有の吐出バラつきを相殺して精度の高いエッジを形成することが可能となる。したがって、高精度に等間隔の1種目線からなる線パターンと2種目線からなる線パターンとの各エッジを一致させて、高精度に両者を重ね合わせて描画することができる。
本発明のインクジェット描画装置は、上記課題を解決するために、直線状に並んだ複数の吐出孔を有するインクジェットヘッドと、印刷対象となる基板に対してインクジェットヘッドを主走査方向及びそれに直交する副走査方向に相対的に移動させる移動手段と、基板に線パターンを描画させる制御手段とを備えたインクジェット描画装置において、上記制御手段は、描画する線パターンを、1回目の主走査にて描画する部分と2回目の主走査にて描画する部分とに分割する分割手段と、副走査方向の移動距離を設定する移動距離設定手段と、1回目の主走査にて描画する部分と2回目の主走査にて描画する部分とのそれぞれに対応するインクジェットヘッドの吐出孔を割り当てる割り当て手段と、割り当てられた吐出孔の吐出量を設定する吐出量設定手段と、上記割り当てられた吐出孔と設定された吐出量とから1回目及び2回目の主走査の描画データを生成する描画データ生成手段と、上記1回目及び2回目の主走査における2つの描画データを用いて、1回目の主走査を行い、副走査方向移動を行った後に2回目の主走査を行って線パターンの描画を行う駆動制御手段とを有していることを特徴としている。
上記発明によれば、生成された2つの描画データを用いて、まず1回目の主走査を行い、副走査方向の移動を行った後に、2回目の主走査を行って1つの線パターンを描画する。このため、線ピッチと線幅とを独立して制御することができる。
したがって、線幅及び線ピッチ、並びに膜厚を独立して精度良く制御し得るインクジェット描画装置を提供することができる。
本発明のインクジェット描画装置では、前記分割手段は、1回目の主走査で描画する部分の幅が、描画する線パターンの幅の半分又はそれを超える幅となるように線パターンを分割することが好ましい。
これにより、1回目の主走査による描画と、2回目の主走査による描画との間で、膜厚の偏りの少ない線パターンの描画が可能になる。
本発明のインクジェット描画装置では、前記分割手段は、1回目の主走査にて描画する部分が線パターンの一方のエッジを形成し、2回目の主走査にて描画する部分が他方のエッジを形成するように線パターンを分割することが好ましい。
これにより、線パターンの位置精度に大きく影響する線パターンの両エッジを精度良く描画することができる。
本発明のインクジェット描画装置では、前記インクジェットヘッドは、吐出孔列の方向が主走査方向の垂直方向に対して傾斜して設けられていると共に、前記駆動制御手段は、1回目の主走査の方向と2回目の主走査の方向とを互いに逆向きにし、かつ各主走査においては、前記線の幅の一部を複数の吐出孔を用いて描画させ、そのときに上記複数の吐出孔のうち進行方向先頭側の吐出孔にて線パターンのエッジを形成させることが好ましい。
これにより、1回目及び2回目の両主走査において、線パターンのエッジを形成する部分の吐出孔からのインクはその隣接部分を形成する吐出孔からのインクよりも先に基板に着弾することになり、線パターンのエッジを形成する部分がその隣接部分に寄せられて線パターンのエッジの位置精度が低下してしまうのを回避することができる。
本発明のインクジェット描画装置では、前記割り当て手段は、2回目の主走査にて線パターンのエッジを形成する部分を描画する吐出孔が、1回目の主走査にて同一の線パターンにおける他方のエッジを形成する部分を描画する吐出孔と同一になるように、割り当てることが好ましい。
これにより、同一の線パターンの両エッジにおいてはインクジェットヘッドの吐出孔固有の吐出誤差を相殺でき、線パターンの両エッジの相対的な位置関係つまり線幅の精度を高めることができる。
本発明のインクジェット描画装置では、前記割り当て手段は、隣接する線パターンの互いに対向する2本のエッジを形成する部分を描画する吐出孔が同一になるように割り当てることが好ましい。
これにより、隣接する線パターンの互いに対向する2本のエッジにおいては、インクジェットヘッドの吐出孔固有の吐出誤差を相殺でき、線パターンの両エッジの相対的な位置関係つまり線間隔の精度を高めることができる。
本発明のインクジェット描画装置では、前記等間隔の線パターンは、1種目線と2種目線との2種類の線からなっていると共に、前記割り当て手段は、上記各1種目線の線間隔に上記各2種目線を、該2種目線のエッジが該1種目線のエッジに一致するように描画するときには、隣接する1種目線の互いに対向する各エッジを形成する部分を描画する吐出孔が同一となるように吐出孔を割り当て、かつ、上記2種目線の一方のエッジと他方のエッジとを形成する部分を描画する吐出孔が、上記1種目線の互いに対向するエッジを形成する部分を描画した吐出孔とも同一になるように割り当てることが好ましい。
これにより、線パターンにおける1種目線の互いに対向する各エッジと、2種目線の両方のエッジとを描画するインクジェットヘッドの吐出孔固有の吐出誤差を相殺することができ、1種目線の線間隔の中央に精度良く2種目線を描画することが可能になる。
本発明のインクジェット描画装置では、前記等間隔の線パターンは、1種目線と2種目線との2種類の線からなっていると共に、前記割り当て手段は、上記1種目線と2種目線とを重ね合わせて描画するときには、上記各1種目線及び各2種目線の一方の各エッジを、1回目の各主走査にて形成する部分を描画する吐出孔がそれぞれ同一になるように割り当て、かつ上記各1種目線及び各2種目線の他方の各エッジを、2回目の各主走査にて形成する部分を描画する吐出孔が上記1回目の主走査でエッジを形成する部分を描画した吐出孔と同一になるように割り当てることが好ましい。
これにより、線パターンにおける1種目線の両エッジ及びそれに重なる2種目線の両エッジを同一の吐出孔にて形成することになり、吐出孔固有の吐出誤差を相殺することができ、1種目線と2種目線とを精度良く重ねることができる。
本発明の線の描画方法は、以上のように、1回目の主走査にて線の幅の一部を描画し、上記吐出孔の位置を副走査方向に一定量移動させて、その後に、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画する方法である。
本発明のインクジェット描画装置は、以上のように、制御手段は、描画する線パターンを、1回目の主走査にて描画する部分と2回目の主走査にて描画する部分とに分割する分割手段と、副走査方向の移動距離を設定する移動距離設定手段と、1回目の主走査にて描画する部分と2回目の主走査にて描画する部分とのそれぞれに対応するインクジェットヘッドの吐出孔を割り当てる割り当て手段と、割り当てられた吐出孔の吐出量を設定する吐出量設定手段と、上記割り当てられた吐出孔と設定された吐出量とから1回目及び2回目の主走査の描画データを生成する描画データ生成手段と、上記1回目及び2回目の主走査における2つの描画データを用いて、1回目の主走査を行い、副走査方向移動を行った後に2回目の主走査を行って線パターンの描画を行う駆動制御手段とを有しているものである。
それゆえ、線幅及び線ピッチ、並びに膜厚を独立して精度良く制御し得る線の描画方法を提供することができるという効果を奏する。
(a)は本発明における線の描画方法の実施の一形態を示すものであって、1回目の主走査にて線の半分又はそれを超える幅を描画する方法を示す平面図であり、(b)は1回目の主走査による描画の後、吐出孔の位置を副走査方向に一定量移動させて、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画する方法を示す平面図である。 (a)は上記線の描画方法を実施するためのインクジェット描画装置の構成を示す斜視図であり、(b)は本発明におけるインクジェット描画装置の制御部の構成を示すブロック図である。 (a)は線描画を1回の主走査にて行う場合を示す平面図であり、(b)は線描画を1回の主走査にて行った場合の液滴を示す断面図であり、(c)は線描画を2回の主走査にて行う場合における1回目の主走査を示す平面図であり、(d)は線描画を2回の主走査にて行う場合における2回目の主走査を示す平面図であり、(e)は線描画を2回の主走査にて行った場合の液滴を示す断面図である。 (a),(b)は、2回目の主走査により少なくとも残りの幅を描画する場合に、1回目の主走査にて線の半分又はそれを超える幅を描画して一方のエッジを形成した吐出孔と同一の吐出孔を用いて描画して他方のエッジを形成する方法を示す平面図である。 (a),(b)は、等間隔の線パターンを描画する場合に、隣接する線における互いに対向するエッジを同一の吐出孔を用いて描画して形成する方法を示す平面図である。 (a),(b)は、各1種目線の線間隔に上記各2種目線を、該2種目線のエッジが該1種目線のエッジに一致するように描画する方法を示す平面図である。 従来の線パターンの描画方法を示す平面図である。 従来の他のパターンの描画方法を示す平面図である。 (a)〜(f)は、従来のさらに他のパターンの描画方法を示す平面図である。
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
本実施の形態のインクジェット描画装置20の構成について、図2(a)に基づいて説明する。図2(a)はインクジェット描画装置20の外観を示す斜視図である。
本実施の形態のインクジェット描画装置20は、図2(a)に示すように、基体21の上側に、基板としての被描画基板22を載置する移動手段としての基板設置台23を備えており、この基板設置台23は、上記被描画基板22を載置した状態で主走査方向であるY方向に等速移動できるようになっている。また、基体21の上側における両側端部には、スライド機構24・24が設けられており、このスライド機構24・24に跨って複数のインクジェットヘッド10を備えた移動手段としてのヘッドユニット25が設けられている。上記ヘッドユニット25は、スライド機構24・24に沿って、上記主走査方向であるY方向に移動できるようになっており、これによって、ヘッドユニット25は、基板設置台23上の被描画基板22の上方と基体21の端部に設けられたメンテナンス機構26との間で移動可能となっている。
上記ヘッドユニット25には移動手段としてのヘッドスライド機構27が設けられており、このヘッドスライド機構27によってインクジェットヘッド10が副走査方向であるX方向に自在に移動できるようになっている。
上記構成のインクジェット描画装置20にて等間隔の細線等の直線からなる線パターンを描画する線の描画方法についての基本的な考え方を、図3(a)〜(e)に基づいて説明する。図3(a)は線描画を1回の主走査にて行う場合を示す平面図であり、図3(b)は線描画を1回の主走査にて行った場合の液滴を示す断面図であり、図3(c)は線描画を2回の主走査にて行う場合における1回目の主走査を示す平面図であり、図3(d)は線描画を2回の主走査にて行う場合における2回目の主走査を示す平面図であり、図3(e)は線描画を2回の主走査にて行った場合の液滴を示す断面図である。
まず、等間隔の線パターンを描画するに際して、線幅及び線間隔が等しくなっていることが重要であるが、線ピッチと吐出孔ピッチとを一致させると、所望の線幅を描画するための位置に吐出孔が存在しないことになる。つまり、等ピッチの吐出孔配列では、線幅にも線ピッチにも吐出孔を対応させることが困難である。また、吐出孔ピッチを最適化するためにインクジェットヘッド10における吐出孔列を副走査方向に対して傾けた場合には、着弾の早い部分と遅い部分とによって、描画された同一線内で膜厚の差が生じてしまう。
具体的には、図3(a)に示すように、1回の主走査で描画する場合では、インクジェットヘッド10のノズル列の副走査方向に対する傾きによって着弾に僅かな時間差が生じてしまう。僅かでも先に着弾した方にインクが偏るので、図3(b)に示すように、液滴の膜厚にむらが生じる。
したがって、線幅及び線ピッチを任意に設定可能な線及び線間隔からなる線パターンを描画する場合に、吐出孔ピッチを線ピッチに一致させ、吐出周波数又は主走査方向の移動速度を制御して1回の主走査にて描画すると、線幅及び膜厚の制御が困難になる。
そこで、本実施の形態では、1回目の主走査にて線の幅の一部を描画し、上記吐出孔の位置を副走査方向に一定量移動させて、その後に、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画する。
すなわち、図3(c)(d)に示すように、一つの線1を2回の主走査に分けて描画することによって、図3(e)に示すように、膜厚のむらが軽減される。また、1回目の主走査と2回目の主走査との間で描画を重ね合わせることによって、より均一な膜厚の線パターンを描画することができるようになる。
このように、本実施の形態では、2回の主走査にて1本の線を描画することによって、線幅と線ピッチとを任意に独立して設定することが可能となる。また、膜厚が均一な線を描画することが容易となる。
尚、吐出孔の位置を副走査方向に一定量移動させるときの機械的誤差は、上述した吐出孔間における誤差等に比べると無視し得る程度に小さい。
ところで、1回目の主走査にて線1の一部の幅を描画した場合には、2回目の主走査では、本来であれば、残りの線幅を描画することで足りる。この場合、何の誤差も生じない場合には、1回目の主走査にて線1の一部の幅と2回目の主走査にて残りの線幅を描画した場合には、両境界は一致するはずである。しかし、誤差が存在する場合には、線の中央に隙間ができる虞もある。
そこで、本実施の形態では、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画するので、残りの幅を超えて描画することができる。これによって、1回目の主走査にて描画された線幅と2回目の主走査にて描画された残りの線幅とをオーバーラップさせることができる。したがって、線1の中央に隙間ができることを防止することができる。
したがって、線幅及び線ピッチ、並びに膜厚を独立して精度良く制御し得る線の描画方法を提供することができる。
また、本実施の形態の線の描画方法では、1回目の主走査では線1の半分又はそれを超える幅を描画することが好ましい。すなわち、1回目の主走査と2回目の主走査との描画の線幅は膜厚の均一性の観点からそれぞれ等量であることが好ましい。つまり、1回目の主走査にて描画するときの線幅は、多すぎても少なすぎても好ましくない。そこで、1回目の主走査と2回目の主走査との描画の線幅をそれぞれ半分又はそれを少し超える幅、つまり略半分とすることによって、膜厚が一方のエッジに偏らず、均一な線を描画することができる。
上記の線の描画方法を具体的に行うために、本実施の形態のインクジェット描画装置20では、制御手段としての制御部が設けられている。この制御部の構成について、図2(b)に基づいて説明する。図2(b)はインクジェット描画装置20の制御部30の構成を示すブロック図である。
図2(b)に示すように、上記制御部30は、図示しないCPUからなっており、分割手段としての分割部31と、移動距離設定手段としての移動距離設定部32と、割り当て手段としての割り当て部33と、吐出量設定手段としての吐出量設定部34と、描画データ生成手段としての描画データ生成部35と、駆動制御手段としての駆動制御部36とを有している。
上記分割部31は、描画する線パターンを、1回目の主走査にて描画する部分と2回目の主走査にて描画する部分とに分割する。上記移動距離設定部32は、副走査方向の移動距離を設定する。上記割り当て部33は、1回目の主走査にて描画する部分と2回目の主走査にて描画する部分とのそれぞれに対応するインクジェットヘッド10の後述する吐出孔11を割り当てる。上記吐出量設定部34は、割り当てられた吐出孔11の吐出量を設定する。上記描画データ生成部35は、割り当てられた吐出孔11と設定された吐出量とから1回目及び2回目の主走査の描画データを生成する。上記駆動制御部36は、1回目及び2回目の主走査における2つの描画データを用いて、1回目の主走査を行い、副走査方向移動を行った後に2回目の主走査を行って線パターンの描画を行う。
ここで、本実施の形態では、上記の一つの線1を2回の主走査に分けて描画するという描画方法に基づいて、線パターンの描画における線幅及び線ピッチの精度、及び描画時間をさらに高めるために、以下の各種の線の描画方法を採用している。以下、具体的に説明する。
〔実施例1:等間隔の線パターンを描画する場合の描画方法〕
上記構成のインクジェット描画装置20にて、等間隔の線パターンを描画する線の描画方法について、図1(a)(b)に基づいて説明する。ここで、図1(a)は1回目の主走査にて線の半分又はそれを超える幅を描画する方法を示す平面図であり、(b)はその後、吐出孔の位置を副走査方向に一定量移動させて、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画する方法を示す平面図である。尚、本明細書に添付の図面においては、インクジェットヘッド10における直線状に並んだ複数の吐出孔11を黒丸にて記載すると共に、インクを吐出する吐出孔11については、黒丸の周りに同心円を付して表現している。
本実施例では、等間隔の線パターンを描画するときには、一本の線を2回の主走査に分けて描画すると共に、1回目の主走査にて線1の左側のエッジを描画した後、2回目の主走査に際して、できるだけ副走査方向への移動量が少ない吐出孔11を選択して線1の右側のエッジを描画するようになっている。
まず、図1(a)に示すように、1回目の主走査にて線1の半分又はそれを超える幅である左幅部分Lを描画する。尚、本実施例では線1の半分でもよいが、線1の半分を超える方が好ましい。
このためには、例えば、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(1)・ノズル(2)にて線1における第1線1a(図1(a)(b)において左側の線)の左幅部分Lを描画し、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(7)・ノズル(8)にて線1における第2線1b(図1(a)(b)において右側の線)の左幅部分Lを描画する。尚、このとき、インクジェットヘッド10の各吐出孔11のノズル(1)・ノズル(2)及びノズル(7)・ノズル(8)のピッチが各第1線1a及び第2線1bの各左幅部分Lの線幅に一致するように、インクジェットヘッド10がその主走査方向に対して傾斜して調整されるものとなっている。
次いで、第1線1a及び第2線1bの各左幅部分Lの描画が終了すると、図1(b)に示すように、インクジェットヘッド10を左方向に副走査移動させる。これにより、本実施の形態においては、最も小さいインクジェットヘッド10の副走査移動によって、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(3)・ノズル(4)にて線1における第1線1aの右幅部分Rを描画し、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(9)・ノズル(10)にて線1における第2線1bの右幅部分Rを描画する。
したがって、本実施例では、吐出孔11のノズル(1)・ノズル(2)を用いて1回目の主走査にて線1の左側のエッジを描画した後、2回目の主走査に際して、これらノズル(1)・ノズル(2)に最も近いノズル(3)・ノズル(4)を選択して線1の右側のエッジを描画している。
この結果、副走査方向の移動量が少ないので、副走査方向への移動を含めた線1の描画時間を短縮することができる。
また、本実施例の線の描画方法では、1回目の主走査にて線1の半分又はそれを超える幅を描画して一方のエッジを形成し、吐出孔11の位置を副走査方向に一定量移動させて、その後に、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画して他方のエッジを形成する。これにより、線1の一方のエッジと他方のエッジとを精度良く描画することができるので、確実に、線幅及び線ピッチを精度良く制御することができる。尚、膜厚は、吐出周波数又は吐出回数、主走査方向への移動速度にて調整が可能である。
さらに、本実施例の線の描画方法では、インクジェットヘッド10における吐出孔列の方向を主走査方向の垂直方向に対して傾斜させる。そして、1回目の主走査の方向と2回目の主走査の方向とを互いに逆向きにし、かつ各主走査においては、線の幅の一部を複数の吐出孔11を用いて描画する。そのときに、複数の吐出孔11のうち進行方向先頭側の吐出孔11にて線パターンのエッジを形成する。具体的には、本実施例では、図1(a)(b)に示すように、吐出孔11のノズル(1)・ノズル(2)を用いて1回目の主走査にて線1の左側のエッジを描画した後、2回目の主走査に際して、これらノズル(1)・ノズル(2)に最も近いノズル(3)・ノズル(4)を選択して線1の右側のエッジを描画している。このとき、2回目の主走査は、1回目の主走査とは逆向きに走査する。ここで、本実施例では、図1(a)において、吐出孔列の方向が主走査方向の垂直方向に対して右上上がりに傾斜している。この結果、1回目の主走査においては、複数の吐出孔11であるノズル(1)・ノズル(2)のうち進行方向先頭側の吐出孔11であるノズル(1)にて線パターンの左エッジを形成する。次いで、1回目の主走査とは逆向きである2回目の主走査においては、複数の吐出孔11であるノズル(3)・ノズル(4)のうち進行方向先頭側の吐出孔11であるノズル(4)にて線パターンの右エッジを形成する。
これにより、1回目の主走査において、線パターンの左エッジを形成する部分の吐出孔11のノズル(1)からのインクはその隣接部分を形成する吐出孔11のノズル(2)からのインクよりも先に基板に着弾することになる。また、2回目の主走査において、線パターンの右エッジを形成する部分の吐出孔11のノズル(4)からのインクはその隣接部分を形成する吐出孔11のノズル(3)からのインクよりも先に基板に着弾することになる。
この結果、図3(a)(b)に示す線パターンのエッジを形成する部分がその隣接部分に寄せられて線パターンのエッジの位置精度が低下するのを、回避することができる。
〔実施例2:線パターンの線幅を一定にする場合の描画方法〕
線パターンの線幅を一定にするときの線の描画方法について、図4(a)(b)に基づいて説明する。図4(a)は1回目の主走査にて線の左幅部分Lを描画する方法を示す平面図であり、図4(b)は2回目の主走査にて線の右幅部分Rを描画する方法を示す平面図である。
すなわち、インクジェットヘッド10の吐出孔11間で吐出曲がりや着弾ヨレ等に起因して描画誤差が生じる。そこで、これを防止して、線パターンの線幅を一定にするときには、図4(a)に示すように、まず、1回目の主走査にて線1の半分又はそれを超える幅である左幅部分Lを描画する。このためには、例えば、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(1)・ノズル(2)にて線1における第1線1a(図4(a)(b)において左側の線)の左幅部分Lを描画し、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(7)・ノズル(8)にて線1における第2線1b(図4(a)(b)において右側の線)の左幅部分Lを描画する。
次いで、第1線1a及び第2線1bの各左幅部分Lの描画が終了すると、図4(b)に示すように、インクジェットヘッド10を右方向に副走査移動させる。これにより、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(1)・ノズル(2)にて線1における第1線1aの右幅部分Rを描画し、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(7)・ノズル(8)にて線1における第2線1bの右幅部分Rを描画する。すなわち、実施例2では、一本の線1における左右のエッジを同一の吐出孔11を用いて形成する。具体的には、第1線1aについてノズル(1)・ノズル(2)にて描画し、第2線1bについてはノズル(7)・ノズル(8)にて描画する。
このように、本実施例では、例えば第1線1aについて、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画するときには、1回目の主走査にて第1線1aの半分又はそれを超える幅を描画して一方のエッジである左幅部分Lを形成した吐出孔11である吐出孔ノズル(1)・ノズル(2)と同一の吐出孔11である吐出孔ノズル(1)・ノズル(2)を用いて描画して他方のエッジである右幅部分Rを形成する。
これにより、線パターンにおいて精度を求める部分を同一の吐出孔11を用いて描画する。具体的には、線の両エッジである左幅部分L及び右幅部分Rを同一の吐出孔11を用いて描画することによって、吐出孔固有の吐出バラつき、つまり着弾誤差が線幅に与える影響を相殺して精度の高い線幅を形成することが可能となる。したがって、線幅を一定にすることができる。
〔実施例3:線パターンの線間隔を一定にする場合の描画方法〕
線パターンの線間隔を一定にするときの線の描画方法について、図5(a)(b)に基づいて説明する。図5(a)は1回目の主走査にて線の左幅部分Lを描画する方法を示す平面図であり、図5(b)は2回目の主走査にて線の右幅部分Rを描画する方法を示す平面図である。
線パターンの線間隔を一定にするときには、図5(a)に示すように、まず、1回目の主走査にて線1の半分又はそれを超える幅である左幅部分Lを描画する。このためには、例えば、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(1)・ノズル(2)にて線1における第1線1a(図5(a)(b)において左側の線)の左幅部分Lを描画し、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(7)・ノズル(8)にて線1における第2線1b(図5(a)(b)において右側の線)の左幅部分Lを描画する。
次いで、第1線1a及び第2線1bの各左幅部分Lの描画が終了すると、図5(b)に示すように、インクジェットヘッド10を左方向に副走査移動させる。これにより、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(7)・ノズル(8)にて線1における第1線1aの右幅部分Rを描画する。
このように、実施例3の線の描画方法では、線パターンの隣接する線1である第1線1a及び第2線1bにおける互いに対向するエッジである右幅部分R及び左幅部分Lを同一の吐出孔11を用いて描画して形成する。具体的には、第1線1aにおける右幅部分R及び第2線1bにおける左幅部分Lを同一のノズル(7)・ノズル(8)にて描画する。
これにより、着弾誤差が開口部幅に与える影響を相殺でき、線パターンの隣接する線1・1における互いに対向するエッジの精度が向上する。したがって、線間隔を一定にすることができる。
〔実施例4:等間隔の1種目線からなる線パターンの線間隔に一致させて等間隔の2種目線からなる線パターンを描画する場合の描画方法〕
等間隔の1種目線(1種目の線)からなる線パターンの線間隔に一致させて等間隔の2種目線(2種目の線)からなる線パターンを描画する方法について、図6(a)(b)に基づいて説明する。図6(a)は1種目線を1回目及び2回目の主走査にて描画する方法を示す平面図であり、図6(b)は1種目線を1回目及び2回目の主走査にて描画する方法を示す平面図である。
まず、1種目の線を描画するときには、図6(a)に示すように、1回目の主走査において、線1の半分又はそれを超える幅である左幅部分Lを描画する。このためには、例えば、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(1)にて線1における第1線1a(図6(a)(b)において左側の線)の左幅部分Lを描画し、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(7)にて線1における第2線1b(図6(a)(b)において右側の線)の左幅部分Lを描画する。
次いで、1種目の第1線1a及び第2線1bの各左幅部分Lの描画が終了すると、図6(b)に示すように、インクジェットヘッド10を左方向に副走査移動させる。これにより、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(7)にて1種目の第1線1aの右幅部分Rを描画する。すなわち、実施例4では、1種目の隣接する第1線1a及び第2線1bにおける互いに対向する左右のエッジを同一の吐出孔11であるノズル(7)にて描画する。
次に、2種目の線2を描画するときには、図6(b)に示すように、1回目の主走査において、線2の半分又はそれを超える幅である左幅部分Lを描画する。このためには、例えば、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(7)にて線2における左幅部分Lを描画する。次いで、2種目の線2における左幅部分Lの描画が終了すると、図6(b)に示すように、インクジェットヘッド10を右方向に副走査移動させる。これにより、インクジェットヘッド10における各吐出孔11を構成するノズル(7)にて2種目の線2の右幅部分Rを描画する。すなわち、実施例4では、1種目の隣接する第1線1a及び第2線1bにおける互いに対向する左右のエッジを同一の吐出孔11であるノズル(7)にて描画すると共に、2種目の線2における両側のエッジも同一の吐出孔11であるノズル(7)にて描画する。
このように、等間隔の1種目線1からなる線パターンの線間隔に、等間隔の2種目線2からなる線パターンを描画する場合がある。この場合には、1種目線1の境界線と2種目線2の境界線とを精度良く一致させる必要がある。
そこで、この場合には、隣接する1種目線1・1の互いに対向する各エッジを1回目の主走査及びに2回目の主走査にて同一の吐出孔11を用いて描画し、2種目線2の一方のエッジと他方のエッジとを、1回目の主走査及びに2回目の主走査にて、1種目線の互いに対向するエッジを描画した吐出孔11と同一の吐出孔11を用いて描画する。
これにより、各線の重ね合わせ部分である境界部分つまり4つの境界部分を同一の吐出孔11を用いてエッジ形成するので、吐出孔固有の吐出バラつきを相殺して精度の高いエッジを形成することが可能となる。したがって、高精度に等間隔の1種目線1…からなる線パターンの線間隔に一致させて等間隔の2種目線2…からなる線パターンを描画することができる。
尚、上記の実施例4では、等間隔の1種目線からなる線パターンの線間隔に一致させて等間隔の2種目線からなる線パターンを描画する方法について説明したが、1種目線と2種目線とを重ね合わせて描画することも可能である。
この場合には、各1種目線1及び各2種目線2の一方の各エッジを1回目の各主走査にてそれぞれ同一の吐出孔を用いて描画すると共に、各1種目線1及び各2種目線2の他方の各エッジを2回目の各主走査にてそれぞれ同一の吐出孔を用いて描画する。
これにより、各線の重ね合わせ部分である境界部分つまり4つの境界部分を同一の吐出孔を用いてエッジ形成するので、吐出孔固有の吐出バラつきを相殺して精度の高いエッジを形成することが可能となる。したがって、高精度に等間隔の1種目線からなる線パターンと2種目線からなる線パターンとの各エッジを一致させて、高精度に両者を重ね合わせて描画することができる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、直線状に並んだ複数の吐出孔を有するインクジェットヘッドを用いて等間隔の線パターンを描画する線の描画方法及びインクジェット描画装置に適用することができる。
1 線
1a 第1線(線)
1b 第2線(線)
2 線
10 インクジェットヘッド
11 吐出孔
20 インクジェット描画装置
21 基体
22 被描画基板
23 基板設置台(移動手段)
24 スライド機構
25 ヘッドユニット(移動手段)
26 メンテナンス機構
27 ヘッドスライド機構(移動手段)
30 制御部(制御手段)
31 分割部(分割手段)
32 移動距離設定部(移動距離設定手段)
33 割り当て部(割り当て手段)
34 吐出量設定部(吐出量設定手段)
35 描画データ生成部(描画データ生成手段)
36 駆動制御部(駆動制御手段)
L 左幅部分
R 右幅部分
X 副走査方向
Y 主走査方向

Claims (16)

  1. 直線状に並んだ複数の吐出孔を有するインクジェットヘッドを用いて等間隔の線パターンを描画する線の描画方法において、
    1回目の主走査にて線の幅の一部を描画し、上記吐出孔の位置を副走査方向に一定量移動させて、その後に、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画することを特徴とする線の描画方法。
  2. 前記1回目の主走査では線の半分又はそれを超える幅を描画することを特徴とする請求項1記載の線の描画方法。
  3. 前記1回目の主走査にて線の半分又はそれを超える幅を描画して一方のエッジを形成し、上記吐出孔の位置を副走査方向に一定量移動させて、その後に、2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画して他方のエッジを形成することを特徴とする請求項2記載の線の描画方法。
  4. 前記インクジェットヘッドにおける吐出孔列の方向を主走査方向の垂直方向に対して傾斜させると共に、
    前記1回目の主走査の方向と2回目の主走査の方向とを互いに逆向きにし、かつ各主走査においては、前記線の幅の一部を複数の吐出孔を用いて描画し、そのときに上記複数の吐出孔のうち進行方向先頭側の吐出孔にて線パターンのエッジを形成することを特徴とする請求項3記載の線の描画方法。
  5. 前記2回目の主走査にて少なくとも残りの幅を描画するときには、前記1回目の主走査にて線の半分又はそれを超える幅を描画して一方のエッジを形成した吐出孔と同一の吐出孔を用いて描画して他方のエッジを形成することを特徴とする請求項3又は4記載の線の描画方法。
  6. 前記線パターンの隣接する線における互いに対向するエッジを同一の吐出孔を用いて描画して形成することを特徴とする請求項3又は4記載の線の描画方法。
  7. 前記等間隔の線パターンは、1種目線と2種目線との2種類の線からなっていると共に、
    上記各1種目線の線間隔に上記各2種目線を、該2種目線のエッジが該1種目線のエッジに一致するように描画するときには、
    隣接する1種目線の互いに対向する各エッジを1回目の主走査及びに2回目の主走査にて同一の吐出孔を用いて描画し、
    上記2種目線の一方のエッジと他方のエッジとを、1回目の主走査及びに2回目の主走査にて、上記1種目線の互いに対向するエッジを描画した吐出孔と同一の吐出孔を用いて描画することを特徴とする請求項3又は4記載の線の描画方法。
  8. 前記等間隔の線パターンは、1種目線と2種目線との2種類の線からなっていると共に、
    上記各1種目線と各2種目線とを重ね合わせて描画するときには、
    上記各1種目線及び各2種目線の一方の各エッジを1回目の各主走査にてそれぞれ同一の吐出孔を用いて描画すると共に、
    上記各1種目線及び各2種目線の他方の各エッジを2回目の各主走査にてそれぞれ同一の吐出孔を用いて描画することを特徴とする請求項3又は4記載の線の描画方法。
  9. 直線状に並んだ複数の吐出孔を有するインクジェットヘッドと、印刷対象となる基板に対してインクジェットヘッドを主走査方向及びそれに直交する副走査方向に相対的に移動させる移動手段と、基板に線パターンを描画させる制御手段とを備えたインクジェット描画装置において、
    上記制御手段は、
    描画する線パターンを、1回目の主走査にて描画する部分と2回目の主走査にて描画する部分とに分割する分割手段と、
    副走査方向の移動距離を設定する移動距離設定手段と、
    1回目の主走査にて描画する部分と2回目の主走査にて描画する部分とのそれぞれに対応するインクジェットヘッドの吐出孔を割り当てる割り当て手段と、
    割り当てられた吐出孔の吐出量を設定する吐出量設定手段と、
    上記割り当てられた吐出孔と設定された吐出量とから1回目及び2回目の主走査の描画データを生成する描画データ生成手段と、
    上記1回目及び2回目の主走査における2つの描画データを用いて、1回目の主走査を行い、副走査方向移動を行った後に2回目の主走査を行って線パターンの描画を行う駆動制御手段とを有していることを特徴とするインクジェット描画装置。
  10. 前記分割手段は、1回目の主走査で描画する部分の幅が、描画する線パターンの幅の半分又はそれを超える幅となるように線パターンを分割することを特徴とする請求項9記載のインクジェット描画装置。
  11. 前記分割手段は、1回目の主走査で描画する部分が線パターンの一方のエッジを形成し、2回目の主走査にて描画する部分が他方のエッジを形成するように線パターンを分割することを特徴とする請求項10記載のインクジェット描画装置。
  12. 前記インクジェットヘッドは、吐出孔列の方向が主走査方向の垂直方向に対して傾斜して設けられていると共に、
    前記駆動制御手段は、1回目の主走査の方向と2回目の主走査の方向とを互いに逆向きにし、かつ各主走査においては、前記線の幅の一部を複数の吐出孔を用いて描画させ、そのときに上記複数の吐出孔のうち進行方向先頭側の吐出孔にて線パターンのエッジを形成させることを特徴とする請求項11記載のインクジェット描画装置。
  13. 前記割り当て手段は、2回目の主走査にて線パターンのエッジを形成する部分を描画する吐出孔が、1回目の主走査にて同一の線パターンにおける他方のエッジを形成する部分を描画する吐出孔と同一になるように、割り当てることを特徴とする請求項11又は12記載のインクジェット描画装置。
  14. 前記割り当て手段は、隣接する線パターンの互いに対向する2本のエッジを形成する部分を描画する吐出孔が同一になるように割り当てることを特徴とする請求項11又は12記載のインクジェット描画装置。
  15. 前記等間隔の線パターンは、1種目線と2種目線との2種類の線からなっていると共に、
    前記割り当て手段は、
    上記各1種目線の線間隔に上記各2種目線を、該2種目線のエッジが該1種目線のエッジに一致するように描画するときには、隣接する1種目線の互いに対向する各エッジを形成する部分を描画する吐出孔が同一となるように吐出孔を割り当て、かつ、上記2種目線の一方のエッジと他方のエッジとを形成する部分を描画する吐出孔が、上記1種目線の互いに対向するエッジを形成する部分を描画した吐出孔とも同一になるように割り当てることを特徴とする請求項11又は12記載のインクジェット描画装置。
  16. 前記等間隔の線パターンは、1種目線と2種目線との2種類の線からなっていると共に、
    前記割り当て手段は、
    上記1種目線と2種目線とを重ね合わせて描画するときには、上記各1種目線及び各2種目線の一方の各エッジを、1回目の各主走査にて形成する部分を描画する吐出孔がそれぞれ同一になるように割り当て、かつ上記各1種目線及び各2種目線の他方の各エッジを、2回目の各主走査にて形成する部分を描画する吐出孔が上記1回目の主走査にてエッジを形成する部分を描画した吐出孔と同一になるように割り当てることを特徴とする請求項11又は12記載のインクジェット描画装置。
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