JP2014091869A - 導電性複合ポリエステルモノフィラメントおよび工業用織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の導電性複合ポリエステルモノフィラメントよりもさらに耐摩耗性および帯電防止性に優れた導電複合ポリエステルモノフィラメントおよびこれを用いた工業用織物を提供する。
【解決手段】芯成分および鞘成分がいずれもポリエステルからなる芯鞘複合構造のポリエステルモノフィラメントであって、芯成分がポリエステルのみで構成され、かつ鞘成分がポリエステル95〜55質量%と導電性カーボンブラックを5〜45質量%との混合物100質量部に対し、シリコーン系化合物0.5〜10.0質量部を含有させた組成物からなることを特徴とする導電性複合ポリエステルモノフィラメント。
【選択図】なし

Description

本発明は、従来の導電性複合ポリエステルモノフィラメントよりもさらに耐摩耗性および帯電防止性に優れた導電性複合ポリエステルモノフィラメントおよびこれを用いた工業用織物に関するものである。
ポリエステルモノフィラメントは、抄紙ワイヤー、抄紙プレスフェルトおよび抄紙ドライヤーカンバスなどの抄紙用織物、コンベアベルトや脱水ベルトなどのベルト用織物、および各種フィルター用織物など、多くの工業用織物の構成素材などとして使用されてきた。
しかしながら、ポリエステルモノフィラメントは、導電性が極めて低いため、静電気が帯電しやすいことに起因して、種々の不具合を来すなどの問題が指摘されていた。
例えば、ポリエステルモノフィラメントを、抄紙ドライヤーキャンバス、搬送用ベルト、不織布製造時に使用される乾燥および搬送用ベルトなどの工業用織物に用いると、使用中に発生する静電気が織物に蓄積し、製品への粉塵の付着によって支障をきたすという問題や、放電火花による製品または作業者への引火の可能性が指摘されていた。
また、これらの工業用織物は、いずれも使用時に走行中の駆動ロールや制御ロールなどに接触して摩耗を受けることから、織物用途に使用されるモノフィラメントには、優れた摩耗性が要求されている。
さらに、近年では抄紙機の生産性を高める目的で、抄紙機の高速化が進んでいることから、より高度な帯電防止性能ばかりか、帯電防止効果の長期にわたる性能維持などの特性が求められるようになっており、従来から様々な提案が行われてきている。
例えば、導電性カーボンブラックを15〜50質量%含有する熱可塑性樹脂からなる鞘部分と、繊維形成性ポリエステル系熱可塑性樹脂からなる芯部分を接合してなる導電性繊維の単繊維横断面において、鞘部分と芯部分の接合面曲線が鞘部分に向かって凸であり、その接合面曲線の最小曲線半径rと単糸繊維半径Rの比、r/Rが0.6以下であり、繊維断面周における鞘部分を占める周長が全周長の2〜40%である導電性複合繊維(例えば、特許文献1参照)が提案されているが、この技術は、マルチフィラメントに関するものであり、この技術をモノフィラメントに応用した場合には、擦過や摩耗に対しての耐久性が乏しく、十分な効果が得られないという問題があった。
さらに、導電性カーボンブラックを15〜50質量%含有する熱可塑性ポリアミドからなる導電ポリマ層と、繊維形成性ポリアミドからなる保護ポリマ層とが複合され、かつ導電ポリマ層が繊維面に露出し、その表面露出部が1フィラメントあたり3以上であり、かつその1個の繊維断面周長方向の露出距離をL1(μm)、1フィラメントの繊維断面周長をL2(μm)とし、式1≦L1≦L2/10及び100V印加時の電気抵抗値R(Ω/cm・f)としたとき、式logR=6.3〜11.9の両式を満足し、かつ保護ポリマ層が繊維断面周長の60%以上を占有し、繊維全体質量の50質量%以上97質量%以下で形成している導電性複合繊維(例えば、特許文献2参照)が提案されている。しかしながら、この技術は、繊維直径の細いマルチフィラメントでは有効であるが、繊維直径の太いモノフィラメントに応用した場合では、導電性成分を含まない保護ポリマ層が厚くなることから表面の電気抵抗値が高くなり、導電性能が実用の域に達しないという問題があった。
特開2006−274502号公報 特開2001−49532号公報
以上のような状況を鑑み、本発明は、従来技術における問題点を解決すべく検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、従来の導電性複合ポリエステルモノフィラメントよりも、さらに耐摩耗性および帯電防止性が優れた導電性複合ポリエステルモノフィラメントおよびこれを用いた工業用織物を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、芯成分および鞘成分がいずれもポリエステルからなる芯鞘複合構造のポリエステルモノフィラメントであって、芯成分がポリエステルのみで構成され、また、鞘成分がポリエステル95〜55質量%および導電性カーボンブラック5〜45質量%との混合物100質量部に対し、シリコーン系化合物0.5〜10.0質量部を含有させた組成物から構成されることを特徴とする導電性複合ポリエステルモノフィラメントが提供される。
なお、本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントにおいては、
芯成分と鞘成分との質量比率が50:50〜95:5の範囲であること、
JIS L1095:2010の第9.10.2項に規定されるB法に準じた屈曲摩耗試験において、鞘成分の剥離発生までの擦過往復回数が300回以上であること、および
モノフィラメントの抵抗値(Ω)/抵抗値測定値時の電極間距離(cm)で表される抵抗値が1×10Ω/cm未満であること
が、より好ましい条件として挙げられる。
また、本発明の工業用織物は、上記導電性複合ポリエステルモノフィラメントを緯糸および/または経糸の少なくとも一部に使用してなることを特徴とする。
本発明によれば、以下に説明するとおり、長期の使用においても優れた導電性能を維持し続け、静電気の発生による種々の不具合を来すことのない、工業用織物の構成素材として好適に利用可能な、耐摩耗性および帯電防止性に優れる導電性複合ポリポリエステルモノフィラメントを得ることができる。
本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントは、芯成分がポリエステルのみで構成され、かつ鞘成分がポリエステル95〜55質量%および導電性カーボンブラック5〜45質量%との混合物100質量部に対し、シリコーン系化合物0.5〜10.0質量部を含有させた組成物から構成されることを特徴とする。
また、上記の構成からなる本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントは、後述する屈曲摩耗試験において、鞘成分の剥離が発生するまでの擦過往復回数が300回以上であり、モノフィラメントの抵抗値(Ω)/抵抗値測定値時の電極間距離(cm)で表される抵抗値が1×10Ω/cm未満と従来の導電性複合ポリエステルモノフィラメントに比較して極めて優れた耐摩耗性と帯電防止性を有するものである。
すなわち、導電性複合ポリエステルモノフィラメントの導電性能を向上させるには、鞘成分を構成する熱可塑性樹脂に高比率でカーボンブラックを含有させる必要があるが、熱可塑性樹脂に高比率でカーボンブラックを含有させると、導電性複合ポリエステルモノフィラメントの鞘成分を構成する層が脆くなってしまい、鞘成分が剥離または摩耗しやすいなどの問題があった。
しかるに、本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントにおいては、導電性カーボンブラックを含む鞘成分に対し、さらにシリコーン系化合物0.5〜10.0質量%を含有させることによって、シリコーン系化合物が導電層である鞘成分の摩擦抵抗を軽減し、剥離または摩耗を抑制することにより、導電性能を失うことなく、従来よりも優れた耐摩耗性を発現させることを可能とする。
本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントの芯成分および鞘成分を構成するポリエステルには特に制限はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTという)、ポリエチレンナフタレート(以下、PENという)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、などのポリエステル類またはその共重合体などが好適に利用可能である。
なおここで、芯成分と鞘成分を構成するポリエステルは、必ずしも同一の成分である必要は無く、肝要なのは芯成分と鞘成分を構成するポリエステルの接着性であり、芯および鞘成分に用いるポリエステルを異なる成分とする場合においても、本発明が目的とする優れた耐摩耗性を有するものであれば、特に制限はない。
また、本発明で芯成分および鞘成分を構成するポリエステルには、目的に応じて公知の有機・無機の各種材料を含有しても良く、例えば、各種抗酸化剤、耐光剤、難燃剤、ヨウ化銅、ヨウ化カリウム、2−メルカプトベンズイミダゾールなどの老化防止剤、酸化チタン、酸化珪素、硫酸バリウム、クレイ、タルクなどの無機粒子、色相調整のための顔料類などを含有させることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントの鞘成分に含有させる導電性カーボンブラックとしては、導電性を有するものであれば特に制限はないが、なかでもDBP給油量(9g法)が340ml/100g以上のファーネス系カーボンブラックの使用が望ましい。このようなファーネス系カーボンブラックとしては、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製“ケッチェンブラック”(登録商標)ECや、“ケッチェンブラック”(登録商標)EC600JDが知られている。なおカーボンブラックとしては、DBP給油量が340ml/100g以下のアセチレンブラックも知られているが、これは上記“ケッチェンブラック”(登録商標)ECなどと比較して導電性が低く、アセチレンブラックの使用により満足する導電性を得るためには、例えば“ケッチェンブラック”(登録商標)ECの約3倍の添加量が必要になり、導電層ポリマの流動性が低下する傾向が招かれるため、“ケッチェンブラック”(登録商標)を用いることにより一層好ましい効果の発現が期待できる。
本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントにおいて、鞘成分に含有させる導電性カーボンブラックの添加量は、ポリエステルに対し5〜45質量%であるが、特に10〜30質量%の場合より好ましい効果の発現が期待できる。
すなわち、導電性カーボンブラックの含有量が5質量%未満では、得られるモノフィラメントの導電性能が不十分となってしまう。また、導電性カーボンブラックの含有量が45質量%を越えると、含有する多量のカーボンブラックの影響によって、ポリエステル樹脂の流動性が低下し、得られるモノフィラメントの繊維長さ方向の直径のばらつきである線径ばらつきが大きくなるばかりか、溶融紡糸が困難になるなどの極めて芳しくない結果を招くこととなるからである。
さらに、本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントの鞘成分は、ポリエステルと導電性カーボンブラックとの合計100質量部に対して、シリコーン系化合物を0.5〜10.0質量部含むことを特徴とするが、さらにシリコーン系化合物の含有量が1.0〜5.0質量部である場合に、より好ましい効果の発現が期待できる。
すなわち、シリコーン系化合物の含有量が0.5質量部未満であると、耐摩耗性の改良効果が得られず不十分であり、逆に10.0質量部を越えると、原料の紡糸機への押しこみが不安定になり操業性が困難になるため好ましくない。
なお、本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントの鞘成分に含有させるシリコーン系化合物とは、RSiO1.5(T単位)を少なくともモル比で90%以上含有するものであり、このRSiO1.5(T単位)単独で構成されていても良く、T単位を少なくとも含有していれば、さらにRSiO0.5(M単位)、RSiO1.0(D単位)、SiO2.0(Q単位)などの複数の構造単位からなっていても良い。
前述したとおり、本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントの鞘成分は、ポリエステル、導電性カーボンブラックおよびシリコーン系化合物の3種成分で構成されることを必須とするが、ポリエステル、導電性カーボンブラックおよびシリコーン系化合物の混合は、従来公知の方法で行うことが可能である。
例えば2軸混練押し出し機を用い、事前にポリエステル樹脂に対しカーボンブラックの混合比率が所望の範囲となるように調整した原料を供給し、次いで2軸混練押し出し機に別途設けたシリコーン系化合物供給部からシリコーン系化合物を所定量供給し、これら3種成分を混練押し出しした後に冷却し、得られたガットをカッティングして、カーボンブラックおよびシリコーン系化合物を含有するポリエステル組成物とし利用することが、使用時の利便性の点からも好ましい方法として挙げられる。
また、本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントにおける芯鞘複合比率は、芯成分:鞘成分が質量比率で50:50〜95:5、特に70:30〜95:5の範囲にあることが好ましく、鞘成分の複合比率が芯成分より多くなると、導電性は向上するものの、モノフィラメントの強度が低下するため好ましくない。一方、鞘成分の複合比率が5%未満では、導電性が不十分になるばかりか、耐摩耗性が低下するため好ましくない。
本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントの引張破断強度は、用途により適宜選択できるが、2.0cN/dtex以上、また、引張破断伸度が20.0%以上であることが好ましい。
かくしてなる、本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントの製造方法には特に制限は無く、従来公知の製造方法によって得ることができる。
例えば、メルトプレッシャー式またはエクストルダー式複合紡糸機などを用いて、芯部分を構成するポリエステルおよび前記方法などによって事前に準備した鞘成分を構成するポリエステル組成物を用い、本発明で規定する芯成分と鞘成分の芯鞘質量比率となるように計量供給し、複合紡糸用口金から各成分を溶融押し出し紡糸し、定法に従って、冷却、延伸および熱セットすることにより、本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントを効率的に得ることができる。
なお、本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントの断面形状はいかなる形状をも取り得るものであり、例えば丸、楕円、3角、T、Y、H、+、5葉、6葉、7葉、8葉などの多葉形状、正方形、長方形、菱形、繭型、馬蹄型などを挙げることができ、また、これらの形状を一部変更したものであってもよい。また、工業用織物への使用に際してはこれら各種断面形状のモノフィラメントを適宜組み合わせて用いることができるが、耐摩耗性向上の観点からは、丸型断面が最も耐摩耗性に優れるため好ましい。
また、本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントの直径は、用途によって適宜選択できるが、通常は、0.01〜3mmの範囲のモノフィラメントが最も好適に利用できる。
かくして得られた本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントは、十分な導電性を有し、工業用織物用途に利用するモノフィラメントとして十分な物理特性を有しており、さらには極めて優れた耐摩耗性をも兼備していることから、各種の工業用織物における帯電防止線材として極めて利用価値の高いものである。
本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントを工業用織物の緯糸および/または経糸の少なくとも一部に用いた工業用織物は、使用中における帯電による障害を防止でき、かつ耐摩耗性に優れることから、例えばこれを抄紙ドライヤーキャンバス、乾燥機用搬送用ベルト、不織布搬送用ベルトなどの構成素材として利用した場合、工業用織物の使用中に発生する静電気の発生を防止し、織物製品への粉塵の付着や帯電による火花の発生や作業者への静電気による衝撃などが改善されるなど極めて好ましいものである。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。また、各種特性の評価は次に説明する方法にしたがって行った。
[屈曲摩耗回数]
実施例における屈曲摩耗回数は、次のようにして測定した。すなわち、JIS L1095:2010の第9.10.2項に規定されるB法に準じて、固定された1.0mmの摩擦子(硬質鋼線(SWP−A))の上に接触させたモノフィラメントを、前記摩擦子の左右各55度角度で斜め下に設けたフリーローラー2個(ローラー間距離100mm)の下に掛け、別の1個のフリーローラーの上を介して、前記モノフィラメントの一端に0.196cN/dtexの荷重をかけてセットする。次いで、モノフィラメントを摩擦速度120往復/分、往復ストローク25mmで摩擦子に往復接触させて、同一試料につき各10本のモノフィラメントを夫々鞘成分に剥離が発生するまでの往復摩耗回数を測定し、その平均値を屈曲摩耗回数とした。なお、屈曲摩耗回数が多いほど耐摩耗性に優れることを示す。
[抵抗値]
東亜電波工業(株)製、極超絶縁計SM−10型を使用して測定した。モノフィラメント試料5cmの両端を、電極間距離が4cmになるように電気抵抗の極めて低いクリンプ(電極)で十分把持し、印加して糸の抵抗値を測定し、次の計算式により抵抗値を求めた。なお、測定時の周囲条件は温度20℃、湿度65%とした。
抵抗値(Ω/cm)=測定抵抗値(Ω)/電極間距離(cm)
なお、抵抗値が低いほど導電性に優れ、帯電防止効果が高いことを示す。
[操業性]
24時間の連続紡糸を行ない、以下の三基準で判定した。なお、コブ糸とはモノフィラメント平均直径に対して、+10%を超えるような、繊維軸方向の極短い長さの直径増大変動異常部をいい、コブ糸の回数は紡糸押出し総ポリマ質量1トン当たりに換算して評価した。
○:原料の噛込み不良による紡糸不能状態や紡糸中の糸切れが全くない、また、
コブ糸の発生が10回/トン未満であった、
△:原料の噛込み不良による紡糸不能状態が無発生、また紡糸中の糸切れが2回
以下、また、コブ糸の発生が10回/トン以上20回/トン未満であった、
×:原料の噛込み不良による紡糸不能状態になる、または紡糸中に糸切れが3回
以上発生する、またコブ糸が20回/トン以上発生するなど、連続操業に重
篤な問題が発生した。
[実施例1]
芯成分用原料に固有粘度(以下、IVという)1.03のPETチップを準備し、鞘成分用原料としては、導電性ポリエステル混合樹脂(大日精化工業株式会社製、NEOCON PESM−7159−2 BLACK)に対し、シリコーン40質量%含有PET樹脂ペレット(ダウコーニング社製、CF2262)を、それぞれ表1に示した割合で配合したポリエステル組成物を準備した。これら原料をそれぞれ2基のエクストルダーを有する複合紡糸機に供給し、280℃の温度で溶融混練し、表1に示した芯鞘質量比となるよう溶融押し出しポリマ量を調節し孔径1.5mmの2重芯鞘複合口金より紡出後、直ちに70℃の温水槽へ導き冷却固化した未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を引き続き180℃の熱風雰囲気中で4.0倍の延伸を行い、連続して210℃の熱風雰囲気中で熱セットを行い、直径0.4mmの円形断面の導電性複合ポリエステルモノフィラメントを得た。
得られた導電性複合ポリエステルモノフィラメントの耐摩耗性、抵抗値および操業性などについて評価した結果を表1に示す。
[実施例2〜3]
鞘成分中のシリコーン系化合物の混合比率を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同一の製造工程および製造条件を用いて得た各々概略直径0.4mmの導電性複合ポリエステルモノフィラメントの耐摩耗性、抵抗値および操業性などの評価結果を表1に示す。
[実施例4〜5]
芯成分と鞘成分の芯鞘質量比率を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同一の製造工程および製造条件を用いて得た各々概略直径0.4mmの導電性複合ポリエステルモノフィラメントの耐摩耗性、抵抗値および操業性などの評価結果を表1に示す
[比較例1]
鞘成分を導電性ポリエステル混合樹脂のみの使用に変更した以外は、実施例1と同一の製造工程および製造条件を用いて得た概略直径0.4mmの導電性複合ポリエステルモノフィラメントの耐摩耗性、抵抗値および操業性などの評価結果を表1に示す。
[比較例2〜3]
鞘成分中のシリコーン系化合物の混合比率を表1に示したように変更した以外は、実施例1と同一の製造工程および製造条件を用いて得た各々概略直径0.4mmの導電性複合ポリエステルモノフィラメントの耐摩耗性、抵抗値および操業性などの評価結果を表1に示す。
Figure 2014091869
表1の結果から明らかなように、本発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメント(実施例1〜5)は、いずれも鞘成分が摩耗することなく、長期の使用においても優れた導電性能を維持し続けることから、各種工業用織物用途に好適に利用可能な導電性複合ポリエステルモノフィラメントであることがわかる。
一方、本発明の条件を満たさない導電性複合ポリエステルモノフィラメント(比較例1〜3)では、紡糸操業性や鞘部分を構成する導電層の剥離性に問題があり、工業用織物を構成する導電性複合ポリエステルモノフィラメントとしては、いずれも好ましくないものであることが明らかである。
すなわち、鞘成分中にシリコーン系化合物を含有しない比較例1においては、摩耗により鞘成分が剥離しやすく、導電性能が短期間で低下する結果を招いた。
次に、鞘成分中のシリコーン系化合物の比率が本発明の規定未満である比較例2においては、鞘成分中のシリコーン系化合物の比率が低すぎるため、耐摩耗性の改良に十分な効果が現れなかった。
同様に、鞘成分中のシリコーン系化合物の比率が本発明の規定を超える比較例3においては、鞘成分中のシリコーン系化合物の比率が高すぎるため、原料押し込みが不可能であり、紡糸不能であった。
以上説明したように、発明の導電性複合ポリエステルモノフィラメントは長期の使用においても優れた導電性能を維持し続け、静電気の発生による種々の不具合を来すことのない工業用織物の構成素材として、産業上の利用価値が極めて高いものである。

Claims (5)

  1. 芯成分および鞘成分がいずれもポリエステルからなる芯鞘複合構造のポリエステルモノフィラメントであって、芯成分がポリエステルのみで構成され、かつ鞘成分がポリエステル95〜55質量%と導電性カーボンブラックを5〜45質量%との混合物100質量部に対し、シリコーン系化合物0.5〜10.0質量部を含有させた組成物から構成されることを特徴とする導電性複合ポリエステルモノフィラメント。
  2. 芯成分と鞘成分との質量比率が50:50〜95:5の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の導電性複合ポリエステルモノフィラメント。
  3. JIS L1095:2010の第9.10.2項に規定されるB法に準じた屈曲摩耗試験において、鞘成分の剥離発生までの擦過往復回数が300回以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性複合ポリエステルモノフィラメント。
  4. モノフィラメントの抵抗値(Ω)/抵抗値測定値時の電極間距離(cm)で表される体積固有抵抗値が1×10Ω/cm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性複合ポリエステルモノフィラメント。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性複合ポリエステルモノフィラメントを緯糸および/または経糸の少なくとも一部に使用してなることを特徴とする工業用織物。
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