JP2014090823A - 眼科撮影装置、撮影制御装置および撮影制御方法 - Google Patents

眼科撮影装置、撮影制御装置および撮影制御方法 Download PDF

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Abstract


【課題】、被検者に必要以上の負担を課さずに、高精度な合焦を実現する。
【解決手段】撮影制御装置は、照明光源により照明された被検体を撮像素子により撮像することにより得られた被検体像を用いて撮像素子のための撮影光学系を被検体に対して合焦状態とするための合焦動作を実行する。撮影制御装置は、この合焦動作の実行中とそれ以外とで、被検体像の信号対雑音比が変わるように撮影設定を変更する。さらに、撮影制御装置は、撮影設定の変更の前後で表示装置に表示される画像の階調性が維持されるように被検体像を処理し、処理された被検体像を表示装置に表示する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、眼科撮影装置、撮影制御装置および撮影制御方法に関する。
一般に、無散瞳眼底カメラに代表される眼科撮影装置では、撮像素子により撮像された眼底観察像を見ながら、撮影者は装置と被検眼との上下左右、前後の位置合わせやピント合わせを行う。また、近年では、撮像素子により撮像された眼底観察像を用いて自動でピントを合わせる自動合焦機能を備えた眼科撮影装置も広く知られている。
眼科医撮影装置の自動合焦の方式は大きく2種類に大別できる。一つは、特許文献1のように被検眼の瞳上で分割された指標を投影し、撮像された指標像の位置関係を画像処理にて検知することにより自動合焦を行う方式である。ここで指標像を用いた自動合焦方式を指標像自動合焦方式と定義する。この指標像自動合焦方式は、被検眼光学系の乱視等の屈折異常に対し、指標の瞳上での分割方向については正確に合焦できるが、指標の瞳上の分割方向以外については正確に合焦できない。
もう一つは、特許文献2のように自動合焦の際、被検眼眼底に投影された指標像を用いず、眼底観察像そのものの階調差を画像処理にて検知することで自動合焦を行う方式である。ここで眼底像を用いた自動合焦方式を眼底像自動合焦方式と定義する。この眼底像自動合焦方式は、指標像自動合焦方式で述べた被検眼光学系の乱視等の屈折異常による誤差を最小化することができる。
特開平5−95907号公報 特開2011−50532号公報
しかしながら、撮像素子により撮像された眼底観察像を用いた眼底像自動合焦方式では、合焦の対象である眼底観察像の階調差が低く撮像素子の雑音の影響を受けやすい為、合焦の精度が低下するという課題がある。合焦精度は、眼底観察像と撮像素子の雑音との信号対雑音比(S/N比)を向上させることで改善される。そのような信号対雑音比の向上には、例えば観察用光源の照明光量を上げることが挙げられる。しかしながら、観察中には、例えば被検眼と装置との上下左右、前後方向の位置合わせの時のように、眼底観察像と撮像素子の雑音間との信号対雑音比(S/N比)を必ずしも向上させなくてもよい時がある。そのため、観察中において常に観察用光源の照明光量を上げてしまうと、被検者に必要以上の負担を課してしまうことになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、眼科撮影装置などにおいて、被検者に必要以上の負担を課さずに、高精度な合焦を実現することを目的とする。
上記課題を解決する為の本発明の一態様による撮影制御装置は以下の構成を備える。すなわち、
撮影制御装置であって、
光源により照明された被検体を撮像素子により撮像することにより得られた被検体像を用いて撮影光学系を前記被検体に対して合焦状態とする合焦手段と、
前記合焦手段による合焦動作の実行中とそれ以外とで、前記撮像により得られる被検体像の信号対雑音比が変わるように撮影設定を変更する変更手段と、
前記変更手段による前記撮影設定の変更の前後で表示手段に表示される画像の階調性が維持されるように前記被検体像を処理し、処理された被検体像を前記表示手段に表示する表示制御手段と、を備える。
本発明によれば、被検者に必要以上の負担を課さずに、高精度な合焦を実現することができる。
実施形態による無散瞳眼底カメラの構成例を示すブロック図。 実施形態による蒸さん動眼底カメラの動作を示すフローチャート 眼底観察像と眼底像自動合焦の合焦評価エリアを示す図。 合焦評価エリア内の眼底観察像を示す図。 撮像素子の雑音の影響がない場合の眼底観察像の階調値を示す図。 撮像素子の雑音が重畳された場合の眼底観察像の階調値を示す図。
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な一実施形態を説明する。なお、以下では、本発明の撮影制御装置を眼科撮影装置、特に、無散瞳眼底カメラに適用した場合を例示することにより、本発明の実施形態を説明する。図1は実施形態による無散瞳眼底カメラ100の構成例を示すブロック構成図である。本実施形態の無散瞳眼底カメラ100は眼底像自動合焦を行う機能を有している。まず無散瞳眼底カメラ100の構成について、図1を参照して説明する。
被検眼Eの眼底Erへ向かう光軸L1上には対物レンズ1、その後方に孔あきミラー2、フォーカスレンズ3、結像レンズ4、撮像素子5が順次配置され、撮影光学系を構成している。本実施形態では、無散瞳眼底カメラを構成する撮影光学系が例示されており、被検眼Eに対する眼底撮影光学系が構成されている。一方、孔あきミラー2の反射方向の光軸L2には、レンズ6、指標投影部7、ダイクロイックミラー8、コンデンサレンズ9、観察用光源10が配置されている。加えてダイクロイックミラー8の反射方向の光軸L3には、コンデンサレンズ11、撮影用光源12が配置されている。これら光軸L2、L3上の構成によって照明光学系が構成される。本実施形態では、無散瞳眼底カメラ100を構成する眼底照明光学系が例示されている。
ダイクロイックミラー8は観察用光源10の波長帯を透過し撮影用光源12の波長帯を反射する特性を有している。観察用光源10はLEDが複数個配置され、赤外領域の波長の光を被検眼に照射する光源である。撮影用光源12は、可視領域の波長の光を眼底Erに照射する光源である。
さらに、無散瞳眼底カメラ100は、眼底像自動合焦部13、眼底カメラ制御部14、SN制御部15、表示用画像処理部16、表示部17を具備している。具体的には、眼底像自動合焦部13は、フォーカスレンズ3、撮像素子5、眼底カメラ制御部14に接続され、眼底カメラ制御部14の指示に基づき、撮像素子5からの画像から合焦評価値を算出したり、フォーカスレンズ3を駆動したりする。SN制御部15は撮像素子5、観察用光源10、眼底カメラ制御部14、表示用画像処理部16に接続され、眼底カメラ制御部14の指示に基づき撮像素子5の増幅率設定や観察用光源10の発光光量設定を行う。眼底カメラ制御部14は撮影用光源12、眼底像自動合焦部13、SN制御部15に接続され、撮影用光源12の発光制御と眼底像自動合焦部13及びSN制御部15の動作開始や停止の全般的制御を行う。表示用画像処理部16は撮像素子5および表示部17に接続され、撮像素子5からの画像に対して、該画像を表示部17に表示する為の画像処理を行う。以上の、眼底像自動合焦部13、眼底カメラ制御部14、SN制御部15、表示用画像処理部16は、無散瞳眼底カメラ100の撮影制御部を構成している。
以下、以上のような構成を備えた本実施形態の無散瞳眼底カメラ100における、観察から撮影までの動作を説明する。はじめに、観察の動作について図2に示すフローチャートを用いて説明する。図2のフローチャートは眼底像自動合焦部13、眼底カメラ制御部14、SN制御部15の動作について示したものである。
撮影者が対物レンズ1の正面に被検眼Eを位置させ、観察が開始されると、SN制御部15は観察用光源10の発光光量をI1に設定する(ステップS101)。SN制御部15に設定された発光光量I1にて観察用光源10が発光すると、その観察照明光は観察用光源10から対物レンズ1に至る眼底照明光学系を通り、被検眼Eの瞳孔Epを介して眼底Erを照明する。この観察用光源10により照明された眼底Erからの反射光は、対物レンズ1、孔あきミラー2、フォーカスレンズ3、結像レンズ4に至る眼底撮影光学系を通り、撮像素子5に達する。
観察用光源10の設定と同時に、SN制御部15は撮像素子5の増幅率をS1に設定する(ステップ102)。この設定された増幅率S1でもって撮像素子5は眼底観察像を撮像する。眼底観察像は表示用画像処理部16にてモノクロ化処理やガンマカーブの演算などの処理が施され、表示部17に表示される。撮影者は表示部17に表示される眼底観察像を見ながら図示を省略している操作桿を操作して無散瞳眼底カメラ100を上下左右、前後に移動させることにより、被検眼Eと無散瞳眼底カメラ100との上下左右、前後方向の位置合わせを行う。
操作者からの眼底像自動合焦の開始の指示操作もしくは装置自身が眼底像から合焦可能と判断することで(ステップS103、YES)、合焦が開始される。すなわち、眼底像自動合焦部13は、光源である観察用光源10により照明された被検体(本実施形態では眼底)を撮像素子5により撮像することで得られた被検体像を用いて、撮影光学系を前記被検体に対して合焦状態とする合焦動作を実行する。また、合焦動作の実行中は、それ以外のとき、すなわち該合焦動作の非実行時よりも撮像素子5を用いた撮像により取得される被検体像の信号対雑音比が高くなるように、撮影設定が変更される。
本実施形態では、上記の撮影設定の変更として、合焦動作の実行中における観察用光源10の発光光量を増加させるとともに、撮像素子5からの信号の増幅率を小さくする。まず、SN制御部15は観察用光源10の発光光量をI1からI2に変更する。ここで発光光量I2は発光光量I1よりも大きい(I2>I1)関係となっている。観察用光源10は、このSN制御部15により設定された発光光量I2にて発光する(ステップS104)。また、発光光量I2の設定と同時にSN制御部15は撮像素子5の増幅率をS1からS2に変更する。ここで、増幅率S2は増幅率S1よりも小さい(S1>S2)の関係となっている(ステップS105)。なお、ステップS104、S105では、観察輝度を一定化する処理を行うが、この処理については後述する。
次に眼底像自動合焦部13は眼底像自動合焦を実行する(ステップS106)。眼底像自動合焦において、眼底像自動合焦部13は、撮像素子5を用いた撮像により得られた被検体像を用いて合焦評価を行い、この合焦評価に基づいて、自動的に眼底撮影光学系を眼底Erに対して合焦状態とする。すなわち、眼底像自動合焦部13はステップS104で設定が変更された観察用光源10により眼底Erを照明しながら、ステップS105で設定が変更された撮像素子5で撮影された眼底観察像を受け取る。眼底像自動合焦部13は、受け取った眼底観察像中の所定のエリアを合焦評価エリアとして設定する。ここで合焦評価エリアとは、眼底観察像のどの部位に着目して眼底像自動合焦を実行するかを示すものである。図3は眼底観察像における合焦評価エリアの一例を示したものである。図3を見ると、マスク18内の眼底観察像が描画されている部分から、中大血管が描画された部分が合焦評価エリア19として設定されている。なお、本実施形態では中大血管の描画部を合焦評価エリア19としたが、乳頭などの他の描画部であっても良い。また、撮影者が眼底観察像から所望の位置を合焦評価エリア19として指定してもよいし、あらかじめ設定された眼底観察像の特定の領域を合焦評価エリア19としてもよい。
図4は図3で設定した合焦評価エリア19のみを抜き出して示したものである。眼底像自動合焦部13は、設定された合焦評価エリア19に対して合焦評価値が最大となるフォーカスレンズ位置をフォーカスレンズ3を駆動させて探索する。この合焦評価値は、合焦評価エリア内に描画された眼底観察像の構造物間の階調差の大きさである。
図5は、図4で示した点線20上の地点P1〜P3における階調値を示したものである。図4及び図5において、地点P1〜P2までが神経線維層の描画部分であり、地点P2が血管と神経線維層の境界の描画部分であり、地点P2〜P3が血管の描画部分である。また本来この階調値には撮像素子5のノイズが重畳されているが、図5では、説明上分かりやすいように撮像素子5のノイズの影響の無い理想的な場合が示されている。
本例の場合、合焦評価値は神経線維層部と血管部との階調差(CT1)となる。合焦評価値CT1が最大となるフォーカスレンズ位置を探索し、探索完了後はその位置へフォーカスレンズを移動させて眼底像自動合焦が完了する(ステップ106)。眼底像自動合焦が終了すると、SN制御部15は観察用光源10の発光光量をI2からI1に設定し直す(ステップS107)。するとこのSN制御部15に変更された発光光量I1にて観察用光源10が発光する。これと、同時にSN制御部15は撮像素子5の増幅率をS2からS1に設定し直す(ステップS108)。撮像素子5は、この設定された増幅率S1によって眼底観察像を撮像することになる。
次に撮影手順について説明する。上述に示す被検眼Eと無散瞳眼底カメラ100との精密な位置合わせ及び眼底像自動合焦が完了した状態になると、撮影者は図示を省略している撮影開始スイッチを操作することによって撮影を行うことができる。
撮影開始スイッチが操作されると眼底カメラ制御部14は撮影用光源12を発光させる。撮影用光源12の発した撮影照明光は撮影用光源12から対物レンズ1に至る眼底照明光学系を通り眼底Erを照明する。撮影用光源12によって照明された眼底Erからの反射光は対物レンズ1から、孔あきミラー2、フォーカスレンズ3を経て、結像レンズ4に至る眼底撮影光学系を通り、撮像素子5に達する。撮像素子5によって撮像された眼底撮影像は、表示用画像処理部16にて色調変換処理され、ガンマカーブの演算処理が施され、表示部17に表示される。
本実施形態では、上述のように眼底像自動合焦が作動しているか否かに応じて観察用光源10の発光光量及び撮像素子5の増幅率を切り替えることで、眼底像自動合焦が作動時は高精度の眼底像自動合焦を実現することを可能としている。さらには、後述の観察像輝度一定化処理により、検者が合焦作動時、非作動時を特に意識することなく装置と被検眼との位置合わせに集中できる。これらについて、眼底像自動合焦が作動時、非作動時に分けて説明する。
<眼底像自動合焦:未作動>
眼底像自動合焦が未作動の時に行われる観察行為は、被検眼Eと無散瞳眼底カメラ100との上下左右、前後方向の位置合わせである。この位置合わせにおいて、表示部17に表示される眼底観察像に要求される事は、撮影者が眼底観察像全体を見て、乳頭や黄斑、血管などの眼底の構造物と無散瞳眼底カメラ100との相対的な位置関係を確認できることである。
従って上述の要求の範囲内で、観察用光源10の発光光量は出来る限り小さい値(I1)に設定し、一方、撮像素子5の増幅率は出来る限り高い値(S1)に設定する。そうすることにより必要以上の観察照明光を被検者に照射しない、つまり被検者に余計な負担をかけないで位置あわせすることが可能となる。
一方、撮像素子5の増幅率を出来る限り高い値(S1)にすると撮像素子5の雑音も同様に増幅されてしまい眼底観察像と撮像素子5の雑音との信号対雑音比が低くなる。それにより、例えば眼底観察像を拡大等して詳細に一部分だけを観察した場合に撮像素子5の雑音が確認されてしまう。しかしながら位置合わせでは撮影者が眼底観察像全体を見て、乳頭や黄斑、血管などの眼底の構造物と無散瞳眼底カメラ100との相対的な位置関係を確認できればよいので、この信号対雑音比の低さはさほど問題とはならない。
<眼底像自動合焦:作動>
眼底像自動合焦では、ステップS106で示したように眼底観察像に対して合焦評価を行う。しかしながら、この眼底観察像の構造物間の階調差は非常に小さい、例えば神経線維層と血管部の階調差CT1は5〜15程度である。その為眼底像自動合焦の合焦精度は撮像素子5による雑音の影響を大きく受けてしまう。
以下、眼底像自動合焦の合焦精度がどのように雑音の影響をうけるかについて説明する。図6は、観察用光源10の発光光量I1、撮像素子5の増幅率S1、つまり眼底像自動合焦が非作動時と同設定にした場合の地点P1〜P3(図4)における階調値を示したものである。撮像素子5の増幅率S1は高い値である為、その影響として、図5に対して撮像素子5の雑音N2が階調値に重畳されていることが分かる。撮像素子5の雑音N2の大きさは撮像素子5の増幅率が高い値であればあるほど大きな値をとり、逆に撮像素子5の増幅率が低い値であればあるほど小さな値をとる。
このような場合において眼底像自動合焦を実行すると、階調差CT1を算出しなければならないはずが、雑音N2の影響により階調差CT2を算出してしまうため、合焦精度が大きく低下する。その為、眼底像自動合焦作動時では、観察用光源10の発光光量を出来る限り大きい値(I2)に設定し、一方、撮像素子5の増幅率は出来る限り低い値(S2)に設定する。つまり眼底観察像と撮像素子5の雑音間の信号対雑音比が高くなる設定にする。このような設定により、高い合焦精度を実現できる。
<観察像輝度一定化処理について>
眼底像自動合焦が作動しているか否かに応じて撮影設定を切り替えることで、特に、観察用光源10の発光光量及び撮像素子5の増幅率をI2>I1、S1>S2となるように切り替えることで上述したような利点が得られる。しかしながら、眼底像自動合焦の作動中と未作動中とで、表示部17に表示される眼底観察像の輝度も変化してしまうという現象も発生し、検者が観察する表示画像が変化して操作しにくくなる可能性がある。そこで、本実施形態では、撮影設定の変更の前後で表示部17に表示される画像の階調性が維持されるように、撮像素子5から得られる被検体像を処理し、処理された被検体像を表示部17に表示するよう表示制御される。より具体的には、眼底像自動合焦が実行されている間は、表示用画像処理部16が撮影画像に対して輝度一定化処理を行なった上で表示部17に観察像として表示するといった表示制御が行われる。このような構成により、眼底像自動合焦の作動中と未作動中とで生じる階調の変化が補正されて表示され、眼底像自動合焦の作動中と未作動中とで表示画像の階調性が維持されるので、検者が合焦動作を意識すること無く操作できる環境を実現できる。
以下、本実施形態による観察像輝度一定化処理の一例として表示部17に対する表示処理に用いるガンマカーブを調整する方法を説明する。
眼底観察像の階調値が変わらないようにする為には、たとえば以下の式(1)を満足すればよい。
α×I1×S1×γ1=α×I2×S2×γ2 …(1)
ここで左辺α×I1×S1×γ1は眼底像自動合焦が非作動時における表示部17に表示される眼底観察像の階調値、一方右辺α×I2×S2×γ2は眼底像自動合焦が非作動時における表示部17に表示される眼底観察像の階調値である。また、αは眼底の分光反射係数、γ1は眼底像自動合焦が非作動時の表示用画像処理部16にて処理されるガンマカーブ、γ2は眼底像自動合焦が作動時の表示用画像処理部16にて処理されるガンマカーブである。もちろん、式(1)を満足する範囲で、I1、I2およびS1、S2で調整することでも達成できることは自明である。
従って、
γ2=γ1×(I1×S1)/(I2×S2) …(2)
により、眼底像自動合焦の作動時に、非作動時の階調値を維持するためのガンマカーブγ2が算出される。そこで、眼底像自動合焦の作動時には、表示用画像処理部16が、このガンマカーブ値を持つ画像を表示部17に表示する。
なお、眼底像自動合焦時作動時においても表示部17には眼底観察像が表示されているので、撮影者は被検眼Eと無散瞳眼底カメラ100との上下左右、前後方向の位置合わせを行うことが可能である。
以上のように、本実施形態によれば、眼底像自動合焦の作動時に、S/N比を向上させるために観察用光源10の発光光量や撮像素子5の増幅率の設定が変更されても、観察像の輝度を一定に保つことができる。そのため、操作者は、眼底像自動合焦の作動時においても違和感なく表示部17に表示された眼底像を観察することができる。
なお上記実施形態では、眼底像自動合焦の非作動時に対し作動時の眼底観察像と撮像素子5の雑音間の信号対雑音比を高くする為に、観察用光源10の発光光量をI2、撮像素子5の増幅率をS2としたがこれに限られるものではない。観察用光源10の発光光量をI2に設定し、撮像素子5の増幅率をS1のままとしても眼底観察像と撮像素子5の雑音間の信号対雑音比を高くすることができる。同様に、観察用光源10の発光光量をI1のままとし、撮像素子5の増幅率をS1からS2に変更しても、眼底観察像と撮像素子5の雑音間の信号対雑音比を高くすることはできる。そして、いずれの場合にも、上述した観察像輝度一定化処理を実施して、表示部17に表示される画像の輝度を一定化することができる。
なお上記実施形態では、眼底像自動合焦の非作動時に対し作動時の眼底観察像と撮像素子5の雑音間の信号対雑音比を高くする為に、撮像素子5の増幅率の設定を変更したが、撮像素子5の電荷蓄積時間を変更しても同様に眼底観察像と撮像素子5の雑音間の信号対雑音比を高くすることができる。例えば眼底像自動合焦が非作動時の電荷蓄積時間をSP1、作動時の電荷蓄積時間をSP2とすると、SP1>SP2の関係となるようにすればよい。また、その場合、式(2)のS1,S2を、SP1,SP2で置き換えることで、観察像輝度一定化処理を実現できる。
なお上記実施形態では眼底像自動合焦を行う場合について説明したが、眼底像自動合焦を行わずに撮影者が撮像素子5によって撮像された眼底観察像をみながら手動で合焦させる場合についても同様の効果が得られる。具体的には、撮影者からの操作入力に応じてフォーカスレンズ3を移動して合焦状態とする手動合焦モードに移行した場合に、撮影制御装置が合焦動作の実行中と判断し、撮像により得られる画像の信号雑音比を向上する撮影設定に変更する。あるいは、手動でフォーカスレンズ3が操作されたことを検知する検知部を設け、その検知部の検知結果により合焦動作の動作中、非動作中を判定するようにしてもよい。非作動時は被検者の負担を減らす為、眼底観察像と撮像素子5の雑音間の信号対雑音比を低い設定にする。一方作動時は、非作動時に対し眼底観察像と撮像素子5の雑音間の信号対雑音比を高い設定にし、手動による合焦時においても高精度の合焦を提供することができる。更に、その際には、観察像輝度一定化処理が実行されるため、撮影者は、フォーカスレンズ3の操作時と非操作時で均一な輝度の画像を見ることができる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (10)

  1. 撮影制御装置であって、
    光源により照明された被検体を撮像素子により撮像することにより得られた被検体像を用いて撮影光学系を前記被検体に対して合焦状態とする合焦手段と、
    前記合焦手段による合焦動作の実行中とそれ以外とで、前記撮像により得られる被検体像の信号対雑音比が変わるように撮影設定を変更する変更手段と、
    前記変更手段による前記撮影設定の変更の前後で表示手段に表示される画像の階調性が維持されるように前記被検体像を処理し、処理された被検体像を前記表示手段に表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする撮影制御装置。
  2. 前記変更手段は、前記合焦動作の実行中における前記光源の発光光量を、該合焦動作の非実行時における発光光量より増加させることを特徴とする請求項1に記載の撮影制御装置。
  3. 前記変更手段は、前記合焦動作の実行中における前記撮像素子からの信号の増幅率を、該合焦動作の非実行時における増幅率より小さくすることを特徴とする請求項1または2に記載の撮影制御装置。
  4. 前記変更手段は、前記合焦動作の実行中における前記撮像素子における電荷蓄積時間を、該合焦動作の非実行時における電荷蓄積時間よりも短くすることを特徴とする請求項1または2に記載の撮影制御装置。
  5. 前記合焦手段は、前記撮像により得られた被検体像を用いて合焦評価を行い、前記合焦評価に基づいて前記撮影光学系を自動的に前記合焦状態とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮影制御装置。
  6. 前記合焦手段における前記合焦動作では、前記撮影光学系におけるフォーカスレンズの移動が撮影者による操作入力に応じて行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮影制御装置。
  7. 前記表示制御手段は、前記変更手段による前記撮影設定の変更の前後で前記階調性が維持されるように、表示処理に用いるガンマカーブを変更して前記被検体像を処理することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮影制御装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮影制御装置と、
    前記光源と、
    前記撮像素子と、
    前記撮影光学系と、を有し、
    前記被検体として眼底を撮影することを特徴とする眼科撮影装置。
  9. 撮影制御方法であって、
    合焦手段が、光源により照明された被検体を撮像素子により撮像することにより得られた被検体像を用いて撮影光学系を前記被検体に対して合焦状態とする工程と、
    変更手段が、前記合焦状態とする工程による合焦動作の実行中とそれ以外とで、前記撮像により得られる被検体像の信号対雑音比が変わるように撮影設定を変更する工程と、
    表示制御手段が、前記変更する工程による前記撮影設定の変更の前後で表示手段に表示される画像の階調性が維持されるように前記被検体像を処理し、処理された被検体像を前記表示手段に表示する工程と、を有することを特徴とする撮影制御方法。
  10. 請求項9に記載の撮影制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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