JP2018149457A - 排ガス浄化触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】
リーンバーン運転時において一酸化窒素を吸着しやすい触媒を提供する。
【解決手段】
本発明に係る排ガス浄化触媒は、複数のアルミニウム原子と、複数の酸素原子が結合したアルミナで構成し、前記アルミナの表面に、配位数が2、3または5のアルミニウム、配位数が2、3または5のガリウムの中から選択される2つの原子を有する。
【選択図】 図1
リーンバーン運転時において一酸化窒素を吸着しやすい触媒を提供する。
【解決手段】
本発明に係る排ガス浄化触媒は、複数のアルミニウム原子と、複数の酸素原子が結合したアルミナで構成し、前記アルミナの表面に、配位数が2、3または5のアルミニウム、配位数が2、3または5のガリウムの中から選択される2つの原子を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、主に車両(自動車)向けの排ガス浄化触媒に関する。
自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物の低減は、重要な環境問題のひとつである。ガソリンエンジンでは、Pt、Pd、Rh等の貴金属を使用した三元触媒が排ガス浄化触媒として用いられている。この三元触媒は、有効に作用する空燃比の範囲がストイキオメトリ(理論空燃比)近傍の極めて狭い領域に限られる。
リーンバーン運転時は排気ガス中の酸素量が増加して貴金属が酸素被毒されるため、窒素酸化物NOxの浄化能力が低下する。そのため、リーンバーン運転時は一時的にNOxを吸蔵するNOx吸蔵材を備え、空燃比をリッチ(燃料過剰)やストイキオメトリ(理論空燃比)にして、三元触媒で還元する方法がとられている(例えば、特許文献1、2)。リーンバーン運転時にNOxを還元する触媒としては、アルミナや、アルミナを担体として金属や金属酸化物の活性種を付けた触媒が提案されている(例えば、特許文献3、4)。
しかしながら、特許文献1、2ではリーンバーン運転時に一時的にNOxを吸蔵するNOx吸蔵材が提案されているが、吸蔵したNOxを窒素N2に還元して排出するためには空燃比をリッチ(燃料過剰)やストイキオメトリ(理論空燃比)にしなければならない。リッチやストイキオメトリでエンジンを燃焼させた場合は、リーンバーン運転時の場合に比べて燃費が悪化し、地球温暖化に影響のあるCO2排出量が低減されない問題がある。そのため、リーンバーン運転時でNOxを還元できる触媒が必要とされている。
特許文献3、4はリーンバーン運転時でNOxを還元する触媒を提案したものである。特許文献3ではアルミナやアルミナに担持されたインジウムから成る触媒が提案されているが、アルミナの構造にまでは言及されていない。特許文献4では担体の酸化物としてγ-アルミナを提案し、NOx浄化率の高いγ-アルミナに望まれる表面積と細孔体積、細孔の平均サイズについて述べられている。しかし、NOxが還元されるためには触媒表面で化学反応が生じることが必要で、触媒表面の原子レベルの構造や表面原子の結合状態が大きく影響するが、そこまでは言及されていなかった。
本発明の目的は、上記のような従来技術における問題点を解決しようとするものであり、酸素過剰排ガスであるリーンバーン運転時においても、一酸化窒素NOが化学吸着しやすい触媒を提供することにある。
本発明に係る排ガス浄化触媒は、複数のアルミニウム原子と、複数の酸素原子が結合したアルミナで構成し、前記アルミナの表面に、配位数が2、3または5のアルミニウム、配位数が2、3または5のガリウムの中から選択される2つの原子を有する。
本発明によれば、リーンバーン運転時においても一酸化窒素が化学吸着しやすい触媒を提供することができる。
以下、実施例を図面を用いて説明する。
以下本発明の一実施例を図1、図2、図3を用いて説明する。
図1は実施例1のアルミナの表面構造(一酸化窒素の吸着前)を示す。灰色の原子はアルミニウムで、白色の原子は酸素である。以下に示す図では各原子を同じ色で示す。
ここでは、アルミナ(110)面の表面に配位数が2のアルミニウムが2個近接して存在するアルミナの構造を示している。この構造は、第一原理計算により求めた安定構造である。第一原理計算は、すべて密度汎関数法を用いたGGA-PBEにより実施した。計算モデルは、アルミニウム24個、酸素24個から成る周期境界モデルで、表面側には20オングストロームの真空層が設けてある。最表面のアルミニウム11、12、17、18の配位数は4で、他の最表面のアルミニウム13、14、15、16の配位数は2である。また、アルミニウム14とアルミニウム16の間の距離は約2.9オングストローム、アルミニウム16とアルミニウム18の間の距離も約2.9オングストローム、アルミウム14とアルミニウム18の間の距離は約3.5オングストロームである。
図2は実施例1のアルミナの構造(一酸化窒素の吸着後)を示す。黒色の原子は窒素である。以下に示す図では各原子を同じ色で示す。
図1のアルミナ(110)面へ一酸化窒素2aが吸着した場合の表面構造の一例で、第一原理計算により求めた安定構造を示している。一酸化窒素2aの窒素21がアルミ二ウム16、18と結合し、酸素22はアルミ二ウム14、16と結合している。いずれの結合距離も約1.9オングストロームとなっている。このような表面近傍の原子の配位数や近接原子までの距離は、X線を用いた表面分析装置であるXAFS(X-ray absorption fine structure)により測定することができる。また、表面の面方位は、X線回折により測定することができる。
図3は一酸化窒素がアルミナ表面から約10Å離れて存在する場合を示す。一酸化窒素2は、図3のように表面から約10オングストローム離れた状態にある場合より、アルミナ表面に結合した場合の方が3.6eVエネルギーが低く、吸着することにより安定になることが第一原理計算によりわかった。
<比較例>
図4は比較例1のアルミナの構造(一酸化窒素が近づく前)である。アルミナ(100)面の表面構造の一例で、第一原理計算により求めた安定構造を示している。最表面のアルミウム41〜48の配位数はどれも4となっている。また、アルミニウム44とアルミニウム43の距離は約4.8オングストローム、アルミニウム44とアルミニウム42の距離は約2.7オングストローム、アルミニウム44とアルミニウム46の距離は約3.8オングストロームである。
図4は比較例1のアルミナの構造(一酸化窒素が近づく前)である。アルミナ(100)面の表面構造の一例で、第一原理計算により求めた安定構造を示している。最表面のアルミウム41〜48の配位数はどれも4となっている。また、アルミニウム44とアルミニウム43の距離は約4.8オングストローム、アルミニウム44とアルミニウム42の距離は約2.7オングストローム、アルミニウム44とアルミニウム46の距離は約3.8オングストロームである。
図5は比較例1のアルミナの構造(一酸化窒素が近づいた後)である。図4のアルミナ表面へ一酸化窒素2が近づいた場合の安定構造を、第一原理計算により求めた結果を示している。一酸化窒素2の窒素21は表面のアルミニウム44と2.1オングストロームの距離まで近づく。しかし、酸素22と表面のアルミニウム44の距離は約3.1オングストロームで、窒素21より表面から離れた位置にあり、表面に化学吸着しないことがわかった。また、一酸化窒素1が表面から約10オングストローム離れた位置にある場合のエネルギーと、図5に示した表面近くにある場合のエネルギーを比較すると、表面に近づいても0.6eVしか安定にならないことが第一原理計算によりわかった。このように、最表面のアルミウムの配位数がどれも4である場合には、一酸化窒素2の酸素22が触媒表面に吸着しないことがわかった。
図6、図7を用いて本発明による第2の実施例を説明する。
図6は実施例2のアルミナの構造(一酸化窒素の吸着前)を示す。
ここでは、アルミナ(100)面の表面に配位数が3のアルミニウムと配位数が5のアルミニウムが近接して存在するアルミナの構造を示している。この構造は、第一原理計算により求めた安定構造である。計算モデルは、アルミニウム40個、酸素44個から成る周期境界モデルで、表面側には20オングストロームの真空層が設けてある。最表面のアルミニウム61の配位数は4で、アルミニウム62の配位数は5で、アルミニウム63の配位数は3である。また、アルミニウム61とアルミニウム62間の距離は約3.4オングストローム、アルミニウム62とアルミニウム63の間の距離は約3.1オングストローム、アルミウム61とアルミニウム63の間の距離は約3.7オングストロームである。
ここでは、アルミナ(100)面の表面に配位数が3のアルミニウムと配位数が5のアルミニウムが近接して存在するアルミナの構造を示している。この構造は、第一原理計算により求めた安定構造である。計算モデルは、アルミニウム40個、酸素44個から成る周期境界モデルで、表面側には20オングストロームの真空層が設けてある。最表面のアルミニウム61の配位数は4で、アルミニウム62の配位数は5で、アルミニウム63の配位数は3である。また、アルミニウム61とアルミニウム62間の距離は約3.4オングストローム、アルミニウム62とアルミニウム63の間の距離は約3.1オングストローム、アルミウム61とアルミニウム63の間の距離は約3.7オングストロームである。
図7は実施例2のアルミナの構造(一酸化窒素の吸着後)を示す。図6のアルミナ(100)面へ一酸化窒素2aが吸着した場合の表面構造の一例で、第一原理計算により求めた安定構造を示している。一酸化窒素2aの窒素21がアルミ二ウム62、63と結合し、酸素22はアルミ二ウム61と結合している。また、窒素21とアルミニウム62間の距離は約2.0オングストローム、窒素21とアルミニウム63の間の距離は約1.8オングストローム、酸素22とアルミニウム61の間の距離は約1.9オングストロームである。また、一酸化窒素2aは、表面から約10オングストローム離れた状態にある場合より、アルミナ表面に結合した場合の方が4.0eVエネルギーが低く、吸着することにより安定になることが第一原理計算によりわかった。
図8、図9を用いて本発明による第3の実施例を説明する。
図8は実施例3のアルミナの構造(一酸化窒素の吸着前)を示す。
ここでは、アルミナ(110)面の表面に配位数が3のアルミニウムが2個近接して存在するアルミナの構造を示している。この構造は、第一原理計算により求めた安定構造である。計算モデルは、アルミニウム48個、酸素52個から成る周期境界モデルで、表面側には20オングストロームの真空層が設けてある。最表面のアルミウム81〜85の配位数はどれも3となっている。また、アルミニウム81とアルミニウム82の間の距離は約3.7オングストローム、アルミニウム81とアルミニウム83の間の距離は約3.5オングストローム、アルミニウム82とアルミニウム83の間の距離は約3.2オングストローム、アルミニウム82とアルミニウム84の間の距離は約2.7オングストローム、アルミニウム82とアルミニウム85の間の距離は約3.5オングストローム、アルミニウム84とアルミニウム85の間の距離は約2.9オングストロームである。
図9は実施例2のアルミナの構造(一酸化窒素の吸着後)を示す。
図8のアルミナ(110)面へ一酸化窒素が解離吸着した場合の表面構造の一例で、第一原理計算により求めた安定構造を示している。一酸化窒素の窒素21がアルミニウム81、82、83と結合し、酸素22はアルミニウム82、84、85と結合している。窒素21とアルミニウム81の間の距離は約1.9オングストローム、窒素21とアルミニウム82の間の距離は約1.9オングストローム、窒素21とアルミニウム83の間の距離は約1.9オングストローム、酸素22とアルミニウム82の間の距離は約1.9オングストローム、酸素22とアルミニウム84の間の距離は約1.9オングストローム、酸素22とアルミニウム85の間の距離は約2.0オングストロームである。また、一酸化窒素は、表面から約10オングストローム離れた状態にある場合より、アルミナ表面に解離して結合した場合の方が8.3eVエネルギーが低く、解離吸着することにより安定になることが第一原理計算によりわかった。
図10、図11を用いて本発明による第4の実施例を説明する。
図10は実施例4のアルミナの構造(一酸化窒素の吸着前)を示す。
ここでは、アルミナ(100)面の表面に配位数が5のアルミニウムが2個近接して存在するアルミナの構造を示している。この構造は、第一原理計算により求めた安定構造である。計算モデルは、アルミニウム24個、酸素44個から成る周期境界モデルで、表面側には20オングストロームの真空層が設けてある。最表面のアルミニウム101、102の配位数は5である。また、アルミニウム101とアルミニウム102の間の距離は約4.0オングストロームである。
図11は実施例4のアルミナの構造(一酸化窒素の吸着後)を示す。アルミナ(100)面へ一酸化窒素2aが吸着した場合の表面構造の一例で、第一原理計算により求めた安定構造を示している。一酸化窒素2aの窒素21がアルミ二ウム101と結合し、酸素22はアルミ二ウム102と結合している。また、窒素21とアルミニウム101の間の距離は約2.0オングストローム、酸素22とアルミニウム102の間の距離も約2.0オングストロームである。一酸化窒素2aは、表面から約10オングストローム離れた状態にある場合より、アルミナ表面に吸着した場合の方が0.6eVエネルギーが低く、吸着することにより安定になることが第一原理計算によりわかった。
図12、図13を用いて本発明による第5の実施例を説明する。
図12はガリウムがアルミナ(110)面の最表面に含まれている触媒の表面構造の一例で、第一原理計算により求めた安定構造を示している。本表面モデルは、アルミニウム26個、酸素32個、ガリウム2個から成る周期境界モデルで、表面側には20オングストロームの真空層が設けてある。アルミニウム121の配位数は4で、ガリウム122の配位数は5、ガリウム123の配位数は3である。原子間距離は、アルミナ121とガリウム122の間の距離は約3.6オングストローム、ガリウム122とガリウム123の間の距離は約2.5オングストローム、アルミナ121とガリウム123の間の距離は約3.9オングストロームである。
図13は図12の表面に化学吸着した一酸化窒素2aがある場合の一例で、第一原理計算により求めた安定構造を示している。一酸化窒素2aの窒素21はガリウム122とガリウム123に結合し、一酸化窒素2aの酸素22はアルミニウム121、ガリウム123と結合している。また、窒素21とアルミニウム122の間の距離は約2.0オングストローム、窒素21とアルミニウム123の間の距離は約1.9オングストローム、酸素22とアルミニウム121の間の距離は約1.8オングストローム、酸素22とアルミニウム123の間の距離は約2.0オングストロームである。第一原理計算によりエネルギー解析を行った結果、一酸化窒素2aは、表面から約10オングストローム離れたところにある場合より、触媒表面に化学吸着した方が、1.7eVエネルギーが低くなり、吸着した方が安定であることがわかった。
ここでは、ガリウムがアルミナ表面に含まれている例を示したが、ガリウムの他にインジウムなどを加えてもよい。また、最表面のアルミニウムとガリウムの割合も上記の例に限られるものではなく、酸素とガリウムだけで構成されてもよい。
図14は一酸化窒素が酸化物触媒表面でプロピレンなどの炭化水素により窒素に還元される素反応の一例を示したものである。これら一連の反応は、第一原理計算によるエネルギー解析により、すべて発熱反応であることを確認した。
まず一酸化窒素2が触媒1の表面に化学吸着して一酸化窒素2aとなる。表面吸着した一酸化窒素2aは、酸素3と反応し、表面で二酸化窒素4となる。二酸化窒素4にプロピレンなどの炭化水素5や炭素と水素と酸素を含む化合物が吸着し、ONO基を含む化合物6が生成する。ONO基を含む化合物6が複数個の酸素3と反応した後、イソシアネート基7(NCO基)が形成される。イソシアネート基7は水8と反応してアミノ基(NH2基)9となる。このアミノ基9と一酸化窒素2が反応して窒素10と水8になり、一酸化窒素2の還元が完了する。つまり、一酸化窒素2は触媒1の表面上で酸素3や水8、炭化水素5と反応してNO2、NCO、NH2に変化し、窒素10へと還元される。このように、一酸化窒素2が、まず触媒1の表面に化学吸着することから始まるため、一酸化窒素2が化学吸着しやすい触媒表面であることが、浄化率を左右する重要な要素であることがわかる。ところで、酸素3は、酸化物であるアルミナ表面やガリウムを含むアルミナ表面に吸着するよりも、炭化水素5と反応する方がエネルギーが低くなることが第一原理計算からわかった。このため、リーンバーン運転時で排ガス中に多くある酸素3は、一酸化窒素2の還元を阻害するのではなく、むしろ、表面の炭化水素5と反応して一酸化窒素2の還元を促進することわかる。
実施例1〜5で説明したように、本実施形態ではアルミナの表面に配位数が2、3または5のアルミニウム、配位数が2、3または5のガリウムの中から選択される2つの原子を有する。この「選択される2つの原子」とは、6つの原子で構成するグループから配位数、種類が同じものを選択しても良いものである。例えば、実施例1のようにアルミナの表面に配位数が2のアルミニウム原子を2つ有する構成を含む。
この2つの原子は近接していることが特徴の1つである。一酸化窒素の化学吸着のためには、シミュレーションにより2つの原子間距離は好ましくは5オングストローム以下、さらに好ましくは4オングストローム以下であることが望ましいと分かった。
2つの原子の組合せによっては、この2つの原子の近傍に、配位数が4のアルミニウムを有することで一酸化窒素が吸着しやすくなる場合もあるし、さらに配位数が2、3または5のアルミニウム、配位数が2、3または5のガリウムの中から選択される原子を有することで一酸化窒素が吸着しやすくなる場合もある。2つの原子の組合せがガリウム2個の場合、この2つの原子の近傍にアルミニウムを有することで一酸化窒素が吸着しやすい構成となる。
表1に、2つの原子の組合せごとの一酸化窒素の吸着しやすさを示す。左が原子の種類、右が配位数である。最も吸着しやすいのが◎、次が○、次が△である。配位数に関係なく、ガリウムが2個含まれると一酸化窒素を吸着しやすい構成となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本実施例の要旨を逸脱しない範囲内で各種の態様で実施できることはもちろんである。
1…触媒、2…一酸化窒素、2a…化学吸着した一酸化窒素、3…酸素、
4…二酸化窒素、5…炭化水素、6…ONO基を含む化合物、7…イソシアネート基、
8…水、9…アミノ基、10…窒素
11〜18、41〜48、61〜63、81〜85、101、102、121…アルミニウム、
21…窒素、22…酸素、122、123…ガリウム
4…二酸化窒素、5…炭化水素、6…ONO基を含む化合物、7…イソシアネート基、
8…水、9…アミノ基、10…窒素
11〜18、41〜48、61〜63、81〜85、101、102、121…アルミニウム、
21…窒素、22…酸素、122、123…ガリウム
Claims (8)
- 複数のアルミニウム原子と、複数の酸素原子が結合したアルミナで構成し、
前記アルミナの表面に、配位数が2、3または5のアルミニウム、配位数が2、3または5のガリウムの中から選択される2つの原子を有することを特徴とする排ガス浄化触媒。 - 請求項1に記載の排ガス浄化触媒であって、
前記2つの原子は近接していることを特徴とする排ガス浄化触媒。 - 請求項1に記載の排ガス浄化触媒であって、
前記2つの原子の間の距離は5オングストローム以下であることを特徴とする排ガス浄化触媒。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス浄化触媒であって、
前記2つの原子の近傍に、配位数が4のアルミニウムを有することを特徴とする排ガス浄化触媒。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス浄化触媒であって、
前記2つの原子の近傍に、配位数が2、3または5のアルミニウム、配位数が2、3または5のガリウムの中から選択される原子を有することを特徴とする排ガス浄化触媒。 - 請求項1乃至5のいずれに記載の排ガス浄化触媒であって、
前記2つの原子うち1つはガリウムであることを特徴とする排ガス浄化触媒。 - 請求項1乃至5のいずれに記載の排ガス浄化触媒であって、
前記2つの原子はどちらもガリウムであることを特徴とする排ガス浄化触媒。 - 請求項1乃至7のいずれに記載の排ガス浄化触媒であって、
前記2つの原子は同じ種類、同じ配位数の原子であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
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