JP2005097850A - 複断面シールド工法及びこれに用いる止水部材 - Google Patents

複断面シールド工法及びこれに用いる止水部材 Download PDF

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Abstract

【課題】 複数台のシールド掘進機2を連結して推進させ、その後方でシールド掘進機2ごと独立するトンネル覆工体5を組み立てていく複断面シールド工法において、シールド掘進機2を推進させる際の止水性を容易に向上させる。
【解決手段】 前記覆工体5と略同形の内周面を形成する穴部を備え前記エントランス1開口部を塞ぐ止水部材32を連結体3の後端部にあらかじめ配置しておき、止水部材32の後端部から前記覆工体5と略同形の内周面を有する推進部材33を挿入し、前記止水部材32がエントランス1内に配置されるまで連結体3及び止水部材32を推進させた後、前記連結体3のみを掘進させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数台の単断面シールド掘進機を連結して地山に推進させながら、その後方で多数のセグメントにより覆工体を組み立てるシールド掘進機毎に独立するトンネル覆工体を構築していく複断面シールド工法及びこれに用いる止水部材に関する。
近年、覆工された断面形態がまゆ形,メガネ形,ダルマ形あるいは矩形になる複断面シールドトンネルの施工がなされている。この技術は、複数台の単断面シールド掘進機を並列連結し、これらシールド掘進機を連結状態のまま推進させるとともに、その後方で多数のセグメントを組み立ててシールド掘進機ごとに独立するトンネル覆工体を構築していき、場合によっては推進途中でシールド掘進機を分岐させて離間したトンネル覆工体を構築していくものである。
一般にシールド掘進機をはじめに地山に推進させていくにあたっては、図13に示すように、立坑G1の底部から発進方向に向けてまず坑口G2に発進用エントランス1を設ける。このエントランス1に対し、図14に示すような複数台の単断面シールド掘進機2を連結して連結体3とした後、この連結体3をエントランス1内を経て地山Gに推進させるとともに、各シールド掘進機2の後部で複数のセグメント4により覆工体5を順次組み立て、覆工体5にシールド掘進機2の推進用ジャッキを当てて推進反力をとるようにしている。そして、双方のシールド掘進機2が地山Gに貫入したら、エントランス1と各覆工体5との隙間にモルタル等の自硬材を充填し、安定した構造を得ている。
上記連結体3を構成する二台のシールド掘進機2は同一構成であり、先端にカッター7を有し主に地山掘削を行う部分であるフロント部2aと、主にその内部で覆工体5を組み立てる部分であるテール部2bとが合体されてなり、フロント部2aとテール部2bとの外殻をなす筒状のスキンプレート8が、それぞれ中央連結部材9で連結されて連結体3となっている。そして、この連結体3を発進させるための上記エントランス1は、連結体3の外形断面に応じて円の一部が互いに重複した形状に成形された断面まゆ形の外殻体であり、通常スチール等で製造され、坑口G2に対しその後端が立坑G1に露出する状態で埋設される。
このエントランス1の内周面には、土砂や地下水が地山からエントランス1内を経て立坑G1に流出する(以後これを漏水と総称する)ことを防ぐために、その全周にわたって、エントランス1と、各シールド掘進機2のスキンプレート8および組み立てられた覆工体5との間の隙間を塞いで止水するためのパッキンが全周にわたって取り付けられており、このパッキンがシールド掘進機2の推進にともない推進方向側に弾性変形し、スキンプレート8および中央連結部材9の外面に圧接させられることによって止水作用をなす。
ところで、二台のシールド掘進機2からなる上記連結体3によれば、たとえ双方のシールド掘進機2のスキンプレート8どうしが接触する状態で連結されているとしても、各テール部2b内で組み立てられる覆工体5は、各シールド掘進機2ごとに独立し、かつ相互の間には隙間が形成される。したがって、パッキンがシールド掘進機2のスキンプレート8に圧接している間はそのパッキンによって止水がなされるが、シールド掘進機2の推進と覆工体5の組み立てが進行し、覆工体5がパッキンの部分に至ると、隙間の上下部分はパッキンで覆われるもののその間の部分には何も存在しないので、漏水が生じてしまう。
また、二台のシールド掘進機2を連結する中央連結部材9は、フロント部2aとテール
部2bとをそれぞれ個々に連結しているため、その間に不連続部12が存在し、この不連続部12がシールド掘進機2の推進にともなって、パッキンの部分に至ると、パッキンは不連続部12を塞ぐことができず、ここに土砂や地下水が侵入して漏水の原因となるといった問題点もある。
このような問題を鑑みて、本出願人は、既に、坑口G2に設けられたエントランス1からシールド掘進機2を発進させる際の止水性の向上を図ることができる複断面シールド工法を発明した。この複断面シールド工法は、複数台の単断面シールド掘進機2が覆工断面に応じて連結されてなる連結体3を、該連結体の外形断面に応じて成形された外殻体である発進用エントランス1内から地山に向けて推進させるとともに、各シールド掘進機2のテール部2bでトンネル覆工用セグメント4により覆工体5を順次組み立てて、各シールド掘進機2に対応した独立する断面円形のトンネル覆工体を構築していく複断面シールド工法であって、シールド掘進機の発進にあたり、前記エントランス1の内周面全周にわたり、前記連結体3の外周面およびその後方に組み立てられる前記覆工体5の外周面に圧接させられるパッキン21(22)をあらかじめ取り付けておき、連結体3の推進にともない連結体3がパッキン21(22)から離脱する前に、エントランス1の後端で、組み立てた覆工体5間に形成される隙間に、前記覆工体5および前記パッキン21(22)に当接するとともに覆工体5との当接面に密着部材を配した閉塞ブロック31を嵌め込むことにより、該隙間11を塞ぐことを特徴とする(図15、図16参照)。
前記複断面シールド工法によれば、覆工体5間の隙間11を閉塞ブロック31を用いて塞ぐことができ、漏水を防ぐことが可能となる。この閉塞ブロック31を嵌め込む作業は、例えば、エントランス1より手前側の立坑G1のスペースを利用して隙間11の上下から差し入れることが挙げられる。しかし、閉塞ブロック31を隙間11の上下から差し入れる方法では、エントランス1の内周面のパッキン22にその上下の外面が当接しないので、立坑G1に設置したジャッキにより上下の外面が二段目パッキン22に当接するまで閉塞ブロック31を前方に押し込む必要があり、嵌め込み作業には手間を要していた。さらに、この閉塞ブロック31の嵌め込み作業は、1段目パッキン21がスキンプレートにかかっているのであれば、シールド掘進機2を推進させながらでも行うことができるが、そうでない場合にはシールド掘進機2を一旦停止させた状態で行わなければならず作業効率の低下を招いていた。
特許第3286427号公報
本発明は、このような問題に鑑みて成されたものであり、複数台のシールド掘進機を連結して掘進させ、その後方でシールド掘進機ごと独立するトンネル覆工体を組み立てていく複断面シールド工法において、シールド掘進機を掘進させる際の止水性を容易に向上させることを技術的課題とする。
本発明に係る複断面シールド工法は、前述の技術的課題を解決するために以下のように構成されている。複数台の単断面シールド掘進機が覆工断面に応じて連結されてなる連結体を発進用エントランス内から地山に向けて推進させるとともに、各シールド掘進機のテール部でトンネル覆工用セグメントにより覆工体を順に組み立てて、トンネル覆工体を構築していく複断面シールド工法であって、前記覆工体と略同形の内周面を形成する穴部を備え前記エントランス開口部を塞ぐ止水部材を連結体の後端部にあらかじめ配置しておき、止水部材の後端部から前記覆工体と略同形の内周面を有する推進部材を挿入し、前記止水部材がエントランス内に配置されるまで連結体及び止水部材を推進させた後、前記連結
体のみを推進させる。
本発明に係る複断面シールド工法は、まず、止水部材が適宜な位置に配置されるまで掘削後方の後方から推進部材を挿入して、連結体及び止水部材をエントランス内に推進させる。そして、前記止水部材がエントランスから離脱する前まで止水部材を地山方向に推進させた後、連結体のみを推進させる。この止水部材は、エントランスを離脱せずにエントランス内に配置されているため、エントランスの開口部を塞ぎ、地山からエントランス内への漏水を防ぐことができる。また、前記止水部材は、各覆工体と当接する穴部が形成されており一体化して形成されているため、覆工体間の隙間をも塞ぐことが可能である。そして、止水部材によりエントランス開口部を塞いだ後は連結体のみを掘進させ、連結体を構成するシールド掘進機のテール部でセグメントを組み立ててトンネル覆工体を構築することができる。また、前記止水部材は、前記覆工体毎に該覆工体の内周面と略同形の穴部が形成されているため覆工体の内周面と連なってトンネル覆工体の一部を構成する。
前記止水部材は、地山からエントランス内部に漏水するのを防ぐためエントランス開口部を塞ぐことができれば良く、材質等は特に制限されないが、特に、鉄,コンクリートが好適である。また、止水部材を連結体の後端部に取り付ける際には、後に分離できるよう着脱自在に接続すれば良く、例えば、連結体の後端部と止水部材の接続部に互いに嵌合する継手を設けて連結したり、ボルトを用いて連結する構成が挙げられる。
また、この止水部材は、エントランス開口部を塞ぐ位置に前記推進部材と覆工体との間に介された状態で配置されており、各部材との間に隙間が生じるとその隙間から地山に含まれる土砂、地下水等が漏水してしまう。このような問題を防ぐために、各部材と止水部材との間に密着部材を設けることが望ましい。密着部材を設けることにより、止水部材と各部材が密着し止水性が向上するためである。この密着部材は、種々の材料を用ることが可能であり、例えば、ゴム、ウレタン、コンクリート等を例示できる。また、この密着部材は、あらかじめ各部材に装着しても良いし、止水部材を所定位置へ配置した後に充填しても良く、密着部材の材料等に応じて適宜に選択することが望ましい。
加えて、一般的に複断面シールド工法では、前述のように単断面のシールド掘進機間に中央連結部材を備え、この中央連結部材により各シールド掘進機を一体化して連結体を形成している。また、前記中央連結部材の先端には、外周方向に向けて地山を掘削するためのカッターが突設されており、このカッターとエントランス内周面に設けたパッキンとが接触し、パッキンが破損してしまうことがあった。そのため、カッターとパッキンが接触するを避けるために、カッターとパッキンとの間は若干の隙間を有するように設けられていた。しかし、前記止水部材は、前記パッキンと密着することが望ましく、前記中央連結体より外周方向において長大にすることが望ましい。このように止水部材を設けることにより、エントランスのパッキンと止水部材とが確実に密着し、止水性がより向上する。
また、本発明に係る複断面シールド工法は、複数台の単断面シールド掘進機が覆工断面に応じて連結されてなる連結体を発進用エントランス内から地山に向けて掘進させるとともに、各シールド掘進機のテール部でトンネル覆工用セグメントにより覆工体を順に組み立てて、トンネル覆工体を構築していく複断面シールド工法であって、前記エントランス内まで覆工体を組み立てる工程と、前記連結体の後端部に位置する覆工体と隣接する覆工体のうち掘進方向前方に位置する覆工体を地山に向けて推進させて、連結体とこの連結体の後方に位置する覆工体との間に空間を形成する工程と、前記空間において覆工体と略同形の内周面を形成する穴部を備える止水部材を組み立てる工程と、前記連結体の後端部に止水部材を配置し、この止水部材をエントランス内に貫入する工程と、前記止水部材がエントランスから離脱する前まで止水部材をエントランスに貫入した後、前記連結体のみ掘進させる工程と、を備えていることを特徴とする複断面シールド工法であっても良い。
前記工法によっても、前記止水部材がエントランスから離脱する前まで止水部材を地山方向に推進させるため、エントランスの開口部を塞ぎ、地山からエントランス内への漏水を防ぐことができる。また、止水部材は、覆工体間に配置されており覆工体の内周断面と略同形の穴部を備えているため、覆工体の内周面と連なりトンネル覆工体の一部を構成する。
また、前記空間又は止水部材を介して対向する覆工体のうち少なくとも掘進方向後方に位置する覆工体を形成するセグメントは、内部にジャッキを備えており延伸自在であることが望ましい。前記連結体の後端部に位置する覆工体と隣接する覆工体のうち掘進方向前方に位置する覆工体を地山に向けて推進させて、連結体とこの連結体の後方に位置する覆工体との間に空間を形成する工程にて形成された空間は、その後、止水部材を組み立てるが、この組み立てた止水部材をエントランス内に貫入すると、覆工体間に再び空間が生じる。そのため、セグメントが延伸自在であることにより、空間が形成されていた覆工体間を連ならせることが可能となる。前記ジャッキは、覆工体の掘削方向の長さを延伸できるものであれば良く、例えば、ラムとシリンダを組み合わせた油圧式のジャッキを例示できる。
また、本発明は、複数台の単断面シールド掘進機が覆工断面に応じて連結されてなる連結体を発進用エントランス内から地山に向けて推進させるとともに、各シールド掘進機のテール部でトンネル覆工用セグメントにより覆工体を順に組み立てて、トンネル覆工体を構築していく複断面シールド工法に用いる止水部材であって、前記各覆工体と略同形の内周面を形成する穴部が複数設けられており、前記連結体と略同形の外形であることを特徴とする。
前記構成の止水部材をエントランス内の適宜な位置へ配置することにより、地山からエントランス内への漏水を容易に防止することができる。加えて、止水部材は、前記覆工体の内周面と略同形の穴部が設けられているため、止水部材と覆工体とが連なって、止水部材がトンネル覆工体の一部を兼ねることが可能となり好適に用いることができる。
以上説明したように本発明によれば、複数台のシールド掘進機を連結して推進させ、その後方でシールド掘進機ごと独立するトンネル覆工体を組み立てていく複断面シールド工法において、地山からの漏水を防ぎ、止水性を容易に向上させることが可能である。
(実施例1)
本実施例1は、円形のシールド掘進機2が二台並列して中央連結部材9により連結されている連結体3を用いる。各シールド掘進機2は、掘削方向前方のフロント部2aと、掘削方向後方のテール部2bから構成されており、前記テール部2bでセグメント4を組み立てシールド掘進機2毎に独立するトンネル覆工体を構築する。
本実施例1の止水方法は、あらかじめエントランス1の内周面の前方側、後方側にパッキン21,22を取り付けておくとともに、前記連結体3と略同形の外形断面でありリングと略同形の内周断面を有する穴部が形成された止水部材32を各シールド掘進機2の後端部に取り付ける。そして、前記リング5と略同形の内周面を有する推進管33を前記止水部材32の後端部に挿入して、この推進管33とともに前記リング5と止水部材32を地山内に推進させる。前記止水部材32がエントランス1開口部を塞ぐ位置まで推進管33を挿入する。そして、この止水部材32とエントランス1内周面のパッキン21,22により、エントランス1開口部を塞ぎ、地山からエントランス内への漏水を防止する方法
である。
次いで、前記止水方法を図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、坑口G2に連結体3及び止水部材32を配置する。図1は、止水部材32の正面図である。この止水部材32は、前記連結体3と略同形の外形であり、リング5と略同形の内周面を有する穴部32aが形成されている。この止水部材32を連結体3の掘削方向後端部に配置する。次いで、この止水部材32の後端部に前記リング5と略同形の内周面を有する推進管33を挿入して、止水部材32と連結体3を共に地山に向けて推進させる(図2参照)。
図3は、前記シールド掘進機2とエントランス1の係合部の拡大図である。図示するように、前記パッキン21,22は各シールド掘進機2の掘進に伴い弾性変形し、スキンプレート8および中央連結部材9の外面に圧接させられることによって止水作用をなす。各パッキン21、22の相互間隔は、2つの中央連結部材9の相互間隔よりも長く、かつ、いずれか一方が不連続部12の部分にあっても他方がいずれか一方の中央連結部材9に圧接させられるように設定されている。すなわち、各シールド掘進機2がフロント部2a、テール部2b各々において中央連結部材9で連結されて、その間に不連続部12があっても、いずれか一方のパッキン21,22がフロント部2a又はテール部2bのスキンプレート8に圧接させられるので、不連続部12からの漏水を生じさせない。このように、パッキン21,22を2段構成とすることにより漏水防止機能を向上させることができる。
前記連結体9の後端部には、止水部材32が連なって接続されている。この止水部材32は、前記シールド掘進機2と中央連結体9を連結した連結体と同形の外形である。また、シールド掘進機2により組立てられるリング5と同形の内周面を有しており、この内周面がリングと連なってリングの一部を形成するセグメントの役割を兼ねている。さらに、この止水部材32の後端部に連結される推進管33もリング5の内周面、及び、止水部材の穴部の内周面と同形の内周面の中空部を有している。すなわち、リング5、止水部材32、推進管33は、同形の内周面を有しており、これらが連なってトンネルリングの内周面が構築されている。
また、本実施例1では、前記止水部材32の外形を連結体3と同形としたが、例えば、図4に示す中央連結部材9の場合には、止水部材の外形を中央連結部材9と異なる外形とすることが望ましい。図に明示するように、エントランス1の内周面に設けられたパッキン21,22に対向する中央連結部材9の端面には、カッタービット9aが突設されている。そのため、エントランス1の内周面に設けられたパッキン21,22と前記カッタービット9aとを密接させると、カッタービット9aによりパッキン21,22が損傷することがある。このような観点より、中央連結部材9とパッキン21,22の間には若干の隙間が設けられている。一方、止水部材32の端面にはカッタービット9aは突設されておらず、漏水を防止する観点より、止水部材32とパッキン21,22とは密接させることが望ましい。従って、必要に応じて止水部材32のY方向の長さを中央連結部材9より長大にすることが望ましい。
そして、前記推進管33の推進が進行すると、連結体3はエントランス1の内周面に設けられたパッキン21,22と当接し、止水性を保ちつつ、エントランス1を通り抜け地山Gに貫入する。そして、図5に示すように、前記止水部材32をエントランス1の開口部を塞ぐ位置に配置する。
止水部材32が所定の位置まで貫入したら前記推進管33の挿入を止めて、そこからは連結体3のみを掘進させる。連結体3は、シールド掘進機2の先端に装着されたカッター7により地山を掘削しつつ、テール部2bでリング5を形成し、トンネル覆工体を構築する(図6参照)。
このように、本実施例1によれば、エントランス1開口部に止水部材32を容易に配置することができ、この止水部材32と前記パッキン21,22によりエントランス1開口部を確実に塞ぐことができる。従って、地山からエントランス1内への漏水を防止することができる。さらに、前記止水部材32をエントランス1開口部に配置した後、前記止水部材32とリング5との当接部、止水部材32と推進管33の当接部、止水部材32とエントランス1内周面との隙間にコンクリート等の充填材を充填することにより、さらに止水性を向上させることができる。
(実施例2)
本実施例2の止水方法は、あらかじめエントランス1の内周面の前方側、後方側にパッキン21を取り付けて、各シールド掘進機2の後端部でリング5を組み立てつつ前記連結体3を地山G内に推進させる。そして、エントランス1内まで連結体3を掘進させた後、連結体3内部に位置するリング5を地山に向けて推進させて、リング5とこのリング5の後方に位置するリング5との間に隙間を形成する。この隙間で止水部材32を組み立て、止水部材32がエントランス1開口部の隙間を塞ぐ位置まで止水部材32をエントランスに推進させる。すなわち、止水部材32とエントランス1内周面のパッキン21によってエントランス開口部を塞ぎ、地山Gからエントランス1内への漏水を防止する方法である。
次いで、実施例2に係る止水方法を図面を参照しつつ詳細に説明する。連結体3のシールド掘進機2のテール部2bでセグメント4を順に組み立てリングを構築しつつ、連結体3をエントランス1に向けて掘進させる(図7参照)。そして、掘進を進行させて、エントランス1内にリング5を形成する(図8参照)。次いで、掘進方向においてエントランス1内に位置するリング5を地山に向けて移動して、連結体3とこの連結体3の後方に位置するリング5との間に隙間を形成する(図9参照)。このとき、隙間を設けるリング5間にジャッキを設けてリング5を移動しても良いし、予めリング5を形成するセグメントにジャッキを内蔵して移動しても良い。本実施例2では、セグメントの断面にジャッキ10を内蔵してリング5を移動した(図10参照)。さらに、実施例2では、ジャッキ10を用いてリング5を移動したが、リング5を移動し難い場合では、リング5を一部解体して、リング5間に隙間を形成しても良い。
次いで、リング5を移動したことによって得られる隙間で、リング5の内周面と略同形の内周面の穴部を有する止水部材32を組み立てる(図11参照)。この止水部材32は、図1に示した止水部材と同様であり、前記各リング5と連なる二つの穴部32aを有している。この止水部材32を組み立てた後、止水部材32をエントランス1内に向けて押圧し、止水部材32をエントランス1内に貫入する(図12参照)。
一方、前記止水部材32をエントランス1内に向けて押圧したため、エントランス手前に配置されたリング5間には再び隙間が形成される。そのため、リング5に内蔵されたジャッキ10を再び用いてリング5を延伸させて、隣り合うリング5を連ならせる。このようにして、前記止水部材32を所定の位置に配置した後は、連結体3のみ掘進させて、トンネル覆工体を構築する。
すなわち、本実施例2によれば、前記止水部材32をエントランス1内に貫入し、エントランス1の内周面に設けられたパッキン21と密接させて、止水部材32とパッキン21によりエントランス1開口部を塞ぎ、地山からの漏水を容易に防止することができる。止水部材32は、その外周が前記パッキン21と圧接することにより地山からエントランス1内へ漏水するのを防止するとともに、穴部32aの内周面がリング5と連なってトンネル覆工体の一部を形成することができ、好適に利用することができる。
実施の形態に係る止水部材の正面図である。 実施例1に係る複断面シールド工法の説明概略図である。 実施例1に係る前記シールド掘進機2とエントランス1の係合部を示す拡大図である。 中央連結部材の一実施例を示す部分拡大図である。 実施例1に係る複断面シールド工法の説明概略図である。 実施例1に係る複断面シールド工法の説明概略図である。 実施例2に係る複断面シールド工法の説明概略図である。 実施例2に係る複断面シールド工法の説明概略図である。 実施例2に係る複断面シールド工法の説明概略図である。 セグメント内蔵ジャッキの一実施例を示す部分拡大図である。 実施例2に係る複断面シールド工法の説明概略図である。 実施例2に係る複断面シールド工法の説明概略図である。 一般的なエントランス構造を示す側面図である。 単断面シールド掘進機を二台並列させた連結体の斜視図である。 従来のシールド工法の一実施例を示す側面図である。 従来のシールド工法の一実施例を示す後面図である。
符号の説明
1 エントランス
2 シールド掘進機
2a フロント部
2b テール部
3 連結体
4 セグメント
5 リング
7 カッター
8 スキンプレート
9 中央連結部材
9a カッタービット
10 ジャッキ
11 隙間
12 不連続部
21,22 パッキン
32 止水部材
33 推進管
G 地山
G0 土留壁
G1 立坑
G2 坑口

Claims (4)

  1. 複数台の単断面シールド掘進機が覆工断面に応じて連結されてなる連結体を発進用エントランス内から地山に向けて掘進させるとともに、各シールド掘進機のテール部でトンネル覆工用セグメントにより覆工体を順に組み立てて、トンネル覆工体を構築していく複断面シールド工法であって、
    前記覆工体と略同形の内周面を形成する穴部を備えエントランス開口部を塞ぐ止水部材を連結体の後端部にあらかじめ配置しておき、止水部材の後端部から覆工体と略同形の内周面を有する推進部材を挿入し、前記止水部材がエントランス内に配置されるまで連結体及び止水部材を推進させた後、前記連結体のみを掘進させることを特徴とする複断面シールド工法。
  2. 複数台の単断面シールド掘進機が覆工断面に応じて連結されてなる連結体を発進用エントランス内から地山に向けて掘進させるとともに、各シールド掘進機のテール部でトンネル覆工用セグメントにより覆工体を順に組み立てて、トンネル覆工体を構築していく複断面シールド工法であって、
    前記エントランス内まで覆工体を組み立てる工程と、
    前記連結体の後端部に位置する覆工体と隣接する覆工体のうち掘進方向前方に位置する覆工体を地山に向けて推進させて、連結体とこの連結体の後方に位置する覆工体との間に空間を形成する工程と、
    前記空間において覆工体と略同形の内周面を形成する穴部を備える止水部材を組み立てる工程と、
    前記連結体の後端部に止水部材を配置し、この止水部材をエントランス内に貫入する工程と、
    前記止水部材がエントランスから離脱する前まで止水部材をエントランスに貫入した後、前記連結体のみ掘進させる工程と、を備えていることを特徴とする複断面シールド工法。
  3. 前記空間又は止水部材を介して対向する覆工体のうち少なくとも掘進方向後方に位置する覆工体を形成するセグメントは、内部にジャッキを備えており延伸自在であることを特徴とする請求項2に記載の複断面シールド工法。
  4. 複数台の単断面シールド掘進機が覆工断面に応じて連結されてなる連結体を発進用エントランス内から地山に向けて推進させるとともに、各シールド掘進機のテール部でトンネル覆工用セグメントにより覆工体を順に組み立てて、トンネル覆工体を構築していく複断面シールド工法に用いる止水部材であって、
    前記各覆工体と略同形の内周面を形成する穴部が複数設けられており、前記連結体と略同形の外形であることを特徴とする複断面シールド工法に用いる止水部材。
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