JP2014091938A - トンネル用エントランス構造およびシールド掘削機の発進方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のトンネル覆工が一つの発進口に形成される場合においても、止水効果を得る。
【解決手段】間隔をあけて並設された複数のトンネル覆工20,20と、外側エントランス30と、内側エントランス50とを備えたトンネル用エントランス構造であって、外側エントランス30は、内側エントランス50の外周面に接する第一止水手段31を備え、内側エントランス50は、複数のトンネル覆工20,20に対応して設けられた複数のリング部51,51と、隣り合うリング部51,51同士の隙間を塞ぐ連結部52と、複数のリング部51,51のそれぞれに設けられた複数の第二止水手段55とを備え、各リング部51は、各トンネル覆工20を囲繞しており、各第二止水手段55は、各トンネル覆工20の外周面に接するとともに各トンネル覆工20,20の外周面との摩擦力を調整可能に構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、トンネル用エントランス構造およびシールド掘削機の発進方法に関する。
シールド掘削機が発進立坑から発進する際に、シールド掘削機と発進口との間を止水する発進エントランスが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された発進エントランスは、エントランスパッキンの背面(立坑内側)に押え板を設けることで、シールド掘削機の外周面とトンネル覆工の外周面との段差によって生じるエントランスパッキンの捲れを防止するようになっている。
特開平1−271579号公報
前記の発進エントランスは、一つのシールド掘削機が単独で発進する場合は、止水効果を得られるものの、複数のシールド掘削機が一つの発進口から発進する場合、例えば、復円シールド工法を採用する場合には、十分な止水効果を得ることができない問題があった。つまり、発進口に設けられたエントランスパッキンは、並列して連結された複数のシールド掘削機の外径を覆う形状となるため、隣り合って形成されるトンネル覆工間に発生する隙間の止水をすることができない。
このような観点から、本発明は、複数のトンネル覆工が一つの発進口に形成される場合においても、止水効果を得られるトンネル用エントランス構造およびシールド掘削機の発進方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために創案された本発明は、地中構造物に形成された開口部と、間隔をあけて並設された複数のトンネル覆工と、前記開口部の縁部に設けられた外側エントランスと、前記外側エントランスの内側に設けられた内側エントランスとを備えたトンネル用エントランス構造であって、前記外側エントランスは、前記内側エントランスの外周面に接する第一止水手段を備えており、前記内側エントランスは、前記複数のトンネル覆工に対応して設けられた複数のリング部と、隣り合う前記リング部同士の隙間を塞ぐ連結部と、前記複数のリング部のそれぞれに設けられた複数の第二止水手段とを備えており、前記各リング部は、前記各トンネル覆工を囲繞しており、前記各第二止水手段は、前記各トンネル覆工の外周面に接するとともに前記各トンネル覆工の外周面との摩擦力を調整可能に構成されていることを特徴とするトンネル用エントランス構造である。
このような構成によれば、リング部でトンネル覆工の外周面を覆っているので、第二止水手段がトンネル覆工の外周面の全周に渡って密着して、内側エントランスとトンネル覆工間の隙間を止水することができる。また、連結部を設けたことで、リング部間の隙間がなくなるので、第一止水部材が全周に渡って内側エントランスの外周面に接触して、外側エントランスと内側エントランス間を止水することができる。以上のように、複数のトンネル覆工が一つの発進口に形成される場合においても、外側エントランスおよび内側エントランスの両方において止水性能を確保できる。さらに、第二止水手段とトンネル覆工が摺動する際には摩擦力を低減させることで、第二止水手段の摩耗を低減できる。
請求項2に係る発明は、一の前記トンネル覆工は、一のシールド掘削機内で組み立てられたものであり、前記各リング部の外周形状は、前記シールド掘削機の外周形状と同じであることを特徴とする。
このような構成によれば、シールド掘削機の外周面と内側エントランスの外周面とで段差が発生しないので、第一止水部材はシールド掘削機の外周面または内側エントランスの外周面に常に接触している。したがって、外側エントランスとシールド掘削機または内側エントランスとの間で高い止水効果を得ることができる。また、シールド掘削機内でトンネル覆工がそれぞれ組み立てられるので、各リング部と各トンネル覆工との隙間が一定になり、止水性能を確保できる。
請求項3に係る発明は、前記第二止水手段は、掘進方向に隙間をあけて配置された2つのシールを備えており、前記内側エントランスは、前記隙間の部分で掘進方向の前後に分離可能になっていることを特徴とする。
このような構成によれば、内側エントランスの後方に、立坑などの構造体を別途構築する際に邪魔にならない。
請求項4に係る発明は、地中構造物に形成された開口部の縁部に外側エントランスを取り付ける準備工程と、複数のシールド掘削機の後部に、前記複数のシールド掘削機のそれぞれのテールに取り付けられる複数のリング部同士の隙間を連結部で塞いでなる内側エントランスを取り付ける内側エントランス取付工程と、前記内側エントランスが取り付けられた状態で前記複数のシールド掘削機を掘進させる第一掘進工程と、前記リング部および前記連結部が前記外側エントランスの内側に位置したところで、前記内側エントランスを前記各シールド掘削機から取り外す内側エントランス取外工程と、前記複数のシールド掘削機を前記内側エントランスから切り離してさらに掘進させる第二掘進工程と、を備え、前記第一掘進工程では、前記外側エントランスの内側に設けられた第一止水手段がシールド掘削機の外周面に接して前記開口部を止水し、前記第二掘進工程では、前記第一止水手段が前記内側エントランスの外周面に接するとともに、前記複数のリング部の内側にそれぞれ設けられた複数の第二止水手段が前記各シールド掘削機内で組み立てられたトンネル覆工の外周面に接して前記開口部を止水しており、前記第二止水手段の前記トンネル覆工の外周面との摩擦力を前記第一掘進工程のときよりも大きくしていることを特徴とするシールド掘削機の発進方法である。
このような方法によれば、第一掘進工程では、第一止水手段がシールド掘削機の外周面に接して開口部を止水し、第二掘進工程では、第一止水手段が内側エントランスの外周面に接するとともに、各第二止水手段が各トンネル覆工の外周面に接して開口部を止水しているので、複数のトンネル覆工が一つの発進口に形成される場合においても、外側エントランスおよび内側エントランスの両方において止水性能を確保できる。さらに、第一掘進工程において第二止水手段とトンネル覆工が摺動する際には、摩擦力を低減させることで第二止水手段の摩耗を低減でき、第二掘進工程において第二止水手段とトンネル覆工が摺動しない際には、摩擦力を増加させることで第二止水手段とトンネル覆工間の止水性を確保できる。
本発明によれば、複数のトンネル覆工が一つの発進口に形成される場合においても、止水効果を得られる。
本発明の第一実施形態に係る発進エントランス構造においてシールド掘削機が発進口を通過する状態を示した斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る発進エントランス構造においてシールド掘削機が発進口を通過した後の状態を示した斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る発進エントランス構造においてシールド掘削機が発進口を通過する状態を示した断面図である。 本発明の第一実施形態に係る発進エントランス構造においてシールド掘削機が発進口を通過した後の状態を示した断面図である。 止水手段を示した拡大断面図である。 内側エントランスとトンネル覆工を示した断面図である。 本発明の第二実施形態に係る発進エントランス構造において第一シールド掘削機および第二シールド掘削機が発進口を通過する状態を示した斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る発進エントランス構造において第一シールド掘削機が発進した後の状態を示した斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る発進エントランス構造において第二シールド掘削機が発進した後の状態を示した斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る発進エントランス構造において第一シールド掘削機が発進した後の状態を示した断面図である。 本発明の第三実施形態に係る発進エントランス構造を示した要部拡大断面図である。 本発明の第三実施形態に係る発進エントランス構造においてシールド掘削機が発進口を通過した後の状態を示した断面図である。 本発明の第三実施形態に係る発進エントランス構造においてシールド掘削機が発進口を通過した後に立坑壁を構築した状態を示した断面図である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態を、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、トンネル用エントランス構造は、地中構造物である発進立坑2の土留壁に形成された発進口(開口部)1に適用される発明である。第一実施形態では、復円シールド工法に用いられる掘削機であって、連結された2台のシールド掘削機10,10が同時発進するトンネル用エントランス構造について説明する。まず、シールド掘削機10の周辺各部の構造について説明する。
シールド掘削機10は、円盤状のカッタと、円筒形状の胴部を有している。隣り合う2台のシールド掘削機10,10は互いに平行に配置されており、連結部材15を介して着脱可能に連結されている。連結部材15は、シールド掘削機10の外周面に沿った凹面を両面に備えたくさび形状に形成されており、シールド掘削機10,10を近接した状態で連結する。
シールド掘削機10の胴部の内部では、図示しないエレクタによってセグメント21を組み付けてトンネル覆工20が形成される。シールド掘削機10は組み付けられたセグメント21に反力を取って掘進する。シールド掘削機10,10内で構築されるトンネル覆工20,20は、互いに独立している。なお、発進立坑2内のトンネル覆工20は、仮設のトンネル覆工20であって、鋼製の仮セグメントからなる。仮設のトンネル覆工20は、発進立坑2内の反力受け(図示せず)に当接して配置されている。仮設のトンネル覆工20は、地山とトンネル覆工20との摩擦によって掘進の反力を得られる状態になるまでの初期掘進を終えた後に撤去される。シールド掘削機10のテール部の内側には、テールシール11が設けられている。テールシール11の後端部は、トンネル覆工20の外周面に摺接する。
発進口1は、シールド掘削機10の断面形状よりひと回り大きい開口部であり、二つの円を繋いだひょうたん形(双円形)の断面形状となっている。
図1および図2に示すように、トンネル用エントランス構造は、発進口1と、間隔をあけて並設された複数(2つ)のトンネル覆工20,20と、外側エントランス30と内側エントランス50とを備えている。
外側エントランス30は、発進口1の開口縁部に沿って無端状に設けられていて、その内側には、シールド掘削機10,10が通過する。外側エントランス30は、シールド掘削機10,10の通過時には、発進口1の内周面とシールド掘削機10,10の外殻および連結部材15の露出面との隙間をシールし(図5および図6参照)、シールド掘削機10,10の通過後には、発進口1の内周面と内側エントランス50の外周面との隙間をシールする(図1および図2参照)。外側エントランス30は、外枠部材49と、第一止水手段31とを有している。
図3に示すように。外枠部材49は、鉄板にて構成されており、水平部49aと立上り部49bとを備えた断面L字状に形成されている。外枠部材49は、発進口1の立坑側開口縁部に沿って無端状に設けられており、発進口1の立坑側開口端部の出隅部を覆うように配置されている。具体的には、外枠部材49の水平部49aが、発進口1の内周面に面接触し、外枠部材49の立上り部49bが、発進口1の周縁部分の立坑内空側表面3に面接触している。なお、外枠部材49は必ずしも設けていなくてもよく、発進口1の開口縁部に第一止水手段31を直接設けてもよい。
第一止水手段31は、外枠部材49の内側に設けられている。第一止水手段31は、シールド掘削機10,10の外周面に接した後に、内側エントランス50の外周面に接する。第一止水手段31は、チューブ・リップシール構造にて構成されている。チューブ・リップシール構造は、エントランスシール32と、チューブ材40と、反転防止用押え板45とを備えて構成されている。
エントランスシール32は、外枠部材49に取り付けられた弾性部材である。エントランスシール32は、例えば、プレート状の弾性ゴムにて構成されており、発進口1の開口縁部の形状(外枠部材49の外周形状)に沿って枠状を呈するように形成されている。エントランスシール32の外周部33は、外枠部材49の立上り部49bの表面に面接触して固定されている。エントランスシール32の内周部34は、シールド掘削機10の発進前においては、発進口1の開口部の中心側に向かって延在している。内周部34は、シールド掘削機10の発進によって、発進口1の内部で進行方向前方に押し込まれており、その状態でリップ部(先端リップ部)を構成している。内周部34は、シールド掘削機10,10の発進時には、シールド掘削機10の外周面(図5参照)および連結部材15の露出面に面接触し、シールド掘削機10,10の発進後には、内側エントランス50の外周面(図1および図2参照)に面接触している。
チューブ材40は、ゴムチューブからなり、外枠部材49の水平部49aの内周面に沿って周設されている。エントランスシール32の内周部34が、シールド掘削機10によって発進口1の内部に押し込まれると、内周部34がチューブ材40に接触することとなる。すなわち、チューブ材40は、エントランスシール32のリップ部の外周面と外枠部材49の水平部49aの内周面との間に介設された状態となる。チューブ材40は、外枠部材49の水平部49aの内周面の全周に渡って連続している無端状に形成されていている。なお、チューブ材40は、切れ目のない無端状に限定されるものではなく、複数のチューブ材を連設して環状となるように配置してもよい。
チューブ材40の内部には、空気または液体が充填されている。チューブ材40は、内圧を高めると、膨張することで断面が広がろうとするが、外周側は外枠部材49の水平部49aの内周面によって押さえられて外側には広がらないので、内側(発進口1の中央側)に向かって広がる。つまり、エントランスシール32のリップ部はチューブ材40によって、シールド掘削機10または内側エントランス50に押し付けられ、シールド掘削機10または内側エントランス50に密着する。
反転防止用押え板45は、地下水圧によるエントランスシール32の反転を防止するために、エントランスシール32を立坑内空側から押さえる部材である。反転防止用押え板45は、金属製の板ばねにて構成されている。反転防止用押え板45は、発進口1の開口縁部の周方向に沿って間隔をあけて配列されている。反転防止用押え板45は、発進口1の開口縁部に固定される基端部46と、ヒンジを介して基端部46に接続された先端部47とを備えている。
反転防止用押え板45の基端部(外側の端部)46は、エントランスシール32の外周部33を覆うように配置されている。反転防止用押え板45は、発進口1の開口縁部に埋設されたアンカーボルト48aとナット48bによって、発進口1の立坑内空側表面3に固定されている。反転防止用押え板45の先端部47は、ヒンジを介して掘進方向前方に向かって傾斜している。この先端部47が、エントランスシール32の内周部34を掘進方向前方に押さえることで、エントランスシール32が立坑内空側へ反転するのを防止している。
内側エントランス50は、シールド掘削機10が発進口1を通過するまでは、シールド掘削機10の後端部に接続されており(図5および図6参照)、シールド掘削機10,10が発進口1を通過した後は、シールド掘削機10,10から切り離され、外側エントランス30の内側に残置される(図1および図2参照)。
図1および図2に示すように、内側エントランス50は、2本のトンネル覆工に対応して設けられた2つのリング部51,51と、隣り合うリング部51,51間の隙間を塞ぐ連結部52(図1参照)と、2つのリング部51,51のそれぞれに設けられた第二止水手段55とを備えている。リング部51,51と連結部52とは固定されて一体化されている。
リング部51は、トンネル覆工20ごとに設けられている。リング部51は、円筒形状に形成されており、トンネル覆工20の外周面を囲繞している。リング部51の内径は、トンネル覆工20の外径よりも所定長さ(第二止水手段55が配置される厚さ分)大きくなっている。なお、本実施形態では、トンネル覆工20が円筒形状であることに対応して、リング部51も円筒形状になっているが、トンネル覆工が円筒形状ではなく、例えば、楕円筒形状や四角筒形状であるときは、リング部もトンネル覆工の外形に沿って楕円筒形状や四角筒形状となる。
隣り合うリング部51,51は互いに外周面の一部同士が接触して配置されている。
図4に示すように、連結部52は、リング部51,51同士を連結するとともに、リング部51,51間の狭隘な隙間を塞ぐ。連結部52,52は、二つのリング部51,51が互いに接触した部分(以下、「接触部分51a」という)を挟んで、接触部分51aの両側に配置されている。各連結部52は、接触部分51aの片側において、互いに離反しているリング部51,51の外周面同士を繋いでいる。連結部52は、外側エントランス30の内周面に対向する対向面52aを備えている。対向面52aは、シールド掘削機10,10同士を連結する連結部材15の露出表面部と面一になっていて、第一止水手段31に当接する。連結部52は、例えば鉄板を組み付けて構成されており、対向面52aと、リング部51の外周面に面接触する一対の凹面52bと、正面視略三角形状を呈する前後一対の端面とを備えたくさび形状を呈している。連結部52は、中空としてもよいし、中実としてもよい。
図2および図3に示すように、第二止水手段55は、各リング部51の内周面に設けられている。第二止水手段55は、圧縮シール構造55aおよびチューブシール構造55bを備えている。圧縮シール構造55aとチューブシール構造55bは、ともにトンネル覆工20の外周面への接触圧を調整可能であって、トンネル覆工20への摩擦力を変化することができる。圧縮シール構造55aとチューブシール構造55bは掘進方向に所定の隙間をあけて並設されている。本実施形態では、圧縮シール構造55aは、掘進方向後方側(図3中、右側)に設けられ、チューブシール構造55bは、掘進方向前方側(図3中、左側)に設けられている。圧縮シール構造55aとチューブシール構造55b間の隙間には、テールシーラ69等のシール材を充填して止水性能を高めている。なお、地山の地下水圧が低い場合には、シール材を充填しなくてもよい場合がある。圧縮シール構造55aとチューブシール構造55bは、リング部51の掘進方向長さの中間部を中心として略対称配置されている。
圧縮シール構造55aは、リング部51の内周面に設けられた弾性部材56と、弾性部材56を圧縮する圧縮手段60とを有している。
弾性部材56は、リング部51とトンネル覆工20の外周面との間に設けられている。弾性部材56は、リング部51の内周面に当接するように配置されており、圧縮手段60によって挟持されている。弾性部材56は、リング部51の周方向全周に渡って無端状に延在している。弾性部材56の内周面は、トンネル覆工20の外周面に沿った円形状を呈している。
弾性部材56は、掘進方向に積層された複数のゴム板材57,57…によって構成されている。ゴム板材57には、貫通孔が形成されている。この貫通孔には、圧縮手段60の締付部材である長尺ボルト62が挿通されている。各ゴム板材57,57…は同一の材質にて同じ形状に形成されている。なお、ゴムの硬度は、例えば、掘進方向前側を硬くして後側を軟らかくするというように、変化させてもよい。隣接するゴム板材57,57同士は、接着剤で固定されている。なお、ゴム板材57を付着性(粘着性)の高い材質で形成した場合は、接着剤を用いなくてもよい場合がある。
弾性部材56は、ゴム板材57を積層する構造に限定されるものではなく、一のゴムブロック(図示せず)にて構成してもよい。ゴムブロックは、ゴム板材57よりも厚く形成する。
圧縮手段60は、一対のプレート材61a,61bと、これらプレート材61a,61bを互いに引き寄せ合う締付部材とを備えて構成されている。本実施形態では、締付部材は、長尺ボルト62と袋ナット63にて構成されている。
一対のプレート材61a,61bは、掘進方向に間隔をあけて、弾性部材56を挟み込むように配置されている。圧縮手段60は、弾性部材56を掘進方向に圧縮する。一対のプレート材61a,61bは、いずれも掘進方向に直交しており、互いに平行になるように配置されている。
掘進方向前方側に位置するプレート材61aは、リング部51の内周面に溶接等によって固定されており、その中央部に長尺ボルト62用の貫通孔58と、長尺ボルト62が螺合する袋ナット63が形成されている。掘進方向後方側に位置するプレート材61bは、リング部51に直接固定されておらず、長尺ボルト62で弾性部材56と一体に挟持されることで、プレート材61aを介してリング部51に固定されている。プレート材61a,61bの中央部には、長尺ボルト62用の貫通孔64がそれぞれ形成されている。
以上のような構成の圧縮シール構造55aによれば、弾性部材56を、圧縮手段60でシールド掘削機10の掘進方向に圧縮すると、掘進方向の直交方向に広がるように変形し、トンネル覆工20の外周面を押圧する。これによって、弾性部材56は、周方向全周に渡って隙間が無いようにトンネル覆工20の外周面に面接触して、トンネル覆工20を押圧するので、トンネル覆工20との間の止水性能を高めることができる。圧縮手段60による圧縮量を変化させることで、弾性部材56がトンネル覆工20の外周面を押圧する力を調整することができる。
チューブシール構造55bは、枠部材71とチューブ材72とを備えている。枠部材71はチューブ材72をリング部51の内周面に固定するための部材であり、リング部51に固定されている。枠部材71は、リング部51の周方向に延在し、リング部51の内周面に沿うリング状に形成されている。枠部材71の外周面は、リング部51の内周面に面接触している。枠部材71の内周面には、チューブ材72を収容するチューブ収容溝73が二列形成されている。チューブ収容溝73は、トンネル覆工20の外周面に向かって対向している。チューブ収容溝73は、断面矩形の収容空間を有している。枠部材71は、トンネル覆工20の外周面と所定の隙間をあけて配置されており、チューブ材72が突出するスペースが形成されている。
チューブ材72は、ゴムチューブからなり、チューブ収容溝73に沿って周設されている。チューブ材72は、枠部材71のチューブ収容溝73の全周に渡って一体の環状(無端状)に形成されていている。チューブ材72の内部には、空気または液体が充填されている。チューブ材72は、内圧を高めると、膨張することで断面が広がろうとするが、外周側および掘進方向前後側は、チューブ収容溝73の内壁面によって押さえられて外側および掘進方向前後には広がらないので、内側(リング部51の中心側)に向かって広がる。これによって、チューブ材72の内周部分がトンネル覆工20の外周面を押圧して密着することとなり、チューブ材72とトンネル覆工20との間の止水性能を得られる。チューブ材72へ充填する流体量を変化させることで、チューブ材72がトンネル覆工20の外周面を押圧する力を調整することができる。
次に、本発明に係るシールド掘削機の発進方法を説明するとともに、本発明に係るトンネル用エントランス構造の作用効果を説明する。
(準備工程)
まず、発進立坑2に形成された発進口1の開口縁部に外側エントランス30を取り付ける。
(内側エントランス取付工程)
準備工程の前後、あるいは並行して、複数(本実施形態では2つ)のシールド掘削機10,10の後部に、内側エントランス50を取り付ける。詳しくは、2つのシールド掘削機10,10のそれぞれのテール部の後端に、2つのリング部51,51を取り付けて、リング部51,51同士の隙間を連結部52で塞ぐ。
その後、内側エントランス30の後方に、鋼製の仮セグメントからなる初期掘進用の仮設のトンネル覆工20を組み立てる。トンネル覆工20は、発進立坑2内の反力受けに当接させておく。
(第一掘進工程)
図5および図6に示すように、シールド掘削機10,10を、外側エントランス30が設けられた発進口1を通して、地山に進入させる。シールド掘削機10,10は、内側エントランス30が取り付けられた状態で掘進する。シールド掘削機10,10は、外側エントランス30の内部を通過するが、外側エントランス30は、シールド掘削機10,10および連結部材15の外周形状に沿っているので、第一止水手段31によって、発進口1とシールド掘進機10,10との間で全周に渡って止水性能を確保することができる。
なお、第一止水手段31の止水性能を高めるためには、チューブ材40の内部に充填する空気や流体の量を多くして、チューブ材40を膨張させ、エントランスシール32のリップ部をシールド掘削機10,10および連結部材15に強く押し付ければよい。これによって、第一止水手段31の止水性能が高くなり、地山の地下水圧が高い場合であっても、立坑内への土砂の流入を防止できる。
その後、図1および図2に示すように、シールド掘削機10,10をさらに掘進させ、内側エントランス50を外側エントランス30の内側に位置させる。内側エントランス50の外周面は、シールド掘削機10,10および連結部材15の外周面と面一になっているので、内側エントランス50が外側エントランス50の内側に位置した状態においても、止水性能を確保できる。詳しくは、内側エントランス50は、連結部52がリング部51,51間の狭隘な隙間を塞いでおり、連結部材15によって一体化されたシールド掘削機10,10と同等の外周形状となっているので、第一止水手段31が、全周に渡って内側エントランス50の外周面に密着する。したがって、シールド掘削機10,10の通過後においても、第一止水手段31が、内側エントランス50の外周面との間を高い止水性能で止水することができる。
また、シールド掘削機10,10および連結部材15と内側エントランス50の外周面間に段差が発生しないので、シールド掘削機10,10および連結部材15と、内側エントランス50との境界部分が第一止水手段31を通過する際も、第一止水手段31が常に密着している。よって、外側エントランス30シールド掘削機10,10または内側エントランス50との間で常に高い止水効果を得ることができる。
ところで、シールド掘削機10,10と内側エントランス50が一体化されて掘進している間は、内側エントランス50は、トンネル覆工20に対して移動しているので、第二止水手段55がトンネル覆工20の外周面に摺動している。このとき、圧縮シール構造55aの圧縮手段60の圧縮力を緩めるとともに、チューブシール構造55bのチューブ材72に充填する流体量を少なくして、第二止水手段55とトンネル覆工20の外周面との摩擦力を小さくしておくのが好ましい。このようにすれば、内側エントランス50の移動を円滑に行える。また、内側エントランス50がシールド掘削機10,10の後部に取り付けられている間は、内側エントランス50内に土砂は入り込まず、第二止水手段55は土砂と接触しないので、止水性能が確保されていなくても問題ない。
内側エントランス50が外側エントランス30の内側の所定の位置に移動した後に、圧縮シール構造55aの圧縮手段60の圧縮力を強めるとともに、チューブシール構造55bのチューブ材72に充填する流体量を多くして、第二止水手段55とトンネル覆工20の外周面との摩擦力を高めて、第二止水手段55の止水性能を確保しておく。これと同時に、圧縮シール構造55aとチューブシール構造55b間の隙間に、テールシーラ69等のシール材を充填する。
(内側エントランス固定工程)
その後、発進口1の立坑内空側表面3に支持ブラケット53を取り付けて、支持ブラケット53の先端に内側エントランス50を固定する。支持ブラケット53は、L字形状を呈しており、支持ブラケット53の先端は、発進口1の開口縁部よりも発進口1の中心側に張り出している。支持ブラケット53は、鋼材からなり、支持ブラケット53の中心側先端部に、内側エントランス50を溶接する。支持ブラケット53は、発進口1の開口縁部に沿って、間隔をあけて複数設けられている。なお、内側エントランス50の固定構造は、前記形態に限定されるものではなく、トンネル覆工20の外周面に取り付けられた支持ブラケットを介して内側エントランス50を固定してもよい。
(内側エントランス取外工程)
内側エントランス30を発進口1またはトンネル覆工20に固定したら、内側エントランス50をシールド掘削機10,10の後端から取り外す。
(第二掘進工程)
その後、内側エントランス50を外側エントランス30の内側に残置した状態で、シールド掘削機10,10を前進させる。シールド掘削機10,10が内側エントランス50から離反すると、第二止水手段55の地山側に土砂が入り込むので、第二止水手段55が、内側エントランス50とトンネル覆工20との間を止水する。
なお、トンネル覆工20の外周面と地山との摩擦力によって掘進反力が確保できる位置までシールド掘削機10,10の掘進が進行した後(初期掘進が完了した後)に、発進立坑2内の仮設のトンネル覆工20を除去する。
このように、本実施形態に係るシールド掘削機の発進方法およびトンネル用エントランス構造によれば、シールド掘削機10,10が発進口1を通過している間(第一掘進工程)は、第一止水手段31がシールド掘削機10,10の外周面に接して開口部1を止水する。シールド掘削機10,10が内側エントランス50から分離して発進して、発進口1の内部に独立したトンネル覆工20が構築された後(第二掘削工程)は、外側エントランス30の第一止水手段31が内側エントランス50の外周面に接するとともに、リング部51,51の内側にそれぞれ設けられた第二止水手段55,55が各トンネル覆工20,20の外周面に接して開口部1を止水する。
しかも、内側エントランス50は、リング部51ごとに第二止水手段55を備えているので、1つの発進口1内に、2つのトンネル覆工20,20が隙間をあけて並列された場合であっても、第二止水手段55がトンネル覆工20の外周面の全周に渡って密着する。さらに、リング部51は円形であるので、第二止水手段55は、トンネル覆工20の外周面に対して直角方向にシール面圧を得ることができる。したがって、第二止水手段55が内側エントランス50とトンネル覆工20との隙間を全周に渡って閉塞して高い止水性能で止水することができる。
さらに、第二止水手段55は、圧縮シール構造55aとチューブシール構造55bの二重のシールにて構成されているので、より一層高い止水性能を得ることができる。圧縮シール構造55aの弾性部材56は、圧縮手段60で掘進方向に圧縮されて掘進方向の直交方向に広がって、トンネル覆工20の外周面に押圧されるので、圧縮シール構造55aの止水性能が高くなり、地山の地下水圧が高い場合であっても、内側エントランス50とトンネル覆工20との間から立坑内へ土砂が流入するのを確実に防止できる。
また、圧縮手段60は、プレート材61a,61bと、長尺ボルト62と袋ナット63からなる締付部材とを備えて構成されているので、締付部材で、容易に弾性部材56を圧縮できるとともに、圧縮量を調整することができる。圧縮量を大きくすれば、高い止水性能を確保でき、圧縮量を小さくすれば、弾性部材56の摩耗量を低減できる。
さらに、第一弾性部材56aが、複数のゴム板材57,57・・によって構成されているので、弾性部材56が変形しやすくなり、止水対象物の形状に追従して止水性能を高めることができる。また、圧縮手段60は、長尺ボルト62によって締付けを増すことが可能なので、掘削中に地山の高水圧条件が変化しても、土砂の流入を防ぐことができる。
以上のように、圧縮シール構造55aとチューブシール構造55bは、トンネル覆工20との摩擦力を調整可能であるので、第二止水手段55の止水性能が必要ない第一掘進工程では、摩擦力を小さくして、内側エントランス50の推進移動を行い易くできる。さらに、圧縮シール構造55aとチューブシール構造55bの摩耗を抑えることができる。
内側エントランス50が外側エントランス30の内側に固定された後は、第二止水手段55とトンネル覆工20とは摺動しないので、摩擦力を大きくして止水性能を高めても、圧縮シール構造55aとチューブシール構造55bが摩耗することはない。
また、シールド掘削機10の後端部には、テールシール11が設けられているので、内側エントランス50を取り外した後においても、シールド掘削機10内への土砂の流入を防止できる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態を説明する。第二実施形態では、図7に示すように、掘進方向にオフセット配置された2台のシールド掘削機10,10が発進する発進エントランス構造について説明する。シールド掘削機10,10は、内側エントランス80が外側エントランス30の内側に移動するまでは、同時に推進し、内側エントランス80と切り離された後は、時間差を持って発進する。なお、シールド掘削機10,10のそれぞれの発進速度が異なる場合がある。シールド掘削機10の構成は、第一実施形態と略同様である。第二実施形態に係る発進エントランス構造は、外側エントランス30と内側エントランス80とを備えている。
第二実施形態では、内側エントランス80の構成が第一実施形態と異なる。内側エントランス80は、一対のリング部81a,81bと連結部82とを備えている。一方のリング部81aは、他方のリング部81bよりも掘進方向に長尺となっている。本実施形態では、隣接するトンネル覆工20,20が同径であるので、リング部81a,81bは、ともに同じ径を有している。なお、リング部81a,81bの径は、トンネル覆工20,20の径に応じて決定されるものであって、隣り合うトンネル覆工の径が異なる場合は、リング部81a,81bの径も異なる。
図10に示すように、リング部81a,81bの内周に設けられる第二止水手段55は、第一実施形態と同様の構成であって、圧縮シール構造55aおよびチューブシール構造55bを備えた二重のシールにて構成されている。圧縮シール構造55aおよびチューブシール構造55bの構成は、第一実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。圧縮シール構造55aとチューブシール構造55bは、各リング部81a,81bの掘進方向長さの中間部を中心として略対称配置されている。したがって、長尺のリング部81a内に設けられた第二止水手段55は、短尺のリング部81b内に設けられた第二止水手段55よりも、掘進方向前方にオフセットしている。
図7に示すように、連結部82は、リング部81a,81b同士を連結するとともに、リング部81a,81b間の隙間を塞ぐ部分である。連結部82は、短尺のリング部81bと同等の掘進方向長さを有している。連結部82は、二つのリング部81a,81bが互いに接触した部分(短尺のリング部81bに相当する長さ)の両側に配置されている。連結部82は、接触部分の両側において、互いに離反しているリング部81a,81bの外周面同士を繋いでいる。連結部82は、外側エントランス30の内周面に対向する対向面82aを備えている。対向面82aは、シールド掘削機10,10同士を連結する連結部材15の露出表面部と面一になる。対向面82aは、第一止水手段31に当接する。連結部82は、例えば鉄板を組み付けて構成されており、対向面82aとリング部81a,81bの外周面にそれぞれ面接触する一対の凹面と、正面視略三角形状を呈する前後一対の端面とを備えたくさび形状を呈している。連結部52は、中空としてもよいし、中実としてもよい。
なお、その他のシールド掘削機10、外側エントランス30およびトンネル覆工20は、第一実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
次に、シールド掘削機10,10が発進する際の各部の状態を説明するとともに第二実施形態の作用効果を説明する。
図7に示すように、まず、シールド掘削機10,10のテール部に内側エントランス80を取り付ける。そして、シールド掘削機10,10を、外側エントランス30が設けられた発進口1を通って、地山に進入させる。シールド掘削機10,10は、外側エントランス30の内部を通過するが、外側エントランス30は、シールド掘削機10,10の外周面に沿っているので、外側エントランス30の全周に渡って止水性能を得ることができる。
その後、図8に示すように、シールド掘削機10,10がさらに掘進し、内側エントランス80が外側エントランス30の内側に位置したところで、前方のシールド掘削機10を、内側エントランス80から切り離して先行発進させる。なお、シールド掘削機10を発進させる前に、発進口1の立坑内空側表面3に、支持ブラケット(図示せず)を介して、内側エントランス80を固定しておく。このようにすれば、内側エントランス50が外側エントランス30の内側に固定された状態で、シールド掘削機10が発進することができる。そして、図9に示すように、先行したシールド掘削機10(図9では図示せず)が所定距離掘進すると、後方のシールド掘削機10を、内側エントランス80から切り離して後行発進させる。
ここで、内側エントランス80は、連結部82がリング部81a,81b間の狭隘な隙間を塞いでいるので、第一止水手段31が、全周に渡って内側エントランス80の外周面に密着する。したがって、シールド掘削機10,10の発進後においても、第一止水手段31が、発進口1の周縁部と内側エントランス80の外周面との隙間を高い止水性能で止水することができる。
また、内側エントランス80は、リング部81a,81bごとに第二止水手段55を備えているので、2つのトンネル覆工20,20が隙間をあけて並列された場合であっても、第二止水手段55がトンネル覆工20の外周面の全周に渡って密着する。したがって、第二止水手段55が内側エントランス50とトンネル覆工20との隙間を全周に渡って閉塞して高い止水性能で止水することができる。さらに、第二止水手段55が各リング部81a,81bの掘進方向長さの中間部を中心として略対称配置されているので、各リング部81a,81b内で、トンネル覆工20が第二止水手段55にバランスよく当接する。したがって、より一層止水性能を高めることができる。
さらに、第二実施形態の構成の発進エントランス構造によれば、時間差で発進させるシールド掘削機の後端に、リング形状の内側エントランスをそれぞれ設けた場合に、先行の内側エントランスに後行のシールド掘削機が干渉して、止水ができないことがあるという問題も解決することができる。つまり、内側エントランスを一体化したことで、2台のシールド掘削機を内側エントランスよりも先に発進口を通過させることができ、シールド掘削機と内側エントランスとの干渉を防ぐことができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態を説明する。第三実施形態では、図11に示すように、内側エントランス90の構成が第一実施形態と異なる。第三実施形態の内側エントランス90は、リング部91が、掘進方向前後に分離可能に構成されている。具体的には、リング部91は、圧縮シール構造55aが固定されている後部リング部91aと、チューブシール構造55bが固定されている前部リング部91bとを備えている。内側エントランスは、圧縮シール構造55aおよびチューブシール構造55bとの間の隙間の部分で分離可能になっている。後部リング部91aの内周面前端には後部鍔部92aが設けられ、前部リング部91bの内周面後端には前部鍔部92bが設けられている。後部鍔部92aと前部鍔部92bは当接しており、ボルト93によって互いに固定されている。後部鍔部92aと前部鍔部92bとの間には、パッキン(図示せず)が介設されている。
なお、外側エントランス30等のその他の構成については、第一実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
以上のような構成によれば、シールド掘削機10が発進した後に、立坑壁を容易に構築できる。以下に、シールド掘削機10の発進後の工程を説明する。なお、シールド掘削機10が内側エントランス90と離反した後に発進するまでの工程は、第一実施形態と同様である。
図11に示すように、内側エントランス90が外側エントランス30の内側に固定されて、シールド掘削機10が発進した後に、外側エントランス30および内側エントランス90に接する地盤に止水コンクリートまたは止水剤を注入して、地山の一部に新たな止水層5を形成する。この状態で、内側エントランス90は二重のシールが不要となる。
その後、図12に示すように、内側エントランス90の分割ラインよりも後方に位置するトンネル覆工20のセグメントを撤去する。そして、内側エントランス90の内側から、後部鍔部92aと前部鍔部92bとを固定しているボルト93(図11参照)を取り外し、後部リング部91aを除去する。なお、内側エントランスが分割されていない場合には、切断して内側エントランスの後部を分離するようにしてもよい。
立坑内空側表面3および外側エントランス30および内側エントランス90の立坑2内空側に、コンクリートを所定厚さ打設して立坑壁6の躯体を構築する。
以上のように、内側エントランス90を掘進方向前後に分離可能として、不要部分である後部リング部91aを除去した後に立坑壁6を構築しているので、内側エントランス90が立坑壁6の躯体内を貫通しない。したがって、立坑壁6の止水性および強度を確保できる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定する趣旨ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施形態では、隣り合うシールド掘削機10,10は同等の形状であるので、内側エントランス50(80)のリング部51,51(81a,81b)は同径であるが、シールド掘削機の外径が異なる場合には、外径に応じて、各リング部の寸法が異なる形状となる。
また、前記実施形態では、外側エントランス30の第一止水手段31がチューブ・リップシール構造にて構成され、内側エントランス50,80の第二止水手段55が圧縮シール構造55aとチューブシール構造55bにて構成されているが、これに限定されるものではない。第一止水手段31に、圧縮シール構造またはチューブシール構造を用いてもよいし、第二止水手段55に、チューブ・リップシール構造、圧縮シール構造またはチューブシール構造を適宜組み合わせて用いてもよい。さらに、他の形状のシール構造を用いてもよい。
さらに、前記実施形態では、内側エントランス50のリング部51,51は互いに外周面の一部同士が接触して配置されているが、これに限定されるものではない。二つのリング部を双円形に一体形成して、リング部の接続部分を重合させてもよい。この場合、連結部材も一体化される。このような構成にすれば、リング部の接続部分の板厚を薄くできるので、内側エントランスの小型化を計れるとともに、トンネル間の距離をより一層小さくできる。
また、二つのリング部を、隙間をあけて配置して、連結部材で接続してもよい。このようにすれば、トンネル間の距離を広く確保することもできる。
1 発進口
10 シールド掘削機
15 連結部材
20 トンネル覆工
30 外側エントランス
31 第一止水手段
50 内側エントランス
51 リング部
52 連結部
55 第二止水手段
55a 圧縮シール構造
55b チューブシール構造
80 内側エントランス
81a リング部
81b リング部
82 連結部
90 内側エントランス
91a 後部リング部
91b 前部リング部

Claims (4)

  1. 地中構造物に形成された開口部と、間隔をあけて並設された複数のトンネル覆工と、前記開口部の縁部に設けられた外側エントランスと、前記外側エントランスの内側に設けられた内側エントランスとを備えたトンネル用エントランス構造であって、
    前記外側エントランスは、前記内側エントランスの外周面に接する第一止水手段を備えており、
    前記内側エントランスは、前記複数のトンネル覆工に対応して設けられた複数のリング部と、隣り合う前記リング部同士の隙間を塞ぐ連結部と、前記複数のリング部のそれぞれに設けられた複数の第二止水手段とを備えており、
    前記各リング部は、前記各トンネル覆工を囲繞しており、
    前記各第二止水手段は、前記各トンネル覆工の外周面に接するとともに前記各トンネル覆工の外周面との摩擦力を調整可能に構成されている
    ことを特徴とするトンネル用エントランス構造。
  2. 一の前記トンネル覆工は、一のシールド掘削機内で組み立てられたものであり、
    前記各リング部の外周形状は、前記シールド掘削機の外周形状と同じである
    ことを特徴とする請求項1に記載のトンネル用エントランス構造。
  3. 前記第二止水手段は、掘進方向に隙間をあけて配置された2つのシールを備えており、
    前記内側エントランスは、前記隙間の部分で掘進方向の前後に分離可能になっている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトンネル用エントランス構造。
  4. 地中構造物に形成された開口部の縁部に外側エントランスを取り付ける準備工程と、
    複数のシールド掘削機の後部に、前記複数のシールド掘削機のそれぞれのテールに取り付けられる複数のリング部同士の隙間を連結部で塞いでなる内側エントランスを取り付ける内側エントランス取付工程と、
    前記内側エントランスが取り付けられた状態で前記複数のシールド掘削機を掘進させる第一掘進工程と、
    前記リング部および前記連結部が前記外側エントランスの内側に位置したところで、前記内側エントランスを前記各シールド掘削機から取り外す内側エントランス取外工程と、
    前記複数のシールド掘削機を前記内側エントランスから切り離してさらに掘進させる第二掘進工程と、
    を備え、
    前記第一掘進工程では、前記外側エントランスの内側に設けられた第一止水手段がシールド掘削機の外周面に接して前記開口部を止水し、
    前記第二掘進工程では、前記第一止水手段が前記内側エントランスの外周面に接するとともに、前記複数のリング部の内側にそれぞれ設けられた複数の第二止水手段が前記各シールド掘削機内で組み立てられたトンネル覆工の外周面に接して前記開口部を止水しており、前記第二止水手段の前記トンネル覆工の外周面との摩擦力を前記第一掘進工程のときよりも大きくしている
    ことを特徴とするシールド掘削機の発進方法。
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