JP2014096943A - コア異常監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2つのコアを用いて2つの電動機を制御する構成において、リアルタイムに精度の良いコアの異常監視を行うこと。
【解決手段】 第1キャリア周波数に基づいて動作し、第1電動機を制御する第1コアと、第2キャリア周波数に基づいて動作し、第2電動機を制御する第2コアとを備え、前記第1コア及び前記第2コアにより同一の演算処理を行った際に得られるそれぞれの演算結果を比較処理するコア異常監視装置であって、前記同一の演算処理を行う際に、前記第1キャリア周波数及び前記第2キャリア周波数は互いに対して同期されることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、コア異常監視装置に関する。
従来から、第1電動機と、第2電動機とを搭載したハイブリッド車両において、第1電動機及び第2電動機をそれぞれ制御する第1CPU及び第2CPUが相互に異常監視を行い、第2CPUに異常が検出された場合に、第1CPUにより第2電動機の制御を実現する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、第1CPUによる第2CPUの異常監視方法の一例として、第2電動機の回転軸の回転角に応じてレゾルバにより生成される電気信号(電圧波形)をデジタル信号に変換するR/Dコンバータ(第2CPUに含まれる)の変換異常を監視する方法が開示される。この方法は、レゾルバからの生成された電気信号(電圧波形)を第1CPUに入力して、この電気信号をA/Dコンバータによりサンプリングして得られた値から回転角を求めて、第2CPUのR/Dコンバータにより変換された回転角とを比較して正常範囲内にあるか否かを判定することにより実現される。
特開2003-032805号公報
ところで、この種の2つのCPU(コア)を用いて2つの電動機を制御する構成においては、一般的に、第1CPUと第2CPUのそれぞれのキャリア周波数は、それぞれ独立に変化されるため、それぞれのキャリア周波数が異なるのが通常である(但し、当然ながら、ある特定の期間において、互いに一致する場合もありうる)。
従って、上記の特許文献1に記載の異常監視方法のように、2つのCPUによる同一の演算結果(R/Dコンバータにより変換された回転角)を比較する場合、第1CPUと第2CPUにおいて、それぞれのキャリア周波数の相違に起因してレゾルバの電気信号のサンプリング周期が同期しないために、リアルタイムで精度の良い異常監視を行うことができないという問題がある。
そこで、本発明は、2つのコアを用いて2つの電動機を制御する構成において、リアルタイムに精度の良いコアの異常監視を行うことが可能なコア異常監視装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一局面によれば、第1キャリア周波数に基づいて動作し、第1電動機を制御する第1コアと、第2キャリア周波数に基づいて動作し、第2電動機を制御する第2コアとを備え、前記第1コア及び前記第2コアにより同一の演算処理を行った際に得られるそれぞれの演算結果を比較処理するコア異常監視装置であって、
前記同一の演算処理を行う際に、前記第1キャリア周波数及び前記第2キャリア周波数は互いに対して同期されることを特徴とする、コア異常監視装置が提供される。
本発明によれば、2つのコアを用いて2つの電動機を制御する構成において、リアルタイムに精度の良いコアの異常監視を行うことが可能なコア異常監視装置が得られる。
ハイブリッド車両の制御系の概略構成を示す図である。 第1電動機21の制御に関連した第1コア11の概略的な処理ブロックの一例を示す図である。 第2コア12の制御状態の遷移の一例を示すフローチャートである。 異常監視制御における演算タイミング調整処理の一例を示すフローチャート(その1)である。 第1コア11の第1キャリア周波数と第2コア12の第2キャリア周波数との関係を示す時系列である。 異常監視制御における演算タイミング調整処理の一例を示すフローチャート(その2)である。 第1コア11の第1キャリア周波数と調整後の第2コア12の第2キャリア周波数との関係を示す時系列である。 第1コア11の第1キャリア周波数と調整後の第2コア12の第2キャリア周波数との関係を示す時系列である。 異常監視制御における異常判定処理の一例を示すフローチャートである。 異常監視制御における異常判定処理の他の一例を示すフローチャートである。 比較例による異常判定処理方法を示す図であり、第1コア11の第1キャリア周波数と第2コア12の第2キャリア周波数との関係を示す時系列である。 対比のために本実施例による異常判定処理方法を示す図であり、第1コア11の第1キャリア周波数と第2コア12の第2キャリア周波数との関係を示す時系列である。 割り込み処理が入った場合の各処理の実行態様を示す時系列である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、ハイブリッド車両の制御系の概略構成を示す図である。ハイブリッド車両は、第1電動機21と、第2電動機22とを含む。
第1電動機21は、車両の車輪に伝達する駆動力を発生する。即ち、第1電動機21は、車両の駆動源である。尚、ハイブリッド車両は、エンジン(図示せず)を他の駆動源として備える。第1電動機21は、任意のタイプの電動機であってよく、例えばロータと三相コイルが巻回されたステータとからなる発電可能なPM型の同期発電電動機であってよい。この場合、第1電動機21は、ロータの内部に永久磁石が埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnet)タイプであってもよいし、ロータの表面に永久磁石が設けられるSPM(Surface Permanent Magnet)タイプであってもよい。
第2電動機22は、その機械的構成自体は、第1電動機21と同様であってよい。但し、第2電動機22は、専ら発電のみを行う発電機として機能してもよいし、発電機としてのみならず、車両の車輪に伝達する駆動力を発生するモータとしても機能してもよい。以下では、一例として、第2電動機22は、発電機としてのみ機能するものとする。第2電動機22は、エンジンの回転出力に基づいて発電を行う。第2電動機22により発電された電力は、第1電動機21の電力源となる高圧バッテリ(図示せず)の充電のために用いられてよいし、第1電動機21の電力源として用いられてもよい。
尚、ハイブリッド車両のパワートレインの詳細は任意である。例えば、シリーズ式や、パラレル式、遊星歯車機構を用いたスプリット型等のハイブリッドシステムが使用されてもよい。尚、第2電動機22が発電機としてのみ機能する場合、ハイブリッド車両は、エンジンと第1電動機21とが協動して駆動力を発生するアシスト走行モードと、第1電動機21のみが駆動力を発生する電気走行モードとを備えてよい。
第1電動機21及び第2電動機22は、それぞれに対応する第1インバータ23及び第2インバータ24を介して制御される。第1インバータ23及び第2インバータ24は、それぞれ、例えば図1に示すように、6個のパワートランジスタで構成される3相ブリッジ回路により構成されてもよい。尚、図1中において、「U上」は、U相の上アームを意味し、「V上」は、V相の上アームを意味し、「W上」は、W相の上アームを意味し、「U下」は、U相の下アームを意味し、「V下」は、V相の下アームを意味し、「W下」は、W相の下アームを意味する。尚、第1電動機21は、高圧バッテリを電力源として動作する。第1インバータ23及び第2インバータ24と高圧バッテリの間には、DC−DCコンバータ等が設けられてもよい。
第1インバータ23及び第2インバータ24は、それぞれ、マルチコアマイコン(デュアルコアプロセッサ)の第1コア11及び第2コア12により制御される。第1コア11及び第2コア12は、それぞれ、ハードウェア構成自体は略同一であってよい。
第1コア11は、第1キャリア周波数で動作する。第1キャリア周波数は、第1電動機21や第1インバータ23等の状態に応じて動的に変化されてよい。例えば、第1キャリア周波数は、第1電動機21の回転数が増加するにつれて増加する態様で可変されてもよい。また、第1キャリア周波数は、第1インバータ23の温度が所定温度以上になった場合に低減する態様で可変されてもよい。
第1コア11には、第1電動機21のロータの回転角度を検出する角度センサ(例えばレゾルバ)からの角度情報や、第1インバータ23を介して第1電動機21に通電される各相の電流を検出する電流センサからの電流情報等のセンサ情報(以下、第1センサ情報という)が入力される。第1センサ情報は、第1キャリア周波数に対応する周期毎に第1コア11に入力されてもよいし、第1キャリア周波数とは無関係の定周期毎に第1コア11に入力されてもよい。
第1コア11には、第1電動機21で発生させるべき第1トルク指令値が入力される。第1トルク指令値は、第1キャリア周波数に対応する周期毎に第1コア11に入力されてもよいし、第1キャリア周波数とは無関係の定周期毎に第1コア11に入力されてもよい。尚、第1トルク指令値は、外部のECU(例えばハイブリッドシステムの要部を制御するハイブリッドECU)から入力されてよい。第1トルク指令値は、例えばアクセルペダルの操作量や車速等に応じて決定されてよい。
第1コア11は、入力された第1センサ情報と第1トルク指令値とに基づいて、第1インバータ23の制御目標値(例えば、各相に係る電流デューティ)を算出し、算出した制御目標値に基づいて、第1インバータ23を制御する。この制御周期は、第1キャリア周波数に対応する周期であってよい。
第2コア12は、第2キャリア周波数で動作する。第2キャリア周波数は、第2電動機22や第2インバータ24の状態に応じて動的に変化されてよい。例えば、第2キャリア周波数は、第2電動機22の回転数が増加するにつれて増加する態様で可変されてもよい。また、第2キャリア周波数は、第2インバータ24の温度が所定温度以上になった場合に低減する態様で可変されてもよい。尚、第1キャリア周波数及び第2キャリア周波数は、後述する異常監視制御時を除いて、それぞれ、独立に決定されるので、通常は異なる周波数となる。
第2コア12には、第2電動機22のロータの回転角度を検出する角度センサ(例えばレゾルバ)からの角度情報や、第2インバータ24を介して第2電動機22に通電される各相の電流を検出する電流センサからの電流情報等のセンサ情報(以下、第2センサ情報という)が入力される。第2センサ情報は、第2キャリア周波数に対応する周期毎に第2コア12に入力されてもよいし、第2キャリア周波数とは無関係の定周期毎に第2コア12に入力されてもよい。
第2コア12には、第2電動機22で発生させるべき第2トルク指令値(発電指令値)が入力される。尚、発電時は、第2トルク指令値は、負方向のトルクとなる。第2トルク指令値は、第2キャリア周波数に対応する周期毎に第2コア12に入力されてもよいし、第2キャリア周波数とは無関係の定周期毎に第2コア12に入力されてもよい。尚、第2トルク指令値は、外部のECU(例えばバッテリECU)から入力されてよい。第2トルク指令値は、車両の走行状態や高圧バッテリのSOC(State Of Charge)に基づいて決定されてもよい。
第2コア12は、入力された第2センサ情報と第2トルク指令値とに基づいて、第2インバータ24の制御目標値(例えば、各相に係る電流デューティ)を算出し、算出した制御目標値に基づいて、第2インバータ24を制御する。この制御周期は、第2キャリア周波数に対応する周期であってよい。
図2は、第1電動機21の制御に関連した第1コア11の概略的な処理ブロックの一例を示す図である。尚、ここでは、第1コア11について説明するが、第2電動機22の制御に関連した第2コア12の概略的な処理ブロックについても同様であってよい。
電流制御部110には、d軸電流Idの指令値(Id指令)及びq軸電流Iqの指令値(Iq指令)と、3相→2相変換部114にて算出されたq軸電流Iq及びd軸電流Id(実電流)が入力される。電流制御部110は、これらの入力に基づいて、d軸電圧Vdの指令値(Vd指令)及びq軸電圧Vqの指令値(Vq指令)を算出する。尚、Id指令及びIq指令は、第1トルク指令値に基づいて生成されてよい。例えば、Id指令及びIq指令は、第1トルク指令値、第1電動機21の回転数(角度情報)、q軸電流Iq,d軸電流Id(実電流)等に基づいて生成されてもよい。
Sin/Cos変換部112には、第1センサ情報として入力される角度情報(第1電動機21のロータの回転角度)が入力される。Sin/Cos変換部112は、レゾルバからの角度情報をsin成分(sin)及びcos成分(cos)とに変換する。尚、角度情報は、レゾルバのR/Dコンバータにより変換されたデジタル情報であってもよい。R/Dコンバータは、第1コア11の構成要素であってもよい。
入力処理部113は、第1センサ情報として入力される3相電流(実電流)Iu,Iv,Iw及び直流電圧Vdc(実電圧)の各種信号をA/D変換処理する。
3相→2相変換部114には、Sin/Cos変換部112からの出力と、入力処理部113からの3相電流(実電流)Iu,Iv,Iwとが入力される。3相→2相変換部114は、3相電流Iu,Iv,Iwを2相(q軸、d軸)に変換することで、q軸電流Iq,d軸電流Id(実電流)を算出する。
2相→3相変換部116には、電流制御部110からの出力と、Sin/Cos変換部112からの出力と、入力処理部113からの直流電圧Vdc(実電圧)とが入力される。2相→3相変換部116は、電流制御部110からのVd指令及びVq指令(2相)を3相に変換して、第1インバータ23の制御目標値として、各相に係る電流デューティの指令値(dutyu、dutyv、dutyw)を算出する。
出力制御部118は、電流デューティの指令値(dutyu、dutyv、dutyw)に基づいて第1インバータ23をPWM制御する。
このように第1コア11は、第1入力情報に基づいて、各種演算処理(各部110,112,114,116参照)を行い、第1インバータ23の制御目標値(ひいては第1電動機21の制御目標値)を導出している。ここでは、第1入力情報は、デジタル情報である。従って、図2に示す例では、第1入力情報は、A/D変換されたIu,Iv,Iw及びVdc、R/D変換された角度情報、及び、第1トルク指令値を含む。
第2コア12についても同様であり、第2コア12は、第2入力情報に基づいて、各種演算処理(各部110,112,114,116参照)を行い、第2インバータ24の制御目標値(ひいては第2電動機22の制御目標値)を導出している。ここでは、第2入力情報は、デジタル情報である。従って、図2に示す例では、第2入力情報は、A/D変換されたIu,Iv,Iw及びVdc、R/D変換された角度情報、及び、第2トルク指令値を含む。尚、このように第1入力情報と第2入力情報とは、同じ情報を含むものであるが、各値は互いに異なるのが通常である。これは、制御対象及び計測対象(第1電動機21及び第2電動機22)が異なるためである。
図3は、第2コア12の制御状態の遷移の一例を示すフローチャートである。尚、ここでは、前提として、第1コア11は、常時(イグニッションスイッチがオンの間)、第1電動機21の制御を行っているものとする。
ステップ300では、第2コア12におけるCPU負荷が所定基準よりも小さいか否かが判定される。CPU負荷が所定基準よりも小さいか否かは、任意の態様で判定されてよい。例えば、CPU負荷が所定基準よりも小さいか否かは、車両の走行状態、第2電動機22の回転数、第2コア12における第2キャリア周波数に基づいて判断されてもよい。例えば、第2電動機22の回転数が所定閾値よりも小さい場合に、CPU負荷が所定基準よりも小さいと判定してもよい。また、第2キャリア周波数が所定閾値よりも小さい場合に、CPU負荷が所定基準よりも小さいと判定してもよい。また、第2電動機22又はエンジンが停止されるような車両の走行状態が検出又は予測された場合に、CPU負荷が所定基準よりも小さいと判定してもよい。ハイブリッド車両の制御態様に依存するが、例えば、高圧バッテリのSOCが基準値以上である状況下で車両停止状態から低速で車両が走行し始めたときに、電気走行モードとなり、第2電動機22が停止状態になる構成においては、かかる状況が検出・予測された場合に、CPU負荷が所定基準よりも小さいと判定してもよい。第2コア12におけるCPU負荷が所定基準よりも小さい場合は、ステップ302に進み、それ以外の場合(即ち第2コア12におけるCPU負荷が所定基準以上で高い場合)、ステップ304に進む。
ステップ302では、異常監視制御を実行する。異常監視制御の詳細は後述する。尚、異常監視制御を行いつつ、第2電動機22の発電制御を行うこととしてもよい。この場合、異常監視制御と第2電動機22の発電制御とは時分割で実行されればよい。
ステップ304では、第2電動機22の発電制御のみを行う。即ち、図2に示した第1電動機21の制御と同様、第2コア12は、入力された第2センサ情報と、第2電動機22で発生させるべき第2トルク指令値とに基づいて、第2インバータ24の制御目標値(例えば、各相に係る電流デューティ)を算出し、算出した制御目標値に基づいて第2インバータ24を制御(例えばPWM制御)する。
図3に示す処理によれば、第2コア12におけるCPU負荷が所定基準よりも小さい場合に、異常監視制御を実行するので、第2コア12の低負荷時を利用して効率良く異常監視制御を行うことができる。尚、第2コア12の能力等に依存するが、CPU負荷とは無関係に、異常監視制御と第2電動機22の発電制御とを、常時、時分割で行うこととしてもよい。
図4は、異常監視制御における演算タイミング調整処理の一例を示すフローチャート(その1)である。図5は、図4の演算タイミング調整処理の説明図であり、第1コア11の第1キャリア周波数と第2コア12の第2キャリア周波数との関係を示す時系列である。尚、以下では、第1コア11及び第2コア12は、共通の時計を有するものとする。図5において、上側の三角波の波形は、第1キャリア周波数に基づいて生成されており、その周期は、第1キャリア周波数の周期に対応する。第1コア11の各制御周期の開始タイミング(制御開始タイミング)は、三角波の立下りエッジに対応するものとする。同様に、下側の三角波の波形は、第2キャリア周波数に基づいて生成されており、その周期は、第2キャリア周波数の周期に対応する。第2コア12の各制御周期の開始タイミング(制御開始タイミング)は、三角波の立下りエッジに対応するものとする。
図4に示す演算タイミング調整処理は、図4に示す時刻T(現在)にて開始されるものとする。時刻Tは、異常監視制御を開始するタイミングに相当し、例えば図3を参照して説明したように、CPU負荷が所定基準よりも小さくなるタイミングに対応してよい。
ステップ400では、第1コア11の前回の制御時間を取得する。図5に示す例では、時刻T3が第1コア11の前回の制御時間となる。
ステップ402では、第1コア11の制御周期を示す情報を取得する。現在の第1コア11の制御周期は、現在の第1キャリア周波数で規定される周期に対応し、図5に示す例では、現在の第1コア11の制御周期は、C1である。
ステップ404では、第2コア12における現在の時刻を取得する。図5に示す例では、現在の時刻は、Tである。
ステップ406では、制御周期補正時間C3を算出する。制御周期補正時間C3は、上記のステップ400乃至ステップ404で得られるT3,C1,Tを用いて、以下のように算出される。
C3=C1−(T−T3)
ステップ408では、上記ステップ406で算出した制御周期補正時間C3が所定時間よりも短いか否かを判定する。上記ステップ406で算出した制御周期補正時間C3が所定時間よりも短い場合は、以下で説明する次の第1コア11の制御時間T4に対する同期処理が間に合わない可能性があるため、ステップ400に戻り、更に次の第1コア11の制御時間T6に対して同期処理を行う。他方、上記ステップ406で算出した制御周期補正時間C3が所定時間よりも長い場合は、ステップ410に進む。
ステップ410では、次の第2コア12の制御時間T4'を算出する。例えば、次の第2コア12の制御時間T4'は、遅延時間αを用いて、以下のように算出されてよい。
T4'=T+C3+α
但し、遅延時間αは、以下の通りであってよい。
α=α1+α2
尚、遅延時間αは、当然ながら、第2コア12の制御周期よりも短い時間である。ここで、α1は、第1コア11が上述の第1入力情報を取得するのに要する時間の取りうる範囲の最大値に対応してよい。例えば、第1センサ情報及び第1トルク指令値が第1キャリア周波数の周期毎に入力される構成の場合、第1入力情報を取得するのに要する時間とは、第1センサ情報及び第1トルク指令値が入力された時点(本例では、第1コア11の制御開始タイミング)から、第1入力情報を取得(生成)完了するまでの時間である。尚、第1センサ情報及び第1トルク指令値が定周期毎に入力される構成の場合、α1は0であってよい。尚、以下では、第1センサ情報及び第1トルク指令値が第1キャリア周波数の周期毎に入力される構成を前提として説明を続ける。
α2は、第1コア11の演算処理(以下の比較処理の対象となる演算処理)の開始の遅延要素を考慮して決定される。遅延要素としては、第1コア11における割り込み禁止処理による遅延や、より高いレベル(高優先度)の割り込み処理による遅延等がある。尚、これらの遅延要素が存在しない構成では、α2は0であってよい。
ステップ412では、上記ステップ410で算出した制御時間T4'に基づいて、第2コア12の制御開始タイミングを制御時間T4'に設定する。即ち、第2コア12の制御開始タイミングを制御時間T5から制御時間T4'に修正する。尚、制御時間T5は、前の第2コア12の制御時間T2に対して第2キャリア周波数の1周期分を足した時間である。尚、第2電動機22の発電制御のみを行う状態(図3のステップ304参照)では、制御時間T5は、制御時間T4'に修正されることなく、採用されることになる。
図4及び図5に示す演算タイミング調整処理によれば、異常監視制御に移行した際に、第1コア11の次の制御時間に合わせて、適切な第2コア12の制御開始タイミングを設定することができる。即ち、第2キャリア周波数が第1キャリア周波数に同期される。これにより、後述の異常判定処理における異常判定精度を高めることができる(この理由の詳細は図12を参照して後述する)。また、図4及び図5に示す演算タイミング調整処理によれば、現時点で最も直近の次の第1コア11の制御時間に同期するように第2コア12の制御開始タイミングを設定することが可能であるので、可及的に速やかに後述の異常判定処理を開始することが可能である。
図6は、異常監視制御における演算タイミング調整処理の一例を示すフローチャート(その2)である。図6に示す処理は、図4に示す処理により制御開始タイミング(時刻T4')が決定された後の処理に関する。例えば、図6に示す処理は、時刻T4'に起動されてよい。図7及び図8は、図6の演算タイミング調整処理の説明図であり、それぞれ、第1コア11の第1キャリア周波数と調整後の第2コア12の第2キャリア周波数との関係を示す時系列である。図7は、時刻T4'において第1コア11の第1キャリア周波数に変化がない場合を示し、図8は、時刻T4'において第1コア11の第1キャリア周波数に変化がある場合を示す。
ステップ600では、第1コア11の制御周期に変化があったか否かを判定する。即ち、第1コア11の第1キャリア周波数に変化があったか否かを判定する。第1コア11の制御周期に変化があった場合には、ステップ604に進み、第1コア11の制御周期に変化がない場合は、ステップ602に進む。
ステップ602では、次の制御開始タイミングT5'を以下のように設定する(図7参照)。
T5'=T4'+C1
尚、C1は、現在の第1コア11の制御周期である。
ステップ604では、変化後の第1コア11の制御周期を示す情報を取得する。現在(変化後)の第1コア11の制御周期は、現在の第1キャリア周波数で規定される周期に対応し、図8に示す例では、現在の第1コア11の制御周期はC4である。
ステップ606では、変化後の第1コア11の制御周期C4を用いて、次の制御開始タイミングT5'を以下のように設定する(図8参照)。
T5'=T4'+C4
このように第1キャリア周波数が途中で切り替わる場合は、それに応じて第2キャリア周波数が変更される。尚、この場合、第2キャリア周波数の変更(再設定)のために第2コア12のカウンタの補正を行う必要がある。
ステップ608では、T4≦T4'−αが成立するか否かを判定する。T4≦T4'−αが成立する場合は、ステップ610に進み、それ以外の場合は、終了する。尚、上述の如くT4'は、T4'=T4+αと設定されているので、本判定処理は基本的には肯定判定となる。従って、ステップ608の処理は省略されてもよい。
ステップ610では、異常判定処理を実行する。異常判定処理の詳細は、以下で後述する。
尚、図6に示す処理は、時刻T4'に関して実行される場合を説明したが、図6に示す処理は、第2コア12におけるCPU負荷が依然として小さい限り、上述の如く決定された次の制御開始タイミングT5'においても同様に実行される。即ち、図6に示す処理は、時刻T5'に再度起動され、次の制御開始タイミングT6'が決定されると共に、時刻T5'に係る制御周期に対する異常判定処理が実行される。同様に、図6に示す処理は、第2コア12におけるCPU負荷が依然として小さい限り、時刻T6'に再度起動され、次の制御開始タイミングT7'が決定されると共に、時刻T6'に係る制御周期に対する異常判定処理が実行される。以下同様に、第2コア12におけるCPU負荷が依然として小さい限り、同様の処理が繰り返される。
図6に示す処理によれば、第1コア11の制御周期に応じて第2コア12の次の制御開始タイミングが決定されるので、第1コア11の制御周期毎に、後述の異常判定処理を行うことが可能となり、異常監視能力を高めること(即ち高い異常判定精度を維持すること)が可能となる。また、第1コア11の制御周期が変化した場合にも、当該変化に対応して、第2コア12の次の制御開始タイミングが適切に設定される。即ち、第2キャリア周波数が第1キャリア周波数の変化に追従して同期される。これにより、第1コア11の制御周期が変化した場合にも、第1コア11の制御周期毎に、後述の異常判定処理を行うことが可能となり、異常監視能力を高めることが可能となる。
図9は、異常監視制御における異常判定処理の一例を示すフローチャートである。図9は、第1コア11側の処理と、第2コア12側の処理とを並列的に示す。図9は、第1コア11及び第2コア12のいずれにおいても割り込みが入らない構成(即ち、異常判定処理が最も優先度が高い割り込み処理である構成)を前提とする。第1コア11側の処理は、時刻T4で開始され、第2コア12側の処理は、上述の図6のステップ610の処理として時刻T4'に開始される。
ステップ900では、第1コア11において、第1入力情報の取得処理を行う。尚、第1入力情報は、上述の如く、デジタル情報であり、図2に示した例では、第1入力情報は、A/D変換されたIu,Iv,Iw及びVdc、R/D変換された角度情報(sin、cos)、及び、第1トルク指令値を含む。第1入力情報は、第1センサ情報等をA/D変換処理等して取得してよい。
ステップ902では、第1コア11から第2コア12に、上記ステップ900で取得した第1入力情報を転送する。この転送は、第2コア12からの要求に応じて実現されてもよいし、或いは、異常監視制御中は第2コア12からの要求なしで実現されてもよい。
ステップ904では、第1コア11において、上記ステップ900で取得した第1入力情報に基づいて、各種演算処理(図2に示す例では、各部110,112,114,116の演算処理)を行う。尚、この演算処理は、第1電動機21の制御のために実行される処理の一部である。
ステップ906では、第2コア12において、上記ステップ902で取得した第1入力情報に基づいて、各種演算処理(図2に示す例では、各部110,112,114,116の演算処理)を行う。尚、この演算処理は、第2電動機22の制御のために実行される処理と同一であるが、使用する入力情報が異なる。即ち、第2電動機22の制御のために実行される演算処理では、第2入力情報が使用されるのに対して、異常監視制御における同演算処理では、第1入力情報が使用される。
ステップ908では、規定時間が経過したか否かを判定する。規定時間は、第1コア11における各種演算処理の要する時間に対応してよい。規定時間が経過した場合には、ステップ910に進み、規定時間が経過していない場合は待ち状態となる。
ステップ910では、第2コア12において、第1コア11における各種演算処理の演算結果を第1コア11から取得する。演算結果の転送は、第2コア12からの要求に応じて実現されてもよいし、或いは、異常監視制御中は第2コア12からの要求なしで実現されてもよい。
ステップ912では、第2コア12において、上記ステップ906で得られた第2コア12の演算結果と、上記ステップ910で得られた第1コア11の演算結果とを比較する。尚、比較の結果、不一致があった場合には、第1コア11及び第2コア12の少なくともいずれかに異常があると判断し、その旨を表す情報を出力してもよい。或いは、所定回数以上の制御周期で連続して比較の結果が不一致であった場合に、第1コア11及び第2コア12の少なくともいずれかに異常があると判断し、その旨を表す情報を出力してもよい。他方、比較の結果、不一致がなかった場合には、第1コア11及び第2コア12のいずれも正常であると判断してよい。
ここで、例えば図2に示す例では、図中にA1乃至A4で示すように、主に4種類の演算値(演算結果)が第1コア11の演算処理により得られる。第2コア12についても、同様である。即ち、同様の4種類の演算値が第2コア12の演算処理により得られる。ここで、仮に第1コア11及び第2コア12の双方に異常がなく、かつ、第1コア11と第2コア12とが同一の第1入力情報(値が同一であるという意味)に基づいて、これらの4種類の演算値を算出した場合、4種類の演算値の全ては、第1コア11と第2コア12とでそれぞれ同じ値になるはずである。他方、第1コア11及び第2コア12の少なくともいずれか一方に異常があり、かつ、第1コア11と第2コア12とが同一の第1入力情報に基づいて、これらの4種類の演算値を算出した場合、4種類の演算値の少なくともいずれかは、第1コア11と第2コア12とでそれぞれ同じ値にならなくなる。従って、第1コア11と第2コア12とが同一の第1入力情報に基づく演算処理を行うことで、異常の有無を精度良く判定することができる。尚、第1コア11及び第2コア12の異常(故障)には、CPU演算の異常、ROM,RAM化け/固着、ペリフェラル故障等がある。
具体的には、図2に示す例において、第1コア11と第2コア12とが同一の第1入力情報に基づく演算処理を行うとき、第1コア11と第2コア12のそれぞれで算出される電流デューティの指令値(dutyu、dutyv、dutyw)(図2のA4部参照)を比較することで、全体の異常の有無を判断することができる。また、第1コア11と第2コア12のそれぞれで算出される角度情報の変換成分(sin、cos)(図2のA1部参照)を比較することで、Sin/Cos変換部112の異常の有無を判断することができる。同様に、第1コア11と第2コア12のそれぞれで算出されるq軸電流Iq,d軸電流Id(図2のA2部参照)を比較することで、3相→2相変換部114の異常の有無を判断することができる。同様に、第1コア11と第2コア12のそれぞれで算出されるVd指令及びVq指令(図2のA2部参照)を比較することで、電流制御部110の異常の有無を判断することができる。従って、例えば全体の異常を検出した場合には、A1部、A2部及びA3部で示す各演算値について、それぞれ比較処理を行うことで、異常部位を特定することができる。例えば、全体の異常を検出した場合に、A1部、A2部及びA3部で示す各演算値について、それぞれ比較処理で一致した場合は、2相→3相変換部116に異常があると判断してもよい。
尚、図9に示す異常判定処理において、ステップ912の比較処理は、第2コア12で実行されているが、同比較処理は、第1コア11で実行されてもよい。この場合、ステップ910では、第2コア12から第1コア11に第2コア12の演算結果が送信されればよい。
また、第1キャリア周波数とは無関係の定周期毎に第1コア11において第1入力情報が取得される場合、図9に示す異常判定処理におけるステップ900の処理は省略されてもよい。この場合、ステップ902において、現在の最新の第1入力情報が第2コア12に転送されればよい。
また、図9に示す異常判定処理において、ステップ906で行った演算処理により得られる演算結果のうちの、電流デューティの指令値(dutyu、dutyv、dutyw)は、出力制御部118において使用されない。即ち、このような第1入力情報に基づく電流デューティの指令値(dutyu、dutyv、dutyw)は、あくまで異常判定用であり、第2電動機22の発電制御には使用されない。第2電動機22の発電制御には、第2入力情報に基づく電流デューティの指令値(dutyu、dutyv、dutyw)が使用される。
図10は、異常監視制御における異常判定処理の他の一例を示すフローチャートである。図10は、第1コア11側の処理と、第2コア12側の処理とを並列的に示す。図10は、第1コア11及び第2コア12のいずれにおいても割り込み処理が入る可能性がある構成(即ち、異常判定処理がもっとも優先度が高い割り込み処理でない構成)を前提とする。第1コア11側の処理は、時刻T4で開始され、第2コア12側の処理は、上述の図6のステップ610の処理として時刻T4'に開始される。
ステップ1000,1002,1004,1006,1010,1012の各処理は、図9に示したステップ900,902,904,906,910,912の各処理とそれぞれ同一であってよいので、説明を省略する。
ステップ1007では、第1コア11において、ステップ1004の演算処理が終了すると、その旨を表す終了フラグをオンにする。終了フラグは、初期はオフとされている。例えば、終了フラグは、第1コア11の制御時間(制御開始タイミング)毎に初期化(オフ)されてよい。
ステップ1008では、第2コア12において、終了フラグがオンであるか否かを判定する。即ち、第2コア12は、ステップ1006の演算処理の終了後、終了フラグがオンになるタイミングを待機する。終了フラグがオンである場合は、ステップ1010に進む。他方、終了フラグがオフである場合は、ステップ1009に進む。
ステップ1009では、第2コア12において、規定の最大時間が経過したか否かを判定する。規定の最大時間は、現在の時刻から第1コア11の次の制御開始タイミングT5までの時間に対応してもよいし、当該時間よりも僅かに小さい時間であってもよい。規定の最大時間が経過した場合には、そのまま終了する。この場合、今回の制御周期では、割り込み処理に起因して比較処理ができなかったことになる。他方、規定の最大時間が経過していない場合は、ステップ1008に戻る。この場合、規定の最大時間が経過するまでに終了フラグがオンになると、ステップ1012に進むことになる。
尚、図10に示す処理において、ステップ1012の比較処理は、第2コア12で実行されているが、同比較処理は、第1コア11で実行されてもよい。この場合、ステップ1010では、第2コア12から第1コア11に第2コア12の演算結果が送信されればよい。
また、第1キャリア周波数とは無関係の定周期毎に第1コア11において第1入力情報が取得される場合、図10に示す処理におけるステップ1000の処理は省略されてもよい。この場合、ステップ1002において、現在の最新の第1入力情報が第2コア12に転送されればよい。
また、図10に示す処理において、ステップ1006で行った演算処理により得られる演算結果のうちの、電流デューティの指令値(dutyu、dutyv、dutyw)は、出力制御部118において使用されない。即ち、このような第1入力情報に基づく電流デューティの指令値(dutyu、dutyv、dutyw)は、あくまで異常判定用であり、第2電動機22の発電制御には使用されない。第2電動機22の発電制御には、第2入力情報に基づく電流デューティの指令値(dutyu、dutyv、dutyw)が使用される。
以上の図9及び図10に示す処理によれば、第1コア11及び第2コア12において同一の第1入力情報を用いて同一の演算処理を行うことができ、これらの演算結果を比較することで、高い精度で異常の有無の判定を行うことができる。また、ロックステップ(Lockstep)等の機構を用いることなく高い精度で異常の有無の判定を行うことができる。
ここで、図11を参照して比較例と対比して、本実施例の効果についてより詳細に説明する。図11は、比較例による異常監視制御を示す図であり、第1コア11の第1キャリア周波数と第2コア12の第2キャリア周波数との関係を示す時系列である。図12は、対比のために本実施例による異常監視制御を示す図であり、第1コア11の第1キャリア周波数と第2コア12の第2キャリア周波数との関係を示す時系列である。
比較例は、図4等に示した演算タイミングの調整を行わない構成である。即ち、次の制御時間T5は、前の第2コア12の制御時間T2に対して第2キャリア周波数の1周期分を足した時間となり、更に次の制御時間T8は、第2コア12の制御時間T5に対して第2キャリア周波数の1周期分を足した時間となる。
比較例においても、時刻Tに第2コア12の負荷が低下し、時刻Tから異常監視制御が開始される。第2コア12は、次の制御開始タイミングT5にて、例えば図9に示す異常判定処理を開始する。図11に示す例では、第2コア12の制御開始タイミングT5は、第1コア11の時刻T4からの制御周期中であるので、第1コア11において時刻T4からの制御周期中に取得した第1入力情報が第2コア12に転送されることになる(ステップ902参照)。第2コア12は、転送された第1入力情報に基づいて各種演算処理を行い、演算終了後(時刻Ta参照)に、第1コア11から演算結果を取得する(ステップ910参照)。しかしながら、図11に示すように、この第1コア11から演算結果を取得するタイミングTaが、第1コア11の時刻T6に対応する制御周期中であると、第1コア11において時刻T6からの制御周期中に取得した第1入力情報に基づく第1コア11の演算結果が取得されることになる。この場合、第1コア11において時刻T4からの制御周期中に取得した第1入力情報と、第1コア11において時刻T6からの制御周期中に取得した第1入力情報とは、同じ値でないため(即ち同じ第1入力情報ではないので)、実際には第1コア11及び第2コア12が共に異常でない場合でも、第1コア11の演算結果と第2コア12の演算結果とが異なることになる。このため、このような比較例によれば、精度の良い異常判定を行うことができない。
また、この比較例において、第2コア12の演算処理が時刻T6までに終了しないときには、時刻T6以降に、第2コア12において、第1コア11において時刻T6からの制御周期中に取得した第1入力情報を第1コア11から取得し、この第1入力情報を、第1コア11において時刻T4からの制御周期中に取得した第1入力情報に代えて使用して、再度、演算処理を行う方法も考えられる。しかしながら、この場合、時刻T4からの制御周期中における第1コア11の演算処理について異常判定を行うことができない。即ち、異常判定結果が得られるタイミングが遅れてしまい、リアルタイム性の高い比較処理を行うことができない。この結果、第1コア11又は第2コア12が異常な状態で処理を継続してしまう虞もある。
これに対して、本実施例によれば、上述の如く、異常監視制御が開始されると、第2コア12の制御開始タイミングが、第1コア11の制御開始タイミングに同期するように調整されるので、上述の比較例で生じるような問題点が生じることがない。具体的には、図12に示すように、時刻Tに第2コア12の負荷が低下し、時刻Tから異常監視制御が開始される。第2コア12は、次の制御開始タイミングT4'にて、例えば図9に示す異常判定処理を開始する。図示の例では、第2コア12の制御開始タイミングT4'は、第1コア11の時刻T4からの制御周期中であるので、第1コア11において時刻T4からの制御周期中に取得した第1入力情報が第2コア12に転送されることになる(ステップ902参照)。第2コア12は、転送された第1入力情報に基づいて各種演算処理を行い、演算終了後(時刻Tc参照)に、第1コア11から演算結果を取得する(ステップ910参照)。このとき、図12に示すように、この第1コア11から演算結果を取得するタイミングTcは、第1コア11の時刻T4からの制御周期中であるので、第1コア11において時刻T4からの制御周期中に取得した第1入力情報に基づく第1コア11の演算結果が取得されることになる。この場合、ステップ912で比較される第1コア11及び第2コア12の演算結果は、同じ第1入力情報に基づくものであるため、第1コア11及び第2コア12が共に異常でない場合には、第1コア11の演算結果と第2コア12の演算結果とが同じ値となるはずである。このように、本実施例によれば、第2コア12の制御開始タイミングが、第1コア11の制御開始タイミングに同期するように調整されるので、同じ第1入力情報に基づく第1コア11の演算結果と第2コア12の演算結果とを比較することができ、精度の良い異常判定を行うことができる。また、割り込み処理等が入らない限り、第1コア11の制御周期毎に、リアルタイムで異常判定処理を行うことが可能である。
図13は、割り込み処理が入った場合の各処理の実行態様を示す時系列である。図13は、上述の図10に示した処理と同様、第1コア11及び第2コア12のいずれにおいても割り込みが入る可能性がある構成(即ち、異常判定処理がもっとも優先度が高い割り込み処理でない構成)を前提とする。
図13に示す例では、時刻Tに第2コア12の負荷が低下し、時刻Tから異常監視制御が開始される。第2コア12は、次の制御開始タイミングT4'にて、例えば図10に示す異常判定処理を開始するはずであったが、割り込み処理が実施されているため、当該割り込み処理が終了するまで待機する。そのため、第2コア12は、制御開始タイミングT4'よりもβだけ遅れて、図10に示す異常判定処理を開始する。次いで、第2コア12は、図10に示す異常判定処理中、割り込み処理が入り、異常判定処理が時間γだけ中断する。その後、第2コア12は、異常判定処理を再開するが、異常判定処理は、第1コア11の次の制御開始タイミングT5までに終了しない。尚、この場合は、異常判定処理は、途中で(第1コア11の次の制御開始タイミングT5にて)中断し、次の制御開始タイミングT5'から新たな異常判定処理を開始してもよい。或いは、この場合、第2コア12の負荷の上昇を検出して、異常監視制御を終了し、第2電動機22の発電制御のみを行うこととしてよい(図3のステップ304参照)。前者の場合、例えば割り込み処理による処理時間(β+γ)に起因して異常判定処理が次の制御開始タイミングまでに終了しない制御周期が所定周期連続した場合に、スピンロック処理の継続不能と判断して、第2電動機22の発電制御のみに移行することとしてよい。
以上説明した本実施例によれば、とりわけ、以下のような優れた効果が奏される。
本実施例によれば、上述の如く、第1コア11及び第2コア12において同一の第1入力情報に基づいて演算処理が行われるように第2キャリア周波数を調整し、第1コア11及び第2コア12で同一の演算処理を行い、演算結果を比較することで、第1コア11及び第2コア12における異常の有無を精度良く判定することができる。
また、本実施例によれば、第1コア11による第1インバータ23の制御ロジックと第2コア12による第2インバータ24の制御ロジックとが同一であることを利用するので、第1コア11及び第2コア12は、追加の演算処理ソフトウェア等を必要とすることなく、同一の演算処理を行うことが可能である。即ち、第2インバータ24側に、第1コア11による第1インバータ23の制御ロジックと同一の制御ロジックを新たに組み込む必要がないので、現状のソフトウェア資源ないしハードウェア資源を有効に利用して、異常判定を実現することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述した実施例では、第2キャリア周波数を補正することで第1キャリア周波数と第2キャリア周波数とを同期させているが、第1キャリア周波数を補正することで第1キャリア周波数と第2キャリア周波数とを同期させてもよいし、第1キャリア周波数及び第2キャリア周波数を補正することで第1キャリア周波数と第2キャリア周波数とを同期させてもよい。
また、上述した実施例では、第1コア11の方が第2コア12よりも基本的に負荷が高いことから、第2コア12において異常判定処理を行っているが、第1コア11において同様の異常判定処理の全て又は一部を実行することも可能である。
また、上述した実施例では、好ましい実施例として、異常監視制御中は、第1コア11の制御周期毎に、第1キャリア周波数と第2キャリア周波数とを同期させているが、第1コア11の所定数の制御周期毎に、第1キャリア周波数と第2キャリア周波数とを同期させてもよいし、第1コア11の不定期的な制御周期毎に、第1キャリア周波数と第2キャリア周波数とを同期させてもよい。但し、これらの場合は、第1コア11の制御周期毎に、異常判定処理を行えないので、異常監視能力が低下する欠点はある。
また、上述した実施例では、好ましい実施例として、第1コア11による第1インバータ23の制御ロジックと第2コア12による第2インバータ24の制御ロジックとが同一であったが、これらは互いに異なる部分を有してもよい。この場合、共通の部分だけを利用して、上述の異常監視制御を実現してもよいし、異なる部分に対応した異常監視制御用の構成を新たに追加して、上述の異常監視制御を実現してもよい。また、第1コア11による第1インバータ23の制御ロジックと第2コア12による第2インバータ24の制御ロジックとが全く異なる構成であってもよい。この場合、一方のコアの制御ロジックの一部又は全部を他方のコアに異常監視制御用の構成として新たに追加して、上述の異常監視制御を実現してもよい。
また、上述した実施例では、第1コア11は、第1キャリア周波数で規定される制御開始タイミングで第1入力情報の取得処理を行っているが、第1キャリア周波数で規定される制御開始タイミングに対して所定時間ΔT後に第1入力情報の取得処理を行ってもよい。この場合、遅延時間αは、当該所定時間ΔT分を付加して設定されればよい。また、この場合、所定時間ΔTは動的に可変とされてもよい。
また、上述した実施例では、第1入力情報は、デジタル情報であり、図2に示す例では、第1入力情報は、A/D変換されたIu,Iv,Iw及びVdc、R/D変換された角度情報、及び、第1トルク指令値であるが、第1入力情報は、アナログ情報(アナログ信号)を含んでもよい。例えば、R/D変換された角度情報に代えて、第1電動機21の回転角を検出するレゾルバの電気信号(電圧波形)が第1コア11に入力されてもよい。この場合、第1電動機21に係るレゾルバの電気信号は、第2コア12側のR/Dコンバータによりデジタル化されてよく、その際のタイミング(サンプリングタイミング)が第2キャリア周波数に基づいて同期されればよい。
また、上述した実施例では、ハイブリッド車両を対象としているが、電気自動車においても適用可能である。
11 第1コア
12 第2コア
21 第1電動機
22 第2電動機
23 第1インバータ
24 第2インバータ

Claims (9)

  1. 第1キャリア周波数に基づいて動作し、第1電動機を制御する第1コアと、第2キャリア周波数に基づいて動作し、第2電動機を制御する第2コアとを備え、前記第1コア及び前記第2コアにより同一の演算処理を行った際に得られるそれぞれの演算結果を比較処理するコア異常監視装置であって、
    前記同一の演算処理を行う際に、前記第1キャリア周波数及び前記第2キャリア周波数は互いに対して同期されることを特徴とする、コア異常監視装置。
  2. 前記第1キャリア周波数及び前記第2キャリア周波数は、前記第1コア及び前記第2コアが同一の入力情報に基づいて前記演算処理を行うように同期される、請求項1に記載のコア異常監視装置。
  3. 前記第1コアは、前記第1キャリア周波数で規定される周期毎に、第1入力情報に基づいて演算処理を行い、
    前記第2コアは、前記第2キャリア周波数に基づく所定タイミングで前記第1コアから前記第1入力情報を取得し、前記第1コアから取得した前記第1入力情報に基づいて前記演算処理を行う、請求項1又は2に記載のコア異常監視装置。
  4. 前記第1コアは、前記第1キャリア周波数に基づく所定タイミングで前記第1入力情報の取得処理を行い、
    前記第1キャリア周波数及び前記第2キャリア周波数は、前記第2キャリア周波数に基づく所定タイミングが前記第1キャリア周波数に基づく所定タイミングに対して所定の遅延時間だけ遅れるように、互いに対して同期される、請求項3に記載のコア異常監視装置。
  5. 前記第1コアは、前記第1電動機を制御する際、前記第1入力情報に基づいて前記演算処理を行い、
    前記第1入力情報は、前記第1電動機で発生させるべきトルク指令値と、前記第1電動機の回転角を検出する角度センサの出力信号に基づく角度情報のデジタル値と、前記第1電動機の通電電流を検出する電流センサの出力信号に基づく電流情報のデジタル値とを含み、
    前記第2コアは、前記第2電動機を制御する際、第2入力情報に基づいて前記演算処理と同一の演算処理を行い、
    前記第2入力情報は、前記第2電動機で発生させるべきトルク指令値と、前記第2電動機の回転角を検出する角度センサの出力信号に基づく角度情報のデジタル値と、前記第2電動機の通電電流を検出する電流センサの出力信号に基づく電流情報のデジタル値とを含む、請求項3又は4に記載のコア異常監視装置。
  6. 前記第2コアは、前記比較処理に用いる演算結果を得るために、前記第2入力情報に代えて、前記第1コアから取得した前記第1入力情報に基づいて前記演算処理を行う、請求項5に記載のコア異常監視装置。
  7. 前記演算結果の比較処理の結果、それぞれの前記演算結果が一致しない場合に、前記第1コア及び前記第2コアのいずれかに異常があると判定する、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のコア異常監視装置。
  8. 前記キャリア周波数の同期は、前記第2コアに係るキャリア周波数のみを変更して実現される、請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載のコア異常監視装置。
  9. 前記演算結果の比較処理は、前記第1コアから前記第1コアの演算結果を取得する前記第2コアにより実行され、
    前記演算結果の比較処理は、前記第2コアの負荷が所定基準より小さくなった場合に実行される、請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載のコア異常監視装置。
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