JP2014094377A - 排ガス処理触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】白金代替触媒であって、微粒子状物質の燃焼開始温度を白金系触媒の場合と比べて同等にする、またはそれよりも低くした排ガス処理触媒を提供することにある。
【解決手段】排ガスに含まれる微粒子状物質の燃焼を促進する排ガス処理触媒であって、AxByOzからなり、前記AxByOzがペロブスカイト型を除く構造であり、前記Aと前記Bが、亜鉛とマンガン、コバルトとマンガン、ビスマスとモリブデン、ニッケルとクロム、ニッケルとモリブデンの組み合わせの何れかである。
【選択図】なし
【解決手段】排ガスに含まれる微粒子状物質の燃焼を促進する排ガス処理触媒であって、AxByOzからなり、前記AxByOzがペロブスカイト型を除く構造であり、前記Aと前記Bが、亜鉛とマンガン、コバルトとマンガン、ビスマスとモリブデン、ニッケルとクロム、ニッケルとモリブデンの組み合わせの何れかである。
【選択図】なし
Description
本発明は、排ガス処理触媒に関し、特にディーゼルエンジンなどから排出される排ガスの処理に用いて好適な排ガス処理触媒に関する。
ディーゼルエンジンなどから排出される排ガスには微粒子状物質(PM)が含まれており、この微粒子状物質を除去する方法としてディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)が利用されている。このDPFでは、排ガス中のPMを捕捉し、捕捉したPMを燃焼除去している。このようなPMの燃焼を促進する触媒として、白金を基材に担持させた触媒(以下、白金系触媒と称す)が種々開発されている。しかし、白金自体が高価であり、この白金の担持量に比例して触媒の製造コストを増加させている。そのため、白金の担持量を低減した触媒や、白金の代替材料を基材に担持した白金代替触媒に関する研究開発が種々行われている。
上述した白金代替触媒として、例えば、特許文献1には、La2CuO4などの複合酸化物を含有する排ガス処理触媒が提案されている。
上述した複合酸化物を含む排ガス処理触媒にて微粒子状物質の燃焼を促進して微粒子状物質の燃焼開始温度を低くしているものの、上述した白金系触媒と同等またはそれ以上の触媒能を発現することが望まれていた。
また、上述した複合酸化物を含む排ガス処理触媒の開発にあたって、目的とする触媒作用(微粒子状物質の燃焼開始温度を白金系触媒の場合と比べて同等の温度にする、またはそれよりも低い温度にする触媒能)を発現する可能性があると予想される物質を選考し、選考した物質の触媒作用を実験により確認する手法が一般的に用いられている。このような手法では、上述した物質の選考が経験に依存しており、また、選考した物質であっても触媒作用を十分に発現しない場合があり、多大な労力を要していた。
そこで、本発明は、前述した問題に鑑み提案されたもので、白金代替触媒であって、微粒子状物質の燃焼開始温度を白金系触媒の場合と比べて同等にする、またはそれよりも低くした排ガス処理触媒を提供することを目的とする。
上述した課題を解決する第1の発明に係る排ガス処理触媒は、
排ガスに含まれる微粒子状物質の燃焼を促進する排ガス処理触媒であって、
AxByOzからなり、
前記AxByOzがペロブスカイト型を除く構造であり、
前記Aと前記Bが、亜鉛とマンガン、コバルトとマンガン、ビスマスとモリブデン、ニッケルとクロム、ニッケルとモリブデンの組み合わせの何れかである
ことを特徴とする。
排ガスに含まれる微粒子状物質の燃焼を促進する排ガス処理触媒であって、
AxByOzからなり、
前記AxByOzがペロブスカイト型を除く構造であり、
前記Aと前記Bが、亜鉛とマンガン、コバルトとマンガン、ビスマスとモリブデン、ニッケルとクロム、ニッケルとモリブデンの組み合わせの何れかである
ことを特徴とする。
本発明に係る排ガス処理触媒によれば、白金代替触媒であって、微粒子状物質の燃焼開始温度を白金系触媒の場合と比べて同等にする、またはそれよりも低くすることができる。
[主な実施形態]
本発明に係る排ガス処理触媒およびその選定方法の実施形態について、図1、図2、図3、および図4を基づいて説明する。
本発明に係る排ガス処理触媒およびその選定方法の実施形態について、図1、図2、図3、および図4を基づいて説明する。
本実施形態に係る排ガス処理触媒は、ディーゼルエンジンなどから排出される排ガスに含まれる微粒子状物質(PM)の燃焼を促進するものであって、AxByOzまたはAxByCwOzからなり、前記Aが遷移金属またはビスマスまたは亜鉛のいずれか一つであり、前記Bが遷移金属であり、前記Cが遷移金属またはガリウムのいずれか一つであり、前記AxByOzまたは前記AxByCwOzのバンドギャップが3.0eV以下であり、且つ、前記AxByOzまたは前記AxByCwOzのバンド構造におけるフェルミレベルの直上にてエネルギー順位の低い3つの電子状態について平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化した伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上であるものである。
そして、上記排ガス処理触媒は、前記AxByOzまたは前記AxByCwOzがペロブスカイト型を除く構造である。
具体的には、前記Aと前記Bが、亜鉛とマンガン、コバルトとマンガン、ビスマスとモリブデン、ニッケルとクロム、鉄とモリブデン、ニッケルとモリブデン、銅とクロム、銅とモリブデン、銅とタングステン、イットリウムとルテニウム、ホルミウムとマンガン、ビスマスと銀、ランタンとニッケル、ランタンとモリブデン、ランタンとルテニウム、テルビウムとルテニウム、ジスプロシウムとルテニウム、イッテルビウムとクロム、ビスマスとコバルト、ビスマスとニッケル、ビスマスと金の組み合わせの何れかである。
前記Aと前記Bと前記Cが、ランタンとコバルトとイリジウム、ランタンとニッケルとルテニウム、亜鉛とランタンとロジウム、亜鉛とランタンとイリジウム、ビスマスと鉄とガリウム、ビスマスとイットリウムとルテニウムの組み合わせの何れかである。
このような本実施形態に係る排ガス処理触媒によれば、白金代替触媒であって、微粒子状物質の燃焼開始温度を白金系触媒の場合と比べて同等にする、またはそれよりも低くすることができる。その理由を以下に説明する。
前記AxByOzまたは前記AxByCwOzのバンドギャップが、PMの燃焼開始温度に作用するパラメータであり、3.0eVより大きくなると、白金系触媒の場合と比べて、PMの燃焼開始温度が高くなることから、3.0eV以下としている。
上述したバンドギャップは、伝導帯における、電子殻がΧ(カイ)またはΓ(ガンマ)にてエネルギー順位が最も低い1つの電子状態の平均値と、価電子帯における、電子殻がΧ(カイ)またはΓ(ガンマ)にてエネルギー順位が最も大きい1つの電子状態の平均値の差分を演算して得られた値である。なお、バンドが0eV付近に多数ある場合には、前記AxByOzまたは前記AxByCwOzが導電体でありそのバンドギャップは0.00eVである。
前記AxByOzまたは前記AxByCwOzのバンド構造における伝導帯バンドの酸素軌道含有率が、PMの燃焼速度に作用するパラメータであり、20%より小さくなると、白金系触媒の場合と比べて、PMの燃焼速度が遅くなることから、20%以上としている。なお、複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率の上限値、言い換えると指数zの上限値は、前記Aと前記Bの組み合わせまたは前記Aと前記Bと前記Cの組み合わせにより適宜に決定される。
ここで、上述した伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、エネルギー的にフェルミレベル直上にてエネルギー順位の低い3つの電子状態について平均して、酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものである。この酸素原子の電子状態への寄与率は、酸素原子を含む球面内にどのくらいの電子数が含まれるかを計算して得られる。また、前記AxByOzまたは前記AxByCwOzの材料が磁性を持つ場合には、上向きスピンのバンド構造による伝導帯バンドの酸素軌道含有率を、候補となる複合酸化物を選定する際に用いている。これは、下向きスピンは上向きスピンよりも電子の数が少なく、下向きスピンのバンド図におけるフェルミレベルよりも上の電子状態のいくつかは、上向きスピンの価電子帯の状態に対応する場合がある。酸化物の価電子帯は主として酸素原子の軌道成分からなる。よって、上向きスピンにおけるバンドギャップ直上の状態に酸素の軌道が含まれれば、下向きスピンのフェルミレベル近傍の状態にも酸素原子の軌道が含まれることが予測できる。
続いて、上述したような組成からなり、上述したバンドギャップの範囲を示し、且つ、上述した伝導帯バンドの酸素軌道含有率の範囲を示す排ガス処理触媒の選定方法について、以下に説明する。
最初に、排ガスに含まれる微粒子状物質の燃焼を促進する白金系触媒(例えば、PtOやPtO2やPt2O3)について、科学計算、例えば第一原理バンド計算を行った。この計算結果に基づき、白金系触媒のバンド構造を求めた。
続いて、実験的に良い触媒能、すなわち、白金代替触媒であって、微粒子状物質の燃焼開始温度を白金系触媒の場合と比べて同等にする、またはそれよりも低くする触媒能が確認できている触媒(Mn系ペロブスカイト型触媒(例えば、LaMnO3に微量のカリウムをドープしたものなど)、Co系ペロブスカイト型触媒(例えば、LaCoO3に微量のカリウムをドープしたものなど)、およびFe系ペロブスカイト型触媒(例えば、LaFeO3に微量のカリウムをドープしたものなど))について、モデル化を行い、科学計算、例えば第一原理バンド計算を行った。この計算結果に基づき、各種触媒(Mn系ペロブスカイト型触媒、Co系ペロブスカイト型触媒、Fe系ペロブスカイト型触媒)について、バンド構造をそれぞれ求めた。
ここで、上述したモデル化とは、例えば、La0.9K0.1FeO3のような非整数の組成をもつ化合物をLaFeO3のように組成を整数比化し、計算が可能な構造にすることである。
また、比較的低い触媒活性である、言い換えると、白金代替触媒であって、微粒子状物質の燃焼開始温度を白金系触媒の場合と比べて高くする触媒性能を有するCu系ペロブスカイト型触媒(例えば、LaCuO3に微量のカリウムをドープしたものなど)についても、モデル化を行い、科学計算、例えば第一原理バンド計算を行った。この計算結果に基づき、Cu系ペロブスカイト型触媒のバンド構造を求めた。
続いて、上述した各触媒(白金系触媒、Mn系ペロブスカイト型触媒、Co系ペロブスカイト型触媒、Fe系ペロブスカイト型触媒、およびCu系ペロブスカイト型触媒)について、バンドギャップおよび伝導帯バンドの酸素軌道含有率をそれぞれ算出した。
続いて、上述した各触媒(白金系触媒、Mn系ペロブスカイト型触媒、Co系ペロブスカイト型触媒、Fe系ペロブスカイト型触媒、およびCu系ペロブスカイト型触媒)に関し、バンドギャップと伝導帯バンドの酸素軌道含有率の相関を示すグラフである図1を作成する。図1にて、四角形がPt系触媒の場合を示し、菱形がMn系ペロブスカイト型触媒の場合を示し、三角形がCo系ペロブスカイト型触媒の場合を示し、丸形がFe系ペロブスカイト型触媒の場合を示し、バツ印がCu系ペロブスカイト型触媒の場合を示す。この図1に示すように、Pt系触媒が領域Aの範囲内となり、Mn系ペロブスカイト型触媒、Co系ペロブスカイト型触媒、Fe系ペロブスカイト型触媒が、ほぼ領域Bの範囲内となり、Cu系ペロブスカイト型触媒が領域Cの範囲内となった。
ここで、Pt系触媒は、伝導帯バンドの酸素軌道含有率が高いものの、PMの燃焼開始温度がMn系ペロブスカイト型触媒の場合と比べて高い(触媒能としては低い)という特性を有することが知られている。このようなことから、主として、バンドギャップの狭さがPMの燃焼開始温度に関与するパラメータであると考えられる。また、伝導帯バンドの酸素軌道含有率が最大CO2濃度時温度の低さ、すなわち、PMの燃焼速度に関与するパラメータであると考えられる。
領域Cに入る触媒(Cu系ペロブスカイト型触媒)は、PMの燃焼開始温度がPt系触媒の場合と比べて高く、PMの燃焼速度がPt系触媒の場合と比べて遅いことが知られている。よって、領域Cに入る触媒を、微粒子状物質の燃焼開始温度がPt系触媒の場合と比べて高くなる触媒能を発現する低触媒能発現グループに分類できる。
これに対して、領域Bに入る触媒は、PMの燃焼開始温度がPt系触媒の場合と比べて同等、またはそれよりも低く、PM燃焼速度がPt系触媒の場合と比べて速いことが知られている。よって、領域Bに入る触媒を、微粒子状物質の燃焼開始温度がPt系触媒の場合と比べて同等またはそれよりも低くなる触媒能を発現する高触媒能発現グループに分類できる。
よって、触媒能が高い物質、すなわち、白金代替触媒であって、微粒子状物質の燃焼開始温度を白金系触媒の場合と比べて同等にする、またはそれよりも低くする触媒能を発現する複合酸化物は、バンドギャップが狭く、伝導帯バンドの酸素軌道含有率が高い領域に主として分布すると考えられる。
続いて、無機化合物データベースから2千種の材料を抽出し、各材料について、モデル化を行い、科学計算、例えば第一原理バンド計算を行った。この計算結果に基づきバンド構造を求め、バンドギャップを算出した。これらの材料にて、バンドギャップの比較的狭い物質について、上述した伝導帯バンドの酸素軌道含有率を算出した。これら材料について、バンドギャップと伝導帯バンドの酸素軌道含有率の相関を示すグラフに、各材料に関するバンドギャップおよび伝導帯バンドの酸素軌道含有率(スクリーニングデータ)をプロットした図2を作成する。図2にて、四角形がスクリーニングデータの場合を示し、星印Iが排ガス処理触媒(ZnMn2O4)の場合を示し、星印IIが排ガス処理触媒(Co2Mn3O8)の場合を示し、星印IIIが排ガス処理触媒(Bi2MoO6)の場合を示し、星印IVが排ガス処理触媒(NiCrO4)の場合を示し、バツ印が参照触媒(La2CuO4)の場合を示す。
上述したことから、複合酸化物に関し、バンドギャップが3.0eV以下であることにより、PMの燃焼開始温度がPt系触媒の場合と比べて同等、またはそれよりも低くなるという効果を発現すると考えられる。さらに、複合酸化物に関し、伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上であることにより、PMの燃焼速度がPt系触媒の場合と比べて同等、またはそれよりも速いと考えられる。言い換えると、上述した排ガス処理触媒に関し、図2に示すように、領域D(バンドギャップが0eV以上3.0eV以下であり、且つ、伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である領域)にある複合酸化物とすることにより、PMの燃焼開始温度をPt系触媒の場合と比べて同等、またはそれよりも低くすることができると考えられる。さらに、上述した複合酸化物とすることにより、PMの燃焼速度をPt系触媒の場合と比べて同等、またはそれよりも速くすることができると考えられる。
また、NiCrO4を除く磁性体の材料についても、上記と同様に、モデル化を行い、科学計算、例えば第一原理バンド計算を行った。この計算結果に基づき上向きスピンおよび下向きスピンのバンド構造をそれぞれ求め、上向きスピンおよび下向きスピンのバンドギャップをそれぞれ算出した。これら材料にて、上向きスピンのバンドギャップと下向きスピンのバンドギャップとを比較して小さい方のバンドギャップが比較的狭い物質について、上述した伝導帯バンドの酸素軌道含有率を算出した。ここで、上述した通り、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である場合に、Pt系触媒と同等、またはそれ以上の作用効果を奏すると考えられことから、これら条件(バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である)を満たす材料(Fe2(Mo3O8)、NiMoO4、Cu(CrO2)、CuMoO4、Cu(WO4)、Y2(Ru2O7)、Ho(Mn2O5)、Ag4Bi2O5、Ag5(BiO4)、La3Ni2O6.35、La2(Mo2O7)、La2(RuO5)、Tb2(Ru2O7)、Dy2(Ru2O7)、Yb(CrO4)、(Bi12.24Co10.8)Co2O40、(Bi19.68Ni4.32)Ni2O40、Bi2(AuO5)、La2(CoIrO6)、La2NiRuO6、La2Zn(RhO6)、La2(IrZnO6)、Bi2Ga2Fe2O9、(Bi0.2Y1.8)(Ru2O7))について、図3にプロットし、図4に示した。言い換えると、上述した排ガス処理触媒に関し、図3に示すように、領域F(バンドギャップが0eV以上3.0eV以下であり、且つ、伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である領域)にある複合酸化物とすることにより、PMの燃焼開始温度をPt系触媒の場合と比べて同等、またはそれよりも低くすることができると考えられる。さらに、上述した複合酸化物とすることにより、PMの燃焼速度をPt系触媒の場合と比べて同等、またはそれよりも速くすることができると考えられる。
[亜鉛とマンガンの複合酸化物]
ここで、亜鉛とマンガンの複合酸化物(ZnMn2O4)について、図5を用いて具体的に説明する。
図5は、ZnMn2O4のバンド構造を示す図である。図5に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図5にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図5にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図5にて、a1(太線),a2(1点鎖線),a3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。なお、電子殻Δ近傍からΛ近傍までの領域にて、1点鎖線が太線とほぼ一致している。
ここで、亜鉛とマンガンの複合酸化物(ZnMn2O4)について、図5を用いて具体的に説明する。
図5は、ZnMn2O4のバンド構造を示す図である。図5に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図5にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図5にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図5にて、a1(太線),a2(1点鎖線),a3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。なお、電子殻Δ近傍からΛ近傍までの領域にて、1点鎖線が太線とほぼ一致している。
亜鉛とマンガンの複合酸化物(ZnMn2O4)は、AxByOzからなり、前記Aが亜鉛であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
亜鉛とマンガンの複合酸化物(ZnMn2O4)では、図5に示すように、約−0.28eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約0.8eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが約1.08eVとなった。
さらに、亜鉛とマンガンの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの電子状態(a1、a2、a3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、34%であった。
よって、亜鉛とマンガンの複合酸化物(ZnMn2O4)が、図2に示すように、バンドギャップが0eV以上3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Dの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(ZnMn2O4)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[コバルトとマンガンの複合酸化物]
ここで、コバルトとマンガンの複合酸化物(Co2Mn3O8)について、図6を用いて具体的に説明する。
図6は、Co2Mn3O8のバンド構造を示す図である。図6に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図6にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図6にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図6にて、b1(太線),b2(1点鎖線),b3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、コバルトとマンガンの複合酸化物(Co2Mn3O8)について、図6を用いて具体的に説明する。
図6は、Co2Mn3O8のバンド構造を示す図である。図6に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図6にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図6にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図6にて、b1(太線),b2(1点鎖線),b3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
コバルトとマンガンの複合酸化物(Co2Mn3O8)は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
コバルトとマンガンの複合酸化物(Co2Mn3O8)では、図6に示すように、約−0.05eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約1.55eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが約1.60eVとなった。
さらに、コバルトとマンガンの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(b1、b2、b3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、31%であった。
よって、コバルトとマンガンの複合酸化物(Co2Mn3O8)が、図2に示すように、バンドギャップが0eV以上3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Dの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Co2Mn3O8)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ビスマスとモリブデンの複合酸化物]
ここで、ビスマスとモリブデンの複合酸化物(Bi2MoO6)について、図7を用いて具体的に説明する。
図7は、Bi2MoO6のバンド構造を示す図である。図7に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図7にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図7にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図7にて、c1(太線),c2(1点鎖線),c3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ビスマスとモリブデンの複合酸化物(Bi2MoO6)について、図7を用いて具体的に説明する。
図7は、Bi2MoO6のバンド構造を示す図である。図7に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図7にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図7にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図7にて、c1(太線),c2(1点鎖線),c3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ビスマスとモリブデンの複合酸化物(Bi2MoO6)は、AxByOzからなり、前記Aがビスマスであり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ビスマスとモリブデンの複合酸化物(Bi2MoO6)は、図7に示すように、約−0.4eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約1.36eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが約1.76eVとなった。
さらに、ビスマスとモリブデンの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(c1、c2、c3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、29%であった。
よって、ビスマスとモリブデンの複合酸化物(Bi2MoO6)が、図2に示すように、バンドギャップが0eV以上3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Dの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Bi2MoO6)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ニッケルとクロムの複合酸化物]
ここで、ニッケルとクロムの複合酸化物(NiCrO4)について、図8を用いて具体的に説明する。
図8は、NiCrO4のバンド構造を示す図である。図8に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図8にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図8にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図8にて、d1(太線),d2(1点鎖線),d3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ニッケルとクロムの複合酸化物(NiCrO4)について、図8を用いて具体的に説明する。
図8は、NiCrO4のバンド構造を示す図である。図8に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図8にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図8にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図8にて、d1(太線),d2(1点鎖線),d3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ニッケルとクロムの複合酸化物(NiCrO4)は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ニッケルとクロムの複合酸化物(NiCrO4)は、図8に示すように、約−0.4eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約1.53eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが約1.93eVとなった。
さらに、ニッケルとクロムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(d1、d2、d3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、28%であった。
よって、ニッケルとクロムの複合酸化物(NiCrO4)が、図2に示すように、バンドギャップが0eV以上3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Dの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(NiCrO4)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ランタンと銅の複合酸化物]
ここで、ランタンと銅の複合酸化物(LaCuO4)について、図2を用いて説明する。
ここで、ランタンと銅の複合酸化物(LaCuO4)について、図2を用いて説明する。
ランタンと銅の複合酸化物(LaCuO4)は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ランタンと銅の複合酸化物(LaCuO4)について、科学計算により、そのバンドギャップおよび伝導帯バンドの酸素軌道含有率が算出された。このバンドギャップが1.47eVであった。この伝導帯バンドの酸素軌道含有率が19%であった。
よって、ランタンと銅の複合酸化物(LaCuO4)は、図2に示すように、バンドギャップが0eV以上3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Dの範囲外にあると確認された。
[鉄とモリブデンの複合酸化物]
ここで、鉄とモリブデンの複合酸化物(Fe2(Mo3O8))について、図9を用いて説明する。
図9に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図9にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図9にて、A1(太線),A2(1点鎖線),A3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、鉄とモリブデンの複合酸化物(Fe2(Mo3O8))について、図9を用いて説明する。
図9に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図9にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図9にて、A1(太線),A2(1点鎖線),A3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
鉄とモリブデンの複合酸化物(Fe2(Mo3O8))は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
鉄とモリブデンの複合酸化物(Fe2(Mo3O8))では、図9(b)に示すように、下向きスピンにて、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップEgの大きさが0.00eVとなった。
さらに、鉄とモリブデンの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(A1、A2、A3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約22%であった。
よって、鉄とモリブデンの複合酸化物(Fe2(Mo3O8))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Fe2(Mo3O8))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ニッケルとモリブデンの複合酸化物]
ここで、ニッケルとモリブデンの複合酸化物(NiMoO4)について、図10を用いて説明する。
図10に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図10にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図10にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図10にて、B1(太線),B2(1点鎖線),B3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ニッケルとモリブデンの複合酸化物(NiMoO4)について、図10を用いて説明する。
図10に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図10にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図10にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図10にて、B1(太線),B2(1点鎖線),B3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ニッケルとモリブデンの複合酸化物(NiMoO4)は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ニッケルとモリブデンの複合酸化物(NiMoO4)は、図10(b)に示すように、約0eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約0.60eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが0.60eVとなった。
さらに、ニッケルとモリブデンの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(B1、B2、B3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約27%であった。
よって、ニッケルとモリブデンの複合酸化物(NiMoO4)が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(NiMoO4)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[銅とクロムの複合酸化物]
ここで、銅とクロムの複合酸化物(Cu(CrO2))について、図11を用いて説明する。
図11に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図11にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図11にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図11にて、C1(太線),C2(1点鎖線),C3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、銅とクロムの複合酸化物(Cu(CrO2))について、図11を用いて説明する。
図11に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図11にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図11にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図11にて、C1(太線),C2(1点鎖線),C3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
銅とクロムの複合酸化物(Cu(CrO2))は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
銅とクロムの複合酸化物(Cu(CrO2))は、図11に示すように、約−0.30eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約1.80eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが2.10eVとなった。
さらに、銅とクロムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(C1、C2、C3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約22%であった。
よって、銅とクロムの複合酸化物(Cu(CrO2))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Cu(CrO2))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[銅とモリブデンの複合酸化物]
ここで、銅とモリブデンの複合酸化物(CuMoO4)について、図12を用いて説明する。
図12に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図12にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図12にて、D1(太線),D2(1点鎖線),D3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、銅とモリブデンの複合酸化物(CuMoO4)について、図12を用いて説明する。
図12に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図12にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図12にて、D1(太線),D2(1点鎖線),D3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
銅とモリブデンの複合酸化物(CuMoO4)は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
銅とモリブデンの複合酸化物(CuMoO4)は、図12(b)に示すように、下側スピンにて、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップEgの大きさが0.00eVとなった。
さらに、銅とモリブデンの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(D1、D2、D3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約27%であった。
よって、銅とモリブデンの複合酸化物(CuMoO4)が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(CuMoO4)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[銅とタングステンの複合酸化物]
ここで、銅とタングステンの複合酸化物(Cu(WO4))について、図13を用いて説明する。
図13に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図13にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図13にて、E1(太線),E2(1点鎖線),E3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、銅とタングステンの複合酸化物(Cu(WO4))について、図13を用いて説明する。
図13に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図13にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図13にて、E1(太線),E2(1点鎖線),E3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
銅とタングステンの複合酸化物(Cu(WO4))は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
銅とタングステンの複合酸化物(Cu(WO4))は、図13(b)に示すように、下側スピンにて、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップの大きさが0.00eVとなった。
さらに、銅とタングステンの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(E1、E2、E3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約25%であった。
よって、銅とタングステンの複合酸化物(Cu(WO4))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Cu(WO4))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[イットリウムとルテニウムの複合酸化物]
ここで、イットリウムとルテニウムの複合酸化物(Y2(Ru2O7))について、図14を用いて説明する。
図14に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図14にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図14にて、F1(太線),F2(1点鎖線),F3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、イットリウムとルテニウムの複合酸化物(Y2(Ru2O7))について、図14を用いて説明する。
図14に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図14にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図14にて、F1(太線),F2(1点鎖線),F3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
イットリウムとルテニウムの複合酸化物(Y2(Ru2O7))は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
イットリウムとルテニウムの複合酸化物(Y2(Ru2O7))は、図14に示すように、下側スピンにて、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップの大きさが0.00eVとなった。
さらに、イットリウムとルテニウムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(F1、F2、F3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約26%であった。
よって、イットリウムとルテニウムの複合酸化物(Y2(Ru2O7))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Y2(Ru2O7))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ホルミウムとマンガンの複合酸化物]
ここで、ホルミウムとマンガンの複合酸化物(Ho(Mn2O5))について、図15を用いて説明する。
図15に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図15にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図15にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図15にて、G1(太線),G2(1点鎖線),G3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ホルミウムとマンガンの複合酸化物(Ho(Mn2O5))について、図15を用いて説明する。
図15に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図15にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図15にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図15にて、G1(太線),G2(1点鎖線),G3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ホルミウムとマンガンの複合酸化物(Ho(Mn2O5))は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ホルミウムとマンガンの複合酸化物(Ho(Mn2O5))は、図15(b)に示すように、約−1.00eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約0.00eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが1.00eVとなった。
さらに、ホルミウムとマンガンの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(G1、G2、G3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約29%であった。
よって、ホルミウムとマンガンの複合酸化物(Ho(Mn2O5))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Ho(Mn2O5))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ビスマスと銀の複合酸化物]
ここで、ビスマスと銀の複合酸化物(Ag4Bi2O5)について、図16を用いて説明する。
図16に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図16にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図16にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図16にて、H1(太線),H2(1点鎖線),H3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ビスマスと銀の複合酸化物(Ag4Bi2O5)について、図16を用いて説明する。
図16に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図16にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図16にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図16にて、H1(太線),H2(1点鎖線),H3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
銀とビスマスの複合酸化物(Ag4Bi2O5)は、AxByOzからなり、前記Aがビスマスであり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ビスマスと銀の複合酸化物(Ag4Bi2O5)は、図16(a)に示すように、約0.00eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約2.03eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが2.03eVとなった。
さらに、ビスマスと銀の複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(H1、H2、H3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約29%であった。
よって、ビスマスと銀の複合酸化物(Ag4Bi2O5)が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物((Ag4Bi2O5)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ビスマスと銀の複合酸化物]
ここで、ビスマスと銀の複合酸化物(Ag5(BiO4))について、図17を用いて説明する。
図17に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図17にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図17にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図17にて、I1(太線),I2(1点鎖線),I3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ビスマスと銀の複合酸化物(Ag5(BiO4))について、図17を用いて説明する。
図17に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図17にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図17にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図17にて、I1(太線),I2(1点鎖線),I3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ビスマスと銀の複合酸化物(Ag5(BiO4))は、AxByOzからなり、前記Aがビスマスであり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ビスマスと銀の複合酸化物(Ag5(BiO4))は、図17(a)に示すように、約0.00eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約1.75eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが1.75eVとなった。
さらに、ビスマスと銀の複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(I1、I2、I3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約28%であった。
よって、ビスマスと銀の複合酸化物(Ag5(BiO4))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物((Ag5(BiO4))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ランタンとニッケルの複合酸化物]
ここで、ランタンとニッケルの複合酸化物(La3Ni2O6.35)について、図18を用いて説明する。
図18に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図18にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図18にて、J1(太線),J2(1点鎖線),J3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ランタンとニッケルの複合酸化物(La3Ni2O6.35)について、図18を用いて説明する。
図18に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図18にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図18にて、J1(太線),J2(1点鎖線),J3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ランタンとニッケルの複合酸化物(La3Ni2O6.35)は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ランタンとニッケルの複合酸化物(La3Ni2O6.35)は、図18(a)および図18(b)に示すように、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップEgの大きさが0.00eVとなった。
さらに、ランタンとニッケルの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(J1、J2、J3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約23%であった。
よって、ランタンとニッケルの複合酸化物(La3Ni2O6.35)が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(La3Ni2O6.35)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ランタンとモリブデンの複合酸化物]
ここで、ランタンとモリブデンの複合酸化物(La2(Mo2O7))について、図19を用いて説明する。
図19に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図19にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図19にて、K1(太線),K2(1点鎖線),K3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ランタンとモリブデンの複合酸化物(La2(Mo2O7))について、図19を用いて説明する。
図19に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図19にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図19にて、K1(太線),K2(1点鎖線),K3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ランタンとモリブデンの複合酸化物(La2(Mo2O7))は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ランタンとモリブデンの複合酸化物(La2(Mo2O7))は、図19(a)および図19(b)に示すように、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップの大きさが0.00eVとなった。
さらに、ランタンとモリブデンの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(K1、K2、K3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、20%であった。
よって、ランタンとモリブデンの複合酸化物(La2(Mo2O7))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(La2(Mo2O7))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ランタンとルテニウムの複合酸化物]
ここで、ランタンとルテニウムの複合酸化物(La2(RuO5))について、図20を用いて説明する。
図20に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図20にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図20にて、L1(太線),L2(1点鎖線),L3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ランタンとルテニウムの複合酸化物(La2(RuO5))について、図20を用いて説明する。
図20に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図20にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図20にて、L1(太線),L2(1点鎖線),L3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ランタンとルテニウムの複合酸化物(La2(RuO5))は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ランタンとルテニウムの複合酸化物(La2(RuO5))では、図20(b)に示すように、下側スピンにて、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップの大きさが0.00eVとなった。
さらに、ランタンとルテニウムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(L1、L2、L3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約29%であった。
よって、ランタンとルテニウムの複合酸化物(La2(RuO5))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(La2(RuO5))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[テルビウムとルテニウムの複合酸化物]
ここで、テルビウムとルテニウムの複合酸化物(Tb2(Ru2O7))について、図21を用いて説明する。
図21に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図21にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図21にて、M1(太線),M2(1点鎖線),M3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、テルビウムとルテニウムの複合酸化物(Tb2(Ru2O7))について、図21を用いて説明する。
図21に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図21にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図21にて、M1(太線),M2(1点鎖線),M3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
テルビウムとルテニウムの複合酸化物(Tb2(Ru2O7))は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
テルビウムとルテニウムの複合酸化物(Tb2(Ru2O7))では、図21(b)に示すように、下側スピンにて、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップの大きさが0.00eVとなった。
さらに、テルビウムとルテニウムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(M1、M2、M3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約25%であった。
よって、テルビウムとルテニウムの複合酸化物(Tb2(Ru2O7))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Tb2(Ru2O7))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ジスプロシウムとルテニウムの複合酸化物]
ここで、ジスプロシウムとルテニウムの複合酸化物(Dy2(Ru2O7))について、図22を用いて説明する。
図22に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図22にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図22にて、N1(太線),N2(1点鎖線),N3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ジスプロシウムとルテニウムの複合酸化物(Dy2(Ru2O7))について、図22を用いて説明する。
図22に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図22にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図22にて、N1(太線),N2(1点鎖線),N3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ジスプロシウムとルテニウムの複合酸化物(Dy2(Ru2O7))は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ジスプロシウムとルテニウムの複合酸化物(Dy2(Ru2O7))では、図22(b)に示すように、下側スピンにて、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップの大きさが0.00eVとなった。
さらに、ジスプロシウムとルテニウムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(N1、N2、N3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約25%であった。
よって、ジスプロシウムとルテニウムの複合酸化物(Dy2(Ru2O7))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Dy2(Ru2O7))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[イッテルビウムとクロムの複合酸化物]
ここで、イッテルビウムとクロムの複合酸化物(Yb(CrO4))について、図23を用いて説明する。
図23に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図23にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図23にて、O1(太線),O2(1点鎖線),O3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、イッテルビウムとクロムの複合酸化物(Yb(CrO4))について、図23を用いて説明する。
図23に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図23にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図23にて、O1(太線),O2(1点鎖線),O3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
イッテルビウムとクロムの複合酸化物(Yb(CrO4))は、AxByOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
イッテルビウムとクロムの複合酸化物(Yb(CrO4))は、図23(b)に示すように、下側スピンにて、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップの大きさが0.00eVとなった。
さらに、イッテルビウムとクロムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(O1、O2、O3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約21%であった。
よって、イッテルビウムとクロムの複合酸化物(Yb(CrO4))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Yb(CrO4))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ビスマスとコバルトの複合酸化物]
ここで、ビスマスとコバルトの複合酸化物((Bi12.24Co10.8)Co2O40)について、図24を用いて説明する。
図24に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図24にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図24にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図24にて、P1(太線),P2(1点鎖線),P3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ビスマスとコバルトの複合酸化物((Bi12.24Co10.8)Co2O40)について、図24を用いて説明する。
図24に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図24にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図24にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図24にて、P1(太線),P2(1点鎖線),P3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ビスマスとコバルトの複合酸化物((Bi12.24Co10.8)Co2O40)は、AxByOzからなり、前記Aがビスマスであり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ビスマスとコバルトの複合酸化物((Bi12.24Co10.8)Co2O40)は、図24(a)に示すように、約0.00eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約1.43eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが1.43eVとなった。
さらに、ビスマスとコバルトの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(P1、P2、P3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約31%であった。
よって、ビスマスとコバルトの複合酸化物((Bi12.24Co10.8)Co2O40)が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物((Bi12.24Co10.8)Co2O40)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ビスマスとニッケルの複合酸化物]
ここで、ビスマスとニッケルの複合酸化物((Bi19.68Ni4.32)Ni2O40)について、図25を用いて説明する。
図25に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図25にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図25にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図25にて、Q1(太線),Q2(1点鎖線),Q3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ビスマスとニッケルの複合酸化物((Bi19.68Ni4.32)Ni2O40)について、図25を用いて説明する。
図25に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図25にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図25にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図25にて、Q1(太線),Q2(1点鎖線),Q3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ビスマスとニッケルの複合酸化物((Bi19.68Ni4.32)Ni2O40)は、AxByOzからなり、前記Aがビスマスであり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ビスマスとニッケルの複合酸化物((Bi19.68Ni4.32)Ni2O40)は、図25(b)に示すように、約0.00eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約1.00eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが1.00eVとなった。
さらに、ビスマスとニッケルの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(Q1、Q2、Q3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約24%であった。
よって、ビスマスとニッケルの複合酸化物((Bi19.68Ni4.32)Ni2O40)が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物((Bi19.68Ni4.32)Ni2O40)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ビスマスと金の複合酸化物]
ここで、ビスマスと金の複合酸化物(Bi2(AuO5))について、図26を用いて説明する。
図26に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図26にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図26にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図26にて、R1(太線),R2(1点鎖線),R3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ビスマスと金の複合酸化物(Bi2(AuO5))について、図26を用いて説明する。
図26に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図26にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図26にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図26にて、R1(太線),R2(1点鎖線),R3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ビスマスと金の複合酸化物(Bi2(AuO5))は、AxByOzからなり、前記Aがビスマスであり、前記Bが遷移金属である複合酸化物である。
ビスマスと金の複合酸化物(Bi2(AuO5))は、図26(a)に示すように、約−0.20eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約1.57eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが1.77eVとなった。
さらに、ビスマスと金の複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(R1、R2、R3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約47%であった。
よって、ビスマスと金の複合酸化物(Bi2(AuO5))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Bi2(AuO5))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ランタンとコバルトとイリジウムの複合酸化物]
ここで、ランタンとコバルトとイリジウムの複合酸化物(La2(CoIrO6))について、図27を用いて説明する。
図27に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図27にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図27にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図27にて、S1(太線),S2(1点鎖線),S3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ランタンとコバルトとイリジウムの複合酸化物(La2(CoIrO6))について、図27を用いて説明する。
図27に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図27にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図27にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図27にて、S1(太線),S2(1点鎖線),S3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ランタンとコバルトとイリジウムの複合酸化物(La2(CoIrO6))は、AxByCwOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属であり、前記Cが遷移金属である複合酸化物である。
ランタンとコバルトとイリジウムの複合酸化物(La2(CoIrO6))は、図27(b)に示すように、約0.00eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約0.50eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが0.50eVとなった。
さらに、ランタンとコバルトとイリジウムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(S1、S2、S3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約27%であった。
よって、ランタンとコバルトとイリジウムの複合酸化物(La2(CoIrO6))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(La2(CoIrO6))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ランタンとニッケルとルテニウムの複合酸化物]
ここで、ランタンとニッケルとルテニウムの複合酸化物(La2NiRuO6)について、図28を用いて説明する。
図28に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図28にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図28にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図28にて、T1(太線),T2(1点鎖線),T3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ランタンとニッケルとルテニウムの複合酸化物(La2NiRuO6)について、図28を用いて説明する。
図28に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図28にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図28にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図28にて、T1(太線),T2(1点鎖線),T3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ランタンとニッケルとルテニウムの複合酸化物(La2NiRuO6)は、AxByCwOzからなり、前記Aが遷移金属であり、前記Bが遷移金属であり、前記Cが遷移金属である複合酸化物である。
ランタンとニッケルとルテニウムの複合酸化物(La2NiRuO6)は、図28(b)に示すように、約0.40eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約0.80eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが0.40eVとなった。
さらに、ランタンとニッケルとルテニウムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(T1、T2、T3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、20%であった。
よって、ランタンとニッケルとルテニウムの複合酸化物(La2NiRuO6)が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(La2NiRuO6)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[亜鉛とランタンとロジウムの複合酸化物]
ここで、亜鉛とランタンとロジウムの複合酸化物(La2Zn(RhO6))について、図29を用いて説明する。
図29に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図29にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図29にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図29にて、U1(太線),U2(1点鎖線),U3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、亜鉛とランタンとロジウムの複合酸化物(La2Zn(RhO6))について、図29を用いて説明する。
図29に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図29にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図29にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図29にて、U1(太線),U2(1点鎖線),U3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
亜鉛とランタンとロジウムの複合酸化物(La2Zn(RhO6))は、AxByCwOzからなり、前記Aが亜鉛であり、前記Bが遷移金属であり、前記Cが遷移金属である複合酸化物である。
亜鉛とランタンとロジウムの複合酸化物(La2Zn(RhO6))は、図29(a)に示すように、約−0.20eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約2.03eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが2.23eVとなった。
さらに、亜鉛とランタンとロジウムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(U1、U2、U3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約34%であった。
よって、亜鉛とランタンとロジウムの複合酸化物(La2Zn(RhO6))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(La2Zn(RhO6))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[亜鉛とランタンとイリジウムの複合酸化物]
ここで、亜鉛とランタンとイリジウムの複合酸化物(La2(IrZnO6))について、図30を用いて説明する。
図30に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図30にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図30にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図30にて、V1(太線),V2(1点鎖線),V3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、亜鉛とランタンとイリジウムの複合酸化物(La2(IrZnO6))について、図30を用いて説明する。
図30に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図30にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図30にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図30にて、V1(太線),V2(1点鎖線),V3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
亜鉛とランタンとイリジウムの複合酸化物(La2(IrZnO6)は、AxByCwOzからなり、前記Aが亜鉛であり、前記Bが遷移金属であり、前記Cが遷移金属である複合酸化物である。
亜鉛とランタンとイリジウムの複合酸化物(La2(IrZnO6)は、図30(a)に示すように、約−0.15eVより下方の領域Evが価電子帯となる一方、約2.00eVより上方の領域Ecが伝導帯となった。これらの領域の間の禁制帯(バンドギャップ)Egの大きさが2.15eVとなった。
さらに、亜鉛とランタンとイリジウムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(V1、V2、V3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約34%であった。
よって、亜鉛とランタンとイリジウムの複合酸化物(La2(IrZnO6)が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(La2(IrZnO6)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ビスマスと鉄とガリウムの複合酸化物]
ここで、ビスマスと鉄とガリウムの複合酸化物(Bi2Ga2Fe2O9)について、図31を用いて説明する。
図31に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図31にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図31にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図31にて、W1(太線),W2(1点鎖線),W3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ビスマスと鉄とガリウムの複合酸化物(Bi2Ga2Fe2O9)について、図31を用いて説明する。
図31に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図31にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図31にて、Ecは伝導帯を示し、Evは価電子帯を示し、Egは禁制帯を示す。図31にて、W1(太線),W2(1点鎖線),W3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ビスマスと鉄とガリウムの複合酸化物(Bi2Ga2Fe2O9)は、AxByCwOzからなり、前記Aがビスマスであり、前記Bが遷移金属であり、前記Cがガリウムである複合酸化物である。
ビスマスと鉄とガリウムの複合酸化物(Bi2Ga2Fe2O9)は、図31(a)に示すように、上向きスピンにて、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップEgの大きさが0.00eVとなった。
さらに、ビスマスと鉄とガリウムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(W1、W2、W3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約24%であった。
よって、ビスマスと鉄とガリウムの複合酸化物(Bi2Ga2Fe2O9)が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Bi2Ga2Fe2O9)は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[ビスマスとイットリウムとルテニウムの複合酸化物]
ここで、ビスマスとイットリウムとルテニウムの複合酸化物((Bi0.2Y1.8)(Ru2O7))について、図32を用いて説明する。
図32に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図32にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図32にて、X1(太線),X2(1点鎖線),X3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ここで、ビスマスとイットリウムとルテニウムの複合酸化物((Bi0.2Y1.8)(Ru2O7))について、図32を用いて説明する。
図32に示すバンド構造は、バンド計算(例えば、第一原理バンド計算)により求められたバンド構造である。図32にて、縦軸はエネルギー状態を示し、横軸は各電子殻を示す。図32にて、X1(太線),X2(1点鎖線),X3(点線)が、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)におけるエネルギー順位の低い3つの電子状態を示す。
ビスマスとイットリウムとルテニウムの複合酸化物((Bi0.2Y1.8)(Ru2O7))は、AxByCwOzからなり、前記Aがビスマスであり、前記Bが遷移金属であり、前記Cが遷移金属である複合酸化物である。
ビスマスとイットリウムとルテニウムの複合酸化物((Bi0.2Y1.8)(Ru2O7))は、図32(b)に示すように、下側スピンにて、バンドが0eV付近に多数あるため、バンドギャップEgの大きさが0.00eVとなった。
さらに、ビスマスとイットリウムとルテニウムの複合酸化物の伝導帯バンドの酸素軌道含有率は、フェルミレベルの直上(伝導帯バンド)の3つの状態(X1、X2、X3)を平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化したものであり、約25%であった。
よって、ビスマスとイットリウムとルテニウムの複合酸化物((Bi0.2Y1.8)(Ru2O7))が、図3に示すように、バンドギャップが3.0eV以下であり、且つ伝導帯バンドの酸素軌道含有率が20%以上である範囲を示す領域Fの範囲内にあると確認された。この複合酸化物(Bi0.2Y1.8)(Ru2O7))は、ペロブスカイト型を除く構造であった。
[複合酸化物の調製方法]
上述した複合酸化物(亜鉛とマンガンの複合酸化物、コバルトとマンガンの複合酸化物、ビスマスとモリブデンの複合酸化物、ニッケルとクロムの複合酸化物、鉄とモリブデンの複合酸化物、ニッケルとモリブデンの複合酸化物、銅とクロムの複合酸化物、銅とモリブデンの複合酸化物、銅とタングステンの複合酸化物、イットリウムとルテニウムの複合酸化物、ホルミウムとマンガンの複合酸化物、ビスマスと銀の複合酸化物、ランタンとニッケルの複合酸化物、ランタンとモリブデンの複合酸化物、ランタンとルテニウムの複合酸化物、テルビウムとルテニウムの複合酸化物、ジスプロシウムとルテニウムの複合酸化物、イッテルビウムとクロムの複合酸化物、ビスマスとコバルトの複合酸化物、ビスマスとニッケルの複合酸化物、ビスマスと金の複合酸化物、ランタンとコバルトとイリジウムの複合酸化物、ランタンとニッケルとルテニウムの複合酸化物、亜鉛とランタンとロジウムの複合酸化物、亜鉛とランタンとイリジウムの複合酸化物、ビスマスと鉄とガリウムの複合酸化物、ビスマスとイットリウムとルテニウムの複合酸化物)は、各金属元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩または塩化物などを所定の割合で混合し、最終的に600〜1000℃、好ましくは700〜900℃で2〜10時間程度焼成して調製することができる。
上述した複合酸化物(亜鉛とマンガンの複合酸化物、コバルトとマンガンの複合酸化物、ビスマスとモリブデンの複合酸化物、ニッケルとクロムの複合酸化物、鉄とモリブデンの複合酸化物、ニッケルとモリブデンの複合酸化物、銅とクロムの複合酸化物、銅とモリブデンの複合酸化物、銅とタングステンの複合酸化物、イットリウムとルテニウムの複合酸化物、ホルミウムとマンガンの複合酸化物、ビスマスと銀の複合酸化物、ランタンとニッケルの複合酸化物、ランタンとモリブデンの複合酸化物、ランタンとルテニウムの複合酸化物、テルビウムとルテニウムの複合酸化物、ジスプロシウムとルテニウムの複合酸化物、イッテルビウムとクロムの複合酸化物、ビスマスとコバルトの複合酸化物、ビスマスとニッケルの複合酸化物、ビスマスと金の複合酸化物、ランタンとコバルトとイリジウムの複合酸化物、ランタンとニッケルとルテニウムの複合酸化物、亜鉛とランタンとロジウムの複合酸化物、亜鉛とランタンとイリジウムの複合酸化物、ビスマスと鉄とガリウムの複合酸化物、ビスマスとイットリウムとルテニウムの複合酸化物)は、各金属元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩または塩化物などを所定の割合で混合し、最終的に600〜1000℃、好ましくは700〜900℃で2〜10時間程度焼成して調製することができる。
上記各金属元素の塩の混合方法としては、それぞれの金属塩を固体状態で混合する方法、それぞれの金属塩の溶液(水溶液など)を混合した後に蒸発乾固する方法、それぞれの金属塩の混合溶液をアンモニア水等のアルカリ溶液で加水分解する共沈法などを用いることができる。具体的には、ボールミル混合による固相法、共沈法、熱分解法などが採用できる。
例えば、亜鉛とマンガンの複合酸化物(ZnMn2O4)を調製するに当たり、原料物質として、酸化亜鉛、酸化マンガンを用意する。これらの原料物資を量論で得られるような割合で粉末を仮混合する。更に溶媒(エタノールや分散剤など)を加えて、ボールミルで20時間混合する。その後、120℃で乾燥させ、850℃で10時間焼成することにより複合酸化物を得ることができる。
したがって、本実施形態に係る排ガス処理触媒の選定方法によれば、複合酸化物のバンド構造を科学計算により求め、前記バンド構造に基づき、バンドギャップを算出すると共に、前記バンド構造におけるフェルミレベルの直上にてエネルギー順位の低い3つの電子状態について平均して酸素原子の電子状態への寄与率を数値化した伝導帯バンドの酸素軌道含有率を算出し、前記バンドギャップおよび前記伝導帯バンドの酸素軌道含有率に基づき、候補となる複合酸化物を選定することにより、白金代替触媒であり、微粒子状物質の燃焼開始温度を白金系触媒の場合と比べて同等にする、またはそれよりも低くする触媒能を発現する排ガス処理触媒を高精度に予測して、当該触媒能を発現する物質を選考する労力を軽減することができる。
さらに、既知である白金系触媒および既知であるペロブスカイト型の複合酸化物のバンド構造を科学計算により求め、当該バンド構造に基づき、前記白金系触媒および前記ペロブスカイト型の複合酸化物のバンドギャップおよび伝導帯バンドの酸素軌道含有率を算出し、前記白金系触媒および前記ペロブスカイト型の複合酸化物の前記バンドギャップおよび前記伝導帯バンドの酸素軌道含有率に基づき、前記候補となる複合酸化物を選定することにより、微粒子状物質の燃焼開始温度が前記白金系触媒の場合と比べて同等またはそれよりも低くなる触媒能を発現する高触媒能発現グループと、微粒子状物質の燃焼開始温度が前記白金系触媒の場合と比べて高くなる触媒能を発現する低触媒能発現グループとに分類でき、白金系触媒と高触媒能発現グループと低触媒能発現グループに関して、バンドギャップと伝導帯バンドの酸素軌道含有率の分布を求め、この分布に基づき候補となる複合酸化物を選定することができる。よって、白金代替触媒であり、微粒子状物質の燃焼開始温度を白金系触媒の場合と比べて同等にする、またはそれよりも低くする触媒能を発現する排ガス処理触媒をより一層高精度に予測して、当該触媒能を発現する物質を選考する労力を軽減することができる。
また、複合酸化物の上向きスピンおよび下向きスピンのバンド構造を科学計算によりそれぞれ求め、前記上向きスピンのバンド構造および前記下向きスピンのバンド構造におけるバンドギャップをそれぞれ算出し、前記上向きスピンのバンドギャップと前記下向きスピンのバンドギャップとを比較して小さい方のバンドギャップに基づき、候補となる複合酸化物を選定することにより、前記複合酸化物が磁性体であるときであっても、白金代替触媒であり、微粒子状物質の燃焼開始温度を白金系触媒の場合と比べて同等にする、またはそれよりも低くする触媒能を発現する排ガス処理触媒を高精度に予測して、当該触媒能を発現する物質を選考する労力を軽減することができる。
本発明に係る排ガス処理触媒の効果を確認するために行った確認試験を以下に説明するが、本発明は以下に説明する確認試験のみに限定されるものではない。
[試験体の作製]
排ガス処理触媒(複合酸化物)の組成と燃焼開始温度との関係を確認するために、上述した実施形態で説明した複合酸化物の調製方法に基づいて、ZnMn2O4の複合酸化物からなる触媒(試験体1)と、Co2Mn3O8の複合酸化物からなる触媒(試験体2)と、Bi2MoO6の複合酸化物からなる触媒(試験体3)と、NiCrO4の複合酸化物からなる触媒(試験体4)とを作製した。なお、参照例として、触媒が無いもの(参照試験体1)と、Al2O3の基材にPtを担持したもの(参照試験体2)も作製した。
排ガス処理触媒(複合酸化物)の組成と燃焼開始温度との関係を確認するために、上述した実施形態で説明した複合酸化物の調製方法に基づいて、ZnMn2O4の複合酸化物からなる触媒(試験体1)と、Co2Mn3O8の複合酸化物からなる触媒(試験体2)と、Bi2MoO6の複合酸化物からなる触媒(試験体3)と、NiCrO4の複合酸化物からなる触媒(試験体4)とを作製した。なお、参照例として、触媒が無いもの(参照試験体1)と、Al2O3の基材にPtを担持したもの(参照試験体2)も作製した。
[試験方法]
本試験では、黒煙の燃焼開始温度によって煙燃焼活性評価を行った。黒煙を模した活性炭粉末と触媒を混合した混合試料を作製し、この混合試料を所定のガス流通下で昇温し、発生するCO2を燃焼反応とみなして、CO2生成開始温度を微粒子状物質の燃焼開始温度として評価を行った。この燃焼開始温度は、CO2温度分布でCO2濃度が吸蔵する領域の傾きを温度軸へ外挿したものとした。生成したガスについて、CO,CO2及びNOx濃度を連続して計測して分析した。
本試験では、黒煙の燃焼開始温度によって煙燃焼活性評価を行った。黒煙を模した活性炭粉末と触媒を混合した混合試料を作製し、この混合試料を所定のガス流通下で昇温し、発生するCO2を燃焼反応とみなして、CO2生成開始温度を微粒子状物質の燃焼開始温度として評価を行った。この燃焼開始温度は、CO2温度分布でCO2濃度が吸蔵する領域の傾きを温度軸へ外挿したものとした。生成したガスについて、CO,CO2及びNOx濃度を連続して計測して分析した。
具体的には、触媒粉末(上述した試験体1)を市販の活性炭粉末(和光社製)5wt%と混合し、少量のアルコールを添加し、メノウ乳鉢で良く攪拌・混合後、60℃で乾燥させる。分級したSiO2粉末で約50wt%に希釈した試料を固定床流通式マイクロリアクターに充填し、ガス流通下で昇温しつつ(昇温反応法)、発生するガスの分析を行い、温度と発生ガスの相関を調べることで黒煙燃焼性能を評価した。このときの評価条件を下記の表1に示す。なお、試験体2,3,4および参照試験体2についても、前述した試験体1の場合と同様の手法にて試料をそれぞれ作製し、これら試料についても前述した試験体1の場合と同様の手法にてそれぞれ評価を行った。参照試験体1については、市販の活性炭粉末(和光社製)5wt%に少量のアルコールを添加し、メノウ乳鉢で良く攪拌・混合後、60℃で乾燥させ、分級したSiO2粉末で約50wt%に希釈した試料を作製し、この試料について前述した試験体1の場合と同様の手法にて評価を行った。
[試験結果]
上記表1の条件で評価した結果について下記表2に示す。
上記表1の条件で評価した結果について下記表2に示す。
上記表2に示すように、亜鉛とマンガンの複合酸化物である試験体1(ZnMn2O4)では、活性炭の燃焼開始温度が270℃であることが明らかとなった。コバルトとマンガンの複合酸化物である試験体2(Co2Mn3O8)では、活性炭の燃焼開始温度が272℃であることが明らかとなった。ビスマスとモリブデンの複合酸化物である試験体3(Bi2MoO6)では、活性炭の燃焼開始温度が280℃であることが明らかとなった。ニッケルとクロムの複合酸化物である試験体4(NiCrO4)では、活性炭の燃焼開始温度が285℃であることが明らかとなった。
また、触媒が無い参照試験体1では、活性炭の燃焼開始温度が434℃であることが明らかとなった。白金をアルミナに担持した白金系触媒である参照試験体2(Pt/Al2O3)では、活性炭の燃焼開始温度が285℃であることが明らかとなった。
すなわち、試験体1(ZnMn2O4)では、活性炭の燃焼開始温度が参照試験体2(Pt/Al2O3)の場合と比べて低くなることが確認された。試験体2(CoMn3O8)では、活性炭の燃焼開始温度が参照試験体2(Pt/Al2O3)の場合と比べて低くなることが確認された。試験体3(Bi2MoO6)では、活性炭の燃焼開始温度が参照試験体2(Pt/Al2O3)の場合と比べて低くなることが確認された。試験体4(NiCrO4)では、活性炭の燃焼開始温度が参照試験体2(Pt/Al2O3)の場合と比べて同等になることが確認された。
したがって、複合酸化物の試験体1,2,3,4によれば、白金代替触媒であって、活性炭の燃焼開始温度を参照試験体2(Pt/Al2O3)の場合と比べて同等にする、またはそれよりも低くすることができることが確認された。
本発明に係る排ガス処理触媒は、自動車やプラントから排出される排ガスを処理する排ガス処理触媒などに利用することが可能である。
Claims (1)
- 排ガスに含まれる微粒子状物質の燃焼を促進する排ガス処理触媒であって、
AxByOzからなり、
前記AxByOzがペロブスカイト型を除く構造であり、
前記Aと前記Bが、亜鉛とマンガン、コバルトとマンガン、ビスマスとモリブデン、ニッケルとクロム、ニッケルとモリブデンの組み合わせの何れかである
ことを特徴とする排ガス処理触媒。
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