JP2014094890A - ジアミン化合物及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】 白色で且つ着色しにくいスルホン酸エステル基含有のジアミン化合物とその製造方法を提供する。
【解決手段】 下記式(1)で示されるジアミン化合物。
Figure 2014094890

【選択図】 なし

Description

本発明は、工業的に有用なエステル基を含むジアミン化合物及びその製造方法に関するものである。
ジアミン化合物は、有機化学分野及び高分子化学分野で広く用いられている化合物であり、ファインケミカル、医農薬原料および樹脂原料、さらには電子情報材料や光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用な化合物である。近年、エステル基を有するジアミン化合物を原料とした材料の研究が盛んで、例えば、溶媒への溶解度が向上するポリイミド共重合体が得られる(特許文献1)、耐熱性等の諸特性に優れ、機械的強度が高く、かつ低い線膨張係数を有して熱的寸法安定性に優れたポリイミド共重合体が得られる(特許文献2)、低熱膨張、低吸湿膨張性の耐熱絶縁材料が得られる(非特許文献1)等の報告がなされている。そのため、これらジアミン化合物に要求される性能も益々多様化、高度化してきており、透明性に優れた材料、例えば、白色で、且つ、着色しにくいエステル基を含有したジアミンが望まれている。
従来のジアミン化合物は、一般的に着色していることが多く、また、空気酸化により着色し易く、製造時に着色したり、保管中にも着色が進行する等の欠点があり、透明性が求められる材料への制限が出てくるなどの欠点があった。
米国特許4,317,902号明細書 特開平7−133349号公報 日本ポリイミド・芳香族系高分子研究会編「新訂 最新ポリイミド−基礎と応用−」株式会社エヌ・ティー・エス出版、2010年8月25日、p.287−304
本発明は、白色で、且つ、着色しにくいエステル基を含有したジアミン化合物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の現状に鑑み、鋭意検討の結果、スルホン酸エステル基を含有することで白色、且つ着色しにくい新規ジアミン化合物と、その製造方法を見出した。
すなわち、本発明のジアミン化合物とは、下記式(1)
Figure 2014094890
で示されるジアミン化合物である。
本発明のジアミン化合物の製造方法は、下記式(2)で示される2−ニトロベンゼンスルホン酸クロライドと、
Figure 2014094890
下記式(3)で示される2−ニトロフェノールとを塩基下でエステル化させて得られた、
Figure 2014094890
下記式(4)で示される2−ニトロベンゼンスルホン酸−2−ニトロフェニルエステルを、還元することにより得られる、
Figure 2014094890
下記式(1)で示される2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルの製造方法である。
Figure 2014094890
本発明の新規ジアミン化合物は、ジアミン化合物であるにもかかわらず、化合物内に剛直なスルホン酸エステル基を導入したことで白色の化合物となり、且つ、空気による酸化を受けにくくなり、製造時の着色もないことから、透明性が求められるポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂等の原料として有望である。また、本化合物は、エステル基を含有していることから、溶媒への溶解度の向上、耐熱性の向上、高い機械的強度、低線膨張性、低熱膨張性、低吸湿膨張性等の優れた機能性を有するポリイミドの原料、例えばフレキシブル回路基板用ベースフィルム材料、感光性耐熱性ポリマー、液晶配向膜等の原料として有望である。
図1は、実施例1で得られた2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルの水素核磁気共鳴(以下、「1H−NMR」と呼ぶ。)スペクトルチャートである。 図2は、実施例1で得られた2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルの赤外線分光法(以下、「IR」と呼ぶ。)スペクトルチャートである。
以下に、本発明のジアミン化合物およびそのジアミン化合物の製造方法について詳細に記載する。
本発明におけるジアミン化合物は、下記式(1)で示される、2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルである。
Figure 2014094890
上記式(1)で示される2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルは、白色であると共に、着色しにくい化合物である。例えば、空気雰囲気下、40℃で7日間保管しても、色目にほとんど変化は無く着色は認められない。
上記式(1)で示される化合物を製造するとき、まず下記式(2)
Figure 2014094890
で示される2−ニトロベンゼンスルホン酸クロライドと、下記式(3)
Figure 2014094890
で示される2−ニトロフェノールとを塩基下でエステル化させることにより、中間体の下記式(4)で示される2−ニトロベンゼンスルホン酸−2−ニトロフェニルエステルを製造することが出来る。
Figure 2014094890
式(2)で示される化合物と、式(3)で示される化合物との反応割合は、式(2)の化合物1モルに対して、式(3)で示される化合物を1.0〜3.0モルが好ましく、より好ましくは、1.0〜1.5モル使用する。式(3)の化合物を1.0モル以上とすることで、反応未達による収率低下を防止できることが期待され、また3.0モル以下とすることで、反応物から式(3)で示される化合物を除去するエネルギーが少なくなり、廃棄物も少なくなるため経済的であるので好ましい。
本エステル化反応は、塩基の存在下、好ましくは非プロトン性極性溶媒中で、式(2)で示される化合物と、式(3)で示される化合物とを反応させる。
本エステル化反応で好ましく用いる非プロトン性極性溶媒としては、例えばスルホキシド化合物、スルホラン化合物、アミド化合物、ニトリル化合物、エーテル化合物等を好適に用いることができる。
スルホキシド化合物としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルスルホキシド等が挙げられる。
スルホラン化合物としては、スルホラン、メチルスルホラン等が挙げられる。
アミド化合物としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル− 2−イミダゾリノジン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。
エーテル化合物としては、モノグライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、アニソール、モルホリン等が挙げられる。
これらの中でもテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が、沸点が低いため除去が容易であることから好ましい。
非プロトン性極性溶媒は、単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
非プロトン性極性溶媒の使用量は、通常、式(2)で示される化合物に対して0.1〜20重量倍の範囲である。
本エステル化反応に好ましく使用される塩基としては、例えば、アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、アルカリ金属フッ化物、アミン等が挙げられる。
アルカリ金属水素化物としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属水素化物としては、水素化ベリリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウム等が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属炭酸塩としては、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等が挙げられる。
アルカリ金属アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等が挙げられる。
アルカリ土類金属アルコキシドとしては、マグネシウムジエトキシド、マグネシウムジメトキシド等が挙げられる。
アルカリ金属フッ化物としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウムなどが挙げられる。
アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N、N−ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン等の三級アミン、ピリジン、ピロール、ウラシル、コリジン、ルチジン等の複素芳香族アミン、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の環状アミジン等が挙げられる。
これらの塩基は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。これらの塩基のうち、トリエチルアミン、ピリジンが液体で取り扱いが容易であり、沸点が低いため除去が容易であることから特に好ましい。
塩基の使用量は、式(2)で示される化合物に対して、1.0〜3.0モル倍量が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5モル倍量にすると良い。塩基を1.0モル倍量以上とすることで、反応未達による収率低下を防止でき、3.0モル倍量以下とすることで、塩基除去に必要なエネルギーが少なくなり、廃棄物も少なくなるので好ましい。
本エステル化反応は、窒素雰囲気下で実施することが好ましい。窒素雰囲気下で実施することにより、系内に酸素が混入することを防ぐことで、純度低下を抑制することが出来る。
本エステル化反応の反応温度は、通常、0〜150℃が好ましく、より好ましくは、0〜70℃である。0℃以上とすることで反応が速やかに進行し、150℃以下にすることで副反応を抑制し、収率低下を防ぐことができる。
本エステル化反応の反応時間は、通常、0.5〜20時間の範囲である。
本エステル化反応終了後は、反応混合物に晶析溶媒を添加することで結晶が析出し、これを単離することで中間体である2−ニトロベンゼンスルホン酸−2−ニトロフェニルエステルが得られる。得られた中間体は、再結晶を行っても良い。
本エステル化反応に好ましく使用される晶析溶媒としては、例えば、水、アルコール化合物等を好適に用いることができる。
アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール等が挙げられる。
これらの晶析溶媒は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。これらの晶析溶媒のうち、水、メタノールが安価に入手できることから特に好ましい。
次に、上記で得られた式(4)の2−ニトロベンゼンスルホン酸−2−ニトロフェニルエステルを、還元することにより下記式(1)で示される2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルを製造することが出来る。
Figure 2014094890
還元方法としては、亜鉛末、鉄粉、錫、塩化第一錫などを用いる金属還元法や水素化触媒を用いる接触水素化といった方法があるが、目的物の単離方法が簡易であること、処理を必要とする廃棄物が少ないこと、経済性がよいことなどの観点から、接触水素化が最も好ましい。
本接触水素化の反応に用いる好適な水素化触媒としては、例えば貴金属触媒あるいはラネーニッケル触媒などを挙げることができる。
貴金属触媒としては、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、およびイリジウムから選ばれる少なくとも一つの貴金属を含むものが用いられる。
触媒の形態としては、例えば活性炭、珪藻土、アルミナなどに担持した態様が挙げられる。
これらの中でも、経済性および操作性の観点から白金カーボン、パラジウムカーボン触媒が特に好ましい。
貴金属触媒の量は、通常、式(4)で示される化合物に対して貴金属分として0.001〜0.5重量倍に相当する量の触媒を用いることが好ましく、より好ましくは貴金属分として0.01〜0.2重量倍である。触媒の貴金属分を0.001重量倍以上とすることで水添反応が速やかに進行し、0.5重量倍以下とすることで製品のコストに占める触媒コストの割合を小さくでき、また触媒の濾別作業の負担が小さくなる。
本接触水素化に好ましく使用される溶媒としては、例えば、アルコール化合物、エステル化合物、エーテル化合物、アミド化合物等を好適に用いることができる。
アルコール化合物としては、メタノ−ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
エステル化合物としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート 等が挙げられる。
エーテル化合物としては、グライム、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
アミド化合物としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
これらの中でもテトラヒドロフラン、2−プロパノールが、沸点が低いため除去が容易であることから好ましい。
溶媒は、単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
接触水素化反応の溶媒の使用量は、通常、式(4)で示される化合物に対して0.1〜20重量倍の範囲である。
本接触水素化の反応温度は、通常、0〜150℃が好ましく、より好ましくは、0〜70℃である。0℃以上とすることで反応が速やかに進行し、150℃以下にすることで副反応を抑制し、収率低下を防ぐことができる。
本発明の製造方法において、式(4)で示される化合物は、化合物内にスルホン酸エステル基を含有しているため、硫黄系化合物による触媒毒作用と、立体障害の影響により常圧では反応がほとんど進行しないため、加圧下で接触水素化を行う。
本接触水素化反応における水素圧は0.1〜10MPaが好ましく、より好ましくは0.1〜1MPaである。0.1MPa以上とすることで接触水素化反応が進行し、10MPa以下とすることで副反応を抑制し、収率低下を防ぐことが出来る。
接触水素化反応終了後、常法にて触媒を濾別し、濾液に晶析溶媒を添加することで結晶が析出し、これを単離することで、式(1)で示される2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルが得られる。得られた化合物は、再結晶を行っても良い。
本接触水素化反応に好ましく使用される晶析溶媒としては、例えば、水、アルコール化合物、非極性化合物等を好適に用いることができる。
アルコール化合物としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等が挙げられる。
非極性化合物としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
これらの晶析溶媒は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。これらの晶析溶媒のうち、水、2−プロパノール、トルエンが本化合物の純度を向上させるのに特に好ましい。
上記により得られた、式(1)で示されるジアミン化合物は、化合物内に剛直なスルホン酸エステル基を導入したことにより、ジアミン化合物であるにもかかわらず白色の化合物であり、且つ、空気による酸化を受けにくく、製造時の着色もない。また保管時における着色を抑制することができる。
このジアミン化合物は、透明性が求められるポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂等の原料として有望である。また、エステル基を含有していることから、溶媒への溶解度の向上、耐熱性の向上、高い機械的強度、低線膨張性、低熱膨張性、低吸湿膨張性等の優れた機能性を有するポリイミドの原料、例えばフレキシブル回路基板用ベースフィルム材料、感光性耐熱性ポリマー、液晶配向膜等の原料として有望である。
以下、実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例のみに制限されるものではない。
実施例1及び2において、ジアミン化合物中の2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルの含有量、すなわち2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルの化学純度は、高速液体クロマトグラフィー法(以下、「HPLC」と略す。)で、以下の分析条件で分析したもの(HPLC area%)である。
・カラム: YMC―Pack ODS−AM303 4.6φ×250mm
・カラム温度: 40℃
・移動相:
A:0.05%(v/v)リン酸水溶液
B:アセトニトリル
(グラジエント) 0min. A:B=60:40
5min. A:B=60:40
30min A:B=30:70
・流量:1ml/min
・注入量: 0.5μl
・検出: 紫外(UV)検出 波長254nm
・分析時間: 30分
・分析サンプル調製:サンプル0.05gを秤量し、アセトニトリル25mlに溶解させた。
また、中間体の2−ニトロベンゼンスルホン酸−2−ニトロフェニルエステルの化学純度についても、上記HPLCの分析条件により分析した。
(実施例1)
温度計、冷却管および撹拌機を取り付けた500ml四つ口フラスコに、2−ニトロフェノール33.0g(0.2369mol)、トリエチルアミン24.5g(0.2416mol)、テトラヒドロフラン42gを仕込み、系内を窒素置換した。これに2−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド52.5g(0.2369mol)をテトラヒドロフラン63gで溶解させた溶液を30℃付近で滴下した。この混合液を30℃で1時間撹拌し反応を行った。反応が終了した後、水250gを30℃付近で滴下することにより結晶を析出させた。その結晶を濾過、単離後、テトラヒドロフラン50gとメタノール100gで再結晶することにより中間体であるジニトロ化合物76.0gを得た。得られたジニトロ化合物は、HPLC純度99.8%、収率99%であった。
500mlのステンレススチール製オートクレーブ容器に、ジニトロ化合物41.3g、テトラヒドロフラン123g、5%白金カーボン(50%含水品)2.1gを仕込み、系内を窒素置換した。水素圧0.5MPa、70℃で24時間反応させ、所定の水素量が消費された。反応液から触媒を濾別し、濾液にトルエン150gを加え濃縮した。濃縮液を5℃まで冷却することで結晶が析出し、これを濾過、乾燥することで白色結晶のジアミン化合物23.1gを得た。得られたジアミン化合物は、HPLC純度99.8%、収率69%であった。
図1に、実施例1で得られたジアミン化合物の水素核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルチャート、図2に赤外(IR)吸収スペクトルチャートを示す。なお1H−NMRは、図中に記載の測定条件で行った。
以上の結果をもって、得られたジアミン化合物が2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルであると同定した。
(参考例1)
実施例1において、還元反応時に水素圧を常圧に変更し、80℃で24時間反応させた以外は、実施例1と同様に実施したところ、反応率1%以下となり目的物はほとんど得られなかった。
(参考例2)
実施例1で得られたジアミン化合物を空気雰囲気下、40℃で7日間保管したところ、色目にほとんど変化は無く着色は認められなかった。また、比較として4,4−ジアミノジフェニルエーテルを同条件で保管したところ、色目が初期の黄土色から7日管保管後に薄茶色に変化しており着色が認められた。

Claims (3)

  1. 下記式(1)で示されるジアミン化合物。
    Figure 2014094890
  2. 下記式(2)で示される2−ニトロベンゼンスルホン酸クロライドと、
    Figure 2014094890
    下記式(3)で示される2−ニトロフェノールとを塩基下で反応させて得られた、
    Figure 2014094890
    下記式(4)で示される2−ニトロベンゼンスルホン酸−2−ニトロフェニルエステルを、還元することにより得られる、
    Figure 2014094890
    下記式(1)で示される2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルの製造方法。
    Figure 2014094890
  3. 前記2−ニトロベンゼンスルホン酸−2−ニトロフェニルエステルを、反応圧が0.1〜10MPaで行われる接触水素化により還元する請求項2に記載の2−アミノベンゼンスルホン酸−2−アミノフェニルエステルの製造方法。
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