JP2007005451A - 回路パターン形成方法、溶液セット - Google Patents

回路パターン形成方法、溶液セット Download PDF

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Abstract

【課題】 基材上に導電パターン用溶液及び絶縁パターン用溶液が着弾した際に衝撃で発生する溶液の跳ね返りによる、配線パターンの信頼性の低下を抑制する。
【解決手段】 導電性のパターンと絶縁性のパターンからなるパターンを基体上に重ねて形成する方法であって、前記導電性のパターンを形成するための導電パターン用溶液の表面張力が、前記絶縁性のパターンを形成するための絶縁パターン用溶液の表面張力より大きい溶液を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子機器、電気機器、コンピューター、通信機器等に用いられる回路基板の製造方法に関し、特に回路パターン形成方法及び回路パターン形成に使用する溶液セットに関する。
回路基板は、電子機器や通信機器、コンピューター等にLSI等の半導体や各種電子部品等が実装されて用いられている。回路基板は種類が多く、セラミックを基材とするもの、ガラス繊維などの補強材とエポキシ樹脂などの合成樹脂との複合材を用いるもの、ポリエステル樹脂やアラミド樹脂等の可撓性フィルムを基材とするものなどがあり、また、回路層数からみると、両面板や片面板などの同一面上の回路層が単層のものと同一面上の回路層が複数の多層板などに分けられ、それぞれ用途や要求特性に応じて使い分けられている。これら回路基板はいずれも導体回路を有しており、回路パターンは機器の小形化や半導体の高性能化により高密度化している。
回路基板の回路パターン形成は一般にサブトラクテイブ法により行われている。サブトラクテイブ法による回路形成は、穴開け工程、無電解メッキ工程、ドライフィルム等によるパターニング工程、電解メッキ工程、エッチング工程、半田剥離工程などを経て形成されるが、工程数が多いこと、各工程に要する時間が掛ることなどにより、製造原価に占める加工費の割合が高く、この加工費の低減がプリント配線板業界の大きな課題になっている。特に、多層配線板の場合にこのことがいえる。また、メッキ工程やエッチング工程において発生する廃液処理等の問題も抱えている。
これらの問題を解決するために各種提案が成されている。例えば、特許文献1では、基材の表面に導体パターン及び絶縁パターンを液体吐出法により同時に形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法が開示されている。しかし、この方法では導体パターンと絶縁パターンの境界面で、回路パターンに滲みが生じるため、回路パターンの微細化と高密度化は困難であった。
特開平11−163499号公報
しかしながら、前述のように基材上に導電パターン及び絶縁パターンを液体吐出法により形成する場合は、両溶液の着弾による衝撃で発生する両溶液の跳ね返りが発生してしまい、回路パターンの形成に不具合が生じてしまう。具体的には図3(a)に示したように基材1上の絶縁パターン用溶液層4の上に導電パターン用溶液の液滴2が付与された状態で、この近傍に別の導電パターンを形成するため、図3(b)のように導電パターン用溶液の液滴2を絶縁パターン用溶液層4の上に付与する。すると、図3(c)に示したように絶縁パターン用溶液層4に着弾したときの衝撃により、導電パターン用溶液の液滴2が導電パターン以外の部分に跳ね返ってしまい、導電パターン7との誤導通が発生してしまう可能性がある(図3(d))。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の主たる目的は、基材上に導電パターン用溶液及び絶縁パターン用溶液が着弾した際、両溶液の着弾による衝撃で発生する両溶液の跳ね返りが発生した場合でも、微細な配線パターンを誤導通なく、容易に形成できる回路パターン形成方法及び回路パターン形成に使用する溶液セットの提供を目的とする。
1.導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液を基材上に重ねて塗布して回路パターンを形成する回路パターン形成方法において、基材上に導電パターンを形成するための導電パターン用溶液の表面張力γが基材上に絶縁パターンを形成するための絶縁パターン用溶液の表面張力より大きいことを特徴とする。
2.導電パターン用溶液の表面張力γ1(単位:dyne/cm)が33≦γ1であり、絶縁パターン用溶液の表面張力γ2がγ2<30であることを特徴とする。
3.導電パターンを形成する表面張力が33≦γ1≦50である導電パターン用溶液と前記導電パターン用溶液を貯留する第1の液体容器と、絶縁パターンを形成する表面張力が25≦γ2<30である絶縁パターン用溶液と前記絶縁パターン用溶液を貯留する第2の液体容器と、を有することを特徴とする溶液セット。
本発明は、以上説明したように構成されているので、基材上に導電パターン用溶液及び絶縁パターン用溶液が着弾した際に衝撃で発生する溶液の跳ね返りによる、配線パターンの信頼性の低下を抑制する。
[1.回路パターン形成装置の構成]
それでは、まず本発明の実施形態における基材上に導電パターンと絶縁パターンを形成するために使用した回路パターン形成装置から説明する。
図7に示す本実施形態で用いる回路パターン形成装置は、記録媒体である基材1上に液体(溶液)を噴射するための記録ヘッド13が搭載されているキャリッジ109と基材1が搭載されている吸着ステージ103を有している。キャリッジ109の移動手段としてCR(キャリッジ)リニアモータ101が、そして基材1の移動手段として、吸着ステージ103およびLFリニアモータ102を採用している。LF(ラインフィード)リニアモータ102は定盤108にがっちりと固定されており、吸着ステージ103が移動しても基材1を載せる吸着ステージ表面が定盤面と常に平行になるようにしている。一方、CRリニアモータ101は定盤108の上にベース104および105を介して高い剛性を保って固定されており、キャリッジ109が定盤面、すなわち吸着ステージ表面と平行に移動するように調整されている。CRリニアモータ101およびLFリニアモータ102にはそれぞれリニアエンコーダ111、112および原点センサ106、107が内蔵されており、各リニアモータの移動時のサーボ制御入力として利用されているとともに、CR側のリニアエンコーダ111は液体の吐出タイミングの生成にも利用されている。尚、記録ヘッド13のオリフィス面に付着した液体を除去するためのヘッド回復ユニット120が備わっている。また、本回路パターン形成装置には、パソコン(不図示)が接続されており、パソコンから送られた図形情報データに基づき、ヘッドから噴射される液体により記録媒体である基材1の表面に印字される。
図8は第1の液体及び/または第2の液体を貯留する為の容器である。本実施形態で用いる回路パターン形成装置は、基材1上に第1の液体である導電パターン用溶液と第2の液体である絶縁パターン用溶液を吐出するための記録ヘッド13と、第1の液体を貯留する為の第1の容器201及び第2の液体を貯留する為の第2の容器202が搭載されたキャリッジ109と、基材1が搭載された吸着ステージ103と、を有する。図8の(a)は、一体型の第1の液体貯留容器及び第2の液体貯留容器の概観図である。図8の(b)は、分離型の第1の液体貯留容器及び第2の液体貯留容器の概観図である。第1の液体を貯留する為の容器201には、第1の液体をヘッドに供給するための第1の供給口203を備え、第2の液体を貯留する為の容器202には、第2の液体をヘッドに供給するための第2の供給口204を備えている。
[2.跳ね返り現象と表面張力との関係]
次に、基材上に付与された溶液層に液滴が着弾したとき、その衝撃により発生する液滴自身の跳ね返り現象と表面張力との関係について説明する。
液滴は、基材上に付与された溶液層に着弾後、表面張力γ(単位:dyne/cm)による滴を保とうとするエネルギーに対して着弾の運動エネルギーが大きいと液滴自身が小滴に分裂してしまう。また逆に表面張力による滴を保とうとするエネルギーに対して着弾の運動エネルギーが小さいと液滴自身は分裂しない。これは液滴自身が小滴に分裂するときの条件が表面張力に関係があることを意味している。つまり、図4(a)、(b)に示したように、基材1上に付与された絶縁パターン用溶液層4の表面張力が導電パターン用溶液の液滴2の表面張力より小さいと、絶縁パターン用溶液の一部が跳ね返る。また図5(a)、(b)に示したように、基材1上に付与された導電パターン用溶液の表面張力が絶縁パターン用溶液の液滴3の表面張力より大きいと、絶縁パターン用溶液の一部が小滴に分裂して跳ね返る。さらに図6(a)、(b)に示したように、基材1上に付与された絶縁パターン用溶液の表面張力が導電パターン用溶液の液滴2の表面張力とほぼ等しいと、ほぼ同量の絶縁パターン用溶液と導電パターン用溶液の一部が跳ね返る。
以上のことから、基材上に溶液が着弾した際、着弾による衝撃で溶液の跳ね返りが発生した場合、跳ね返っても回路パターン形成に問題無いのは、絶縁パターン用溶液である。つまり、絶縁パターン用溶液の表面張力を小さくする必要があり、逆に導電パターン用溶液は、跳ね返り難くするため表面張力を大きくする必要がある。また、絶縁パターン用溶液および導電パターン用溶液の表面張力は、液体吐出法により基材上へ付与できる範囲にする必要がある。
[3.導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液の表面張力]
本発明の実施形態における基材上に導電パターンと絶縁パターンを形成するために使用した導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液の表面張力について説明する。
まず両溶液は液体吐出法により基材上へ付与する必要がある。一般に、液体吐出方式の記録装置で使用しているカラーインク(シアン、マゼンタ、イエローインクなど)や、ブラックインクの表面張力は25≦γ≦50であることが好ましい。
一般的には液滴吐出速度は8〜15m/s、液滴吐出量は20〜30plが好ましい。また液滴吐出方式は、電圧を加えて圧電素子を変化させ、ノズルから液体を押し出す「ピエゾ方式」でも、ヒーターを加熱し液体内に気泡を発生させ、ノズルから液体を押し出す「バブルジェット(登録商標)方式」でも構わない。また、表面張力がγ<25になると、基材上に着弾した液体は液滴を保とうとするエネルギーが低下することにより、液滴自身が広がりやすくなり、基体上で液滴として保持できなくなる。さらに表面張力がγ≧30になると、基材上に着弾した液体は液滴を保とうとするエネルギーが大きくなり、基板上に塗付された液滴に別の液滴が衝突した場合に、基板上の液滴自身が小滴に分裂しなくなる。そして、ある程度のインク滴を保とうとするエネルギーは表面張力が33≦γであり、表面張力がγ>50になると基材上で液滴の移動が起こりやすくなる。
[3−1.導電パターン用溶液および絶縁パターン用溶液]
本発明に使用可能な導電パターン用溶液及び絶縁パターン用溶液の例をあげる。
絶縁パターン用溶液と導電パターン用溶液の表面張力を変化させるためには、パターン用溶液に入れる界面活性剤によって制御が可能である。
また、基体上に吐出された、導電パターンと絶縁パターンとの界面で、凝集や固化が生じることで、にじみ等の混ざり合いが少なくなるような材料がより好ましい。
まず、導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液とが接する界面において、導電パターン用溶液に含まれる導電性微粒子と絶縁パターン用溶液に含まれる第2の材料とが化学的に凝集し始める材料の説明を行う。
導電パターン用溶液は、水、導電性材料を含有するものが好ましい。導電パターン用溶液の調製用に使用される水としては、通常、工業用水を原料とし、脱イオン交換処理によって、陽イオン、陰イオンを除去したものが好ましい。導電パターン用溶液中における水の量は、その割合、または導電パターン用溶液に要求される特性に応じて広い範囲で決定されるが、導電パターン用溶液に対して、一般に10〜98重量%の範囲であり、とりわけ好ましいのは40〜90重量%の範囲である。
導電パターン用溶液に使用される導電性材料としては、例えばレーザーアブレーションを用いて作製された平均粒子径が1〜100nm以下の金属超微粒子である。金属超微粒子としては、ITO(インジウム・スズ酸化物)、SnO2(酸化スズ)等が挙げられる。
本発明で使用される絶縁パターン用溶液は、水、絶縁性材料及び第2の成分を含む。第2の成分は、アルカリ性水溶液であり、導電パターン用溶液に使用される導電性材料と接触すると、pH差における凝集沈澱反応により接触領域で界面凝集がおこり、導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液とのにじみを抑え、互いに分離して存在し、後処理の熱硬化処理により揮発してしまう物質である。絶縁パターン用溶液に使用される水は、前述の導電パターン用溶液に用いられる水の例が挙げられる。
第2の成分として使用される物質として、任意のポリマーがあげられる。任意のポリマーの例としては、アニオン性水溶性ポリマー、揮発性アミン等を用いることができる。第2の成分の具体例として、アニオン性水溶性ポリマー;アンモニウム塩が、揮発性アミン;水酸化アンモニウムが挙げられる。また、絶縁性材料として、非イオン性ポリマーがあげられる。非イオン性ポリマーの具体例として、エポキシ樹脂等を主成分とするソルダーレジストを用いることができる。
次に、導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液の界面において導電パターン用溶液に含まれる導電性微粒子と絶縁パターン用溶液に含まれる絶縁性微粒子とが化学的に凝集するような材料の説明を行う。
(導電性微粒子)
本発明に使用可能な導電パターン用溶液に用いられる導電性微粒子として使用される金属コロイドに望まれる作用としては、絶縁パターン用溶液と混合した際に、絶縁パターン用溶液中の絶縁性微粒子と凝集反応を起こし、絶縁性微粒子表面に吸着されること等が挙げられ、これらの作用を達成できる金属コロイドが好適に用いられる。尚、これらの作用は、1種若しくは2種以上の金属コロイドによって達成されても良い。
この作用を満たすための性質として、例えば、絶縁性微粒子と逆のイオン性を呈することが挙げられる。これにより、絶縁性微粒子は金属コロイドを静電的に吸着できる。絶縁性微粒子がアニオン性の場合はカチオン性の金属コロイドを用い、逆に絶縁性微粒子がカチオン性の場合はアニオン性の金属コロイドが用いられる。
以下、夫々のイオン性の金属コロイドを含有する導電パターン用溶液に関して、具体的に説明する。
(アニオン性金属コロイド)
アニオン性の導電パターン用溶液に使用される金属コロイドは、ゼータ電位がマイナスの値を示すものである。ゼータ電位がマイナスを示す金属コロイドとしてはAg、Pt、SnOなどが存在するが導電性などの面からAgやSnOが望ましい。一般にコロイド粒子の直径は数100nmであるが、本発明で使用するアニオン性金属コロイドは回路パターンの均一性や安定性等の観点から、粒子直径が数10〜数100nmの範囲のものが好適に用いられる。この範囲内ではカチオン性の金属コロイドが導電パターン用溶液中で沈降することも抑えられ、導電パターン用溶液の保存安定性の低下を有効に防止することができる。
(塩基)
塩基は、アニオン性の金属コロイド表面をイオン化し、表面電位を高めることにより液中での分散安定性を向上させると共に、絶縁パターン用溶液中のカチオン性化合物の吸着性向上や導電パターン用溶液の粘度調整の役割を果たす。本発明に好適に用いられる塩基は、使用するアニオン性の金属コロイドと組み合わせた場合に、所望のpHやゼータ電位、金属コロイドの分散性等の物性が得られるものであれば特に限定はなく、下記に挙げるような無機化合物や有機化合物等から自由に選択して、使用することができる。
具体的には例えば、炭酸アンモニウム、アンモニア、酢酸アンモニウム、モルホリンやモノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミンを用いることができる。これらの中でも特に、塩基の水中での一次解離定数pkbが5以下の塩基は、アニオン性金属コロイドの分散安定性やカチオン性化合物の吸着性に特に優れるため、好適に用いられる。
(他の構成成分)
本発明で使用される上記のようなアニオン性の導電パターン用溶液には、更にこれに、水、水溶性有機溶剤及びその他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて含まれて構成される。
(カチオン性金属コロイド)
カチオン性の導電パターン用溶液に使用される金属コロイドは、ゼータ電位がプラスの値を示すものである。ゼータ電位がプラスを示す金属コロイドとしてはAl、Cr、Zn、Feなどの水酸化物が存在するが導電性の面からAlが望ましい。一般にコロイド粒子の直径は数100nm以下であるが、本発明で使用するカチオン性金属コロイドは回路パターンの均一性や安定性等の観点から、粒子直径が数10〜数100nmの範囲のものが好適に用いられる。この範囲内では、カチオン性の金属コロイドが導電パターン用溶液中で沈降することも抑えられ、導電パターン用溶液の保存安定性の低下を有効に防止することができる。
(酸)
酸は、カチオン性の金属コロイド表面をイオン化し、表面電位を高めることにより、液中での金属コロイドの分散安定性を向上させると共に、絶縁パターン用溶液中のアニオン性化合物の吸着性向上や、導電パターン用溶液の粘度調整の役割を果たす。本発明に好適に用いられる酸は、使用するカチオン性の金属コロイドと組み合わせて、所望のpHやゼータ電位、金属コロイドの分散性等の物性が得られるものであれば特に限定はなく、下記に挙げる無機酸や有機酸等から自由に選択して使用することができる。
具体的には、無機酸としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、硼酸、炭酸等が挙げられ、有機酸としては、カルボン酸やスルホン酸、アミノ酸等が挙げられる。
そして、本発明で使用する絶縁パターン用溶液においては、これらを一種又は二種以上混合して使用することができる。これらの中でも、酸の水中での一次解離定数pkaが5以下の酸は、カチオン性金属コロイドの分散安定性やアニオン性化合物の吸着性に特に優れるため、好適に用いることができる。具体的には、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸等が挙げられる。
(他の構成成分)
本発明で使用される上記のようなカチオン性の導電パターン用溶液には、更にこれに、水、水溶性有機溶剤及びその他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等が必要に応じて含まれて構成される。
(絶縁性微粒子)
本発明において好適に用いられる絶縁性微粒子に望まれる作用としては、
1)導電パターン用溶液と混合した際に、金属コロイドの本来持つ導電性を損なわずに、金属コロイドを吸着する、
2)導電パターン用溶液と混合した際或いは基材に付与された際に、分散安定性が低下して、基材表面に残存する、こと等が挙げられ、これらの作用を達成できる絶縁性微粒子が好適に用いられる。尚、これらの作用は、1種若しくは2種以上の絶縁性微粒子によって達成されても良い。
1)の作用を満たすための性質として、例えば、金属コロイドと逆のイオン性を呈することが挙げられる。これにより、絶縁性微粒子は金属コロイドを静電的に吸着できる。金属コロイドがアニオン性の場合はカチオン性の絶縁性微粒子を用い、逆に金属コロイドがカチオン性の場合はアニオン性の絶縁性微粒子が用いられる。
2)の作用は、導電パターン用溶液や基材との相互作用によって引き起こされる。このため、各構成により達成されれば良いが、例えば、絶縁性微粒子の性質として、導電パターン用溶液の組成成分や基材の構成成分と逆のイオン性を呈することが挙げられる。また、導電パターン用溶液中或いは絶縁パターン用溶液中に電解質を共存させることによっても、絶縁性微粒子の分散安定性は影響を受ける。
本発明において、上記1)と2)の作用のどちらか一方の作用が、瞬時に得られることが望ましい。更には、上記1)と2)と両方の作用が、瞬時に得られることが好ましい。以下、夫々のイオン性の絶縁性微粒子を含有する絶縁パターン用溶液に関して、具体的に説明する。
(カチオン性の絶縁性微粒子)
カチオン性の絶縁性微粒子とは、ゼータ電位がプラスの値を示すものである。微粒子の分散系における表面の性質は、分散質と分散媒との界面に生じる電気二重層によって議論される。実際には、電気泳動異動度などから得られるゼータ電位に置き換えられる。ゼータ電位の値は、界面に存在するOH−イオンの濃度に大きく支配され、従って微粒子の表面の性質は、絶縁パターン用溶液のpHに大きな影響をうける。
本発明において、カチオン性の絶縁性微粒子のゼータ電位は、好ましくは+5〜+90mVである。その理由は定かではないが、上記範囲においては、導電パターンとの境界部の滲みが少なく、絶縁性の高いパターンを得ることができた。
pHはゼータ電位が上記の値となるように調整される。但し、インクジェットヘッドに使われている部材の腐食の原因となる場合があるので、好ましくは2〜11.5のpH範囲とされるのが望ましい。そのため本発明で使用する絶縁パターン用溶液に用いられる絶縁性微粒子は、その表面がカチオン性である必要があるが、本質的にカチオン性である絶縁性微粒子は勿論のこと、本来は静電的にアニオン性或いは中性である絶縁性微粒子であっても、処理によって表面がカチオン化された絶縁性微粒子であれば用いることができる。
本発明で好適に用いられるカチオン性絶縁性微粒子は、具体的には、特に材料種に限定はなく、無機系絶縁性微粒子や有機系絶縁性微粒子、無機有機複合絶縁性微粒子等が挙げられるが、本実施例による回路パターン形成工程には定着工程を含むため、耐熱性にすぐれたものが特に好ましい。無機系絶縁性微粒子としては、カチオン化した、シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、チタニア等が挙げられ、有機系絶縁性微粒子としては、スチレンアクリルやアクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。また、無機有機複合絶縁性微粒子としては、1級2級及び3級アミン塩型の官能基を表面に有する無機絶縁性微粒子等が挙げられる。
また、本発明で使用する上記したようなカチオン性の絶縁性微粒子は、回路パターンの均一性や安定性等の観点から、金属コロイド粒子径の10倍程度、すなわち粒子直径が数100nm〜数μmの範囲のものが好適に用いられる。この範囲内では、カチオン性の絶縁性微粒子が絶縁パターン用溶液中で沈降することも抑えられ、絶縁パターン用溶液の保存安定性の低下も有効に防止することができる。
本発明で使用する絶縁パターン用溶液中における上記したようなカチオン性の絶縁性微粒子の含有量を多くするほど、回路パターン形成上好適ではあるが、重量基準で50重量%程度が上限である。この範囲内では、絶縁パターン用溶液の吐出安定性や保存安定性についても特に問題はない。
(酸)
酸は、カチオン性の絶縁性微粒子表面をイオン化し、表面電位を高めることにより、液中での絶縁性微粒子の分散安定性を向上させると共に、導電パターン用溶液中のアニオン性化合物の吸着性向上や、絶縁パターン用溶液の粘度調整の役割を果たす。本発明に好適に用いられる酸は、使用するカチオン性の絶縁性微粒子と組み合わせて、所望のpHやゼータ電位、絶縁性微粒子の分散性等の物性が得られるものであれば特に限定はなく、下記に挙げる無機酸や有機酸等から自由に選択して使用することができる。
ただし、最終的には絶縁パターンとして高い絶縁性を維持しなければならないため、揮発して無くなるもの、あるいは昇華するものが望ましい。
具体的には、無機酸としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、硼酸、炭酸等が挙げられ、有機酸としては、例えば、下記に挙げるようなカルボン酸やスルホン酸、アミノ酸等が挙げられる。カルボン酸としては、例えば、ギ酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、フルオロ酢酸、トリメチル酢酸、メトキシ酢酸、メルカプト酢酸、グリコール酸等が挙げられる。また、スルホン酸としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、メチルベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。また、アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、α−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸等が挙げられる。
そして、本発明で使用する絶縁パターン用溶液においては、これらを一種又は二種以上混合して使用することができる。これらの中でも、酸の水中での一次解離定数pkaが5以下の酸は、カチオン性絶縁性微粒子の分散安定性やアニオン性化合物の吸着性に特に優れるため、好適に用いることができる。具体的には、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸等が挙げられる。
(他の構成成分)
次に、カチオン性の絶縁パターン用溶液を構成するその他の成分について具体的に説明する。本発明で使用するカチオン性の絶縁パターン用溶液は、上記したカチオン性絶縁性微粒子を必須の成分とし、上記したような酸を含み、その他に、通常は液媒体として水を含むが、更に、水溶性有機溶剤及びその他の添加剤、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、各種界面活性剤、酸化防止剤及び蒸発促進剤、水溶性カチオン性化合物やバインダー樹脂等の添加剤を適宜配合してもかまわない。
(アニオン性の絶縁性微粒子)
アニオン性の絶縁性微粒子とは、ゼータ電位がマイナスの値を示すものである。本発明において、ア二オン性の絶縁性微粒子のゼータ電位は、好ましくは−5〜−90mVである。その理由は定かではないが、上記範囲において、導電パターンとの境界部の滲みが少なく、絶縁性の高いパターン得ることができた。
pHはゼータ電位が上記の値となるように調整される。但し、インクジェットヘッドに使われている部材の腐食の原因となる場合があるので、好ましくは2〜11.5のpH範囲とされるのが望ましい。そのため本発明で使用する絶縁パターン用溶液で用いる絶縁性微粒子は、表面がアニオン性に帯電していることが必要であるが、本質的にアニオン性である絶縁性微粒子は勿論のこと、本来は静電的にカチオン性或いは中性の絶縁性微粒子であっても、処理によって表面がアニオン化された絶縁性微粒子であれば用いることができる。
本発明で好適に用いられるアニオン性絶縁性微粒子は、具体的には、特に材料種に限定はなく、無機系絶縁性微粒子や有機系絶縁性微粒子、無機有機複合絶縁性微粒子等が挙げられる、本実施例による回路パターン形成工程には定着工程を含むため、耐熱性にすぐれたものが特に好ましい。無機系絶縁性微粒子としては、アニオン化した、シリカ、チタニア、ジルコニア等が挙げられ、有機系絶縁性微粒子としては、例えば、スチレンアクリルやアクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、SBRラテックス等の共役ジエン系共重合体等が挙げられる。また、無機有機複合絶縁性微粒子としては、例えば、水中でアニオン性を呈する官能基を表面に有する無機絶縁性微粒子等が挙げられる。
また、本発明で使用するアニオン性の絶縁性微粒子は、先に説明したカチオン性の絶縁性微粒子の場合と同様に、回路パターンの均一性や安定性等の観点から、金属コロイド粒子径の10倍程度、すなわち粒子直径が数100nm〜数μmの範囲のものが好適に用いられる。この範囲内では、アニオン性の絶縁性微粒子が絶縁パターン用溶液中で沈降することも抑えられ、絶縁パターン用溶液の保存安定性の低下も有効に防止することができる。
本発明で使用する絶縁パターン用溶液中における上記したようなアニオン性の絶縁性微粒子の含有量は多くするほど、回路パターン形成上好適ではあるが、重量基準で50重量%程度が上限である。この範囲内では、絶縁パターン用溶液の吐出安定性や保存安定性についても特に問題はない。
(塩基)
塩基は、アニオン性の絶縁性微粒子表面をイオン化し、表面電位を高めることにより液中での分散安定性を向上させると共に、導電パターン用溶液中のカチオン性化合物の吸着性向上や絶縁パターン用溶液の粘度調整の役割を果たす。本発明に好適に用いられる塩基は、使用するアニオン性の絶縁性微粒子と組み合わせた場合に、所望のpHやゼータ電位、絶縁性微粒子の分散性等の物性が得られるものであれば特に限定はなく、下記に挙げるような無機化合物や有機化合物等から自由に選択して、使用することができる。
ただし、最終的には絶縁パターンとして高い絶縁性を維持しなければならないため、揮発して無くなるもの、あるいは昇華するものが望ましい。
具体的には例えば、炭酸アンモニウム、アンモニア、酢酸アンモニウム、モルホリンやモノエタノールアミン等のアルカノールアミンを用いることができる。これらの中でも特に、塩基の水中での一次解離定数pkbが5以下の塩基は、アニオン性絶縁性微粒子の分散安定性やカチオン性化合物の吸着性に特に優れるため、好適に用いられる。
(他の構成成分)
次に、アニオン性の絶縁パターン用溶液を構成するその他の成分について具体的に説明する。本発明で使用するアニオン性の絶縁パターン用溶液は、上記したアニオン性絶縁性微粒子を必須の成分とし、好ましくは上記したような塩基を含み、その他に、通常は液媒体として水を含むが、更に、水溶性有機溶剤及びその他の添加剤、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、各種界面活性剤、酸化防止剤及び蒸発促進剤、水溶性アニオン性化合物やバインダー樹脂等の添加剤を適宜配合してもかまわない。
尚、上述したいずれの材料を用いた場合においても、絶縁パターン用溶液は、導電パターン溶液に比べて表面張力を小さくする必要がある。絶縁パターン用溶液は基材上に一様に付与されることが好ましいため、液滴を保とうとするエネルギーを低く、液滴自身が小滴に分裂する程度の表面張力があれば良い。つまり、表面張力はγ<30が望ましいと言えるが絶縁パターン用溶液の液滴を液体吐出法により基材上に付与するため、表面張力は25≦γ<30が好ましい。
また、導電パターン用溶液は、絶縁パターン溶液の比べて表面張力を大きくする必要がある。導電パターン用溶液は基材上の絶縁パターン用溶液層の上に付与した液滴自身の広がりを抑え、微細な回路パターンを形成するため、液滴を保とうとするエネルギーを高く、液滴自身が小滴に分裂しない表面張力があれば良い。つまり、表面張力は33≦γが望ましく、導電パターン用溶液の液滴を液体吐出法により基材上に付与するため、表面張力は33≦γ≦50が好ましい。
以上のことから、本発明の実施形態における基材上に導電パターンと絶縁パターンを形成するために使用した導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液の表面張力は、以下のようになる。
(1)導電パターン用溶液の表面張力:33≦γ≦50
(2)絶縁パターン用溶液の表面張力:25≦γ<30
[4.回路パターン形成方法]
〔実施例1〕
導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液とが接する界面において、導電パターン用溶液に含まれる導電性微粒子と絶縁パターン用溶液に含まれる第2の材料とが化学的に凝集し始める材料を用いた例を示す。
絶縁性の基体として、厚さ100μmのポリイミドフイルムを用いた。導電パターン用溶液には、導電性材料としてSnO2(酸化スズ):平均粒子径100nm以下を10重量%、水を89.98重量%用いる。また、絶縁パターン用溶液には、第2の成分として水酸化アンモニウムを10重量%、絶縁性材料としてエポキシ樹脂系のソルダーレジストを10重量%、水を79.5重量%用いる。尚、両溶液の表面張力は非イオン性の界面活性剤であるアセチレノールによって調節してあり、導電パターン溶液にアセチレノールは重量比で0.02%、絶縁パターン用溶液には重量比で0.5%とし、導電パターン用溶液の表面張力は、約42dyne/cm、絶縁パターン用溶液の表面張力は、約28dyne/cmである。
図1(a)から(g)は、本発明である回路パターン形成方法を説明するための第1の実施例を示した概略工程図である。第1の実施例では、図9に示したような記録ヘッド12を使用する。記録ヘッド12には、上記絶縁パターン用溶液を吐出するノズル20aのノズル列30aと上記導電パターン用溶液を吐出するノズル20bのノズル列30bが配置されている。
まず第1層目のパターン形成を説明する。図1(a)に示したように、記録ヘッド12を描画開始位置である基材1の左端(図面上左側)へ移動した後、上記絶縁パターン用溶液の液滴3を基材1上に着弾させる。図1(b)に示したように記録ヘッド12が移動して絶縁パターンを形成する位置に来たとき、記録ヘッド12のノズル列30aのノズル20aから溶液を吐出する。すると図1(c)のように、基材上1に絶縁パターン用溶液層4が形成される。
次に第2層目のパターン形成を説明する。まず記録ヘッド12を描画開始位置(基材1の左端)へ移動する。そして、記録ヘッド12を描画方向(図面左から右)へ移動しながら、絶縁パターン用溶液層4の上に導電パターン7および8を形成する。図1(d)や(e)に示したように記録ヘッド12が移動して導電パターンを形成する位置に来たとき、記録ヘッド12のノズル列30bのノズル20bから溶液を吐出する。すると、図1(f)のように導電パターン用溶液の液滴2が液体吐出法により絶縁パターン用溶液層4の上に着弾し、その衝撃により、絶縁パターン用溶液の一部が導電パターン7に向かって跳ね返っている。導電パターン用溶液の表面張力が絶縁パターン用溶液の表面張力に比べて大きいので、絶縁パターン用溶液の一部が跳ね返る。その後、図1(g)に示したように導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液を固化させる。この工程は、加熱工程等があげられる。一方、導電パターン7に向かって跳ね返った絶縁パターン用溶液の一部は、導電パターン7の近傍に着弾しているが、溶液が絶縁パターンを形成するものであるため、図1(g)のように第1の導電パターン7および第2の導電パターン8のパターン形成に不都合を生じさせること無く、微細な回路パターンを形成できる。
また、図1では絶縁パターン用溶液の液滴3や導電パターン用溶液の液滴2の吐出開始位置を図面左側からとしたが、逆方向(図面右側)から吐出を開始しても良い。
尚、液滴吐出方式は、電圧を加えて圧電素子を変化させ、ノズルから液体を押し出す「ピエゾ方式」でも、ヒーターを加熱し液体内に気泡を発生させ、ノズルから液体を押し出す「バブルジェット(登録商標)方式」でも構わない。
〔実施例2〕
導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液の界面において導電パターン用溶液に含まれる導電性微粒子と絶縁パターン用溶液に含まれる絶縁性微粒子とが化学的に凝集するような材料を用いる。使用するノズルなど、実施例1と同様の部分の説明は省略する。
図2(a)から(d)は、本発明である回路パターン形成方法を説明するための第2の実施例の概略工程図である。図2(a)に示したように基材1上の絶縁パターン用溶液層4が既に形成されている。この状態で導電パターンを形成するため、導電パターン用溶液の液滴2を液体吐出法により基材上の絶縁パターン用溶液層4の端部に付与する。すると、図2(b)に示したように導電パターン用溶液の液滴2が絶縁パターン用溶液層4の端部に着弾したときの衝撃により、絶縁パターン用溶液の一部が跳ね返っている。これは、導電パターン用溶液の表面張力が絶縁パターン用溶液の表面張力に比べて大きいので、絶縁パターン用溶液の一部が跳ね返るようになっている。その後、図2(c)に示したように導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液の界面において導電パターン用溶液に含まれる導電性微粒子と絶縁パターン用溶液に含まれる絶縁性微粒子6とが化学的に凝集する。一方、跳ね返った絶縁パターン用溶液の一部は、基材1上に着弾しているが、溶液が絶縁パターンを形成するものであるため、図2(d)のように第1の導電パターン7のパターン形成に不都合を生じさせること無く、微細な回路パターンを形成できた。
上述した発明は、導電パターンを形成する毎に、絶縁パターンを形成する毎に、それぞれ加熱等の工程を入れる必要が無く、工程数を減らすことが出来る。また、配線パターンの形成方法において、導電パターンと絶縁パターンとをほぼ同時に吐出して配線パターンを形成する配線パターン形成方法に、特に効果的に用いることができる。
第1の実施例の概略工程図 第2の実施例の概略工程図 従来例の跳ね返りが発生する概略工程図 跳ね返り現象と表面張力(1) 跳ね返り現象と表面張力(2) 跳ね返り現象と表面張力(3) 本実施形態で用いる回路パターン形成装置 第1の液体及び/または第2の液体を貯留する為の容器 第1の実施形態で用いる記録ヘッド
符号の説明
1 基材
2 導電パターン用溶液の液滴
3 絶縁パターン用溶液の液滴
4 絶縁パターン用溶液層
5 導電性微粒子
6 絶縁性微粒子
7 第1の導電パターン
8 第2の導電パターン
9 導電パターン用溶液層
12 記録ヘッド
20a,20b ノズル
30a,30b ノズル列
101 CRリニアモータ
102 LFリニアモータ
103 吸着ステージ
104、105 ベース
106、107 原点センサー
108 定盤
109 キャリッジ
111,112 リニアエンコーダ
120 ヘッド回復ユニット
201 第1の容器
202第2の容器
203 第1の供給口
204 第2の供給口

Claims (6)

  1. 導電性のパターンと絶縁性のパターンからなるパターンを基体上に重ねて形成する方法であって、
    前記導電性のパターンを形成するための導電パターン用溶液の表面張力が、前記絶縁性のパターンを形成するための絶縁パターン用溶液の表面張力より大きいことを特徴とする回路パターン形成方法。
  2. 前記導電パターン用溶液の表面張力γ1が33〔dyne/cm〕≦γ1であり、
    前記絶縁パターン用溶液の表面張力γ2がγ2<30〔dyne/cm〕であることを特徴とする請求項1記載の回路パターン形成方法。
  3. 前記導電パターン用溶液の表面張力γ1がγ1≦50〔dyne/cm〕であり、
    前記絶縁パターン用溶液の表面張力γ2が25〔dyne/cm〕≦γ2であり、
    前記導電パターン用溶液と前記絶縁パターン用溶液とを液体吐出によって前記基材に吐出することを特徴とする請求項2記載の回路パターン形成方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回路パターン形成方法によって形成された回路パターンと前記基材とを有する回路基板。
  5. 表面張力が33〔dyne/cm〕≦γ1≦50〔dyne/cm〕の範囲にある導電パターンを形成する導電パターン用溶液を貯留する第1の液体容器と、
    表面張力が25〔dyne/cm〕≦γ2<30〔dyne/cm〕の範囲にある絶縁パターンを形成する絶縁パターン用溶液を貯留する第2の液体容器と、
    前記導電パターン用溶液と前記絶縁パターン用溶液とを、前記基体に供給することにより、前記導電パターン用溶液と前記絶縁パターン用溶液よりなる回路パターンを前記基体に形成する手段と、
    を有することを特徴とする配線形成装置。
  6. 表面張力が33〔dyne/cm〕≦γ1≦50〔dyne/cm〕の範囲にある導電パターンを形成する導電パターン用溶液と、前記導電パターン用溶液を貯留する第1の液体容器と、
    表面張力が25〔dyne/cm〕≦γ2<30〔dyne/cm〕の範囲にある絶縁パターンを形成する絶縁パターン用溶液と、前記絶縁パターン溶液を貯留する第2の液体容器と、を有することを特徴とする溶液セット。
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