JP2014092707A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度のパターンを形成しながら、スループット向上を実現させる。
【解決手段】DMDなどを用いて回路パターンなどを形成するマスクレス露光装置において、パターン像を基板Wに結像させる投影光学系と基板Wとの間に、画像分割光学系27を設ける。画像分割光学系27は、光学素子28A、28B、28Cと光学素子29A、29B、29Cから構成される。画像分割光学系27は、投影光学系26からのパターン光を3分割する。
【選択図】図3
【解決手段】DMDなどを用いて回路パターンなどを形成するマスクレス露光装置において、パターン像を基板Wに結像させる投影光学系と基板Wとの間に、画像分割光学系27を設ける。画像分割光学系27は、光学素子28A、28B、28Cと光学素子29A、29B、29Cから構成される。画像分割光学系27は、投影光学系26からのパターン光を3分割する。
【選択図】図3
Description
本発明は、DMD(Digital Micro-mirror Device)などによってパターンを直接描画するマスクレス露光装置に関し、特に、露光面にパターン像を投影する光学系に関する。
DMDを備えたマスクレス露光装置では、光変調素子(セル)をマトリクス状に2次元配列させた光変調素子アレイを制御して露光動作を行い、パターンを基板の描画面へ直接形成する。具体的には、光源から放射された照明光がDMDに導かれると、投影対象となるエリアに形成すべきパターンに従い、DMDの各マイクロミラーがON/OFF制御される。DMD上で反射した光は投影光学系によって結像され、パターン像が露光面に形成される。
露光装置においては、DMDにより反射したパターン光を分割し、副走査方向に沿って複数の分割パターン像を投影することが可能である。例えば、DMDで反射した光を2つのミラーによって分割し、2つのパターン像を互いに離れた位置に形成する(特許文献1参照)。
そこでは、DMDを2つの領域に分割し、互いに反対方向へ光を導く2つのミラーを交差するように隣り合わせに配置する。ミラーによって分割されたパターン光は、投影光学系を介して基板に結像される。これによって、2つのパターン像が互いに離れて形成される。
ミラーの代わりに、プリズムから成る分割光学系によって互いに2つのパターン像を形成することもできる(特許文献2参照)。そこでは、レチクルからのパターン照明光がプリズムに入射し、照明光が互いに離間する方向へ分割される。2つの分割照明光は、ミラーを介して1つの結像光学系に入射し、2つの分割像が基板に形成される。
一方、3分割ミラーを配置して、3つのパターン像を副走査方向に並べて配置することも可能である(特許文献3参照)。そこでは、2つの結像レンズ間の共役面(結像面)付近に3分割ミラーを配置し、パターン像を分割する。そして、3つの分割像を副走査方向に隣接させながら投影する。
スループット向上を図ることを考えれば、パターン像を数多く分割する光学系を構成することが望ましい。しかしながら、DMDなどの光変調素子アレイと投影光学系(結像光学系)との間に分割光学系を配置すると、分割された複数の照明光それぞれを結像させる投影光学系を配置しなければならず、露光装置内でスペースを確保することが難しい。
一方、分割したパターン光を1つの投影光学系で結像させる場合、光学的な精度誤差が生じ、投影パターンの解像度に影響する。また、パターン像の分割数を増やすことが難しい。
さらに、投影光学系と光変調素子アレイとの間に結像レンズを設けて共役面に分割光学系を設ける構成の場合、分割数に応じて設置すべき結像レンズの数が膨大となり、光学系を省スペースで組み立てることが困難となる。
したがって、画像の鮮明さを損なうことなく複数の分割パターン像を分割可能にすることが求められる。
本発明の露光装置は、複数の光変調素子を2次元配列させた光変調素子アレイと、光変調素子アレイからのパターン光を、被描画体の露光面に結像させる投影光学系と、投影光学系と被描画体との間に配置され、投影光学系から出射したパターン光によるパターン像を分割し、複数の分割パターン像を形成する画像分割光学系とを備える。感光材料を塗布もしくは貼り付けた基板に対し、パターンを形成する描画処理を実行する工程を含む基板の製造方法において、上記露光装置を用いて描画処理を行うことが可能である。
分割光学系が投影光学系よりも被描画体側に設置されることにより、その前側の光学系を従来と同様の構成で維持しながら、分割パターン像を任意に設定することが可能となる。また、光変調素子アレイの共役面上に分割光学系を設置する構成ではないことにより、光学系としてコンパクト化可能となる。
分割光学系はパターン像の分割を、結像面上において行わない。すなわち、パターン像は、その一部分においても結像面上において分割されない。これは、分割パターン像それぞれの縁部分においてボケを生じさせる。
そこで、光変調素子アレイにおける複数の分割パターン像に応じた複数の分割変調領域それぞれに対し、不使用の光変調素子を定める露光制御部を設け、露光制御部が、各分割パターン像のコントラスト低下領域に応じて不使用の光変調素子を定めるようにしてもよい。光量自身でなくコントラスト低下部分に応じて不使用と光変調素子の領域を境界付近に設定することで、不使用領域を最低限のサイズに納めることが可能となる。
たとえば、露光制御部は、投影光学系の入射側開口数と、投影光学系の出射端から画像分割光学系がない場合における焦点位置までの距離とに基いて、不使用の光変調素子を定めることができる。入射側開口数と上記距離は、コントラストと強い相関関係をもつ。
より具体的な不使用光変調素子領域設定の方法として、露光制御部は、以下の式に基き、不使用光変調素子のエリアを定めることができる。
D=2tan(NA/M)・(WD−d+d/N)/M
ただし、Dは光変調素子アレイのマスク領域幅であって不使用光変調素子のエリア幅、dは分割光学系における全光路長、Nはプリズム部材屈折率、Mは投影光学系の倍率、WDは分割光学系がなかったときの投影光学系の出射端から結像面までの光路長、NAは投影光学系の入射側開口数を表す。
D=2tan(NA/M)・(WD−d+d/N)/M
ただし、Dは光変調素子アレイのマスク領域幅であって不使用光変調素子のエリア幅、dは分割光学系における全光路長、Nはプリズム部材屈折率、Mは投影光学系の倍率、WDは分割光学系がなかったときの投影光学系の出射端から結像面までの光路長、NAは投影光学系の入射側開口数を表す。
たとえば、画像分割光学系は、入射光を分割しながら反射する複数の第1反射面からなる第1反射部と、第1反射部それぞれの反射面と対になり第1反射部からの光を反射して基板へ導く複数の第2反射面からなる第2反射部とを備えた光学系として構成することが可能である。
このようにミラーなど反射面を複数配置する場合、被描画体面上において各パターン像をぼけることなく結像させることを考慮し、たとえば、複数の第2反射面が、画像分割光学系内における実効光路長がいずれの分割パターン像においても等しくなるように、配置することが可能である。ただし、実効光路長は、分割光学系内における媒質の屈折率を考慮した光路長である。あるいは、光路長調整部材を設けてもよい。
一方、本発明の他の局面における露光装置は、複数の光変調素子を2次元配列させた光変調素子アレイと、光変調素子アレイからのパターン光を、被描画体の露光面に結像させる投影光学系と、光変調素子アレイと投影光学系との間に配置され、光変調素子アレイからのパターン光によるパターン像を分割し、複数の分割パターン像を形成する画像分割光学系とを備える。
光変調素子アレイの共役面にパターン像を結像させる結像レンズを設け、その共役面で分割する分割光学系を設ける構成ではなく、簡易な構成で分割パターン像を数多く形成することが可能である。特に、光変調素子アレイ側に分割光学系を設置するため、従来の露光ヘッドのサイズを増大させることなく構成することが可能である。
本発明の他の局面における露光装置は、複数の光変調素子を2次元配列させた光変調素子アレイと、光変調素子アレイからのパターン光を、被描画体の露光面に結像させる第1投影光学系と、第1投影光学系と被描画体との間に配置され、第1投影光学系から出射したパターン光によるパターン像を分割し、複数の分割パターン像を形成する第1画像分割光学系と、第1投影光学系の結像面上において、複数の分割パターン像各々をさらに分割する複数の第2画像分割光学系と、分割された複数の分割パターン像を被描画体へ結像させる複数の第2投影光学系とを備える。
このような構成により、より多くの分割パターン像を形成することが可能であり、また、不使用の光変調素子領域を増加させることなく、パターン像の分割、そして分割パターン像のさらなる分割を実現させることができる。
本発明によれば、高精度のパターンを形成しながら、スループット向上を実現することができる。
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態である露光装置を模式的に示した斜視図である。
露光装置10は、フォトレジストなどの感光材料を塗布した(あるいは貼り付けた)基板Wへパターン光を直接照射するマスクレス露光装置であって、ゲート状構造体12、基台14を備える。基台14には、描画テーブル18を支持するX−Yステージ駆動機構56が搭載され、描画テーブル18上に基板Wが設置される。
ゲート状構造体12には光源20a、20bが備えられており、また、パターン形成用の露光ヘッド21A、21Bが基板Wの上方に並んで配設されている。露光ヘッド21Aは、DMD(Digital Micro-mirror Device)、投影光学系(ここでは図示せず)を備え、光源20aから放射される光に基づいてパターン像を基板Wに投影する。露光ヘッド21Bも同様の構成であり、光源20bの光によってパターン像を投影する。
矩形状の基板Wは、例えばプリント基板、ガラス基板などの電子回路用基板であり、プリベイク処理、感光材料塗布/貼り付け処理等が施されたブランクスの状態で描画テーブル18に搭載される。基板W(描画テーブル18)には、互いに直交するX−Y−Z座標系が規定されており、描画テーブル18はX、Y方向に沿って移動可能であり、さらに、Z軸周りに回転可能である。ここでは、X方向を主走査方向、Y方向を副走査方向と規定する。
露光装置10は、露光動作を制御する描画制御部(ここでは図示せず)を備える。描画制御部には、ここで図示しないモニタ、キーボードなどが接続されており、オペレータの操作に従って描画処理に関するセッティングが行われる。突出部31に設けられたCCD19は、基板Wの変形状態を検出し、アライメントが調整された後に露光動作が行われる。
図2は、露光ヘッド21Aの内部構成を模式的に示した図である。露光ヘッド21Bも同様の内部構成になっている。
光源である超高圧水銀ランプ20aは、紫外光である照明光を放射し、照明光学系32へ導かれる。照明光学系32によって平行光に成形された光は、ミラー群(図示せず)を経てDMD22に導かれる。DMD22は、数μm〜数十μmの微小矩形状マイクロミラーをマトリクス状に2次元配列させた光変調デバイスであり、例えば1024×768のマイクロミラーによって構成される。なお、光源20aは超高圧水銀ランプに限らず、LD、LEDなど他の光源を用いることも可能である。また、光源20bについても、光源20aと同様の構成となっている。
DMD22では、メモリセルに格納される制御信号(露光データ)に基づいて、各マイクロミラーがそれぞれ選択的にON/OFF制御される。ON状態のマイクロミラーで反射した光は投影すべきパターンに応じた光束であり、ミラー(図示せず)を介して投影光学系26へ導かれる。
投影光学系26は、パターン光を基板Wの露光面に結像させる光学系であり、複数のレンズから構成される。画像分割光学系27は、投影光学系26の結像面となる基板Wの描画面と投影光学系26との間に配置されており、投影光学系26から出射した照明光を分割し、3つのパターン像(以下、分割パターン像という)を形成する。
基板Wが主走査方向Xに沿って移動するのに伴い、DMD22による投影エリア(露光エリア)は基板Wに対して相対的に移動する。投影エリアの位置に応じたパターン光を照射するように露光動作が定められた露光ピッチに従って実行される。これにより、パターンが主走査方向に沿って形成されていく。
他方の露光ヘッド21Bも同様であり、主走査方向に沿って多重露光動作が行われ、基板全体にパターンが形成されていく。描画処理が終了すると、現像処理、エッチング又はメッキ、レジスト剥離処理などが施され、パターンの形成された基板が製造される。
ここでは基板Wの移動方向を主走査方向に一致させているが、基板Wを主走査方向Xに対し微小傾斜した状態で描画テーブル18に配置してもよい。この場合、描画テーブル18が主走査方向Xに沿って移動するとき、露光エリアは基板Wの長手方向(X方向)に対し傾斜した状態で相対移動する。
露光方式としては、ステップ&リピート方式あるいは連続移動方式による多重露光方式が適用可能である。ステップ&リピート方式では、描画テーブル18は間欠的にX方向に沿って移動し、それに合わせて各マイクロミラーがON/OFF制御される。一方、連続移動方式では、描画テーブル18が連続的に移動しながら露光ピッチに応じて各マイクロミラーがON/OFF制御される。ここでは、連続移動方式が適用されている。
次に、図3、4を用いて画像分割光学系27について説明する。
図3は、画像分割光学系27の概略的平面図である。図4は、画像分割光学系27の模式的斜視図である。
画像分割光学系27は、3つの三角柱状光学素子(分割光学部材)28A、28B、28Cから成る光学系(第1光学系)を備え、それぞれ反射面28AR、28BR、28CRをもつ。光学素子28A〜28Cは、側面から見てそれぞれ形状が相違し、反射面28AR、28BR、28CRは、投影光学系26の光軸に対して異なる傾斜角度をもつ。
一方、光学素子28A、28B、28Cの光軸に垂直な底面の長さは一致しており、反射面29AR、28B、28Cの中点は、いずれも光軸E上に位置する。したがって、反射面28AR、28BR、28CRに入射する光の射影幅は一致し、投影光学系26から出射した照明光が均等に3分割され、3つの分割パターン像が形成される。なお、図4では、光学素子28A、28B、28Cが互いに離間しているが、実際には互いに接している。
さらに画像分割光学系27には、光学素子28A、28B、28Cとそれぞれ対になる光学素子(反射光学部材)29A、29B、29Cから成る光学系(第2光学系)が配置されている。光学素子29A、29B、29Cの反射面29AR、29BR、29CRは、対向する光学素子28A、28B、28Cの反射面28AR、28BR、28CRで反射した光を、基板Wに向けて反射する。
このように一対の光学素子28A、29A、一対の光学素子28B、29B、一対の光学素子28C、29Cによって、3つの分割パターン像が形成され、それぞれ基板Wに投影される。また、画像分割光学系27内部における光学素子対それぞれの光路長が等しくなるように、光学素子29A、29B、29Cが位置決めされている。図3に示す光学素子28A、29Aの画像分割光学系27内部における全光路長d1+d2+d3は、光学素子対28B、29B、および光学素子対29C、29Cの全光路長と等しい。
光学素子28A、28B、28Cは、投影光学系26の結像面には設置されていない。そのため、パターン像の分割線付近ではコントラストが不足し、ボケのある画像となる。そこで、分割線付近に光を照射するマイクロミラーを不使用に設定し、マスク領域を設ける。以下、図5、6を用いて、マスク領域の設定について説明する。
図5は、DMD22におけるマスク領域を示した図である。図6は、分割パターン像の投影図である。
マスク部分を設けると、露光エネルギーが減少する。そのため、このエネルギー減少量を最小にするため、以下の式に基いてマスク領域BM1、BM2を設定する。
D=2tan(NA/M)・(WD−d+d/N)/M ・・・・・・(1)
D=2tan(NA/M)・(WD−d+d/N)/M ・・・・・・(1)
ここで、DはDMD22のマスク領域幅、すなわち不使用とするミラー領域幅を表す。dは画像分割光学系27における全光路長、Nはプリズム部材屈折率、Mは投影光学系26の倍率、WDは作動距離、NAは投影光学系26の入射側(DMD側)開口数を表す。ここでは、画像分割光学系27がミラー部材から構成されているため、N=1である。また、作動距離WDは、画像分割光学系27がなかったときの投影光学系26の出射端から結像面までの光路長(距離)を表す。
上記(1)式は、マスク領域サイズを最小にする式であり、算出されるDに従ってマスク領域を設定することによって、必要最小限の数だけマイクロミラーを描画データに関係なくOFF状態(露光しない状態)に設定することができる。上記(1)式は、コントラスト低下領域をマスク領域と定める式であり、特に、作動距離WDおよび開口数NAが、コントラスト低下に大きく関係する。
(1)式によってマスク領域幅Dが定まることにより、パターン像形成に使用する領域EM1〜EM3が定められる。図6に示すように、分割パターン像WA、WB、WCは、副走査方向に沿って像の長さ1つ分ずつシフトし、走査方向に関して互いに距離D1だけ離れている。パターン像を分割しないときの露光エリアEAの走査幅Kに対し、分割パターン像は走査幅3Kとなる。このように走査幅を広げることにより、スループットを向上させることができる。
図7は、描画装置に設けられた描画制御部のブロック図である。
描画制御部50は、外部のワークステーション(図示せず)と接続され、モニタ50B、キーボード50Cが接続される露光制御部52を備える。露光制御部52は、露光動作処理を制御し、露光データ駆動部76、タイミングコントロール回路73、描画テーブル制御回路53、光源制御部61などの回路へ制御信号を出力する。露光動作処理を制御するプログラムは、露光制御部52内のROM(図示せず)に格納されている。
ワークステーション(図示せず)から露光制御部52に入力されるパターンデータは、描画パターンの位置情報(輪郭位置情報)をもつベクタデータ(CAD/CAMデータ)であり、X−Y座標系に基づいた位置座標データとして表される。
第1、第2、第3ラスタデータ生成部72A、72B、72Cは、ベクタデータを変換し、それぞれ、走査バンドSB1、SB2、SB3に描画すべきパターンのラスタデータを順次生成する。生成されたラスタデータは、それぞれ第1、第2、第3バッファメモリ74A、74B、74Cに一時的に格納される。
各バッファメモリに一時的に格納されるラスタデータは、露光ピッチにあわせて出力される。すなわち、露光ピッチ分だけ部分投影エリアが移動して次の露光動作を実行可能となったとき、ラスタデータ出力が行なわれる。第1、第2、第3ラスタデータ生成部72A、72B、72Cにおけるラスタデータの出力制御は、露光制御部52に設けられたアドレス制御回路(図示せず)から出力される制御信号に基づいて行われる。
ラスタデータが露光データ駆動部76へ送られると、露光データ駆動部76では、部分投影エリアTA1、TA2、TA3の位置に応じたラスタデータが統合し、DMD22の各マイクロミラーをON/OFF制御する信号が、DMD22全体に対する1つの露光データとして生成される。DMD22では、露光データ駆動部76から出力される露光データに基づき、マイクロミラーがON/OFF制御される。
タイミングコントロール回路73は、バッファメモリ74A、74B、74C、露光データ駆動部76等に対し、タイミング調整のためクロックパルス信号を同期信号として出力する。また、CCDセンサ19から出力される画像信号に基づき、画像処理部62は基板Wに形成されたアライメントマークの位置を検出する。
描画テーブル制御回路53は、駆動回路54を介してモータ(図示せず)を備えたX−Yステージ駆動機構56を制御し、これによって描画テーブル18の移動速度、基板送り方向等が制御される。位置検出センサ55は、描画テーブル18の位置、すなわち部分投影エリアTA1、TA2、TA3の描画テーブル18に対する相対的位置を検出する。
以上の描画データ処理は、露光ヘッド21Aに関するものであるが、露光ヘッド21Bに対しても、同様にラスタデータ変換処理、DMD駆動処理等に関する回路(図示せず)が設けられており、同様の露光動作処理が行われる。
図8は、露光データ生成処理、露光動作処理を示したフローチャートである。
最初の露光位置が設定されて描画処理が開始されると、描画ステージ18が所定速度で移動するように制御される(S101、S102)。露光位置に到達すると、対応するラスタデータが、第1〜第3バッファメモリ74A〜74Cから読み出され、露光データ生成部76へ送られる。これにより、DMD22全体に対する1つの露光データが生成される(S103、S104)。
露光動作処理は、露光データに基づいて各マイクロミラーがON/OFF制御されることによって実行される。ここでは多重露光方式が適用されているため、露光ピッチは部分投影エリア幅より短い。露光時間は、露光ピッチよりも短い時間に定められている。
描画テーブル18は連続的に移動しており、露光ピッチPP分の距離だけ描画テーブル18がさらに移動すると、新たな露光位置に応じたラスタデータが、第1〜第3バッファメモリ74A〜74Cから読み出される。描画が終了するまで、露光データ生成処理および露光動作処理が繰り返し行われる。
このように本実施形態によれば、パターン像を基板Wに結像させる投影光学系26と基板Wとの間に画像分割光学系27が設けられる。画像分割光学系27は、投影光学系26からの光を3分割する。これにより、副走査方向に沿って3つの分割パターン像が並び、走査方向に沿って3つの分割パターン像が互いにシフトしている。
投影光学系26の出射端側に画像分割光学系を配置するため、小スペースに分割光学系を配置しながら、複数のパターン像を形成することができる。また、結像面外によって画像を分割するためにマスク領域を求めるが、輝度ではなくコントラスト、すなわち輝度変化に応じてマスク領域を定めるため、必要以上に不使用ミラーを設定するのを防ぐことができる。
具体的に説明すると、各分割パターン像の縁部は、コントラストの存在によって露光部分、非露光部分の境目が確実に形成されるため、コントラスト低下だけを判断するだけでよい。輝度値そのものを判断材料とすると、感光材料の感度等の関係から予備的、予防的に不使用の光変調素子を設定する可能性があるが、本実施形態ではそのようなことがないため、各分割パターン像の幅を最大化することができる。
特に、投影光学系の入射側開口数と、分割光学系が設置されない場合の投影光学系出射端から被描画体までの光路長が、コントラスト値に対して相関関係があるため、一義的に不使用光変調素子領域を定めることが可能となる。
第1の実施形態では、画像分割光学系を投影光学系と基板との間に配置する構成を説明したが、画像分割光学系をDMDと投影光学系の間に配置することも可能である。この場合、結像面をDMDの共役面とする結像レンズなどは設けられない。また、画像分割光学系の構成については、ミラー部材だけでなく、プリズムなど他の光学部材を適用することも可能である。
次に、図9を用いて第2の実施形態である露光装置について説明する。第2の実施形態では、画像分割光学系内に光路長を揃えるための光学部材が設けられている。それ以外の構成については、第1の実施形態と同じである。
図9は、第2の実施形態における画像分割光学系の構成を示した図である。
画像分割光学系27’は、3対の光学素子28’A、29’A、28’B、29’B、28’C、29’Cおよび光路調整光学部材31A、31Bを備える。三角柱状の光学素子29’A、29’B、29’Cは、その底面が互いに揃うように配置されている。
光学部材31A、31Bは、一対の光学素子28’A、29’Aと一対の光学素子28’B、29’Bにおける光路長を変更させる部材であり、画像分割光学系27において、3対の光学素子28’A、29’A、28’B、29’Bの光路長が28’C、29’Cの光路長と等しくなるような屈折率をもつ。これにより、画像分割光学系27’の光軸方向に沿ったサイズを縮小化させることができる。
次に、図10〜16を用いて、第3の実施形態である露光装置について説明する。第3の実施形態では、画像分割光学系によって分割されたパターン像を、さらに画像分割光学系によって分割する。
図10は、第2の実施形態における画像分割光学系および投影光学系を示した図である。図11は、基板に投影される分割パターン像を示した図である。
投影光学系26の出射端側には、画像分割光学系40が設けられている。画像分割光学系40は、2組のミラー対41A、43Aおよび41B、43Bから構成される。ミラー対41A、43Bとミラー対41B、43Bは、光軸に関して対称的な配置となっている。
光学素子41A、41Bは、投影光学系26から出射した照明光を2分割し、互いに離間する方向へ反射する。これによって、パターン像が2分割される。そして、光学素子43A、43Bにより、投影光学系26の光軸に沿って分割された照明光が出射する。
画像分割光学系40の下方には、2つの画像分割光学系127、128が設けられている。2つに分割された照明光は、画像分割光学系127、128においてそれぞれ3つの光に分割される。このとき、画像分割光学系127、128は、投影光学系26の結像面となる共役面上で照明光をそれぞれ分割する。そして、投影光学系126A、126Bによって、6つに分割されたパターン像が基板Wに形成される。
その結果、図11に示すように、投影光学系26だけの場合に形成される露光エリアEAに対し、画像分割光学系40によって露光エリアEA1、EA2に分離され、さらに、画像分割光学系127、128によって、3つの分割パターン像WA、WB、WC、およびWD、WE、WFが基板W上に形成される。画像分割光学系127、128については、投影光学系26の結像面上で画像を分割するため、マスク領域は考慮されず、画像分割光学系40についてのみマスク領域が設定される。
以下では、図12〜16を用いて、画像分割光学系127について説明する。画像分割光学系128も画像分割光学系127と同様の構成である。ここでは、画像分割光学系40が配置されず、1つの投影光学系126Aのみ配置されることを前提として、その構成を説明する。また、マスク部分については考慮してない。
図12は、3つの分割パターン像に応じたDMDにおける分割領域を示した図である。図13は、露光面に投影される3つの分割パターン像の位置を示した図である。
図12に示すように、DMD22の反射面には、主走査方向に応じた横方向に関して3等分した部分領域DM1、DM2、DM3(以下、分割反射領域という)が規定されている。DMD22全体によるパターン像は、画像分割光学系27によって部分領域DM1、DM2、DM3ごとに異なる位置へ投影される。
図13に示すように、画像分割光学系127によって生成される3つの分割パターン像MP1、MP2、MP3は、副走査方向Yに沿って配列し、それぞれ走査バンドSB1〜SB3に投影される。
画像分割光学系127が設けられない場合、DMD22全体から成る投影エリア(露光エリア)は、走査バンドSB2に沿って相対移動するが(図4では符号TAで表す)、本実施形態では、DMD22の部分領域DM1、DM3に応じた投影エリアTA1、TA3(以下、部分投影エリアという)が、走査バンドSB2の上下に隣接する走査バンドSB1、SB3に沿ってそれぞれ相対移動し、中間部の部分投影エリアTA2だけが走査バンドSB2に沿って相対移動する。
3つの部分投影エリアTA1、TA2、TA3は、一度に投影できるエリアであって、全体として3つの走査バンドSB1〜SB3に渡る露光幅Kをもち、同時にパターン形成可能となる。DMD22の部分領域DM1、DM2、DM3では、それぞれ走査バンドSB1、SB2、SB3に形成すべきパターン像の描画データに基づき、各マイクロミラーがON/OFF制御される。
また、露光動作中の部分投影エリアTA1、TA2、TA3は、主走査方向に沿って互いに所定間隔Lだけ離れている。DMD22の部分領域DM1に応じた部分投影エリアTA1が先頭の投影位置に該当し、部分投影エリアTA2、TA3が所定時間遅れて同じX方向座標位置を通過していく。
次に、図14〜16を用いて、画像分割光学系の構成について説明する。
図14は、画像分割光学系の概略的斜視図である。図15は、画像分割光学系の概略的分解斜視図である。図16は、画像分割光学系の一部構成を示した図である。
画像分割光学系127は、プリズムなどの光学部材から構成されており、一対の反射光学系によって構成される。ただし、図14、15では、一方の反射光学系127Aのみ図示している。
画像分割光学系127は、露光面Wに平行な投影光学系26の結像面FS(図10ではJZ)に形成されるパターン像MPを、結像面FS上において3分割する。反射光学系127Aは、DMD22の部分領域DM1に応じた分割パターン像MP1を形成し、投影する光学系であり、図示しない他方の反射光学系は、部分領域DM3に応じた分割パターン像MP3を形成する。
反射光学系127Aは、2つのプリズム142、144と、光路長調整光学部材146から構成される。プリズム142は、互いに平行平面関係にある一対の反射面142R1、142R2を有し、また、プリズム144も、互いに平行平面関係にある一対の反射面144R1、144R2を有する(図14、15参照)。
反射光学系127Aの光入射面となるプリズム表面142Sは、第1結像光学系26の結像面FSに位置し、DMD22の部分領域DM1(図12参照)からの反射光によって形成される画像部分MP01の光、すなわち分割パターン像の光がプリズム142に入射する。他方の反射光学系には、部分領域DM3からの反射光によって形成される画像部分MP03の光が入射する。部分領域DM2に応じた画像部分MP02の光は、どちらの反射光学系にも入射せずそのまま直進する。
図16に示すように、プリズム142に設けられた反射面142R1は、投影光学系26の結像面FSに対して交差せず、接している。具体的には、その一辺142REがプリズム表面142Sに位置し、プリズム表面42Sに対し傾斜している。また、反射面142R1の辺142REは、副走査方向に応じた方向に沿って延び、DMD22に規定された分割領域DM1〜DM3の境界ライン方向に対応している。
反射面142R1は、パターン像MPの画像部分MP01における境界ライン全体を結像面FSに規定する。他の反射光学系においても同様に反射面が配置構成されており、パターン像MPの画像部分MP03を規定する境界ライン全体が反射面の一辺に対応し、結像面FS上に位置する。
このようにパターン像MPは、結像面FSに位置する反射面の辺(境界ライン)に従い、結像面FS上で3つの画像部分MP01〜MP03に分割され、それぞれ分割パターン像として規定される。画像部分MP01を形成する反射光は、反射光学系127Aに入射すると、プリズム142の反射面142R1で反射する。
上述したように、プリズム142の一対の反射面142R1、142R2は、平行平面関係にあり、入射光が反射面142R1、反射面142R2によって順に反射することにより、画像部分MP01の投影位置は、主走査方向Xに沿って移動(シフト)する。反射面142R2において反射した光は、プリズム144に入射する。
ブロック144A、144Bから成るプリズム144に入射した光は、平行平面関係にある一対の反射面144R1、144R2によって順次反射する。これにより、主走査方向Xに沿って移動された画像部分MP01の投影位置が、さらに副走査方向Yに沿って移動する。
他方の反射光学系も反射光学系127Aと同一形状の光学系で構成されており、同様に2つのプリズムを備え、各プリズムには平行平面関係にある1対の反射面が設けられている。ただし、他方の反射光学系は反射光学系127Aと対向するように回転して配置されている。そのため、反射光学系127Aでは、画像部分MP01の投影位置を、主走査方向Xに関してプラス方向、副走査方向Yに関してマイナス方向に移動させるに対し、他方の反射光学系では、画像部分MP03の投影位置を、主走査方向Xに関してマイナス方向、副走査方向Yに関してプラス方向に移動させる。
反射光学系127Aのプリズム144から出射した光は、光路長調整光学部材146に入射する。光路長調整光学部材146は、2つの反射光学系いずれにも入射しない画像部分MP02の光に対する露光面Wまでの光路長と、反射光学系127Aに入射する画像部分MP01の光の実効光路長を一致させるように、所定のサイズ、屈折率を有する。
そして、他方の反射光学系にも、同じように光路長調整光学部材が設けられている。これにより、第1結像面FSにおいて分割規定された3つの分割パターン像MP1、MP2、MP3は、投影光学系126Aにより露光面Wに合焦画像(ピントの合った画像)として形成される。
なお、画像部分MP01と画像部分MP03の光に対しそれぞれ光路長の調整を行う代わりに、画像部分MP02の光にのみ光路長の調整を行ってもよい。また、光路長調整光学部材は、所定のサイズ、屈折率を有する透明体を用いる代わりに、複数の反射面を組み合わせて光路長を調整する反射光学系を用いても良いし、リレーレンズなどの屈折光学系、あるいはそれらの組み合わせを用いても良い。
このように第3の実施形態によれば、2つの画像分割光学系を配置することにより、より多くの分割パターン像を形成することができる。特に、投影光学系の結像面、すなわちDMDミラー面の共役面上において画像を分割するため、後段ではマスク領域を設定せずに画像を分割することができる。すなわち、各分割パターン像の幅減少を抑えることができる。
なお、第3の実施形態においては、DMD22と投影光学系26の間に画像分割光学系40を設置し、2つに分割されたパターン光に対して2つの投影光学系を設置することも可能である。また、画像分割光学系127、128を第1の実施形態で示した構成に代えても良い。この場合、投影光学系126A、126Bは省かれる。
10 描画装置(露光装置)
22 DMD(光変調素子アレイ)
26 投影光学系
27 画像分割光学系
40 画像分割光学系(第1画像分割光学系)
126A、126B 投影光学系(第2投影光学系)
127、128 画像分割光学系(複数の第2画像分割光学系)
W 基板(露光面)
22 DMD(光変調素子アレイ)
26 投影光学系
27 画像分割光学系
40 画像分割光学系(第1画像分割光学系)
126A、126B 投影光学系(第2投影光学系)
127、128 画像分割光学系(複数の第2画像分割光学系)
W 基板(露光面)
Claims (8)
- 複数の光変調素子を2次元配列させた光変調素子アレイと、
前記光変調素子アレイからのパターン光を、被描画体の露光面に結像させる投影光学系と、
前記投影光学系と前記被描画体との間に配置され、前記投影光学系から出射した前記パターン光によるパターン像を分割し、複数の分割パターン像を形成する画像分割光学系と
を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記光変調素子アレイにおける前記複数の分割パターン像に応じた複数の分割変調領域それぞれに対し、不使用の光変調素子を定める露光制御部をさらに備え、
前記露光制御部が、各分割パターン像のコントラスト低下領域に応じて不使用の光変調素子を定めることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記露光制御部が、前記投影光学系の入射側開口数と、前記投影光学系の出射端から前記画像分割光学系がない場合における焦点位置までの距離とに基いて、不使用の光変調素子を定めることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
- 前記露光制御部が、以下の式に基き、不使用光変調素子のエリアを定めることを特徴とする請求項2乃至3のいずれかに記載の露光装置。
D=2tan(NA/M)・(WD−d+d/N)/M
ただし、Dは光変調素子アレイのマスク領域幅であって不使用光変調素子のエリア幅、dは分割光学系における全光路長、Nはプリズム部材屈折率、Mは投影光学系の倍率、WDは分割光学系がなかったときの投影光学系の出射端から結像面までの光路長、NAは投影光学系の入射側開口数を表す。 - 前記画像分割光学系が、入射光を分割しながら反射する複数の第1反射面からなる第1反射部と、前記第1反射部それぞれの反射面と対になり前記第1反射部からの光を反射して基板へ導く複数の第2反射面からなる第2反射部とを備え、
前記複数の第2反射面が、前記画像分割光学系内における実効光路長がいずれの分割パターン像においても等しくなるように、配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の露光装置。 - 感光材料を塗布もしくは貼り付けた基板に対し、パターンを形成する描画処理を実行する工程を含む基板の製造方法において、
請求項1乃至5のいずれかに記載された露光装置を用いて描画処理を行うことを特徴とする基板の製造方法。 - 複数の光変調素子を2次元配列させた光変調素子アレイと、
前記光変調素子アレイからのパターン光を、被描画体の露光面に結像させる第1投影光学系と、
前記第1投影光学系と前記被描画体との間に配置され、前記第1投影光学系から出射した前記パターン光によるパターン像を分割し、複数の分割パターン像を形成する第1画像分割光学系と、
前記第1投影光学系の結像面上において、複数の分割パターン像各々をさらに分割する複数の第2画像分割光学系と、
分割された複数の分割パターン像を被描画体へ結像させる複数の第2投影光学系と
を備えることを特徴とする露光装置。 - 複数の光変調素子を2次元配列させた光変調素子アレイと、
前記光変調素子アレイからのパターン光を、被描画体の露光面に結像させる投影光学系と、
前記光変調素子アレイと前記投影光学系との間に配置され、前記光変調素子アレイからのパターン光によるパターン像を分割し、複数の分割パターン像を形成する画像分割光学系と
を備えることを特徴とする露光装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20170051297A (ko) | 2015-10-29 | 2017-05-11 | 가부시키가이샤 오크세이사쿠쇼 | 노광 장치용 노광 헤드 및 노광 장치용 투영 광학계 |
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JP2024002707A (ja) * | 2022-06-24 | 2024-01-11 | 株式会社オーク製作所 | 露光装置用露光ヘッドおよび露光装置 |
-
2012
- 2012-11-05 JP JP2012243679A patent/JP2014092707A/ja active Pending
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