JP2014097556A - 取付加工機および加工方法 - Google Patents

取付加工機および加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014097556A
JP2014097556A JP2012251368A JP2012251368A JP2014097556A JP 2014097556 A JP2014097556 A JP 2014097556A JP 2012251368 A JP2012251368 A JP 2012251368A JP 2012251368 A JP2012251368 A JP 2012251368A JP 2014097556 A JP2014097556 A JP 2014097556A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frame body
fixed frame
workpiece
processing machine
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012251368A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6025516B2 (ja
Inventor
Munekazu Suda
宗和 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2012251368A priority Critical patent/JP6025516B2/ja
Publication of JP2014097556A publication Critical patent/JP2014097556A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6025516B2 publication Critical patent/JP6025516B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】簡素且つ軽量で、据え付けおよび撤去が容易であり、汎用性が高く、大型の加工対象物を高い工作精度で切削加工できるようにする。
【解決手段】取付加工機1は、4本の辺部材5X,5Yが分解組み立て可能で、対向する2本の辺部材5Xの長手方向はX軸方向へ延在し、もう一方の対向する2本の辺部材5Yの長手方向はY軸方向へ延在し、4本の辺部材5X,5Yの各端部に設けられた垂直キーにより各辺部材5X、5Yの延在方向を維持して組み立てられて矩形の枠状を呈し、加工対象物に据え付けが可能な固定フレーム体5と、この固定フレーム体5のY軸方向に延び、X軸方向に沿って相対移動可能に取り付けられる可動フレーム体11と、この可動フレーム体11に、Y軸方向に沿って相対移動可能に取り付けられ、X軸方向とY軸方向により形成される面方向に対して直交するZ軸方向に加工工具を送ることができる加工機3とを具備してなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶や、大型構造物の壁面等、一般の切削機械を用いることができない大型の加工対象物、特に工場内での加工が不可能な、高所で足掛かりの無い大型な加工対象物等への加工を可能にした取付加工機および加工方法に関するものである。
大型タンクや圧力隔壁等、または船舶の船殻等に設けられるマンホール(ハッチ)および艤装部品を取り付ける開口部等の座面を平坦に切削する切削装置として、例えば特許文献1に開示されている座面加工機が知られている。
これは、円形の開口部の座面を囲む環状の受台を据え付け、この受台に取り付けられた刃物台を受台の円周方向に移動させながら座面を平坦に切削するように構成されている。
実開平2−15201号公報
上記の座面加工機は、例えば円形をしたマンホールの座面を切削することに特化したものであり、刃物台の軌跡が円形に限定されているために、他の形状の加工対象物を自由に切削加工することができず、しかも、マンホールの径に合わせて、それぞれ専用の直径の受台を用意しなければならないため、汎用性に欠けるものである。
その上、座面加工機の受台の直径が、加工しようとする開口部よりも大きくなければならず、これに加えて、切削加工時の反力により受台が変形して加工精度が低下することを防止するべく、受台を高剛性に、即ち厚肉且つ一体構造物として形成する必要があるため、受台だけでもかなりの高重量となり、その着脱作業が困難である。
特に、加工しようとする開口部が急角度な壁面状であったりすると、大型のクレーン設備と多数の作業者を動員して据え付けおよび撤去作業を行う必要が生じ、作業が困難で危険性も伴っていた。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、簡素且つ軽量で、据え付けおよび撤去が容易であり、汎用性が高く、大型の加工対象物を高い工作精度で加工することができる取付加工機および加工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る取付加工機は、4本の辺部材が分解組み立て可能に、且つ対向する2本の辺部材の長手方向は第1方向へ延在し、もう一方の対向する2本の辺部材の長手方向は前記第1方向と直交する第2方向へ延在し、前記4本の辺部材の各端部に設けられた直角維持手段により前記各辺部材の延在方向を維持しながら組み立てられて矩形の枠状を呈し、加工対象物に据え付けが可能な固定フレーム体と、前記固定フレーム体に対し、前記第2方向に延び、且つ前記第1方向に沿って相対移動可能に取り付けられる可動フレーム体と、前記可動フレーム体に対し、前記第2方向に沿って相対移動可能に取り付けられるとともに、前記第1方向と前記第2方向により形成される面方向に対して直交する第3方向に加工工具を送り移動することができる加工機と、を具備してなり、前記加工工具は、前記固定フレーム体に対する前記可動フレーム体の前記第1方向への相対移動と、前記可動フレーム体に対する前記加工機の前記第2方向への相対移動と、前記固定フレーム体の前記面方向に対して直交する前記第3方向への送り移動と、により、前記固定フレーム体の矩形形状の内側領域を3次元方向に移動して前記加工対象物に対して加工を行うことを特徴とする。
上記構成によれば、取付加工機を構成する最も大きな部品である固定フレーム体が4本の辺部材に分解・組立可能であるため、加工対象物の間近まで各々の辺部材を運搬し、現場で組み立てて固定フレーム体することが可能であるため、加工対象物までの交通や運搬の手段に制約がない。
しかも、固定フレーム体のサイズを大きくすれば、大型の加工対象物を加工することができ、且つ加工機の移動軌跡が円形等に限定されないため、加工対象物の形状も問わず、高い汎用性を発揮することができる。また、水平方向から垂直方向まで、設置角度を問わずに据え付け可能なため、工作の自由度を高めることができる。
なお、固定フレーム体のサイズを大きくすることで、基本的な部品構成を変えずに加工面積を拡張することが可能であるため、加工対象物の大きさに合せて固定フレーム体を選択することができ、さらに高い汎用性を発揮することができる。
また、本発明に係る取付加工機は、上記構成において、前記固定フレーム体は、所定の間隔で配置された複数の取付ブラケットを介して前記加工対象物に据え付けられ、前記取付ブラケットは、前記固定フレーム体と前記加工対象物との間の間隔寸法を微調整できる間隔寸法調整部を備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、固定フレーム体を加工対象物に据え付けてから、複数の取付ブラケットの間隔寸法調整部を個別に調整することにより、固定フレーム体の、加工対象物の加工予定面に対する平面度および直線度を出すことができる。したがって、加工対象物の据え付け面の精度に影響されることなく、固定フレーム体の精度、即ち加工対象物の加工精度を高めることができる。
しかも、上記のように固定フレーム体を加工対象物に据え付けてから固定フレーム体の平面度および直線度を出す取付工法を実現できるため、固定フレーム体を構成する4本の辺部材の組立精度を多少低下させても問題がない。このため、4本の辺部材を現場にて矩形の形状に組立てた後、速やかに加工対象物へ取付けることが可能で、運搬、据え付け、撤去に掛かる時間を短縮することができる。
また、本発明に係る取付加工機は、上記構成において、前記加工対象物に複数の溶接ピースが溶接され、前記溶接ピースに前記取付ブラケットがボルト止めされ、前記取付ブラケットに前記固定フレーム体がボルト止めされることを特徴とする。
上記構成によれば、加工対象物に溶接された複数の溶接ピースに取付ブラケットを介して固定フレーム体がボルト止めされるため、加工対象物に対する固定フレーム体の据え付け剛性を高めることができる。これにより、加工精度を高めることができる。複数の溶接ピースは、小形、軽量に製作できるため、その溶接作業を容易にし、固定フレーム体の据え付け撤去作業性を向上させることができる。
また、本発明に係る取付加工機は、上記構成において、前記固定フレーム体の完成形状と近似した形状をなし、前記固定フレーム体よりも軽量なモックアップを備え、前記モックアップは、前記取付ブラケットを介して前記溶接ピースを前記加工対象物の適正な位置に溶接するための溶接ピース位置決め穴を備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、モックアップの溶接ピース位置決め穴に取り付けられた複数の取付ブラケットに溶接ピースを固定し、これらの溶接ピースを加工対象物に対して一斉に接触させ、そのまま溶接することができる。このため、各溶接ピースを個別に位置決めして溶接するよりも格段に速く溶接作業を行うことができ、ひいては固定フレーム体の据え付け作業性を向上させることができる。
モックアップは、各溶接ピースを上記方法にて位置決めできればよく、格別高い精度は要求されないため、軽量且つ安価に形成することができ、再利用可能なため、運搬が容易で経済的である。
また、本発明に係る取付加工機は、上記構成において、前記複数の取付ブラケットの間のスパンにおいて、前記固定フレーム体と前記加工対象物との間に、前記加工時における前記固定フレーム体の振動を抑制するスタビライザが弾装されることを特徴とする。
上記構成によれば、固定フレーム体を加工対象物に固定する複数の取付ブラケットの間のスパンが長くて加工時の振動に共振し易い場合であっても、当該スパンにおける共振がスタビライザの弾装によって抑制されるので、共振に起因する加工不良や加工精度の低下を防止することができる。
また、本発明に係る取付加工機は、上記構成において、前記固定フレーム体の、前記可動フレーム体が移動可能に取り付けられる対向する平行な2本の辺部材に、それぞれラックギヤを長手方向に配設する一方、前記可動フレーム体の両端部に、前記ラックギヤに噛合するピニオンギヤと、このピニオンギヤを軸支するギヤ軸支部とを設け、さらに、前記可動フレーム体の中間部に駆動用モータと、この駆動用モータの駆動力を前記ギヤ軸支部に等速で分配する駆動力分配部とを設置し、前記駆動力分配部と前記ギヤ軸支部との間を接続して駆動力を前記ピニオンギヤに伝達する駆動力伝達部を、前記可動フレーム体の内部の長手方向に沿って配設したことを特徴とする。
上記構成によれば、駆動用モータの駆動力が、可動フレーム体の両端部に設けられた各ピニオンギヤに等速で分配され、各ピニオンギヤが固定フレーム体の対向する2本の辺部材に配設されたラックギヤに沿って同じ方向に転動する。このため、可動フレーム体の両端部が、それぞれ固定フレーム体の対向する2本の辺部材の長手方向に沿って同じタイミングで移動する。したがって、可動フレーム体が固定フレーム体の辺部材に対して傾斜する(かじる)心配がない。しかも、駆動用モータが1基で済むため、簡素且つ軽量で信頼性の高い構造により、可動フレーム体の傾斜を防止してスムーズな加工を可能にし、高い工作精度を得ることができる。
また、本発明に係る取付加工機は、上記構成において、この取付加工機が高所、且つ縦壁状の加工対象物に据え付けられる場合において、前記固定フレーム体の下辺に、作業員が立つことのできる足場が設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、作業員用の足場を別途設置する必要がないため、取付加工機の設置に関わる作業が容易になるとともに、足場を別体に設置する場合に比べて部品点数を削減することができる。さらに、取付加工機の位置に対して最も好適な位置に足場を設置できるため、加工時における作業員の作業性を良好にすることができる。
また、本発明に係る取付加工機は、上記構成において、前記足場は、前記加工機が前記加工対象物を切削加工した時に発生する切屑を受け止める形状であることを特徴とする。
上記構成によれば、例えば取付加工機を急角度な壁面状の加工対象物の高所に据え付けて切削加工を行う場合に、切屑が下方に落下することを防止し、下方に居る作業員の安全性を確保することができる。さらに、船舶上での切削加工時に、油分を含む切屑が海面に落下することを防止し、海洋環境の保全に貢献することができる。
また、本発明に係る加工方法は、上記構成の取付加工機を用いて加工対象物を加工するものであって、前記4本の辺部材と、前記可動フレーム体と、前記加工機とを、各々単体で前記加工対象物付近まで運搬し、これらを互いに組み立てて前記取付加工機を組み立てる取付加工機組立工程と、組み立てた前記取付加工機を前記加工対象物に据え付ける取付加工機据付工程と、前記加工機による加工を行う加工工程と、を備えてなることを特徴とする。
上記の加工方法によれば、取付加工機を構成する最も大きな部品である固定フレーム体を、分解された4本の辺部材の単体状態で、その各々を加工対象物付近に運搬してから組み立てることができる。このため、取付加工機の設置や撤去作業を容易にすることができる。そして、固定フレーム体のサイズを大きくすれば大型の加工対象物を切削できるため、汎用性の高い切削方法とすることができる。
また、本発明に係る加工方法は、上記の加工方法において、前記取付加工機据付工程の後段階で、前記固定フレーム体と前記加工対象物との間に介装される複数の取付ブラケットの間隔寸法調整部を個別に調整することにより、前記加工対象物に対する前記固定フレーム体の平面度を調整する平面度調整工程を、さらに備えていることを特徴とする。
上記の加工方法によれば、取付加工機を加工対象物に据え付けてから、複数の取付ブラケットの間隔寸法調整部を個別に調整することにより、固定フレーム体の平面度および直線度を出すことができる。したがって、加工対象物の据え付け面の精度に影響されることなく、固定フレーム体の精度、即ち加工対象物の加工精度を高めることができる。
また、本発明に係る加工方法は、上記の加工方法において、前記取付加工機据付工程の前段階で、前記固定フレーム体の完成形状と近似した形状をなし、前記固定フレーム体よりも軽量なモックアップに取付ブラケットを介して複数の溶接ピースを仮止めする溶接ピース仮止め工程と、前記モックアップを前記加工対象物にあてがい、前記複数の溶接ピースを前記加工対象物に溶接し、ボルトで取付ブラケットを溶接ピースに完全に固定する溶接ピース溶接工程と、前記加工対象物に溶接された前記溶接ピースおよび取付ブラケットを残してモックアップを取外すモックアップ取り外し工程と、をさらに備え、前記取付加工機据付工程においては、組み立てが完了した前記取付加工機を、前記取付ブラケットと前記溶接ピースとを介して前記加工対象物に据え付けることを特徴とする。
上記の加工方法によれば、モックアップを用いて複数の溶接ピースを加工対象物に対して一斉に位置決めし、そのまま溶接できるため、位置決め作業および溶接作業を迅速化して、固定フレーム体の据え付け作業性を向上させることができる。モックアップは、固定フレーム体のような強度を要求されないため、軽量に形成して運搬を容易にすることができ、安価で繰り返し使用可能であるため、経済的である。
以上のように、本発明によれば、取付加工機を構成する最も大きな部品である固定フレーム体が分解・組立可能であるため、その運搬および据え付け・撤去が容易であり、汎用性が高く、大型の加工対象物を高い工作精度で切削することができる。
本発明の実施形態に係る取付加工機の正面図である。 図1のII矢視による取付加工機の側面図である。 図1のIII矢視による取付加工機の平面図である。 可動フレーム体を拡大した正面図である。 図4のV-V線に沿う縦断面図である。 図5のVI部拡大図である。 図4のVII-VII線に沿う縦断面図である。 図4のVIII-VIII線に沿う横断面図である。 図2のIX部拡大図である。 図9のX矢視図である。 図3のXI部拡大図である。 図11のXII-XII線に沿う縦断面図である。 図12のXIII矢視図である。 足場の取着状況を示す取付加工機の側面図である。 (A)は溶接ピースおよび取付ブラケットの仮止め工程、(B)は溶接ピース溶接工程を示すモックアップの側面図である。 本発明の実施形態に係る溶接方法の各工程をフローチャートで示す図である。
以下、図1〜図6に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る取付加工機1の正面図であり、図2は側面図、図3は平面図である。
この取付加工機1は、例えば図2に示す船舶の船殻Vに大型の艤装部品を取り付けるための、壁面に設ける四角形の開口部Oの座面Wをミルユニット3(加工機)により平坦に切削するためのものであるが、研削やドリル穴あけ加工等、他の用途に適用してもよく、用途は特に限定されない。以下、船殻Vが加工対象物であるとして説明する。
取付加工機1は、矩形の枠状を呈する固定フレーム体5を主体にしている。この固定フレーム体5は、所定の間隔で配置された複数の取付ブラケット6を介して、開口部Oの座面Wを囲むように船殻Vに据え付けられる。固定フレーム体5の大きさは、例えば長手方向が5900mm、短手方向が3500mmである。以下の説明および各図では、長手方向(横方向)をX軸方向(第1方向)、短手方向(縦方向)をY軸方向(第2方向)、そして固定フレーム体5の面方向に対して直交する方向(図1で紙面に直交する方向)をZ軸方向(第3方向)と定義する。
固定フレーム体5は、4本の辺部材から構成されている。
即ち、X軸方向に延びる上下一対のX軸フレーム5Xと、Y軸方向に延びる左右一対のY軸フレーム5Yとが、それぞれ各々の端部連結部分で、垂直キー8(直角維持手段:図3参照)を用いて、X軸フレーム5XとY軸フレーム5Y間にガタ付きを生じることなく相互に容易に垂直となるように組み合わされ、複数本のボルト、ナット9により強固に連結されて分解・組立が可能となっている。
X軸フレーム5XとY軸フレーム5Yは、それぞれ鋼板によって角柱状、もしくはH断面型、チャンネル断面型の柱状に構成されている。垂直キー8とボルト・ナット9を用いてX軸フレーム5XとY軸フレーム5Yとを連結することにより、船上等の屋外でも確実に固定フレーム体5を組み立てることができる。
図4および図5にも示すように、固定フレーム体5の上下のX軸フレーム5Xに、Y軸方向に延びる可動フレーム体11が支持され、可動フレーム体11はX軸方向にスライド自在となっている。図6等に示すように、可動フレーム体11は、X軸フレーム5X、Y軸フレーム5Yと同様に鋼板によって函状且つ柱状に構成されている。
上下のX軸フレーム5Xの前面には、それぞれ走行用レール13が上下に2本ずつ敷設されている(図2、図4、図6参照)。また、上側のX軸フレーム5Xの上縁と、下側のX軸フレーム5Xの下縁には、それぞれラックギヤ14がX軸方向に沿って設置されている。図6および図4示すように、各X軸フレーム5Xの走行用レール13には、リニアベアリング15を介して平板状のX移動台16が取り付けられ、走行用レール13に沿って摺動自在となっている。そして、この上下のX移動台16に、可動フレーム体11の上下両端がボルト17で固定されている。このボルト17を取り外せば可動フレーム体11を固定フレーム体5から分離することができる。
図7、図8に示すように、中空状の可動フレーム体11の内部には、可動フレーム体11を走行用レール13に沿って(X軸方向に)移動させるX軸駆動装置20が内蔵されている。このX軸駆動装置20は、可動フレーム体11の両端部に設置されたベベルギヤユニット21(ギヤ軸支部)と、このベベルギヤユニット21に軸支されてX軸フレーム5Xのラックギヤ14に噛合するピニオンギヤ22と、可動フレーム体11の中間部に設置されたX軸駆動モータ23および減速機24(駆動力分配部)と、動力伝達軸25(駆動力伝達部)とを備えて構成されている。
減速機24は可動フレーム体11の内部に固定され、この減速機24にX軸駆動モータ23が固定されている。X軸駆動モータ23は例えばサーボモータであり、その回転軸(非図示)がZ軸方向に延びて減速機24に軸通している。なお、X軸駆動モータ23は可動フレーム体11の外部に突出してメンテナンスが容易になっている。また、動力伝達軸25は可動フレーム体11の内部の長手方向に沿って配設され、減速機24と上下のベベルギヤユニット21との間を接続している。
X軸駆動モータ23が起動すると、その駆動力が減速機24によって所定の減速比で減速され、動力伝達軸25を介してベベルギヤユニット21およびピニオンギヤ22に伝達される。これにより、上下のピニオンギヤ22が互いに異なる回転方向に回転し、X軸フレーム5Xのラックギヤ14に沿って同じ方向に転動する。このため、可動フレーム体11の両端部が、上下のX軸フレーム5Xの長手方向に沿って同じタイミングで移動する。なお、図1に示すように、上側のX軸フレーム5Xの上面にはフレキシブルケーブル26が配設されており、可動フレーム体11の位置に拘わらず、図示しない電源からX軸駆動モータ23に電力が供給されるようになっている。また、X軸駆動装置20はラック/ピニオン方式に拘ることなく、ボールネジ方式、プーリー/ベルト方式、滑車/ワイヤー方式など他方法でもよい。
このようなX軸駆動装置20としたことにより、可動フレーム体11が固定フレーム体5のY軸フレーム5Yに対して傾斜する(かじる)心配がない。しかも、駆動用モータが1基で済むため、簡素且つ軽量で信頼性の高い構造により、可動フレーム体11の傾斜を防止してスムーズな加工を可能にし、高い工作精度を得ることができる。
図1、図4、図5、図8に示すように、可動フレーム体11には、先述のミルユニット3(加工機)がY軸方向とZ軸方向に摺動自在に取り付けられている。なお、ミルユニット3の代わりに研削ユニットやドリルユニット等、他の種類の加工機を取り付けてもよい。ミルユニット3は、Z軸方向に沿う切削軸28を有し、この切削軸28の一端(船殻V側の端部)に回転カッタ29(加工工具)が取り付けられ、他端にドリブンプーリ30が取り付けられている。
ミルユニット3には切削用モータ31が搭載されており、この切削用モータ31の主軸に取り付けたドライブプーリ32と、切削軸のドリブンプーリ30との間に駆動ベルト33が巻装されている。切削用モータ31が起動すると、主軸の回転が所定の減速比で減速されて切削軸28を回転させ、回転カッタ29を駆動する。回転カッタ29は、ミルユニット3の側面に設けられた送りハンドル34を回転させることによってZ軸方向に所要量の送り量を与えるように移動することができる。なお、送りハンドル34の代わりに、あるいは送りハンドル34と共に、ハンドル34を駆動回転させる自動送り装置を設けてもよい。
図8に示すように、可動フレーム体11の側面には、2本の走行用レール38がY軸方向に沿って敷設されている。これらの走行用レール38には、リニアベアリング39を介して平板状のY移動台40が取り付けられ、走行用レール38に沿って摺動自在となっている。そして、このY移動台40にミルユニット3が複数のボルト41で固定されている。これらのボルト41を取り外せばミルユニット3を可動フレーム体11から分離することができるが、通常は可動フレーム体11と組み合わされた状態で運搬される。
図1、図4、図5、図8に示すように、可動フレーム体11の近傍には、ミルユニット3を可動フレーム体11の走行用レール38に沿って(Y軸方向に)移動させるY軸駆動装置44が設置されている。このY軸駆動装置44は、可動フレーム体11の両端部に設置された軸受部45と、これらの軸受部45に軸支されてY軸方向に沿う送りネジ軸46と、この送りネジ軸46を回転させるY軸駆動モータ47と、Y移動台40に固定されたボールネジ機構48とを備えて構成されている。ボールネジ機構48には送りネジ軸46が貫通している。このようなY軸駆動装置44のボールネジ方式は、X軸駆動装置20のラック/ピニオン方式と比較し、駆動装置の重量を低減できるとともに、重力方向となる垂直方向(Y軸方向)を移動する際の位置決め精度が確保できる。
Y軸駆動モータ47が起動すると、送りネジ軸46が回転してボールネジ機構48とミルユニット3がY軸方向に移動する。なお、図1、図4、図5に示すように、可動フレーム体11の、ミルユニット3側の側面にはフレキシブルケーブル49が配設されており、ミルユニット3の位置に拘わらず、図示しない電源から切削用モータ47に電力が供給されるようになっている。また、X軸方向、Y軸方向へは別途に図示しないティーチング装置により、可動範囲と送り速度を制御して駆動させる。
ミルユニット3の回転カッタ29は、固定フレーム体5に対する可動フレーム体11の相対移動(X軸方向への移動)と、可動フレーム体11に対するミルユニット3の相対移動(Y軸方向への移動)と、回転カッタ29自体のZ軸方向への送りとにより、固定フレーム体5の矩形形状の内側領域を3次元方向(X,Y,Z軸の3方向)に移動して船殻Vに対して切削加工を行うことができる(図5参照)。
このため、加工対象物である船殻V(図2参照)の表面形状や、開口部Oおよびその座面Wの形状による制約を受けることなく、自由に切削加工することができる。特に、平坦な切削加工のみならず、段差を形成する加工や、穴を開けるような加工にも対応することができる。
この取付加工機1を加工対象物である船殻Vに取り付ける時には、まず、図2、図9、図10に示すように、船殻Vに複数の溶接ピース52が溶接される。これらの溶接ピース52は、例えば長方形の鋼板からなる小片であり、その面方向が船殻Vの表面に対して直角になるように溶接される。上側の溶接ピース52には縦に2つのボルト穴が形成され、下側の溶接ピース52には縦に3つのボルト穴が形成されている。なお、この溶接時には後述するモックアップ85および取付ブラケット6を使って位置決めしながら溶接が行われる。
そして、これらの溶接ピース52に先述の取付ブラケット6が固定ボルト55で固定され、この取付ブラケット6に固定フレーム体5のX軸フレーム5Xが固定ボルト56で固定される。図9および図10に示すように、取付ブラケット6は、溶接ピース52に重ねられて固定ボルト55で締結される縦板状の加工物側締結板60と、この加工物側締結板60に対して直角に溶接され、X軸フレーム5Xにあてがわれて固定ボルト56で締結されるフレーム側締結板62と、これら両締結板60,62の間を補強する一対の補強片63とから形成されている。
本実施形態では、固定フレーム体5を構成するX軸フレーム5XとY軸フレーム5Yのうち、特に可動フレーム体11を支持する必要上、高い取付剛性が必要なX軸フレーム5Xのみが、上下それぞれ3個ずつ、合計6個の取付ブラケット6を介して船殻Vに固定され、Y軸フレーム5Yには取付ブラケット6が設けられていない。これによって取付ブラケット6の数量を必要最小限にし、構成を簡素化することができる。但し、更に大きなサイズを加工するものや、加工速度や加工量などからY軸方向にさらに強度が必要なものはY軸フレーム5Yに取付ブラケット6を追加設置してもよい。
また、図9に示すように、下側の取付ブラケット6には、そのフレーム側締結板62の下縁に水平なアジャスト板66が溶接され、ここに下方から螺合された高さ調整ボルト67を締めたり緩めたりすることによって、取付ブラケット6に対する固定フレーム体5の高さを上下に微調整することができる。
さらに、取付ブラケット6には、間隔寸法調整部として、4本の間隔調整ボルト68がフレーム側締結板62の四隅に螺合されている。図9に示すように、側面視で縦に2本並ぶ間隔調整ボルト68の間に、固定フレーム体5への締結用のボルト56が通されている。図10に示す、加工対象である船殻V壁面の加工予定面と固定フレーム体5との間の間隔寸法Dは、4本の間隔調整ボルト68を締め込むと大きくなり、緩めると小さくなるため、間隔寸法Dを微調整することができる。この微調整の時にはボルト56を緩めておくか、間隔調整ボルト68の回転と同時に逆方向に回転させる必要がある。
以上のように構成された取付加工機1は、その大元をなす固定フレーム体5がX軸フレーム5XとY軸フレーム5Yの端部連結部分で垂直キー8を用いて、各々の連結部にガタ付きを生じることなく相互に容易に垂直となるように組み合わされ、複数本のボルト、ナット9により強固に連結され、分解・組立が可能である。
そのため、船殻Vに固定フレーム体5を据え付ける時には、X軸フレーム5XとY軸フレーム5Yとを加工対象物(船殻V)付近に単独で運搬して来て、これらを一旦固定フレーム体5として組立て、それに可動フレーム体11を取付てから船殻Vに取り付けることができる。撤去時には逆に固定フレーム体5(含む可動フレーム体11)を取り外し、X軸フレーム5XとY軸フレーム5Y及び可動フレーム体11を個々に取り外して分解して運搬することができる。
したがって、大きな固定フレーム体5(含む可動フレーム体11)を丸ごと運搬しなくてもよく、簡素且つ軽量な構成により、据え付けおよび撤去作業を容易にすることができる。
しかも、固定フレーム体5のサイズを大きくすれば、大型の加工対象物を切削することができ、且つミルユニット3の移動軌跡が円形等に限定されないため、加工対象物の形状も問わず、高い汎用性を発揮することができる。また、固定フレーム体5はX水平方向から垂直方向まで、設置角度を問わずに据え付け可能なため、工作の自由度を高めることができる。
なお、固定フレーム体5のサイズを大きくすることで、基本的な部品構成を変えずに切削面積を拡張することが可能であるため、加工対象物の大きさに合せて最適な固定フレーム体5を選択することができ、さらに高い汎用性を発揮することができる。
そして、このように構成された固定フレーム体5が、所定の間隔で配置された複数の取付ブラケット6を介して船殻Vに据え付けられ、各取付ブラケット6には固定フレーム体5と船殻Vとの間の間隔寸法Dを微調整できる間隔調整ボルト68が設けられているため、固定フレーム体5を船殻Vに据え付けてから、複数の取付ブラケット6の間隔調整ボルト68を個別に調整することにより、固定フレーム体5(X軸フレーム5X)の、船殻Vの加工予定面に対する平面度および直線度を出すことができる。したがって、船殻Vの据え付け面の精度に影響されることなく、固定フレーム体5の精度、即ち加工対象物の加工精度を高めることができる。
しかも、上記のように固定フレーム体5を加工対象物(船殻V)に据え付けてから固定フレーム体5の平面度および直線度を出す取付工法を採用できるため、固定フレーム体5を構成するX軸フレーム5XとY軸フレーム5Yの組立精度を多少低下させても問題がない。このため、X軸フレーム5XとY軸フレーム5Yを現場にて矩形の形状に組立てた後、速やかに加工対象物へ取付けることが可能であり、運搬、据え付け、撤去に掛かる時間を短縮することができる。
さらに、船殻Vに複数の溶接ピース52を溶接し、この溶接ピース52にボルト55で固定した取付ブラケット6に、固定フレーム体5をボルト56で締結する固定構造としたため、船殻Vに対する固定フレーム体5の据え付け剛性を高めることができる。即ち、船殻V自体が固定フレーム体5の剛性を保つ補強部材となる。これにより、切削加工時における反力によって固定フレーム体5(X軸フレーム5X)が反ることを防止し、加工精度を高めることができる。複数の溶接ピース52は、小形、軽量に製作できるため、その溶接作業を容易にし、固定フレーム体5の据え付け撤去作業性を向上させることができる。
ところで、図3に示すように、固定フレーム体5のX軸フレーム5Xを船殻Vに取り付けている複数の取付ブラケット6の間で、X軸フレーム5Xと船殻Vとの間にスタビライザ71を弾装し、切削加工時におけるX軸フレーム5Xの振動(共振)を抑制するとよい。
スタビライザ71は、例えば図11〜図13に示すように、鋼板で形成した1組の面板72の間を、H型断面をなす連結板73によって連結し、その一方の面板72の四隅に、面板72の内側から外側に向かってスタビライザボルト74が螺合された構成である。
このようなスタビライザ71を船殻VとX軸フレーム5Xとの間に挿入し、スタビライザボルト74を締め込むことによって、スタビライザ71を弾装(突っ張らせて装着)すれば、X軸フレーム5Xにおける取付ブラケット6間のスパンが長い場合であっても、各取付ブラケット6の間におけるX軸フレーム5Xの共振を効果的に抑制することができ、共振に起因する加工不良や加工精度の低下を阻止することができる。
一方、この取付加工機1が高所、且つ縦壁状の加工対象物に据え付けられる場合には、図14に示すように、該固定フレーム体5の下辺、つまり下側のX軸フレーム5Xに、作業員が立つことのできる足場78が設置される。この足場78は、下側のX軸フレーム5Xに設けられた下方に延びる足場固定ステー79(図1も参照)と、この足場固定ステー79から手前側(反加工対象物側)に延びる足場プレート80と、この足場プレート80の自由端から起立するフェンス81(手摺)とを備えて構成されている。足場プレート80は、取付加工機1の傾斜角度θに合せて適切な調整冶具を挿入することで、水平に調整できるようになっている。
このような足場78を取付加工機1に設ければ、作業員用の足場を別途設置する必要がなくなるため、取付加工機1の設置に関わる作業が容易になるとともに、足場78を別体に設置する場合に比べて部品点数を削減することができる。さらに、取付加工機1の位置に対して最も好適な位置に足場78を設置できるため、加工時における作業員の作業性を良好にすることができる。
この足場78は、ミルユニット3が加工対象物を切削する時に発生する切屑を受け止める形状であることが望ましい。即ち、足場プレート80は軽量化のため網板(エキスパンドメタル)のような多孔状のものとするが、足場プレート80の上に特殊な防護シートを展張するなどして落下した切屑が残留できるようにする。また、足場プレート80のみを、図14に示す位置から、より加工対象物側に延長してもよい。さらに、図示しない吸引装置を付設して、足場プレート80の上に落下した切屑を吸引するようにしてもよい。
このように、切削加工時に発生する切屑を足場78で受け止めることにより、例えば取付加工機1を急角度な壁面状の加工対象物の高所に据え付けて切削加工を行う場合に、切屑が下方に落下することを防止し、下方に居る作業員の安全性を確保することができる。さらに、船舶の上での切削加工時に、油分を含む切屑が海面に落下することを防止し、海洋環境の保全に貢献することができる。
図15は、前述した溶接ピース52を船殻V等の加工対象物に仮止めして溶接する際に用いられる固定フレーム体5のモックアップ85である。このモックアップ85は、固定フレーム体5の完成形状と近似した形状を有し、固定フレーム体5よりも軽量に構成されている。
このモックアップ85は、図2、図9、図10に示すように、固定フレーム体5において取付ブラケット6が固定される位置と合致する位置に、取付ブラケット位置決め穴86が設けられている。この取付ブラケット位置決め穴86は、取付ブラケット6のフレーム側締結板62(図9、図10参照)の、ボルト56が挿通されるボルト穴と同じ間隔で穿設されている。
溶接ピース52を船殻Vに溶接する時には、まず、図15(A)のように、モックアップ85の各取付ブラケット位置決め穴86に取付ブラケット6をボルト56を介して固定し、次いで溶接ピース52をボルト55で締結して仮止めする。次に、溶接ピース52が仮止めされたモックアップ85を図示しないクレーン等で吊り上げて船殻Vの所定位置にあてがう。この時には各溶接ピース52が船殻Vに突き当てられる。そして、図15(B)のように、各溶接ピース52を船殻Vに溶接して本固定する。
このようなモックアップ85を用いて溶接ピース52を位置決めし、船殻Vに溶接すれば、複数の溶接ピース52を一斉に船殻Vに位置決めし、そのまま溶接することができる。このため、各溶接ピース52を個別に位置決めして溶接するよりも格段に速く溶接作業を行うことができ、ひいては固定フレーム体5の据え付け作業性を向上させることができる。
モックアップ85は、その各取付ブラケット位置決め穴86に取付ブラケット6をボルト56を介して固定し、次いで溶接ピース52を位置決めできればよく、格別高い精度は要求されないため、鋼鉄に限らず、アルミニウム合金やCFRP、木材等によって軽量で運搬が容易なものとすることができ、且つ安価で再利用可能なため、経済的である。
図16は、本発明の実施形態に係る溶接方法の各工程をフローチャートで示す図である。
まず、ステップS1で、モックアップ85に取付ブラケット6をボルト56で固定し、次いで溶接ピース52をボルト55で仮止めする(溶接ピース仮止め工程)。
次に、ステップS2で、溶接ピース52を加工対象物である船殻Vに溶接し、ボルト55で取付ブラケット6を完全に固定する(溶接ピース溶接工程)。
次に、ステップS3で、船殻Vに溶接した溶接ピース52および取付ブラケット6を残してモックアップを取外す(モックアップ取り外し工程)。
次に、ステップS4で、X軸フレーム5X、Y軸フレーム5Y、可動フレーム体11、ミルユニット3等を、各々単体で船殻V付近まで運搬し、互いに連結および固定して取付加工機1を組み立てる(取付加工機組立工程)。
次に、ステップS5で、ステップS4にて組み立てた取付加工機1を取付ブラケット6に固定して船殻Vに据え付ける(取付加工機据付工程)。
次に、ステップS6で、各取付ブラケット6の間隔調整ボルト68の締め込み具合を調整して、固定フレーム体5の平面度を調整する(平面度調整工程)。
次に、ステップS7で切削加工を行う(切削加工工程)。
切削加工が完了したら、最後にステップS8で、取付加工機1を分解し、撤去する(分解・撤去工程)。
上記切削方法によれば、取付加工機1を構成する最も大きな部品である固定フレーム体5を、分解された4本のX,Y軸フレーム5X,5Yの単体状態で、その各々を加工対象物である船殻V付近に運搬してから組み立てることができる。このため、取付加工機1の設置や撤去作業を容易にすることができる。そして、固定フレーム体5のサイズを大きくすれば大型の加工対象物を切削できるため、汎用性の高い切削方法とすることができる。
また、このように加工対象物に固定フレーム体5を据え付けた後で、各取付ブラケット6の間隔寸法を個別に調整することにより、固定フレーム体5の平面度を調整するので、加工対象物の据え付け面の精度に影響されることなく、固定フレーム体5の精度、即ち加工対象物の加工精度を高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。例えば、取付加工機1の大きさや、固定フレーム体5の縦横比等は、任意に設定することができる。また、言うまでもなく、加工対象物は船殻Vに限らず、幅広い物に応用することができる。
1 取付加工機
3 ミルユニット(切削加工機)
5 固定フレーム体
5X X軸フレーム(辺部材)
5Y Y軸フレーム(辺部材)
6 取付ブラケット
8 垂直キー(直角維持手段)
11 可動フレーム体
14 ラックギヤ
21 ベベルギヤユニット(ギヤ軸支部)
22 ピニオンギヤ
23 X軸駆動モータ(駆動用モータ)
24 減速機(駆動力分配部)
25 動力伝達軸(駆動力伝達部)
29 回転カッタ(加工工具)
52 溶接ピース
68 間隔調整ボルト(間隔寸法調整部)
71 スタビライザ
78 足場
85 モックアップ
86 溶接ピース位置決め穴
D 固定フレーム体と加工対象物との間の間隔寸法
S1 溶接ピース仮止め工程
S2 溶接ピース溶接工程
S3 モックアップ取り外し工程
S4 取付加工機組立工程
S5 取付加工機据付工程
S6 平面度調整工程
S7 切削加工工程
S8 分解・撤去工程
V 船殻(加工対象物)
X 軸方向(第1方向)
Y 軸方向(第2方向
Z 軸方向(第3方向)

Claims (11)

  1. 4本の辺部材が分解組み立て可能に、且つ対向する2本の辺部材の長手方向は第1方向へ延在し、もう一方の対向する2本の辺部材の長手方向は前記第1方向と直交する第2方向へ延在し、前記4本の辺部材の各端部に設けられた直角維持手段により前記各辺部材の延在方向を維持しながら組み立てられて矩形の枠状を呈し、加工対象物に据え付けが可能な固定フレーム体と、
    前記固定フレーム体に対し、前記第2方向に延び、且つ前記第1方向に沿って相対移動可能に取り付けられる可動フレーム体と、
    前記可動フレーム体に対し、前記第2方向に沿って相対移動可能に取り付けられるとともに、前記第1方向と前記第2方向により形成される面方向に対して直交する第3方向に加工工具を送り移動することができる加工機と、を具備してなり、
    前記加工工具は、
    前記固定フレーム体に対する前記可動フレーム体の前記第1方向への相対移動と、
    前記可動フレーム体に対する前記加工機の前記第2方向への相対移動と、
    前記固定フレーム体の前記面方向に対して直交する前記第3方向への送り移動と、により、前記固定フレーム体の矩形形状の内側領域を3次元方向に移動して前記加工対象物に対して加工を行うことを特徴とする取付加工機。
  2. 前記固定フレーム体は、所定の間隔で配置された複数の取付ブラケットを介して前記加工対象物に据え付けられ、
    前記取付ブラケットは、前記固定フレーム体と前記加工対象物との間の間隔寸法を微調整できる間隔寸法調整部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の取付加工機。
  3. 前記加工対象物に複数の溶接ピースが溶接され、
    前記溶接ピースに前記取付ブラケットがボルト止めされ、
    前記取付ブラケットに前記固定フレーム体がボルト止めされることを特徴とする請求項2に記載の取付加工機。
  4. 前記固定フレーム体の完成形状と近似した形状をなし、前記固定フレーム体よりも軽量なモックアップを備え、
    モックアップは、前記取付ブラケットを介して前記溶接ピースを前記加工対象物の適正な位置に溶接するための溶接ピース位置決め穴を備えていることを特徴とする請求項3に記載の取付加工機。
  5. 前記複数の取付ブラケットの間のスパンにおいて、前記固定フレーム体と前記加工対象物との間に、前記加工時における前記固定フレーム体の振動を抑制するスタビライザが弾装されることを特徴とする請求項2に記載の取付加工機。
  6. 前記固定フレーム体の、前記可動フレーム体が移動可能に取り付けられる対向する平行な2本の辺部材に、それぞれラックギヤを長手方向に配設する一方、
    前記可動フレーム体の両端部に、前記ラックギヤに噛合するピニオンギヤと、このピニオンギヤを軸支するギヤ軸支部とを設け、
    さらに、前記可動フレーム体の中間部に駆動用モータと、この駆動用モータの駆動力を前記ギヤ軸支部に等速で分配する駆動力分配部とを設置し、
    前記駆動力分配部と前記ギヤ軸支部との間を接続して駆動力を前記ピニオンギヤに伝達する駆動力伝達部を、前記可動フレーム体の内部の長手方向に沿って配設したことを特徴とする請求項1に記載の取付加工機。
  7. 前記取付加工機が高所、且つ縦壁状の加工対象物に据え付けられる場合において、
    前記固定フレーム体の下辺に、作業員が立つことのできる足場が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の取付加工機。
  8. 前記足場は、前記加工機が前記加工対象物を切削加工した時に発生する切屑を受け止める形状であることを特徴とする請求項7に記載の取付加工機。
  9. 請求項1に記載の取付加工機を用いて加工対象物を加工する加工方法であって、
    前記4本の辺部材と、前記可動フレーム体と、前記加工機とを、各々単体で前記加工対象物付近まで運搬し、これらを互いに組み立てて前記取付加工機を組み立てる取付加工機組立工程と、
    組み立てた前記取付加工機を前記加工対象物に据え付ける取付加工機据付工程と、
    前記加工機による加工を行う加工工程と、
    を備えてなることを特徴とする加工方法。
  10. 前記取付加工機据付工程の後段階で、
    前記固定フレーム体と前記加工対象物との間に介装される複数の取付ブラケットの間隔寸法調整部を個別に調整することにより、
    前記加工対象物に対する前記固定フレーム体の平面度を調整する平面度調整工程を、さらに備えていることを特徴とする請求項9に記載の加工方法。
  11. 前記取付加工機据付工程の前段階で、
    前記固定フレーム体の完成形状と近似した形状をなし、前記固定フレーム体よりも軽量なモックアップに取付ブラケットを介して複数の溶接ピースを仮止めする溶接ピース仮止め工程と、
    前記モックアップを前記加工対象物にあてがい、前記複数の溶接ピースを前記加工対象物に溶接し、ボルトで取付ブラケットを溶接ピースに完全に固定する溶接ピース溶接工程と、
    前記加工対象物に溶接された前記溶接ピースおよび取付ブラケットを残してモックアップを取外すモックアップ取り外し工程と、をさらに備え、
    前記取付加工機据付工程においては、組み立てが完了した前記取付加工機を、前記取付ブラケットと前記溶接ピースとを介して前記加工対象物に据え付けることを特徴とする請求項9または10に記載の加工方法。
JP2012251368A 2012-11-15 2012-11-15 取付加工機および加工方法 Active JP6025516B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012251368A JP6025516B2 (ja) 2012-11-15 2012-11-15 取付加工機および加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012251368A JP6025516B2 (ja) 2012-11-15 2012-11-15 取付加工機および加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014097556A true JP2014097556A (ja) 2014-05-29
JP6025516B2 JP6025516B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=50940018

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012251368A Active JP6025516B2 (ja) 2012-11-15 2012-11-15 取付加工機および加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6025516B2 (ja)

Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3935788A (en) * 1974-09-23 1976-02-03 Multi Fab. Inc. Portable milling tool
JPS52118482U (ja) * 1976-03-04 1977-09-08
JPS5817931U (ja) * 1981-07-29 1983-02-03 豊田工機株式会社 三次元測定機
JPH03239438A (ja) * 1990-02-15 1991-10-25 Miyagawa Kogyo Kk 金属加工機械
JPH0411012Y2 (ja) * 1986-09-05 1992-03-18
JPH11326329A (ja) * 1998-04-03 1999-11-26 Roche Diagnostics Gmbh 前立腺特異的抗原の定量のための免疫学的方法
JPH11336329A (ja) * 1998-05-28 1999-12-07 Nippon Steel Corp 搬送台車における構造物の倒れ防止接合構造及び構造物の芯出し据え付け装置
JP2002079431A (ja) * 2000-09-07 2002-03-19 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 平板加工機
JP2002273629A (ja) * 2001-03-15 2002-09-25 Kitamura Mach Co Ltd Xyz駆動式の加工装置
JP2006269509A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Nsk Ltd 位置決め装置
JP2008023698A (ja) * 2007-03-27 2008-02-07 Sumitomo Heavy Ind Ltd ステージ装置
JP2009041194A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Ohmoto Gumi Co Ltd 杭用仮設足場
JP4445372B2 (ja) * 2004-10-27 2010-04-07 株式会社ナベヤ 物品の形状測定装置
JP2011214383A (ja) * 2010-03-16 2011-10-27 Marubeni Construction Material Lease Co Ltd 再利用可能なブラケット、ブラケットの取付構造及び方法
JP2012172496A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Crs Corp 被覆防食パネル及び該被覆防食パネルを使用した護岸工事方法

Patent Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3935788A (en) * 1974-09-23 1976-02-03 Multi Fab. Inc. Portable milling tool
JPS52118482U (ja) * 1976-03-04 1977-09-08
JPS5817931U (ja) * 1981-07-29 1983-02-03 豊田工機株式会社 三次元測定機
JPH0411012Y2 (ja) * 1986-09-05 1992-03-18
JPH03239438A (ja) * 1990-02-15 1991-10-25 Miyagawa Kogyo Kk 金属加工機械
JPH11326329A (ja) * 1998-04-03 1999-11-26 Roche Diagnostics Gmbh 前立腺特異的抗原の定量のための免疫学的方法
JPH11336329A (ja) * 1998-05-28 1999-12-07 Nippon Steel Corp 搬送台車における構造物の倒れ防止接合構造及び構造物の芯出し据え付け装置
JP2002079431A (ja) * 2000-09-07 2002-03-19 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 平板加工機
JP2002273629A (ja) * 2001-03-15 2002-09-25 Kitamura Mach Co Ltd Xyz駆動式の加工装置
JP4445372B2 (ja) * 2004-10-27 2010-04-07 株式会社ナベヤ 物品の形状測定装置
JP2006269509A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Nsk Ltd 位置決め装置
JP2008023698A (ja) * 2007-03-27 2008-02-07 Sumitomo Heavy Ind Ltd ステージ装置
JP2009041194A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Ohmoto Gumi Co Ltd 杭用仮設足場
JP2011214383A (ja) * 2010-03-16 2011-10-27 Marubeni Construction Material Lease Co Ltd 再利用可能なブラケット、ブラケットの取付構造及び方法
JP2012172496A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Crs Corp 被覆防食パネル及び該被覆防食パネルを使用した護岸工事方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6025516B2 (ja) 2016-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6948894B2 (en) Multi-axial machine tool and table unit mounting jig
US9844841B2 (en) Drop center positioner with multiple rotate modules
KR20140117746A (ko) 용접용 회전 테이블
JP2008279495A (ja) ロンジ突合継手自動溶接ロボット
JP2015174182A (ja) ワーク加工方法及びその加工用治具
KR101436084B1 (ko) 챔퍼밀
CN105033307A (zh) 一种多功能汽车零部件钻孔装置
KR101774247B1 (ko) 이동식 평면 가공기
JP6452803B2 (ja) 別置式制御盤の搬送用治具
JP6025516B2 (ja) 取付加工機および加工方法
KR100671021B1 (ko) 포터블 보링 머신
JP4899690B2 (ja) 罫書装置
KR20120133939A (ko) 포터블 보링 머신
JP2022075781A (ja) 多軸ロボット用の固定装置
KR101079283B1 (ko) 변형을 최소화 하는 중,대형 가공기
JPS60131133A (ja) 長尺物の長手方向に並んだ締結用ねじの自動締緩装置
CN210413098U (zh) 一种钢板加工用激光切割机
CN210732238U (zh) 一种适用于法兰加工的夹持装置
KR101931640B1 (ko) 원통형 구조물 밀링 가공 장치 및 이를 이용한 밀링 가공 방법
KR20190009187A (ko) 자동용접대차
KR101087699B1 (ko) 용접용 작업대
KR100934962B1 (ko) 강관 절단 장치
KR102179919B1 (ko) 판형 중량 가공물의 측면 가공장치
CN217166604U (zh) 一种用于船体维修的钻孔装置
JP6095401B2 (ja) 発電用蒸気タービンの使用済みローター軸の廃止処理装置および廃止処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150402

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160223

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160425

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160816

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161011

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6025516

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151