JP2014098312A - エアインレットダクト構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】分離した液滴の飛散を防止して、空気中の液滴を集めることができるエアインレットダクト構造を提供する。
【解決手段】このエアインレットダクト構造1は、外部から空気を取り込むエアインレットダクト構造であって、流路方向Qが湾曲する湾曲部3aを有する筒状のダクト本体3と、湾曲部3aの内壁5の凸側において流路方向Qに沿って形成された排水溝7とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばエンジンの吸気のための空気をエンジンコンパートメント(以後、エンコパと呼ぶ)の外部から取り込むために使用可能なエアインレット(エアインテークとも呼ぶ)ダクトの構造に関する。
特許文献1には、エアインテークダクト(以後、ダクトと呼ぶ)の後面において、ダクトの空気導入口との対向部分に湾曲部が形成されると共に逆V字形状のリブが複数本上下方向に沿って適宜間隔で配設されたダクト構造が開示されている。
この構造では、液滴を含んだ空気がダクトの空気導入口から導入されると、空気が湾曲部に衝突して、空気中の液滴が湾曲部に付着することで、空気と液滴とが分離される。分離された空気は、ダクト内を流れてエンジン側に導入される。他方、湾曲部に付着した液滴は、リブを伝って水溜まり部に導入されて排水される。
特開2000−168375号公報
しかしながら、特許文献1では、ダクトの後面に逆V字形状のリブが形成されるので、ダクト内に導入した空気がリブに衝突して、リブに付着した液滴を飛散させて再浮上させるという問題や、リブが空気の流れを阻害して吸気圧損を上昇させるという問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、分離した液滴の飛散を防止して、空気中の液滴を集めることができるエアインレットダクト構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のエアインレットダクト構造は、外部から空気を取り込むエアインレットダクト構造であって、前記エアインレットダクト構造の内部において空気中に含まれる液滴が凝縮する液滴凝縮部と、前記エアインレットダクト構造の内壁に形成されて前記液滴凝縮部にて凝縮された液滴を集める液滴捕集部と、を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、エアインレットダクト構造の内部に形成された液滴凝縮部にて凝縮した液滴をエアインレットダクト構造の内壁に形成された液滴捕集部に集めるので、液滴の再浮上による飛散を抑制することができる。
また、本発明のエアインレットダクト構造は、上記に記載のエアインレットダクト構造であって、流路方向が湾曲する湾曲部を有する筒状のダクト本体と、前記湾曲部の内壁の凸側において流路方向に沿って形成された排水溝と、を備えることを特徴とする。
一般に、空気が湾曲部を流れると、空気中の液滴は、遠心力により湾曲部の凸側に飛ばされる。上記の構成によれば、湾曲部の内壁(液滴凝縮部)の凸側において流路方向に沿って排水溝(液滴捕集部)が形成されるので、その排水溝により、遠心力により湾曲部の凸側に飛ばされた空気中の液滴を効率良く集めることができる。これにより、空気中の液滴を従来のようにリブを用いずに直接に排水溝に集めるので、液滴の飛散を防止でき、且つ、ダクト本体を流れる空気の吸気圧損の上昇を防止できる。
以上より、分離した液滴の飛散を防止すると共に吸気圧損の上昇を防止して、空気中の液滴を集めることができる。
また、本発明のエアインレットダクト構造は、上記に記載のエアインレットダクト構造であって、前記排水溝には、前記排水溝の内部と前記ダクト本体の外部とを連通する排水孔が形成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、排水溝には、排水溝の内部とダクト本体の外部とを連通する排水孔が形成されるので、排水溝に集められた液滴を、液滴の自重を利用して排水孔からダクト本体の外部に排水できる。
また、本発明のエアインレットダクト構造は、上記に記載のエアインレットダクト構造であって、前記排水溝の開口面を部分的に被覆する仕切り壁を更に備え、前記排水孔は、前記仕切り壁の後側に配置されることを特徴とする。
上記の構成によれば、排水孔は、排水溝の開口面を部分的に被覆する仕切り壁の後側に配置されるので、その仕切り壁により、外部の空気が排水孔を通じてダクト本体に浸入することを抑制できる。
また、本発明のエアインレットダクト構造は、上記に記載のエアインレットダクト構造であって、前記ダクト本体は、ダクト下部とダクト上部とにより分割構成され、前記ダクト下部の両側の縁部において外側に張り出した第1フランジ部が形成されると共に、前記ダクト上部の両側の縁部において外側に張り出した第2フランジ部が形成され、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とが互いに組み付けられることで、前記ダクト下部と前記ダクト上部とが互いに組み付けられ、前記排水溝は、前記ダクト下部の内壁の縁部に形成され、前記ダクト下部と前記ダクト上部との組付状態で、前記第2フランジ部の基部が前記排水溝の開口面を部分的に被覆して配置し、前記第2フランジ部の基部が前記仕切り壁として機能することを特徴とする。
上記の構成によれば、ダクト本体をダクト下部とダクト上部とにより分割構成し、ダクト下部の縁部に排水溝を形成し、ダクト上部に形成した第2フランジ部の基部を仕切り壁として機能させるので、ダクト下部とダクト上部との分割構成を利用して、排水溝と仕切り壁とからなる迷路構造を製造容易な構造として構成できる。
また、本発明のエアインレットダクト構造は、上記に記載のエアインレットダクト構造であって、前記ダクト本体は床面を有し、前記排水溝は、前記床面において前記湾曲部の凸側の縁部に沿って形成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、排水溝は、ダクト本体の床面において湾曲部の凸側の縁部に沿って形成されるので、その排水溝により、遠心力により湾曲部の凸側に飛ばされて自重で落ちてくる空気中の液滴を効率良く集めることができる。
また、本発明のエアインレットダクト構造は、上記に記載のエアインレットダクト構造であって、筒状のダクト本体と、前記ダクト本体の内壁において流路方向に沿って設けられた翼形状のエアガイド部(液滴凝縮部)と、前記ダクト本体の内壁において前記エアガイド部の凹面側に形成された第1開口部および前記エアガイド部の凸面側に形成された第2開口部を有し、前記内壁の内部を通って前記第1開口部と前記第2開口部とを連通する連通路(液滴捕集部)と、を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、エアガイド部は翼形状に形成されるので、エアガイド部の凹面側では、流速が遅く気圧が高くなり、エアガイド部の凸面側では、流速が速く気圧が低くなる。そして、ダクト本体の内壁においてエアガイド部の凹面側に形成された第1開口部とエアガイド部の凸面側に形成された第2開口部とを、ダクト本体の内壁の内部を通って連通する連通路を備えるので、エアガイド部の凹面側と凸面側との気圧差により、エアガイド部の凹面側を流れる空気が、第1開口部から連通路を通じて第2開口部から排気される。これにより、エアガイド部の凹面側を流れる空気中の液滴を、第1開口部から連通路内に吸引して集めることができる。これにより、空気中の液滴を従来のようにリブを用いずに直接に連通路内に集めるので、液滴の飛散を防止でき、且つ、ダクト本体を流れる空気の吸気圧損の上昇を防止できる。
以上より、分離した液滴の飛散を防止すると共に吸気圧損の上昇を防止して、空気中の液滴を集めることができる。
また、エアガイド部の凹面側と凸面側との気圧差を利用して空気中の液滴を連通路内に吸引するので、液滴の質量が小さい場合でも、効果的に液滴を集めることができる。
また、本発明のエアインレットダクト構造は、上記に記載のエアインレットダクト構造であって、前記連通路は、前記第2開口部の手前で直交していることを特徴とする。
上記の構成によれば、連通路は、第2開口部の手前で直交しているので、第1開口部から連通路内に浸入した液滴の流れが当該直交箇所に衝突して妨げられて、液滴が第2開口部から流出することを抑制できる。
また、本発明のエアインレットダクト構造は、上記に記載のエアインレットダクト構造であって、前記連通路は、前記第1開口部からの一定区間が前記第1開口部の開口面に対して傾斜していることを特徴とする。
上記の構成によれば、連通路は、第1開口部からの一定区間が第1開口部の開口面に対して傾斜しているので、スムーズに、第1開口部から連通路内に液滴が浸入可能になる。
また、本発明のエアインレットダクト構造は、上記に記載のエアインレットダクト構造であって、前記第1開口部は、前記第2開口部よりも広いことを特徴とする。
上記の構成によれば、第1開口部は、第2開口部よりも広いので、第1開口部側で液滴が貯まり易くなり、第2開口部側では液滴が貯まり難くなり、第2開口部から液滴が流出することを抑制できる。
また、本発明のエアインレットダクト構造は、上記に記載のエアインレットダクト構造であって、前記連通路には、前記連通路の内部と前記ダクト本体の外部とを連通する排水孔が形成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、連通路には、連通路の内部とダクト本体の外部とを連通する排水孔が形成されるので、連通路に集められた液滴を、液滴の自重を利用して排水孔からダクト本体の外部に排水できる。
また、本発明のエアインレットダクト構造は、上記に記載のエアインレットダクト構造であって、前記ダクト本体は、ダクト下部とダクト上部とにより分割構成され、前記エアガイド部の上端部は、前記ダクト上部の内壁に固定され、前記連通路は、前記ダクト下部の内壁に凹部として形成され、前記ダクト下部と前記ダクト上部との組付状態で、前記凹部の深さの中間位まで前記エアガイド部の下端部が挿入され、前記エアガイド部の凹面と前記凹部の一側の内側面との間の隙間により前記第1開口部が形成され、前記エアガイド部の凸面と前記凹部の他側の内側面との間の隙間により前記第2開口部が形成され、前記凹部と前記エアガイド部とにより囲まれた空間により前記第1開口部と前記第2開口部とが連通されることを特徴とする。
上記の構成によれば、ダクト本体をダクト下部とダクト上部とにより分割構成し、エアガイド部の上端部をダクト上部の内壁に固定し、連通路をダクト下部の内壁に凹部として形成し、ダクト下部とダクト上部との組付状態で、凹部の深さの中間位までエアガイド部の下端部を挿入させることで、連通路を構成するので、ダクト下部とダクト上部との分割構成を利用して、連通路を製造容易な構造として構成できる。
本発明のエアインレットダクト構造によれば、分離した液滴の飛散を防止すると共に吸気圧損の上昇を防止して、空気中の液滴を集める。
本発明の実施形態に係るエアインレットダクト構造の一例を示す平面図である。 図1のII−II断面図である。 本発明の実施形態に係るエアインレットダクト構造を斜め下側から見た図である。 図1のエアガイド部の拡大図である。 図1の排水溝の拡大図である。 図1の連通路の拡大図である。 図1の連通路に液滴が貯まった状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
<構成説明>
図1は、本発明の実施形態に係るエアインレットダクト構造の一例を示す平面図である。図1は、ダクト上部を透かした状態で図示されている。図2は、図1のII−II断面図である。図3は、本発明の実施形態に係るエアインレットダクト構造を斜め下側から見た図である。図4は、図1のエアガイド部の拡大図である。図5は、図1の排水溝の拡大図である。図6は、図1の連通路の拡大図である。図7は、連通路に液滴が貯まった状態を示す図である。
この実施形態に係るエアインレットダクト構造1は、例えばエンジンの吸気のための空気をエンコパの外部から取り込むために使用可能なエアインレットダクト構造である。このエアインレットダクト構造1は、図1〜図3に示すように、ダクト本体3の湾曲部3aの内壁5の凸側に設けられた排水溝7、または、ダクト本体3の内壁5において翼形状のエアガイド部9の凹面9a側と凸面9b側とを連通して設けられた連通路11により、ダクト本体3内に導入された空気(新気)から液滴13を分離して集める機能を備えたものである。
このエアインレットダクト構造1は、ダクト本体3と、ダクト本体3の内部に設けられたエアガイド部9と、ダクト本体3の内壁5に設けられた排水溝7および連通路11を備えている。排水溝7および連通路11は、空気中の液滴13を集めるためのものである。
ダクト本体3は、空気が流れる流路方向Qが湾曲する湾曲部3aを有する筒状に形成されている。ここでは、ダクト本体3の一端開口部(即ち、空気導入口)3bは、例えば水平方向を向いて配置されており、ダクト本体3は、例えば一端開口部3bの直後から水平方向(例えば右側)に湾曲して形成されている。即ち、湾曲部3aは、例えば一端開口部3bの直後に配置している。なお、ダクト本体3の他端開口部(図示省略)は、空気を清浄するクリーナーを介してエンジンの吸気通路に接続されている。
また、ダクト本体3は、図2に示すように、例えば、ダクト本体3の幅方向(図2の左右方向)Pに平坦な床面5aと、幅方向Pにアーチ状に湾曲した天井面5bとを有している。ここでは、ダクト本体3は、床面5aを構成するダクト下部31と、天井面5bおよび両側の内側面5cを構成するダクト上部32とにより分割構成されている。なお、床面5a、天井面5bおよび両側の内側面5cにより、内壁5が構成されている。
ダクト下部31の両側の縁部には、図2に示すように、外側に張り出したフランジ部(第1フランジ部)31aが形成されている。また、ダクト上部32の両側の縁部(即ち、内側面5cの下部)にも、外側に張り出したフランジ部(第2フランジ部)32aが形成されている。ダクト下部31のフランジ部31aとダクト上部32のフランジ部32aとが互いに組み付けられることで、ダクト下部31とダクト上部32とは互いに組み付けられている。
また、ダクト本体3の内部(即ち内壁5)には、一端開口部3bから導入された空気の流れを整流するためのエアガイド部9が、流路方向Qに沿って設けられている。ここでは、エアガイド部9は、例えば一端開口部3b付近(即ち、湾曲部3a)に配置されている。
エアガイド部9は、図1および図4に示すように、翼形状に形成されている。即ち、エアガイド部9は、例えば、その一方の主面9b側に湾曲した板状に形成されている。ここでは、エアガイド部9の一方の主面(凸面)9bは、エアガイド部9の他方の主面(凹面)9aよりも大きく湾曲している。また、エアガイド部9の前縁9cは、例えば丸く形成され、エアガイド部9の後縁9dは、例えば尖った形に形成されている。これらの様に形成されることで、エアガイド部9では、凸面9b側では、相対的に空気の流れFの流速が大きくなって気圧が小さくなり、凹面9a側では、相対的に空気の流れFの流速が小さくなって気圧が大きくなる(この現象を翼理論と呼ぶ)。
また、エアガイド部9は、垂直姿勢に保たれ、且つ前縁9cが流路方向Qの上流側に向けられ、且つ流路方向Qに沿うように配置されている。エアガイド部9は、図2に示すように、その上端部9eがダクト本体3の天井面5bに達すると共にその下端部5fがダクト本体3の床面5aに達する高さに形成されている。エアガイド部9の上端部9eは、ダクト本体3の天井面5bに連結されている(ここでは、上端部9eは、天井面5bと一体的に形成されている)。ここでは、エアガイド部9は、上端部9eが天井面5bに連結されることで、ダクト本体3の内部に固定されるが、その代わりに、下端部5fが床面5aに連結されることで、ダクト本体3の内部に固定されてもよい。
また、エアガイド部9の厚さdは、上端部9eから下端部5fへ行くほど薄くなるように形成されている。これにより、ダクト本体3の天井面5b側の空気が、エアガイド部9の側面に沿ってスムーズにダクト本体3の床面5a側に誘導される。
排水溝7は、湾曲部3aの凸側の内壁5において、流路方向Qに沿って、凹状に形成されている。ここでは、排水溝7は、床面5aにおいて湾曲部3aの凸側の縁部(即ち、ダクト下部31の内壁5の縁部)に沿って、一定の長さに形成されている。
排水溝7には、図3および図5に示すように、排水溝7の底面7aにおいて、排水溝7の内部とダクト本体3の外部とを連通する排水孔15が形成されている。これにより、排水溝7に集められた液滴13が、液滴13の自重により排水孔15からダクト本体の外部に排水される。
また、排水溝7には、図5に示すように、排水溝7の開口面を部分的に被覆する仕切り壁17が設けられている。ここでは、仕切り壁17は、排水溝7の開口面における幅方向Pの内側領域を露出して幅方向Pの外側領域を被覆して配置されている。
ここでは、仕切り壁17は、ダクト上部32のフランジ部32aにより構成されている。即ち、ここでは、ダクト上部32の内側面5cが排水溝7の開口領域の幅方向Pの中間位置まで内側に張り出すことで、ダクト上部32のフランジ部32aの基部が排水溝7の開口面を部分的に被覆しており、そのフランジ部32aの基部により仕切り壁17が構成されている。この仕切り壁17により、排水溝7が迷路構造となるように形成されている。そして、排水孔15は、仕切り壁17の後側(例えば排水溝7の底面7aにおける幅方向Pの外側、換言すれば、迷路構造の一番奥)に配置されている。
また、排水溝7における幅方向Pの内側の内側面7bは、傾斜されて形成されている。これにより、排水溝7の開口面から浸入した液滴13が排水溝7の奥側に浸入し易くなる。
連通路11は、図6に示すように、ダクト本体3の内壁5(ここでは床面5a)においてエアガイド部9の凹面9a側に形成された第1開口部11aおよびエアガイド部9の凸面9b側に形成された第2開口部11bを有しており、ダクト本体3の内壁5(ここでは床面5a)の内部を通って第1開口部11aと第2開口部11bとを連通して形成されている。
ここでは、連通路11は、エアガイド部9の下側の床面5aにおいて凹部として形成されており、その凹部の深さの中間位までエアガイド部9の下端部5fが挿入されている。そして、エアガイド部9の凹面9aと当該凹部の一側(凹面9a側)の内側面11cとの間の隙間により、第1開口部11aが形成されている。また、エアガイド部9の凸面9bと当該凹部の他側(凸面9b側)の内側面11dとの間の隙間により、第2開口部11bが形成されている。また、当該凹部の両側の内側面11c,11dおよび底面11eとエアガイド部9の下端部5f側の表面とにより囲まれた空間により、第1開口部11aと第2開口部11bとが連通されている。
また、連通路11は、例えば、エアガイド部9の長手方向(即ち流路方向Q)に沿って一定の長さ(例えばエアガイドの前縁9cから後縁9dまでの長さ)に拡幅されている。
また、連通路11には、連通路11の内部とダクト本体3の外部とを連通する排水孔19が形成されている。これにより、連通路11に集められた液滴13が、液滴13の自重により排水孔19からダクト本体の外部に排水される。ここでは、排水孔19は、連通路11の底面11eと内側面11cとに形成されている。
また、第1開口部11aは、第2開口部11bよりも広く形成されている。即ち、第1開口部11aにおける幅方向Pの間隔は、第2開口部11bにおける幅方向Pの間隔よりも大きく形成されている。これにより、連通路11では、図7に示すように、第1開口部11a側に液滴13が貯まり易くなって、底面11eおよび内側面11cの各々の排水孔19から液滴13が排水され易くなる一方、第2開口部11b側に液滴13が貯まり難くなって、第2開口部11bから液滴13が流出することが抑制される。
また、連通路11は、その底面11eが平坦に形成されると共に他側(凸面9b側)の内側面11dが鉛直に形成されている。即ち、連通路11は、第2開口部11bの手前で直交している。これにより、第1開口部11aから連通路11内に浸入した液滴13の流れが当該直交箇所に衝突して妨げられて、液滴13が第2開口部11bから流出することが抑制される。
また、連通路11は、一側の内側面11c(即ち、第1開口部11aからの一定区間)が、第1開口部11aの開口面に対して内側に傾斜して形成されている。これにより、スムーズに、第1開口部11aから連通路11内に液滴13が浸入可能になる。
<作用説明>
図1,図2,図5〜図7に基づいて、このエアインレットダクト構造1の作用を説明する。
このエアインレットダクト構造1では、ダクト本体3の一端開口部3bから導入された空気(新気)は、ダクト本体3に沿ってダクト本体3の他端開口部(図示省略)へと流れる。その際、ダクト本体3の湾曲部3aを流れる空気(例えば、図1を参照して、排水溝7とエアガイド部9との間を流れる空気)中の液滴13は、遠心力を受けて湾曲部3aの凸側に飛ばされて、湾曲部3aの内壁5の凸側に形成された排水溝7に集められる。
ここでは、排水溝7は、床面5aにおいて湾曲部3aの凸側の縁部に形成されているので、遠心力により湾曲部3aの凸側に飛ばされた空気中の液滴13が自重により降下して排水溝7内に集められて貯められる。その際、排水溝7の内側面7bは傾斜しているので、液滴13は排水溝7の奥側(即ち連通孔15側)へと容易に浸入する。
そして、排水溝7に集められた液滴13は、液滴13の自重により排水孔15を通じてダクト本体3の外部に排水される。また、連通孔15は、仕切り壁17の後側に配置する(即ち、迷路構造の奥側に配置する)ので、連通孔15を通じて外部の空気がダクト本体3に浸入することが抑制されている。
また、ダクト本体3の一端開口部3bから導入された空気(新気)は、エアガイド部9により整流されて、ダクト本体3の他端開口部(図示省略)へと流れる。その際、エアガイド部9は翼形状に形成されているので、翼理論によりエアガイド部9の凹面9a側と凸面9b側とで気圧差が発生し、この気圧差により、凹面9a側を流れる空気が順に第1開口部11a、連通路11および第2開口部11bを経由して凸面9b側へと流れる。この流れにより、空気中の液滴13は、連通路11内に集められて貯められる(即ち、気圧差により、空気中の液滴13が連通路11内に吸引される)。
その際、連通路11の一側の内側面11cは、第1開口部11aの開口面に対して内側に傾斜しているので、スムーズに、第1開口部11aから連通路11内に液滴13が浸入する(即ち、吸引される)。また、連通路11は、第2開口部11bの手前で直交しているので、第1開口部11aから連通路11に吸引された液滴13の流れが当該直交箇所に衝突して妨げられて、液滴13が第2開口部11bから流出することが抑制される。また、第1開口部11aは、第2開口部11bよりも広いので、第1開口部11a側では液滴13が貯まり易くなり、第2開口部11b側では液滴13が貯まり難くなり、第2開口部11bから液滴13が流出することが防止される。
そして、連通路11内に集められた液滴13は、液滴13の自重により排水孔19を通じてダクト本体3の外部に排水される。その際、排水孔7は、液滴13が貯まり易い底面11eおよび内側面11cに形成されるので、液滴13は、液滴13の自重によりスムーズに排水孔19から排水される。
<主要な効果>
以上のように構成されたエアインレットダクト構造1によれば、エアインレットダクト構造の内部において空気中に含まれる液滴が凝縮する液滴凝縮部(ここでは湾曲部3aの凸側の内壁5またはエアガイド部9)と、エアインレットダクト構造の内壁5に形成されて前記液滴凝縮部にて凝縮された液滴を集める液滴捕集部(ここでは排水溝7または連通路11)とを備えるので、前記液滴凝縮部にて凝縮した液滴を前記液滴捕集部に集めることができ、液滴の再浮上による飛散を抑制することができる。
また、湾曲部3aの内壁5の凸側において流路方向Qに沿って排水溝7が形成されるので、その排水溝7により、遠心力により湾曲部3aの凸側に飛ばされた空気中の液滴13を効率良く集めることができる。これにより、空気中の液滴13を従来のようにリブを用いずに直接に排水溝7に集めるので、液滴13の飛散を防止でき、且つ、ダクト本体3を流れる空気の吸気圧損の上昇を防止できる。
以上より、排水溝7により、分離した液滴13の飛散を防止すると共に吸気圧損の上昇を防止して、空気中の液滴13を集めることができる。
また、排水溝7は、ダクト本体3の床面5aにおいて湾曲部3aの凸側の縁部に沿って形成されるので、その排水溝7により、遠心力により湾曲部3aの凸側に飛ばされて自重で落ちてくる空気中の液滴13を効率良く集めることができる。
また、ダクト本体3をダクト下部31とダクト上部32とにより分割構成し、ダクト下部31の縁部に排水溝7を形成し、ダクト上部32に形成した第2フランジ部32aの基部を仕切り壁17として機能させるので、ダクト下部31とダクト上部32との分割構成を利用して、排水溝7と仕切り壁17とからなる迷路構造を製造容易な構造として構成できる。
また、エアガイド部9は翼形状に形成されるので、エアガイド部9の凹面9a側では、空気の流れの流速が小さく気圧が大きくなり、エアガイド部9の凸面9b側では、空気の流れの流速が大きく気圧が小さくなる。そして、ダクト本体3の内壁5においてエアガイド部9の凹面9a側に形成された第1開口部11aとエアガイド部9の凸面9b側に形成された第2開口部11bとを、ダクト本体3の内壁5の内部を通って連通する連通路11を備えるので、エアガイド部9の凹面9a側と凸面9b側との気圧差により、エアガイド部9の凹面9a側を流れる空気が、第1開口部11aから連通路11を通じて第2開口部11bから排気される。これにより、エアガイド部9の凹面9a側を流れる空気中の液滴13を、第1開口部11aから連通路11内に吸引して集めることができる。これにより、空気中の液滴13を従来のようにリブを用いずに直接に連通路11内に集めるので、液滴13の飛散を防止でき、ダクト本体3を流れる空気の吸気圧損の上昇を防止できる。
以上より、連通路11により、分離した液滴13の飛散を防止すると共に吸気圧損の上昇を防止して、空気中の液滴13を集めることができる。
また、連通路11では、エアガイド部9の凹面9a側と凸面9b側との気圧差を利用して空気中の液滴13を連通路11内に吸引するので、液滴の質量が小さい場合でも、効果的に液滴13を集めることができる。
また、ダクト本体3をダクト下部31とダクト上部32とにより分割構成し、エアガイド部9の上端部9eをダクト上部32の内壁5(ここでは天井面5b)に固定し、連通路11をダクト下部31の内壁5(ここでは床面5a)に凹部として形成し、ダクト下部31とダクト上部32との組付状態で、前記凹部の深さの中間位までエアガイド部9の下端部9fを挿入させることで、連通路11を構成するので、ダクト下部31とダクト上部32との分割構成を利用して、連通路11を製造容易な構造として構成できる。
<付帯事項>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は斯かる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
本発明に係るエアインレットダクト構造は、例えばエンジンの吸気のための空気をエンコパの外部から取り込むためのエアインレットダクト構造として最適である。
1 エアインレットダクト構造
3 ダクト本体
3a 湾曲部
5 内壁(液滴凝縮部)
5a 床面
7 排水溝(液滴捕集部)
9 エアガイド部(液滴凝縮部)
9a 凹面
9b 凸面
11 連通路(液滴捕集部)
11a 第1開口部
11b 第2開口部
15,19 排水孔
17 仕切り壁
31 ダクト下部
31a フランジ部(第1フランジ部)
32 ダクト上部
32a フランジ部(第2フランジ部)
Q 流路方向

Claims (12)

  1. 外部から空気を取り込むエアインレットダクト構造であって、
    前記エアインレットダクト構造の内部において空気中に含まれる液滴が凝縮する液滴凝縮部と、
    前記エアインレットダクト構造の内壁に形成されて前記液滴凝縮部にて凝縮された液滴を集める液滴捕集部と、
    を備えることを特徴とするエアインレットダクト構造。
  2. 請求項1に記載のエアインレットダクト構造であって、
    流路方向が湾曲する湾曲部を有する筒状のダクト本体と、
    前記湾曲部の内壁の凸側において流路方向に沿って形成された排水溝と、
    を備えることを特徴とするエアインレットダクト構造。
  3. 請求項2に記載のエアインレットダクト構造であって、
    前記排水溝には、前記排水溝の内部と前記ダクト本体の外部とを連通する排水孔が形成されることを特徴とするエアインレットダクト構造。
  4. 請求項2または3に記載のエアインレットダクト構造であって、
    前記排水溝の開口面を部分的に被覆する仕切り壁を更に備え、
    前記排水孔は、前記仕切り壁の後側に配置されることを特徴とするエアインレットダクト構造。
  5. 請求項4に記載のエアインレットダクト構造であって、
    前記ダクト本体は、ダクト下部とダクト上部とにより分割構成され、
    前記ダクト下部の両側の縁部において外側に張り出した第1フランジ部が形成されると共に、前記ダクト上部の両側の縁部において外側に張り出した第2フランジ部が形成され、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とが互いに組み付けられることで、前記ダクト下部と前記ダクト上部とが互いに組み付けられ、
    前記排水溝は、前記ダクト下部の内壁の縁部に形成され、
    前記ダクト下部と前記ダクト上部との組付状態で、前記第2フランジ部の基部が前記排水溝の開口面を部分的に被覆して配置し、前記第2フランジ部の基部が前記仕切り壁として機能することを特徴とするエアインレットダクト構造。
  6. 請求項2〜5の何れか1つに記載のエアインレットダクト構造であって、
    前記ダクト本体は床面を有し、
    前記排水溝は、前記床面において前記湾曲部の凸側の縁部に沿って形成されることを特徴とするエアインレットダクト構造。
  7. 請求項1に記載のエアインレットダクト構造であって、
    筒状のダクト本体と、
    前記ダクト本体の内壁において流路方向に沿って設けられた翼形状のエアガイド部と、
    前記ダクト本体の内壁において前記エアガイド部の凹面側に形成された第1開口部および前記エアガイド部の凸面側に形成された第2開口部を有し、前記内壁の内部を通って前記第1開口部と前記第2開口部とを連通する連通路と、
    を備えることを特徴とするエアインレットダクト構造。
  8. 請求項7に記載のエアインレットダクト構造であって、
    前記連通路は、前記第2開口部の手前で直交していることを特徴とするエアインレットダクト構造。
  9. 請求項7または8に記載のエアインレットダクト構造であって、
    前記連通路は、前記第1開口部からの一定区間が前記第1開口部の開口面に対して傾斜していることを特徴とするエアインレットダクト構造。
  10. 請求項7〜9の何れか1つに記載のエアインレットダクト構造であって、
    前記第1開口部は、前記第2開口部よりも広いことを特徴とするエアインレットダクト構造。
  11. 請求項7〜10の何れか1つに記載のエアインレットダクト構造であって、
    前記連通路には、前記連通路の内部と前記ダクト本体の外部とを連通する排水孔が形成されることを特徴とするエアインレットダクト構造。
  12. 請求項7〜11の何れか1つに記載のエアインレットダクト構造であって、
    前記ダクト本体は、ダクト下部とダクト上部とにより分割構成され、
    前記エアガイド部の上端部は、前記ダクト上部の内壁に固定され、
    前記連通路は、前記ダクト下部の内壁に凹部として形成され、
    前記ダクト下部と前記ダクト上部との組付状態で、前記凹部の深さの中間位まで前記エアガイド部の下端部が挿入され、前記エアガイド部の凹面と前記凹部の一側の内側面との間の隙間により前記第1開口部が形成され、前記エアガイド部の凸面と前記凹部の他側の内側面との間の隙間により前記第2開口部が形成され、前記凹部と前記エアガイド部とにより囲まれた空間により前記第1開口部と前記第2開口部とが連通されることを特徴とするエアインレットダクト構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019214990A (ja) * 2018-06-14 2019-12-19 トヨタ紡織株式会社 内燃機関の吸気ダクト
CN113775445A (zh) * 2021-08-16 2021-12-10 浙江零跑科技股份有限公司 一种带防水结构的引气管

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