JP2014095244A - 壁掛式便器 - Google Patents

Abstract

【課題】住宅に設置された壁掛式便器に使用者が腰掛けたときに、従来のものに比べて、床がたわみにくく、便器本体１０が前方に傾きにくい壁掛式便器を提供する。
【解決手段】下端を床に固定された支持部材と、前記支持部材に対して後部を固定されて前記床から浮いた状態に支持された便器本体と、下端がトイレ室の床に当接するように、前記トイレ室の左右の側壁に沿って又は前記左右の側壁に代えて設けられ、前記支持部材に固定される左壁部材及び右壁部材と、を備え、前記左壁部材及び前記右壁部材は、前記便器本体の後方に設けられて前記支持部材を隠蔽するキャビネットの内部に設けた壁掛式便器。
【選択図】図１

Description

本発明は壁掛式便器に関する。

腰掛便器を床から浮いた状態で設置する壁掛式便器が知られている（例えば、特許文献１）。この壁掛式便器は、金属フレーム材を組んで成る支持部材に対して固定されている。

支持部材は、床や壁に固定されており、一般的には、腰掛便器の背後に設けられるキャビネットの中や壁の中に設けられる。これにより、腰掛便器は、床から浮いた状態で壁に支持されることになる。

特開２００３−１１９８７０号公報

上述した壁掛式便器は、床の強度が十分確保された公共施設においてはよく採用されているものの、一般の住宅での普及率は低い。

これは、一般の住宅では、公共施設のトイレ室に比べて床の強度が不足しているため、公共施設と同じ設計で壁掛け便器を設置すると、使用者が着座したときに床がたわんで壁掛け便器を支持するフレームが傾き、便器本体が前方に倒れるように傾いてしまう可能性があるためである。

本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、住宅に設置された壁掛式便器に使用者が腰掛けたときに床がたわみにくく、便器本体が前方に傾きにくい壁掛式便器を提供することを目的とする。

本発明に係る壁掛式便器は、下端を床に固定された支持部材と、前記支持部材に対して後部を固定されて前記床から浮いた状態に支持された便器本体と、下端がトイレ室の床に当接するように、前記トイレ室の左右の側壁に沿って又は前記左右の側壁に代えて設けられ、前記支持部材に固定される左壁部材及び右壁部材と、を備え、前記左壁部材及び前記右壁部材は、前記便器本体の後方に設けられて前記支持部材を隠蔽するキャビネットの内部に設けられる構成としてある。

なお、以上説明した壁掛式便器は、他の機器に組み込まれた状態で実施されたり他の方法とともに実施されたりする等の各種の態様を含むものである。

本発明によれば、住宅に設置された壁掛式便器に使用者が腰掛けたときに、床がたわみにくく、便器本体が前方に傾きにくくなる。

第１の実施形態に係る壁掛式便器の斜視図である。 第１の実施形態に係る壁掛式便器の平面図である。 第１の実施形態に係る壁掛式便器を側面から見て模式的に示した図である 第１の実施形態に係る支持部材を拡大して示した斜視図である。 第２の実施形態に係る壁掛式便器の斜視図である 第２の実施形態に係る支持部材を拡大して示した斜視図である。

以下、下記の順序に従って本発明を説明する。
（１）第１の実施形態：
（２）第２の実施形態：
（３）まとめ：

（１）第１の実施形態：
図１は、本実施形態に係る壁掛式便器１００の斜視図、図２は、本実施形態に係る壁掛式便器１００の平面図、図３は、壁掛式便器１００を側面から見て模式的に示した図である。図３（ａ）は左側面、図３（ｂ）は右側面から見て示してある。なお、図２，３には、支持部材２０を覆い隠すキャビネットＣを設けた状態を示してある。

壁掛式便器１００は、トイレ室Ｒの中に設けられており、便器本体１０、支持部材２０、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒを備えている。

便器本体１０は、使用者が上面に腰掛けて使用するための便器である。便器本体１０は、その後部を支持部材２０に対して固定されており、支持部材２０によって床Ｆから浮いた状態に支持されている。

支持部材２０は、床および壁の少なくとも一方に対して固定されている。図１〜３においては、支持部材２０は、その下部をトイレ室Ｒの床Ｆに対して固定されており、床Ｆから略垂直上方に延びるように立設されている。

左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒは、壁掛式便器１００の左右側方にそれぞれ設けられており、図１，２に示す例では、トイレ室Ｒの左右の側壁ＷＬ，ＷＲに沿ってそれぞれ設けた場合を示してある。図１，２に示す例では、側壁ＷＬ，ＷＲは、壁掛式便器１００の左右側方に互いに平行に設けられている。

左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒは、支持部材２０の腕部２０Ｌ，２０Ｒに固定されている。腕部２０Ｌ，２０Ｒは、支持部材２０の上部から左右方向にそれぞれ延びるように設けられている。なお、以下では、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの腕部２０Ｒ，２０Ｌに対して固定された部位を、固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１と呼ぶことにする。

左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒは、固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１と、床の当接部３０Ｌ２，３０Ｒ２と、の間の距離を略一定に保つ機能を有している。当接部３０Ｌ２，３０Ｒ２とは、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒがトイレ室Ｒの床Ｆと接する箇所である。

ここで、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの作用について説明する。

便器本体１０に使用者等が着座すると、便器本体１０には応力Ｆ１が加わるため、支持部材２０には図３に示すモーメントＭ１が加わる（支持部材２０を前傾させる力が加わる）ことになる。

このとき、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒが、上述したように、固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１と当接部３０Ｌ２，３０Ｒ２との間の距離を略一定に保つ機能を有しているため、このモーメントＭ１による支持部材２０の前傾が抑制される。

すなわち、モーメントＭ１（又は応力Ｆ１）に応じたモーメントは、支持部材２０と床Ｆとを固定した部位には加わらず、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒを介して、当該左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒが固定されるトイレ室Ｒの床Ｆや左右の側壁ＷＬ，ＷＲ、後側壁ＢＷに加わることになる。

従って、支持部材２０の前傾が抑制され、支持部材２０が固定された部位における床Ｆのたわみが抑制される。その結果、便器本体１０の沈み込みが防止される。

次に、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒが、固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１と当接部３０Ｌ２，３０Ｒ２との間の距離を略一定に保つ機能について、具体的に説明する。

当接部３０Ｌ２，３０Ｒ２の後端３０Ｌ４，３０Ｒ４は、固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１よりも後方に位置しており、固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１の前端よりも後方側において、床Ｆ、左右の側壁ＷＬ，ＷＲ又は後側壁ＢＷに対して固定部材で固定されている。

なお、図１〜３には、左壁部材３０Ｌについては固定部材３０Ｌ５，３０Ｌ６で側壁ＷＬに対して固定した場合、右壁部材３０Ｒについては固定部材３０Ｒ５，３０Ｒ６で側壁ＷＲに対して固定した場合を例示してある。

このように左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒを固定することで、便器本体１０に使用者が着座して支持部材２０の固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１に対して図３に示すモーメントＭ１が加わったとき、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒは、固定部材３０Ｌ５，３０Ｌ６，３０Ｒ５，３０Ｒ６の固定力により、当該モーメントＭ１による支持部材２０の前傾を阻害する作用を奏する。

また、当接部３０Ｌ２，３０Ｒ２の後端３０Ｌ４，３０Ｒ４は、後側壁ＢＷと床Ｆの角に位置している。

このため、固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１にモーメントＭ１が加わっても、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒは固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１を中心として回動しにくく、やはり、当該モーメントＭ１による支持部材２０の前傾を阻害する作用を奏することになる。

一方、当接部３０Ｌ２，３０Ｒ２の前端３０Ｌ３，３０Ｒ３は、便器本体１０の後端よりも後方に位置している。このとき、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒは、便器本体１０の後方側において支持部材２０等を覆い隠すために設けられるキャビネットＣの内部に位置する。

このため、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒがトイレ室Ｒの空間を狭めたり、トイレ室Ｒの美観統一を阻害したりすることがない。ただし、トイレ室のスペースや美観に対する悪影響がないのであれば、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒを固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１よりも前方に延在しても構わない。

例えば、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの前端をキャビネットＣの内部空間の範囲内で固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１よりも前方に延在させる場合や、便器本体１０の側方に洗面台等が設けてあって、当該洗面台等と便器本体１０との間に区画用の壁部材を設ける場合に、左壁部材３０Ｌや右壁部材３０Ｒを、便器本体１０と洗面台等とを区画する壁部材と共通化する場合等である。

また、左壁部材３０Ｌや右壁部材３０Ｒが固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１よりも前方に延在する部位を有することにより、便器本体１０に加わる荷重によって発生するモーメントや応力の少なくとも一部が、固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１よりも前方側に位置する当接部３０Ｌ２，３０Ｒ２及びこれらが接する部位の床Ｆによって受け止められることになる。

このため、便器本体１０に荷重が加わったときに、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒが、支持部材２０の一種のつっかえ棒的な機能を果たし、やはり、固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１に加わるモーメントＭ１による支持部材２０の前傾を阻害する作用を奏することになる。

また、本実施形態に係る左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒは、略矩形の平板状の部材としてあり、便器本体１０の左右側方にそれぞれ設けられた一対の側壁ＷＬ，ＷＲに沿って配置されている。そして、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの下端は、床Ｆに沿う形状になっている。

このため、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの下端の全体が床Ｆに当接することになり、上述したモーメント（応力）は、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒと当接する床Ｆの全体が受け止めることになる。従って、床Ｆのひずみをより効率的に抑制することが出来る。

また、図１，３に示すように、固定部３０Ｌ１，３０Ｒ１は、床Ｆよりも高い位置に設けられており、少なくとも便器本体１０の下端よりも上方に設けられており、図３に示す例では、便器本体１０の上端よりも上方に設けられている。

このため、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒは、便器本体１０に加わる応力Ｆ１の支持部材２０に対する力点（支持部材２０と便器本体１０の固定部位）に近い高さ、又は、当該力点よりも支点（支持部材２０と床Ｆの固定部位）からの距離が遠い位置で便器本体１０に加わる応力Ｆ１によって発生するモーメントを受けることができる。

すなわち、床Ｆに近い位置で便器本体１０に加わる荷重により発生するモーメントを受ける場合に比べて、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒに加わる力が小さくて済む。その結果、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの材料に要求される剛性が小さくなり、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒを、例えば合板等で構成することができる。

なお、以上説明した実施形態においては、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒをトイレ室Ｒの側壁ＷＬ，ＷＲの内側に沿って配置する場合を例に取り説明を行ったが、これに限るものではない。

例えば、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒは、既設の側壁ＷＬ，ＷＲの一部を切断等により取り除いて側壁ＷＬ，ＷＲの一部に代えて設けてもよいし、既設の側壁ＷＬ，ＷＲの外側（トイレ室Ｒの壁の中等）に設けてもよい。

このようにすることで、キャビネットＣ内のスペースを圧迫すること無く床Ｆのたわみや便器本体１０の前傾を防止することが出来るし、特に後者の場合は、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０ＲをキャビネットＣの前方に延在させた場合に、トイレ室Ｒの外観などを損なうこと無く床Ｆのたわみや便器本体１０の前傾を防止することが出来る。

［支持部材］
次に、支持部材２０の構造について説明する。図４は支持部材２０を拡大して示した斜視図である。同図に示すように、第１の実施形態に係る壁掛便器の支持部材２０は、左右一対の縦フレーム２１，２１と、左右一対の基部２２，２２と、横フレーム２３と、を有する。

左右一対の基部２２，２２は、図１に示すように、便器本体１０の後方の床Ｆに載置され、例えばボルトで床Ｆに固定される。左右一対の基部２２，２２は、左右一対の側壁ＷＬ，ＷＲの間で、これら側壁ＷＬ，ＷＲを結ぶ方向に並んで配置されている。

縦フレーム２１，２１は、床Ｆから鉛直方向に上方に延在し、その下部がそれぞれ基部２２，２２に対して溶接等により固定されている。これにより、基部２２，２２及び縦フレーム２１，２１は一体に形成され、縦フレーム２１，２１の前面部２１ａ，２１ａから基部２２，２２にかけてＬ字状になる。

また、縦フレーム２１，２１は所定の間隔で平行に設けられる。縦フレーム２１，２１は、床Ｆから離れた位置で第１連結部２４と第２連結部２５によって連結されている。これにより、２本の縦フレーム２１，２１は、その間隔を維持したまま床Ｆに頑丈に固定される。

横フレーム２３は、鉛直方向に対して直交する水平方向に延在し、一対の縦フレーム２１，２１の上部に横架された状態で固定されている。横フレーム２３は、一対の縦フレーム２１，２１のそれぞれに対して不図示のボルト等で固定されており、一対の縦フレーム２１，２１によって支持されている。

これにより、横フレーム２３は、床Ｆを上方から見た平面視で、一対の縦フレーム２１，２１の真上の位置を、水平方向であって且つ一対の側壁ＷＬ，ＷＲを結ぶ方向に延びることになる。横フレーム２３の両端部は、それぞれ側壁ＷＬ，ＷＲに対して固定される。

ただし、側壁ＷＬ，ＷＲの間隔は、施工先のトイレ室Ｒのサイズに応じて様々である。そこで、横フレーム２３は、側壁ＷＬ，ＷＲに沿って配置される左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの間隔に応じて長さを調整可能にするために、水平方向に延在するフレーム本体２６と、フレーム本体２６の長手方向の両端部に取り付けられた一対のスライド部２７，２７とを有する。

フレーム本体２６は、一対の縦フレーム２１，２１に対して不図示のボルト等で固定されている。スライド部２７，２７は、フレーム本体２６の左右端部に、水平方向にスライド自在に取り付けられている。

すなわち、横フレーム２３は、スライド部２７，２７を左右にスライド移動させることにより、その長さを適宜に伸縮可能になっており、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの間隔に応じて左右長さを変更可能になっている。

スライド部２７，２７の左右端部には、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒに対する取付部２８，２８が設けられている。取付部２８，２８は、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒに対して平行な板状に形成されている。

取付部２８，２８は、前端についてはスライド部２７，２７の前端と略一致し、上端についてはスライド部２７，２７よりも所定長だけ上方に張り出した状態、下端についてはスライド部２７，２７よりも所定長だけ下方に張り出した状態で、スライド部２７，２７に固定されている。

これらの張り出した部位には、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒへの取付構造としての穴２８ａ，２８ａが形成されている。これらの穴２８ａ，２８ａを介して、取付部２８，２８は、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒに対して、ボルト等を用いて固定される。

取付部２８，２８は、スライド部２７，２７のスライドに伴い、水平方向にスライドする。取付部２８，２８は、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒに対してボルト等を用いて固定される。

以上説明したように、スライド部２７，２７は、一対の左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの間を結ぶ方向にスライド自在であるため、様々な左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの間の距離に対応できる。すなわち、横フレーム２３全体の長さは固定されておらず、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの間の距離に応じてスライド部２７，２７をスライドさせて、横フレーム２３の長さを調整できる。

一方、縦フレーム２１，２１の前面には、便器本体１０が固定される。図４においては、縦フレーム２１，２１に２本のボルト２９，２９が取り付けられている。便器本体１０には不図示の孔が設けられている。この孔にボルト２９，２９を通してナットで固定することで、便器本体１０は、図１に示すように、床Ｆから浮いた状態で支持される。

このとき、便器本体１０は、２本のボルト２９，２９及びナットで縦フレーム２１，２１に固定されるとともに、便器本体１０の後面の下部が第１連結部２４の便器受部Ｐに接触して、３点による支持によって固定される。

このように、便器本体１０が支持部材２０に対してしっかりと固定されているため、便器本体１０に加わる下向きの力が、支持部材２０を介して、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒによってしっかりと受け止められる。これにより、支持部材２０が固定されている床Ｆの変形を効果的に抑制することができる。

以上説明した第１の実施形態においては、支持部材２０の具体例として、図４に示す支持部材を例示ししたが、支持部材の形状や構造は様々に変形可能であり、例えば、以下に説明する第２の実施形態に係る支持部材を用いることもできる。

（２）第２の実施形態：
図５は、第２の実施形態に係る壁掛式便器２００の斜視図であり、図６は、第２の実施形態に係る支持部材２２０を拡大して示した斜視図である。なお、支持部材以外の構成については、上述した第１の実施形態と同様であるため、以下では、同じ符号を付して説明を省略することにする。

図６には、支持部材２２０を、便器本体１０が取り付けられる正面側から見て示している。同図に示すように、第２の実施形態に係る壁掛便器の支持部材２２０は、縦フレーム２２１，２２１と、連結部材２２２，２２２と、横フレーム２２３と、を備える。

縦フレーム２２１，２２１は、後側壁ＢＷから離れた位置で床Ｆに固定される（図１参照）。縦フレーム２２１，２２１は、床Ｆから垂直上方に延在する例えば角型材（中空または中実）である。縦フレーム２２１，２２１は、例えば、Ｌ型部材によって床Ｆに固定される。

本実施形態では、縦フレーム２２１，２２１は所定の間隔で平行に設けられている。縦フレーム２２１，２２１は、床Ｆにおいて第１連結部２２４によって連結され、床Ｆから離れた位置で第２連結部２２５によって連結されている。これにより、２本の縦フレーム２２１，２２１は、その間隔を維持したまま床Ｆに頑丈に固定される。

連結部材２２２，２２２は、水平左右方向に延在する。すなわち、連結部材２２２，２２２は、後側壁ＢＷに対して垂直な方向に延在して設けられる。本実施形態では、縦フレーム２２１，２２１に対応して連結部材２２２，２２２が設けられている。連結部材２２２，２２２の前端２２２ａ，２２２ａは縦フレーム２２１，２２１に固定され、連結部材２２２，２２２の後端２２２ｂ、２２２ｂには横フレーム２２３が固定される。

横フレーム２２３は水平前後方向に延在し、連結部材２２２，２２２の後端２２２ｂ、２２２ｂに横架された状態で固定されている。横フレーム２２３は、溶接やボルトとナットを用いた締結等で連結部材２２２，２２２に固定されており、一対の縦フレーム２２１，２２１及び一対の連結部材２２２，２２２によって支持されている。

これにより、横フレーム２２３は、床Ｆを上方から見た平面視で、水平方向であって且つ一対の左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒを結ぶ方向に延びる（図１参照）。横フレーム２２３の両端部は、それぞれ左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒに対して固定される。

ただし、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの間隔は、施工先のトイレ室Ｒのサイズに応じて様々である。そこで、横フレーム２２３は、水平方向に延在するフレーム本体２２６と、フレーム本体２２６の長手方向の両端部に取り付けられた一対のスライド部２２７，２２７とで構成されている。

フレーム本体２２６は、一対の縦フレーム２２１，２２１に対して溶接ボルトとナットを用いた締結等で固定されている。スライド部２２７，２２７は、フレーム本体２２６の左右端部に、水平方向にスライド自在に取り付けられている。

これにより、横フレーム２２３は、スライド部２２７，２２７を左右にスライド移動させることで、その長さを適宜に伸縮可能になっており、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの間隔に応じて左右長さを変更可能になっている。

スライド部２２７，２２７の左右端部には、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒに対する取付部２２８，２２８が設けられている。取付部２２８，２２８は、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒに対して平行な板状に形成されている。取付部２２８，２２８は、スライド部２２７，２２７のスライドに伴い、水平方向にスライドする。取付部２２８，２２８は、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒに対してボルト等を用いて固定される。

取付部２２８，２２８は、後端についてはスライド部２２７，２２７の後端と略一致し、前端についてはスライド部２２７，２２７よりも所定長だけ前方に張り出した状態で、スライド部２２７，２２７に固定されている。

この張り出した部位には、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒへの取付構造としての穴２２８ａ，２２８ａが形成されている。これらの穴２２８ａ，２２８ａを介して、取付部２２８，２２８は、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒに対して、ボルト等を用いて固定される。

このように、スライド部２２７，２２７が左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの間を結ぶ方向にスライド自在であるため、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒの間隔に応じてスライド部２２７，２２７をスライドさせて、横フレーム２２３の長さを調整できる。

一方、縦フレーム２２１，２２１の前面には、便器本体１０が固定される。図６においては、縦フレーム２２１，２２１に２本のボルト２２９，２２９が取り付けられている。便器本体１０には不図示の孔が設けられている。この孔にボルト２２９，２２９を通してナットで固定することで、便器本体１０は、図５に示すように、床Ｆから浮いた状態で支持される。

このとき、便器本体１０は、２本のボルト２２９，２２９及びナットで縦フレーム２２１，２２１に固定されるとともに、便器本体１０の後面の下部が第２連結部２２５の便器受部Ｐに接触して、３点による支持によって固定される。

このように、第２の実施形態に係る支持部材２２０であっても、便器本体１０が支持部材２２０に対してしっかりと固定されているため、便器本体１０に加わる下向きの力が、支持部材２２０を介して、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒによってしっかりと受け止められる。これにより、支持部材２２０が固定されている床Ｆの変形を効果的に抑制することができる。

（３）まとめ：
以上説明したように、本実施形態に係る壁掛式便器１００（又は壁掛式便器２００）は、下端を床Ｆに固定された支持部材２０（又は支持部材２０）と、支持部材２０（又は支持部材２０）に対して後部を固定されて床Ｆから浮いた状態に支持された便器本体１０と、下端がトイレ室Ｒの床Ｆに当接するように、トイレ室Ｒの左右の側壁ＷＬ，ＷＲに沿って又は左右の側壁ＷＬ，ＷＲに代えて設けられ、支持部材２０（又は支持部材２０）に固定される左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒと、を備え、左壁部材３０Ｌ及び右壁部材３０Ｒは、便器本体１０の後方に設けられて支持部材２０（又は支持部材２０）を隠蔽するキャビネットＣの内部に設けられている。これにより、住宅に設置された壁掛式便器に使用者が腰掛けたときに、従来のものに比べて、床がたわみにくく、便器本体１０が前方に傾きにくくなる。

なお、本発明は上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。また，本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず，特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。

１０…便器本体、２０…支持部材、２０Ｌ…腕部、２０Ｒ…腕部、２１…縦フレーム、２１ａ…前面部、２２…基部、２３…横フレーム、２４…第１連結部、２５…第２連結部、２６…フレーム本体、２７…スライド部、２８…取付部、２８ａ…穴、２９…ボルト、３０Ｌ…左壁部材、３０Ｌ１…固定部、３０Ｌ２…当接部、３０Ｌ３…前端、３０Ｌ４…後端、３０Ｌ５…固定部材、３０Ｌ６…固定部材、３０Ｒ…右壁部材、３０Ｒ１…固定部、３０Ｒ２…当接部、３０Ｒ３…前端、３０Ｒ４…後端、３０Ｒ５…固定部材、３０Ｒ６…固定部材、１００…壁掛式便器、２００…壁掛式便器、２２０…支持部材、２２１…縦フレーム、２２２…連結部材、２２２ａ…前端、２２２ｂ…後端、２２３…横フレーム、２２４…第１連結部、２２５…第２連結部、２２６…フレーム本体、２２７…スライド部、２２８…取付部、２２８ａ…穴、２２９…ボルト、ＢＷ…後側壁、Ｃ…キャビネット、Ｆ…床、Ｆ１…応力、Ｍ１…モーメント、Ｐ…便器受部、Ｒ…トイレ室、ＷＬ…側壁、ＷＲ…側壁

Claims (5)

1. 下端を床に固定された支持部材と、
   前記支持部材に対して後部を固定されて前記床から浮いた状態に支持された便器本体と、
   下端がトイレ室の床に当接するように、前記トイレ室の左右の側壁に沿って又は前記左右の側壁に代えて設けられ、前記支持部材に固定される左壁部材及び右壁部材と、
   を備え、
   前記左壁部材及び前記右壁部材は、前記便器本体の後方に設けられて前記支持部材を隠蔽するキャビネットの内部に設けられることを特徴とする壁掛式便器。
2. 前記左壁部材及び前記右壁部材は、前記支持部材よりも後方に延在するように設けられることを特徴とする請求項１に記載の壁掛式便器。
3. 前記左壁部材は、前記トイレ室の左側壁、後側壁及び床の少なくとも１つに対して固定され、前記右壁部材は、前記トイレ室の右側壁、後側壁及び床の少なくとも１つに対して固定されることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の壁掛式便器。
4. 前記左壁部材と前記右壁部材は、前記便器本体の下端よりも上方で前記支持部材に固定されている請求項１〜請求項３の何れか１項に記載の壁掛式便器。
5. 前記左壁部材及び前記右壁部材は、前記トイレ室の左右の側壁の中にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項１〜請求項４の何れか１項に記載の壁掛式便器。

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