JP2014091858A - 無電解めっき用前処理剤及びその製造方法 - Google Patents

無電解めっき用前処理剤及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無電解めっき工程に先立って行われるクリーニングコンディショニング工程に好適な無電解めっき用前処理剤を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る無電解めっき用前処理剤は、(A)曇点が70℃以上であり且つ表面張力が34〜44dyn/Nである界面活性剤と、(B)曇点が50〜75℃であり且つ表面張力が30〜33dyn/Nである界面活性剤と、を含み、(A)成分及び(B)成分が、アルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤及びアルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
【選択図】なし

Description

本発明は、無電解めっき用前処理剤及びその製造方法に関する。
近年、多層配線板の高集積化・高密度化が進み、配線層間の電気的接続をとるためのスルーホールやビアホールが小径化している。図1は、多層配線板の一例を示す断面概略図である。多層配線板1は、複数の絶縁層(樹脂層)4と複数の配線層5とを接着したプリント基板であり、絶縁層4と配線層5を交互に積み重ねた一般的な構成を有している。多層配線板1では、7層の絶縁層4が積層されている。多層配線板1はスルーホール2を有しており、スルーホール2は、異なる配線層5間を電気的につなぐため、貫通穴をあけた後に、その穴の内側に導体を電気めっきすることにより形成される。また、近接の配線層5間を接続する場合はビアホール3が用いられ、ビアホール3は、非貫通穴を形成後に、スルーホール2と同様に穴の内側に導体を電気めっきすることにより形成される。
前述のスルーホール2やビアホール3を形成するためには、穴の内側に電気めっき層7を形成しなければならないが、穴の内部に露出した絶縁層4表面に電気めっき層7を直接施すことは困難である。そのため、まず、穴の内側に無電解銅めっきにより、電気を通すための無電解銅めっき層(下地導電層)6を形成する必要がある。
図2は、多層配線板のビア形成工程の一例を示すフローチャートであり、図1の多層配線板1のスルーホール2又はビアホール3の形成工程の一例を示している。まず、「絶縁層及び配線層の積層」工程では、複数の絶縁層4及び複数の配線層5をプレスやラミネート等により積層して多層配線板1を形成する。次の「穴加工」工程では、ドリルやレーザ等により、電気的接続が必要な箇所に穴をあける。続く「クリーニングコンディショニング」工程では、多層配線板1表面の有機物の汚れを落とすと同時に、濡れ性の向上及びパラジウムの吸着促進等を行う。十分な水洗を行った後、「パラジウム触媒付与」工程において、無電解めっき用の触媒であるパラジウムを吸着させる。そして「無電解銅めっき」工程では、パラジウムを触媒としてホルムアルデヒドにより銅イオンを還元し、無電解銅めっき層6を形成する。該無電解銅めっき層6が下地導電層となり、「電気銅めっき」工程において電気めっき層7が形成できる。
ここで、ドリルやレーザ技術の進歩により、上記スルーホール2やビアホール3の小径化が可能になっている。そのため、穴形状は以前より高アスペクト比になり、前記「パラジウム触媒付与」工程及び「無電解銅めっき」工程において、内部への液の浸透がより難しくなっている。
「パラジウム触媒付与」工程及び「無電解銅めっき」工程において液の浸透を改善するためには、その前工程の「クリーニングコンディショニング」工程において十分に穴壁面を湿潤することが有効であり、表面張力の低い液を用いることが効果的である。「クリーニングコンディショニング」工程では無電解めっき用前処理剤(クリーナーコンディショナー)が使用されるが、前記理由のため、ノニオン性界面活性剤が含まれることが好ましい。
ところで、前記無電解めっき用前処理剤の処理温度は60〜80℃が一般的に適温とされている。これは、パラジウムを吸着する性質を有するカチオン系化合物を無電解めっき用前処理剤が含む場合、当該カチオン系化合物が上記温度においてパラジウムを多く吸着することができるからである。
しかしながら、一般に、表面張力の低いノニオン性界面活性剤は曇点も低いものが多い。曇点の低いノニオン性界面活性剤を含む無電解めっき用前処理剤は、上記処理温度域で白濁してしまう場合がある。そして、無電解めっき用前処理剤が濁ってしまうと、洗浄力が落ちるばかりでなく、塊となったノニオン性界面活性剤が汚れとして付着するという問題がある。
そこで、無電解めっき用前処理剤の曇点を上げるための方法として、下記特許文献1に示すように、芳香族スルホン酸等を用いる方法が知られている。
特開2009−84565号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法を用いることで、無電解めっき用前処理剤の曇点を上げることはできるが、芳香族スルホン酸等を大量に添加する必要があり、無電解めっき用前処理剤のコストが上昇するという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決しようとするものであり、無電解めっき工程に先立って行われるクリーニングコンディショニング工程に好適な無電解めっき用前処理剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特性の異なる2種以上の特定の界面活性剤を含有する無電解めっき用前処理剤を用いることで、上記課題を解決することが可能であることを見出した。
本発明に係る無電解めっき用前処理剤は、(A)曇点が70℃以上であり且つ表面張力が34〜44dyn/Nである界面活性剤と、(B)曇点が50〜75℃であり且つ表面張力が30〜33dyn/Nである界面活性剤と、を含み、(A)成分及び(B)成分が、アルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤及びアルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
本発明に係る無電解めっき用前処理剤によれば、めっき対象物(供資材)に最適な曇点及び表面張力(例えば、曇点70℃以上且つ表面張力34dyn/N以下)を容易に達成することができる。これにより、パラジウム触媒付与工程や無電解銅めっき工程においてめっき対象物の内部へ容易に液を浸透させることが可能であると共に、クリーニングコンディショニング工程において無電解めっき用前処理剤が白濁してしまうことを抑制することができる。したがって、本発明によれば、無電解めっき工程に先立って行われるクリーニングコンディショニング工程に好適な無電解めっき用前処理剤を提供することが可能であり、このような無電解めっき用前処理剤を安価に提供することができる。
(A)成分のHLB値は6〜19であることが好ましい。この場合、クリーニングコンディショニング工程を更に好適に行うことができる。
本発明に係る無電解めっき用前処理剤は、カチオン系化合物及びアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種を更に含むことが好ましい。この場合、クリーニングコンディショニング工程を更に好適に行うことができる。
本発明に係る無電解めっき用前処理剤のpHは、7〜14であることが好ましい。この場合、クリーニングコンディショニング工程を更に好適に行うことができる。
本発明に係る無電解めっき用前処理剤の製造方法は、(A)曇点が70℃以上であり且つ表面張力が34〜44dyn/Nである界面活性剤と、(B)曇点が50〜75℃であり且つ表面張力が30〜33dyn/Nである界面活性剤と、を混合する工程を備え、(A)成分及び(B)成分が、アルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤及びアルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
本発明に係る無電解めっき用前処理剤の製造方法によれば、めっき対象物(供資材)に最適な曇点及び表面張力(例えば、曇点70℃以上且つ表面張力34dyn/N以下)を有する無電解めっき用前処理剤を容易に得ることができる。このような無電解めっき用前処理剤により、パラジウム触媒付与工程や無電解めっき工程においてめっき対象物の内部へ容易に液を浸透させることが可能であると共に、クリーニングコンディショニング工程において白濁してしまうことを抑制することができる。したがって、本発明によれば、無電解めっき工程に先立って行われるクリーニングコンディショニング工程に好適な無電解めっき用前処理剤の製造方法を提供することが可能であり、このような無電解めっき用前処理剤を安価に提供することができる。
本発明によれば、曇点が高く且つ表面張力が低い無電解めっき用前処理剤及びその製造方法を提供することが可能であり、無電解めっき工程に先立って行われるクリーニングコンディショニング工程に好適な無電解めっき用前処理剤及びその製造方法を提供することができる。本発明によれば、曇点が高く且つ表面張力が低い無電解めっき用前処理剤を得るために、親水基や疎水基の鎖長を変えた界面活性剤分子をわざわざ合成することなく、既存の界面活性剤を組み合わせることにより表面張力及び曇点を容易に調整可能な無電解めっき用前処理剤を提供することが可能であり、このような無電解めっき用前処理剤を安価に得ることができる。
多層配線板の一例を示す断面概略図である。 多層配線板のビア形成工程の一例を示すフローチャートである。 多層配線板のビア形成工程を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<無電解めっき用前処理剤>
本明細書における「無電解めっき用前処理剤」とは、配線板等の電子部品に無電解めっきを施す前処理で用いられる液状の前処理液であり、被めっき物表面の有機物汚れを落とし、濡れ性をあげ、パラジウムを吸着しやすくする作用を有する処理液である。
本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤は、(A)第1のノニオン性界面活性剤(以下、「(A)成分」という)と、(B)第2のノニオン性界面活性剤(以下、「(B)成分」という)とを含む。本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤は、(A)成分と(B)成分とを混合する工程を経ることにより得ることができる。当該工程においては、例えば、(A)成分、(B)成分及び水を混合して液状の前処理剤を得る。本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤は、カチオン系化合物及びアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種を更に含むことが好ましい。本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤は、カチオン系化合物及びアルコール類の両方を含むことがより好ましい。
(ノニオン性界面活性剤)
「ノニオン性界面活性剤」とは、水に溶けてもイオン性を示さないが、界面活性を呈する界面活性剤をいう。(A)成分及び(B)成分は、アルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤及びアルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、後述する所定の曇点及び表面張力を有している。無電解めっき用前処理剤が前記ノニオン性界面活性剤を含むことにより、無電解めっき用前処理剤の表面張力が低下し、小径スルーホールや小径ビアホールへの液廻りを促すと共に、被めっき物表面の脱脂洗浄を行うことができる。
アルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのポリオキシアルキレン基としては、例えば、ポリオキシメチレン基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのアルキル基としては、例えば、2−エチルヘキシル基、ノニル基、トリデシル基、ステアリル基、セチル基、ドコシル基が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル等のポリオキシアルキレン−2−エチルヘキシルエーテル;ポリオキシアルキレンノニルエーテル;ポリオキシエチレントリデシルエーテル等のポリオキシアルキレントリデシルエーテル;ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンドコシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
アルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルのポリオキシアルキレン基としては、例えば、ポリオキシメチレン基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルのアルキルフェニル基としては、例えば、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
(A)成分及び(B)成分の組み合わせとしては、例えば、(A)成分及び(B)成分がアルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤である組み合わせ;(A)成分がアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤であり且つ(B)成分がアルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤である組み合わせ;(B)成分がアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤であり且つ(A)成分がアルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤である組み合わせ;(A)成分及び(B)成分がアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤である組み合わせが挙げられる。なお、(A)成分及び(B)成分のそれぞれは、アルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤及びアルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤の両方を含んでいてもよい。
本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤は、アルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤及びアルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤として、エステル型、エーテル型、エステルエーテル型、アルキルグルコシド、アルカノールアミド型、高級アルコール等のノニオン性界面活性剤を更に含んでいてもよい。
(A)成分及び(B)成分のそれぞれの含有量は、無電解めっき用前処理剤の全体積を基準として0.01〜100g/Lであることが好ましい。また、(A)成分及び(B)成分のそれぞれの含有量は、良好な洗浄効果及び小径孔への液廻り効果、並びに、経済性及び環境への負荷を考慮に入れると、0.1〜20g/Lがより好ましい。含有量が0.01g/L未満であると、洗浄効果及び小径孔への液廻り効果が低下し、発明の効果が得られづらくなる傾向がある。また、含有量が100g/Lを超えると、経済性及び環境への負荷が大きくなる傾向がある。また、(A)成分の含有量及び(B)成分の含有量の比率は、設計する無電解めっき用前処理剤の特性により任意であるが、(A)成分の含有量及び(B)成分の含有量の合計が100g/L以下であることが好ましい。
本発明者は、(A)成分及び(B)成分を特定の比率で混合することにより、曇点及び表面張力を供資材に合わせて設計可能な無電解めっき用前処理剤を製造可能であることを見出した。(A)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の比率((B)成分の含有量/(A)成分の含有量)は、0.01〜99.99が好ましく、0.05〜99.95がより好ましく、0.1〜99.9が更に好ましい。この比率が0.01未満であると、効果が十分に発現しない傾向がある。上記比率が99.99を超えると、対の界面活性剤の効果が発現しにくくなる傾向がある。
(曇点)
曇点は、ノニオン性界面活性剤に特有のものであり、ノニオン性界面活性剤の水溶液の温度を上げたときに白濁する温度のことである。熱により分子の運動が活発になることで親水基と水との水素結合が弱まり、立体的な構造が一本鎖状にコンフォメーション変化する。これにより疎水的な部分が多く露出し、水に溶けていられなくなるために白濁する。
曇点の測定方法は、以下のとおりである。測定対象としては、ノニオン性界面活性剤の5g/L水溶液を用いることができる。ノニオン性界面活性剤の5g/L水溶液をウォーターバス(YAMATO(株)BM−50)又はセラミックホットプレート(アズワンCHP−170AN)によって加熱する。5℃/分の条件で加熱していき、白濁した時点の温度を計測し、この白濁した温度を曇点とする。最高温度が85℃以下の測定は、測定精度の観点から、ウォーターバスを用いた加熱が好ましい。ウォーターバスでは85℃以上の加熱が難しいことから、最高温度が85℃以上の測定では、セラミックホットプレートを用いることが好ましい。
(A)成分の曇点は、70℃以上であり、70〜95℃が好ましく、80〜95℃がより好ましい。(A)成分の曇点が70℃未満であると、無電解めっき用前処理剤が白濁しやすく、洗浄力が落ちやすい。
(B)成分の曇点は、50〜75℃であり、50〜69℃が好ましく、55〜69℃がより好ましく、60〜69℃が更に好ましい。(B)成分の曇点が50℃未満であると、無電解めっき用前処理剤の洗浄能力が落ちる。(B)成分の曇点が75℃を超えると、熱をかけると白濁しやすい無電解めっき用前処理剤となる。
本実施形態における無電解めっき用前処理剤の曇点は、70℃以上が好ましく、72℃以上がより好ましく、76℃以上が更に好ましい。無電解めっき用前処理剤の曇点は、ノニオン性界面活性剤の曇点の上記測定方法においてノニオン性界面活性剤水溶液に代えて無電解めっき用前処理剤を用いることにより測定することができる。
(表面張力)
表面張力とは、液体の表面積をできるだけ小さくしようとする力のことである。本実施形態で用いた表面張力の測定方法は以下のとおりである。ウィルヘルミー法(プレート法)に基づき表面張力計(協和界面科学社製、CBVP−A3)を使用して測定することができる。測定対象としては、ノニオン性界面活性剤の5g/L水溶液を用いることができる。測定条件については、液温を17℃に保持し、測定子としてガラスプレートを使用することができる。原理として、液体が測定子(擦りガラスやプラチナ)に対してぬれ上がる時の、測定子を液中に引き込む力を測定する。
(A)成分の表面張力(17℃)は、34〜44dyn/Nであり、34〜42dyn/Nが好ましく、34〜38dyn/Nがより好ましい。(A)成分の表面張力が34dyn/N未満であると、スルーホールなどの小径に無電解めっき用前処理剤が入りにくくなる。(A)成分の表面張力が44dyn/Nを超えると、上記以上に小径にはいりにくくなる。
(B)成分の表面張力(17℃)は、30〜33dyn/Nであり、30〜32.8dyn/Nが好ましく、30〜32.6dyn/Nがより好ましい。(B)成分の表面張力が30dyn/N未満にするには溶媒が水では難しく、アルコールを大量に増量しなければならず、コスト増となる。(B)成分の表面張力が33dyn/Nを超えると、スルーホールなどの小径に無電解めっき用前処理剤が入りにくくなる。
本実施形態における無電解めっき用前処理剤の表面張力(17℃)は34dyn/N以下が好ましく、33dyn/N以下がより好ましく、32.6dyn/N以下が更に好ましい。
(HLB値)
「HLB値」とは、親水疎水バランスとも言われ、ノニオン性界面活性剤分子中の疎水基及び親水基のバランスにより決定される値である。ノニオン性界面活性剤のHLB値は、例えばグリフィン法により測定することができる。グリフィン法とは、親水基の式量と分子量を元に、下記の計算式により求める方法である。
HLB値=20×(親水基の重量%)
一般に、HLB値1〜3では、水にほとんど分散せず、消泡剤等に使用される。HLB値が3〜6では、一部が水に分散し、w/o型エマルジョンの乳化剤として使用される。HLB値が6〜8では、よく混合することによって水に分散して乳濁液となり、w/o型エマルジョンの乳化剤、湿潤剤として使用される。HLB値が8〜10では、水に安定に分散して乳濁液となり、湿潤剤やo/w型エマルジョンの乳化剤として使用される。HLB値が10〜13では、水に半透明に溶解し、o/w型エマルジョンの乳化剤として使用される。HLB値が13〜16では、水に透明に溶解し、o/w型エマルジョンの乳化剤、洗浄剤として使用される。HLB値が16〜19では、水に透明に溶解し、可溶化剤として使用される。したがって、本実施形態における無電解めっき用前処理剤はHLB値6〜19が好ましい。
上記HLB値を有するノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(HLB値:13.5)、ポリオキシエチレン(18)ノニルフェニルエーテル(HLB値:16.0)、ポリオキシエチレン(15)ノニルフェニルエーテル(HLB値:15.0)、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル(HLB値:9.4)、ポリオキシエチレン(20)ドコシルエーテル(HLB値:16.5)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(HLB値:15.5)が挙げられる。なお、化合物名における括弧内の数字はオキシアルキレン単位の付加モル数の平均値を意味する。
(A)成分のHLB値は、6〜19が好ましく、8〜18がより好ましく、13〜17が更に好ましい。(A)成分のHLB値が6未満であると、水に不溶となる傾向がある。(A)成分のHLB値が19を超えると、洗浄作用が弱くなる傾向がある。
(B)成分のHLB値は、6〜19が好ましく、8〜18がより好ましく、13〜17が更に好ましい。(B)成分のHLB値が6未満であると、水に不溶となる傾向がある。(B)成分のHLB値が19を超えると、洗浄作用が弱くなる傾向がある。
(pH)
本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤のpHは、中性領域(pH=7)又はアルカリ領域(7<pH≦14)に含まれることが好ましい(すなわち、pHが7〜14であることが好ましい)。このpH調整は主にアルカリ金属化合物等を添加することにより行うことができる。pHが高いほど、パラジウム吸着量も上がるため、無電解めっき用前処理剤のpHは、10〜14がより好ましい。
前記アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等を用いることができるが、これらに限定されない。
アルカリ金属化合物の含有量は、無電解めっき用前処理剤の全体積を基準として0.01〜200g/Lが好ましい。また、洗浄効果、並びに、経済性及び環境への負荷を考慮に入れると、アルカリ金属化合物の含有量は、0.05〜100g/Lがより好ましい。含有量が200g/Lを超えると、安全上の問題が生じる傾向がある。
(カチオン系化合物)
「カチオン系化合物」は、水によく溶けるが、供試材に付着した際は水洗しても落ちにくい親水性を有するカチオン系化合物であることが好ましい。カチオン系化合物としては、例えば、第1級、第2級、第3級又は第4級のアミン等が挙げられる。中でも水洗で落ちにくいため、第4級アミンがより好ましい。
カチオン系化合物としては、具体的には、ポリ[ジアリルジメチルアンモニウム四級塩]、ポリ[アルキルトリメチルアンモニウム四級塩]、ポリ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウム四級塩〕、ポリ〔(メタ)アクリルアミドアルキルアンモニウム四級塩〕、ポリ〔アルケニルアンモニウム四級塩〕、ポリ〔ビニルオキシアルキルアンモニウム四級塩〕、ポリ〔ビニルベンジルアンモニウム四級塩〕、ポリ〔ジアリルアンモニウム四級塩〕、ポリ〔ビニルピリジニウム四級塩〕、ポリ〔ビニルイミダゾリニウム四級塩〕、ポリ〔アルキル化四級アンモニウム〕、ポリ〔(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホニウム四級塩〕、ポリ〔ビニルベンジルスルホニウム四級塩〕、ポリ〔ジアリルスルホニウム四級塩〕、ポリ〔ビニルホスホニウム四級塩〕、ポリ〔ビニルベンジルホスホニウム四級塩〕、ポリエチレンイミン(塩酸塩)等を用いることができ、これらは市販品又は合成品のいずれでもよい。また、ポリエピハロヒドリンとポリアミドポリアミンとの重縮合物からなる樹脂(例えばポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン)や、尿素樹脂やメラミン樹脂等の単独又は複数のアミノ基によってカチオン性を示す樹脂類にも特性が良好なものがある。但し、水溶性であり、且つ、パラジウムを十分に吸着できる特性を有するカチオン系化合物であれば、上記カチオン系化合物に限定されない。
カチオン系化合物の含有量は、無電解めっき用前処理剤の全体積を基準として0.05〜50g/Lが好ましい。また、経済性及び環境への負荷を考慮に入れると、カチオン系化合物の含有量は、0.05〜10g/Lがより好ましい。含有量が0.05g/L未満であると、被めっき物への吸着量が小さくなり、それに伴いパラジウム−錫触媒の吸着が起こりにくくなるため、めっきの未析出部が発生する傾向がある。また、含有量が50g/Lを超えると、経済性及び環境への負荷が大きくなる傾向がある。
(アルコール類)
本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤はアルコール類(但し、上記ノニオン性界面活性剤に該当する化合物を除く)を更に含んでいてもよい。アルコール類としては、特に制限されないが、例えば、アミノ基を有するアルコール、脂肪族アルコールが挙げられる。中でも、金属イオンを捕捉できる観点から、アミノ基を有するアルコールが好ましい。アミノ基を有するアルコールとしては、具体的には、2−アミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、イソプロピルアミノエタノール等が好適に用いられるが、これらに限定されない。脂肪族アルコールとしては、具体的には、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が好適に用いられるが、これらに限定されない。
アルコール類の含有量は、無電解めっき用前処理剤の全体積を基準として0.01〜100g/Lが好ましい。また、経済性及び環境への負荷を考慮に入れると、アルコール類の含有量は、0.01〜20g/Lがより好ましい。含有量が0.01g/L未満であると、繰り返しの使用により液の安定性が低くなる傾向がある。また、含有量が100g/Lを超えると、経済性及び環境への負荷が大きくなる傾向がある。
(処理温度)
本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤の最適な処理温度は、50〜85℃が好ましい。カチオン系化合物を用いた場合においてカチオン系化合物の吸着量が温度と共に増加するため、上記温度での使用が好ましい。また、ノニオン性界面活性剤は、温度が上がるほど表面張力が低くなるため、曇点より低い範囲において可能な限り高温における使用が好ましい。供試材の耐熱性や安全な使用の点から、処理温度は55〜70℃がより好ましい。
(緩衝剤)
本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤は、繰り返しの使用によりpHが低下する場合があるため、緩衝剤を更に含有することが好ましい。
<スルーホール又はビアホールの形成工程>
以下、図3を用いて、スルーホール又はビアホールの形成工程の一例を説明する。図3(a)〜(g)のそれぞれは図1の符号Aの領域を示しており、それぞれの図における右側面は穴の内壁面を示している。
(a)穴加工後の積層体
図3(a)は、ドリルやレーザにより絶縁層4及び配線層5に穴をあけた後の状態である。絶縁層4は、ガラスクロス9を含んでいる。図3(a)において、穴の内壁面及び積層体表面には、有機物(汚れ)10が付着している。穴あけ工程後、順次、図3(b)〜(g)を経て穴の内壁面に銅めっきを形成する。
(b)クリーニングコンディショニング
穴の内壁面が有機物10で汚染された状態では良好な無電解めっきを形成できないため、洗浄が必要である。加えて、パラジウムの吸着量を上げるために、例えばカチオン系化合物(カチオン化剤)11を吸着させる。クリーナーコンディショニング工程の後は、湯洗又は水洗、もしくはその併用により、余分な無電解めっき用前処理剤成分を洗い流す。
(c)ソフトエッチング及び酸洗
積層体表面の配線層、及び、穴の内壁面に吸着したカチオン系化合物11は、電気銅めっきの密着不良の原因になるため除去する必要がある。一般に、過硫酸アンモニウム溶液又は過硫酸ナトリウム等のソフトエッチング液により、積層体表面についたカチオン系化合物11の一部を除去する。銅を溶解する工程であるため、表面粗さが増した配線層5aが得られる。また、ソフトエッチング後の水洗において酸化銅が生成するため、酸洗(希硫酸)により酸化銅を除去する。
(d)パラジウム触媒付与
「パラジウム触媒」とは、パラジウム−錫シーダーと呼ばれる酸性の触媒のことであり、パラジウムイオンと錫イオンの複雑な錯体を含んでいる。錫イオンの酸化によりパラジウムが還元されて金属となることで触媒機能が得られる。アミン系の錯体を用いたアルカリ性のパラジウム触媒を用いることができる。
パラジウム触媒液はパラジウムイオンと錫イオンの複雑な錯体13を含んでおり、非金属にも吸着しやすい性質を持つ。このパラジウム−錫錯体13はマイナスに帯電しているため、プラスに帯電しているカチオン系化合物11が絶縁層表面にあるとより吸着しやすい。
(e)密着促進
パラジウム−錫錯体13は触媒能を有さないため、密着促進工程では、パラジウム−錫錯体の錫だけを溶解し、錫の酸化によりパラジウムを還元する。金属パラジウム14になることで、無電解銅めっきの触媒能力が発現する。
(f)無電解銅めっき
「無電解銅めっき」とは、ホルムアルデヒドによって銅イオンを還元(化学的還元)し、無電解銅めっき層(下地導電層)6を形成する反応をいう。しかし、この反応は起電力が高いため、触媒がないと起こりにくい。触媒はパラジウム、金及び銀等の貴金属が用いられるが、特に良好な特性を持つパラジウムが好ましい。無電解銅めっき工程では、無電解銅めっき液に浸漬し、無電解銅めっき層6を析出させる。析出する膜厚は一般的に0.3〜1μmである。
(g)電気銅めっき
「電気銅めっき」とは、外部電源から直流電流を流すことで電子を供給し、陰極(−)側に配置された被めっき物に電気めっき層7を還元析出させる反応をいう。そのため、電子を供給するための層として下地導電層が必須である。電気銅めっき工程では、一般的な硫酸銅めっき液が使用できる。析出する膜厚は10〜20μmである。
(アルカリシーダー液との組み合わせ)
本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤は、アルカリシーダー液と組み合わせて使用することが好ましい。従来から用いられている無電解めっき用酸性シーダー液は、塩酸ベースのパラジウム−錫イオン触媒であるが、溶液中に多量の塩素イオンが含まれているため、内層の配線層表面へ染み込みが起こると、銅を溶解する現象(ハローイング)が発生する。一方、無電解めっき用アルカリシーダー液は強アルカリであるため、このようなハローイングはほとんど発生しない。
しかし、無電解めっき用アルカリシーダーは、一般的に酸性シーダーよりパラジウムが吸着し難く、強力にパラジウムを吸着させる無電解めっき用前処理剤が必要となる。経験的に無電解めっき用前処理剤を強アルカリ(pH13以上)にすると、パラジウム吸着量が増加することが分かっているが、強アルカリにすることで無電解めっき用前処理剤の曇点を下げてしまうデメリットが発生する。
本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤は、強アルカリ下でも高い曇点を維持できるため、アルカリシーダー液の無電解めっき用前処理剤に好適に使用できる。
本実施形態に係る無電解めっき用前処理剤を無電解めっき用アルカリシーダー液の前処理として使用するにあたっては、pH13以上で使用することが更に好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
下記表1に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(18)ノニルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を2.5g/L及びポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を2.5g/L、アルコールとして2−アミノエタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)を5g/L、カチオン系化合物としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン「カチオマスターEPA−SK01」(水溶液中の樹脂分12.5質量%、四日市合成株式会社製、商品名)を樹脂分で1g/Lの濃度で溶解した。この液を無電解めっき用前処理剤1とした。
また、下記表2に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(18)ノニルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を2.5g/L及びポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を2.5g/Lの濃度で溶解した。この液をノニオン性界面活性剤溶液1とした。
(実施例2)
下記表1に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(15)ノニルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を0.5g/L及びポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を4.5g/L、アルコールとして2−アミノエタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)を5g/L、カチオン系化合物としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン「カチオマスターEPA−SK01」(水溶液中の樹脂分12.5質量%、四日市合成株式会社製、商品名)を樹脂分で1g/Lの濃度で溶解した。この液を無電解めっき用前処理剤2とした。
また、下記表2に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(15)ノニルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を0.5g/L及びポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を4.5g/Lの濃度で溶解した。この液をノニオン性界面活性剤溶液2とした。
(実施例3)
下記表1に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)ドコシルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を0.25g/L及びポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を4.75g/L、アルコールとして2−アミノエタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)5g/L、カチオン系化合物としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン「カチオマスターEPA−SK01」(水溶液中の樹脂分12.5質量%、四日市合成株式会社製、商品名)を樹脂分で1g/Lの濃度で溶解した。この液を無電解めっき用前処理剤3とした。
また、下記表2に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)ドコシルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を0.25g/L及びポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を4.75g/Lの濃度で溶解した。この液をノニオン性界面活性剤溶液3とした。
(実施例4)
下記表1に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を0.25g/L及びポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)4.75g/L、アルコールとして2−アミノエタノール(和光純薬工業株式会社製、特級)を5g/L、カチオン系化合物としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン「カチオマスターEPA−SK01」(水溶液中の樹脂分12.5質量%、四日市合成株式会社製、商品名)を樹脂分で1g/Lの濃度で溶解した。この液を無電解めっき用前処理剤4とした。
また、下記表2に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を0.25g/L及びポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)4.75g/Lの濃度で溶解した。この液をノニオン性界面活性剤溶液4とした。
(比較例1)
下記表3に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を5g/Lの濃度で溶解した。
(比較例2)
下記表3に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(18)ノニルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を5g/Lの濃度で溶解した。
(比較例3)
下記表3に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(15)ノニルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を5g/Lの濃度で溶解した。
(比較例4)
下記表3に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)ドコシルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を5g/Lの濃度で溶解した。
(比較例5)
下記表3に示すように、イオン交換水に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(和光純薬工業株式会社製、特級)を5g/Lの濃度で溶解した。
なお、上記で用いたノニオン性界面活性剤のHLB値は以下のとおりである。
ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル HLB値:13.5
ポリオキシエチレン(18)ノニルフェニルエーテル HLB値:16.0
ポリオキシエチレン(15)ノニルフェニルエーテル HLB値:15.0
ポリオキシエチレン(20)ドコシルエーテル HLB値:16.5
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル HLB値:15.5
[曇点及び表面張力の測定]
実施例1〜4得られた無電解めっき用前処理剤1〜4と、ノニオン性界面活性剤溶液1〜4と、比較例1〜5で得られた溶液とを測定対象の試料として、曇点及び表面張力を下記の方法で測定した。無電解めっき用前処理剤1〜4の測定結果を表1に示し、ノニオン性界面活性剤溶液1〜4の測定結果を表2に示し、比較例1〜5で得られた溶液の測定結果を表3に示す。無電解めっき用前処理剤1〜4の曇点及び表面張力は、pHを11に調整して測定した。ノニオン性界面活性剤溶液1〜4、及び、比較例1〜5で得られた溶液の曇点及び表面張力は、pHを調整することなく測定した。なお、無電解めっき用前処理剤の曇点及び表面張力は、含有する界面活性剤の曇点及び表面張力に依存する傾向がある。
<曇点測定>
測定対象の試料を強化ガラスのビーカーに採取し、ウォーターバス(YAMATO(株)BM−50)又はセラミックホットプレート(アズワンCHP−170AN)で加熱した。5℃/分の条件で徐々に加熱して、白濁した温度を温度計により計測した。85℃以下の測定は、ウォーターバスを用いて行った。85〜95℃の測定は、セラミックホットプレートを用いて行った。95℃以上は測定しなかった。
<表面張力測定>
ウィルヘルミー法(プレート法)に基づき協和界面科学社製表面張力計(CBVP−A3)を使用して測定した。測定子としてガラスプレートを使用し、液温を室温(17℃)に保持して測定を行った。
Figure 2014091858

曇点及び表面張力はpH11で測定。
Figure 2014091858

pH調整なしで曇点及び表面張力を測定。
Figure 2014091858
実施例1〜4では、曇点が70℃以上であり且つ表面張力が34dyn/N以下である無電解めっき用前処理剤が得られ、曇点が高く且つ表面張力が低い無電解めっき用前処理剤が得られた。一方、比較例1〜5では、曇点が高く且つ表面張力が低い特性は得られなかった。
1:多層配線板(8層板)、2:スルーホール、3:ビアホール、4:絶縁層、5,5a:配線層、6:無電解銅めっき層、7:電気めっき層、9:ガラスクロス、10:有機物(汚れ)、11:カチオン系化合物、13:パラジウム−錫錯体、14:金属パラジウム。

Claims (5)

  1. (A)曇点が70℃以上であり且つ表面張力が34〜44dyn/Nである界面活性剤と、(B)曇点が50〜75℃であり且つ表面張力が30〜33dyn/Nである界面活性剤と、を含み、
    前記(A)成分及び前記(B)成分が、アルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤及びアルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である、無電解めっき用前処理剤。
  2. 前記(A)成分のHLB値が6〜19である、請求項1に記載の無電解めっき用前処理剤。
  3. カチオン系化合物及びアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも一種を更に含む、請求項1又は2に記載の無電解めっき用前処理剤。
  4. pHが7〜14である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の無電解めっき用前処理剤。
  5. (A)曇点が70℃以上であり且つ表面張力が34〜44dyn/Nである界面活性剤と、(B)曇点が50〜75℃であり且つ表面張力が30〜33dyn/Nである界面活性剤と、を混合する工程を備え、
    前記(A)成分及び前記(B)成分が、アルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤及びアルキルフェニルエーテル型ノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である、無電解めっき用前処理剤の製造方法。
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