JP2014181185A - ジアミン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 効率よく4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルを製造する。
【解決手段】 4−ニトロベンゼンスルホン酸クロライドと、4−ニトロフェノールを、塩基存在下、非プロトン性極性溶媒で反応後、晶析し、得られた4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルを、還元する4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 4−ニトロベンゼンスルホン酸クロライドと、4−ニトロフェノールを、塩基存在下、非プロトン性極性溶媒で反応後、晶析し、得られた4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルを、還元する4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルの製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、工業的に有用なスルホン酸エステル基を含むジアミン化合物及びその製造方法に関するものである。
ジアミン化合物は、有機化学分野及び高分子化学分野で広く用いられている化合物であり、ファインケミカル、医農薬原料および樹脂原料、さらには電子情報材料や光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用な化合物である。近年、エステル基を有するジアミン化合物を原料とした材料の研究が盛んで、耐熱性等の諸特性に優れ、機械的強度が高く、かつ低い線膨張係数を有して熱的寸法安定性に優れたポリイミド共重合体が得られる(特許文献1参照)、低熱膨張、低吸湿膨張性の耐熱絶縁材料が得られる(非特許文献1参照)等の報告がなされている。さらに、スルホン酸エステルを有する4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルを用いたポリイミド共重合体は重要な要素である溶媒への溶解度が向上する(特許文献1参照)と報告がなされている。
一方で、4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルの製造法は、4-アセトアミドベンゼンスルホニルクロリドとp−ヒドロキシアセトアニリドをトリエチルアミン存在下、クロロホルムと酢酸エチル混合溶媒中で反応させて4−アセトアミノベンゼンスルホン酸−4−アセトアミノフェニルエステルを合成した後、希塩酸で加水分解し、さらに希アルカリで処理して製造する方法があるが、環境上問題視されているクロロホルムの使用や希塩酸と希アルカリを使うなど工程が非常に煩雑であった(特許文献1参照)。また、4−ニトロベンゼンスルホン酸クロリドと4−ニトロフェノールをピリジン溶媒中で反応させて4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルを合成した後、ラネーニッケルで還元して製造する方法があるが、4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルを合成する際の反応時間が12時間と長い、更には晶析精製が2回必要であるために、単離収率が73%と低いなどの生産効率な欠点があった(非特許文献2参照)。
日本ポリイミド・芳香族系高分子研究会編「新訂 最新ポリイミド−基礎と応用−」株式会社エヌ・ティー・エス出版、2010年8月25日、p.287−304
Journal of the Chemical Society (1945) 468-70
本発明は、効率的なジアミン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、効率的な4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルの製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、下記式で示される4−ニトロベンゼンスルホン酸クロライドと、
下記式で示される4−ニトロフェノールを、
塩基存在下、非プロトン性極性溶媒で反応後、晶析し、得られた下記式で示される4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルを、
還元する下記式で示される4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステル
の製造方法である。
本発明は効率よく4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルを製造する方法を提供することができる。特に、従来、生産効率の悪かった中間体である4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステル合成時に非プロトン性極性溶媒を使用することで、反応速度を向上させ、更に晶析条件を検討することにより、例えば、環境に配慮した水による貧溶媒晶析1回で高収率及び高純度で4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルを合成できる。
本発明の製造方法において得られた4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルは、化合物内に剛直なスルホン酸エステル基を導入したことにより、ジアミン化合物であるにもかかわらず白色の化合物であり、且つ、空気による酸化を受けにくく、製造時の着色もない。また保管時における着色を抑制することができる。
本発明の製造方法において得られた4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルは、透明性が求められるポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂等の原料として好ましく使用される。また、エステル基を含有していることから、溶媒への溶解度の向上、耐熱性の向上、高い機械的強度、低線膨張性、低吸湿膨張性等の優れた機能性を有するポリイミドの原料、例えばフレキシブル回路基板用ベースフィルム材料、感光性耐熱性ポリマー、液晶配向膜等の原料として好ましく使用される。
以下に、本発明の詳細ついて記載する。
本発明は、下記式で示される4−ニトロベンゼンスルホン酸クロライドと、
下記式で示される4−ニトロフェノールを、
塩基存在下、非プロトン性極性溶媒で反応させる。以下、この反応を、「本エステル化反応」と記載する。
4−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド1モルに対して、4−ニトロフェノールを1.0〜3.0モル反応させることが好ましく、より好ましくは、1.0〜1.5モル使用する。4−ニトロフェノールを1.0モル以上反応させることで、反応未達による収率低下を防止でき、また3.0モル以下とすることで、反応物から4−ニトロフェノールを除去するエネルギーが少なくなり、廃棄物も少なくなるため経済的であるので好ましい。
4−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド1モルに対して、4−ニトロフェノールを1.0〜3.0モル反応させることが好ましく、より好ましくは、1.0〜1.5モル使用する。4−ニトロフェノールを1.0モル以上反応させることで、反応未達による収率低下を防止でき、また3.0モル以下とすることで、反応物から4−ニトロフェノールを除去するエネルギーが少なくなり、廃棄物も少なくなるため経済的であるので好ましい。
本エステル化反応で好ましく用いる非プロトン性極性溶媒、好ましくは、水溶性非プロトン性極性溶媒である。ここで、水溶性非プロトン性極性溶媒とは、任意の割合で水と混和する溶媒である。
本エステル化反応で好ましく用いる非プロトン性極性溶媒としては、例えばスルホキシド化合物、スルホラン化合物、アミド化合物、ニトリル化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等を好適に用いることができる。
スルホキシド化合物としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチルスルホキシド等が挙げられる。
スルホラン化合物としては、スルホラン、メチルスルホラン等が挙げられる。
アミド化合物としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N −ジメチルホルムアミド(DMF)、2− ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル− 2−イミダゾリノジン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。
エーテル化合物としては、モノグライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
ケトン化合物としては、アセトン等が挙げられる。
非プロトン性極性溶媒としては、これらの中でもテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が、収率面及び品質面から好ましい。
非プロトン性極性溶媒は、単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
非プロトン性極性溶媒の使用量は、通常、4−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド1モルに対して0.1〜20重量倍の範囲である。
本エステル化反応に好ましく使用される塩基としては、例えば、アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、アルカリ金属フッ化物、アミン等が挙げられる。
アルカリ金属水素化物としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属水素化物としては、水素化ベリリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウム等が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属炭酸塩としては、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等が挙げられる。
アルカリ金属アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt − ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt − ブトキシド等が挙げられる。
アルカリ土類金属アルコキシドとしては、マグネシウムジエトキシド、マグネシウムジメトキシド等が挙げられる。
アルカリ金属フッ化物としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウムなどが挙げられる。
アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N、N−ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン等の三級アミン、ピリジン、ピロール、ウラシル、コリジン、ルチジン等の複素芳香族アミン、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の環状アミジン等が挙げられる。
これらの塩基は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。これらの塩基のうち、トリエチルアミン、ピリジンが液体で取り扱いが容易であり、沸点が低いため除去が容易であることから特に好ましい。
塩基の使用量は、4−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド1モルに対して、1.0〜3.0モル倍量が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5モル倍量にすると良い。塩基を、4−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド1モルに対して、1.0モル倍量以上とすることで、反応未達による収率低下を防止でき、3.0モル倍量以下とすることで、塩基除去に必要なエネルギーが少なくなり、廃棄物も少なくなるので好ましい。
本エステル化反応は、窒素雰囲気下で実施することが好ましい。窒素雰囲気下で実施することにより、系内に酸素が混入することを防ぐことで、純度低下を抑制することが出来る。
本エステル化反応の反応温度は、通常、0〜150℃が好ましく、より好ましくは、0〜70℃である。0℃以上とすることで反応が速やかに進行し、150℃以下にすることで副反応を抑制し、収率低下を防ぐことができる。
本エステル化反応の反応時間は、通常、0.5〜6時間の範囲である。
次に、本発明では、晶析により、下記式で示される4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルを、
得る。
晶析は、好ましくは、本エステル化反応終了後の反応混合物に貧溶媒を添加する。好ましくは、反応混合物に貧溶媒を添加することにより、中間体である4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルの結晶が析出する。以下、反応混合物に貧溶媒を添加して晶析することを、「本貧溶媒晶析」と記載する。
本貧溶媒晶析に好ましく使用される貧溶媒としては、水が好適に用いることができる。水の使用量は、非プロトン性極性溶媒対して、1.0〜10.0重量倍量が好ましく、より好ましくは4.0〜7.0重量倍量にすると良い。貧溶媒を1.0重量倍量以上とすることで、高い晶析率を確保し、10.0モル倍量以下とすることで、純度低下を防ぐことができ、廃棄物も少なくなるので好ましい。
本貧溶媒晶析は、1度でも複数回行ってもよいが、水を溶媒とした晶析の場合は、1度の晶析で、高収率で、高純度の4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルの結晶が析出するので、特に好ましい。
次に、4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルを、還元することにより下記式で示される4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルを製造することが出来る。
還元方法としては、亜鉛末、鉄粉、錫、塩化第一錫などを用いる金属還元法や水素化触媒を用いる接触水素化といった方法が例示される。目的物の単離方法が簡易であること、処理を必要とする廃棄物が少ないこと、経済性がよいことなどの観点から、接触水素化が最も好ましい。
接触水素化の反応に用いる好適な水素化触媒としては、例えば貴金属触媒あるいはラネーニッケル触媒などを挙げることができる。
貴金属触媒としては、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、およびイリジウムから選ばれる少なくとも一つの貴金属を含むものが用いられる。
触媒の形態としては、例えば活性炭、珪藻土、アルミナなどに担持した態様が挙げられる。
これらの中でも、経済性および操作性の観点から白金カーボン、パラジウムカーボン触媒が特に好ましい。
貴金属触媒の量は、通常、4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルに対して貴金属分として0.001〜 0.5重量倍に相当する量の触媒を用いることが好ましく、より好ましくは貴金属分0.01〜0.2重量倍である。触媒の貴金属分を0.001重量倍以上とすることで水添反応が速やかに進行し、0 .5重量倍以下とすることで製品のコストに占める触媒コストの割合を小さくでき、また触媒の濾別作業の負担が小さくなる。
接触水素化に好ましく使用される溶媒としては、例えば、アルコール化合物、エステル化合物、エーテル化合物、アミド化合物等を好適に用いることができる。
アルコール化合物としては、メタノ−ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
エステル化合物としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート 等が挙げられる。
エーテル化合物としては、グライム、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
アミド化合物としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
これらの中でもテトラヒドロフラン、2−プロパノールが、沸点が低いため除去が容易であることから好ましい。
溶媒は、単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
接触水素化反応の溶媒の使用量は、通常、4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルに対して0.1〜20重量倍の範囲である。
本接触水素化の反応温度は、通常、0〜150℃が好ましく、より好ましくは、0〜70℃である。0℃以上とすることで反応が速やかに進行し、150℃以下にすることで副反応を抑制し、収率低下を防ぐことができる。
本発明の製造方法において、4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルは、好ましくは、加圧下で接触水素化を行う。加圧下で接触水素化を行うことにより、常圧より反応が速い。
接触水素化反応における水素圧は0.1〜10MPaが好ましく、より好ましくは0.1〜1MPaである。0.1MPa以上とすることで接触水素化反応が進行し、10MPa以下とすることで副反応を抑制し、収率低下を防ぐことが出来る。
4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルを、還元した後、好ましくは、還元触媒を濾別し、濾液に晶析溶媒を添加することで結晶が析出し、これを単離することで、4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルが得られる。得られた化合物は、再結晶を行っても良い。
濾液に添加する晶析溶媒としては、例えば、水、アルコール化合物、非極性化合物等を好適に用いることができる。
アルコール化合物としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等が挙げられる。
非極性化合物としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
これらの晶析溶媒は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。これらの晶析溶媒のうち、水、2−プロパノール、トルエンが本化合物の純度を向上させるのに特に好ましい。
上記により得られた、4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルは、化合物内に剛直なスルホン酸エステル基を導入したことにより、ジアミン化合物であるにもかかわらず白色の化合物であり、且つ、空気による酸化を受けにくく、製造時の着色もない。また保管時における着色を抑制することができる。
4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルは、透明性が求められるポリイミド、ポリアミド、エポキシ樹脂等の原料として好ましく使用される。また、エステル基を含有していることから、溶媒への溶解度の向上、耐熱性の向上、高い機械的強度、低線膨張性、低吸湿膨張性等の優れた機能性を有するポリイミドの原料、例えばフレキシブル回路基板用ベースフィルム材料、感光性耐熱性ポリマー、液晶配向膜等の原料として好ましく使用される。
以下、実施例により具体的に説明する。
実施例1及び2において、4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルの化学純度は、高速液体クロマトグラフィー法(以下、「HPLC」と略)で、以下の分析条件で分析した(HPLC area%)。
・カラム: YMC―Pack ODS−AM303 4.6φ×250mm
・カラム温度: 40℃
・移動相:
A:0.05%(v/v)リン酸水溶液
B:アセトニトリル
(グラジエント) 0min. A:B=60:40
5min. A:B=60:40
30min A:B=30:70
・流量:1ml/min
・注入量: 0.5μl
・検出: 紫外(UV)検出 波長254nm
・分析時間: 30分
・分析サンプル調製:サンプル0.05gを秤量し、アセトニトリル25mlに溶解させた。
・カラム温度: 40℃
・移動相:
A:0.05%(v/v)リン酸水溶液
B:アセトニトリル
(グラジエント) 0min. A:B=60:40
5min. A:B=60:40
30min A:B=30:70
・流量:1ml/min
・注入量: 0.5μl
・検出: 紫外(UV)検出 波長254nm
・分析時間: 30分
・分析サンプル調製:サンプル0.05gを秤量し、アセトニトリル25mlに溶解させた。
また、中間体の4−ニトロベンゼンスルホン酸−4−ニトロフェニルエステルの化学純度についても、上記HPLCの分析条件より分析した。
(実施例1)
温度計、冷却管および撹拌機を取り付けた500ml四つ口フラスコに、4−ニトロフェノール33.1g(0.2382mol)、トリエチルアミン24.6g(0.2430mol)、テトラヒドロフラン45gを仕込み、系内を窒素置換した。これに4−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド52.8g(0.2382mol)をテトラヒドロフラン65gで溶解させた溶液を20℃付近で滴下した。この混合液を20℃で1時間撹拌し反応を行った。反応が終了した後、水250gを20℃付近で滴下することにより結晶を析出させた。その結晶を濾過、単離し、中間体であるジニトロ化合物75.7gを得た。得られたジニトロ化合物は、HPLC純度99.6%、収率98%であった。
温度計、冷却管および撹拌機を取り付けた500ml四つ口フラスコに、4−ニトロフェノール33.1g(0.2382mol)、トリエチルアミン24.6g(0.2430mol)、テトラヒドロフラン45gを仕込み、系内を窒素置換した。これに4−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド52.8g(0.2382mol)をテトラヒドロフラン65gで溶解させた溶液を20℃付近で滴下した。この混合液を20℃で1時間撹拌し反応を行った。反応が終了した後、水250gを20℃付近で滴下することにより結晶を析出させた。その結晶を濾過、単離し、中間体であるジニトロ化合物75.7gを得た。得られたジニトロ化合物は、HPLC純度99.6%、収率98%であった。
500mlのステンレススチール製オートクレーブ容器に、ジニトロ化合物75.7g、テトラヒドロフラン190g、5%白金カーボン(50%含水品)3.7gを仕込み、系内を窒素置換した。水素圧0.5MPa、60℃で7時間反応させ、所定の水素量が消費された。反応液から触媒を濾別し、濾液にトルエン350gを加え濃縮した。濃縮液を5℃まで冷却することで結晶が析出し、これを濾過、乾燥することで白色結晶のジアミン化合物58.0gを得た。得られたジアミン化合物は、HPLC純度98.1%、収率94%であった。
(実施例2)
実施例1において、非プロトン性極性溶媒をN,N−ジメチルホルムアミドにした以外は、実施例1と同様に実施したところ、中間体であるジニトロ化合物74.9gを得た。得られたジニトロ体化合物は、HPLC純度99.7%、収率97%であった。その後、実施例1と同様に接触水素化反応することで、白色結晶のジアミン57.4gを得た。得られたジアミン化合物は純度98.0%、収率93%であった。
実施例1において、非プロトン性極性溶媒をN,N−ジメチルホルムアミドにした以外は、実施例1と同様に実施したところ、中間体であるジニトロ化合物74.9gを得た。得られたジニトロ体化合物は、HPLC純度99.7%、収率97%であった。その後、実施例1と同様に接触水素化反応することで、白色結晶のジアミン57.4gを得た。得られたジアミン化合物は純度98.0%、収率93%であった。
(実施例3)
実施例1において、非プロトン性極性溶媒をアセトニトリルにした以外は、実施例1と同様に実施したところ、中間体であるジニトロ化合物73.5gを得た。得られたジニトロ体化合物は、HPLC純度99.7%、収率95%であった。その後、実施例1と同様に接触水素化反応することで、白色結晶のジアミン57.1gを得た。得られたジアミン化合物は純度98.0%、収率93%であった。
実施例1において、非プロトン性極性溶媒をアセトニトリルにした以外は、実施例1と同様に実施したところ、中間体であるジニトロ化合物73.5gを得た。得られたジニトロ体化合物は、HPLC純度99.7%、収率95%であった。その後、実施例1と同様に接触水素化反応することで、白色結晶のジアミン57.1gを得た。得られたジアミン化合物は純度98.0%、収率93%であった。
(比較例1)
実施例1において、非プロトン性極性溶媒の代わりにトリエチルアミンを使用した以外は実施例1と同様に実施したところ、反応が極めて遅く、中間体であるジニトロ化合物28.5gを得た。得られたジニトロ体化合物は、HPLC純度88.7%、収率37%であった。
実施例1において、非プロトン性極性溶媒の代わりにトリエチルアミンを使用した以外は実施例1と同様に実施したところ、反応が極めて遅く、中間体であるジニトロ化合物28.5gを得た。得られたジニトロ体化合物は、HPLC純度88.7%、収率37%であった。
(比較例2)
実施例1において、非プロトン性極性溶媒の代わりにピリジンを使用した以外は実施例1と同様に実施したところ、反応が遅く、中間体であるジニトロ化合物55.6gを得た。得られたジニトロ体化合物は、HPLC純度94.3%、収率72%であった。その後、実施例1と同様に接触水素化反応することで、白色結晶のジアミン40.8gを得た。得られたジアミン化合物は純度91.2%、収率90%であった。
実施例1において、非プロトン性極性溶媒の代わりにピリジンを使用した以外は実施例1と同様に実施したところ、反応が遅く、中間体であるジニトロ化合物55.6gを得た。得られたジニトロ体化合物は、HPLC純度94.3%、収率72%であった。その後、実施例1と同様に接触水素化反応することで、白色結晶のジアミン40.8gを得た。得られたジアミン化合物は純度91.2%、収率90%であった。
Claims (4)
- 非プロトン性極性溶媒が水溶性非プロトン性極性溶媒である請求項1記載の4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルの製造方法。
- 水を使用して晶析する請求項1または請求項2に記載の4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルの製造方法。
- 接触水素化により還元する請求項1〜3のいずれかに記載の4−アミノベンゼンスルホン酸−4−アミノフェニルエステルの製造方法。
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WO2019160037A1 (ja) * | 2018-02-14 | 2019-08-22 | 国立大学法人 東京大学 | 酸ハロゲン化物による化合物の製造方法 |
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CN108333272A (zh) * | 2018-03-02 | 2018-07-27 | 重庆华邦胜凯制药有限公司 | Lc-msms法分离测定对氨基水杨酸及其相关杂质的方法 |
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